グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラス>お預かりクラスで対面した大きい犬と小さい犬:お互いに犬であることがわかるのはなぜか。

犬という動物の不思議は、サイズや見かけ(形態)のバラエティーさに富んでいることです。

同じ種類の動物でありながら、ここまでいろんな姿形のものになってしまうのも珍しいでしょう。

体重が一キロもない犬から60キロを超える犬、被毛の短いものから長いもの、直毛のものからカールした毛のもの、脚の長いのから短いもの、耳が立っているものもあれば倒れているのもいます。

色は白、黒、茶が基本色ですが単色、まだら、ぶち、トライカラー、左右対称の犬など本当に様々です。

もちろんこのような犬たちは人が犬の繁殖に強く関与したことで遺伝子的に変異を遂げてきたわけですが、それにしてもね~と思います。

そしてそれ以上に不思議なのは、見かけが全く違う犬同士が出会ったときに相手が犬であるということをすぐに見分けてしまう能力です。

犬は嗅覚を主体として判別(区別)をする動物ですが、とはいえ全く視覚の情報に騙されないというのはおそるべきことです。

犬が以下に嗅覚情報を大切にしているのかということと、犬と区別する臭いがすべての犬に含まれているということなのです。

実際に犬は同族の犬の排泄物には強い関心を示しますが、人の尿の臭いにはほとんど関心を示しません。

特に屋外に人が排尿をしたとしてもほとんどといっていいほど関心を示しません。

こちらからすると犬も人も同じような尿の臭いしかしないように感じるのですが、その臭いの中にある「犬のもの」「犬ではないもの」の区別がはっきりと記させているわけです。

こんなことも分からないのに犬が受け取っているものと同じ情報を共有することなどできるわけがありません。

そもそも受容器官の性能に差がありすぎるわけですから、この部分では人は犬にかなうはずもないのです。

お預かり中に大きな犬くんに小さな犬くんを近距離で臭いをとれるような状態にすると、瞬時にお互いの情報を嗅ぎあうことで交換しあいコミュニケーションがはじまっていきます。

大きな犬が堂々として小さな犬がビクビクしているかというと、そんなことはありません。

小さなチワワくんでも大きな犬くんに怖がることなく自己アピールができるような性質を持っています。

お互いに犬であるということがサイズの違いによる怖さを克服するのでしょうか。

私が観察するかぎりにおいてですが、堂々としている犬は犬としての自覚をまだ十分に持っているのではないかと考えます。

そしてビクビクしている犬は犬としての自覚を失いかけているように思えるのです。

人間が人間として生きることも難しい時代に、犬が犬として生きることなど実現のしようがありません。

失われた自尊心を取り戻すための犬との山歩き。

七山でも紅葉のすばらしい季節です。

ぜひお出かけください。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<クラスのこと>クレートカバーは簡単に作れます。

室内犬の場合には犬の居場所として必須のハウストレーニングですが、最初に使用するのはクレートです。

ハードクレート、ソフトクレートとクレートもいろいろと出てきました。

室内犬の普及と共に、国内メーカーも犬用クレートを取り扱うようになり特にこの5年ほどはクレート回りの備品も充実してきています。

このクレート準備で必須になるのがクレート用のカバーです。

「クレートカバーはどこで購入したらいいのでしょうか?」と尋ねられますが、クレートカバーはまだあまり種類がありません。

国内メーカーのクレートにはクレートカバーもいっしょに売ってあるメーカーもあります。

リッチェルのクレートカバーはつい最近、新しい色もでてきて充実感が増しました。

ただあるのはクレートサイズのSサイズとMサイズのみです。

Lサイズ以上は需要がないのかカバーの販売がありません。

あとはネットでオーダーするものもあります。

以前はグッドボーイハートの生徒さんがオーダーで作ってくださっていたのですが、最近は他のお仕事が忙しくお願いできなくなりました。

最後の手段は自分で作るというものです。

ミシンさえあれば、そう難しいものではありません。

特にソフトれくーとの場合は形がシンプルなので直線的に仕上げられます。

問題はハードクレートの方です。

ひし形になっていますのでちゃんと作るのは難しいのです。

先日お預かりした犬ちゃんが素敵な記事のクレートカバーを作っていらしたので、来校された生徒さんたちの目にとまったようです。

しかも作りがとてもシンプルです、なのに安定している。

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素人なので想像なのですが、生地の厚みや柔らかさがとてもいい感じなのです。

生地のデザインが素敵なのでクレートカバー的な感じがありません。

デザイナーさんのものらしくお高かったらしいですが、ひとめぼれで生地を決めたといわれていました。

つくりはシンプルで直線裁ちです。

両脇はリボンでとめるようになっています。

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簡単そうですが失敗したくないのではじめはお安い生地で作りたいですね。

私などは裁縫が苦手なのでカーテンのいらないもので作ったりしていました。

生地のデザインでテンションが上がってしまうあたりが女子なのでしょうが、布地というのは本当に楽しいものです。

いつかカーテンを作り変えたい、いつかテーブルカバーを作りたい、いつか…と思いつつ、みなさんの作品を楽しませていただいきます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<受講生のコトバ・ダンちゃん編>変わるのは犬ではなくわたしたち飼い主であるという学び

グッドボーイハートのトレーニングクラスを受講されている生徒さんからの感想のお言葉をいただきました。

今回はジャックラッセルテリアのダンちゃんです。

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今年の2月に生後4ヶ月のダンを迎えました。

ダンは私たち家族にとって初めての犬です。

私はもともと犬が苦手でしたので、本やインターネットで調べていろいろと準備してダンを迎えました。

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準備万端で迎えたつもりですが、最初からもう大変なことだらけです。

ダンのしていることに何をどうしていいかも分からないし、
そもそも、犬とどう接していいのかも何もわからないような状況でした。

実は犬を飼おうと思ったころからトレーニングスクールをあらかじめ探しておきました。

とりあえず自分たちでできるところまでして、無理そうだったらプロにお願いしようと話していたのです。

でもダンの状態を見て、スクールに相談するのは早いほうがいいんじゃないかということになりました。

結局、ダンを迎えて1ヶ月待たずしてグッドボーイハートへ連絡しました。

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先生との出会いは、私たち家族に大きな衝撃を与えてくれまいした。

同時にダンとの生活の変革の始まりでもありました。

犬のことを全く知らない私たちに、
「犬という動物は…」と話す先生の話は何もかもが新しくとても興味深いものでした。

レッスンの日がいつも待ち遠しくて仕方ありませんでした。

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ベランダのトイレがやっと安定しはじめた頃に始まったマンションの大規模改修工事にドキドキしたこともあります。

もともとお留守番の時間が長くてダンにストレスを与えがちな生活環境の中で
私たちがどう変わればダンと共に心地よく暮らせるか不安になったこともあります。

ただわかってきたのは「変わるのはダンではなく飼い主である私たち」だということです。

これが先生からの一番の教えです。

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ダンはお散歩もまだまだ下手です。

飛びつきもまだ決してゼロになっていません。

「私たちが変わればダンも変わるのだ」そう分かってはいますが、それが簡単ではなくむしろ何より難しいのです。

ダンを見ていると、私たちに向かってなにか必死にアピールをしていることが伝わってきます。

それを理解して受け止めたい、もっとダンに近付きたい、犬のことを知りたい、といつもそう思います。

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全然成長しない私たちに、きっと先生はヤキモキすることも多いでしょう。

でも、こんな頼りない飼い主のもとでも、ダンは確実に成長しているのです。

ほんの少しづつでも前に進んでいる、そう信じてこれからもがんばります。

ストレスだらけの生活の中でダンが少しでも自然を感じられるようにと環境について考えています。

先生の教えを常々振り返りながら、ダンとの毎日のお散歩を欠かさず、週末にはリフレッシュする時間を持っています。

ダンと一緒に私たちの暮らしも豊かになればと思います。

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今の一番の夢は、「リードを通じて一体感を感じるお散歩」です。

ダンとわたしたちの生活はまだまだ始まったばかりです。

これからもずっと、犬のことを勉強し続けて、たくさんの幸せと喜びを、家族とダンと一緒になって積み上げていきたいと思います。

私たちとダンの修行はまだまだ続きます…。

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最初にカウンセリングのお問合せをいただいたときのことを今でも覚えています。

ダンちゃんの飼い主さんはお電話でこんなことを言われました。

「わたしたちの生活は決して犬にとって理想的ではないと思います。

それなのにジャックラッセルテリアという活発な犬を迎えてしまったのです。

こんな自分たちでもトレーニングを受けることができるでしょうか。」

トレーニングクラスのお問合せのときには犬の方が悪いと判断して連絡してこられるのが普通です。

クラスを受講されるうちに飼い主さん側がいろいろと不足していることがあるのだということに気づかれていきます。

ダンちゃんの飼い主さんのように最初から犬にとってベストではない環境に迎えたのだという認識を持たれていることの方が少ないのです。

なので、お問合せいただいたことがとても印象的でした。

実際にカウンセリングやトレーニングクラスを受講されるときでも、細かくいろんなところに疑問を感じてくださりダンちゃんの行動をいつも細やかに観察して報告されました。

普段は留守番が長くダンちゃんに負担をかけている分、どのようなサポートをすればいいのだろうかという気持ちが思いっきり伝わってきます。

指導の立場にある私であっても、明らかに飼い主さんが拒否を示されることはご提案できません。

ダンちゃんの飼い主さんは最善のことをご提案すれば、その中でできることを考えてくださるようなご家族だったのでこちらも安心してたくさんのご提案をさせていただきました。

アウトドアがご家族の趣味でジャックラッセルテリアのダンちゃんをキャンプに連れていきたいという夢をさっそく実現されて、ご家族で幸せな時間を過ごされたことをご報告いただいたときには、心から嬉しかったです。

犬は山がお里の動物だから土の上で、太陽の下で、風にあたりながら、というのが健康なスタイルです。

ジャックラッセルテリアならどんなに汚れても平気ですね。

犬が犬として過ごせる時間を大切にしてくださることに感謝しています。

そうしていれば、犬たちは忘れていたものを取り戻しもっと自信に満ちた姿で生きていくと思っているからです。

自律したジャックラッセル「ダンちゃん」への道、これからも楽しみです。

Posted in 犬のこと, 受講生のコトバ

<クラス>犬との対面クラスを開催しました。

普段は七山のトレッキングやお預かりやプライベートクラスで犬と犬の社会性について学ぶクラスを開催しています。

今回は特別に車を持っていない生徒さんたちのために、福岡の事務所スペースを利用して犬と犬がおちついて対面できるかどうかのテストとその方法について説明するクラスを開催しました。

お預かりの犬ちゃんたちと同じくらいのサイズや年齢の犬ちゃんたちだったのですが、それぞれにもう社会的に自信のない状態になりつつあったのでその様子についても説明しました。

実際に犬の行動をみながら説明するのはかなりハードルが高いのですが、生徒さんたちが熱心に観察していてくださるので大切なことをいくつかは学んでいただけました。

グッドボーイハートでの犬のしつけは、家庭訪問トレーニングクラスを中心にしてはじまります。

その理由は「しつけの基本は家庭にあり」というところからきています。

人の子供のしつけも同じようですが、人としての態度を学校の先生にいろいろと注文を付けることでは改善されません。

人としての態度は家庭の中で身に着けられるものだからです。

人の子供であれば、一緒に生活していてゴハンを食べさせてもらって住まいも与えられてそして愛情いっぱい育ててくださる親に対して傍若無人な態度をしたり、暴言を吐いたり、暴力を振るような状態になっているものを、学校教育でどうのこうのというのは無責任です。

犬も同じようにご家庭内でいうことをきかない、わがまま、甘えが許されているキュンキュンと鼻をならすような状態であることがそもそもの問題です。

犬と人は動物として全く異なるためいろいろと違いはあるのですが、こうしてテリトリーを共有して過ごすことができるのは、どこかに似ている部分があるからです。

その最も似ている部分というのが、社会手的構造です。

犬という動物は群れという社会的なグループに所属する習性を持ちます。

そのグループ内では役割分担が必要で、誰が主導権を握り誰がそれに従うのかを決めていきます。

この主導権がうまく取れていないと、他人、つまり他の人や犬に対して吠えたり飛びついたり怯えたりするようになるのです。

こうした犬の社会的な対象となる「人」や「犬」に対する恐怖行動や興奮行動を罰を与えて止めさせることはできません。

グループ内の社会的な立場がわかるようになると、積極的なコミュニケーションは取れないとしても、怯えや恐怖を抱くことなく相手を観察することができるようになります。

まずはここからスタートなのですが、いずれにしても飼い主と犬との関係が影響をしているわけですから自分次第というところです。

飼い主さんの理想と現実は少し遠くても、現実に近い理想には確実に近づいていきます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと・動画>飼い主さん自家製のペットドアでベランダへ排泄にでるご機嫌なメイちゃん

前回のブログでドイツでは犬は室内に排泄する習慣がないことをご紹介しました。

このブログで紹介するまでもなく、犬を犬として扱うドイツではこうした犬の習性を大切に扱うことは日本でも知られています。

むしろ日本人は「外で排泄させるなんて犬がかわいそう」という発想にいたってしまい、今のような犬の飼い方になってきたのではないかと思いますが、本当に犬が可哀そうでしょうか。

たしかにマンションなどの集合住宅では庭もなく屋外トイレの確保はかなり大変です。

ですが少しの工夫で犬の世界が広がるとしたらどうでしょうか。


実は先日、家庭訪問レッスンのときに室内トイレからベランダトイレへと環境を移行中の犬ちゃんの環境が激変していて驚きました。

驚いたのは飼い主さんお手製というベランダに通じるペットドアです。

全くドアのない場所にどうやって設置されたのかと思うほどの人も犬も通れるドア

よく見ると廃材のドアを加工してご主人が作ったというのですから驚きです。


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排泄をする場所も手作りされてすぐに掃除ができる形に整えてありました。

小型犬だったら簡単に設置できるベランダへのペットドアですが、大型犬となるとそうはいきません。

まずサイズがない、あったとしても料金が高い、なにより大変なリフォームとなってしまいます。

そしてもっと問題なのは、ペットドアが大きいと重たくなり大型犬にかかる負担も強くなってしまいます。

実は私も黒ラブのオポと暮らしていたときにこのドア問題ではかなり悩みました。

オポの自由な排泄のために庭への通路を確保したかったのですが、なにしろ犬のサイズは40キロ近いのです。

里山ということもあり、ドアを開けたままにしておくといろんな生物がドアという境界線を越して室内に入ってきてしまいます。

そのことでトラブルが多く、なんとかしてオポだけが利用できるペットドアをと考えたのです。

そして考え出したのがビニールを下げたペットドアです。

写真はこちらのブログ記事で紹介しています。

「犬の排泄行動に自由を与えよう!」

このオポ用のドアの写真をレッスンのときにご主人に見ていただきました。

そうすると「ああなるほどね」と何かひらめかれたようで、その後すぐにこの素敵なドアが設置されたということです。

短い動画ですが犬のメイちゃんがうれしげに通行する姿を見てください。



ベランダへのドアが設置されてからメイちゃんは自由にベランダに排泄に出られるようになり、またベランダでよくひなたぼっこしたり、オモチャをもっていったりして自分のスペースを楽しんでいるとのことでした。

風に当たったり日光に当たったりする場所で排泄ができるというのは犬という動物の基本です。

マンションでいろいろと難しい方も、このひとつの広がりで犬の行動は激変してしまうことをぜひ知ってください。

メイちゃんの成長がこれからも楽しみです。




Posted in 音声・動画, クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>やっぱり!ドイツはペットシーツがいらない国

犬の先進国として有名なドイツ。

ドイツでは犬は…というと、ほとんどの方は「ドイツはイヌの先進国だそうですね。」と相槌をうってくれます。

テレビ番組の影響もあるのでしょうが、ドイツの犬事情はわりと知れ渡っているようです。

そのドイツの犬事情を今回久しぶりに生情報として聞くことができました。

というのも、カウンセリングに伺ったご家庭にドイツから一時帰国されているご家族が同席されてお話をする機会を得られたからです。

そもそも室内で犬に排泄をさせる習慣があることを不思議に思っているわたしですが、日本ではなかなかこのことを納得してくださらない飼い主さんもいます。

お互いに価値観の違いとして片付けるしかないのですが、何が犬にとっての普通なのかを説明しておくことはドッグスクールとしての義務なのでつい熱弁をふるってしまいます。

こちらが正しいことを伝えたいのではなく、犬という動物としてどうなのかという部分で譲り難い部分だからです。

ドイツに在住されている日本の方に、ここぞとばかりに質問しました。

ドイツには犬が室内に排泄するという習慣はありませんよね。

「はい、もちろんありません。全く考えられない。」

ドイツにはペットシーツはありませんよね。

「見たこともないです。ドイツの犬たちは屋外で排泄をしますが、きちんとしつけられています。」

ということでした。

やっぱりですね。ヨーロッパの多くの国がペットシーツを販売していないのですが、老犬のためか1枚100円くらいではあるかもしれません。

ドイツをはじめとする、イギリス、フランスは純血種をたくさん作りだした国で小型犬も決して少なくはありません。

むしろドイツではテリア種などの小さな犬はたくさん見かけられます。

小さいから室内で排泄をさせるということはないのです。

そのドイツ在住のご家族によると、ドイツでは犬のしつけがされているかどうかは登録されている情報からでもわかるし、吠えや噛みつきはすぐに裁判になってしまうということでした。

犬を動物として正しく飼育していくことができないものは、犬を飼う資格はないということです。

ところが日本では、犬を正しく飼う方法として室内で排泄をさせる習慣を犬に強要しています。

ペットシーツは今やどのスーパーにも置いてある商品で、これだけですごいゴミが出ていることになります。

犬に室内で排泄をさせたい飼い主の理由

一番多いのは、外でしか排泄しなくなったら毎日散歩に出なければいけなくなるからというものです。

庭のない敷地で飼うなら、朝晩の散歩は飼い主の義務でもあります。

ドイツでは当然犬を散歩に連れ出します。

二つ目の理由は、老犬になって歩けなくなったときに困るから室内でしてほしいというもの。

これは老犬になってから犬が選択をするときに考えることで、子犬のころから室内トイレを強要する理由にはなりません。

二つとも犬の立場に立っているようで、実は人側の都合による理由ではないでしょうか。

ちなみにドイツでは小さな犬を抱きかかけて移動させることはあっても、犬の抱っこはありません。

犬はそもそも外でしつけをされてから室内にいれられる動物なので、犬はあくまで動物であって抱っこするペットという扱いは受けていません。

公共機関でもカフェでも小さな犬が人の膝の上に抱っこされているのは、大変違和感のある光景なのです。

犬はイヌとして扱われているそれがドイツです。

良い部分も難しい部分もあるとは思います。

100%ドイツの犬育てが良いとはいいませんが、排泄の場所と抱っこの習慣がないことは100%共感します。

この二つは犬の生涯の行動にずっと影響を及ぼす行動だからです。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>ラグビーワールドカップの人気に乗って犬のはなし

ラグビーワールドカップの日本チームの活躍がすごいですね。

毎日ラジオを聞いているので躍動感が伝わってきます。

そのラグビーワールドカップのニュースを聞きながら思ったことです。

ラグビーのプレーの中にジャッカルというプレーがあるということで、それがすごいという話がラジオで盛り上がっておりました。

パーソナリティがなぜそのプレーにジャッカルという名前がついているのかを解説しました。

「ジャッカルは立ったまま餌を食べるから、ラグビーのプレーの中で立ったままボールを拾う行為をジャッカルと名付けそうですよ。」という説明でした。

まあ、ここまではなるほどね、というところです。

ラグビーの発祥はイギリスではなかったかと思ったのですが、現在イギリスにはジャッカルはいません。

発祥地が不明なのか、ラグビーがイギリスで生まれたときにジャッカルが生育していたのかと、運転しながら少し頭が混乱してきました。

続いてパーソナリティがいったコメントで大混乱です。

「ジャッカルってハイエナみたいな動物ですよね。」

というコメントだったからです。

いや。ジャッカルはイヌ科の動物です。

ジャッカルという動物が一般的にはあまり知られていないのだとびっくりしました。


しかし、そもそも立ったまま食べ物を食べる動物に例えるならば、なぜジャッカルではなくドッグ(犬)とかウルフ(オオカミ)ではいけなかったのでしょうか。

犬もオオカミもたったまま食べ物を食べます。

ジャッカルよりはより身近な動物であったのではないかと思います。

オオカミよりもジャッカルの方が小柄で残飯をとりに来る可能性も高く、犬に近い動物でしょうから目にする機会は多かったかもしれません。

しかし、それなら犬はラグビーの発祥より以前に人と暮らしていたのですから「ドッグ」と名付けられなかったのはなぜなんだろうと考えていました。

そのうち訪問レッスンのご家庭に到着してこの考えはとん挫したわけですが、こんなことを考えるのも自分くらいかと半ば自身であきれております。

日本チームのみなさまにはますますジャッカルを含めたプレーで観衆を魅了してくださるでしょう。

名付けられたジャッカルは地球上にいろんな種として生育していますがその一部は絶滅危惧種なのです。

ジャッカル見たことがない方、ぜひ写真だけでもご覧ください。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<犬のこと>「こんな日が来るとは夢にも思いませんでした」…

生徒さんとご予約の変更などのやり取りのためにラインアドレスを交換させていただくことが多くなりました。

生徒さんの中にはレッスン中に解決した問題があったり、一山超えることがあるとうれしい報告を送ってくださる方もいらっしゃいます。

毎週のレッスンのときに「前回の宿題どこまでできたかな?」と想像しながらご家庭に伺うのも楽しいものなのですが、ラインでご報告をいただいたときには飼い主さんのうれしさが伝わってきて、それもまたうれしいものです。

先日もある生徒さんから犬ちゃんの写真が送られてきました。

コメントには「こんな日が来るとは夢にも思いませんでした。」とあります。

写真よりもコメントの方にびっくりしてしまい、思わず三度見してしまいました。

送られてきた写真はこちらです。

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生後5ケ月になる犬ちゃんのお昼寝タイムの写真でした。

犬が自分から初めてハウスの中で寝ているのを見たので感激したとのことでした。

犬が休みたいときにハウスに入って寝るのは、ハウスを日常的に使われている方なら珍しくない光景です。

ハウストレーニングをしなくても、ハウスをリビングに置けば入って休もうとする犬はたくさんいます。

ですがこの犬ちゃんのように設置したハウスが自分の巣穴となるのに少し時間がかかる犬もいます。

全く珍しいことではなく、環境の変化を受け入れていくのにほんの少しの時間がかかるというだけのことです。

その間は飼い主による管理が必要になるのです。

ところが、なかなか変化が見られないと辛抱たまらずに諦めてしまう飼い主さんもいます。

あと少し頑張れば安定したのになと残念に思うこともありますが、そこは飼い主さんの決められることなので仕方のないことです。

犬にも一定のルールを受け入れさせるガマンを教えるトレーニングですが、飼い主側も同じようにガマンしなければいけないことがあります。

必要以上に触らないようにとか、抱っこしてはいけませんとか、赤ちゃんのように扱わないとか、散歩に行かなければいけないとかですね。

人が飼う犬という動物との暮らし、もちろん人側が優勢であることは否定しませんがそれでもお互いに自制しあうという距離感は必要なのです。

ハウスに入って寝ている犬ちゃんの写真と飼い主さんのコメントを拝見して、こうした普通の風景が犬との生活の中にあるということをお伝えできてよかったと安堵しました。

同時に、この距離感をうまく保ちながら距離ではなく深い関係を築いでいかれると、また新しい気づきがたくさん生まれられるだろうと楽しみでもあります。

人からみればただのペットの犬のこと、でも私にとっては尊敬してやまない愛する犬のことなのです。

ブログ掲載に快く応じてくださった生徒さんからコメントも使ってくださいと言われ、うれしいお気持ちが伝わってきました。

まだまだ若い犬ちゃんですからこれから山あり谷ありでしょうが、一緒に歩いて行けるということが幸せですね。

Posted in 犬のこと

<犬のこと>初めてなのに目的地がわかる犬たちのテレパシーについて考えたこと

犬という動物の能力のすごいところを発見するのは、犬たちと関わる中で一番楽しいことかもしれません。

ほんの一粒のドッグフードを探し当てる嗅覚のすごさや、ほんの小さなささやきが聞こえてしまう聴覚の恐ろしさ。

跳躍力の驚きや、狭いところをくぐることができる柔軟性、絶対に追いつかない速さで走ることなど、私たちではかなうことのできないことをやってくれるそんな動物が自分の友達としてそばにいてくれることに感動するのです。

先日もそんな驚くべきことがありました。

はじめて預かり犬ちゃんを車で移動させていたときのことです。

預かり犬ちゃんの落ち着かせのために、グッドボーイハートに到着する前にある場所の駐車場に止めるつもりでした。

その目的地に近付いてきたときにピーピーと鼻ならしを始めたのです。

鼻ならしは次第に強くなり、到着したときにはギャンギャンに変っていました。

次にその場から走り出し本当の目的地(預かり場所)に到着しようとしたときにも、場が近づいてくると同じようにキュンキュン言い始めました。

一度も連れて行ったことのない場所で、駐車スペースにはいってもいない移動中に鼻を鳴らすということは、目的地に到着するいうことをなんらかの形で察知したということです。

目的地を知っているのは私だけで、それを知っていたということですから、人の何かの状態に反応をしたということになります。

こうなると読心術的なテレパシーではないかと考えます。

テレパシーは科学的には否定されるようなものでもありませんが、同時に肯定することも証明することも難しいものです。

犬が人から受け取る合図というにはいろんなものがあって、どんなに些細な情報も見逃しません。

特に臭いのシグナルについては人が知り得ない臭いを嗅ぎ取るので、人がいつの間にか不安の臭いや安心の臭いを出していることも犬に伝わっています。

ただし、上記でご紹介した到着地を事前に把握した状況というのは、犬ちゃんはクレートの中にはいっていてカバーもかかっていて私を見ることもできないし、臭いを嗅ぐこともかなり困難な状態でした。

一番犬が受け取りやすい臭いのシグナルもかぎ分けるのは難しかったであろうと考えると、やっぱり読心術なのかなと思います。

肯定されないけれど否定もできない犬のテレパシー能力。

犬との生活のいろんな場面でドキッとすることはたくさんあるけど、ここまで読みこまれると怖いと感じると同時に、相手も疲れるだろうと思います。

誤解を恐れずに言ってしまうと、相手に執着しすぎると自分を失ってしまうこともありますよということです。

本来なら生きていくために最大限活用すべき犬の能力が、行き過ぎてしまうと自分を苦しめてしまうことにもなりかねません。

また、脳の構造上の問題からもこのような特異な能力が発揮されてしまうことがあります。

人にも同じようなことがあり、オリバーサックス先生の本の中にも異常な脳で人が知り得ないことを知ると同時に日常生活が難しいという人々のことが紹介されていました。

犬は特に人為的な繁殖を繰り返しているために、脳の構造に異常が出ることは珍しくなく、その異常が「特異性」という能力として出てきても全く不思議ではないのです。

こうなると、その犬にとって何をすることが犬の生活を安定させていくことになるのか、考えて考えてを繰り返す毎日です。

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Posted in 犬のこと

<受講生のコトバ・きいろちゃん編>犬を理解するともっと知りたくなる、犬との暮らしを愉しんでいます。

グッドボーイハートのクラスを受講してくださった生徒さんからのクラス受講の感想をいただきました。

今回はきいろちゃんの飼い主さんからいただいたものです。

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福岡に来て12年たち
2019年9月にパートナーである
ミニチュアシュナウザーのきいろを我が家に迎えました。

私は、子供の頃から犬が家にいる生活が当たり前として育ちました。

祖母の家には太い鎖に繋がれたジャーマンシェパードがおり、
学校帰りに寄る親戚の家には、今で言う保護犬の雑種、
自宅にはその当時ハイカラだったプードル、柴犬、雑種、マルチーズと歴代の犬たちがいました。

わざわざ『犬と関わる』ということを意識しないくらい犬との暮らしがそこにありました。

上記の経験があったので、
昨年ひょんなことから縁があり、我が家にきいろを迎える事になった時は、やっと犬との生活に戻れる!と喜んでいました。

福岡に来て一人暮らしを初めて、なんとなく仕事と家のことだけで時間を使っていて、物足りなかったと感じていたんだと思います。

犬と暮らせば、帰ったら盛大に喜んでくれて、規則正しい生活も自然とできて、一緒に遊んで、かわいく癒されると思うと、本当に久しぶりにワクワクしながら迎える日を心待ちにしていました。

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いよいよ、お迎えの日
いざ、自宅へ迎えた日
生後3ヶ月の仔犬と対峙してみて
『…こわい』
と本気で思いました。

あんなに自然に接していた犬のはずなのに…。

目の前の、怯えて小さくてかわいい犬に対して、全く接し方がわからなかったからです。

信じられませんでしたが、本当に不安でしかありませんでした。
そんな自分に動揺しながら、数日過ごしてみました。

ゲージの中で飛び回るきいろ
トイレトレーの上で寝るきいろ
何か要求しているようだけれど
ご飯以外何を欲しているのかさっぱりわからず、頭を抱える日々でした。

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ネット、本屋で調べまわり勉強もしてみました。

でも、何ひとつピンときませんでした。

そもそも調べ方が悪かったのかもしれませんが、目の前のきいろに対して無力感しかありません。

大袈裟のように聞こえるかもしれませんが
そんな気持ちで泣きそうな日々でした。

実家で飼っていた犬たちは、本に載っているような芸をしなかったし
好きな部屋や庭で勝手に寝ていましたし
親がフードで悩んでいたことも見たことがありませんでした。

飼い主も犬もとても自由でした。

ふと、思い返したら全然違ったのです。

草の匂いが間近にする広い家と
いまの私の1LDKの部屋
残飯と栄養バランスが考えられているフード
数えるとキリがないですが
その頃にはなんとなく気がついていた。

違和感の原因がわかった気がしました。

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そこで、たどり着いたのがグッドボーイハートでした。

ホームページを見つけてすぐに電話をして
宮武さんと出会う事になります。

そこからは、怒涛のように
犬という生き物を理解していると
勝手に勘違いしていた私の教育だったと思います。

先生は毎回きいろを、よく観察され
私が理解するように話をしてくださっていました。

目からウロコとはこんなことか!と思うばかりで、なかなか進歩しない飼い主です。
お散歩のマスターもなかなか遅かった飼い主です。

それでも、きいろはきいろのペースで成長してくれています。

断然、不十分の方が上回っていますが
成長の遅い飼い主と一緒に
『今日も先生くるから頑張るよ!』と励まし合っています。

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そして、今の犬を取り巻く現状について…
マンションで飼育される小型犬について…などたくさんの犬についての事を学ぶにつれ、私の違和感の原因も自分で探り当てることができて、私が理想とする犬との暮らしのイメージと、飼い始めた時の無力感の穴埋め作業ができるようになりました。

今ではレッスンを重ねるにつれ、きいろとの生活を愉しむことができるようになっています。

お迎えする前の期待とは全く違う次元での愉しさです。

お散歩でもお留守番でも全ての反応が、きいろを理解する指標になります。

愉しむことは理解できるからなんだと気がつき、これは私にとって、とても大切な要素になっています。

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表情や仕草や行動を形容の可愛さから、もっと深い部分で理解することができているように感じるからです。

理解すると、もっと知りたくなる
うまく言えませんが、生き物として、パートナーとして唯一無二の存在として捉えると、ぐっと関係性が変わったのを感じました。

これは、私ときいろのレッスンの道のりを過ごして心で会得できた、宮武先生からの教えだと確信しています。

きいろを迎えた時から、まだ生活の環境は変わっていません。

いずれ、希望とすれば庭のあるような場所へ引っ越すこと
そして、まだまだ辿り着いていない
きいろとの『共同作業』の感覚を味わうのが夢です。

まだ1年

これからきいろがどんな犬へ成長していくのか楽しみでもあり、私次第というプレッシャーも感じながら、きいろとの共同生活を愉しんで暮らしていこうと思います。

最後に、あんなに不安だったきいろと私の生活は今とても心は豊かです。

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小さいころに豊に犬と暮らした生活を思い起こしながら、新しくきいろちゃんという家族を迎えてはじまった犬との生活。

環境の違いや、いつの間にか生まれてしまった周囲から入ってくる情報による価値観に振り回されてしまうと自分のいたところを見失うこともありますね。

思い起こせばそうだったという記憶を頼りに、元居た場所にもどってきた飼い主さんがきいろちゃんとの関係を築いていかれるのにはあまり時間がかかりませんでした。

排泄の場所は環境を整えるのもすぐに習得されて2回目のレッスンのときにはきいろちゃんが適切な場所で排泄をして落ち着いていたことをよく覚えています。

犬との暮らしには犬と対話するセンスをもともと持っている方と、努力して身に着ける方の二つがあります。

どちらにしても謙虚に学ぶ姿勢は大切ですが、センスのある方はやはり習得が違います。

きいろちゃんの飼い主さんは持ち前のセンスを磨き続けてきた方といえます。

たくさんの勉強と学びの姿勢を持っていらしたこともきいろちゃんを助けてくれました。

きいろちゃんの持ち前の良さがちゃんと発揮されて、スクスクと育っていくのを私たちも愉しみました。

いっしょにいて心地よさを感じられる犬ちゃんです。

失敗も笑って許されるようなそんなふんわりした空気を醸し出してくれます。

それもこれも、飼い主さんの作って来た空間で起きていること。

そしてこれからきいろちゃんと飼い主さんがどんな夢を実現されていくのか、とても楽しみにしています。

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