グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<お知らせ>27日(日)は犬語セミナーの日です。ご参加まだの方急いでご連絡ください。

ブログのお知らせを見逃した方もいらっしゃったようなので、再度ご案内します。

犬語セミナー開催日程

10月27日(日) 12時~14時 グッドボーイハート七山スクール
参加費 おひとり 2500円
事前予約必要

人対象のセミナーですので犬は参加できません。
セミナー中はクレートでお預かりしますのでお問合せ時にご確認ください。

まだあと数名でしたらご参加可能ですのでお急ぎお申込みください。

当日10時からトレッキングクラス開催します。
グループトレッキングクラスに参加経験のある犬ちゃんたちはご参加可能です。
ご予約時にお申込みください。

犬語セミナーは現在不定期開催となっております。
次回の開催予定がまだ未定ですので、ご都合があえばぜひご参加ください。

ご予約はお電話もしくはメールで受け付けしております。


Posted in クラスのこと, お知らせ

<クラス>犬との対面クラスを開催しました。

普段は七山のトレッキングやお預かりやプライベートクラスで犬と犬の社会性について学ぶクラスを開催しています。

今回は特別に車を持っていない生徒さんたちのために、福岡の事務所スペースを利用して犬と犬がおちついて対面できるかどうかのテストとその方法について説明するクラスを開催しました。

お預かりの犬ちゃんたちと同じくらいのサイズや年齢の犬ちゃんたちだったのですが、それぞれにもう社会的に自信のない状態になりつつあったのでその様子についても説明しました。

実際に犬の行動をみながら説明するのはかなりハードルが高いのですが、生徒さんたちが熱心に観察していてくださるので大切なことをいくつかは学んでいただけました。

グッドボーイハートでの犬のしつけは、家庭訪問トレーニングクラスを中心にしてはじまります。

その理由は「しつけの基本は家庭にあり」というところからきています。

人の子供のしつけも同じようですが、人としての態度を学校の先生にいろいろと注文を付けることでは改善されません。

人としての態度は家庭の中で身に着けられるものだからです。

人の子供であれば、一緒に生活していてゴハンを食べさせてもらって住まいも与えられてそして愛情いっぱい育ててくださる親に対して傍若無人な態度をしたり、暴言を吐いたり、暴力を振るような状態になっているものを、学校教育でどうのこうのというのは無責任です。

犬も同じようにご家庭内でいうことをきかない、わがまま、甘えが許されているキュンキュンと鼻をならすような状態であることがそもそもの問題です。

犬と人は動物として全く異なるためいろいろと違いはあるのですが、こうしてテリトリーを共有して過ごすことができるのは、どこかに似ている部分があるからです。

その最も似ている部分というのが、社会手的構造です。

犬という動物は群れという社会的なグループに所属する習性を持ちます。

そのグループ内では役割分担が必要で、誰が主導権を握り誰がそれに従うのかを決めていきます。

この主導権がうまく取れていないと、他人、つまり他の人や犬に対して吠えたり飛びついたり怯えたりするようになるのです。

こうした犬の社会的な対象となる「人」や「犬」に対する恐怖行動や興奮行動を罰を与えて止めさせることはできません。

グループ内の社会的な立場がわかるようになると、積極的なコミュニケーションは取れないとしても、怯えや恐怖を抱くことなく相手を観察することができるようになります。

まずはここからスタートなのですが、いずれにしても飼い主と犬との関係が影響をしているわけですから自分次第というところです。

飼い主さんの理想と現実は少し遠くても、現実に近い理想には確実に近づいていきます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと・動画>飼い主さん自家製のペットドアでベランダへ排泄にでるご機嫌なメイちゃん

前回のブログでドイツでは犬は室内に排泄する習慣がないことをご紹介しました。

このブログで紹介するまでもなく、犬を犬として扱うドイツではこうした犬の習性を大切に扱うことは日本でも知られています。

むしろ日本人は「外で排泄させるなんて犬がかわいそう」という発想にいたってしまい、今のような犬の飼い方になってきたのではないかと思いますが、本当に犬が可哀そうでしょうか。

たしかにマンションなどの集合住宅では庭もなく屋外トイレの確保はかなり大変です。

ですが少しの工夫で犬の世界が広がるとしたらどうでしょうか。


実は先日、家庭訪問レッスンのときに室内トイレからベランダトイレへと環境を移行中の犬ちゃんの環境が激変していて驚きました。

驚いたのは飼い主さんお手製というベランダに通じるペットドアです。

全くドアのない場所にどうやって設置されたのかと思うほどの人も犬も通れるドア

よく見ると廃材のドアを加工してご主人が作ったというのですから驚きです。


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排泄をする場所も手作りされてすぐに掃除ができる形に整えてありました。

小型犬だったら簡単に設置できるベランダへのペットドアですが、大型犬となるとそうはいきません。

まずサイズがない、あったとしても料金が高い、なにより大変なリフォームとなってしまいます。

そしてもっと問題なのは、ペットドアが大きいと重たくなり大型犬にかかる負担も強くなってしまいます。

実は私も黒ラブのオポと暮らしていたときにこのドア問題ではかなり悩みました。

オポの自由な排泄のために庭への通路を確保したかったのですが、なにしろ犬のサイズは40キロ近いのです。

里山ということもあり、ドアを開けたままにしておくといろんな生物がドアという境界線を越して室内に入ってきてしまいます。

そのことでトラブルが多く、なんとかしてオポだけが利用できるペットドアをと考えたのです。

そして考え出したのがビニールを下げたペットドアです。

写真はこちらのブログ記事で紹介しています。

「犬の排泄行動に自由を与えよう!」

このオポ用のドアの写真をレッスンのときにご主人に見ていただきました。

そうすると「ああなるほどね」と何かひらめかれたようで、その後すぐにこの素敵なドアが設置されたということです。

短い動画ですが犬のメイちゃんがうれしげに通行する姿を見てください。



ベランダへのドアが設置されてからメイちゃんは自由にベランダに排泄に出られるようになり、またベランダでよくひなたぼっこしたり、オモチャをもっていったりして自分のスペースを楽しんでいるとのことでした。

風に当たったり日光に当たったりする場所で排泄ができるというのは犬という動物の基本です。

マンションでいろいろと難しい方も、このひとつの広がりで犬の行動は激変してしまうことをぜひ知ってください。

メイちゃんの成長がこれからも楽しみです。




Posted in 音声・動画, クラスのこと, 犬のこと

<クラス>秋のお預かりクラス&トレッキングクラス

大きな台風で被害を受けられたみなさまにお見舞い申し上げます。

ものすごく離れている七山のある唐津でも突風が吹き荒れており、台風直撃された地域のことが気がかりな週末でした。

自然の猛威が近づいてくると予測することができるような文明を持っている人間は、やはりその猛威が近づいてくるとわかっていても身動きができないような動物でもあります。

自分もきっと身に危険が迫っていても住み慣れた場所を離れることはできないかもしれないと想像して、そうならいずれこの七山で土砂に埋もれてしまうこともあるだろうから今この時を楽しもうと開き直ってみました。

動物が一番活発になる季節。
お預かりのクラスとトレッキングクラスが増えて、学びの多い週末を過ごせました。

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お預かりクラスが続いてくる犬ちゃんの様子が変化していってうれしいことや、お預かりクラスが初めてて飼い主さんを呼び続ける犬ちゃんに手を焼きつつもやり取りの中で変化が起きるのを待つのも疲れるけれどやりがいのあることです。

トレッキングクラスは最高の季節。
動物たちが山をウロウロするこの季節は1月くらいまででしょうか。
山にはたくさんの動物の気配があります。

青くてたくさんついていた柿の実が忽然となくなる事件がまた今年もありました。
あの青い柿は一体だれが持ち去っているのか本当に不思議です。
いつかこの謎が解けたときに、また少し山の住人に近付いた気持ちになれそうです。

北風を受けて気持ちよさそうな犬たちの表情。

冬到来の前に蓄えを探すためにテンションが上がる動物の姿。

私たち人間の中にもまだ残るこの感じは絶対に犬たちの遺伝子の中にも残っているはずです。

このワクワク感を共感できるのはこの季節だけです。

週に1回のお休みもおちおちと休んではいられません。

犬との山歩き、ぜひお出かけください。

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Posted in 日々のこと, クラスのこと

<クラス>老犬たちのトレッキングクラス

活動的に過ごす若い時代は、新しいこと珍しいこと、少しストレスがかかりそうなことやはじけることも楽しみとなります。

でも年をとってくると当たり前のこと、普通のこと、日常的なことの中に楽しみを見出したいと思うようになります。

犬という動物や人よりももっと保守的で日常生活を大切にする動物だと思うのです。

そんな日常の中に、山歩きをいれてもらえたら犬はきっと素敵な人生を送るのではないでしょうか。

都会の生活から自然の生活に一気に変わることはできなくても、週末ごとに自然に親しむ生活をしているといつのまにかそのチャンスが自分にやってくるかもしれません。

そんな時間を大切にしてくださった飼い主さんたちとその犬たち、ずいぶん年をとって階段ののぼりおりは苦手になりました。

老犬になると白内障や緑内障といった目の病気も不思議なことではありません。

そんな病気を抱えていてもなぜか山歩きには積極的な老犬たち。

お散歩はあまり行きたがらないのに山ではとてもよく歩きます。

山を歩いたあとはイキイキしていると家族にもいわれるの。

そんな飼い主さんの言葉を聞くとすごくうれしくなってしまいます。

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七山に犬との山歩きに来られる方の大半が、まさか自分が山歩きをするようになるとは思ってもいなかったといわれます。

本当にその通りです。

自分だってまさか自分がこんな山の中に犬と暮らす時間を人生の中に持つとは露ほども思っていませんでした。

犬は無事に旅立って私はまた都会と自然を行ったり来たりしながら、一頭でも多くの犬が山に連れてこられるようにと活動をしているところです。

山歩きのあと生徒さん手作りのケーキをいただきました。

どんなに大切な時間もずっと続くわけではありません。

自分の人生もいつかは終わってしまいます。

だからこそ今、今日、ひとときを大切に過ごしたいのです。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<クラス>涼しすぎる七山でお泊りする犬ちゃんたち

福岡が酷暑です。

昨年よりは涼しく犬たちにやさしい夏かと思いきや、やっぱり暑い。

ここ数日は移動中の車の中で熱中症になりそうな自分と、あちこちで見かける救急車に気持ちも落ち込みます。

家庭の犬ちゃんたちも「暑すぎてトイレにも出ないんです」とか「今年はさすがにお庭にあまりでなくなりました。」といった今までと違う行動も見せています。

犬たちも気候の変動の中で厳しい夏を体感しているのです。


そんな酷暑の福岡から脱出して上界の七山に上がってきました。

標高500メートルなのでそれほど高くはありません。

でも涼しい、全然違う。

体感では10度くらい低いように感じてしまいます。

実際には5度くらいです。エアコンをつけない室内で26度くらい、湿度もあまり高くありません。

風があるともっと心地よい感じになるので、室内よりもむしろ屋外の方が過ごしやすいのは田舎ですね。


預かりの犬ちゃんたちを連れて七山に来たのですが、暑さで体調もあまりよくなかった犬ちゃんたちが元気に復活している姿を見ることができました。

夕方少しだけ気温が高くなるときには家やテラスに水まきをします。

水になれていな犬ちゃんには特別にホースでつくったお手製のにわか雨をプレゼント。

お手製なのでときどきどっさりと水が頭から落ちてくることがあるけれど、水にも慣れてほしいし涼しいものです。

8月8日に立秋を迎えたので、これからどんどん日が落ちていきます。

お盆を迎えると七山はもう秋の気配です。

犬も季節の移り変わりを鼻先で、体で感じることができるといいなと思います。

一日中エアコンの中で快適に過ごすことができる犬たちはある意味では幸せです。

気温の変動は動物にとってはストレスになるからです。

でも、本当に犬はそう思っているのでしょうか。

適切な気温の変化の中で、あー涼しいとか、あーちょっと暑いから移動しようかなとか、
地面にお腹をつけてみようかなとか、木陰で風邪にあたって気持ちいいとか、そんなことが動物にとってはすごく幸せなことなのではないかと思うからです。

預かりの犬たちといっしょに過ごすときは、気持ちがいいを連発できるようにわたしも犬といっしょになってウロウロします。

ヒサシを立てかけたり、水を流したり、木を切ったりしてできるだけ心地よく過ごせるようにしています。

そんな何気ないことが動物である私にとっても素敵な時間になるのです。

草を刈り取る横でいっしょになって草をむしる子犬ちゃんたち。

飼い主さんの幸せをいただきながら犬たちとの夏休みが始まりました。

今年も夏休みの宿題がいっぱい。

グッドボーイハートは弟を生み出すことになり、産みの苦しみの最中です。

9月1日出産を目指しています。

ご期待ください。

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Posted in クラスのこと

<クラス>お預かりクラスに子犬ちゃんと老犬くん

訪問レッスンと並行しながら、少しずつ七山でのお預かりクラスも増えていきます。

夏場は犬を連れていけるところもなかなかなく、犬ちゃんたちは七山でお泊り、飼い主さんたちは避暑地でリフレッシュ、もしくは猛勉強のためにセミナーなどに出席されています。

お預かりの犬ちゃんが老犬だったり子犬だったりすると大変気配りが必要になります。

老犬や子犬は環境の変化に敏感です。

老犬の場合には突然具合が悪くなったり、ご家庭でも7歳以上になると突然死ということも不思議ではありません。

びっくりされるかもしれませんが、7歳というと人間では50歳くらいです。

犬は持病などを把握しているわけでもないし、心臓や脳の病気で急に亡くなることもあります。

最善の注意を払っていてもお預かりする方としてはドキドキなので、本当に信頼関係を結べた飼い主さんの犬しかお預かりできません。

そのためグッドボーイハートのお預かりクラスをご利用できるのは、グッドボーイハートの生徒さんでかつ一定の条件を満たした方ということになります。

七山は下界に比べるとずっと涼しいのですが、その分老犬はよく寝ます。

あまりにも熟睡しているので「死んでいるのではないか」と不安になり、しょっちゅう顔を見てしまいます。

七山で休みを満喫しようとしている犬ちゃんの邪魔をしたくないので、環境を整えたら後は犬ちゃんにお任せするというのがグッドボーイハートの姿勢です。

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七山では気温の変化は緩やかですが、一定の温度から変化しないエアコンの室内ではありませんから、その分体は鍛えられます。

こうしてブログを書いている私も、涼しいながらも汗をかきます。

福岡のマンションでは絶対にないことです。

気候に適応するからだが自律神経を発達させてくれます。


子犬ちゃんにはこうした環境がとても重要です。

子犬ちゃんはエアコンの部屋に閉じこもりきりにしないで、涼しい時間に屋外で過ごす時間を持ってもらいたいのです。

生後6ケ月くらいまでの思春期の気候に対する適応能力の発達は自律神経のバランス感覚を鍛えます。

このことがいずれストレスに強くなるベースになるので、社会化としてとても重要なことです。

子犬の社会化というと「たくさんの人に合わせる」「たくさんの刺激にさらす」「たくさんの犬に合わせる=ドッグラン」などと思っている方もいるようですが、社会化の本来の意味はこうしたものではありません。

環境に適応しながら環境に対して適切に反応する、結果社会的なコミュニケーションがとれるようになり、自分をうまく防御しながら社会を楽しむ術を身に着けるということです。

わかるようでわからないような。

一言では難しいですね。

子犬の社会化期には、庭で探索行動を楽しむなどの時間を作ってあげましょう。

草や土や虫は犬であれ人であれ、未熟なこどもが発達するのに欠かせない社会化のための素材なのです。

子犬ちゃんの七山のお庭探索を見ていると楽しくて仕方ありません。

同時に「子犬らしい行動が出ていてよかった」と安堵します。


福岡と七山の行き来、時間も労力もたくさん使うので「大変でしょう」と生徒さんたちからよく言われます。

確かに「大変」なのだけど、都会の犬たちがこの自然あふれる場と出会って成長するチャンスを得ていただくのがグッドボーイハートの使命です。

体力の続く限り行ったり来たりは続けます。

生徒さんたちにもいつもサポートしていただいて本当に感謝です。
みなさんの理解と協力がなければできないことばかりです。

頑張る気持ちは満載ですが自分もずいぶん走り続けてきた感じです。

人生のラストスパートということで、いっしょに学びたい方はお早目にご連絡ください。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>犬がサイレンがなると遠吠えするのは何故なのか

お預かりクラスのときに七山で時報として流れる地域放送の音がなると遠吠えをする犬がいます。

つい先日も、福岡でお預かり中の犬ちゃんが散歩中で歩道を歩いているときに救急車が通行したので遠吠えをはじめてしまい、たくさんの通行者の中で注目を浴びてしまいました。

「うぉーん」というこの遠吠えを聞くとイヌはやっぱりオオカミなんだなとしみじみと思います。

サイレンなどの高い音で遠吠えをするのは、サイレンや放送の音が遠吠えの音程と似ているため共鳴してしまうからです。

共鳴するとは、特定の刺激に対して引き出された行動ということです。

遠吠えをしている犬が「サイレンがなったから自分も遠吠えしなくてはいけない」などと考えて行動しているわけではありません。

遠吠えという吠えは犬のDNAの中に入っており、必要であれば自動に引き出される仕組みになっています。

犬のコミュニケーションのすべてがこの引き出し式になっており、犬は教育を受けなくてもコミュニケーションを表現できるようになります。

教育は必要ないが、行動を引き出してくれる一定の刺激や相手がいないとコミュニケーションが起こらないのだということなのです。


遠吠えも同じように特定の刺激に対して反応する形で起こります。

特に犬がオオカミでいうところのアルファ=群れのリーダーではない場合は共鳴行動が多くなります。

オオカミの遠吠えで説明すると、はじめに遠吠えをするオオカミがいるわけでしてそのリーダーオオカミの遠吠えに続くように他のオオカミたちも遠吠えをします。

集団で遠吠えをする野生のオオカミの群れのコーラスは感動しますので一度ぜひ聞いてみてください。


ここまではかなり科学的に精査されて得られている情報です。

行動学の本やセミナーでもこのくらいのことは当たり前のこととして教えてくれます。

それで私の意見です。

ひとつの刺激に対する反応という学習のしくみは、似ている音には反応するけれど似ているけど少し違う音には反応しないという区別という学習も入ります。

この区別によってオオカミたちは自分の群れのオオカミの声には共鳴するけれど、他のオオカミの声には反応を示さないのだと考えています。

あくまで考えの範囲内ですがそうでないと自分の身が危険だからです。

オオカミを捕獲したいと考える人の中には、他のオオカミを連れてきて遠吠えさせてその遠吠えに反応するオオカミによって居場所をつきとめるかもしれません。

オオカミがそんなに愚劣とは思えず、こうしたシステムは洗練されていると私は考えています。


ではなぜ犬が必要のない遠吠えを毎日繰り返すのかということですが、自分の中でもまだ仮説の部分ですが使われていないコミュニケーションには錆がくるというのがひとつの考え方です。

犬という群れをはずれて単独で人と暮らすのようになった家庭犬たちが、長い間まともに使っていない遠吠えというコミュニケーションを適切に表現できない状態なのではないかということです。

もうひとつの仮説は、人と暮らす犬の中には本質的に孤独な犬もいるのではないかということです。

こう考えるのは、イヌとしてまだ犬の群れの中に生きている野犬や野良犬にはサイレンに反応して遠吠えをするような行動はありません。

ところがこうした野犬の子犬たちが家庭に入るとすぐに遠吠えをするようになります。

わりと幼少期からサイレンなどの音に反応する姿が見られます。

この姿を見ているときに、自分の帰るべき犬の群れを呼んでいるではないかと感じるのです。

家庭犬も深く結ばれた絆のグループの中に戻りたいという状態であるときに共鳴が起きやすいのではないかと。

犬はもうずいぶんと長い間、人という動物のそばで暮らしてきました。

最初は自分も犬としての群れをもちながら人とのかかわりを持っていたのですが、日本ではすでにほとんどの犬が人のグループの一員である家庭犬であることがなんと法律で義務付けられています。

人の作った法律なんか犬にとってはどうでもいいものですが、人社会に巻き込まれた犬ですからもはや逃れようもありません。

家庭犬として人と深い絆が結べるようになることを犬たちは望んでいるのでしょうが、人はますます犬のことを理解しなくなりつつあります。

犬は孤独になり遠吠えをしているのではないか、そう考えるときどんなに地道であっても犬を理解する機会を犬と暮らす人と持ち続けたいと願うのです。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<クラス>梅雨の間でも今年は涼しく犬との山歩き

クラス紹介の写真がいつも山での風景になります。

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受け持ちしているクラスの大半は家庭訪問トレーニングクラスですが、トレーニングクラスのときには行動を再確認するために動画を撮影するくらいで、写真を撮る機会がありません。

生徒さんたちのお写真はラインやメールで送っていただきときどきご紹介させていただきますが、そう度々お願いすることもできず。

写真が山と犬の風景に偏るもっと大切な理由は、山にいる犬の表情の変化をお伝えしたいからです。

犬の中には生涯を通してアスファルトや人工的な公園しかしらない犬もいるでしょう。

たまに自然の中に連れていかれても整備されたドッグランや平坦な土地、囲われた広場に開放されるくらいでしょうか。

山を歩くチャンスをもらえる犬は一握りしかいません。

最近では山どころか散歩にも出ていない犬が以外に多いことを知り驚いています。

20年前なら「散歩がうまくできないんです。」というトレーニングのご相談を受けることはもっと多かったのに、最近では「トイレができないんです。」というご相談の方が多いのも納得します。

山で過ごしている犬の表情は一度山に来たくらいではわかりません。

山という環境が犬の脳に働きかけて、犬の脳の中で何かが開き始めたときに犬の中に確固たる深い安心が生まれるような感じです。

それは私たち人間にも言えることです。

山に来て騒いだりバーベキューばかりしているとわからないことも、ただ山を背にして普通に過ごす時間を長くつくればつくるほど、自分はとても小さな存在に思えてきていろんなこともそんなに大したことではないように思えるようになります。

そんな人間の一部を感じることも、犬にとっては何か影響があるのかもしれません。

人はあまりにも犬に強くなりすぎました。

厳しい環境の中で管理監督しなければ動物が落ち着かなくなってしまったからでしょうが、根本的にいろいろと考えて変えていく勇気が求められていると思います。

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Posted in クラスのこと

<クラス>犬が本当に可哀そうなのは、犬が吠えてなくてはいけないこと

犬にしつけやトレーニングをするのを「犬が可哀そう」だと言われることがあります。

実際にトレーニングクラスを受講されることを決められた生徒さんが言われることはありませんが、しつけに関心を示さない方の中にはこうした意見を持たれる方も多いのです。

犬は吠える動物なのに吠えさせないのはかわいそうとか、犬をクレートに入れることはかわいそうといった意見もあると思います。

なんでも一概に否定することは避けないですが、見方を変えて判断しなければいけない要素も含んでいるはずです。


たとえば、来客を知らせるインターホンの音にワンワンと吠え続け走り回って興奮する犬がいるとします。

きちんとしたハウストレーニングを行うと、ハウスの中ではインターホンの音に吠えなくなります。

これを犬が可哀そうを思う人は「狭いところに入れられて吠えられなくなっているから」と思うかもしれません。

でも本当はそうではありません。

犬は隠れる習性をもつということを知っているでしょうか?

来客である犬にとっては外敵かもしれない人がテリトリー内に入ってくるときに飼い主が適切に対応すれば、犬は不要に吠えたり興奮する必要はありません。

これがハウストレーニングの原理です。

ハウスという巣穴に隠れている間にら来客がかえってしまうことを理解すると、犬はハウスで待つようになります。

犬は興奮して吠えるということをせずに落ち着いていられるわけですから、環境はよりよくなっています。

犬が吠えたり飛びついたり走り回ったりすることが犬が喜んでいるのではなく犬のストレス行動であるという理解がないと、犬が落ち着けるようになってよかったと思えないのでしょう。

これでははじめから人と犬はすれ違っていることになります。

犬を理解しない人は犬が隠れ場を必要としていることも理解できず、クレートを可哀そうといいます。

クレートが巣穴にならなければ当然犬はずっとクレートで騒ぎますので、それはもちろんむごいことです。

だからこそ閉じ込め場としてクレートを使うのではなく、クレートが巣穴となるための練習が必要になります。

それが犬のしつけやトレーニングといわれるものです。


犬をハウスに入れるのが可哀そうで…という飼い主さんがいわれたら、犬が吠えて走り回っている方がよほど可哀そうな状態だとお伝えします。

何が犬にとって「可哀そう」なのか、トレーニングやしつけの趣旨や中身の本質を理解しなければ正しい答えが出せません。

犬のしつけとトレーニングは犬の習性にできるだけあった環境を提供すること、犬の習性に応じたコミュニケーションを引き出せること、そして犬が落ち着いて生活できるように整え成長を促すことです。

本当に犬が可哀そうなのは、犬が理解されていないということです。

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