グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<おすすめのアイテム>田舎暮らしには必須の木酢液がいろいろと使えます

雑草が生い茂る季節となりました。

まだ草の勢いはそれほどひどくはありませんが虫たちは活発となりゴールデンウィークのお預かりクラスでも大活躍でした。

木酢液というのを使われたことがあるでしょうか?

木酢液は炭を作るときにでる蒸気から作られたものです。

臭いは硫黄のような独特のもので好みは分かれるでしょうが私は好きです。


実はこの木酢液を初めて知ったのは七山の直産物を販売されているお店に行ったときでした。

虫さされだったようで自分の手を書きながら購入する野菜を物色していたところ、お店のスタッフの方が「虫にさされたとね(方言です。虫にさされたのか?)」と声をかけられました。

そしてコレをつけたらすぐにかゆみは止まるからと、手にもっていたスプレーの液を私の手にかけたのです。

それでこれは何かという話になり、それが木酢液であることを知りました。

そしてその木酢液はまさにその産直野菜屋さんに販売されていました。

スタッフの女性の方はそのスプレーを陳列されている野菜棚にシュシュと振りかけていたのですが、その理由もあとでわかりました。



木酢液で検索されたらその効果を知っていただくことができますが、とりあえず自分が使っているのはこんな感じです。

・犬の体に虫よけとして使う

・自分の長靴に虫よけとして使う

・排泄物にかけてにおいけしとして使う

・家のまわりに虫よけ特にムカデ除けとして使う

・玄関回りにトビムシ除けとして使う

・虫に刺されたときにかゆみ止めとして使う

・お風呂にいれて美容のため、いや虫に刺されないように予防として使う


なぜか虫たちは木酢が嫌いらしいのです。

実際、虫に散布するとザーっと逃げていきます。

死ぬことはないようなのであくまで嫌っているということなのでしょう。

犬には害がないし美容の効果もあるらしいので全身にスプレーしたりします。

酢なので犬はちょっと苦手ですが、つけたあとになめたりすることはありません。


虫よけもいろんな種類ものがありますが、アロマタイプよりも効きがいいのではないかと思っています。

もう10年以上も七山で使っているので、つい毎年使ってしまいます。

犬たちの排泄物のにおいや分解には役立つようなので、お庭ではよく散布しています。


お値段ですが、ペットボトル大のサイズで七山では800円くらいです。

ネットで購入されるよりもお安いのではないかと思います。

お風呂にいれて美容に使う方法はよく知られているそうですが確かに気持ちがいいものです。


虫よけ用品で悩まれているでしたらぜひお試しください。

写真を撮ったのですがゴールデンウィーク中の大量の写真に紛れて探せませんでした。

七山校に来られたら実物がありますのでお気軽に使ってみてください。

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Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと, 自然のこと

<犬のこと>犬にとって一番辛いこと、やっぱりコレかな。

タイトルが少し重々しい感じなのでできるだけ長文にならないように気を付けながら進めてまいります。

うちのようなブログを熱心に読んでくださっている犬の飼い主さんなら、犬にとって必要なことは何か、犬を理解するために知っておくことは何か、犬の幸せって何だろうということを真剣に考えてくださっています。

すでにその方向にはたどり着かれているので、あえてここで犬の不幸について語るのはどうかと思いつつ、この部分だけは動物にかかわるものとして知る必要のあることだと思うので、一緒に考えたいと思います。


ズバリ、犬にとって一番辛いことって何でしょうか?

ドッグフードしか食べさせてもらえないこと?

お母さん犬と引き離されてしまったこと?

散歩に連れていってもらえないこと?

留守番がとても長いこと?

飼い主の愚痴を聞かされること?

自由な時間がないこと?

と上げてみると、犬って結構不幸かもしれません。


どれも一番辛いになりそうなので、一番という言葉を取り除いて考えます。

上にあげた不幸かもしれない状況に共通していること、ゴハンを除いたその他にはなりますが、共通点は「孤独」です。


犬にとって最もつらいことは「孤独」であることではないでしょうか?

動物にとって孤独であることは不安を生み出します。

不安をたくさん生み出すと精神的な病気になり、異常な行動を引き起こします。

わたしたち人の社会でも考えられない行動をする人の人生は、思った以上に孤独であったということではないでしょうか。

家族がいても孤独なこともあるし、表面的に友達が多くみえても実際には孤独であることもあります。

孤独は社会的な生活を必要とする動物の精神を壊してしまうのです。

犬は大変社会的な動物なので、孤独であることは犬の精神を壊してしまいます。


ただ単純に留守番が長いから孤独を生むというわけではありませんので安心してください。

確かに長い時間の留守番は孤独を生みます。

でも一日中飼い主が付き添っていたから孤独ではないかというとそんなことはありません。

犬が分離不安傾向にあって人や他の犬に吠えるような状態であれば、どんなに飼い主のひざでべったりと過ごしていてもやはり犬は「孤独」なのです。

逆に留守番時間がとても長い犬であっても、飼い主が一生懸命働いていて犬と真剣に向き合って過ごす時間を持ち続けていれば、犬にはそのことがよくわかるようです。

働く飼い主の帰宅まで留守を任されていたり、気配を消してがんばっている犬たち。

犬と過ごす時間には真剣に向か会って誠実に共に過ごしてくれる飼い主さんといる犬であれば、留守番時間の長いことはなんとか乗り越えていきます。

ところが飼い主さんが犬とひと時も離れずに過ごしていても、その理由が自分の不安を埋め合わせするような行為になると犬も孤独な飼い主と同じように孤独になるだけです。


犬は社会性の高い動物です。

ただ誰かとべったりと過ごす狭い世界に閉じこもることは危険なこと、ある程度開けた環境の中で社会生活を楽しめるような犬の生活はどのようにしたら得られるのか、自分の環境の中で各自が考えてほしいことです。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<犬のこと>犬のための家ってどんな家のことだろう

久しぶりに本屋さんでブラブラする時間をもらえました。

見たいコーナーはある程度決まっていて、動物学、自然学、環境科学、東洋医学、発達そしてインテリアです。

基本的な関心が動物の不思議や幸せにあるので、読む本もそんな本ばかりです。

なのになぜインテリアコーナーなのかというと、これはあくまで趣味です。

実は犬の訓練士(当時はドッグトレーナーとかドッグインストラクターなどといったカッコいい名前はなかった)になりたいと思ったのが中学生のときですが、小学生まではインテリアデザイナーになりたいと思っていました。

理由はすごくシンプルだったと思います。

小学生のとき東京都内に暮していて少しだけおしゃれなケーキ屋さんでケーキを食べたときその店内の素敵な空間に惚れたのです。

母親に、このお店の中って誰がこんな風にするの?と尋ねたところ、それがインテリアデザイナーであることを教えてもらって即決しました。即決するあたりが小学生です。

なぜか空間の心地よさが気になるのです。同じように居心地の悪さにも敏感です。


話を元に戻しますが、本屋のインテリア本コーナーにやよく立ち寄ります。

買うまでではないけどただチラ見したいという欲求を満たしてくれるのはやはり本屋さんです。

そこでなんと犬の本を見つけました。

犬のための家づくりの本はなんどか見たことがありますが、また新たな本が出ていたのです。

おそるおそる本をめくってみて、ああやっぱりかと愕然としました。

そこに書かれてあることの一部は絶対にやってはいけない犬の環境作りだからです。

なぜ絶対ダメと言い切れるのかというと、犬の習性に反しているためです。


犬という動物との暮らしの中では、人と犬はできる限りお互いに協力しあっていきたいものです。

そうであっても人側が有利なことに変わりありません。

人の都合で出たり入ったりするわけですし犬の居場所も飼い主側が指定します。

高級な無垢の家具は犬にとってはかじりたい欲求をそそるものなのに、それをかじることはご法度です。

帰宅したら足を拭いて上がらなければいけないことも、犬にとっては理解できないことですが室内に入る限り協力するしかありません。

そんな偏りがちな生活の中、犬にとって快適な空間を作ることは難しいことだということを前提としても、あまりにも人の都合に立った考え方なのに「犬のために」などという題名が付けられていることにちょっと腹が立ってしまいます。

それだったら最初から「人のための犬と暮らす家づくり」という題名にしていただければ腑に落ちます。


具体的に何が絶対にダメだったのかというと、犬部屋らしきものが作られているケースが多くありました。

実際に作ってある家のお写真なのですが、犬はサークルやケージを使って犬の部屋に置かれています。

むしろサークルやケージを大変大きなものにして、こんなに幸せに生活していますよという感じなのです。

お決まりのトイレトレーもサークルの中に入っています。

これではいっしょに暮していることにはなりません。

トイレの設置が室内に指定されているものが多くありました。

庭があるのになぜ室内トイレなのでしょうか?

犬の脚裏が汚れるのが嫌なのか?散歩に連れていかないというルールなのか?本当に不思議です。


フローリングが滑りにくいように床素材を整えたり、カーペットを敷くというものであれば賛同します。

滑りやすいからといって脚の裏毛を切りすぎたり、爪を切りすぎたり、靴下をはかせたりという人の都合による発想になるようでしたら自分の考える方向にご注意ください。

犬はそもそも屋外で活動し屋内は休憩する場です。

人は脳内活動を持っていますので、室内でも活動しますし、最近は室内で運動もしますね。

でもやっぱり犬は外で体と脳を活動させて、室内では休憩する動物です。


犬のためのインテリアコーディネーターにだったら今からでもなれるでしょうか。

ドッグインテリアコーディネーター…真剣に考えてみます。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>春の落雷を怖がる犬の飼い主さんに伝えたいこと

数日前の夜中に春の嵐が通り過ぎました。

七山でお預かりクラスの犬ちゃんもいたので、様子を伺いつつ嵐の収まるのを待ちました。

七山では落雷が頭上から真っ逆さまに落ちてくるような地響きがして、家が振動で揺れるかというくらいの衝撃がありますので、慣れてはいるもののいつでも駆け出せる気持ちでいます。

ところが、犬たちの方は少し様子が違います。

今までなんども雷が苦手という犬を七山に迎えたことがあります。

トレッキングクラスだったりヒーリングクラスだったりお預かりの時であったりと状況は様々ですが、犬が極端におびえる様子になることはあまりありません。

自宅で雷が起きたときには雷恐怖症かと思われるようないろんな行動が出る犬たちも、なぜか七山では落ち着いているのです。

犬の雷恐怖症とみられる行動は、その段階によりますが次のような行動があります。

震える
隠れる
よだれが出る
走り回る
目を見開く
飼い主について回る
吠える
戸口から出ようとする
何かにかみつく
失禁する

行動から状態を察するところ、恐怖、闘争、逃走の状態に入っています。

これは動物が環境にストレスを感知したときに陥る状態です。

犬だけでなく人も同じ状態にいたりますので、もし自分がそのような状態にいたったと考えると犬が受けているストレスを判断しやすくなるでしょう。


いったんこの状態に入ってしまうとそこから脱出されるのはなかなか大変です。

雷の場合には一定期間はその環境を取り除くことができないのですから、犬のストレスレベルは上がっていきます。

雷が鳴り始めると、犬たちはどうしているだろうかと少し気がかりになります。

犬たちというのは生徒さんの犬のことで、自分の犬のことではありません。


犬は雷が苦手なのが当たり前と誤解されることもあるようですが、動物がいちいち雷に逃げ出していたら山で生きていくことはできません。

犬が雷に強く反応してしまうのは、犬を取り巻く環境や犬の内面の環境、つまり情緒的な環境がまだ安定していないということです。

雷恐怖症の犬の飼い主さんは、まだ犬に対してできることがあるということを前提に取り組んでください。

雷恐怖症には薬を使われることもありますが、あくまで対処法ということで常用することないよう環境改善に目を向けていただきたいのです。


このことを前提として実際今雷が起きたら落ち着かない犬を落ち着かせるために何をすればいいでしょうか?

犬が一番落ち着ける場所に戻してあげることがまずできることです。

グッドボーイハートの生徒さんたちならクレートトレーニングは完璧に出来上がっているはずです。

犬をいったんハウスに戻して落ち着きを取り戻しすよう促します。

来客や他の興奮を収めるのと同じ方法でやってみてください。


逆に犬に対して決してやってはいけないことは何でしょうか?

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宿題にしたいところですが、ムズムズしてしまう人は最後の答えを見てください。

普段の生活や家庭では雷に怯える犬が、七山では怖がらない理由については自分で考えてみてください。

本当にそれを知りたければ、犬といっしょに山で過ごす時間を作ってみることです。

いっしょに過ごせばその意味がわかります。

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雷に怖がる犬にやってはいけないこと

犬を抱きしめること
犬を抱きあげること
犬をなでること
犬に声をかけること

このような犬をなだめるような行為はしないでください

このなだめる行為は人のような接触の多い動物では有効な場合があっても、犬にとっては不安の要素を高めるだけです。


Posted in 犬のこと

<クラス>「同居犬と上手くいかない」多頭飼育でお悩みの方、犬同士に任せてはいませんか?

グッドボーイハートの家庭訪問トレーニングクラスは3頭まで料金が変わりません。

60分の家庭訪問クラスを10回のチケットをご購入の場合には、お時間でいただいているので3頭までは対応させていただきます。

そのせいかもしれません、多頭飼育されているご家庭からのトレーニングクラスの依頼がよくあります。

家庭犬のトレーニングを始めて20年立ちます。

その間犬と人の暮らし、特に福岡地域の流れについてはずっと経過を見てきたのですが、多頭飼育は確実に増えていると思います。

理由のひとつ目は、飼われている犬のサイズがかなり小さくなってきたことです。

二つ目は、犬の留守番時間が長いためひとりでは寂しいだろうということで2頭とか3頭を飼われることが多いようです。

同胎犬を2頭迎えるという場合もあるし、1歳とか2歳の犬がいるご家庭に新しく子犬を迎えるケースも多いですね。

先住犬がいるご家庭に子犬を迎えたけれど、犬同士があまり仲良くなれないというご相談も多々あります。

人の兄弟や姉妹でも仲良しばかりではありません。

仲良く遊ぶ兄弟もいれば、喧嘩ばかりの兄弟もいます。

犬は人と同じ理由で喧嘩をしているわけではありませんが、人の兄弟よりも犬の同居犬同士のトラブルはどちらの犬にとってもストレスの多い不幸なことです。


この多頭で暮らしている犬と犬がうまくいかない問題について、犬が問題だと思われていることがあります。

子犬が元気すぎるとか、乱暴すぎるとか言われることはよくありますが、子犬は基本的にわがままで自制が聞かず、興奮しやすく、とびついたり甘噛みしたりしてくるのは正常な行動です。

それに対して先住犬がどのようにふるまっているのかということがまず観察事項です。

もしも、先にいる犬が10歳を超える老犬であれば、社会的な活動を縮小させる時期なのであまり期待せずに住み分けを考えてください。

もし先にいる犬が10歳でも元気だとか社会的に活動できそうな状態であれば、それより若い成犬たちと同じように観察していきます。

成犬の子犬に対する行動はどうでしょうか?

子犬を自分のグループの一員として受け入れようとしているのか?もしくは拒絶して追い出そうとしているのか?いずれかです。

子犬は成犬から拒絶される行動を受けると、犬としての社会性にゆがみが生じ、成長してから(1歳を超えたくらいから)他の犬に吠えたりうなったりする攻撃性を示すことになります。

行動に現れるまでに時間がかかるのです。

子犬が来てから1年近くたってからなので、なかなか先住犬との関係が他の犬への社会的行動に結びついていると考えることができないかもしれません。

ですが、犬のどのような社会的行動も、そのベースは家庭内の一番小さなテリトリーの中で作られているということはもはや真実です。

人の他人に対する態度を学校の先生に教えてもらおうとしても難しいのです。

それは社会性ではなく社交性であって、人の力にはなりません。

社会的な態度という真の社会性は家庭の中で作られている、これがベースです。

成犬がまだ若く大人としてうまく対応できず、子犬といっしょになって興奮してしまったり、お互いの攻撃性を高めたりする結果になることもあります。

犬同士が体をぶつけあうプロレス遊びですが、適切に介入していかないと犬はただの攻撃性の高い犬になるだけです。

多頭飼育の問題は、犬同士で解決することはありません。

そこには人という大親分がいて、その家庭の中で行われていることは人とそれぞれの犬の関係性なくしては語れないのです。

犬が寂しいだろうと思って新しい犬を迎えても、今の犬と飼い主の関係が安定した信頼関係でなければ、子犬が来ることで余計にトラブルが増えて犬のストレスが増すだけなのです。

多頭飼育となりトラブルが始まったことで家庭訪問トレーニングクラスを受講される方も多いので、クラスを通して犬のことを学んでいただく機会をもっていただけたことだけは好機に恵まれたなと思います。

なにかきっかけがないと犬のことなど学ぶ機会はないでしょう。

犬と暮らしているという理由だけでは、犬のことを学ぶ機会にはならないのです。

みなさんにとってとても大切な存在なのに、たくさんの知らないことがあるのはもったいないことです。

なぜ犬が思い通りにならないのだろうという考え方の場合には、なかなか先にはすすみません。

問題を解決するために何かをすると改善しそうだけどしないのです。

犬は知っているのです。自分が本当に愛されているかどうかを。

犬はなんでも知っています。

多頭飼育で上手くいかない方も、まだ諦めないでください。

犬たちにとってもこの犬生は一回限り、生まれ変わってから幸せになるよりも今幸せになってほしい、そのためにできることはまだたくさんあります。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>日本が起源かもしれない愛玩犬はいつから普通になったのか?

愛玩犬(あいがんけん)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

その意味をネットで検索して調べていみると「ペットとして飼う犬」とか「主に室内で愛玩のために飼う小型犬」などとあります。

自分のそばにいる犬のことをペットとして認めることは普通であっても、愛玩犬といわれるとそうだと言えない方も多いのではないかと思います。

愛玩とはつまりオモチャということですから、自分の犬をオモチャ変わりだと位置づけられるのと同じことですから抵抗も生まれてしまいます。


この「愛玩犬」という言葉をめぐって先日家庭訪問クラスのときにあることが起きました。

犬の説明の中で「愛玩犬として育てられるのであればこうした犬になるかもしれない」といった説明をした際に、説明を聞いていた飼い主さんが「あいがんけんって何ですか?」と質問されたのです。

愛玩犬とは、えっと愛玩する犬ということですよ。ペットといわれるよりも特殊な言い方で…と説明に窮しました。

飼い主さんになかなか愛玩犬の意味が通じずにいたところ、その飼い主さんが高校生までしか日本におらずその後海外で生活していたことがわかりました。

それで「愛玩犬とはつまりtoy dogといったらいいでしょうか?」と切り返しました。

そうするお「オー!トーイドッグっね」となんとなく小型犬のイメージはつかめてくださったようです。

そちらには愛玩犬という言い方がないのですね、といって私の方も納得しました。

愛玩犬とは日本が創ったひとつの犬の生き方のようなものかもしれないとも感じたのです。


小さい犬といっても欧米にはテリア種のような活発に仕事をする自律した犬たちもたくさんいます。

チワワはテリア種には含まれていませんが、スムースのチワワは南米では日本の雑種のように普通に番犬をする地域犬でした。

人に抱っこされることを目的とした犬は欧米では珍しいです。

むしろ、犬をそのように愛玩目的に扱うことが一般的でない犬の文化というのを持っています。


愛玩犬が国内で広がったのはある仕組みがあってのことでした。

また次の機会にお話ししていきます。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>犬の行動を決めているのは脳なのか?それとも遺伝子なのか?

先日ネット動画配信のニュースで、興味のある内容が取り上げていたので繰り返し聞いてしまいました。

ネット配信だと聞き逃したところも納得がいくまで繰り返し聞くことができるのは、老化のはじまった頭には便利なものです。

説明していたのは武田邦彦先生で、東大卒の科学者でありながらその考え方がユニークな先生です。

物事を科学的にみるとどうなのかというそのコーナーで取り上げられたテーマは「人の群れ」というものでした。

人が行動をするときに、脳によって考えたことを行動するのか、それとも遺伝子の情報に基づいた行動になるのかという比較をされていたのです。

人の群れを説明する前に魚の群れ行動を取り上げられました。

イワシなどの小さな魚の群れは、大きな魚という敵に遭遇すると小魚たちが結束してひとつの大きな魚とみられるような円形を描き、その困難を乗り越えるというものでした。

その行動は瞬時に行われるのですが、だれかが命令をするわけでもなくリーダーがいるわけでもなさそうです。

それぞれのパーツとなる小魚たちは考えてその行動をとるのではなく、あくまでも身を守るために遺伝子として引き継がれた行動をとっているのだというのが今のところの説明です。

こうした魚の行動と比べると人の行動は個人の利益を獲得するための個人主義的なものに偏っていて、人の群れとしての行動が低下しているとのこと。

その行動の要因は脳が自分の利益を考えて行動をする傾向が強くなっているからという風にわたしは受け取りました。

逆に、人が遺伝子情報にのっとって行動をすれば、個人の利益よりも群れの利益を守るという行動が選択されるはずです。

脳が蓄えられる情報は長くて50年、これに比べて遺伝子情報は35億年も受け継がれているとなると、その情報の価値観は後者が圧倒的に重要ではないでしょうか。

遺伝子のつなぐ情報は個々の種が継続して生きていくために必要な情報です。

それは机で学ぶことよりも、環境に接することで自然に引き出されるような情報なのです。

環境とは自然はもとより、同じ群れと過ごす時間、コミュニケーションの相手を持つこと、危険と接することなどもその中に入るでしょう。

環境に接することで湧き上がる遺伝子情報は、自分を守りそして種という群れを様々な身近なグループの段階で守ろうとします。

もちろん犬も同じことです。

犬という自分を守り、そして身近な群れというグループを守り、そして犬という種族を継続させようとするのが犬の遺伝子情報です。

その情報の中に自分さえ良ければいいという個人主義的なものは入っていません。

ところが最近の犬たちは脳だけで考えるように人が仕向けていますので、種の存続よりも自分だけの利益を負う行動がみられるようになりました。

ところがこうした脳の行動は狭い世界の中への拘束によって起きているため、怒りが執着や攻撃となって自らも滅ぼす結果となりかねません。

詰まるところ傷づくのは当の犬ということになります。

犬のもっている遺伝子情報は素晴らしいもので、それに触れることができるときには胸が熱くなるほどワクワクするものです。

そんな遺伝子情報を犬たちから引き出せるような環境ってなんでしょうか。

そんなことを考える一日でした。

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Posted in 犬のこと

<クラス>犬の預かりクラスからみる犬たちのエネルギーの高さとその行方

お預かりクラスが続いていて、たくさんの犬たちと楽しく学ばせていただいています。

犬たちの預かり中は24時間で仕事が続くわけですから、1週間近くになってくると体力の快復をはかり再びきちんと犬に向き合います。

飼い主さんならご存知のとおり、犬は大変エネルギーの高い動物で小さな子供を抱えているのと同じくらい体力も気力も使います。

生後5歳未満の犬とくらしていてうちの犬にはパワーがないという方は、犬が少し内向的になっているのかもしれません。

犬という動物は基本的には外向きで好奇心旺盛で活力があります。

だからこそいっしょにいて楽しいのですが、それが問題行動に発展してしまうととても人の手には負えないものになってしまいます。

行動が人の手に負えないというだけなのですが、結局のところ犬からも心が離れてしまいますので犬は孤独になってしまいます。


今回の預かりクラスではサイズは小さいものの1歳未満の犬ちゃん~3歳までの若い犬ちゃんばかりだったので、どんなに遊んでも全く疲れることを知りません。

2頭を連れて尾歩山にトレッキングに出かけてもただテンションが高いばかりで不安定な行動を落ち着かせるだけでもかなりのエネルギーを消耗してしまいます。

そのエネルギーをもっと役立つことに使って欲しいと懇願したいところですが、若い犬たちにそんなことはまだ難しいことです。

犬も2歳半を過ぎるころから成熟してくると、役割としてエネルギーを発揮することになります。

そのエネルギーの発揮の仕方はただ走り回ったり飛んだり跳ねたり吠えたりすることではなく、考えたり警戒したり辛抱したり注意深く行動することにも大変なエネルギーを費やすことを学びはじめるでしょう。

若い犬たちとともに過ごす預かりクラスで少しでも成長のお手伝いができるようにと、シチュエーションを考えながらうまくいったりうまくいかなかったり。

過度な期待はエゴですからそうならないようにと注意しながら、預かりクラスをとおしてやはりどの犬にも今までみることのできなかった性質や行動を見ることができました。

今年はゴールデンウィークにも預かりのご予約をいただいていますので、いろいろと楽しみです。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<クラス>犬語セミナーとトレッキングクラス開催しました

サクラ咲く七山で週末はトレッキングクラスを開催しました。

いつもは数頭で緩やかに上る犬とのトレッキングですが、犬語セミナーの前は少し数が多くなって緊張も高まります。

春のタケノコを取りに来るイノシシの気配も満載なので、犬たちの鼻は地面から離れることがありません。

クンクンクンクンとどんな情報を仕入れているのかわかりませんが、どの犬も普段の都会生活よりもイキイキとしているように見えます。

山は犬のお里ですから当然のことかもしれませんが、こんな風ににおいをかぎながら探索行動を楽しめる時間を飼い主さんと共有できる犬たちは幸せです。

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午後は不定期開催している犬語セミナーを開催しました。

犬の動画を見ながら犬のコミュニケーションと行動学を学ぶプチセミナーです。

わずかな時間ですが、なにかひとつでもハッとしていただければという気持ちで開催しています。

ずっとわからないこともこうした学びの積み重ねでハッと気づくときがあります。

そんなとき脳はとても活性化しているらしく、脳の老化防止にも役立つとのこと。

犬のコミュニケーションは学習によって生まれる言語コミュニケーションとちがって体系化したものです。

どんな犬のDNAの中にもこのコミュニケーション機能が備わっています。

ではどうしてうまくコミュニケーションがとれないのかというと、そうした機会が得られていないからです。

それはただ他の犬に合わせればいいということではありません。

今回はそんなことをテーマに犬語を勉強しました。

みなさんの犬のコミュニケーションの扉が開いて犬たちの世界を広げていくために、自然という環境を外すことはできません。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>散歩に出たときに排便をすると落ち着くのは何故だろう?

犬の散歩行動で問題とされることの一番は「ひっぱること」です。

そんな散歩中にリードを引っ張る犬の中には、排便をするとリードの引きが緩まることがあります。

このケースは結構多く「散歩中に排便すると落ち着くんです。」という飼い主さんからのコメントを何度も聞いたことがあります。


この場合には、犬の排便の場所がどのような場所であっても、どのような排便の仕方であってもあまり変わりがないようです。

犬が排便する場所や排便をする前にどのような行動をするかによって犬の状態はかなり違いがあります。

しかしこの散歩中に排便をしたあとに落ち着いてしまう行動パターンでは、どこでどのように排便しても結局はリードの引っ張りが少しゆるくなるという行動によって、飼い主さんは犬が落ち着いたと感じます。


すごくわかりやすい犬の行動になると、排便をするまでものすごくリードを引っ張って走っているのに、公園で排便をしたとたんにリードを緩ませて歩けるようになるという感じです。

犬の行動は全く同じようになるわけではないのですが、同じような状況や行動を同じカテゴリーの中に入れることはできます。

いくつもの犬の同じような行動パターンが見られるときには、それらの犬たちの内面には同じような反応が起きていると推測されます。


リードを引っ張って歩いているという状態は犬が興奮している状態です。

排便後にリードを緩ませて歩けるようにあるというのは犬が少し安定を取り戻している状態です。

どうみても、リードを緩ませている状態のほうがストレスの状態も低いと判断することができます。


ここで疑問をもっていただきたいのですが、なぜリードを引っ張って歩いていた犬が排便をすることでリードを緩ませて歩くように変化するのでしょうか?

そのときに犬の中で起きている「落ち着き」というのは、どうして起きてくるのでしょうか?

犬のことを理解したいと思う方は、この行動の何故を最初に見つけることができます。

最初から答えを得るのではなく、なぜこんな行動をするのだろうかとか、なぜこういう風に行動が変わってしまうのだろうかという疑問を持つ飼い主と、持たない飼い主がいるのです。

疑問のない飼い主が理解が高く、疑問の多い飼い主が無知のように思われそうですがむしろ逆です。

疑問の多い飼い主の方が理解が深く、疑問を持てない飼い主の方が犬に対して知る機会を持ちません。


散歩の排便の後に犬が落ち着くのは何故でしょうか?

ぜひ考えてみてください。

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