グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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屋外飼育から室内飼育へ:環境の変化が犬に与える影響

引越しは人にとっても大きな人生の変化です。生活環境が変わるというのは、どんな動物にとっても大変なことです。今まで理解してきた生活に必要なものを得るための地図をつくりかえる必要があるからです。今まで培ってきた地域とのつながりをつくりかえる必要がある。新しい職場で新しい仲間とひとつずつ関係をつくっていく必要がある。どれも大変なことですが、これは犬とっても同じことです。

犬から見るの引越しは、生活圏が移動するだけでなく別の変化を必要とされることがあります。たとえば、庭付きの戸建てからマンションへの引越しにより排泄が庭でできなくなり散歩時に排泄する生活に変わること。また、戸建ての庭で飼われていた屋外飼育をされていた犬が、マンションの室内飼いに変わる必要を迫られること、などもあります。タロウくんの場合には後者の方でした。

人も年齢を重ねてくると郊外や少し田舎の静かな環境の庭付きの戸建てでゆっくりと暮らす生活スタイルも増えますが、若い時期は両親との同居から独立して都心でアクティブに働きたいという時期でもあるので、犬の生活も都市型になっていきます。タロウくんの場合には、1歳を過ぎてから田舎の戸建てから都心のマンションへの引越すということでご相談を受けました。

戸建ての屋外飼育のときには、来客の気配や来客が室内にいる間中吠え続けてしまうような状態だったので「このままではマンションには連れて行けない」と感じられたようです。マンションは隣が壁ひとつですし、廊下を通る人の話し声、他の家を訪れる来客や宅配の車、近くの公園で遊ぶ子供の声、など周囲に家のない戸建て環境と比較すると刺激がすごく増えてしまうことになります。

タロウくんは確かに、来客があるとずっと吠えているようでした。最初に訪問したときにはタロウくんの吠え声で、飼い主さんとの会話が聞き取れないほどの声で吠え続けていました。このタロウくんの問題がタロウくんの性格にあるのではないことをお伝えしました。また、飼育環境としては屋外飼育が問題だったのではなく、落ち着ける環境を整えられていなかったことと、タロウくんの性格にあった接し方ができていなかったことがタロウくんの行動を落ち着きなくさせていたのです。

引越しすることがあらかじめわかっていたなら「犬を飼う」という選択はなかったのかもしれません。引越しを機会に「犬を他の方に飼っていただく」という選択も悪いものではありません。犬は終生飼育が義務付けられていますが、人の人生にはいろいろな予期せぬことが起きますので、犬の立場からみて犬が落ち着いて暮らせる環境が整えられる方を新しい飼い主さんを見つけることは、逆に飼い主としての責任であるともいえます。

しかし、タロウくんの飼い主さんは、タロウくんと一緒に暮らすことを望まれました。「犬に負担がかかることはわかっている。だけどいっしょに暮らしていきたい。そのためにできることをしたい。」という気持ちでトレーニングに取り組まれました。

静かな田舎環境から都心のマンションの室内飼育に変わるとなれば、犬という動物にはかなり負担のかかることです。この引越しという人生のハードルを「犬を理解する」機会に変えることが、飼い主としてタロウくんにとってできる最善のことです。飼い主さんはタロウくんの安定と安心のために真剣に取り組まれていました。

犬のトレーニングはまず犬を理解することです。引越し前の環境でカウンセリングを行いましたので、カウンセリングではこの環境がどのようにタロウくんに影響しているのかをお伝えしました。そして、タロウくんの行動観察や行動に関する情報を聞いて、現在のタロウくんの状態とタロウくんのためにどのような環境を整えることが安定した状態を導き出すことなのかもいっしょに考えていきました。

クレートを活用したトレーニングを導入しながら、長い留守番のストレスを解放させるためにしなければいけないこともたくさんあります。周囲の散歩コースは引越し前までは犬とも人とも会わないような田舎道だったのですが、その田舎道でも興奮して歩いていた社会性の育っていないタロウくんを落ち着かせるためには練習も時間もたくさん必要です。

散歩など外環境での犬の行動を安定させるためには、室内環境を整えるのが先です。家の中ではうちの犬は問題ないんです、散歩のときに引っ張るのだからと散歩の練習ばかりをしていると本当の問題を見失ってしまいます。本当の問題とは
「人と犬との関係づくり」です。それをわかりやすくしているのが、人と犬のテリトリーということです。

屋外飼育では犬の生活する場と、人の生活する場は分かれています。室内飼育では、閉ざされた空間である人の部屋の中に犬が生活することになります。ここで人と犬の関係が対立した状態であれば、互いの境界線が強すぎで犬はクレートから出ても落ち着かないという行動を示すようになります。飼い主さんとコミュニケーションをとりながら、お互いに「個」としてのスペースをしっかりと確保しながら、人と犬という家族という枠の中に入ること。それでも「人」と「犬」という生活の中に決められた互いのルールというのがありますので、人と犬はお互いの時間とスペースを尊重しながら過ごす必要あることなど、少しずつ飼い主さんは理解を進めていきました。飼い主さんの理解が進むと、犬に伝えたいことがこちらも少しずつ進んできます。

人がいると安定するようになったように思えても、室内飼育の別の問題も浮上してきます。室内で犬を飼育する場合には、人に依存させてしまいやすい傾向があります。過度になると分離不安といった状態で現れます。日本のアパートやマンションの部屋はそれほど広くありません。プライバシーを守るために窓も閉めたままになりがちで閉ざされた空間になりやすいのです。依存しやすい傾向はスペースの狭さからも生じてしまいます。

難しい環境の中でバランスをとっていくいうのは大変なことです。都市環境の犬と飼い主さんには、都市環境から抜け出す練習を取り入れながらいつかまた犬が元気なうちに新しい生活の場が見つかるといいなと思うのが正直なところです。
ですが、それまでは犬も飼い主さんのそばで毎日声をかけられるのを待っていることでしょう。タロウくんはまだまだ若いです。これから一歩ずつ飼い主さんと歩いていって豊かな毎日重ねていくのでしょうね。



※このコラムはグッドボーイハート生の成長を元に書いています。名前は仮名です。

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犬との正しいあいさつを知っていますか?

先日、お家に来たばかりの子犬のご自宅へ訪問しました。
ところが、その子犬は私の姿を見てワンワンと吠えて飛び跳ねています。
大変興奮した状態なので、何か訳があるのだろうなと思い飼い主さんに状況をうかがっていきました。

話しの内容で、子犬が人を見て興奮するようになった理由がわかりました。

子犬が来ることが以前からわかっており、来客の出入りの多い場所であったことから
子犬が来たら見たいという「犬好きさん」たちがたくさん面会に来たようです。

犬を好きな方の多くは、犬とのあいさつのときに興奮してしまいます。

「キャーカワイイー」と大きな声を出しながら接する

子犬を抱き上げて、タカイタカイをする

子犬を抱き上げて、抱きしめる

子犬を抱き上げて、頬ずりする

子犬に抱きつく

子犬の頭や顔を撫で回す

子犬に覆いかぶさるようにして手を出す
※手の甲の臭いをかがせるという方法が広まっていますが、これは犬によります。

子犬に手を出すと子犬がひっくりかえり、その後腹をなでる。


こんなパターンの行動で接する方が多いのではないでしょうか。

こうした接し方は、犬とのあいさつとしては間違っています。

どのように間違っているのかをひとつひとつ説明するにはコトバだけでは不足になりますが、わかりやすくいうと、犬のスペースを侵しているということです。

接し方の基本は子犬も成犬も同じです。

子犬の方がまだパーソナルスペースがきちんと出来上がっておらず、
他者に踏み込ませやすくなったり、また好奇心がつよく、子犬の方から新しい臭いに
興奮したりとびついたりすることが起きるという違いはあります。

でも、最近では成犬になってもこのパーソナルスペースがきちんとできあがっていないため
来客に飛びついたり、体を押し付けたりしてくることもあります。

では、正しい接し方はどのようなものでしょうか。
相手のスペースを侵略しない接し方です。

よい例は「犬にあまりなれていない」人が子犬に接するときです。

犬に慣れていない人でも小さな子犬で興奮度が低い犬でしたら、怖がる人はいません。

そうした人たちは、子犬を見ても立ったまま、まれに座っても、自分は動こうとはしません。
子犬が近づいてくるのを待ち、近づいてきたら臭いをとらせませます。
ごあいさつはこれで終わりです。

子犬は成長と共に、人を観察するようになり、どのように近づいていくのか
どのように人が自分を認識して受け入れるのかを学ぶようになるのに数ヶ月は必要です。

あいさつのあと、もっとコミュニケーションを深めたければ、オモチャなどの道具をもって
遊んであげるのがいいでしょう。

でも時間が必要です。

遊びとなると関係性を深めていく段階に入っていきます。
なんどもその犬とこれから会う可能性があって、その子犬にとって大切な存在となる人とは
回数と時間を重ねて、少しずつ関係性を高めていってください。

その他の人は、通りすがりの人です。
子犬が臭いを取りにいけば、ごあいさつはそれで終わり
その後は子犬にかまう必要はありません。

犬のスペースを侵さないように配慮してくださればそれで十分です。

犬とのあいさつの仕方は、コトバ伝えることはむずかしいですが、
実際に接しているのをみていただけるとわかります。

レッスンを受講していらっしゃる方は、少しずつ身に付けていかれます。

実はこうした学びは、犬に号令を教えることよりもずっと大切な学びです。

もっとわかりやすく理解していただけるように、イラスト化を企画してます。

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犬が暑さを乗り切るコツ

毎年この時期になると思うことが「今年の夏は暑くなるのだろうか」ということです。
一般的に犬は暑さが得意でないため、夏に体調を崩すことも多く、暑さ予報にに敏感になってしまうのです。

一般的な犬というと、超小型の犬を外したほぼ全ての犬が暑さは得意ではありません。
大型犬や西洋の北部で繁殖されていたような純血種はもちろんのこと、日本の純血種である秋田犬や柴犬なども毛の量が大変多く、本州より南のこれらの犬にとっては夏は辛い季節です。
小型犬は暑さに強いように思われていますが、そのようなことはありません。トイプードル、チワワ、ミニチュアダックス、キャバリアなど、小型の純血種はたくさんいますが、どの犬も暑さには弱いです。
毛質の問題だけでなく、汗腺がほとんどないことがその理由です。

超小型のチワワになると暑い日も活動するため暑さへの反応は少ないようにみえますが、これらの犬たちも暑さは得意でないと思われることがあります。これは後で説明します。

犬が体温調節のためにすることは、ハアハアと口から蒸気を吐き出すことです。これが人が出す大量の汗に相当します。そのために水を余分に飲む必要があります。この作業は心臓のポンプを使いますので体力を消耗します。

涼しい場所で体を冷すということもします。外飼いの犬たちは家の軒下に穴を掘ってその中に体をうずめます。土が冷たく体温を下げてくれます。いくつもの穴を準備して、日替わりでその穴にはいっている犬もいます。コンクリートで穴が掘れないときも、床下は大変涼しいので、床下にもぐっていく犬もいます。それでも、周囲の環境の悪化は外飼いの犬たちにとって厳しいものへと変化しているようです。

子供のころに扇風機で過ごせた博多の夏が、エアコンがないと過ごせないようになりました。地球規模の変動もあるのでしょうが、都市環境が進みアスファルトの土地にたくさんのエアコンの室外機からの暖気によって都市環境の夏は酷暑になりました。それは中心地から進んでいますが、確実に外飼いをされている犬たちの地域にも影響を与えています。

水のあるところに伏せてしまう犬もいます。一旦は体が冷えて気持ちがいいのでしょうが、ハリのない毛質(飾り毛)の犬の場合にはすぐに毛が乾かず、人でいう濡れた洋服をきた状態になってしまうため、立ち上がったときにタオルなどで腹部を拭いてあげてください。

室内飼いの場合にはエアコンで乗り切られることでしょう。犬はエアコンはあまり得意ではありません。エアコンに当たると体がだるく感じられないでしょうか?エアコンの入っている室内では長袖を着る方が多いのも同じ理由からです。地肌が寒さを感知すると、少しでも熱を外に出したいという動物の体の機能に反するため、熱が体内に閉じ込められてしまい体がだるくなるのです。一定時間エアコンをいれても、外の気温が低い時間には窓をあけて風をとおしたり、エアコンを使わなくてもいいような場所に一定時間を過ごすなどと工夫をしてみてください。

山間部や田舎に住む友達がいたら、夏の数日でも掃除などを手伝いながらそこで過ごさせてもらうとか、週末ごとに通うとか、それでも犬の体調には良い影響を与えてくれると思います。これはある意味犬の別荘のようなものですが、贅沢という意味ではなく健康のためには必要なことではないかと真剣に思っています。

ハアハアと体温を下げる行為ですが、実はこの行為があまり出ない犬もいます。暑いのが得意なのではなくて、体力がないため行動が起きないのです。そのため秋頃になると体調と崩してしまいます。中にはハアハアいわないから大丈夫と散歩出てしまい、散歩中に熱中症で卒倒したという例を聞きました。こうした行動はわかりにいくく、なかなか気づいてあげることができないのですが、全体の表情や状態を日頃から細かく観察していれば、普通ではないその変化には気づきやすくなります。

熱中症につながるのは犬を興奮させることです。海や川での興奮遊びも涼しいからといって油断できません。興奮しやすい犬は短い時間だけ、休憩を十分にとって過ごしてください。人と同じように犬も夏の事故は多いので、怖がると何もできないと不安になるかもしれませんが、ゆっくりと時間を使うことがポイントです。
犬たちとよいひと夏を、夏はもうすぐそこですね。

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パピートレーニング<子犬と子犬の遊び>

子犬を迎えるのは生後7週齢から8週齢くらいです。少し早いと思われるかもしれませんが、この時期に迎えることで子犬に成長過程で必要なことを経験させることができます。

子犬を迎えた家庭で飼い主がやらなければいけないことは山のようにありますが、この中には難しいこともあります。そのひとつは子犬と子犬を適切に遊ばせる機会をつくるということです。

難しい理由はいくつかあります。たとえば、その子犬にあった性質の犬がみつかるかどうかわからないということです。子犬の性質もさまざまです。同じ犬種では似たような遊び行動が見られるため比較的安定した遊びを見られることがありますが、犬種よりも個性の方が強いため同種でも相性があわないこともあります。

問題をもっと難しくしているのは、子犬が人に飼われる環境に暮らし始めることで子犬の成長がストップしてしまったり、子犬が人に対して優位性を高めてしまうということです。子犬が母犬や他の兄弟犬たちといっしょに過ごしている姿をイメージしてください。子犬は特別な存在ではなく、他の兄弟たちと同等に扱われ、生後7週齢になると飛んだり跳ねたりする行動が増える子犬については、母犬を含め成犬は厳しく接します。

これに対して家庭に迎えられた子犬は、飼い主にダッコされ飛びついたり飛び跳ねたることも許されています。ワンワン吠えれば吠えるのを止めさせようとする飼い主から食べ物をもらえるし、怖がる反応を示せば「かわいそうに」と抱き上げられることもあるでしょう。

こうした家庭内での接し方が、子犬と子犬がうまくいかない理由にもつながるのです。
遊びは対等なものです。どちらかが自分の優位を占めそうとすると、相手は遊びを止めてしまいます。イライラして吠えると相手のテンションが上がりすぎて興奮が激しくなります。子犬の遊び方をみていると、ご家庭でどのように接しているのかが見えるのです。

人の接し方だけでなく、子犬の日常のストレスも子犬のコミュニケーション力に影響します。
生後8週齢を過ぎると、感覚が増し外界の音を含む刺激に反応が高くなります。順応性が育たないと子犬のストレスは強くなり、それが激しいコミュニケーションとして表現されてしまい、遊びも興奮遊びになります。

パピーウォーカーの指導員を勤めていたことがあります。盲導犬育成施設による計画繁殖された子犬たちなので、親犬のストレス管理から行われ交配、繁殖についても十分な準備の上行われます。生まれた子犬たちの社会性にも常に配慮が払われ、その子犬に適したパピーウォーカーさんを選びます。それでも子犬の気質が安定しないことがあります。団体として決められた接し方のルールがある上に同じ母犬から生まれた子犬でも、日常的な接し方の少しの違いが子犬に影響を与えていることがわかります。

また、子犬の興奮遊びを放置することは危険です。子犬のころは仲良く遊んでいたんですという犬が、成長して他の犬が苦手になるような状態は子犬の興奮を放置した結果起きることがあります。子犬の興奮を、子犬を管理する親犬や成犬は見逃しません。厳しく止めに入ると子犬は悲鳴を上げて逃げることもあります。でもこうした適切な制御は子犬にとって必要なことなのです。

子犬遊びの質を見極められない方は、専門家の立会いの下で子犬を遊ばせることで子犬について学んでください。多頭の犬があつまるパピーパーティは違う性質の異なる環境で生活している犬たちがの集まりです。パピーパーティに参加して社会性を落としてしまう犬がいることも事実です。子犬が隠れたり、走り回ったり、吠えたり、膝にのってきたりする行動をしたときは、異なる状況での遊び学習をおすすめします。

パピーパーティは海外から入ってきたものですが、成長後の影響について追跡は難しいです。子犬同士が集まっているのをみたいという飼い主の欲求を満足させるものになっていることもあります。また、子犬期には成犬のような吠える咬みつくという行動が出にくいため、多頭があつまってもその危険性についてわかりにくいという面があります。子犬のことを理解するためには、パピーパーティよりも子犬の行動としつけについて学ばれることをおすすめします。

子犬期の経験は子犬にとってとても大切です。それは誰もがわかっていることでしょうが、かわいい子犬をきちんと理解するためには、飼い主の知識だけでなく飼い主の自制を必要としていることを胸に、成長を見守ってあげてください。子犬にはストレスがないという思い込みをすてて子犬をよく観察してください。子犬は不安定な環境で常にストレスと戦っています。たとえば、子犬が自宅で家具をかじるような行動を見せ始めたら要注意です。子犬は吠えたり咬みついたりはしませんが、行動しやすく子犬のシグナルはわかりやすいものです。子犬のサインを早く受け取ってあげましょう。

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発見する楽しみ

先日博多駅の商業施設の中を歩いているときに思ったことがあります。いろんな店が入っているのだけど、それぞれの店においてあるものが幅広いなということです。たとえば、洋服の店にアクセサリー、マグカップ、文房具やシールがあるとか、家具屋さんに洋服、財布があるという感じでどの店も雑貨店のようです。ものにあふれる時代なので、どうしたら売れるのかを考えた上での作戦なのでしょう。

洋服の並べ方にも工夫があるなと思います。パンツやシャツを別々に置くのではなく、あらゆる商品が混ざったように置いてあったり飾ってあります。大量に同じ商品を販売する店ではできない販売方法かもしれませんが、同じものが数点という店になると、同じ場所においてあるよりも1点1点がことなるものとしてディスプレイされている方がお店に滞在する時間が長くなりそうです。

買い物をすることの楽しみは「買う」という行為よりも「探す」という行為にあります。これらの陳列方法だと「探す」行為が複雑ではあるけれど、さらにそのことが「探す」欲求を高めてくれるためその欲求が満たされます。「探す」欲求、つまり探索欲求はどのような動物にとっても高い欲求です。

犬が探索をしている行動を見たことがあるでしょうか。限られた空間でも犬は探索をします。たとえば、部屋の中においてあるクッキーのいれものを探し当てられたことはないでしょうか。犬の探索行動は臭いを追う行動です。鼻をつかって臭いを追跡するような行動をとります。地面に鼻をつけたまま歩くこともあるし、地面から顔を上げて定期的に臭いを確認しながらその場所に近づいていくこともあります。野いちごをとるときにも、臭いを確認しながら鼻で探しあてます。

どんな動物も食べるためには探し当てることが大切であったわけで、犬が探索欲求をもとに行動を起こして満足を得られることは、犬の動物としての自由度を感じられる行動でもあります。これは「ただ与えられる」という事では満たされない欲求です。

犬と同じように人にも探索欲求があります。犬の気持ちを知りたければ、自分が探索しているときの集中力の高さに注目してください。人は目で探索しますが、探しあてたときの喜びは同じものです。ですがそれを手にしてしまうと、すぐに次のものを探しはじめるときは、探索欲求はあまり満たされていません。冒頭の買い物をイメージするとわかりやすいですね。

探索欲求はただものを探すという行動ではなく、「発見」をくり返していく原始的な行動です。「発見」は物質化したものを探す行為だけをさすのではなく、目にみえない感覚や知識を探す行為でもあります。

犬にも物質的なもの、たとえば食べ物ばかりを探す行動が増えてしまうことがあります。食べ物を使ったトレーニングは必要なこともありますが、偏りすぎると別の発見をする機会を失ってしまいます。

犬のことを理解するために学ぶことの楽しさは、この「発見」です。
真に満たされる探索を、犬も人も楽しみたいものです。

Sniff Out!

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犬は隠れる動物

犬のトレーニングクラスで大切にしている課題のひとつが「環境を整える」ことです。

家庭犬インストラクターとして、今までにさまざまな形のクラスを通して犬の生活を飼い主さんといっしょに考える機会がありました。訪問件数が多くなりすぎて訪問ができなくなってしまい、通学型のドッグスクールに変えたこともあります。通学型のスクールの良い点というのもありましたが、どうしてもクリアできなかった問題が、家庭環境を直接見て、その中で犬の行動を観察することができなかったということです。家庭訪問トレーニングから通学型に変更したあとに、家庭訪問トレーニングの大切さを改めて痛感しました。

通学型のトレーニングのときには、飼い主さんにヒヤリングを行ったり、ビデオや写真を取ってきてもらい、いろいろと改善点を探していきました。ですが、実際に家庭訪問を行うと、犬とって大切である環境のいろんな部分が犬目線では考慮されていないことに気づきます。「通路からは犬のスペースが見えないように配慮されていますか?」という質問に、「はい、大丈夫です。」と答えられても、実際にはそうなっていないことがあるのです。

家庭訪問でトレーニングを行うと、犬の目線に立っていろんな角度から、犬の生活している環境を犬がどのように感じているのかを知ることができます。そして、より早く犬の落ち着かない理由を見つけ出すことができるのです。
たとえば、室内と続きのスペースで犬の居場所を設置されている場合があります。テラスを犬用のスペースにされている状態を想像されると良いでしょう。こうした空間は仕切りが家のガラス戸です。そのため、カーテンが閉まっていないと、室内の人からも犬がすぐそばに見え、犬の方からも室内の人が見える状態になります。

カーテンはいつもあけられ、室内にいる飼い主さんたちに常に見られている犬がテラスにいます。もしくは、飼い主さんたちは、各自が犬を見たくなったときにカーテンを開けて犬を見るということも多いようです。
小さな子供さんがいる場合には、犬のスペースは中からみると動物園のような観賞用のスペースになってしまい、子供さんは動くものを見たくてガラス戸に張り付いたり、手を振ったり、ガラス戸の内側でオヤツを食べたりしているのをみかけます。

こうした状況を好まない犬は、そのスペースにある犬小屋に隠れたりすることもあります。まさに動物園の動物が、見物されることをさけるため、奥の部屋に隠れている姿のようですね。あまり出てこない動物のスペースには「夜行性なので日中はあまり外に出てきません。」の表示がかけられていることもあります。犬もそう思われてしまうかもしれません。

犬小屋に隠れることもできないタイプの犬は、自分のスペースを左へ右へとウロウロと歩き回ることがあります。ときには円を描くようにグルグルと回ることもあります。こうした行動も動物園の動物がしているのと同じ行動です。これは常同行動といって、同じ行動を何回もくり返すストレス性の行動で、動物のストレスの度合いはかなり高まっていますよというシグナルです。

犬は動物園の動物と異なり、人に対し積極的なコミュニケーションをとりますので、相手を遠ざけようとワンワンと吠えたり、唸ったり、ガラス戸にとびついたりすることもあります。ですが、こうした攻撃的な行動も、犬が喜んでいると受け取られてしまうことがあるのです。実際これらの行動を見て、小さな子供さんたちはキャーキャーとはしゃいでいます。犬はますます興奮します。犬舎から出てこれらの子供達と接触した場合に、日頃の攻撃的行動のくり返しにより事故が起こる可能性も高まっていくため非常に危険な状態です。

こうした犬の行動から見ると、犬が室内から「いつも見られている」環境では、落ち着けないことがわかっていただけましたか?犬がガラス戸に飛びついたり、吠えたり、くるくると動き回っているのは、喜んでいるからではないことを、知っていただきたいのです。

犬は散歩や遊び以外の多くの時間を休むために使います。他の動物達と同じです。人のように熟睡をしない犬は、浅い眠りを続けますが、その時間はとても長いのです。活動時間は午前中と夕方が中心となり、昼間と夜は寝ています。そのため、犬の生活空間は、落ち着いて寝ることのできる場所を必要としているのです。

子供さんや家族にいつも見れてしまう動物園状態になっている環境では、犬の視線が隠れる高さまで何らかの目隠しをします。犬と遊びたくなったら犬舎まで出て行ったり、犬の散歩に出かけるなど、直接的に触れ合うコミュニケーションをとっていただくこともルールのひとつです。目隠しの設置で犬はかなり落ち着きを取り戻していきます。

室内に近いテラスを犬のスペースにされることが増えているのは、いくつかの理由が考えられます。
いつでも犬に触りたいので、犬を汚したくない。
せっかく犬を飼うのだから、できるだけ近い場所にいていつでも会いにいきたい。
庭が狭いため、テラス以外に外飼いが可能な場所がなかった。

理由はともかく、テラスを犬の生活環境とするなら、きちんと環境を整えてあげる必要があります。

犬という動物は「隠れることが休むこと」という動物です。実はわたしたち人にもその性質があるため、この点については共感できると思います。犬の視点で考えること。動物を理解するためのシンプルな方法です。

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オスワリとフセはできるのに…。

トレーニングのご相談やカウンセリングの際に飼い主さんによく言われることがあります。「うちの犬はオスワリとかフセはちゃんとできるんですけど」。オスワリやフセはちゃんとできるのに、やってほしいことができないとか、他に困ったことをしてしまうということです。特に室内犬にこの傾向があるように思えます。

子犬を飼い始めたときは、飼い主さんも気合や楽しみがいっぱいです。犬が家に来たら、早速オスワリやフセを教え始めるでしょう。大好きな食べものやオモチャを犬に見せれば、犬はこちらをみます。それを使ってオスワリやフセを教えるのはそれほど難しいことではありません。早ければ数回で覚えてしまうかもしれません。犬が幼少期であればあるほどその覚えは早く「うちの犬は頭がいい!完璧!」だと感動されることでしょう。そして、これで犬のしつけは十分にできていると思い、目の前で起きている少し気になることも、犬が年をとって落ち着いてくればそのうちに止めてくれるだろうという、淡い期待を持ってしまいます。もしくは、成長と共に生じてくる「吠える」「興奮する」という行動も、「オスワリもフセもちゃんとできる。しつけはきちんと教えてあるから大丈夫。」と思って見逃してしまうかもしれません。

ところが、犬の少し気になる行動はなくならないばかりか、新しく生じた問題となる行動や困った行動などが出てきてしまいます。

「オスワリもフセもちゃんとできるんです。子犬のころにパピー教室に通ってちゃんとしつけをしたんです。」飼い主さんにとっては何でもものをおぼえるお利口さんの犬が、どうして困ったことをするのだろうという状態になり、飼い主さんも混乱してしまうようです。

こうしたケースで犬が困った行動を起こしてしまうシチュエーションは、飼い主さんが犬の相手をしていないときです。たとえば、犬がそばにいるのに家族と話している、散歩中に人とお話する、他の犬の相手をする、電話をかける、パソコンをする…などですね。飼い主さんが犬をしっかり見ていて、「オスワリ、おりこうさんね~。」とか「フセ、イイコだね~。」といっているときは、ちゃんと言う事を聞いてくれます。犬は「わたしを見て!」「ボクに声をかけて!」という状態ですから、相手をしなくなると、ものを破壊する、吠える、マーキング、テーブルの上にのる、などと、飼い主が止めに入らなければいけない状態をつくっていきます。飼い主の気を引く行動をしてしまうのです。

では、どうしてこんな問題が起きるのでしょうか。

犬のしつけとトレーニングについて誤解されていることがあります。それは、犬のしつけやトレーニングは犬のしつけ方教室に通って犬にオスワリやフセを教えることだと思われていることです。同様に犬に合図を言って行動をさせる芸やトリックのトレーニングは、一定の目的を果たしてくれることがありますが、やりすぎると本来の目的を見失ってしまいます。
なぜかというと、たとえば「オスワリといって犬が座るように教える」というトレーニングは人から犬に話しかけ相手が聞くというコミュニケーションではありますが、一方通行のコミュニケーションなのです。犬が人に話しを聞いてもらえる対等性のあるコミュニケーションではありません。
そのため犬はいつまでたっても感情が満たされず、犬の方から飼い主に関心をむけさせるようなコミュニケーションをとろうとします。そしてそのやり方は激しく非常にイライラとしたもので、飼い主さんをも苛立たせるものになっています。他の犬にも同じように働きかけますので、他の犬をイライラさせたり遠ざけたりするような結果になってしまい、犬はますます孤独になってしまいます。
それが一時的なものであれば、こちらの接し方を変えるだけで自分を取り戻し正常なコミュニケーションが復活します。ところですが、成長過程で一方通行のコミュニケーションを受け取り続けると、成長期にきちんとしたコミュニケーション力が育っていない、つまり社会性が未熟な状態となり、問題は多少複雑になっています。

ここまで、理解していただけたでしょうか。

で、どうすればいいの?というのが一番知りたいところでしょう。
まず、合図を出して反応させるトレーニングを終了してみてください。そして、犬の行動について勉強してください。犬の行動はすべてがコミュニケーションや表現方法であり意味のないものはありません。どんな行動も関心をもって見守りその意味を知ってください。行動の意味がすぐにわからないこともあります。そのときは一旦「わからない行動ファイル」にいれておいて、引き続き観察を続けます。そうすると他の行動と結びうつきその行動の意味がわかるようになります。ネットや本の情報に頼りすぎないでください。犬という動物として本来はでにくい行動を、人との生活の中で身に付けています。その環境の中で生じたコミュニケーションは個性の高いものになっています。飼い主さんの影響をたくさん受けているのです。

問題があっても、すぐに解決しなくても大丈夫です。自分の犬を知りたいと思う気持ちがあれば、きっとそういう人たちとの出会いが増えていき、犬への理解につながる輪ができあがっていくと思います。

期待はするなかれ、でも希望は大きく持ちたいものです。

わんこ山いちご0531


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じっくりと育てる大切な命

黒柴のすみれちゃんは子犬のときに飼い主さんといっしょにグッドボーイハートにやってきました。

飼い主さんによると「犬を飼う予定ではなかったんですけど、ペットショップで小さなケースにいれられているこのコをみて、衝動的に飼ってしまいました。実は前の犬が柴犬だったのでとてもかわいそうな気がして…」ということでした。

子犬のすみれちゃんはいろいろな困った行動をしていました。子犬は環境になじんでいないため子犬なりの問題が生じることがあります。でも、すみれちゃんの行動は単純な子犬の行動だけではありませんでした。

すみれちゃんの問題は、子犬販売の問題を抱えたケースでした。
というのは、ペットショップによっては販売までショーケースでの展示だけになることもあり、子犬にとっては強いストレスのかかる状態で子犬期の大切な時期を過ごしていることがあります。当時は動物愛護法の「子犬の販売に関する規制」がなく、こうした子犬の行動問題はとても多いものでした。

また飼い主さんは、「以前飼っていた柴犬が、犬が全くダメで近づけることもできなかったので、今回は犬になれてほしいと思っているんです…」というすみれちゃん育てへの希望も語られました。

子犬の時期の成長と発達は、犬が成長してからのコミュニケーション力や、犬同志で社会的な関係を作り上手にやっていく力に強く影響を及ぼします。子犬の頃にトレーニングに取り組んだとしても、生後1歳くらいまではその影響下に置かれるため、行動はすぐには変化しません。

実際、すみれちゃんは生後5ヶ月くらいで散歩に出るようになっても、慣れない環境に接すると硬直して動けなくなったり、ビックリして興奮するようになりました。でもこうしたことも事前把握しておくと、心の準備もありますので「やはりこういう行動がでたのか」と慌てることもありません。

飼い主さんには今できることと、これから起きる可能性のあることの両方をお話しながら、もし困った行動が出てきても大丈夫。きちんと対応していけば安定した状態を保つことができるようになりますよ、という説明をしてトレーニングを進めました。難しい散歩の練習などは多少のサポートを行いながら、飼い主さんができることをひとつずつ進めていくということが、一番大切なことなのです。

飼い主さんは毎週の宿題をひとつずつクリアしながら、すみれちゃんとのコミュニケーションを高めていかれました。すみれちゃんが、教えたことをできるようになることがとても楽しいようで、いろんなことを教えたり、話しかけたり、すみれ、お利口ね~。」と笑顔たっぷりです。

飼い主さんが犬と真剣に向き合うようになれると、すみれちゃんのできないことも笑って話せるようになっていきました。まだ不安定な犬を支える強さも、飼い主さんの力です。すみれちゃんはそんな優しく強い飼い主さんの気持ちを求めていたのかもしれません。

すみれちゃんの犬の先生はオポが担当してくれました。若くて力のあるオポはすみれちゃんにとってはビックリするような存在だったでしょうが、すみれちゃんの衝動性を一番知って引き止めていたオポ先生の対応によって、すみれちゃんにとって大切な「抑制力」を少しずつ身に付けていきました。このことが他の犬とのコミュニケーションにとっても大切な力になっていき、他の犬にもビクビクしない犬「すみれちゃん」が成長していったのです。
「抑制力」は全ての動物にとって欠かせない力です。ところがオスワリやフセを覚えることとは違って、一旦身に付けたように思える「抑制力」も環境の変化に応じて急速に落ちてしまうことがあります。過保護になりすぎるとか放任しすぎると低下しやすい不安定なものです。すみれちゃんの中に育った大切な「抑制力」を飼い主さんがこれからも育ててくださることでしょう。

もしみなさんのそばに犬の先生がいなくても大丈夫です。オポがしたことと同じことを人がやってあげればいいだけなのです。オポとすみれちゃんとの関係から私もたくさんのことを学びました。

すみれちゃんは飼い主さんの目標通り、他のワンちゃんともそれなりにかかわれるようになっていきました。たまに抑えがきかなくなって興奮遊びに発展してしまうこともありましたが、同じような性質のワンちゃんと出会ったこともあって、若いエネルギーを上手にはじけさせていました。
他のワンちゃんと一緒に過ごせるようになることが希望だった飼い主さんは、すみれちゃんをいつも笑顔で見守っていました。すみれちゃんのちょっと無礼な行動も、苦笑いながら可愛いと思ってしまうところは、飼い主さんならではの親心的反応ですね。

今では落ち着いた年齢になってきたすみれちゃんと飼い主さんの関係作りは、まだ終わっていません。これからも、すみれちゃんが何才になっても、すれみちゃんが伝えたいこと、教えてくれることをたくさん受け取ってください。
飼い主さんの「宇宙一可愛い」すみれちゃんの笑顔が、これからも続きますように。

すみれちゃん

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熊本被災ペット支援ネットワーク
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かわいいデビル

フレンチブルドッグは愛嬌のあるので人気のワンちゃんですね。
フレンチブルドッグも本来の犬種よりさらに小型に繁殖されて、愛玩犬になってきたため
たくさんの方に飼われるようになりました。

フレンチブルドッグのまるちゃんの飼い主さんは、
予期しない知人からのプレゼントとして子犬のまるちゃんと暮らすことになりました。
犬を飼うための事前の準備もなく迎えた初めてみるような風貌の小さな子犬。
最初に会ったときは「かわいいぬいぐるみみたい」に大人しかったことでしょう。

ところが生後6ヶ月頃になってトレーニングの連絡をいただいたときには
「咬みつくんです。」という状態でした。
子犬のころに大人しいワンちゃんは急変することが多いので要注意です。

最初から言う事を聞かないならともかく、小さな子犬のまるちゃんを
飼い主んさんは、ぬいぐるみみたいに大切にして「可愛がって育てた」のですから、
一変したように咬みつくようになり「何故???」という気持ちだったでしょう。

「どういうときに咬みつくんですか?」とお尋ねすると
「犬を入れるバッグのジッパーを閉めるときに噛み付いてきます。他にも…」といわれます。
実際にやってもらうと「ガウガウ」と本気で威嚇してきました。
体のサイズは小さいのに凄みはあって、ちっちゃな反抗者といった感じです。
自宅での犬の行動をひとつひとつ尋ねていき、まるちゃんの状態を整理していきました。

単純に見れば「飼い主さんが犬に下に見られている。」ということのように思えますが、
実際にはもう少し複雑でした。

犬の学習の中で最も奥が深く時間がかかり、そして何よりも大切な
「社会化」学習が上手くいっていない状態だったのです。
「社会化」学習は生まれたときから始まっています。
マンションの一室で外に出るのも遅くなり環境に対して敏感になり
小さな刺激に反応が高なり、飼い主さんにも攻撃的になってしまったのですね。
その上、飼い主さんに対して強さをアピールするようになっていました。

生後2~3ヶ月の子犬期は反抗的な行動をしないので問題が見えにくい。
問題に気づかないから対処しない。何かさせようと思って興奮することを教えてしまう。
の悪循環に陥りやすいです。
「可愛がっただけなのに犬が急に変わった。」とビックリされるのも無理はありません。
犬のことを十分に知っていないと、事前予測はできないものです。

社会化トレーニングのコツは毎日の適切な接し方、
学習の取り入れ方を飼い主さんが学ぶことです。
忙しい飼い主さんにとって厳しい宿題がたくさん出たのですが、
真面目な飼い主さんはまるちゃんの真実を知るのが楽しいようで熱心に取り組まれました。

トレーニングを受けられてからは「まるがこんな行動してたんですけどこういう意味ですか?」
という質問が増えてきました。
私はすぐには答えを出しません。なぜなら答えは飼い主さんが知っているからです。
飼い主さんが答えを出していけるように逆に質問をしたりします。
「もしかして全く違ってますか?じゃあ逆にこういう意味だったりして。」と
答えへの道を急ぐあたりは突進するまるちゃんと同じ傾向のある飼い主さん。
そういうときこそスローペースへと誘導して寄り道の楽しさを味わっていただきます。
答えが出て理解できたときは飼い主さんにとって「まさか」の事も多く、
このドッキリも楽しみのひとつです。

若いころは自己主張を抑えることが難しいまるちゃんでしたが、
このときは犬のオポ先生が手伝ってくれました。
先生役はどんな犬にでもできることではありません。
まるちゃんとオポ先生の出会いは必然だったんでしょうね。

そのまるちゃんも犬生の中年期を越えて良い年になってきました。元ヤンといったところでしょうか。
お休みのときにはまるちゃんといっしょに自然の中で過ごされている飼い主さん。
まるちゃんの表情の変化を読み取れるようになったからこその思いと行動ですね。

愛情たっぷりに可愛がるだけでは上手くいかないことも、
「理解」して可愛がる姿勢になると別のものになります。
まるちゃんを理解したい飼い主さんの誕生と成長。
まるちゃんが一番望んだことだったと思います。

まるちゃんの写真
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まるちゃんと飼い主さんはふたりともパッチリとした目のパートナー同志。
「犬は飼い主に似る」というけど、見かけも似てしまうのですね。
出会いはびっくりするものだったけど人生は不思議ですね。
まるちゃんとの「愛と調和に溢れた日々」を応援しています。

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落ち着きがない犬じゃない理由

ウエストハイランドホワイトテリア・・・長い名前ですね。
テリア種はイギリスやドイツでネズミを捕る犬として、人為的に繁殖された犬種です。

チョコちゃんは「ちょこちょこ動き回る」という理由から名前がついたそうです。
テリア種独特の動きですね。
よく動き、気になるものを見つけるとなかなかそこから離れようとしません。

飼い主さんはお父さんの単身赴任をきっかけに
新しい家族として向かえたのがチョコちゃんだったそうです。
ところが、父母共に犬を飼うのは初めて。
しかも引っ越したばかりの新しい集合住宅。
ペットシッターさんのご紹介で早速トレーニングを始めることになりました。

子犬のチョコちゃんにはまだ大きな問題行動というのはありませんでした。
ご相談は飼い主さんが接し方が分からないということでした。
ご相談とは別にチョコちゃんの行動にある特徴が見られました。

飼い主さんの接し方についてはひとつひとつ練習を重ねることです。
チョコちゃんの行動をよく観察することと、接し方の練習します。
予測が立たないと犬の行動に対して瞬間的に反応してしまい、
悪循環に陥ります。

接し方のコツはチョコちゃんの行動を事前にある程度予測できるようになることです。
そのためには環境を整える必要があります。
環境によって犬の行動が変化していききますからね。

もうひとつのチョコちゃんの行動に見られる特徴とは、過敏なことでした。
飼い主さんが「チョコチョコと動き回る」と思われた以上に、反応の高い行動がありました。
カウンセリングではこうした飼い主さんの気づかれていない犬の性格について説明していきます。

過敏というのは性格ではありません。
子犬期の過敏性は繁殖と飼い主さんの元へ来るまでの環境が影響しています。

犬の販売方法によって子犬にストレスを与えることがあるのです。

チョコちゃんの飼い主さんはこうした事をご存知なかったようです。
こうした知識は犬と暮らしている人にははいりやすいのですが、
これまで犬に縁のない生活を送ってこられた飼い主さんには珍しくありません。

犬種として行動が早いため過敏性がさらに高められたように感じます。
飼い主さんの思惑とは違う行動を起こし、
それを止めようとするとますますその行動をするようになる、
をくり返してしまいます。

チョコちゃんは子犬期にこのことに対応し、力を使った矯正や脅かしを用いず
正しい接し方をしたため、過敏性を抑えていくことができるようになりました。

過敏性が恐怖心に変わると他の犬や人と接触することも難しくなってしまいます。
理由はわからなくても「初めて犬を飼うから」という単純なきっかけで
トレーニングを受けられたことが幸運でした。

チョコちゃんにたくさんの笑顔が生まれて、飼い主さんにもたくさんの笑顔が生まれます。
どんな出会いも偶然ではありません。失敗でもありません。
そこからできることが大切ですばらしい関係を築いていきます。
「ピンチはチャンス」ですね。



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子犬のしつけ、パピートレーニングは、問題行動を予防するだけではありません。
子犬の気質を安定させるために環境を整えるトレーニングです。
環境の中には飼い主さんの接し方は理解が重点をしめます。

問題が起きていなくても、すべての子犬と子犬を育てる飼い主さんにとって
パピートレーニングは財産になります。


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