グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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小さなワンコのお山デビュー

梅雨があけた三連休。プライベートトレッキングクラスに参加した小さなワンコは、犬生初のお山体験です。

犬がはじめて自然の中で行動するのを見るのは、飼い主さんにとってはドキドキする体験でしょう。先生である私にとっても同じです。都市環境で自然とはほど遠い環境で生活している犬が、全くことなる環境でいつとは違う状況を提供されるのです。トレッキングクラスは犬のある一面を知る時間になります。

今回お山デビューとなった小さな犬は、事情があって保護され現在のご家族と共に新しい生活をはじめ、飼い主さんと関係作りをすすめているところです。人為的に繁殖された小型犬種で、同じ犬種によくある飼い主さんに頼りがちな傾向があります。クラスの前に、飼い主さんにルールを説明すると共に、トレッキングクラス中の犬の行動予測についてはなしました。

新しいことを体験させるときは、「犬はどのような行動をすると思いますか?」という質問をします。動物の行動を予測することは、起きるかもしれないことに対して心やものの準備を促すために必要です。そして、飼い主が犬のことをどのように見ているのかを、飼い主自身が考える機会になります。

「うーん。どうだろう。あまり自分から離れないような気もするし…。」飼い主さんの答えの中には、不安と期待が混在しています。でもこれでいいのです。不安も期待もどちらも大切なのです。不安は抑制の要素として働き、期待は促進の行為として働いてくれます。

トレッキングに参加した小さな犬は、クンクンと草の臭いを入念にかぎながら右に左にと歩きます。そのうち草を食べ始め、地面になにか臭いのするものをみつけると寝転がって臭いをすりつける行動をみせました。こうした行動にも犬の性格が現れます。
少し離れても飼い主を振り返り、声をかけると戻ってきます。室内や普段の散歩で見るときはお母さんにベッタリの様子なのに、今日はいつもとは違う表情や動きになります。普段は使わない脳の回路が働いていることがわかります。

自由に行動することは、犬にとってすぐにプラスに働くわけではありません。常に管理下にある動物は、自由になることにまずストレスを感じます。ストレス行動も少し見られました。こうしたストレス行動は、日常的にも生じています。その行動の一部が自由行動に移った際に出てくるのです。その行動にガッカリする必要はありません。行動は一度に全てが変わってしまうわけではありません。行動が増えたり減ったりする。特に環境を変えたときに、一時的にストレス行動が増えることはトレーニングではよく起きることです。

愛玩犬として繁殖された純血種の小さな犬にも、犬らしい行動がたくさんみられることがうれしく思います。犬が犬らしくできる時間と空間と、飼い主との関係が、少しの時間から始まって、ゆっくりと継続していくことができるようになれば、今までにない犬と人のつながりについて実感されると信じているからです。

クラスの終了後の飼い主さんの感想は「犬が思ったよりしっかりと歩いていた」
そして「自分がスッキリしました」。犬も同じ感覚だったでしょう。共感性が高まる時間をくり返し体験して新しい関係を築かれること、楽しんでください。

さくちゃん





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