グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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おすすめの犬の本・コンラートローレンツ「人イヌにあう」

中学生のときに犬の訓練士になりたいと思ったときから、犬の本をたくさん読みました。30年以上前、覚えているのは犬の行動学に関する本はほとんどなかったということです。犬のしつけ本すらありませんでした。犬は外で飼うのが当たり前で、咬む犬は飼えないという判断が当時の常識だったことや、室内飼育の犬が少なかったことが、しつけ本のなかった理由なのかもしれません。

しばらくすると、海外の動物行動学者で、オオカミやジャッカルなどのイヌ科動物を観察対象とした行動学の翻訳本が出版されるようになりました。これらの本が出たらすぐに購入して読みふけりました。逆にペットの増加で急増した犬のしつけ本のほとんどが、大変つまらないものばかりでした。犬の本質にはふれない、対処法的なものばかりでしつけ本の危険性を感じたものです。

今や膨大な犬の本の中で、この本だけは自信をもっておすすめすることができます。

動物行動学者のコンラート・ローレンツ博士の著書「人イヌにあう」

この本は古典です。1966年に翻訳された初版が出版されました。犬の本がすくなかった私の学生時代にもあり、いち早く手にとり読んだ本です。ところがその当時、まだ犬のことを理解できていなかった私にとっては、この本はなかなか難しい本でした。他の行動学の本と異なり、ローレンツ博士が自分のイヌやネコとの関わりの体験を元にして書いた、動物の行動学に、人と動物の関係学が含まれた内容となっています。

人と動物の関係学については、のちにこの分野が確立されるようになり、動物行動学とは別の研究分野となってさまざまな本が出版されています。動物の家畜化の過程や、ペットの人に与える影響などについて書かれています。

ですがローレンツはずっと以前から、イヌとネコは他の家畜化された動物とはことなる動物として分類していたようです。本の冒頭にも、友人からイヌとネコの本を別々に書くように忠告されたことが記述されています。動物行動学として考えれば、イヌとネコは別々の動物ですが、ローレンツ博士がここで伝えたかったことはそれだけではなかったことが、イヌとネコのことをいっしょに書いたことからも伝わってきます。

私は今でも時折この本を読み返します。イヌという動物のことを理解すればするほど、この本のすばらしさを共に理解することができるようになり、少しずつだけど近づいているという感覚を得られて自分の道を確認することができます。そして、ローレンツ博士のいう「イヌ」が減っている危機感もつのらせています。この本は古典であり真実です。

本からはコンラート・ローレンツ博士の動物に対する愛を感じます。それが彼がイヌやネコ、他の動物を正しく見ることができた姿勢なのだと感嘆し、自分もそうありたいとそこを目指しています。

イヌを心から愛するという姿勢を持っている人なら心に届く本です。。読んだことがない方はぜひ、読んだことがあるけどあまり覚えていない、という方はもう一度読んでみてください。

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