グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方・動画>サクちゃんが“持って来て”でお手伝い

犬のしつけで必要な合図とは別に、犬と遊びを楽しんだり学習を促したりするために教える合図があります。

後者の方は、特に生活に必須ということではないのですが、一定の効果をもたらしてくれることがあります。

しつけ以外に取り入れる合図の中心は、室内でやる事がない犬に負担をかけない「作業」を教えることです。

特に犬が西洋犬で作業をしてきた歴史が長く、室内での時間が多いのに暇ですることもないとなると、犬は欲求不満になってしまうからです。

ヨーロッパでは多くの純血種が生まれましたが、その一部は人の仕事を手伝うために人為的に繁殖を重ねてきた使役犬といわれる犬たちです。

使役犬は猟犬や警察犬といったイメージが強いのですが、小型犬の中にも使役犬がいます。

身近な犬種としてはテリア種です。


テリア種は、小型獣の狩りや駆除のために西洋で長く活躍してきました。

防衛力が高く作業を教えるとよく活動する犬たちです。

反面、空間が乏しく暇になると吠えが強まったりなめたり噛んだりするストレス行動が多発してしまいます。

テリア種のサクちゃんも少し時間と能力をもてあましていました。

留守番時間も長いので、留守番の前にお父さんといっしょに練習してもらうと「持って来い(テイク)」の練習を始めました。

コツを得ると短時間で上達して毎日の朝の日課になっているようです。

こちらの動画でご紹介します。




さらに別の作業も付け加えました。
「持って来い」と「探して」の二つのミックスバージョンです。




次は飼い主の父から受け取ったものを母へと持っていきます。




最初のテイクが出来るようになると、応用編は比較的簡単にできるようになります。

いろんな犬たちがテイクを覚えていましたが、ご家庭ではそれぞれに家庭内作業犬として活躍していたようです。

お父さんの靴下の片付けから始まり、お父さんのパンツをお風呂まで運んでいた犬ちゃんもいました。


サクちゃんの場合には毎朝の遊びとされているようですが、毎朝お父さんの前に座って待っているらしく、飼い主さんもこの遊びを楽しんでステップアップさせていかれているのを感じます。

犬に特別な芸を教える必要もあまりないと思いますし、家庭犬は使役犬ではありません。

単純行動のくり返しになる常同行動につながるような芸をオヤツで強化してしまうなどの間違いにも陥らないようにしなければなりません。

ただ、コミュニケーションを深める道具のひとつとして、物事を教える、覚える、理解するというその過程が楽しく、お互いにとって良い時間としていただければと思うのです。



Posted in 音声・動画, 犬のこと

<犬のしつけ方>子犬の社会化:子犬のシグナルを読み違えると社会性へ悪影響が出ること

犬のしつけ方やトレーニングについて学んでいる方なら、「犬の社会化」とか「犬の社会性」という言葉をどこかで耳にしたことがあるでしょう。

また、この「犬の社会化」という学習が、子犬期に、つまり生後4ヶ月くらいまでが重要であるという情報も広まっています。

社会化という言葉をわかりやすく簡単に言うなら、環境に適切に反応するという「環境への適応性」になります。

環境に適応した状態というのは、犬が日常的に生活する環境の中で、より多くの安心を獲得していく過程ともいえます。

例えば、散歩中に他の犬にあってもリラックスしてすれ違えるとか、外から聞こえる日常的な音に対して過剰な反応をしないとか、人に反応せずにすれ違えるといった行動は、犬が環境に対して適応性を高めている「社会化している」状態です。

これに反して、散歩中に他の犬を見て興奮して吠えたりリードをひっぱったりする、他人に対して近付いていこうとしたりとびついたりする、外からの物音に対して吠えたり飛び上がったり目を見開いたりする状態は、社会化していない状態といえます。

子犬のころの社会化学習について、インターネットなどに散乱する情報は偏りがあり明らかに間違っているものがあるので注意してください。

間違った情報はたくさんありすぎて書ききれませんが、これだけはとあげるなら以下のことは再考していただきたいと思います。

それは、たくさんの人や犬に会わせたり、いろんなところに子犬を連れて行くことが社会化だといわれていることです。

これは偏りがあり間違いやすい情報なのです。

子犬期に人や犬の多い公園や騒音の多い場所に連れ出したため、生後6ヶ月を過ぎることには吠えたりリードを引っ張ったりするような興奮しやすい犬になってしまったということはよくあることです。


インターネットで検索すれば簡単に情報が入手できるようになった時代だからこそ、間違った対応で子犬の社会化学習に失敗するケースが増えてしまっているようです。

子犬の社会化学習に必要なのは、子犬が適切にテリトリーを構成していくこと、子犬が飼い主という人と社会的な関係を深めていく事、そして子犬が散歩などの家庭周辺の環境に対して安心を獲得していく過程なのです。

ところが、子犬の社会化学習には難しい部分があります。
それは、子犬のシグナルが読み取りにくいということです。

犬は早くて生後6ヶ月前後、遅ければ2才くらいまでは「吠える」「咬みつく」といった闘争行動をすることがありません。子犬はストレスを抱えている場合に多くは逃げるという行動をとろうとしますが、逃げられなければただ興奮するもしくは硬直するとい行動をします。

子犬の興奮したり、硬直したりする行動は、一般的な飼い主からみると「喜んでいる」「大人しい」と受け取られがちなので、犬の反応としては問題がないとされてしまいます。

犬が興奮したり、硬直したりするのはストレスが上昇しているシグナルであり、社会化がうまくいっていませんよというお知らせにもなっています。

子犬のシグナルを読み違えるだけで、社会化は促進されるのではなく退行してしまっていることを気づかないまま、社会化学習が継続されてしまいます。

くり返し行われる刺激に対する興奮などの行動は、回数を重ねるごとに学習を深め、ついに子犬が生後1才を迎えるころには、吠えるという行動を多発するようになってしまうのです。

社会化学習のあり方と子犬のシグナルの読み取り方で、子犬の社会性が発達していくかどうかが決まってしまいます。

子犬はコミュニケーション力が低いため、その表現方法は成犬ほど洗練されていません。

子犬のシグナルを上手に読み取っていかなければ、適応力を育てる社会化学習も成功しないのです。

ただ、犬を刺激のあるところに連れて行きさえすれば社会化すると思わせるような情報が溢れているのですが、よくよく考えるとつじつまが合わないのですから、たくさんの情報を受身になりすぎず、よく自分自身で消化してみることをおすすめします。

子犬によって個性のあるシグナルの読み取り方など、すべての飼い主さんに身につけていただきたいことなのです。

子犬の社会化を成功に導きたいなら、子犬のシグナルを読む練習からはじめてください。

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<犬のしつけ方>喉を締め付けられたように奇声を上げる犬たち

多くの人は「犬が吠える動物」であると誤解されているようです。

確かに犬は吠える動物ですが、落ち着いて過ごしているときにはほとんど声を出すことはありません。

日常生活がゆるやかに過ぎていけば、一日を通して犬の“声”を聞かない日は珍しくありません。


犬が吠えると強調されてしまうのは、犬の太くて広がる吠える声のせいかもしれません。

都心では、ストレス生活のためにめったに吠えない犬たちが頻繁に声を上げるようになり、犬の吠え声が社会問題になっていることも事実です。


ストレスが上手に解放されている犬や、過剰にストレスを抱えていない犬はめったに吠えないということを前提にして、犬の吠える声についてもう少し深く探っていきます。


犬の吠える声の質ですが、最近になって変化の傾向が著しくなっているように感じるのです。

変化というのは、犬の吠えが耳障りな甲高いものであったり、濁った音になってきているからです。


特に濁った音による犬の吠える声は耳障りで不快に感じられるものです。

先日の犬語セミナーでも動画の中で濁った音を出している犬がいました。

いわゆる「ダミ声」といわれる音ですが、つまり喉が閉まっているのに無理に大きな音を出そうとしてこのように濁った音になるというのがその声の仕組みになります。

濁った上に大きな音ですから、一般的には耳障りに感じられてしまいます。

犬が出す音=吠える音にはそれぞれに意味があります。

意味とは、犬が出す音は犬の状態を表しているということです。


犬よりも音のコミュニケーションを使う人にあてはめて考えてみましょう。

みなさんも、状況や環境に応じて声の質を変化させているはずです。

甘える声、叱る声、買い物のときに使う声など声は使い方によってその質は様々です。

さらに、声には個性がありますので、声をもつ人の性質、安定度、状態を表現する道具にもなっています。


犬も同じように、基本的な犬の性質と現在の状態に応じて出せる声の音程が決まってきます。

その上で、犬の状態や目的に応じてその音の質が決まってきます。


濁って大きな音を出して吠える犬たちの状態といえば、筋肉の緊張が高いけど強く主張しなければいけない状態なのです。

筋肉の緊張が高いという段階で、すでに犬がストレスを上昇させていることがわかります。


濁音や大きな音で注意を引き寄せようとする犬たちのメッセージを受け取る人はいないのでしょうか。

ただ犬が吠えることをうるさいと片付けてしまわないことです。

この犬が根底から必要としている環境は何なのだろうかと考える時間は、犬と豊かに暮らしていくためにはなんとしても作らなければいけない時間だと思えるかどうかでしょう。

都心に響き渡る犬たちの悲痛な奇声を聞くたびに、辛くなってしまいます。

安心して過ごしている犬は穏やかで静かな動物であるということ。

穏やかな犬と過ごしている人は穏やかであるということ。

どちらも真実ではないでしょうか。


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<犬のしつけ方>犬の散歩風景:東京の犬と福岡の犬は何が違うのか?

以前、東京から引越して来られた生徒さんからこんな話を聞きました。

「福岡に来て道を聞かれたのでビックリしたんです。
東京では他人に道を聞いたりするなど、話かけることが許されないんです。」

ということでした。

実はわたしも小学生低学年まで東京暮らしの経験があるのですが、
人に道を聞くこともできないような印象はあまり持っていませんでした。

ところが、この話は他の東京から来られる方に聞いても全く同じでした。

東京では人に話かけることが失礼な行為だというのです。

東京ならではの人付き合いと、マナーのルールだということでしょう。


この話を聞いて、東京の街中を散歩する犬たちの不思議な表情や行動に納得がいきました。

東京で見た犬の散歩風景というのは、簡潔に言えばどの犬もとても「おりこうさん」に見えるというものでした。

東京の都心の公園を散歩する犬たちは、お互いに顔を見合うこともなく、全く相手を無視して通り過ぎていきます。

そのため、犬と犬がすれ違うときに吠えたり、リードを引っ張ったりする姿を見ることも少ないのです。

犬同志が吠えあうなどほとんど見ることはありませんでした。

犬と犬が顔を合わせずにお互いに相手との距離をとって通り過ぎるように、人と人も全く関わらない意志をあらわしているようでした。


犬は散歩中に他人に話しかけられることもなく、他の犬が近付いてこられることもないため、落ち着いて歩いているように見えます。

あまり動物らしい行動とも言えないのですが、人と人の関係性と距離感が犬に影響を与えていることは間違いありません。

少なくとも、散歩中に自分のスペースを侵されないという一定の安定のもとに散歩をしているのでしょう。


この東京の犬の散歩風景は、福岡の散歩風景とは全く違うことに気づかれたでしょうか?

福岡のようなローカルな場では、散歩中の犬に話しかけるのは普通のことになっています。

「かわいいですね。」
「触ってもいいですか?」

話かけ方はそれぞれですが、犬を通して飼い主同士が関係を作っていくのも福岡では日常の風景なのです。

これは、良い部分もあるかもしれませんが、犬にはストレスを与える行動になっているという事実もあるのです。

飼い主が飼い主に話しかけるというよりは、犬の方に接触を図ろうとするからです。

犬の方をみて大きな声を出すとか、

犬に近付いて興奮させて飛びつかせるとか、

犬の頭をなでるとか、ひどい場合には犬にオヤツを与えたりもします。


これらの行動は全て犬の最小のテリトリーであるスペースを侵害する行為になります。

そのため、犬は人が近付いてくるたびに落ち着かなくなり、散歩行動自体が不安定になっていくのです。


善意で犬に話しかけたりなでたりしている人々からすると、こうした行為が犬にストレスを与えていると受け取ることは難しいかもしれません。

これを理解するには、長い犬の行動と習性についての説明を受ける必要があるからです。

こうした人の行為によって、犬は散歩中に落ち着かなくなるのです。

犬は吠えたりとびついたりリードを引っ張ったりするようになってしまいます。


もちろん、個々人によって犬に対する行動はそれぞれに違いはあるでしょう。

犬に対して反応を示さず通り過ぎていく人々もたくさんいると思います。

しかし、一部の人間でも、犬に対して積極的に手や声を使ってアプローチしようとする人々がいることを否定はできません。


結果、東京の犬の散歩風景と福岡の犬の散歩風景には違いが見られるようになってしまいました。

犬たちの都心の散歩スペースは大変小さく、その中での社会活動には無理があります。

飼い主を含む犬と犬の関係を進めたいなら、もっと身近な人と人のつながりについて考えてみてはいかがでしょうか?

散歩中に他者と関わらないというルールでいることにも窮屈さはありますが、

それが東京という都心が出した答えが、不自然であっても今の犬にとっては最適な場合もあります。

あとは個々人が犬がストレスなく楽しく飼い主との散歩ができるように考えていくしかありません。

散歩は犬にとって貴重な時間であることは言うまでもありません。

その散歩タイムをより良いものにするためにできること、考えていきましょう。


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<動画:犬のしつけ方>犬の遊び道具「トリートボール」を身近なペットボトルで活用

室内に長い時間拘束されがちな犬は、暇で仕方ありません。

動物は一日をゆるりと過ごすものですが、室内という人工的空間の中に閉じ込められている犬のストレスは計り知れないものがあります。

自然環境の中で散策したり、危険を回避しながら一日をゆっくりと過ごす野生動物とは時間の使い方が違うのです。


室内ではたくさんの家庭犬たちが時間をもてあましており、そのうち家具をかじったり、自分をなめる自虐行動を始めます。

中には、不安な状態が継続しすぎて飼い主さんの存在を確認できないと、排泄の失敗をしたり家具をかじったり、食べ物を盗みとったりと様々な飼い主を呼び戻す行動を継続してしまうこともあります。


そこで、室内で多少夢中になり時間がつぶせるペット用品をある程度は活用したいものです。

そのひとつに「トリートボール」という道具があります。


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名前のとおり、オモチャの中に食べ物を入れて犬に与えるオモチャです。

オモチャを転がしたり噛んだりして、フードを取り出していくことにほとんどの犬は夢中になります。

トリートボールにはいろんな形状のものがあります。

犬の関心と噛み具合によって最適なものを選んでいただきたいのですが、最初の導入ならペットボトルで代用できます。


空のペットボトルの中にフードを少しいれて与えるだけです。

ペットボトルのカラカラといった音も含めて夢中になっています。
以下の動画ははじめてペットボトルのトリートボールで遊ぶ犬くんの様子です。

ペットボトルの中が濡れていたため、フードが出にくくなってしまったのですが、諦めずに取り組んでいます。




ペットボトルは薄い素材なので、簡単に破損してしまいます。
使用の際には飼い主さんが監視できる範囲内で行ってください。

特に中型犬以上のサイズの犬の場合には、破壊行動のスピードが速いため十分に注意して与えてください。

フードを食べ終わっても、ペットボトルをつぶしたり口にくわえて遊んでいる犬ちゃんもよくみかけます。


活用の方法としては、人が何かの作業で犬がイタズラをしそうになることが予測されるときや、

人が仕事をしていて犬に十分に構えないときにも使用できます。

また、なんらかの理由でドッグフードの遊び食べが出てしまう場合にも、このトリートボールで与えると食べることもあります。


ただし、トリートボールには依存性が高まるという欠点もあります。
長時間にわたる依存性は、執着行動といってストレス性行動のひとつですから見逃せません。

なかなかフードが出てくない場合でも10分程度で切り上げてください。

また、トリートボールを与えなくても犬が行動に満足を得られるような生活上の工夫や提案を、併行して考えましょう。


犬という能力の高い動物にとって、トリートボールからオヤツを取り出しながら食べるという作業はあまりにも単純なことだと思います。

それでも他にする事がない場合には、こうした道具に夢中になってしまいます。


トリートボールは対処法的な遊び道具ですが、成長の過程では上手にお付き合いしていきましょう。

そしていつかトリートボールのいらない豊かな生活が犬に生まれることを願っています。

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<クラスのこと>七山校で犬語セミナー開催しました。

寒暖の差が厳しい初春の日々、山は寒いので暖炉に張り付いています。

今日は春分の日、まさに分け目の日です。

分かれる境というのは良くも悪くもいろんなことが起きる可能性があります。

良いことはラッキーとして受け入れられるものの、悪いことは落ち込んでしまい受け入れに時間がかかることもあります。

犬のトレーニングや犬との関係作りや犬の成長についても、一進一退になりますから思い通りに進まないことに落ち込むこともあります。

こうしたときにこそ、分け目の力を使って上手く転機を図っていただきたいのです。

休憩するもよし、学びを深めるもよし、ただ前向きな気持ちだけキープできればまた一歩進んでいきます。


ということで、今日は七山校では学びを深める方々の「犬語セミナー」を開催しました。

犬の動画を見ながら犬の行動学を基本として犬そのものについて学ぶセミナーです。

奥の深いセミナーなので最初は難しいと感じることもあるでしょう。

そのちょっとの難しさを越えて参加を継続されると新しい視点が生まれてきます。

犬語セミナーは継続して参加していただきたいため、七山校では毎月1回、福岡では1~2ヶ月に1回を目安に開催しています。


今回の参加者のみなさんは、お互いに犬同志を対面させたことのあるお互いの理解も進んだグループでした。

犬語セミナーの内容もいつもとは異なります。

自分の犬だけでなく、他の犬に対する関心が高まるようになると犬への理解はもっと進むのです。

身近な犬には先入観や思い入れが強くなかなか見えない部分が、他の犬になると客観的に冷静に見ることができるからです。


犬という動物への理解には、客観的視点、冷静な接し方、理論的な考え方もある程度必要になることもあります。

科学的にいろいろと理解していなくても、自然に犬にストレスを与えない接し方をできる方はたくさんいます。

科学的に理解できるようになると、仕組みが分かるということなのですがより学びへの関心が深まるのです。


次回の犬語セミナーは3月29日木曜日に福岡校で開催します。
あと数名受付していますので、ご希望の方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

dav



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<犬のしつけ方・動画>指定された居場所へ犬が移動するトレーニングで安心スペースを獲得しよう

昨日のブログで、ハンドメイドの犬用ベッドについてご紹介しました。

犬用ベッドは室内飼育の犬には欠かせないペット用品であることもあわせてご紹介しました。


犬用ベッドは、犬専用のソファにあたるものです。

「うちでは人のソファにあがっているから犬用ベッドは必要ない」という反論もあるかもしれません。


しかし、これは違うのです。

犬の一番小さなテリトリー=居場所について知れば知るほど、犬用ベッドの重要性がわかるようになります。


また、人が管理しなければいけない室内飼育環境という条件の中では、犬を指定の居場所に移動させなければいけないことも多くあります。

実は、室内は屋外よりも刺激が多く環境が不安定になりがちなのです。


そこで、犬が不安定になる前に犬に安心できる居場所へ移動するように誘導するトレーニングを行います。

生徒さんにお願いして2回目の練習風景を動画撮影させていただきました。

イメージのための提供動画ですのでほんの少しですがどうぞ。



「ベッドの合図で犬用ベッドに移動するトレーニング中の犬ちゃん」

撮影のために少し緊張感が漂いますが、いつもはもっとリラックスです。
フードの誘導は使っていません。

フードは必要のない場合にはできるだけ使用せずに、本来の姿に近付くように練習しています。

いつもは少し興奮しやすい犬ちゃんなのですが、全てではありませんが少しずつ落ち着く時間が見られます。

こんな数秒の動画の中にも、犬を知る大切なメッセージがたくさん詰まっているのです。


この犬ちゃんのご家庭の犬用ベッドは、このあとハンドメイドの極上品に変わっていました。

よりリラックスし安心できる居場所を提供したいという飼い主さんの真心が伝わってきます。


犬に愛情を持って可愛がるということは、犬を撫で回すことではなく、犬を理解し必要なものを提供することです。

それには、物理的に必要なもの、発達として必要なものがあります。

発達として必要なものの中には、犬が学習の機会を提供した結果得られるものがほとんどです。

犬用ベッドを活用することは、犬にこの二つを提供することにつながります。


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<犬のしつけ方>犬の社会性について:父親不在で荒れるオス犬たち

犬は性別によって行動のいくつかが明らかに違います。

中でもはっきりとしているのは、争う相手が基本的には同性であることです。

オスとメスという生き物に分かれていることと、オスとメスの存在によって子孫を増やしていくという仕組みはヒトと同じです。

犬を擬人化することはおすすめしませんが、仕組みが同じ部分については自分たちの種に置き換えて考えても結構似ているところがありますので参考にしていきましょう。

犬のオスはオスと緊張感が高く、多くのオスはメスの非礼な行為や乱暴なコミュニケーションには寛容です。

どうでしょうか。ヒト社会に置き換えても納得できる傾向ではないでしょうか。


そのため、オス犬が散歩中に眼をとばしたり、吠えて緊張したりする傾向があるのが、相手がオス犬のときだけということもよくあることです。

犬の社会的順位については、そもそも交配の権利を争うために行われるという意味もありますが、オスの場合にはもっと深い意味もあります。

オス犬たちはグループで行動し防衛や攻撃を行う体制を整える必要があります。

近隣では、互いのテリトリーを構築したり、もしくは数頭でグループをつくったりと、オス犬ならではの社会関係が進められます。

昭和一桁時代であれば、犬たちは夕方になると係留から解放されて、犬同志が集まるコミュニティを形成していました。
その中では、オス犬の序列が自然とつくりあげられ、ボスを呼ばれる犬もいたことでしょう。
弱い犬は弱い位置におさまり、犬だけで作られたオス同士の序列はある程度安定したものであったのではないかと推測します。

ところが、最近のオス犬たちは少し変わってきました。

リードや室内といった拘束環境から解放されるときがないため、犬だけのコミュニティを持たないこともひとつの理由ですが、ある傾向がオス犬のけん制行動を複雑していると感じています。

それは、家庭に父親という存在が不在のまま育つ社会性についてです。


犬社会であっても、オス犬が一番先にぶつかるのは、同じ群れのオス犬です。
犬からしてみれば、父親と同じ存在にあたります。

強く、恐ろしく、また尊敬する存在でもある父親役を果たす犬の存在は、若いオス犬の横暴な態度を改め、冷静さを引き出し、抑制をつけさせる大切な存在なのです。

ところが、飼い主という人が親役を引き受けるようになって、この父親の役割が不安定になってきました。

飼い主さんの中には女性ひとりで犬を飼われる場合があること。
父親の存在が家庭の中で小さくなってしまっていることなどがその理由です。

家庭の中の父親が犬のしつけに細かく関わって欲しいということではありません。
お世話は母親や子供たちが協力して行うが、家庭の中に父親という要が存在するかどうかが重要なのです。

犬は非常に社会性の高い動物で、飼い主家族の社会的関係についても熟知していると感じることがあります。

家庭内の不和や不安定は、室内飼育の犬に直接的に影響を及ぼしてしまうことを否定できるでしょうか。


家庭に父親の存在がはっきりとしない状態で育ったオス犬は、甘えが強く社会的力に従うという社会性を身につける機会を失ってしまいます。

では、女性ひとりで犬を飼うことは無理なのかというと、そうではありません。
女手一つで見事に子育てをされる母親もいるからです。

ただ、その場合には、女性は時には父親という存在に変わって、威風堂々と接する必要があるということです。

それには、体力も気力も必要です。
オス犬育てが大変な理由はここにあります。

たかが犬育てですが、犬と向き合ってその成長を見守り、動物として必要な発達の機会を提供するとなると莫大は時間と空間と気力が必要なのです。

オス犬がお母さんべったりなら早急に家族会議が必要です。

すべてのオス犬が自信を持ち役割を発揮する場を得られるよう願ってやみません。

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<犬のしつけ方>動物同士の距離感:犬と人、犬と犬、人と人

先日から風水講座に参加された生徒さんたちが、それぞれに自宅の間取りを持参されていたのを見ました。

グッドボーイハートの生徒さんがほとんどなので、家庭訪問トレーニングで間取りをある程度把握していたご家庭もあるのですが、リビング以外の間取りについては想像する範囲でしかないので、こうして図面を見ると間取り図面からメンタルマップができあがって、より詳細にご家庭の空間についてイメージできます。

今回は風水判定のために間取りが必要だったのですが、犬のトレーニングの場合は犬の空間スペースの利用の提案と限界について考えるために、間取りはとても重要です。

日本の住宅は犬を室内で飼う文化のある海外諸国と比較しても、圧倒的にスペースは狭いのです。特に核家族化が進むと同時に、ひとり暮らし、ふたり暮らしといった家族の少ないご家庭で犬を迎え入れされることも多く、必然的にスペースの狭い空間に犬が生活するということになってしまいます。

室内空間は屋外空間の影響も受けます。
たとえば、七山校であればドアを開ければ、すぐに広い庭と山にアクセスできます。
境界線沿いに他の家もない上に、周囲は森なのでその空間の広さによる開放感は特別なものです。

ところが、都心住宅になると庭もありません。マンションのベランダは有効利用したいものの、そこから外部にアクセスできない環境は犬にとっての孤島を意味しています。表現は悪いですが、都心の室内飼育ではよほどの大邸宅でない限り、犬は軟禁状態を強いられているといっても過言ではないと思います。

そしてその軟禁状態の上に、室内では犬と人が狭いスペースを共有することになります。当然のことながら、お互いのスペーシング(感覚をとること)は難しくなります。

ところが人は犬に対するスペーシングには無頓着なことが多いのです。抱っこやいっしょに寝るなどの犬に対して密接に行っている行動を、人に対しては行わないはずです。赤ちゃんは別ですが、一般的に大人になった人が、上記のような密接度で人に接するのであれば、それは愛撫とか闘争といった特殊な密接に近付く距離感のことになります。

犬は人のこうした過剰に接近してくる接触の距離感によって、依存と闘争を芽生えさせます。飼い主にまとわりつく犬が、他の犬や人を闘争相手とみなしたり、依存状態がいつも動くものを追い回すなどの行動につながっていくからです。

この室内の狭さが生み出す犬と人の距離感は、犬と犬が小さなサークルやケイジにいれられて発生する距離感と似ています。実際、子犬のころから落ち着かない犬のほとんどが、小さなサークルやケイジに他者と共にいれられて飼育されています。

犬も人も、どちらもスペースをきちんととることのできることで、自分の安全と安心の感覚を得ています。スペースをとるということは、お互いの関係性を築いていく上で最大限に大切なことではないでしょうか。むしろ、愛情の高さや好きの度合いよりもずっと重要だと思っています。

スペースをとるというのは、空間を区切っていくことではありません。ここではクレートなどのテリトリーのことを差してはおらず、共有する空間でのスペースの安定性のことをお話ししています。

日本の家屋はもともと狭かったのです。狭いから寝る場所の布団をあげて、昼間は家族スペースとして利用したのです。ダイニングの各自の小さな卓袱台すら、食後は片付けていた時代もありました。

生活のスタイルがベッドや椅子やテーブルを置いたままにする西洋式に変わったのに、空間は以前よりも小さくなっているというストレスの多い状態になっています。
少しでも空間を開けたいなら、いらないものを捨ててスペースを作るしかありません。結局のところ断舎利ということになりますが、何もしないよりはできることはわずかであってもやってみることです。そのことで何かが変わるかもしれないし、変わらなくても行動できたというエネルギーは次につながっていきます。

あとは、アウトドア空間の有効利用です。散歩や自然空間に出かけてスペースがあることを確認することは、長らく屋外で仕事をすることが生活であった日本人としての空間の上手な使い方でもあります。

先日、七山校を出ると数十メートルでイノシシに遭遇しました。
車のスピードをあけて、距離感をとりゆっくりとついてくと、急いで走り出すことなく少しずつスペースを開けていきます。お互いにスペースを開けようとする意志が伝わっていると感じて、少し気持ちが落ち着きました。

dav

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<犬のしつけ方・おすすめのアイテム>暖かいから準備したいもの「ペットドア」の魔法について

福岡では日差しが暖かく、室内よりも庭やベランダの方が暖かさを感じられるような日々が増えています。
春の日差しにあたろうと、窓辺のガラス戸の前に寝ていたり、座ったりする犬の姿も増えているのではないでしょうか。

犬の大切なテリトリーである庭へのアプローチについて、犬が自主的に行えるようにするための配慮について飼い主さんに説明する機会が増えてきます。

庭と室内をつなぐドアという境界線に対して、犬が自由に出入りする環境を整えるために使う道具が「ペットドア」なのです。


そもそもペットドアという道具は、室内と屋外を自由に行き来して過ごす猫という動物のために作られたのが始まりなのかもしれません。

猫が出入りするのは構わないけれど、昆虫類が部屋に入ってくるのは困るという理由でペットドアが使われ始めているからです。

最近では、犬の庭への出入りが便利ということで、犬用のペットドアを使っていただいています。
特に屋外で排泄をする犬にとっては、排泄行動に自由が与えられるということで、犬の自律性は大きく高まります。犬も良い状態でひとつの自由を獲得し、人も同じように自由を獲得します。

小さなチワワのリロくんがペットドアを使用していますので、その様子を動画でご覧ください。




実はこのリロくんですが、長らくペットショップにいたため最初は排泄行動が大変不安定でした。

新しい環境を受け入れるのが苦手なリロくんだったので、ペットドアを装着してもなかなか自分でくぐろうとせず練習が必要だったのです。

小さな犬が苦手とするドアの前後にある段差も、いろんな道具で工夫しながら、ペットドアの導入にも受け入れができるように工夫を重ねて、やっとドアを自分でくぐれるようになりました。

このように自分でお庭に排泄をするために出ていって犬だけで帰ってくることをとても想像することはできなかったでしょう。

できるようになったのは、飼い主さんがリロのことを信じたこと、そして提案したインストラクターであるわたしを信じて下さったことなのでとても感謝しています。

→リロくんの成長記録はこちらからどうぞ
ブログ記事「怖がりさんだったリロと飼い主さんの成長の足跡:犬の行動を理解することは飼い主の役割」


庭に出る際に飼い主が気づいて戸口を開ければいいのではないかという意見もあるかもしれません。
もしくは、犬が室内に入るときには必ず脚を拭かなければいけなという家庭のルールの導入もあるかもしれません。
ルールの導入については、人にとってのルールが犬に対してアンフェアにならないように注意していただきたいのです。
そのためには、犬とはどういう動物なのかを理解していただく必要もあります。

ベランダ環境は不安定なので、なかなか外に出ようとはしないかもしれません。
最適なのはお庭があることですが、ない場合でベランダを活用しなければいけない場合にも、ベランダで人が過ごしても気持ちがいいと思えるように整えていただければよいのかと思います。

お庭空間は昔の人にとっては小さな自然でした。
自分が小学生のとろに過ごした庭には、たくさんの木々がありました。
サクラ、梅、ツツジ、ビワ、アジサイ、柿など、他にもたくさんの種類の木々が小さな庭に整理整頓されて入っていました。
小さな自然が庭にあって、昆虫も小鳥もたくさん集まっていました。ヘビやイタチもみかけました。とても懐かしいです。

今は庭空間には自然はありません。それでも、自然につながるひとつの場であって欲しいと思います。犬たちにその空間を提供してあげてください。

ペットドアにはいろんな種類のものがあります。
自分の犬に見合ったものをぜひ見つけてください。

dav

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