グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

<犬のしつけ方>子犬に使ってはいけないケージをご存知ですか?犬が不安症になるケージとは

はじめて子犬を迎えるときには、いろんなペット用品が必要になります。

子犬の居場所としてケージの購入をすすめられることがあるようです。

飼い主さんのご家庭に訪問トレーニングに伺うと犬の生活環境が一目瞭然です。

犬用のケージを使われていることはよくあります。

この犬用ケージの使い方に、絶対にこれだけはやってほしくないという使い方があります。

いくつかありますが、今日はそのうちの3つだけをご紹介します。


絶対にやって欲しくない犬用ケージの使い方

その1 ケージの下にキャスターをつけて使用すること

その2 ケージの中に床網を設置して使用すること

その3 ケージを積み重ねて使用すること(多頭飼育の場合)


この3つの使用法では、犬の精神が不安定になります。

こうしたケージの使用によって多くの犬が不安症になっていることは危惧すべきことです。


では、なぜいけないのかを考えてみてください。

犬は地面に脚をつけ安定させて生活する動物です。

そのため、犬は地面に脚がつかなくなると四つ足をバタバタとさせます。

これは、犬のナチュラルな反応で自発的に起こる行動です。


むしろ抱き上げて脚の裏がどこかに接触していないのにじっとしている場合の方が状態は不安定です。

大人しいといわれる犬たちですが、地面におろすと不安定行動が多く見られます。


ケージにキャスターをつけたり床網をつけることは、
犬に不安を学習させることになります。

犬は毎日の生活空間で不安を身に付け成長します。

床網では常に脚をバタバタとさせますので、多動になることも多いのです。


キャスターの使用でケイジが微妙に揺れます。

ロックがかかるから大丈夫と思われるかもしれません。

しかし犬にとってはこの微細な揺れは大問題なのです。


ケージを積み上げて使用されているのもよく見かけます。

犬は自分の上部に何か物体がある状態で不安を抱きます。

前者と同じように、毎日の生活で犬は不安を蓄積していくでしょう。


不安は社会的状態であり、犬の社会的行動でもあります。

犬が不安を抱えて生活しているかどうかは、犬の行動観察で明らかになります。


飼い主は不思議に思われるでしょう。

犬にとって不便なものが、なぜ商品として売られているのか?

犬にとって良くないものなら、最初から販売しないでほしいという不満もあるでしょう。


世の中の多くは、まだ犬の利便性よりも人側の利便性に立っているのです。

床網は排泄物の処理のため

キャスターは掃除が楽だから

積み上げは場所がないから

そんなところではないでしょうか。


犬のことを理解し犬のよき協力者になるためには、
犬にとっての安心安全を第一に考えて選択をしてください。

安心できる毎日の居場所は、犬にとっても人にとっても大切なものなのです。

dav

Posted in 犬のこと

<犬と山>人為的繁殖による飾り毛で不快を得る犬たち

週の初めは唐津や伊万里方面の家庭訪問のトレーニングクラスに出かけます。

合間の時間には、七山校にトレッキングクラスやヒーリングクラスを開催。

さらに、新ドッグホームセラピスト講座を受講する生徒さんと楽しく過ごしていました。


秋の深まりを知らせる庭の梅もどきの木も、真っ赤な実をたくさんつけています。

dav
昨年は実の少なかったユズも今年は豊作のようです。
七山の野菜やさんにも、そろそろユズの実が並ぶことでしょう。


この季節に犬と山歩きをするとき、よく思うことがあります。
秋の気配深まる山では、雑草の種の類や、木々の枯れ葉がたくさん落ちています。

尾歩山は広葉樹の山として生まれ変わりましたが、周囲はほとんどが杉山です。

杉の枯れ枝や枯れ葉は引っ掛かりが多くやっかいなものです。


これらの種子や杉の枯れ葉をたくさんつけてしまう被毛の犬が増えているのです。

飾り毛というフワフワした毛に覆われたぬいぐるみのように改造された犬たちです。

足の裏にも飾り毛が生えていますので、その部分にも種子が絡まりやっかいです。

最終的には、はさみで毛を切り取ってしまうしか対処の方法がありません。


こうした被毛は、自然環境の中では犬を守ってくれません。

本来の犬の毛はとても柔らかいけれど張りがあります。

種子の運搬は野生のイヌ科動物のお役目ではありますが、
種子は犬の体から離れることでその目的を達成します。

犬が体をブルブルっとさせたり、多少動きをとると落ちるようにできています。

人為的に繁殖された犬の飾り毛に種子や枯れ葉がついて不快感を覚える様子を見ると
人がやっていることの矛盾につきあたります。


以前、犬が山を歩くという話をしたときに受けた質問を思い出しました。

その質問とは、種子が皮膚から体の中に入って病気になると聞いたので
山歩きをさせるときには靴が必要なのかというものでした。

実際には、そのような例は聞いたことがありません。

人の皮膚は弱いためとげが刺さったらそれを排除しようとして炎症を起こすことがあります。
原始的に裸足で生活を続けている部族でなければ、裸足のまま歩くことは難しいことです。

もし犬の体が、人のように弱く変化しているなら、それは大変なことです。

事実をよく確認した上で、もし事実ならその犬種の繁殖はもう止めるのが懸命でしょう。


犬は洋服や靴をはかなくても、自然環境の中でなんら不自由なく快適に活動できるように
その身体的な能力や装備を発達させて、遺伝的にイヌ科の犬という動物として遺伝してきました。

人による犬の遺伝の人為的な関与により、こうした身体的機能を一つずつ失いつつあります。

山は犬の里なのです。
山歩きも苦痛になってしまうように犬の繁殖に関与する必要性を理解できません。

しかし、この飾り毛ですが人の方には快を与えてくれるらしいのです。
触ったときにフワフワして気持ちがいいという快を得られること、
見た目がフワフワして可愛らしいという快を得られること。

人は動物を利用する生き物であることは認めなければなりません。

ただその利用については、一定のルールが必要ではないかと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Posted in 犬のこと

<クラス>ドッグホームセラピスト講座を開催しました。

ドッグホームセラピスト講座を受講される方が増えていること
とてもうれしく思っています。

ドッグホームセラピスト講座は、プライベートスタイルのクラスです。

犬に「触れる」という行為は、対話の大切な時間です。

まず、触れる行為が対話となるための手順を学び、
次に、触れる行為が対話から手当てと発展していくための要素を学びます。

触れるという行為は愛情表現として当たり前ではないかと思われているので
触ること自体、全く悪いことではないという捉え方もあるようです。


しかし、触れ方による欠点についてはあまり知られていません。

たとえば、触れ方によっては犬の依存性を高めてしまい、
落ち着きを奪ってしまうことがあることは、あまり理解されていません。

これらも、犬の行動や様子を見ていればわかりやすいのですが、
老犬になると行動そのものが減ってきてしまうため、それもわかりにくいものとなります。

常に触っていないと落ち着けない状態になってしまったり、
逆に触ることを極端に嫌がる傾向があることもよく見受けられます。

こうしたことは、家庭内で起こっていて外に連れ出すと案外わかりにくいものです。

一方で家庭内で日常的に起きていることは、習慣として見過ごされることも多くあります。



ドッグホームセラピスト講座は手当てのできる関係性に重点を置いたクラスです。

犬が具合が悪くなくても、犬が年老いていなくても、いつでも受講が可能です。

ドッグホームセラピスト講座は、生活環境を重視しているため
他のクラスと同様に家庭訪問形式で行っています。

長らくグッドボーイハートのお山に親しんでいただいた犬と飼い主さんや、
遠方で訪問できない場合には、七山校での来校形式でも開催しています。

どちらもお気軽にご相談ください。

dav

dav

Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のしつけ方>愛犬を「抱っこ」は犬の発達を阻害する:拘束は不安症の犬を育てる(犬を抱っこしたい人は必読です!)

犬のしつけ方の方法の中で、できるだけ犬を抱っこしないようにお願いしています。


それには様々な行動学的に裏づけされている理由があります。

単純な「甘やかさないように」という程度の問題ではありません。

そのような感傷的な問題ではなく、犬の安定した成長と発達のために、
犬をできるだけ抱っこしないようにとお願いしているのです。


すべてをここで説明することはできませんが、ひとつだけお伝えします。

犬を抱っこすることは、犬を拘束することだということを忘れないでください。


そもそも、犬を抱っこして散歩をするという人の不思議な行動は、
赤ちゃんを抱っこして社会性を育てるという人の育児から発展しています。

赤ちゃんを抱っこして環境に対する適応力を高めるのは、当然のことです。
なぜなら、赤ちゃんは歩けないし、ヒトという動物は赤ちゃんを「抱く」行動をし、
そしてまた赤ちゃんも親に「つかまる」という行動を通して発達しています。

先日ブログでチンパンジーの松沢先生から学んだことを書きました。
チンパンジーの赤ちゃんは親に抱きつき、親チンパンジーは子供を抱くのです。
これは、チンパンジーとヒトという種の育児の習性です。

しかし、イヌは違うのです。
母犬は子犬を移動させる必要があるときには、首の後ろ側をくわえて運びます。
子犬が多少動けるようになって、巣穴から離れたが自分で戻ってくることができないときや、
緊急時に巣穴の移動を必要とされたときに行うものです。

赤ちゃんのように子犬を抱っこすることは、子犬の発達を助けることはなく、
むしろ子犬を拘束するという不安状態に置かせた上で環境に接触させていることになります。

拘束されて外界と接触した子犬は、社会化の発達を阻害されているばかりか、
むしろ、不安を抱きやすいという性質を育てられています。

不安を抱きやすい性質を持つ犬は、将来様々な行動の問題を生じます。
行動が問題であるばかりでなく、その犬は生涯を通して不安を感じつつ生きることになります。

良かれと思ってやったことが、全くの逆効果になるのです。


犬を抱っこすることは、犬を拘束することということ。
ぜひもう一度各自で考えていただき、犬の習性にあった健康な発育を支えましょう。

dav

Posted in 犬のこと

福岡で犬語セミナー開催しました。

福岡で平日クラスの犬語セミナーを開催しました。

いつもは参加者の多くが純血種犬と暮らす飼い主さんですが、
今日は、参加者の全員が雑種犬、いわゆるミックス犬たちと暮らす飼い主さんたちでした。

さらに、その犬たちの年齢も17歳、14歳、13歳と高齢犬たちもたくさんいました。
3頭とも若いときから知っている犬たちなので、感慨深いものがあります。

犬たちと飼い主さんが重ねてきた日々の重さがとても深いものであることと、
犬が高齢になっても、まだまだ犬のことを学ぼうとするその姿勢に頭が下がります。

犬が高齢になると、知りたいのは犬の病気のことばかりになってしまいがちです。
犬のことを知りたいというよりも、病気を探して病名を見つけて、
そしてその病気を解決するための方法ばかりに偏ってしまうことがあります。

高齢になれば、どんな犬もそれぞれにどこかに不具合は出てくるものです。
体に不具合がでなくても、脳の問題や行動の問題などいろいろと不具合は出てきます。

高齢になっても病気に焦点を当てすぎずに、
犬といっしょに過ごすお互いの時間を大切にしたいなら、
犬に対する理解について、思いを向けていかれるといいでしょう。

犬が高齢になっても、こうしたセミナーに参加される方々を見ていると
犬たちは深く愛されているのだろうと感じることができます。

動物を愛するということはどういうことか、
愛することは「理解すること」であると思うからです。

ビデオの教材になるのは、グッドボーイハートで撮影したものが中心になります。
しかし、実際には一般的な家庭の犬の日常の行動は、とても良い教材になります。
ビデオ撮影に協力してくださる方がいたら、ぜひお願いします。

月ちゃん

Posted in 日々のこと, 犬のこと

<犬の習性>犬の食性と人の食の選択、どちらが正しいのか?

秋深まり七山に戻ると思いっきり空気を吸ってリフレッシュしています。

野外活動をしていた生き物たちは息をひそめています。

とても静かで誰もいない感じが漂っています。

動物のヒトであるわたしの方は、様々な文明の利器を使って暖をとっています。
冬でも活動できるようにした人間の欲求とは、本当にすごいものだなと感動します。


プライベートトレッキングクラスに参加してくれている犬ちゃんが、
この季節に一番おいしい雑草といわれるハーブを食べていました。

その雑草はオポもよく口にしていたもので、なつかしく思い出しました。


「この草ってとっても苦いんですよ。」とわたし。

「食べたことあるんですか??」と驚く生徒さん。

オポがよく食べていたので、食べたことがあることを説明し、
そしてその場でも口にいれてむしゃむしゃと食べました。

その光景にビックリされたのか、生徒さんから質問を受けました。

「犬に食べさせる前に、全部を試食してみるタイプですか?」


一瞬その質問にとまどい、またとても可笑しくなり笑ってしまいました。

そうですね。そういう方もいらっしゃいますよね。
犬に与えるドッグフードもオヤツも全部自分が食べてから与えるという対応ですね。

この場合は全く逆の発想です。

犬が必要で食べている草だから、きっと体にいいものなんだろうと思うのです。
だから自分もその草を食べてみるのです。

犬の食性という知恵から学び、その知恵を分けてもらっているのです。

結果、その草はとても苦くてそんなには食べられないと知ることもできるし、
また、その大変苦い草を食べている犬が、単に味覚重視とも思えないのです。

よほど、自分というヒトの方が、美味しいものは口にするけど、
苦いものは避けたいという食の選択になってしまいます。

さらに、もうお腹いっぱいなはずなのに、つい食べ過ぎてしまうというのも日常ですね。


良薬は口に苦しといいますので、その苦いハーブは大変良い薬なのでしょう。
そうしたものを誰から教えられなくても選別できる犬という動物の力は恐るべきものです。

ところが、都市部ではこの選択ができません。
生き生きと生えるこれらの雑草が存在していないからです。

選択する力を発揮することができなければ、その遺伝子は死に絶えていきます。


ヒトは自分が失ってしまったものを、また犬からも奪おうとしていると感じます。

だからこそ、雑草を美味しそうに食べる犬ちゃんを見て、なんだかホッとしてしまいます。


雑草が食べられるのは11月中旬くらいまでです。

限られた季節に、どうぞ山歩きにお出かけください。


dav

Posted in 犬のこと

<山と犬>秋のお手入れ無事に進んでいます。

わずかに紅葉し始めている静かな尾歩山。

秋の深まりをみせながら、夏に騒いでいたいろんな生物たちはほとんど姿を消しています。

大きな女郎蜘蛛と蜂が最後の活動をしているくらいです。


やっと、落ち着いて山の手入れができるようになりました。

とりきれていなかった蔓を払いながら、木々が育つ環境整備の応援です。


山の手入れのときにも、犬がそばにいてくれるとなぜか安心します。

手入れに夢中になっていますから、周囲の危険を教えてくれる役割を担ってくれるからです。

そうした自分の役割に気づく犬たちは、飼い主の方をじっとみたりそばによってきたりはしません。

鎌や鋏をもって活動していますので、人のそばでは危険もあります。

犬たちは人の作業を邪魔しないように、少し離れたところで周囲の気配をとりながら、ときには山の斜面に落ちているイノシシやウサギの落し物を食べたりしながら、ゆるやかに過ごしています。


私達ヒトの方もしっかりと山の恵を拾って降りました。

dav
オポが食べていたので気づいた椎の実。
ほんのり甘くて生でもおいしくいただけます。

dav
皮も食べられるらしいあけび。
私はあまり得意ではありませんが、生徒さんがペロリと食べました。

dav
山の甘柿。
柿はたいてい渋柿で、甘柿は1本だけです。
すでに熟したものは、お手伝いしてくれた犬くんがしっかりいただきました。

熟した柿が落ちてくるのを待つのは、オポのお得意芸でした。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

山が育つと動物が暮らす場ができるのが、ただうれしいのです。

山が育つと犬たちが生き生きとなるようで、ますますうれしいのです。

七山から離れた福岡の土地にも、活力ある山の空気が届くと思えるからです。


夜に七山から福岡まで移動するときに、動物たちとの遭遇が増えました。

ウサギ、アナグマ、タヌキ、イタチなど。

秋から冬にかけて活動が活発になる野生動物たちです。

わたしたちヒトも、そしてイヌも活動期の季節といえるでしょう。


また来月も山のお手入れ行います。

Posted in 犬のこと, 自然のこと

<犬のしつけ方>犬のハウス、クレートにはカバーをつけよう!

室内で暮らす犬たちの安全確保のために、ハウストレーニングは必須科目です。

そのハウスに利用するクレートには主にハードクレートとそふとクレートがあります。

こちらがハードクレート
クレート
そしてこちらがソフトクレートです。
ネットケイジ
クレートの種類の選び方と導入の方法やその目的については
プライベートトレーニングクラスで詳しく説明しています。

犬によっては、このクレートトレーニングで大変苦戦しますので、
その手順やステップアップも犬の状態にあわせて進行します。

どのクレートにも、カバーを準備していただくようにお願いしています。

「売ってないんですか?」とよく尋ねられます。

メーカーによっては売っているものもありますが、ナイロンの案外味気ないものです。

手作りで作られるとこんなにかわいいものもできます。

dav

こんな風に、犬のためのクレートカバーを準備するだけで、結構夢が膨らみます。

犬のために、冬はキルティングで、夏はリネン生地やガーゼ生地でと…。
自分は裁縫は得意ではありませんので、誰かに「作って!」と頼むことでしょう。

最近では、通販でオーダーで作ってくださるようです。
作家さんが手作り品を販売するようなネットショップでは、
案外気軽にオーダーができるようですよ。

オリジナルで作るとかわいいものや、インテリアのイメージにあわせたものもできますね。

向かって左側の犬ちゃんが、ハードクレートに入っています。

dav
右側の犬ちゃんが、ソフトクレートに入っています。
クレートの中に休んでいるのですが、外からはほとんど見えませんね。

dav
カバーの生地はぜひ天然素材のものを使ってください。

犬は案外「違い」がわかります。





Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>「効果」ではなく「関係」を求めよう。

犬のしつけ方について、「効果」を問われたことがありますか?

たとえば、こんな疑問が浮かぶことがあるかもしれません。


犬に不妊手術をすることが、何か効果があるのか?

犬にマテを教えることが、何か効果があるのか?


この「効果」という言葉については、犬のしつけ方について使うことには違和感を覚えます。


「効果」という言葉の中には、望ましい結果や変化、効き目のようなものがあるのかという
飼い主さん側の期待がこめられているように感じるからです。

こういう捉え方になると、実際の犬の変化は起こりにくくなってしまいます。
なぜなら、見方が人の立場に寄り過ぎることと、結果が重要となってしまうからです。


犬のしつけ方を学ぶということは、犬を理解することを学ぶこと、犬の必要性について学ぶこと、
犬と暮らすとはどのようななのかを学ぶこと、そして犬とのより良い関係を作り上げていくこと、です。

犬のしつけ方を学んだたくさんの飼い主さんと犬たち。
結果としてより良い関係や絆を手にした方も多いことでしょう。


犬に落ち着きの変化が見られ、犬とより良い関係を築いてこられた飼い主さんには、
ある特徴があります。

結果を求めず、過程を大切にするということです。

犬の行動が変化する結果を求めずに、犬と関わるという過程、つまり時間を大切にできる飼い主さんです。


時間も労力もかけずに犬だけが落ち着いて自分に注目してくれるという結果だけを求めてしまうと
犬との大切な絆を失ってしまうかもしれません。

どの飼い主も目の前の犬のことを大切に思っているでしょう。

でも関係作りは面倒くさいと思ってはいないでしょうか。

犬は素直で純粋であるため、飼い主のそうした気持ちもすべて読み取ってしまいます。

そうした犬特有の読心術は本当にすごいなと思います。


犬と向き合うのにも時間がかかります。
そしてそれこそがとても楽しくすばらしい時間です。

大変だったことも、後で思い出せば楽しく笑える思い出ばかりになるでしょう。


犬のしつけは家庭の中で作られます。
家と庭、その周辺で過ごす犬との日常の一瞬一瞬が
犬と人の関係をつくっていきます。

それが犬のしつけ方です。


dav

Posted in 犬のこと

ブランとマーゴの引っ張りっこ遊び:犬の引っ張りっこ遊びは勝たないとダメ?と思っていませんか?

犬の大好きな引っ張りっこ遊びについてです。

引っ張りっこ遊びとはオモチャやタオルをひっぱりっこする遊びのことをいいます。

実はこの引っ張りっこ遊び、犬の発達に影響するとても大切な遊びです。


引っ張りっこ遊びができますか?という質問を必ずクラスではしています。

実際に飼い主さんにやってもらうと、引っ張りっこ遊びになっていないことの方が多いのです。


引っ張りっこ遊びが重要なのは、犬と犬が実際に行う遊びだからです。
そして人も犬と対等にできる可能性のある遊びです。

対して、ボール遊びは犬と人が行うものです。
人がボールを持ってくることを要求して犬がそれに応える。
逆になっていることもありますね。犬がボールを投げるように要求して人が応えるというように。
このボール遊びは犬と犬ではできません。

引っ張りっこ遊びの大切は、継続性と対等性です。
この二つを実現しないと、引っ張りっこ遊びはすぐに終わってしまいます。

もちろん、遊びはひとつのことだけで簡潔はしていません。
遊び行動はとても複雑で、その中には発達の要素のほかにも、葛藤あり、関係性あり、社会性あり、
ストレス行動の表現になることもあります。

では、生後6ヶ月のブランとマーゴがする引っ張りっこ遊びを見てみましょう。

ブランとマーゴの引っ張りっこ遊び動画

引っ張りっこがうまくいっているなというときと、
引っ張りっこが終了しそうだな、という場面があります。

生後6ヶ月ともなると、お互いの関係性に強く影響してくる引張りっこ遊びですから、
引っ張りっこ遊びを継続すること以外のやりとりも見られる動画です。

犬語セミナーに使えそうな動画ですね。

こうして犬の遊びひとつをとっても、いろんな要素が見えてきます。


引っ張りっこ遊びは取り合い遊びではないのです。
本来の引っ張りっこは、お互いに引っ張ることによって実現する共同作業です。
この状態では左右に引っ張っていますが、成長すると同じ方向に引っ張る作業もできるようになります。

引っ張りっこ遊びのときに、飼い主であるあなたが「なんとしても勝たなければ」と
必死になってオモチャを自分のものにしようとする行動を向きになってすることは、
犬から見ると、とても未熟で自信のない存在に感じられるかもしれません。

引っ張りっこ遊びのときには、合図があったら一旦引っ張りっこ休憩というルールは導入しますが
それは、「ちょっと作業中止」的なものであって、「これ私のだからあげないよ」というものではありません。

引っ張りっこは関係性が対等にならない場合にはなかなか難しいのです。
依存性の高い性質をもっていたり、依存の状態にある犬、
甘えが強かったり、甘やかしが日常化されている場合、
権勢的な性質をもっていたり、ストレスの強い犬、
これらの犬たちは引っ張りっこが苦手です。

上手な引っ張りっこ遊びを飼い主が主導となって伝え、
犬の成長と発達をサポートしてあげてください。

mde

Posted in クラスのこと, 犬のこと