グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬と山歩き=トレッキングクラスの効果は頭で考えてもわからないのです。

先日のオポディにたくさんの犬たちと山歩きを楽しみました。

どの犬たちも尾歩山の山歩きトレッキングクラスになんども通ってこられて山に親しまれた犬ばかりです。

飼い主さんと犬の頭の中にはこの山のある程度のメンタルマップが出来上がっており、行動には安定が見られます。

このクラスにご参加されている方に「どうして犬と山歩きをするのか?」という質問をしても答えは簡単には出ません。

クラスにはそれぞれに目的があります。

トレッキングクラスを提供する側としては目的をある程度説明することができます。

でも、トレッキングクラスの目的は飼い主が犬と山を歩きたいという欲求と同じではないのです。

飼い主側の犬と山を歩きたいという欲求の一番は「気持ちがいいから」ではないでしょうか?

数頭の犬たちと飼い主さんの小グループトレッキングはとても心地よく気持ちの良いものです。

少し頭数が多くなるとテンションが上がりますから、ちょっと気持ちいいけどたくさん楽しいになるでしょう。

楽しいが多すぎると気持ちがいいが少し減る感じがするのです。

オポディのトレッキングはまず楽しいで始まり、その後は各自で気持ちがいいを探していただくようなクラスになりました。

なんども犬と山歩きをしているけれど、トレッキングクラスに参加しているけれど、まだ一度も「気持ちがいい」を体感したことがないのであれば、自分の気持ちが目標と達成に集中しすぎているのかもしれません。

何事もチャレンジ、目標があり達成がある。

そうやって頑張って生きてきたのですから、ただ犬と気持ちいいーと思うことができなくなってしまったのかもですね。

犬をいつも触っていたいとか、犬をなでたら気持ちがいいと思っている人こそ、犬との山歩きをおすすめします。

犬と山歩きの気持ちがいいは、犬に触って気持ちがいいを大きく超えていきます。

いつかきっと体感してください。

今年もあと少し、年末まで犬とトレッキングまだまだ行きますよ!


 

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犬の小さな変化を見逃さないことが犬との関係をより良くする

ご家庭訪問タイプのトレーニングクラスのために定期的にご家庭を訪問していると、犬の行動の変化を見ることができます。

トレーニングの内容に沿って進められた環境の変化に対する適応。

たとえばクレートというハウスで寝るようになる。

犬用のベッドで遊ぶようになる。

適切な場所に準備された排泄場所に排泄をするようになる。

そして排泄の失敗(トイレの失敗)というのがなくなってくる…など。

これはほんの一部ですが確かにトレーニングやしつけを行った結果に変化した犬の行動です。

ですが、犬の行動はいいことばかりではないし、いつもパーフェクトなわけではありません。

「今週も1回トイレを失敗しました…」

「まだ、とびつきがなおりません。」

「ものをかじるのを止めません。」

「吠えがなくなりません。」

飼い主側はできていない行動をたくさんあげられることは得意ですが、犬ができるようになったことを探すのは苦手のようです。

もう少しはっきりというと、犬ができるようになりつつあること、に気づかれるのが苦手のようです。

0か100。

完璧にできたら「できた」と思えるものも、中途半端な数字10とか50とか80ではまだまだ合格とは言えないので不安になられるのも分かります。

そのことに気づいて説明するのがインストラクターとして訪問している自分の仕事です。

先日まで訪問のときに吠えていたのが今は吠えていない。

最近まですぐに飛びついていたけれどゆっくりと近づけるようになっている。

ハウスの合図に対する反応がかなり高くなっている。

そんな、飼い主さんにとっては満点とはいえない犬の行動も、より良い方向に向かっていることを感じることができたら飼い主さんに報告しています。

これは、飼い主が現在整えている環境整備がうまくいっていますよ、ということなのです。

つまり自信を持ってこのまま継続されて構いませんという、私の中での合格サインです。

生徒さんからは「犬がまったくよくなっていないと思っていたけれど、こうしてお話を聞くと変化しているのがわかりました。」といわれます。

飼い主としてはとても高いところを目指しているので、そこまでにはまだまだ時間がかかるということで焦りがあるのかもしれません。

しかし犬のしつけや犬と関わるということは、完璧になりすぎてしまったら犬はそれだけ年をとったということもであります。

今「犬が出来ている」こと、今「私ができていること」を認めることの方がずっと有益だということを、客観的にみればわかることですが当事者というのはなかなかそうでもないのです。

責任感があってちゃんとしなければという気持ちが強ければ強いほど、犬へのプレッシャーもかかってしまいます。

犬がプレッシャーを抱えているシグナルとしては、しつけの練習の途中で逃げ出したり走り出したりしてしまうときです。

逃走は犬がもっとも得意とする行動なので、走り出すたびに練習を止めていたら練習にはなりません。

ただあまりにも拒否が強い場合には、少し深呼吸して自分にかかるプレッシャーを開放してから再びトレーニング練習にのぞみましょう。

繰り返し行動のしつけの内容はすごく単純で難しいことでも過酷なことでもないのです。

ちょっとの我慢ができれば、どんな犬にもできるようになります。

毎日が犬との闘いであっても良いではないですか。

より良い関係をつくるための闘争です。

犬を愛する気持ちが生まれるなら問題ありません。

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老犬くんが七山で癒しの時間を過ごしてくれること

福岡市の拠点と唐津市七山の山の学校を行ったり来たりする日々。

「先生もお忙しいですね~。」と言われること度々ですが、もうすっかりと慣れてきました。

今日は日帰りで七山まで行ってきました。

いろいろと要件があったのですが、ひとつはグッドボーイハート七山に毎月やって来てくれる老犬くんと癒しの時間を過ごすためです。

移動が犬にとっての負担にならず、七山に来ることが犬にとってのより良い時間になるのであれば老犬くんでも大歓迎です。

季節のせいか夏よりも元気になったような犬くんの姿を見て安心し飼い主さんともゆっくりとお話できました。

七山に学校を構えたことでいろいろと不具合もあったのですが、やはりメリットの方が圧倒的に大きいです。

都会で忙しい飼い主さん、その飼い主を支える犬たち。

時には山の中の透明な空気を吸ってリフレッシュして欲しい。

そんな気持ちで七山の学校を維持してきました。

そして私も同時にこの山の風に嫌なことを吹き飛ばしてもらっています。

コロナ時代に入り蓄積されるストレスは思った以上に大きなものです。

何もわからない犬たちも飼い主や世間のストレスのエネルギーには敏感です。

より良い形でリラックス、心地よい時間と場所を大切にしてきたいです。

 

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福岡市内でも気のいい場所で犬とお散歩できる森でお散歩トレーニング

福岡市内はここ10年でさらに都市化が進んでいます。

同時にペットの数も増えていますが、なかなか良い散歩コースが見つからないのが現状です。

そんな福岡市でここだったら森の雰囲気がするという公園があります。

その公園には樹齢の高い木々が保存されていてまるで森の中を歩いているように気持ちよく落ち着きます。

ただ時間によってはたくさんの人と犬が集まってしまう一極集中になりがちなので、時間を選んで散歩に出ていただいています。

今日は2件の生徒さんの家庭訪問レッスンの一部が同じ地域の公園で時間差で行われたため、お互いをご紹介しました。

もしかしたらこの公園で散歩中にご一緒されることがあったら、もし少し時間があったらこのようにして歩いて練習されると良いですよと少しアドバイスさせていただきました。

普段の散歩コースで話の合う飼い主に出会う機会はなかなかないと思います。

今回はおふたりがどちらもグッドボーイハートの生徒さんということで、お散歩の少しの時間を共有されるだけでもそれぞれの犬たちにとっては良い社会化勉強になるとご提案しました。

犬に引っ張られながら散歩している人を見ると、何も教えていないのにリラックスしていていいなと感じることがあるでしょうがそれぞれの性質や環境もあるので比較しても仕方ありません。

それよりも自分の住居の近くにこんな素敵な森があることの方を喜んで活用しさらにステップアップを目指していきましょう。

犬に問題があったから学ぶチャンスもあったのだと思えるようになると素敵ですね。

私自身もたくさんの難しい犬がグッドボーイハートにやって来てくれるからこそ、自分には学びの機会がたくさんあるのだと本当に感謝しています。

お散歩練習が活発な季節にトレーニングが進みます。

明日も同じ公園で練習してきます!

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トレッキングクラスのアフターコーヒーが美味しい!その単純な理由とは。

七山でのトレッキングクラスの後に、時間に余裕のあるときにはお茶をお出しするようにしています。

特に寒い冬になると暖かい飲み物をいただきながらゆっくりとお話を聞きたいですし。

それでセレクトしていただくのですが多くの方が「コーヒーをお願いします。」と言われます。

実は私もコーヒーが大好きなので、いっしょにいただきます。

といってもそんなに有名なお店のコーヒー豆ではなくて、普通のワンパックになっているスーパーで購入できるコーヒーです。

そのコーヒーを飲んで下さった生徒さんから先日も「コーヒーが美味しい」とほめていただきました。

結構ほめていただけるのです。

もちろんお世辞もあるとは思いますが、本当に美味しいと思います。

なぜトレッキング後のコーヒーは美味しいのでしょうか?

一番はやっぱり「水」です。水が井戸水なのですが、普通の井戸水といっても山からずーっと流れてきた山の下からくみ上げた水です。

グッドボーイハート七山のある場所が唐津ではかなり高い場所にあるので、水は格別まろやかです。塩素も入っていないし土にさらされて透明になった水です。

犬たちも水道水はなかなか飲まないけれど、井戸水はよく飲むということもあります。

そういえばオポも博多から七山に引っ越してきたときは体の中が全部入れ替えられるのではないかと思うくらい、湧き水を飲んでは排尿するをひたすら繰り返していました。

体を内側から洗っているように見えました。

トレッキング後のコーヒーが美味しいもうひとつの理由は、犬といっしょに時間を場所を共有して豊かに過ごした後だからかもしれません。

犬と人がいっしょに呼吸を合わせて山歩きをするというのは、とても原始的な行動なのです。

だから関係も昔に戻りよりシンプルになります。

そんな時間を過ごした後だからこそ、いいものはいいとわかるのかもしれませんね。

その辺のコーヒー豆でいれたコーヒーをほめていただけるのは本当にうれしいことです。

毎回準備できるわけではありませんが、できる限りお出しするようにしています。

トレッキングいつまでですか?と聞かれたのですが、1月も2月も3月もずっとトレッキングクラスは開催しています。

トレッキングのあとに暖炉にあたって暖かくしていただくこともできるだけですが頑張ります。

ひとりでいろいろとできないことも多いのですが、クラスに参加される生徒さんたちが自分たちでいろいろとして下さるので、それに甘えながら一緒に体験&体感を続けていきます。


 

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“ごぼうびか罰か”のトレーニングでは犬に安心を教えることはできないのです。

犬の学習やトレーニング、犬のしつけを学ばれている方にとって、罰を用いたトレーニングよりもごほうびを用いたトレーニングの方が圧倒的に人気があるのは分かります。

犬が「罰=痛みや嫌悪刺激」を避けるために何かを学ぶ罰を回避させるトレーニングは犬にとっても飼い主にとっても辛いものです。

オヤツを見せたらすぐにオスワリをするなら、オヤツを使ったごほうびトレーニングの方がずっと犬に優しいと思うでしょう。

でも、よく考えてみましょう。

「ごほうび」と「罰」はコインの裏表のようなものです。

楽しそうな「ごほうびトレーニング」にも実は落とし穴がたくさんあります。

ごほうびトレーニングと罰を伴うトレーニングが同じものだとはいいませんが、同じ種類の道具で犬を操作しようとしていることに変わりはありません。

そして何より(ここが一番大切なところ)ごほうびか罰トレーニングでは犬に教えられないことがあります。

それは「犬が安心&安全を得ること」です。

犬にオヤツを用いたトレーニングをしても、犬は安心&安全を得ることはできません。

犬はオヤツを見ると集中するし、オヤツを見せればすぐにオスワリをするし、オヤツをみせればすぐにハウスに入ります。

本当にすぐにできるようになるので食べ物をドッグトレーニングに使うことが流行りました。(すでに過去形ですみません。)

でもこのトレーニングは何かの特技を教えるときには有効な場合もありますが、他の場合ではほとんど無効です。

ほんの動機付けにはなっても、すぐに引き上げることをおすすめします。

さて、犬が安心して生活をすることを「ごほうびか罰か」のトレーニングでは教えることはできないと言いました。

では、犬はどのようなトレーニングで「安心&安全」を得ることができるのでしょうか。

グッドボーイハートで真剣に学ばれている生徒さんなら即答していただけると思います。

そうです。

不安を抱えている犬には、犬が安心して生活できる環境を整える=「環境整備」が必要です。

犬に必要な安全な寝床、安心できる休める場所、信頼できる飼い主。

この「環境整備」ですが、飼い主さんが準備できる環境がすべて異なるのと、犬の性質や経験や遺伝が全部違うので、一言でこの形とお伝えすることはできません。

室内飼育されている犬の飼い主なら、うちの犬は室内にいるから安心だと思っているはずと思い込んではいないでしょうか。

もし犬が室内で吠えたり騒いだりするなら、もし飼い主が留守番のときに犬が吠えるなら、もし来客のときにインターホンで犬がワンワンと吠えるなら、その犬は自分の住処をまだ安心だと感じていないのです。

犬は物理的な環境整備と、飼い主との関係性という精神的な環境整備のふたつによって安心と安全を獲得していきます。

犬は不安やストレスを感じると、吠えたり、騒いだり、飛びついたり、噛みついたりするのです。

犬にごほうびや罰を与えることよりも、もっと基本を整える環境整備トレーニングからおすすめします。


 

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お預かりクラスを終えて「帰宅してからすごく変わったことがあったんです!」

先日、はじめての体験お泊りかつ長期のお預かりクラスに来ていた犬ちゃんのご自宅に家庭訪問に伺いました。

お預かりクラスの後はご自宅でいろいろな変化が起きる可能性があり、ワクワクドキドキの家庭訪問クラスとなりました。

変化の中には、飼い主さんのいう「良くなった」というのもあるし、反動として「難しくなった」というものもあります。

どちらも成長過程の一つでアップダウンしているだけですが、飼い主さんの方は長い見通しがたたないため、上がれば嬉しいし下がれば残念と思うのも仕方ありません。

今回の犬ちゃんはどうだったのかな?

「帰宅されたから何か変化がありましたか?」とお尋ねする前に、生徒さんの方から「お預かりから帰ってすごく変わったんです!!」とご報告がありました。

ご報告の感じからすると「いいこと」のようですね。

その犬ちゃんに起きた変化とは身体的変化でした。

「すごく動きが俊敏になったんです!左右に体を振って動くようになったんです!」ということでした。

なるほど、それなら納得できます。

体は大きいのに、むしろ大きすぎる自分の体をどのように動かしていいのかわららない若者のような犬ちゃんは結構あちこちにぶつかったり、階段が登れないとか、左右に転げそうとかいろいろとありました。

お預かりクラス中はかなり急坂に立ち止まっていたり、待たせられたりしていましたので、体のバランスをとる力が身に付いたのだと思います。

それで俊敏な動きになったのであることは間違いありません。

「人のものをとったときも動きが早くて捕まらないんです…」

というのは良い行動とはいえませんが、以前よりも早く動けるようになったことで犬は自信をつけたことでしょう。

さらに「フェイントをかけて投げるふりをしたボールを以前はないのに追いかけたのですが、今はフェイントだと見破ります。」

これもお預かりクラスで環境をよく観察するという学習をした成果ですね。

そして最後にもうひとつありました。

レッスン中にテーブルでお話する際に「足元に伏せてマテをさせてください」とお願いしたのですが、なんとちゃんと伏せて待っています。

いままでは立ち上がろうとしたり飼い主さんにまとわりついたりとごねていた「ゴンタくん」だったのですが、ちゃんと伏せて待っているではありませんか。

「なんだかすごく落ち着いていますね。」と私も驚きました。

お預かりクラスはトレーニングのためのクラスではありません。

犬のしつけはあくまで飼い主さんがというのがグッドボーイハートのポリシーだからです。

ただ、お預かりクラスではわたしが飼い主さんの立場となって犬と向き合います。

普段のご家庭ではできないような体験学習を通して犬の脳に刺激を与えていきます。

脳が若く柔らかいほど吸収が早く変化も訪れることは否定しません。

この犬ちゃんの脳の中にもなんらかの経験が学習として入りそれが根付きそうにあるのかと思うと心からワクワクします。

お預かりクラスで起きた変化を飼い主さんが大切にしてくださることで家庭訪問レッスンがまた生かされていきます。

次回の訪問レッスンもまた楽しみです。


 

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犬のしつけ方ポイント「大技を習う前に基本を叩き込むこと」

学生時代にテニス部に入部してからというもの華やかなサービスエースやスマッシュや見事なロブにあこがれていたのに、部活のほとんどの時間はランニングと素振りでした。

素振りはテニスの基礎の基礎。

素振りだけで終わり玉を一度も打つことがなかった日もありました。

華やかなプレーをやってみたいけれどその前には基礎作りというのがあり、犬のしつけ方にもその基礎があります。

ところが習い事と同じように何か目立つようなことから取り組んでしまう失敗が犬のしつけ方の中でもありがちです。

 

「犬に何か教えていることがありますか?」といいう飼い主に対する質問に対して案外多い答えが次の答えです。

「オスワリ、あとオテを教えました。」

と誇らしげに飼い主が言います。

なぜかゴハンを与えるときにオスワリというのはものすごくメジャーな犬に対するかけことばのようでほとんどの犬がオスワリをしてゴハンをもらっています。

次の「オテ」ですが、これは実際には犬のしつけ方という分野とは無関係です。

「オテ」は犬のしつけというよりも“犬の芸”の方です。

芸とは犬が普通に人に対してあまりしないことを、合図を使ってさせるというものです。

それが「オテ」です。

他者に手をかけるこの「オテ」行動は、犬と犬のコミュニケーションなら友愛とは別の意味を示す、つまり強い主張行動になります。

大人しい犬なら人にしそうにない行動ですが、オヤツひとつですぐにできるようになります。

でもどんなに「オテ」ができる犬でも一番難しい合図はすぐにはできません。

 

一番難しい合図、犬のしつけの大技といえば「オイデ」です。

室内でオヤツひとつあれば教えられる「オイデ」も、もし屋外でリードが外れてしまったら、犬が走り出したらあなたの犬は「オイデ」に反応して戻ってくるでしょうか。

これもありがちなしつけの失敗ですが、まだ十分にコミュニケーションがとれていな犬のリードを屋外で外してオイデの練習をさせてはいないでしょうか。

あなた犬が生後数ヶ月ならきっと飼い主のオイデに単純に反応します。

しかしその犬は生後8ケ月になるとオイデといっても戻って来ない犬になります。

幼くて飼い主から離れられなかった子犬は、成長と共に飼い主から離れていくようになる。

オイデが出来ていたのではなく、離れることができなかっただけなのです。

犬に「オイデ」というしつけの大技を教える前に、もっと大切な基本を教えておく必要があります。

 

犬のしつけの基礎の基礎。それは「マテ」です。

いついかなるときでも、ある程度の時間のマテができるようになること。

これが犬のしつけ方の基本の基本です。

ゴハンやオヤツのお預けのマテができる犬も飼い主が離れて戻るまでのマテはなかなかできません。

このマテ(待機)こそ犬が犬として一番やらなければいけない行動です。

ひとりでもできる役割で忍耐も必要です。

マテは犬がじっとしている行動なので動きがなく動画映えもインスタ映えもしません。

それでもマテができる犬は本当に強いのです。

マテがどのくらい(距離や時間だけではなく状況別に)できるでしょうか?

インターホンが鳴っても「ベッドでマテ」ができるでしょうか?

オヤツがなくてもできるでしょうか?

犬のしつけの基礎の基礎からもう一度見直してみましょう。

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紅葉の尾歩山でトレッキングクラス開催しました。

好天に恵まれた週末、犬といっしょにお出かけされた方も多かったでしょう。

グッドボーイハート七山でも手入れ中の尾歩山で紅葉を楽しみながら程よい頭数でのトレッキング開催できました。

トレッキングに慣れている方が多かったので、いつもとは違うコースも通りました。

普段通っていない山道は地面が地ならしされておらず凸凹。

歩きにくいのがひとつの鍛錬になります。

山歩きになれていない人の方は、最初は怖い、すべる…。

バランスがとれず犬のリードに負担がかかります。

上手に歩けるようになると、犬のリードもたるみが出るようになります。

飼い主さん口々に「山ではお利口!」と言われていましたが、山には山の礼儀というものがあります。

成敗するのは飼い主ではなくもっと大きな自然の力であることを犬の遺伝子は知っているのかもしれません。

尾歩山の縦走で数日前の山の手入れ中に紛失した愛用のノコギリも回収できました。

庭も大きく手入れして、預かりの犬ちゃんが帰宅。

そして新米のまた預かりの犬ちゃんが到着しました。

しばらく楽しく犬の行動を楽しみつつ、山での時間で自己成長を促します。


 

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可愛らしい女子犬ちゃんたちの戦いがあまりにも犬すぎて逆に微笑ましい

先日、可愛らしいメスの犬ちゃんを2頭お預かりしました。

それぞれ別の家庭で暮らしている犬ちゃんたち。

犬種は同じだけど、年齢は多少違います。

どちらもあまり他の犬とのコミュニケーションや関係作りが上手ということでもありません。

その日は福岡でのお預かりになり、あまり慣れていない2頭は今回は対面させずにお返ししようと思いました。

むしろ、対面させない状態でお互いの庭やクレートでの過ごし方がどのくらい変わるのかを観察したいと思いました。

どちらの犬ちゃんも普段は大人しいものの飼い主さんへの自己アピールはある程度強い感じです。

家庭で抱っこされながら育った犬ちゃんは、私が一番!私が女王様!と思っています。

トレーニングでクレートで休むこともちゃんとできるのですが、ちょっとしたときにクレートの中から気配を醸し出し「あのねー。用事があるんですけど!!!!」と主張することがあります。

実際に2頭の犬ちゃんたち、単独でのお預かりでは状況によってクレートの中で小さなアピール音を出すことがありました。

しかし今回、ふたつのクレートが同じ部屋の端と端においてある状態で、お互いに全く気配を消していました。

その気配の消し方はもはや忍法としか思えないほどのすばらしさです。

泥棒が入ってきたとしても、絶対にそのクレートの中に犬がいるということに気づかないでしょう。

見事な気配を消す2頭の犬ちゃんに関心すると同時に、庭での攻防が気になりました。

 

お庭を交互に使って遊ばせてみました。

庭に出たときには、それぞれがまず周囲を探索して、自分がここと思う場所で排尿や排便をします。

ここと思う場所で休んだり、遊んだりすることもあります。

この可愛らしい2頭の女子犬ちゃんたちはどちらもが「わたしが女王様」だと思っているのに、庭に別の犬が排尿をしていることを知ります。

そこでお互いに排尿と排便によるマーキング合戦が始まりました。

普段よりも排泄回数が増えて、排尿の場所ややり方、排便の回数まで変わってしまいます。

 

犬と犬の対決といってもオス犬とメス犬では多少関わり合いが違います。

動物には相違がありますが、この性別による違いは人と似ているところもあります。

オス同士の戦いは分かりやすく正面衝突、つまり「やれんのか(猪木節)!」的にメンチをきる喧嘩だったり、もしくは目をそらして戦いを避けたりすることもあります。

ところがメス犬とメス犬の戦いの場合には、あくまでけん制攻撃的なモードで張り合います。

まずはマーキング合戦です。

排尿と排便を使ったマーキング合戦ですが、当然のことですがオス犬もすることがあります。

ただオス犬の場合にはそのことが直接対決を引き出すきっかけになることもあり、目の前に相手がいるときには慎重な犬もいて経験数も行動に影響しているようです。

さて、女子犬ちゃんのマーキング対決に戻りますが、その犬ちゃんたちの排尿や排便の様子を見ながら、見かけは可愛らしいけれどやっぱり犬だな~と当たり前のことを思いました。

排泄物で臭いをつけて自己主張をするという行為があまりにも犬でほほえましくさえ思えました。

今回は同じ場所に2頭を出すことがなかったため、けん制的な行動で終わりました。

しかし排泄物をお互いに嗅ぎあったことで、お互いの性別、年齢、経験、そして性質に関わる情報までも相手に提供したことにもなりました。

もし今度2頭が対面したときには「あのときのあんたね。」となるわけです。

飼い主さんがいれば吠えるか逃げるかして対決を避けるでしょうが、飼い主さん不在の対面ではどうなるでしょうか。

犬と犬はいつでも仲良し、うちの犬は誰でも大好き、誰とでも仲良くなれるなんてそんなうそっぽいことを思いこむことはもうやめましょう。

自分が一番だと思っている犬はたくさんいるし、実際におうちでは本当に一番の女子犬ちゃんなのです。

そんな犬ちゃんたちの対決ですら、犬と人の難しい関係性よりはずっとシンプルなものです。

次回の直接対決が今から楽しみです。

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