グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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インターホンに吠える犬“インターホンダッシュ”に対応する:なぜ犬はインターホンに吠えるのか

 犬の吠えは苦情のナンバーワンにあがっています。自宅にいるときには静かにリラックスして過ごしたいと思っているところに、近所や同じマンションの部屋から犬のワンワンという声が聞こえてくるとイライラしてしまします。苦情につながりご近所トラブルにも発展しかねません。


●犬がインターホンに吠えることは問題である理由

 室内で犬が吠えることで近隣からも苦情が多く、また飼い主さんも困っているのが「インターホンがなったら犬が吠えること」です。インターホンがなると吠えるだけでなく、部屋の中を走り回ったりジャンプしたりして大騒ぎになることがあります。
 問題解決のはなしをする前に、整理しておきたいことがあります。それは、犬が吠えるという事実は犬として通常の行動だということです。そして同時に、過剰に吠えて興奮するという事実は、犬がとても高いストレスを抱えている状態を表しているのです。インターホンに吠えるだけでなく、ドアの方向に向かってダッシュしていく犬、ドアの前でクルクルと回る犬、飼い主のズボンに咬みつく犬、ドアの前でジャンプする犬、ドアにとびつく犬、ドアの前やサークルの中でジャンプする犬、など吠える以外の行動もさまざまですが、どれもとても興奮している状態です。
 犬はとても興奮しやすい動物だと誤解されているのでこれらの行動を放置されているのでしょうが、実際には犬はとても静かな動物です。犬が活発に動くことができるということと、犬がいつも興奮しているというのは全く違うことなのです。犬がこんなに興奮することを毎日くり返してしまったら、脳の病気や破損につながることもあります。


●犬がインターホンに吠えるのはなぜか

 犬がインターホンに吠えるのはなぜだと思いますか?これはほとんどの方が答えられます。そうです。インターホンという音が、来客が来るということを予測させるからです。この連想はひとつの学習です。学習をしない犬はいつまでもインターホンと来客を結びつけることができませんが、犬の学習能力は高いので、すぐにこのことを学習します。
 来客に対する犬の吠えは、警戒吠えです。「だれかくるぞ!!!!」という吠えですね。犬は人と同じようにテリトリーを持ちそれを守る動物です。インターホンシステムも人が自分のテリトリーを守るために開発された道具です。警戒吠えをして誰か来るよ!と犬が単純に吠えることは正常な行為であってこれを叱ることはできません。ところが、テリトリーに人が入ってくると分かっているのに飼い主が犬に対して何の指示もしなければ、犬の生活環境によってはますます犬を興奮させてしまいます。
 現実的に、たくさんの犬たちが警戒態勢だけで収まりがつかなくなってしまっているようです。「警戒吠え+威嚇吠え」になったり、「警戒吠え+興奮吠え」になったり、もしくは「警戒吠え+甘えなき」になったりして、犬によってはとても複雑な吠え方をするようになっています。これらの吠えの中に、犬の飼育環境の難しさと犬と飼い主の関係を読み取ることができ、同時にこうした複雑な吠え方や、吠えながら興奮する姿を見るとき、犬は本当に大変なのだなと感じてしまいます。


●小さいころは吠えてなかったのになぜ吠えるようになったの?

 犬には年齢によってインターホンには吠えない時期というのがあります。たとえば「うちの犬は生後5ヶ月まで全く吠えなかったのに急に吠えるようになったんです」というのは一般的なことです。犬の正常な成長の過程にあてはまっていて、どこもおかしいところはありませんが、飼い主さんの方は犬が急に性格が変わって吠えるようになったと勘違いされるようです。犬は急に吠えるようになったのではなくて、成長して吠えることができるようになったのです。
 警戒吠えという吠えは、テリトリーを守るために出すコミュニケーションです。テリトリーを守る働きをする年齢に達しないとこれらの吠えは出ないのです。小型犬の方が体の成長が早いため早く警戒吠えが出ます。大型犬は体の成長に時間がかるため生後8ヶ月をすぎたくらいから警戒吠えをするようになります。

●中には全くインターホンに吠えない犬もいる
 飼い主が特に犬を管理していなくても、インターホンに全く関心のない犬がたまにいます。これらの犬たちはテリトリーを守ることに関心がなく人の出入りにも関心を示しません。同時に自分に利益のない人にもあまり関心を示しません。関心を示さないということは、急に近づくとか愛想を振りまくなどのことがなく距離を保っていることができますので、お互いに危険性もなく犬も興奮することが少ないという利点もあります。別のケースでは、人に対して消極的な場合です。どちらかというと飼い主の後ろにすぐに隠れてしまったり、飼い主といっしょにいることだけが生活の中心になりがちな犬は、他者との関わりに対して消極的になる場合があります。これらの犬についてもインターホンに関心を示さなくなることがあります。
 前者の飼い主や人と距離を保つ犬の場合は、テリトリーから離れてしまって別のテリトリーで生活することも苦にならないため、犬のリードを放したりすることについては注意が必要です。後者の飼い主に依存タイプの犬の場合は、飼い主がいないと不安を抱えやすいので管理をしっかりとしてください。これらのインターホンに無反応の犬については、個体の性質(個性)としてこの傾向があることもあるし、生活スタイルや飼い主の性格や飼い主との関係などの環境によって生じることもあります。インターホンに吠えないのはうらやましいと思われるかもしれませんが、吠えないのではなく吠えられない犬もいますので一概にそれがいいとはいえません。飼い主が代わると犬の行動はビックリするほど激変してしまうので、犬と人の関係性というのはつくづく深いものだなと感じるのです。


 さて、ここまで読まれて「インターホンに吠えたらどうすればいいの?」と思われた方のために、明日はちょっとだけインターホンダッシュ反応についてのヒントをお伝えしますのでお楽しみに。



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日本オオカミが絶滅した今起きている議論:日本にオオカミが復活してほしい?復活して欲しくない?

 昨日のブログでデンマークに2世紀ぶりに野生のオオカミが出現したニュースをもとに、日本国内のオオカミの絶滅状態についてお話ししました。ブログはこちらで→デンマークで2世紀ぶりにオオカミ発見のニュース:絶滅したオオカミは戻ってくるのか?

●日本オオカミは絶滅していない?
 国内のオオカミの絶滅については、絶滅を否定する声があるということもお伝えしておきます。絶滅が指摘されたあとも、国内で日本オオカミを見たという目撃情報はたびたびはいっているようです。そのうち、明らかに誤報であったと否定されたものもありますが、目撃されたものの中にはオオカミとしてとても信憑性が高いと専門家に評価されている例もあります。有名なのは1996年に奥秩父の山中で写真撮影をされたイヌ科の野生動物について生態学者の今泉吉典氏が所見を寄せられたものについてはとても読み応えがあります。関心のある方はこちらのサイトからご覧ください→NPO法人日本オオカミを探す会HPの記事「1996年10月秩父山中で撮影された犬科動物」

 ここで今泉氏の所見の中にもあるとおり、写真の動物は剥製として残されたオオカミに大変酷似しているのですが、首輪周りに首輪の後のようなものがみられます。また、あまりにも人を恐れない行動がオオカミという動物の性質とあうのだろうかという疑問も抱いてしまいます。
 今もこうして日本オオカミが本当に絶滅したのか、それとも生息しているのかを多大な時間をかけて調査されている方々がいることについてはとても心強く思います。日本オオカミは本当にいなくなったんだろうか、いや絶対に山の奥地に隠れ住んで生きのびているに違いないという思いを自分も持ちたくなることがあります。

●日本にオオカミを復活させる活動があること

 日本の山から日本オオカミを乱獲によって絶滅に追い込んだのは人間です。そして今度はオオカミを日本の山に復活させようという計画案が一部団体によって提案されています。理由としてまずあげられるのは、被害の問題です。日本オオカミが生息してこそ山の生態数の守られていた部分がなくなり、山間部でイノシシやシカなどの草食動物が増えて農作物や森林を食いつくし環境破壊や農業被害が拡大するという問題が長期化しています。単純に日本の山から日本オオカミという頂点の動物を駆除してしまったわけですから、その後生態数が崩れることを当時予測できなかったことの方が不思議です。生態の全体を見るという習慣がいかになかったということでしょうか。イノシシやシカを食料としてとる猟師の数も減少しています。猟をしても肉の販売は家畜のようにはいきません。管理されていない環境で生育した動物ですから保健所の許可を得るのも大変なことです。

 こうした動きの中で、日本にオオカミを復活させようという考え方は少しずつ広まってきています。昨年は福岡県でもオオカミ復活についてのフォーラムが開催されました。ちょうど大田こぞうさんとコラボしたチャリティ犬語セミナーの前日であったことから、セミナーの質疑応答の時間にその話題が出ました。このときは、大田こぞうさんもわたしも「賛成とはいえないいろいろな問題がある」という短いコメントをしました。
 実際のところ、わたしはこの日本オオカミの導入計画についてはリスクが大きすぎると思っています。なぜなら導入計画の対象となるオオカミは日本オオカミではありません。タイリクオオカミの中の別の外来種を日本にいれるということです。外来種が国内に入ってくることで生態系が混乱することは、動物種でも植物種でも現に起きていることです。日本の山林国土は他国とは明らかに違っているということを考えておく必要があります。
 それでは、科学の技術をもって日本オオカミの剥製からDNAを採取して日本オオカミを復元できるのでしょうか?それがコピーのようなものでは意味がなく、遺伝により変化し続けるものでなければと思うのです。ですが人の手で遺伝子を復元することについてはとても抵抗があります。人の力で絶滅したかもしれない日本オオカミですが、だからといってまた人の力で復元させてもいいのかというと、これはもう倫理違反ではないかと感じるからです。二度と復活させることはできないからこそ、美しく大切にしなければならないのが命ではないかと思うからです。

 この日本へのオオカミ復活議論については、エルザ自然保護の会の藤原英司先生がホームページに原稿を掲載されていますのでぜひご覧になってください。

エルザ自然保護の会のホームページより「日本でのオオカミ復活を考える(藤原英司先生著)」

●おまけ、日本のネコのこと
 動物種は違いますが日本国内でみなさんが一緒に暮らしているネコは家畜化されて国内に入ってきた外来種の動物です。日本古来のネコやイリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコの2種でいずれも絶滅危惧動物の野生動物です。外来種ネコの非常に強い繁殖力によって、日本ネコは本州では絶滅してしまったということです。そしてその外来種のネコたちはまた野猫として日本の山に生息している姿をみかけることがあります。里からずい分はなれた山の中で数回野猫の姿を見かけました。このことによってまた影響を受けている野生動物たちもいることでしょう。事実をちゃんとみること、今できることはこれではないでしょうか。


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Posted in 犬のこと, 自然のこと

デンマークで2世紀ぶりにオオカミ発見のニュース:絶滅したオオカミは戻ってくるのか?

 昨日ブログで紹介したとおりテントで寝ているときに不思議な犬たちの姿を幻想的に見た翌日のニュースに驚きました。(※ブログはこちらでご覧ください→「犬とテントで過ごしたときに見た夢」


●本当に絶滅したオオカミは復活したのか?

 そのニュースとは「19世紀初頭に絶滅したオオカミ、2世紀ぶりに発見 デンマーク」という見出しでした。絶滅した動物の発見には信憑性にかけるものも多いので、今回のニュースも本当かと疑いをかけましたが、このAFP通信(フランスの国営放送)によるニュースは、どうやらかなり有力な情報があるようです。専門家が目撃したオオカミの何かを入手したのかDNA判定によってオオカミ種であることを確認したとのことでした。デンマークで発見されたオオカミは、雌1頭をふくむ5頭の若い群れで新しいテリトリーを求めて500キロ近くを移動してきたのではないかと推測されているとのことでした。
 デンマークでは過度の狩猟により19世紀初頭にオオカミが絶滅したとのことです。過度の狩猟とはやさしい言い方ですが、はっきりいえば過剰の捕獲によって絶滅に追い込んだともいえるでしょう。オオカミは人の食料にはならないため、その狩猟の目的が人の権威をアピールしたいがためだったのか、家畜を守るためだったのか、もしくはスポーツであったのかはわかりません。そのデンマークにオオカミが移動してきたのです。巨大なユーラシア大陸の端っこにあるデンマークですから、陸続きであれば西洋のオオカミにとって500キロの移動は可能な距離です。デンマークの位置が不明確な方はこちらでどうぞ→デンマークはここにあります
 この地域の山の地形などは知りませんが、巨大な何かで切断されていない限りはオオカミは移動し続けます。群れの年齢が若くまた5頭と比較的少なかったことも、長距離の移動を実現させた理由なのかもしれません。もちろん、移動の途中で数頭を失った可能性はあります。しかし、オオカミは世界の野生動物の中でも絶滅危惧動物と位置づけられているため、発見したからといって簡単に殺すこともできないため、一部の密猟を除いては人の捕獲による頭数の減少はかなり抑えられています。
 この事実によってデンマーク国内では早速賛否両論が繰り広げられているということです。オオカミを恐れる農家や動物の頂点に立ちたい人種にとって、山の獣の頂点にたつオオカミは恐るべき存在です。野生動物とどのように折り合いをつけながら人の活動を行っていくのかを考える良い機会を与えら得たということでしょうか。デンマーク国民の今後の動きを見守り続けたいと思います。

●なぜオオカミは日本にいなくなったのか?

 日本では野生のオオカミはすでに絶滅した動物で、すでに国内には存在していないということを生態調査研究のすえ環境省が発表しています。以下は環境省発表の情報ですが、日本には本州に生息したニホンオオカミと北海道に生息したエゾオオカミがいました。ニホンオオカミは1905年に奈良県で最後の捕獲が行われた以後は生存確認されておらず絶滅したといわれています。エゾオオカミはニホンオオカミよりも早い1894年よりも前に絶滅したといわれています。環境省が絶滅したと発表している理由は、最後の目撃情報から50年にわたり生息が確認できなかった動物は絶滅動物として分類する仕組みがあるからです。

 ニホンオオカミをエゾオオカミをかりに日本オオカミというくくりで呼ぶことにします。その日本オオカミがなぜ日本国土から絶滅してしまったのかという理由をあなたはご存知でしょうか。環境が悪化したからなのか?山林が伐採されたからなのか?食べるものがなくなったからなのか?さて、どう思いますか?
 実は日本オオカミを絶滅に追いやった本当の理由は人の手による「捕獲」です。その捕獲は食べるための捕獲ではありませんでした。日本オオカミの捕獲には懸賞金が出るという政策が各地でとられていたのです。オオカミの頭ひとつにつき数百円くらいだったかと思います。その懸賞金と自分のライフルの腕を自慢したい人たちと、動物を殺したいという気持ちもオオカミの捕獲に火をつけたのではないかと思います。
 日本オオカミの捕獲に懸賞金が与えられたのは明治維新以降に欧米の文化をさまざまな生活の中に取り入れる圧力が強まり、それによって家畜を育てて食べるという食生活と動物との関係性についても変化を要求されたことが原因でした。エゾオオカミが早い時期に絶滅しているのは、未開の北海道でもっとも可能性のある経済活動が家畜を育てることであったこともその理由ではないかと思います。家畜を育てればエゾオオカミはそれを狙いきますので、家畜業は困難です。エゾオオカミを絶滅させることで人の経済活動を達成することができるという完全は人側の都合です。
 同じことが本州でも起こりました。肉食スタイルの西洋の食文化を日本に浸透させるために牧場建設が広まり、それに伴うように牧場を襲うオオカミは絶滅させるために捕獲を続けたのです。最後のオオカミが捕獲れたときに、ニホンオオカミは絶滅してしまうのではないかという危惧を抱いた方がきっと何人かは存在したのだと思います。でも、そんな人の話に耳を貸すこと人はいなかったのかもしれません。
 絶滅動物を守ろうなどのいうスローガンのもとに動物保護活動が行われる一方で、絶滅している動物の多くは人の関与によってそうなっているという事実をあらためて認識をする必要があります。まず、日本オオカミは日本国民の捕獲によって絶滅したという事実を知っていただきたいと思うのです。

●動物園のオオカミはニホンオオカミではない

 ちなみに動物園にはオオカミがいるじゃないか?と疑問をもたれた方もいるでしょう。国内の動物園にいるオオカミはタイリクオオカミという種別ではニホンオオカミといっしょなのですが、日本以外に生息するオオカミたちで輸入動物や動物園で繁殖された動物です。その種類は、シンリンオオカミ、シベリアオオカミ、チョウセンオオカミ、チュウゴクオオカミ、ヨーロッパオオカミです。
 これらのオオカミを動物園でみるからか、日本オオカミもこんな感じだと思っている人がいますが、実際のニホンオオカミはかなり違います。きちんとした写真がなく剥製ですがこちらが二本オオカミです。

ニホンオオカミ
 動物園や西洋の映画に出てくるオオカミとはサイズも要望もかなり違いますね。どちらかというとキツネとタヌキの間という感じでしょうか。キツネもタヌキも国内に成育するイヌ科動物ですから、ニホンオオカミにとてもちかい動物なのです。国内のオオカミグッズとして販売されているオオカミの肖像は西洋やカナダのオオカミのものです。ニホンオオカミの姿が日本人に忘れられてしまうのはとても悲しいことです。

 日本古来の文化では山のオオカミは「大神」として崇められていました。日本各地には大神神社がまだ残っています。そういえば数日前に「大神」という表札がかけらえたご自宅の前を通りました。これはこれで、本当にビックリしました。




 ニュースはこちらでご覧になれます。
19世紀初頭に絶滅したオオカミ、2世紀ぶりに発見 デンマーク


Posted in 犬のこと, 自然のこと

犬とテントで過ごしたときに見た夢:今度はたくさんの犬が出現する!!

 ゴールデンウィークはどのように過ごされていたでしょうか。
たくさんのお休みでマンションを脱出して自然の中で犬とゆっくり過ごした方もいたでしょう。
ご自宅のお庭で日向ぼっこする犬とまったりと過ごされた方もいたことでしょう。
 グッドボーイハートの七山校でも晴れのひとときを犬たちがそれぞれにゆっくりと過ごしていました。自分もテントクラスに参加して、犬たちの今年はじめてのテント泊をしました。

●テントでふたたび見た不思議な夢のこと

 犬と寝るテントクラス(ドギー・テントクラス)の夜に、また不思議な夢を見ました。わりと夢を覚えているほうらしく、今までにも何回も現実なのか夢なのかわからないほどの感覚のある夢を見たことがあります。テント泊のときにもなんどか同じ経験をしたことがあります。
昨年のテントのときに見た夢については以前ブログで紹介しました。
 こちらです→犬とテントで過ごしたときに見た夢:動物の楽しい化かしなのか?

 そして、また不思議な夢を見ました。その夢はこんな内容でした。

 テントの中でいっしょにテントにはいった飼い主さん1名といっしょに座った状態で体を起こしています。わたしたちが身を潜めてみているのは、山の下からゆっくりと人の道を上がってくるいくつかのライトの光でした。身を潜めているのでお互いに言葉もなく、テントに入っていた犬たちも伏せていますが静かにしています。ライトはどんどんテントに接近してくるのがテントの中からすけるように見えます。レースのカーテン越しに見ているような感じです。

 接近してくるとより詳細に様子がわかりました。ライトを持っていた人が7,8名くらいいて大人から子供まで横一列にならんだようにたっています。服装はぼんやりとしたブルーっぽいカモフラージュのような色で少し古い雰囲気のもんぺと羽織のようなものに見えました。
 声が聞こえてきました。「こんにちわ、何かご迷惑をおかけしたでしょうか。」というようなあいさつのようなものでした。声の主はとなりのテントに犬と入っていた飼い主さんのものでした。わたしたちが身を潜めている間に、声をかけられたのかと思って聴いていました。ほどなく声は消え去り、再び静けさだけが戻ってきます。

 そして、テントの布越しに透けて見える姿が少しだけはっきりしてきたような感じがすると、その人々の前にやはり大小の年齢の白い犬たちがしっかりとこちらを向いてたっていたのです。脚が長くスラリとしていて、大きなものは背丈が人の腰下くらいでした。毛は短毛ではなかったですが、長毛でもなく、少しだけ毛足がある白い色の毛でした。洋風のオオカミほどの幅はなく少しやせていてそれでもしっかりとこちらを見ていたことだけを覚えています。その犬たちが見えると後ろの人々の形が少しぼやけてきました。夢はここで終わりました。

●この夢を引き出しかもしれない前の日の談話

 テントでは熟睡はしていないので、途中で人の気配や犬の動き、野生動物の気配などで目が覚めることが普通です。このときも、途中で目が覚めて「あれ、さっき見たライトがさして人と犬がいたあの光景は夢だったんだ。」とぼんやりと考えてしまうのです。頭は半分寝ていますのでこのときは、その夢の意味を考えることはできません。ただ、覚えておきたくてどんな夢だったのかをもう一度頭にイメージさせてから再び眠りました。夢の中に出てきたテントのパートナーも実際の飼い主さんといっしょでした。隣で声を発した生徒さんも全く夢と同じ状況でテント泊をしていました。みたもの以外の状況は、その日のテント泊のままなのです。

 実は、このテント泊の夜の会食のときに生徒さんたちと犬の繁殖による行動の変化についていろいろと話をしていました。ブログに書いたカフェのマナーのこと(ブログ記事:オープンカフェでみるとんでもビックリな犬の光景:欧米と比較して考える都心の犬)がテーマとなり、ずい分深くお話したのです。日本は純血種を飼うことが当たり前のような傾向がありますが、欧米と日本の犬の文化の違いや犬のサイズの違いなどは比較すればするほど、以下に日本が独特であるのかがわかると思います。日本の飼い主たちがどのような犬を求めているのか、そしてその求める犬が繁殖されることで、犬はずい分犬らしくなくなったと感じることがたくさんあります。
 日本には、日本の国土が育てたイヌもしくは犬はいなくなってしまうのも時間の問題かもしれないという危機感があるという話をしていました。この話が、テント泊での夢を引き出してきたのかもしれないと感じました。

 「山怪」という本にも記されているように、山では不思議なことがよく起きるのです。その夢は室内では見ることはできなかったでしょう。そして、その夢の意味を自分がどう受け取るのかも自分次第です。ですが、こうした不思議を体験できることは、自分にとっては人生を少しだけ豊かにしてくれるものとして有り難く思います。

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オープンカフェでみるとんでもビックリな犬の光景:欧米と比較して考える都心の犬

 この季節は外でも気持ちよく過ごせるわずかな期間です。国内にもカフェの表部分に広場のように設置されたオープンカフェが目立つようになりました。欧米の映画や映像に登場するようなおしゃれなオープンカフェで、ゆったりと休日にカフェラテを片手に仕事をする人も見られるようになりました。同時に、このオープンカフェは犬連れにとっても休憩場所のひとつになっています。ところが、オープンカフェでビックリするような飼い主の犬の姿を目にすることが多くなってきました。今日は、犬と暮らす文化とはなんだろうを考えるきっかけとして、カフェマナーについて取り上げたいと思います。


●オープンカフェで犬を抱っこするのはマナー違反なのか

 オープンカフェで時折見かけるビックリする犬の光景の一番は、犬を膝に抱っこした飼い主がカフェの椅子に座って飲食をしていることです。これは最近非常に多く目にするようになってきたので、本当にビックリしています。実際にしている方も多く、見ている人の中でも可愛らしいと思われていることもあるかもしれません。このカフェで抱っこして飲食の風景は、欧米ではまず見ることはありません。欧米だからといって、特別マナーが掲載されているということもないのですが、犬は家族同様のペットとはいえ動物です。カフェでの犬のポジションは飼い主の足元というのが一般的です。実際に海外で生活した経験のある方々に尋ねても、カフェで犬を抱っこというのは見たことがないといわれます。
 国内でのカフェでの犬抱っこが増えているのは、日本の都心部の犬が欧米の犬に比べると明らかに小さな小型犬だということかもしれません。抱っこをしていてもあまり目立たないし、小型犬だからいいやという曖昧な基準を飼い主さんが持っていることもあります。現実的には、飼い主の足元に下ろしてしまうと吠えたり、キューキューと鼻をならしたり、抱っこをせがんだり、場合によっては落ち着かないということを排尿をすることで解消しようとします。これらの行動は飼い主にとっても困惑するものですが、何よりも店や他のお客にとて迷惑な行為です。そのため店側も、騒いだり排泄をされたりするくらいなら飼い主に抱っこしてもらっていた方がいいと思ってしまうのでしょう。


●犬がカフェで落ち着いていられない理由とは

 カフェで休憩するときに、犬が飼い主の足元で待機できるようになっていたとしても、カフェでは犬がなかなか落ち着いていられない理由があります。たとえば、これも実際に見かけたことですが、足元に待機している犬に、カフェをウロウロしている他の犬や、カフェの前の道を散歩中の他の犬がカフェで待機している犬に近づいてきます。当然、それらの通行中の犬たちはリードをつけられているのです。ところが飼い主は犬の行きたい方向に歩いていきますので、すぐに待機している犬に接触させることになります。さらに最近はフレキシブルリードで散歩している飼い主もいるため、犬は一目散に待機中の犬に衝動的に近づき、近づいて来られた犬は逃げることもできず、ただストレスを感じる時間を過ごすだけになります。困ったことはこれらのわずかな接触について、犬が犬とあいさつするおりこうさん犬と評価されたり、犬があいさつを楽しんでいると判断してしまうことです。もし、欧米で待機中に無断で接触を計ろうとする犬やその飼い主がいたとしたら、大変なマナー違反として厳しい意見を受けることになるでしょう。
 犬が小さすぎて足元では落ち着けないと感じられるなら、犬用のバッグや犬用のかごバッグに犬を入れてあげてください。犬の周囲に一定のテリトリーを持つバッグやかご類は犬が落ち着いて待てる理由になります。同じ理由でカフェに犬用のマットを敷いて、テリトリーを確保してあげるという方法もあります。

●欧米とは違う、日本独自の犬との文化を思い出そう

 欧米と日本は動物との関わりに関わらず、独自に異なるよい文化を持っています。たとえば、カフェの過ごし方にしても、カフェで休憩中に与えられたスペースをその人たちが安心して過ごせるように周囲が注意すべきだということは、領土を奪いあってきた歴史のある欧米だからこそわかることなのかもしれません。動物の中でも特に犬については、欧米での使役動物としての役割を重要視されてきました。そのため、人のいる空間にも犬が連れられてくることがあり、その中で動物と人を混合しない境界線のあるルールを持ち続けてきました。それが動物を上手に管理する能力でもあります。

 まず、日本と欧米では犬との関わりが歴史的に明らかに違っているということを認めるところからはじめたいのです。少し大雑把な言い方になりますが、欧米では犬は管理する動物として扱われきましたが、日本では犬はその辺をウロウロしている動物として微妙な距離を持ちながら交流を楽しんできた文化があります。日本は欧米とは異なる動物との関係の文化を持ちますが、それは決して欧米に劣っていることではないのです。欧米の犬と人の文化を真似することが、犬との関係を良い方向へ向かわせるわけではありません。日本という地域や日本人という個性ある民族が育ててきた犬との関係性の中にも、すばらしいものがあるということを考えてみてはどうでしょうか。


 さて、犬といっしょにオープンカフェに行かないで欲しいというわけではありません。もちろん、行ってほしいといいたいわけでもありません。犬はカフェに行きたいわけではなく、飼い主さんが楽しいことを感じる能力があるだけです。そしていつも家の中に留守番しているのだから、飼い主さんといっしょにいられる時間があれば、それに付き合おうとします。でも、人本意の過ごし方で犬に負担をかけていることもたくさんあります。何事も度を越すと人も犬も幸せにはなれません。犬が犬として心地よく過ごせる時間に人もいっしょに寄り添ってみる、そんなことから始めてください。



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犬は以外と階段が苦手です:すべるのが苦手な犬をサポートしてあげること

ご自宅の室内や庭への通路にある階段を犬は使っていますか?
犬は四つ脚で人よりも素早く俊敏に行動をするので、階段は大丈夫だと思われている方も多いようですが、実は犬は階段があまり得意ではありません。犬が階段を上り下りしている行動や姿勢をよく観察すると、その状態がわかるようになります。


●犬が階段があまり得意でないと思われる行動とは

 犬が階段を上がろうとしなかったり逆に下りるのに抵抗を示したり、階段から滑って落ちるようなことがあったら、その犬は階段が苦手だということをすぐに理解してあげることができます。でも、こうしたわかりやすい階段を拒否する行動ではないのに、階段が苦手であることを訴えている行動が他にもあります。

 例えば、階段をすぐに上がろうとしない犬は、いちにのさんという感じで勢いをつけてジャンプして上がろうとします。勢いをつけなくても階段をいつもジャンプして登ってしまう犬は、階段があまり得意だとはいえません。途中で止まるのが怖いから駆け上がってしまうのです。同じ理由ですが、階段をジャンプして下りたり、駆け下りるように早く降りようとしている犬は、階段を下りることに不安定さを感じています。


●階段のどんなところが苦手なのか

 犬が階段を苦手な理由のひとつはその段差の高さです。ほとんどの階段は人が歩きやすいようにできています。そのステップの高さは小型犬が歩くという高さではありません。小型犬はジャンプして上がります。一段ずつジャンプするというよりは、数段を続けてジャンプして上がろうとします。
ステップの幅は小型犬が四つ脚を乗せるには狭すぎるからです。まれに、ステップの幅を通常の倍の長さで作ってある階段になると小型犬でももう少し安定した動きができるようになります。

 つぎに苦手な理由は階段のほとんどが犬にとっては滑りやすい床面と同じような素材であることです。室内の階段は木製のものがほとんどです。フローリングのようなものなので犬の脚ではひっかかりがなくツルツルと滑ってとても不安定です。屋外に設置してある、木製の階段や木製にみせかけた樹脂製(プラスチック製)の階段も、犬の脚では滑りやすい素材です。犬にとっては脚の接した床面が滑ると上手く階段を上ったり下りたりすることができません。すべる床面で緊張感はあるのでしょうが、飼い主のそばに行きたくてがんばって階段を使っている犬のことを考えるとせつなくなってしまいます。階段で緊張のあまり排尿をしてしまうことがあります。犬の中にはちょっとした緊張で失禁してしまうこともあるのです。


●犬が階段をリラックスして使えるようになるためには

 まず滑る階段の素材を滑らないものに変えましょう。室内なら階段の滑り防止シートが販売されていますね。人用に作られた階段の一部だけに貼る小さなものもあるようですが、犬のためには階段の全面に敷き詰めるタイプが必要です。粘着力が高く安定した素材のものがたくさん販売されていますからぜひ探してみてください。
 屋外の階段のにも、滑り防止になる素材のものを置いてあげましょう。人工芝の柔らかい素材のものや、裏面がゴムになっているじゅうたんを貼ることもできます。コンクリート素材の階段も比較的滑りやすいので、犬の状態に応じて改善を試みてください。


犬は本来ツルツルとすべるような場所に暮らしてはいません。鉤ツメをひっかけながら安定した土の上を歩いたり走ったりしている動物です。足裏のパッド部分はゴム素材のように柔らかく、地面のデコボコにも絶妙にバランスをとれるようにできています。時折上る石の上では、脚を踏ん張ってツメをひっかけて立ちますが石の上を長時間歩いたりはしません。その機能性の高い脚を持つ犬が生活環境の中で苦労しているなんて。犬に環境を提供している人側の配慮が少しだけあることで、犬は今よりもっと安定した生活を得られるはずです。
ほんのつまらない小さなことだと思えることが、犬にとってはとても大きな変化につながることもあります。あなたのお家の階段の滑り具合をぜひチェックしてみてください。


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ゴールデンウィークの犬との過ごし方:犬とのお出かけで気をつけてあげてほしいこと

 ゴールデンウィークに突入しました。普段はなかなか時間の融通がきかないところに、たくさんの自由な時間ができたら、テンションが少し高くなってしまうものです。ゴールデンウィークに犬を連れてあちこちへ出かけようと計画をしている方も多いのではないでしょうか。


●犬とお出かけ先を選ぶときに注意してほしいこと

 まず、心がけておきたいことは「犬は人とは違う動物である」ということを忘れないようにすることです。室内で犬と暮らし犬といっしょにお出かけを計画しようとする飼い主にとっては犬は家族の一員です。犬を大切にする気持ちが行き過ぎると、犬を人と同じように考える擬人化が行き過ぎてしまうことがあります。人目線でゴールデンウィークを楽しめむような計画を立ててしまうと、せっかくのお出かけなのに犬に負担をかけてしまうこともあるのです。

犬の習性として抑えておきたいことはこんなことです。

・移動には一定の負担がかかる
・人や犬がごみごみしているところ(小さな面積にたくさんの人と犬)は落ち着かない
・臭いの臭いところは苦手
・ある場所で落ち着くためにはできるだけ長い時間同じ場所に過ごすこと(半日以上)

 具体的にはどういうところを避ければいいのかというと、ゴールデンウィークに開催されるイベントのような人がたくさん集まるところです。人ごみや犬まみれでは、犬はかなり神経を使います。出かける先にはできるだけ人が少ない穴場の場所を探してあげてください。
臭いが臭いところというのは、同じように人や犬が混雑しているところです。ストレスが過剰になった犬は臭いのする排泄物を出すので、敷地はすぐに臭くなってしまいます。
 いくつもの観光名所を渡り歩くようにドライブするのが好きな人もいますが、犬は観光名所を楽しみませんし、車に乗ったり下りたりすることは犬にとってはただ移動し続けているだけになります。
 移動するだけのドライブ式過ごし方を止めて、一定の場所まで行ってそこで長い時間をゆっくりと過ごすプランを考えてください。その場所が空気がきれいで人も犬も少なく、のんびりゆっくりとできる場所であれば心地よい時間が過ごせるでしょう。


●犬と出かけた先で気をつけてあげたいこと

 人を含むすべての動物は移動にストレスを感じます。「わたしは移動するの好き!」という方もいるでしょう。それは移動が一定のストレスになる反面、ストレスを感じることが快感となることがあるからです。動物は自分が移動できる速度以上のものに乗せられると、体が移動の速度に対して対応しようとがんばります。それでも、高速道路などのあまりにも早い速度になるとストレスがかかって寝てしまいます。起きて騒いでいるよりは寝てくれた方がいいですね。
移動中は周囲の刺激を受けにくいように配慮をしてあげましょう。クレートを車に乗せていき、一定時間はクレートの中にいれてあげたりすると、クレートの中で寝てしまうこともあります。

 この季節になると車の温度は急激に上がります。犬を車に乗せたままにして車から離れることは危険です。どうしても離れる必要がときは必ず屋根のある日陰を見つけてほんの短時間にすることです。
車のエンジンをかけたままにされている方もいますが、犬を乗せたままの車の盗難事故は実際に起きています。どうしても自分がトイレなどに行きたいと思ったときはモールなどの立体駐車場に止めてください。それができるのもほんの短時間だけです。
 
 一定の場所で過ごす性質をもつ犬のために、ゆっくり過ごせる場所を探してください。それは公的な施設でなくてもいいのです。田舎のおばあちゃんちや、郊外に住む友人宅の方が犬はゆっくりと過ごせます。
人が楽しめるものと、犬が楽しめるものは、少しずれていることがあります。人はいろんなものを見ることで楽しみますが犬は違います。人はいろんなものを食べることで楽しみますが、犬はいつも同じものを食べています。人は温泉旅行が好きであっても、温泉好きな犬はほんのわずかです。

 種の異なる人と犬、一番違うのは時間の流れる速度かもしれません。


●犬はゆっくりと心地よく過ごしたメッセージを体で表現してくれる

 帰宅すると犬は疲れてすぐにベッドに横になったりクレートに入って寝てしまうかもしれません。犬が本当に満足して心地よい時間を過ごせたときには、犬の毛がとても柔らかくなりキラキラと輝いたようになっているのですぐにわかります。
 逆に、犬の毛が少し硬くなったりバリバリしていたり波打っているように見えるときには、少し忙しかった時間を過ごしたのかもしれません。だとしても犬に謝る必要はありません。もしそうした変化に気づいたら、つぎは少し行き先や過ごし方を変えてみようと思えばいいのです。

 犬はどんなときにも飼い主に付き合ってくれる忠実な動物です。犬が落ち着かないとか興奮してしまう場合でも、飼い主のそばにい続けて、犬だけ先にどこかに行ったり帰ったりすることはあまりありません。たまに、そうした犬がいると「わかりやすくていいな。」と思ってしまいます。付き合いのいい犬については、飼い主中心に考えてしまって「犬はわたしのことが好きなの」と思いこみやすいものです。でも動物として客観的に見れば、人に依存して生きていることが飼い主を追う行動を強めさせているとも言えます。
 かといって、犬に「どこに行きたいの」と尋ねても犬の方からは簡単に教えることもできません。だからこそ犬をどこに連れて行き、どうやっていっしょに過ごすのかということを、犬の立場に立って考える必要があります。それこそが犬に寄り添って共に生きていきたいという気持ちを犬に伝える方法でもあるのです。

 犬は飼い主と共にいることを楽しんでくれるでしょう。
でも、無理をし過ぎると犬はすぐにそのことを行動や体の変化を通して教えてくれます。
犬は人よりもずっと早く年をとってしまう年齢であることを忘れないでいることと同時に、たくさんの思い出作りに走り回り過ぎると犬の時間のペースは乱れてしまうことも忘れないでいてください。

 あなたと犬が、なかなか時間が過ぎていかないような安らかなひとときをこのゴールデンウィークで体験されることを願っています。



dav

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犬といっしょに山で過ごそう:犬とのデイキャンプクラス「わんげる・ミーティング」開催しました

山のはまだ寒暖の差がはげしく、朝夕は冷え込みがきびしい分昼間は暖かな日差しが差し込むようになりました。

そのせいなのでしょうが、土色は一気に緑色に変化しています。この緑の分量の多さには驚きます。
簡単にとらえるとエネルギーは分量ですから(太っているからエネルギーがあるということではありませんが)、緑の多さには大量のエネルギーが宿っているように感じます。


●山の中でみる犬の色

緑が多くなると、動物は姿を隠すことが簡単になります。森の中から空を見上げると、木々の間からわずかに空が見えるくらいになってきました。

犬の色は黒白茶色。本来なら日本の犬は茶色と白です。
自然の中でいかにカモフラージュするのかは動物の安全につながります。
山に住む動物である「イヌ」は、山色に近いのです。山面の土の色、茶色ですね。
季節によってもこの茶色が微妙に変化していきます。動物と自然のつながりを感じられるナチュラルな色の変化です。

飼い主さんが犬を見つけやすいようにと思って、オレンジやピンクの洋服を着せてしまうことは、犬にとってはあまり歓迎されないことかもしれません。色のついた洋服は都会の中だけで活用されることをおすすめします。


●季節と動物たち

繁殖を終えて活動をはじめた動物のこどもたちも、親から離れて個別に活動する時期にはいってきます。
犬も春と秋は活発に活動です。この時期に山で過ごす時間を持たないなんてもったいないことはありません。犬は太陽の動きと共に生きています。季節はどの動物の体の変化にも影響を与えます。この季節にしか起きないことをたっぷりと堪能したいものです。

今日は慣れ親しんだ数頭のグループで一日中を山でゆっくりする「わんげる・ミーティング」というデイキャンプ風のクラスを開催しました。なんども山歩きをしている飼い主さんと犬なので、山のことはよくわかっています。

同じ気温や風に対しても犬のサイズが違うだけで、暑いと感じたり寒いと感じたり、その感じ方も様々です。グループで移動するというのは大変なことですが、どの犬にもできるだけ負担がかからないように、長さと場所を調整しながら安全第一でゆっくりと移動することが大切です。


●山で過ごすこと
犬が「山で過ごす」というと走り回ったり飛びまわったりするイメージをお持ちかもしれませんが事実は全く違います。山に親しんだ人々が山を歩いている姿をイメージするとどうでしょうか。山で駆け回ったりはしゃいだりせずに、静かにゆっくりと歩みを進めていきます。それは雪山のような体力を使う場だからではなく、山のリズムと一体になれるからです。

動物たちも同じです。山に住む動物が山の中を走り回っているわけではありません。走るのは逃走行動が起きるとき、そして捕食行動が起きるときです。捕食というと草原でライオンが草食動物に向かって走り出ししとめるシーンの方が印象的かもしれませんが、山の捕食行動は少し違います。どちらかというと追いつめていくという感じかもしれません。

山のリズムを身につけるといつもとは少し違った感覚を得られます。山に入るとソワソワする犬たちも、ちょっと抑制がすすむと下山のときにはゆっくりと落ち着いた雰囲気になっているのは不思議な風景です。


●お昼は飼い主さんたちもお手伝い

お昼は薪生理班と昼食班にわかれて作業を行いました。木をきったり整理したりと原始的な行動のために体を動かすたびに、こうやって人は暖をとり食べ物を加熱して生きてきたんだろうなと感慨深い思いになります。そしてなによりうれしいのは、そのすぐそばに犬という動物がずっと昔からいたであろうことです。


いつもとおり、写真は撮影していません。そんなことよりも大切なことを優先させました。犬の生きている時間は人と比較すると7分の一くらいです。犬が生きるには十分な時間なのに、わたしたちにとっては本当に少なく感じてしまいます。そして、犬といっしょに充実した時間を一緒に過ごせるのはもっと少ないのではないでしょうか。犬が犬として人が人として過ごせる時間を共に大切にしたいものです。

dav

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犬はソファ禁止のルールを導入した例:ソファを死守して犬と戦う飼い主たち

昨日のブログ「犬をソファに上げてもいい?それとも上げない?:犬とソファの関係で悩む飼い主たち」で、犬をソファに上げてもいいのかどうかの議論についてお話ししました。

ルールを決めていないのに、ときどき犬がソファに寝ているときやソファの上から飼い主を見ているときに叱っていたという“曖昧さ”に気づいたら、すぐにルールを決めて実行しましょう。


●犬はソファ禁止のルールにした理由
家族で話し合った結果「うちでは犬はソファには上がらせないという風にしました」という家庭でのその理由には以下のようなものがあります。

・ソファはお客様も使うから

・ソファが汚れるのは嫌だ

・毛がつくから掃除が大変

・汚れたら拭けばいいけど、うちは大型犬だからソファが破れそう

飼い主がソファに上がってもいいかどうかを決めるときは、犬のサイズが影響するようです。
小さな犬であれば破損は少なくてすみますが、大型犬がツメでひっかけたりすれば、ソファは簡単に傷がついたり穴があいたりしてしまいます。

でも、小型犬の使用でもかなり劣化はします。特にソファに体をこすり付けるような動作をすれば、布のソファは毛羽立ちが目立ちレザーのソファは色落ちが目だってきます。
室内で特に何もすることもなく一日を過ごしている犬のくり返し行われる行動ですから、人とは比べものにならない使用頻度なのです。

一旦はソファの利用を了解したご家庭でも、やっぱり犬がソファに上がるのは禁止にしようといことで撤回されてしまうこともよくあることです。


●新しいソファに買い換えのときはルールを変更のチャンス

犬のソファの利用についてルールを決めかねているご家庭でも、新しいソファに買い換えようとするときに「犬はソファ禁止」のルールを導入しやすいのです。

まず、犬の立場から考えると、今まで使っていた居場所であるソファをある日急に「ここに上がってはダメ」といわれても混乱してしまいます。ところが、あたらしいソファはまず臭いが違います。自分の臭いも飼い主の臭いもついていないものを、犬は今までとはことなるものとして理解することができるのです。そうなるとルールの導入も比較的簡単です。

ルールの変更による犬の混乱を防ぐためには、現在のソファを利用禁止にする際にも最初はシーツやソファカバーをかけて新しいソファ風にすることを提案しています。できればこの布は、自宅にはないもので新品のものであればベストです。他にも人にもらってくるという方法もあります。ここは臭いの違う新しい空間になったと犬が認識することで、この場所には上がってはいけないという新しいルールも受け入れやすくなります。


●「犬はソファ禁止」のルールを導入するとき

犬に居場所を提案するクレートトレーニングや犬用ベッドの導入、心地よい寝場所の提供など、環境を整えることがある程度進んできたら、新品のソファに買い換えたときに「犬はソファ禁止」のルールを導入することはそれほど難しくありません。

犬にかじられたソファを長い間見つめながら、いつか新しいソファに買い替えたいと思い続ける飼い主さんの気持ちはよくわかります。逆に、よくここまでソファがボロボロになるのを見続けることができたなと感じてしまうこともあるくらいです。犬の破壊力というのは、本当にすごいものなのです。

そしてある日飼い主さんから連絡が入ります。
「ソファを買い換えようと思うんですけど大丈夫でしょうか。」

この「大丈夫でしょうか」の中に、犬はソファをもうかじらないだろうかという不安と、多分もう大丈夫ですよねという期待が入っていることを感じます。

さらに飼い主さんが続けていわれました。
「本革のソファを見つけたんです。買い換えるならあのソファにしようと決めました。」

本革のソファ・・・。穴が空いてしまえば張替えに何万円もかかってしまうようなソファです。
「うーん、微妙ですね。」という答えになってしまいます。

「犬はソファ禁止」のルールを施行するために犬を管理するのは飼い主さんの仕事です。
当然のことながら、一日のうちに飼い主さんが見ていないときに犬がソファのそばにいる時間も
ある程度はあるわけです。

実は、ある程度の環境管理ができる状態になっていれば、飼い主の本気の度合いでその結果が決まってしまいます。ちゃんと管理していないと新品のソファの行く末もわかりませんよとしておく方が飼い主さんもなぜかヤル気になるようです。


●新品のソファを死守する飼い主の本気を受け取る犬

新品のソファが到着しています。
犬は全くソファに関心を示していません。
ソファの下部分に犬用のベッドも置いてあります。
犬はその犬用ベッドにくつろいでいます。
ソファに飼い主が座っても上がってはきません。

どうやらルールは伝わったようです。

新品のソファが到着したときに犬はそのソファに関心を示したり、実際に上がろうとする動作をしようとします。新しいものが来たのですから、今までとおりソファを居場所にしようとするのは当然のことです。自分の臭いがついていないのですから、早速自分の臭いをつけようとするのです。

そのときの飼い主のひと声でほぼこのルールは確定します。
新品のソファに犬を上げたくないという飼い主の本気度は犬には伝わります。

よくソファに上げさせない方法について質問されます。
「どのような方法を使えば、犬はソファに上がらなくなるんですか?」という質問です。

これは方法論ではありません。
犬がソファに上がろうとしたときに、そこはイケナイよというだけで十分です。
それほど大きな声を出す必要はありません。
本気で伝えていけば、必ず伝わるものです。
犬は飼い主をよく観察しています。飼い主がどのような状態であるのかも良く知っています。
そして、真剣なときといい加減なときもよく知っています。

ソファはイケナイと伝えると同時に、犬用のベッドなどをさして「こっちにおいで」と伝えてあげてください。そのためにも犬用のベッドや犬用のマットは、特別お気に入りになるようなものを準備してあげてほしいのです。

グッドボーイハートおススメのベッドはこちらでご覧ください。



犬はルールがはっきりとしていることが安心できるということ

曖昧なルールでくり返し「ダメ」を言われることが大きなストレスになること

ぜひ知ってください。



dav

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犬をソファに上げてもいい?それとも上げない?:犬とソファの関係で悩む飼い主たち

洋風のインテリアが増えています。床は畳よりもフローリングが多く、リビングで人がくつろぐ場所はソファが中心になってきました。


●犬をソファに上げてもいいのか?それともいけないのか?

犬を室内で飼うときに、そのソファの使い方が悩みの種になることがあります。
つまり「犬をソファに上げてもいいのか?犬はソファに上げてはいけないのか?」という問題です。上げる上げないという表現だと人の方にその意志があることが前提になりますが、結局のところ犬が自由にソファを使うのを許してもいいのか、いや犬がソファを使うのは許さないのかということです。

それで飼い主さんからはこんな質問を受けます。
「犬をソファに上がらせない方がいいんですか?」

確かに犬をソファに上がらせない方がいいと思う少数のケースはありますが、原則として犬がソファを使うのは構いません。


●犬がソファを使うとこうなることもある。

ところが、予期せぬことが起きることも知っておく必要があります。犬がソファを使うときには、人と同じようには使いません。人のようにソファを汚さない配慮をしたりソファを傷つけないように使ったりはしないのです。

犬はソファで顔を拭きます。
犬はソファによだれをつけます。
犬は伸びた爪でソファを傷つけることがあります。
犬はソファを掘ることがあります。
犬の毛はソファにたくさんつきます。
犬の体の汚れもソファにつきます。

犬は犬用のベッドでやることを人のソファでもします。
こうした犬の行いを犬の方から考えると「このソファ使ってもいいってことだよね。」ということで、自由に活用しているだけのように見えます。

犬が普通にソファを使ったとしても、中型犬以上のサイズの犬になるとソファはそのうち人用なのか犬用なのかわからないほど劣化していくでしょう。このことを許すことさえできれば、人用のソファを犬が使うことを生活のルールとして取り入れても構わないのです。

犬がソファを自由に使っていてさらにテーブルの上にも上がってしまうという問題を抱えているなら、それは、ソファの使用を許可したことが問題ではありません。この問題は別のところにあります。
ソファを使ってもいいといってしまうと、高いところに登る癖がついてテーブルの上にも上がるようになってしまうということはありませんから、そこは安心してください。


●犬にソファを使わせた方がいいのか?

とはいえ、犬がソファを使うことを推薦しているわけではありません。
犬がソファに使うことを禁止するルールにするしても構わないのです。
ソファを使ってはダメということが犬との関係や犬の行動に悪影響を及ぼすことはありません。

犬にとって一番ストレスになるのは、ソファに上がってもいいのかどうかがはっきりしていないということ、つまり生活のルールが曖昧であることです。

たとえば、こんなソファの使い方は曖昧なので犬にはわかりにくいでしょう。

普段は飼い主がソファに座っているときに犬もソファにきて抱っこしたり撫でたりしているのに、飼い主がキッチンで作業をしているときにソファに上がっていることをダメだといって叱られること

普段は犬がソファで寝ているのを何も言わないのに、お客さんが来たらソファから下りるように言われること

普段は犬がソファに伏せているのを何も言わないのに、ソファに犬が口を擦り付けていたらイケナイと叱られること

犬がソファに寝た後に飼い主が「もうー。毛がたくさんついている!」と言ってプンプンと怒りながらソファの掃除をしていること

これでは、犬はソファをスペースとして使うことが許可されているかどうか分からないという風になり、ルールの曖昧さに混乱してしまいます。

ルールが曖昧で飼い主が喜んだり怒ったりしていることは、犬を混乱させます。


●とりえあえず、家族で話し合いルールを決めること!

飼い主さんは、どちらでもいいから犬がソファを使ってもいい、使ってはいけないのどちらかに決めてくださいとお願いしています。このときお父さん側とお母さん側で少し意見が分かれるのですが、お母さんが「ソファはダメ!」とひと事いえば、まずこれでルールは決定されます。


●犬はソファ禁止のルールは犬に教えられるのか?

犬はソファ禁止のルールを教えるのは、それほど難しいことではありません。
犬は境界線によって作られた居場所がだれのものであるのかというテリトリーのルールにはとても敏感です。

伝え方がうまくいっていないということもあるのですが、もっと違うところにも上手くいかない理由があります。

明日は「ソファ禁止のルール導入が成功した例」についてお話しします。


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