グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のこと>子犬の時の経験がトラウマになることとは

トラウマ…よく使われる言葉ですが、理解しているのかしないのかなんとも微妙なところです。

トラウマという言葉からイメージされるのは心に傷を負うということです。

文部科学省のトラウマの定義としてはこんな風に説明されています。

地震や戦争被害、災害、事故、性的被害など、その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事を外傷性ストレッサーと呼び、その体験を外傷(トラウマ)体験と呼ぶ。
トラウマ体験となる外傷性ストレッサーには、次のような出来事などがある。
1. 自然災害――地震・火災・火山の噴火・台風・洪水など
2. 社会的不安――戦争・紛争・テロ事件・暴動など
3. 生命などの危機に関わる体験―暴力・事故・犯罪・性的被害など
4. 喪失体験――家族・友人の死、大切な物の喪失など


犬の成長期における体験の中で飼い主さんが犬のトラウマになったこと原因として考えられるのは上記のうちの4番が一番多いのだと思います。

実際には、生命などにかかわる危機的な状態に至った経験をもつ犬はほんの一握りです。

その多くは保護施設や保護団体に保護された犬たちです。

保護された犬の一部はネグレクトと呼ばれる餌を与えられないという生命の危機にかかわる体験をしています。

また狭い場所に多数の犬たちと入れられるスペースを与えられないという虐待を間接的に受けてしまう場合もあります。

このケースは保護施設に飼育できるスペースが十分にないのに、多数の保護犬が収容されてしまうことで起きるもので、管理する人側もわかっていても十分にできないという理由で起きます。

意図して虐待しているわけではないのですが、結果として犬にトラウマを与えてしまったというケースも珍しくはありません。


同じ理由なのですがショップの販売やブリーダーの元でも管理の方法によってはスペースを十分に与えられない、適切なスペースを確保できなかったという理由でトラウマを生じてしまうこともまた珍しくはありません。

狭くて閉じ込められたスペースに長期間過ごすことは、本来屋外で生活する動物である犬にとってはトラウマを生じさせるには十分な環境なのです。

すべてのブリーダーやペットショップがということではありませんが、展示販売についてはトラウマ経験となる可能性があるので、まだまだ改善を重ねていただきたいところです。


子犬期のトラウマになる経験としては文部省の定義の中の5番の喪失体験も犬たちにとって起きていることです。

昨日までお乳を吸っていた母犬とある日突然会えなくなる、これはまさに大変な喪失体験です。

会えなくなる理由とは、人側の都合によって母犬と子犬が引き離されてしまうからです。

子犬をできるだけ早く母犬から引き離して販売したい人側の意向も多少働くことがあります。

母犬は正常に子育てのできる環境と能力があれば、自然と子犬を自分から離していきます。

授乳を拒否するという行動をするのです。

母犬の授乳の拒否によって子犬の方は人から与えられた餌を食べるようになり、次第にお世話かかりが母犬から人に移行されると良いのですが、工程を急ぐとそうなりません。

人側が急に母犬を子犬から取り上げてしまうと、子犬は大きな喪失体験を得ます。

これはあらゆるトラウマの中でもとてもつらいものでしょう。

こうした子犬にはお乳を吸う哺乳行動が大人になっても残りやすいですし、特定のものに執着する傾向も高くなりがちです。

執着する対象が飼い主となり問題が複雑になっていきます。


子犬期にかかえたトラウマが生涯を通して癒されないとは思っていません。

希望的な見方も含めて「いつかきっと癒されて欲しい」と願い、またその方法をいつも模索しています。

一方で子犬にトラウマ体験をさせないために知識と配慮を怠らないことです。

このために最も大切なのは、子犬を迎える側がもう少しレベルアップした知識と経験を重ねることです。

日本にはたくさん良いものがありますが、この部分では少し未熟かと思います。

勉強はどんな分類でもやるに越したことはありません。

犬を飼っている人も飼っていない人も、レベルアップした学習の機会をつかんでください。

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<クラス>まったりとトレッキングクラスで梅雨の鬱も癒されます

来週からやっと梅雨入りということで急遽トレッキングクラスを開催しました。

トレッキングクラスはプライベートクラスが基本スタイルですが、犬同士のコミュニケーションが問題なければグループクラスでも開催しています。

今回は急なお誘いでしたが3頭の犬ちゃんたちが集まりました。

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6月末とは思えないほどの気持ちの良い冷たい風が通る山をゆっくりと歩きながら、ひとつひとついらない気持ちの荷物もおろしていきます。

体はともかく気持ちだけは身軽になっていく感じがあります。

本当に気持ちが良くて「あー気持ちいいなあ」となんども連発してしまいました。

グッドボーイハートのトレッキングクラスは、ドッグランの中でボール遊びをしたり走り回らせたりする人工的な遊びとは少し違います。

人と犬が心をつなげてできることを実現させていきたいというもの。

お互いを思いやらなければできない生活の一部としてみんながやってきたことを思い出すこと。

そんな時間をトレッキングを通して実現させながら、犬も人も本来の自分の記憶を取り戻す時間としています。

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自分も犬との山歩きを十分に理解するまでは、走り回らせて発散させることが犬の楽しみだと誤解していたときがあります。

走り回らせて発散させると犬は疲れて寝てしまいますし、飼い主としてはやった感も強いものです。

でも犬は走り回っていてそれを飼い主が見ているだけなら、共に時間を過ごしているとは感じられなくなったのです。

同時に犬が山を歩くことのすばらしさを得られるようになると、犬たちが本当に求めているのは走ったり興奮することではなく、こうした静かな時間なのではないかと思うようになったのです。

これもオポとの山暮らしを通してオポやいっしょに山で過ごした犬たちから教えていただいた大切なことです。

そのことをずっと伝えていきたくてトレッキングクラスをつくりました。

夏場はコンディションがいまひとつのトレッキングですが、無理せずにゆっくりとやっていこうと思います。

プライベートクラスはいつでもご予約が可能ですので、お気軽にご連絡ください。

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<犬のこと>昭和の犬たちの思い出から知るイヌのこと

家庭訪問レッスンクラスのときに生徒さんから嬉しいお言葉をいただきました。

トレーニングクラスを受講するうちに犬との距離感が取れて心が楽になりましたというお言葉でした。

今まで犬とどのように距離感を取ったらいいのかわからず、どんなことでもしてあげようとという思いが強くなりすぎで自分も窮屈になっていたとのことでした。


それぞれの個々人が犬とどのように接するのか、どのように暮らしていくのかに最も影響を与えたのは自分が小さいころに接した身近な犬との記憶です。

「小さいころに犬を飼われたことがありますよね。どのような生活でしたか?」とお尋ねしてみました。


そのご家庭では次々に4頭ほどの犬を外飼いで飼っていたらしいのです。

その犬たちは柴犬だったかなにか日本犬だったと思うといわれていました。

そしてどの犬も自由に庭で過ごしていたとのことなのです。

係留せずに囲いもなく庭も外も自由に行き来していたとのこと。

さらに当時のご自宅は1階が病院だったので、病院の受付や待合室にも犬は勝手にはいったり出たりしていたらしいです。

昭和40年代くらいの話だとのことでしたが、愉快な話です。


病院の患者さんも特別困った感じもなく、みな普通の風景として受け入れられていたとのことでした。

日本では狂犬病予防法が昭和25年に施行されてから、犬の飼い方に変化が起こりました。

昭和40年代ではまだまだ犬について昔ながらの風習も残っていたのかもしれません。


その和やかな外飼いの犬と暮らす日本人の生活が、西洋の洋犬種をさらに日本独自の方法で愛玩化した小型犬を抱っこしてかわいがるようになったのです。

距離感がつかめないのも理解できます。

自分たちが幼いころに見てきた犬と、今目の前にいる小さなぬいぐるみのような飛んだり跳ねたりキャンキャンと吠える犬がとても同じ動物だとは思えないからです。

でもどちらも分類学上はイヌ科イヌ属 の犬なのです。

プードルと雑種は分類学上も違う動物だと誤解されている方が多いのですがこれは違います。

プードルと雑種は同じ種の動物であるという事実を認めた上で、わたしたちがどのように彼らを変化させているのかを知る必要は十分にあります。


あの昭和の貧乏だったけどわりとゆるやかだった犬の生活はもう戻ってくることはありません。

人の記憶の中にある風景も少しずつ消えていきます。

とても大切で忘れがたきこと、語り継いでいただきたいものです。

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<犬のこと>何歳になっても犬のしつけを始めるべき理由とは

グッドボーイハートでトレーニングクラスを受けられる方のひとつの特徴は、犬がシニアになってからしつけ方教室を利用しているケースが多いことです。

子犬のころからきちんとしたしつけを犬にしたい、子犬が来る前から子犬のために準備を整えたいという計画的な飼い主さんともたくさんのご縁をいただいています。

ですが大半の飼い主さんは「犬に困った問題があるから解決したい」という気持ちでグッドボーイハートに連絡をいれられます。

そして次にその困った問題を起こしている犬が今何歳であるかを口にされるのです。

「来客にすごく吠えて困っているのですが、もう1歳になろうとしているのですが大丈夫でしょうか?」

「散歩中に他の犬にすごく吠えるので困っているのですが、もうすぐ3歳になるのですがもう遅いでしょうか?」

「室内でトイレのしつけができないまま成長してしまいました。5歳を過ぎたのですが遅すぎますよね。

「留守中にすごく吠えるようになってしまって、7歳にもなるのですがなんとかなりますか?」

「他の犬に吠えて抑えが聞きません。10歳になりますが無理ですよね。」

とこんな感じです。


5歳から犬のしつけやトレーニングを開始されるなどは十分に間に合います。

7歳でもまだまだ十分にやる価値があります。

10歳を超えるとその犬の認知や健康の状態によっては十分に大丈夫です。

むしろ10歳を超えても今なお吠えたり咬みついたりする元気な状態であることがすごいなと関心します。


犬の問題行動はそのほとんどが犬にとってのストレス行動です。

若い犬はエネルギーが有り余っていますから吠えたり、飛びついたり、興奮したり、噛みついたりしてストレスを行動を通して表現します。

ですが10歳を超えるころになると犬も体力も気力も低下してきます。

ストレス行動は吠えたり、噛み付いたり、かじったりすることではなく、自分をなめたり、毛をむしったりする自虐行動と呼ばれるストレス行為に変化していることが多いのです。

犬が自分を傷つける自虐行動は犬の困った問題として取り上げられることはあまりありません。

そのうち皮膚が傷つき感染症を引き起こすようになるので、動物病院で治療を受けるようになるかもしれません。

薬や治療を通して傷は癒されるでしょう。

でもストレス行為は続き、犬の心は癒される機会を得られません。


犬はそのうちに行動自体を起こさない無反応な状態に陥っていきます。

目は気力を失いおとなしいお人形さんのような状態で黙って抱かれているだけの存在となります。

これが老犬になってしまって飼い主に訴えかけることを止めてしまった犬の姿です。

そんな犬を見るととてもつらい気持ちになります。

もっと騒いでいいんだよ、もっと問題があると訴えていいんだよと言いたくなるのです。


だから犬が年を取ってからご相談をいただくケースはむしろありがたいと思ってしまいます。

良かったまだ間に合う、良かったまだ犬が飼い主に対して無力になっていない、まだまだ犬として生きる希望を持っているのだと思ってしまうのです。

同時にここまでよくがんばった犬をこの辛さから解放してあげるために飼い主さんといっしょにがんばろうと気持ちを引き締めてクラスに向かいます。

犬がどんなに年を取っていても、ぜひ一度相談してください。

やってみる価値は必ずあります。

飼い主として超える壁は、もっと早く犬についての勉強をやればよかったという後悔の気持ちを整理することだけです。

それはあくまで飼い主の都合で、気持ちの持ちようでなんとでもなることです。

犬は現在進行形で後悔の念を持たないすばらしい動物なんですから。

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<日々のこと・犬のこと>梅雨入り前の山の手入れに番犬は心強し:忙しいときは黙って待つのも犬の仕事

梅雨入り前の山の下刈りをしました。

トレッキングクラスに参加してくださった生徒さんたちの手も借りて、ほんの一時間でも数名でするとずいぶんと山が生き返ります。

その翌日もまたひとりで山の下刈りに出かけました。

お供に預かり犬くんについてきてもらいました。


下刈りの最中に周囲に異変があったら教えてもらうための番犬として同伴してもらっています。

預かり犬ちゃんたちの中には仕事の内容を心得ていて探索から見張りまで中心となって活動する犬もいます。

ですが大半の犬ちゃんたちは何をやっていいのかわからず山の中でたたずむ感じです。

先日は老犬くんを連れていきましたので、手入れの時に爆睡していたようで倒れているのかと思ってびっくりしました。

ですがその横になって目を閉じて木の日陰で休む姿は、とても心地よい感じで起こすのが申し訳ないと感じるくらいでした。

騒々しい都心の庭先では得られない極上の時間だったのでしょうか。

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山慣れしていない犬ちゃんたちは茂みに伏せて待ての待機行動で手入れをする私が戻るのを待っています。

マテをさせられると吠えたり興奮したりするようなご自宅で出る行動は山の中ではほとんど見られません。

飼い主さんもいないから甘えがきかない、環境が厳しいから大人しくなってしまうといろいろあるでしょうが、一番効き目があるのは私が真剣に忙しくしているので声をかけずらいというが一番ではないかと思います。

動物であれば山の手入れの最中に風が林を抜け始め心地よく感じる変化を受け取ってくれていると感じます。

この山の雰囲気は山すその家だけでなく、山よりもずっと下の平地の家々にまで及んでいるはずです。

コンクリートとビルだらけになった都心の窓を閉めたマンションの中ではもはや感じえない感覚かもしれません。

さざ波のように広がるこの静かな風を犬と共有できていることを喜びにできた一日でした。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<犬のこと>犬のコミュニケーションの発達に影響を与えているものとは

人であれ犬であれ、誰かと生活を共にしていくためには関係性を少しずつでも築いていく作業が必要になります。

それは人の赤ちゃんとして迎え入れた子供でも同じことです。

関係性を築いていくためには共通するコミュニケーションのツールが必要です。

赤ちゃんはコミュニケーションツールが言語ではなく行動と母音の音だけで動物的なのですが、それでもツールを持っていないわけではありません。

赤ちゃんは次第に親とのかかわりを通して言語を習得していき、コミュニケーションの幅が一気に広がります。

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ところが犬の場合には本来のコミュニケーションが臭い、表情、行動、母性に近い音です。

メインコミュニケーションの道具である臭いに関してはわたしたちが立ち入れる領域ではないので、なかなか理解がすすみません。

それでも犬はなんとか身近な動物に自分の状態を伝えようと発信しています。

人と暮らす犬の場合には家族である飼い主という人に対して、行動や声を通してコミュニケーションを図ろうとしています。

ところが、人側がその受け取り方を間違えると犬はますます混乱してしまいます。

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たとえば人にとびつく行動ですが、多くの人は犬が自分や来客にぴょんぴょんと飛びつきながらキャンキャンと声を上げると「人が好き」といいます。

そして飛びついたりキャンキャンと吠えている犬を人がなでようとするとおしっこをおもらしすることを「うれしょん」といいます。

では同じ行動を犬が他の犬にしたとしたらどうでしょうか?

犬が他の犬にとびつく行動をすれば、他の犬は威嚇もしくは固まるという行動をするでしょう。中には逆に飛びつき返す犬もいるかもしれません。

どちらも犬としては正常な反応です。

飛びつき返す犬がいたら「遊んでいる」

固まる犬を見ると「犬が嫌い」

威嚇したらこちらも「犬が苦手とか礼儀がない」

といわれてしますようですが(一般的に耳にすることです)どれも間違っています。

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人目線でコミュニケーションを解釈して犬たちを混乱させて、犬と犬がうまくいかないようにしているのは人自身であるということに気づかなければこの問題は先には進みません。

ですが、人目線で解釈している限り問題とか間違いと思うこともないので、犬は混乱したまま生涯を終えることになります。

せっかく犬というすばらしい動物にあったのに、犬が犬として生きる最大の行為であるコミュニケーションの力を発揮せずに生きていることはあまりにも悲しいのです。

犬と暮らす際にいろんな意見や考えが出てきます。

人目線であっても人が楽しければいいじゃないか、なぜ犬のことを学ぶ必要があるのだという考えもあると思います。

個人の価値観の問題なので踏み込んで説得することはできません。

ただ繰り返し言いたいのは、それでは犬の本当にすばらしい一面を見ることができませんよということです。

犬の澄んだ深いまなざしに触れることが、犬として生きている犬たちの静かな時間に寄り添うことがどんなに素晴らしい時間なのか、体験した人でなければわかりません。

犬のコミュニケーションは最も身近な動物であるあなたが一番影響を与えているのです。

できることがまだまだたくさんあるはずです。

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<犬のこと>犬が震えているのは怖がっているからなのか?

動物にとって震える行動はひとつの状態の現れです。

犬も震える行動をする場合があります。

震えは神経機能と結びついて起きることもあるので、犬によってよく震える犬、あまり震えない犬と別れます。

実際に自分の犬はよく震えると感じられることはないでしょうか、逆にうちの犬はあまり震えるのを見たことがないということもあるでしょう。

また、震えは神経的な操作であると同時に、身体的には体の末端に血液を送り込む生理機能も持ちます。

犬にとっては体を正常に戻すために必要な機能でもあるので、悪いものと決めつけずに科学的かつ客観的に観察して対応できるようにすることをおすすめします。

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犬の震える行動について飼い主さんがとても心配されるのを目撃することがあります。

震えているけど大丈夫なんでしょうか、震えているから怖がっていますよねと飼い主さんの方が犬以上にナーバスになってしまうともう何も見えてきません。

ブルブルと震えている犬を見ると「かわいそうに」「怖がっている」と抱きしめたくなる飼い主さんのお気持ちはよくわかります。

しかし、前に書いたとおり正しく見ることができないと適切に対応することもできないので、まずは冷静さを取り戻して犬の行動をよく観察してみましょう。

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犬が震えているのを見ても「犬が震えている」=「犬が怖がっている」といきなり判断を下さないことです。

即決は人の脳の方向を決めてしまう「思い込み」という墓穴になることもあります。

犬が震えているのを犬が怖がっていると思い込んでしまうと、自ら掘った墓穴に入り込んでしまいその後なんど思い返そうとしてもなかなか新しい発想が生まれてきません。

どうやら脳は解決済ボックスに入り込んだ問題を再度問題とすることを好のまないようです。

こうなる前に震える犬を見たときは「もしかしたら怖がっているかもしれないけれどそうではないかもしれない」という曖昧なゾーンにとどまって欲しいのです。


動物の震えという行動についてはもう少しいろんな状態があることを考えてみましょう。

私たちは確かに怖いときには震えますが、もっと違うことで震えることはないでしょうか。

例えば自分の経験をいうと、天ぷらやさんで天ぷらを食べたあとに帰宅してから震えが出たことがあります。このときは相当震えたので自分でもまずいなと感じました。

自分に起きたことを全く知らない人に言い当てられたときに震えるような感覚を得たこともあります。

他にも怒りがたまってくるとわなわなと震えるということをご存知でしょうか。

さらにどうしようと不安が高まったときにも震えはでます。

貧乏ゆすりという行為は最近はあまり目にしませんが、これも震えの行動のひとつです。


犬の同じように恐怖で震えるだけでなく、体調不良でも震えますし、自分の思い通りにならないことや予測を裏切られるようなことでも震えることがあります。

震えているから怖がっているという単純な判断を下さない方が賢明です。

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犬同士の反応を見ていると震えている犬がいても周囲の他の犬はその犬に対して大した関心も示さないことが多いのです。

犬にとっては他の犬の状態は自分の安全や情動にも影響を与えますので、動物が闘争傾向が高まるときは主張や要求が高まることに対しては敏感に反応するものです。

ところが犬の震えについては他の犬があまり気にしない行動のようです。

他の犬を脅かす必要のない行動が無視すべき行動であるとは言いません。

ただ震えている犬に駆け寄って抱きしめたり抱き上げたりさすったりなだめたりするような行動は差し控えてみて欲しいのです。

震えている犬は一定時間を経過したりちょっとした環境の変化で震えるのを止めてしまいます。

人以上に行動がはっきりと出る動物なので震え方は尋常ではなく、本当にブルブルと震える犬もいるのでびっくりされるかもしれないのですが、少しの間だけ観察してみてください。

震えが落ち着けば声をかけない、また震えているときに飼い主が凝視しすぎると動物はなかなかその行動を変化できないこともあります。

固まるものには固まって応じる反応が出てしまうからです。

まずはリラックス、そして震えるといってもいろいろとあるからなと思い聞かせ、それから経過を観察して犬の状態を正しく把握していきます。

犬のたかだかひとつの行動ですが、いろんな意味があったり環境の影響を受けているものです。

人とは違う種の生き物なのだからひとつ知ることがすごく大変だけど楽しいのだと思って長く付き合っていきたいものです。

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<日々のこと・犬のこと>犬と暮らす独特の文化としつけ方に対する国民性の現れ

ドッグスクールのブログの記事としては少し堅苦しい題となりました。

数十年という間、人と犬の暮らしに関して考えながら過ごしていると、いろんな疑問にぶつかったり頭をかしげたくなるようなこともあります。

日々のこととして今日はまとまっていない思いを述べさせていただきます。
日本人の犬との暮らしというのはここ数十年で大きく変わっていきました。

それは昭和の時代からこの令和にかけて生活スタイルや価値観が大きく変化してきたことに連動しています。

国内で狂犬病予防法が施行されたのは昭和40年代なのでそれほど昔でもありません。

この法律をきっかけにウロウロと自由に過ごしていた犬たちはつなぎ飼いをされるようになり、その中で室内で小さな犬を飼う愛玩犬=お座敷犬と呼ばれる存在が出てきました。

その後純血種犬という文化がヨーロッパから入ってくると、ブランド品をそろえるのと同じような気持ちで、犬を飼うなら純血種犬を飼うことがひとつのステータスになりました。

次に犬は庭付きで飼うのが当たり前だった時代から、一機にマンションでのペット飼育が促進されるようになりました。

たくさんの小型の純血種犬たちが集合住宅で飼われるようになりました。

ここまでアッという間だったのですが、今では街中で見る小型犬たちが散歩する風景が定着しています。


この短期間での犬や犬と人の暮らしの変化は、大切なことをうわべだけの情報で伝えてしまう結果にもなりました。

血種が普通の犬だと思っている人が多くプードルとかチワワといった種類があるという間違った考え方が広がっています。

犬が尾を振っていることを喜んでいるからと誤解している人が大半です。

犬の短く切断された尾を生まれたときからそうなのだと思っている人が一般的です。

犬は室内で排泄すべきだと勘違いされている方もまた多いです。

こうした多くの間違いは浅く広く伝わりすぎると大半の人がそうだという風になります。

そして日本人の国民性からしてそれが固まりやすく変えにくいという傾向があると思うのです。


昨日訪問レッスンに向かう途中の車の中で気づいたことがあります。

朝の9時になると中央線が変わる県道があるのですが、その中央線の脇を走っていました。

8時58分になると変更される線には車がほとんどいなくなりました。

ラジオから聞こえる9時の時報と同時に今まで走っていたのとは逆方向の車がその車線に流れ込んでいきます。

ここまできっちりとルールを守る国は世界でも珍しいのではないかと思いました。

このすばらしいきっちりするぎる行動は、いったんそうだと収まるとなかなか変わらないという固さにもなりそうです。


犬という動物に対する情報はこれまで表面的で非常にあいまいなものが浅く広がってきました。

プードルという犬種もチワワという犬種も幻なのです。

本来はみな「犬」という動物であるというのは真実であり、とても長い歴史を作ってきたただひとつの文化です。

純血種にはまだ文化と呼ばれるほどの歴史はなく、あまりにも小さな遺伝子プールを維持し続けるこの人の操作はそう遠くないうちに崩壊してしまうことは生物学的にとっても明らかです。

なんとかその形を犬らしくキープしたとしても、その精神はすでに壊れ始めていることに気づいている人もいるのでしょうが、そうした人はあまりにも少数すぎて排除されてしまいます。

犬と楽しく暮らしている人にこんな複雑なことを考えながら生きてほしいなどとは願いません。

ただ私の願いはひとつだけです。

あなたの身近にいる犬が犬として生きることを許してください。

犬が本来の犬として行動をするのはどのようなことなのか少しだけ考える時間をください。

犬として人と関わるということあどういうことなのかを考える機会を持って欲しいのです。

この二つは犬もきっと望んでいることだと信じています。


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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<おすすめのアイテム>犬の歯石対策にお勧めする定番のマウスクリーナー

日々のお手入れのご相談の中でも比較的多いのはやはりお口の手入れについてです。

歯は全身の健康に影響することは知られており、人も歯の健康にとてもお金をかけるようになったのはここ10年くらいではないかと思います。

犬の場合も同じで、犬は歯石がつくのが当たり前と思われている時代もありました。

犬の寿命は人と同様に伸びてきたのですが10年前の犬の寿命は10年くらいだったので、歯石がついた歯が抜け落ちるほどに高齢の犬もいなかったのです。

ところが最近は犬の寿命も延び、それに伴い健康寿命や予防のための医学やケアに関心を持つ飼い主も増えてきました。

その中でも特に気になるのは歯のお手入れです。

人と同様に犬の歯石も全身の健康をむしばんでいきます。

健康に生きていくためには歯のお手入れは欠かせないものとなっています。

ところが不思議なのは野生の犬科動物は歯磨きや歯の手入れをしなくても歯はある程度健康な状態に保たれています。

なのになぜ犬には歯石がつくのでしょうか。

正しくはすべての犬に歯石がつくわけではありません。

犬の食べているものや生活環境や遺伝子の情報や歯やあごの形や形成など、歯の状態に影響を及ぼす様々な要因が歯石がつきにくい環境であれば犬はすぐに虫歯になったり歯石がついたりやしません。

歯磨きを毎日している人と比べても歯磨きをしていない状態であそこまで健康な歯を保てるのはそれだけ犬が人よりも野生に近いということでしょう。

とはいっても犬も野生動物のように歯の良い状態を保つことができなくなっています。

さきほど上げたような歯にとって適切な環境というのが様々な場面から失われているからです。


犬に与える食事が直接的に歯石のつき具合に影響することは確かなので、食事の内容について注意を払うことは絶対にしていただきたいのです。

そうであっても歯石がついてしまう犬やすでについている歯石を落としたい犬には、このマウスクリーナーをおすすめします。

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アメリカで生産されているもので10年以上前からあった商品ですがこのたびリニューアルされてバージョンアップしたものを先日展示会で見かけて仕入れました。

商品名はマウスクリーナーゼロ

従来商品は今までにたくさんの飼い主さんに使っていただいてある程度結果を出してくれた商品でした。

副作用がない自然の素材でできているのはもちろんのこと、毎日の飲み水にいれるだけでよくしかも犬も抵抗なく飲んでくれるのも助かります。

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今回少しお安く仕入れられたので定価2,052円のものをグッドボーイハート価格でお渡ししますのでご希望の方はご連絡ください。

歯石取りや口腔内ケアにおすすめの商品は他にもあります。

どちらがいいのか犬に合わせてお試ししながら決めていただければと思います。

すでに歯石がたくさんついてしまっている方はさきにこちらのマウスクリーナーを試されると良いかもしれません。


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<クラス>梅雨入り前のトレッキングクラスで自律神経を鍛えよう

雨模様が多くなってきましたのでそろそろ梅雨入りしそうです。

梅雨が明けると犬の苦手な猛暑がやってくるから、夏の前にトレッキングクラスでステップアップします。

久しぶりに他の犬たちとトレッキングする犬もいて、飼い主さんもちょっとだけドキドキします。

ですが多少の緊張感があってこそ社会性というのは身に付くものです。

慣れすぎて礼儀をなくしてしまった家族や仲間の間では社会的な態度を身に着けることは難しいのです。



梅雨入りしそうなこの天候も犬にバランス感覚を求めます。

犬のバランス感覚は自律神経のバランスによって保たれています。

体のバランスも精神のバランスも、自律神経の機能性の高さが犬に影響します。

自律神経の仕組みは人も犬も同じですから、科学的な根拠があり勉強のし甲斐もあるというものです。

山歩きは自律神経のバランスを整える働きを助けてくれます。

体のバランスをとるということは、心のバランスをとることでもあるのです。

心のバランスが乱れているなと感じたら、体のバランスをとる練習をすると機能回復が進むというのはとても理にかなった話です。


天候がバランス感覚を必要とするというのは、自律神経は気圧の影響を常に受けているからです。

高気圧のときには交感神経が優位に働きやすく、低気圧の時には副交感神経が優位に働きやすいのです。

犬のテンションの高さは気候の影響も受けています。


トレッキングクラスはただワイワイと騒ぐようなクラスではありません。

ちゃんと仕組みがあって学ぶことがあって、ただそれを楽しみながら学んでほしいという目的で開催しています。

定期的に参加されると適当な慣れが生じてリラックスと緊張のバランスも取れやすいのでおすすめします。

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