グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 11月 2017

<犬のしつけ方>犬の正常な食欲を見分けるにはどうしたらいいのか?健全な食欲は健康な犬を育てること

犬のしつけ方といっても、オスワリやフセを教えているだけではありません。

生活の中で必要な最低限のルールを合図として教えることは大切なことです。

でも、もっと大切なのは、犬が健康に発達・成長する環境を整えることです。


犬のしつけ方相談の中には、食事に関することが比較的多いのです。

どのような食べ物を与えればいいのか、
どのように食べさせればいいのか、といった疑問にもお答えします。

でも、犬の食事についてもっと注目してほしいことがあるのです。

それが今回テーマにした「正常な食欲」です。


食事をあまり食べないという相談も少なくありません。

犬といえばガツガツと食べるという印象を持たれるかもしれませんが、
最近は、食事を選り好みしたり、食べ飽きてしまったり、
お皿では食べないという食の問題を抱えている犬もいるのです。

逆にガツガツ食べるため食欲があるように見えて、
実際には異常に食に執着する犬もいます。

ドッグフードや犬用の食事を食べないのはわかりやすいですが、
よく食べているのが執着行動だというのは、見ただけではわかりにくいでしょう。

執着行動というのはどの動物にも起こりうるストレス性行動です。

人は犬よりも執着行動は多いですが、その行動を隠す抑制術も備えています。

犬の場合には率直に執着行動を示してくれるので、よりわかりやすいだけです。

犬が特別に不安定だというわけではありません。

ただ、犬の健康的な欲求と執着行動は見分けてあげてほしいのです。

これは、犬の状態が少し不安定ですよということを、
飼い主には理解していただきたいからです。

また、食が不安定で食べたり食べなかったりすること、
これは当然のことながら、その犬の精神的状態が不安定であることを示しています。

見方によっては犬が食べないことはワガママ行動であるように見えます。

人が与えたゴハンを犬が食べないというのは、人にとっては衝撃的なことです。

実際に、ゴハンを食べないときにお皿を口でひっくり返す行動を見ると、
ちゃぶ台をひっくり返しているように見えてしまいます。

そのワガママ行動も、犬の欲求が不安定になることを伝える行動です。


犬の食事については、何をどのくらい与えたらいいのかという
食育に偏りすぎているように感じます。

栄養の数値に振り回される必要もありません。

正しい知識を持つ事とこだわりすぎることには違いがあります。

食育とは、栄養素を与えて動物を育てることではないと思うのです。

犬の心がきちんと育てば、犬は健康的に食べ物を食べてくれます。

犬の心の育て方はありません。

あるのは犬の心が育つ環境と関係性です。


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Posted in 犬のこと

<お預かりクラス>犬の脳は子犬期に響かせること、子犬たちが自然環境で学ぶ社会化学習について

11月という季節には、ヒトという動物も活動期に入っていくようです。

夏の間は動くの辛いなと思っていた感覚とは明らかに違います。

秋の山のお手入れもよく進み、山育ても楽しいものです。
山ではきれいな紅葉も日々落ち葉へと変わっていきます。


この季節に、お泊まりに来てくれる犬さんたちが増えています。

グッドボーイハート生徒さん限定のお預かりクラスです。

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グッドボーイハート七山校に来られたことのない生徒さんの犬ちゃんも預かりしています。

犬たちにとっては初めての場所で、初めての飼い主さんのいない時間です。

特に経験値の低い子犬はテンションが高く上がりすぎてしまい、
抑えをきかせるのには、預かる側も辛抱と体力が必要です。

それでも七山校で犬と過ごすのは、大切な理由があります。

子犬のころに自然環境に接する機会を得ることは、
動物にとって何よりも大切なことだからです。


動物の脳には自然に応える部分があります。

動物としての感性が高い方が、自然の空気を嗅いで気持ちがいいと感じるでしょう。

犬は人よりもこの感性は高く、その脳は自然の環境と響きあいます。

特に子犬のころはこのセンサーは抜群であるのは、
人の子供が感性が高いのと同じ理由であるでしょう。

幼犬期に豊かな草や土に触れ、空気の臭いを嗅いで土の上を走って、
という経験は子犬の脳の発達にとって大切な経験なのです。

都心で育った自分に置き換えても、思い出すのは草のある空き地で遊んだことや、
幼いころに一度だけ行った、尾瀬の川で過ごしたことなのです。

子犬のお預かりには、馴れと落ち着きに時間も必要です。

それでも、子犬の発達を考えるとやはりこの環境で過ごしてほしいのです。

そして、いつか飼い主さんといっしょに山歩きできるようになったらいいねと、
勝手に子犬たちと会話を膨らませて楽しんでいます。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のしつけ方>知らないから理解したい犬のこと、「うちの犬は●●が好き」で終わらせないために

犬という動物の習性やについての理解には基本学習で乗り越えられます。

でも、一頭一頭が行う行動の意味や理由を理解することは簡単ではありません。

なぜなら、犬はすべて性質(性格)が違っている上に、
生活している環境もそれぞれに違いがあるからです。

犬を飼っている飼い主もみな違い、犬にすることもそれぞれです。

育ってきた環境もそれぞれですし、もっといろいろと違います。

どのようなに繁殖されたのか、
どのような場所で生まれたのか、
どのような親犬に育てられたのか、
どのような場で育ったのか、
いつ飼い主の元にやってきたのか、
そして飼い主がどのように育てたのか、

こうした遺伝や経験のいろんなことが犬の現在の行動に影響を与えています。

同じような状況におかれても2頭の犬が同じ行動をするとは限りません。


犬と接しながら犬の行動や状態について知ろうと思うとき、
「この行動は一体どういう意味を持つのだろう、何を表現しているのだろう」と
考えに行き詰ることもあります。

その行動に影響を与えていると思わしき状況をたくさん集めたり、
他の犬の行動を観察したりしてその真意に迫ります。

その行動の意味を理解するのにとても時間がかかってしまうこともあります。

ですがわからないときにこそ、結論を急がないようにします。

不明な行動は「保管ボックス」にいれて、観察を続けることにします。

もしくは「~かもしれない」という推測をたてておいておきます。


犬が別の行動をすることを知ったときに、犬の性質を今以上に理解したときに、
この推測が確信に変わることもあるし、別の結論にいたることもあります。

この保管ボックスにたくさんの「?」が入ることで、
つながりが生まれ、そこから犬の行動を解き明かす鍵がみつかります。


飼い主が犬のことを話すときに「うちの犬は●●が好きなんです。」ということがあります。

よく聞かれる会話です。

「うちの犬は、柵に手をかけるのが好きなんです。」
「うちの犬は、リードを咬むのが好きなんです。」
「うちの犬は、クレートの上に乗るのが好きなんです。」
「うちの犬は、抱っこが好きなんです。」
「うちの犬は、手を咬むのが好きなんです。」
「うちの犬は、タオルをかじるのが好きなんです。」

これらの行動は、本当に犬がその行動を好きなのでしょうか。

犬の行動の意味がよくわからないときにこの「好き」ワードが使われているような気がするのです。

犬がよくやることを「好き」だといってしまえば、もうその先を考える必要もありません。


これはとてももったいないことだと思います。

犬と人は異なる種の動物です。

お互いに知らない部分があることが楽しく、理解しながら近づけることがうれしいのです。

犬と関わる仕事をしている自分でも、まだ知らないことはたくさんあります。

だからこそ、もっと知りたいし理解したいと思う探求心が終わらないのです。

犬が困っているなら協力したいと思います。

犬が何かを必要としているならできる限り提供したいと思います。


そのためにはまず、犬を理解することから始まります。

犬の不思議行動や犬が好きだと思っている行動を、もう一度見直してみましょう。

関係性はいつまでも続きます。

どんなに長くいっしょにいる犬でも、その関係性はずっと変化していきます。

一気に近付かずゆっくりと少しずつ、いつか心から分かり合える日を目指して。

カレン11月

Posted in 犬のこと

<クラス>家庭訪問トレーニングクラスの内容はすべてオリジナルプログラムです。

昨日のブログでクレートカバーのオーダーメイドについてご紹介しました。
<犬のしつけ方>犬の落ち着ける場所クレートはクレートカバーで決める!クレートカバーが作れない方にも朗報あります

最近はなんでもオーダーメイドというのができるようになりましたね。

犬用のリードも、小型犬用のものはなかなかこれというのがない状態です。

生徒さんにご相談するとオーダーメイドで作られる方も増えてきました。

オーダーメイドだと名前を入れることができたり、
ちょっとしたこだわりを加えていただくこともできてなかなか良いものです。

値段が特別高くなりそうな気もしたのですが、案外そうでもありません。


オーダーメイドといえば、グッドボーイハートの家庭訪問トレーニングもかなり近いです。

グッドボーイハートの家庭訪問ドッグトレーニングメニューはオリジナルのものです。

犬のしつけやトレーニングのクラスでお伝えしたいことには、基本メニューがあります。

犬を理解するためにお伝えしたいこと、生活内で取り入れていただくこと、
犬ができるように練習していくことなど、目指す方向はみな同じです。

ですがご家庭毎に犬の生活環境が違います。

犬の性質も違う、年齢も性別もそれぞれです。

犬の現在抱えている問題や最初に取り組みたい課題もひとつずつ違います。

だからグループクラスでこれらを教えることはできません。

グッドボーイハートのトレーニングはいつもプライベートクラスから始まります。


一時的に家庭訪問対応ができなくなり、通学をお願いしていた時期もありました。

しかしやっぱり家庭訪問トレーニングを復活させました。

ご家庭内でのマンツーマンレッスンになると犬の自然な行動がたくさんみられ犬への理解が進みます。


家庭の中で犬と飼い主さんにあった形のオリジナルのカリキュラムですすみます。

まさにオーダーメイド・ドッグトレーニングクラスです。


グッドボーイハートでご家庭訪問できる地域は、福岡近郊と唐津市近郊になります。

写真は唐津城です。ご家庭訪問に伺った場所の近くで撮影しました。

犬と飼い主さんが散歩の中でみる毎日の風景、どれも大切にしたいものです。

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<犬のしつけ方>犬のトイレの失敗はそのうちに良くなると期待しないで。犬のトイレのしつけは自律的行動を引き出すことから始まる大切な社会化学習です。

犬のしつけやトレーニングで最も多い相談は、排泄の失敗かもしれません。

随分前のことになりますが、アメリカのドッグトレーナーの講演の中で、
犬の保護施設の事情についての話を聞きました。

彼女が情報を得た民間の保護施設での犬の引き取り希望ランキングがありました。
引き取り希望理由の一番にあげられたのが「犬の排泄の失敗」でした。

アメリカといえば日本とは生活環境が異なります。

ニューヨークなどの特殊な都市空間を除くと、
子供が生活するような郊外の住宅は室内も広く庭も広いのです。

日本のように、マンションの一室や庭もほとんどないような家ではありません。

そんな環境の良いところなのに、犬が排泄の失敗をしなければいけないという事実にまず驚きます。

そして、排泄の失敗くらいのことで犬を放棄するということにも驚かれるかもしれません。


ところが、この犬の排泄の失敗ですがとても奥の深いものなのです。


犬の排泄のしつけは、よく猫と比較されます。

多くの猫は室内飼育では特定の場所に排泄をするようになります。
ただし、猫の場合にも不妊手術(オスメス共に)をすることが前提でのしつけです。
不妊手術をしていない猫は、やはり室内マーキングをしてしまうことが多いからです。

性的なマーキングをのぞくと猫は室内を汚したりはしません。

なぜなら動物には本能的に自分の生活空間を汚染しないという習性があるからです。

これは衛生的な側面から来ている本能で、病気の感染を広げないようにするためです。


もちろん犬にも同じように、生活空間を汚染しないという習性があります。

犬が生活空間と認識している場所(空間)では、犬は排泄をしません。

でも、犬の方は猫よりも、室内での排泄の失敗は多く見られています。

それだけに、犬のしつけの相談にトイレトレーニングは少なくありません。


これはなぜなのかを考えていただきたいのです。

この部分が猫と犬の大きな違いであるのと同時に、
犬としての動物の特徴を表現する行動でもあるからです。

そのため、犬の排泄の失敗はそれだけにはとどまりません。

犬で不適切な排泄を行っている犬は、他にも必ず問題を抱えています。

他の行動をみていくといくつもの犬の落ち着かない行動やストレス性行動を見ることができます。

中には、咬みつきや吠えるという攻撃性行動に発展していることもあるのです。


室内では排泄をしないのでトイレのしつけが成功しているように見える犬でも、
散歩中はおもらし状態でしか排泄をできない犬も多く見られます。

そのためか最近はマナーベルトやオムツをつけて散歩をしている犬が増えているのでしょう。

アメリカでトイレの失敗が犬を手放す理由の一番にあがったのは、
不適切な排泄をする犬が他にも行動的問題を抱えていたということで納得できることです。

犬の排泄の失敗はそのうち良くはなりません。

子犬のころにはそのうちに良くなるのではと放置してしまい、
もう生後6ヶ月を過ぎていないでしょうか?

だったら今すぐに、犬のしつけ方や犬のことについて相談をしてください。

犬にも大切な一生という時間があります。

排泄の臭いにまみれて暮らしたくないのは犬の方も同じなのです。

飼い主さんにはどうか、より良い選択をしていただきたいです。

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<犬のしつけ方>犬の落ち着ける場所クレートはクレートカバーで決める!クレートカバーが作れない方にも朗報あります

先日久しぶりにイケアに出かけました。

グッドボーイハート七山校の部屋を仕切るカーテンの生地のためです。
数年前にとりあえずつけておいた薄い敷物が化学繊維なので、ずっと気になっていました。

良さそうな布地がスーパーセールになっていので、生地を手に入れることができました。

普段なら、生地を購入してからカーテンになるまでにさらに数ヶ月を要するところですが、
今回はなぜか、ミシンを持ち出してサクサクと、すでにカーテンが仕上がっています。

こうした手作り品の製作にとりかかるのは、適当にしか作らない自分でも億劫なものです。


多忙な中がんばって完成させた手作り品を披露してくれた生徒さんがいました。

作ったものはクレートカバー、大型犬なので大作ですね。

クレートカバー

実は、この犬くんはクレートトレーニング中なのです。
車にソフトクレートを設置してその中に待機して移動する練習もしています。

ソフトクレートにカバー代わりの布を十分にかぶせても、
犬くんはときどきクレートをカリカリとして落ち着かなくなってしまいます。

カバーを作りましょうね~という話は随分前に出ているのですが、
サイズも大きく時間も必要なので完成までに時間がかかってしまったようです。
自分も苦手なので、状況はお察しします。

ところが今回、やっとクレートカバーが完成したのです。

車の中にクレートカバーをつけたソフトクレートを乗せて、
七山校にプライベートトレッキングクラスに来てくれました。

到着して車を見ると、クレート内には犬くんが静かに待機していました。

「カバーをちゃんと作って使ったら、とても落ち着いているんです!
ビックリしました!!!」

と本当にビックリした様子で喜ばれていました。

犬が安心できる環境を整えられて、犬もちゃんと応じてくれるとき、
こんなとき「ヤッター!」と思いますよね。


実はカバーは一部だけ処理を残した状態にはなっていましたが、
それでもクレートカバーの効果は発揮されたようです。

すべての犬が単にカバーだけで落ち着けるわけではありません。

他にも、犬の落ち着かせのために犬が必要とすることを
飼い主さんが少しずつ身につけていったことが基盤になっています。

逆に、クレートカバーをつけていなくても騒がないからうちは大丈夫という方。
あなたの犬は本当に自分のスペースを守れているでしょうか。

不安を感じても犬はすぐに騒いだり吠えたりするわけではありません。

犬によっては表現が乏しく、全く別の状況下で落ち着かなくなることもあります。

移動や住居空間を出た場所でのクレートの扱いには十分に配慮してほしいのです。

布でも良さそうなものだけど、やはりカバーは作ってあげたいですね。


手作りは無理無理!という飼い主さんにも助っ人がいます。

現在、グッドボーイハート生のクレートカバーをオーダーしてくれる方が2名います。


おひとりはグッドボーイハートで一緒に仕事をしてくれていた方、
そして、現在グッドボーイハートで学ばれている方でこちらは手作り作家さんです。

多少の手数料が必要になりますが、クレートカバーの仕上がりで納得されるでしょう。
おふたりとも犬の気持ちになって考えられる方です。
飼い主さんといっしょに考えてより良いものを作り出して下さいます。


時間がない、ミシンがない方は作っていただくというのもいいと思います。

グッドボーイハート生にはご案内いたしますのでご連絡ください。




Posted in 犬のこと

<クラス>老犬のお預かりクラス、老犬との日々を安心して過ごすためにできること

昨日のブログに老犬の七山デビューを紹介させていただきました。

それで引き続きですが、老犬のお預かりクラスについてご紹介します。


グッドボーイハートでは、犬のお預かりクラスをご提供しています。
犬の方からいうと七山に泊まりに行くクラスということです。

犬の預かり先については、飼い主の一番の悩みであることは理解できます。

自分も飼い主という立場で15年間を過ごしてきた中で、一番悩んだことでした。


特に終日もしくは宿泊のどうしても必要な用事のときは、
信頼できる方にお願いするしかありません。

信頼のおける知人や友人にお世話をしていただけるのであれば、
老犬にとってはそれが一番安心できることです。

もしくは信頼のおけるペットシッターの方にお願いできるのであれば、
それもまた、安心できるひとつの対応です。


老犬のお世話をお願いできる時間が短く、夜間不在のため心配だという場合には、
老犬がまだ元気なときにはなれ親しんだ場所でお預かりをするという方法もあります。


グッドボーイハートのお預かりクラスへのお問い合わせを多数いただきます。
中には10才を超える犬のご相談もあります。

ただ、老犬になってから急にお預けを希望されても、対応できないこともあります。

老犬が新しい環境になれるのに時間がかかるかもしれないこと。

老犬と関係を作っていくための時間をどの程度いただけるのかということ。

もしろん、犬以上に飼い主さんとの信頼関係を築いていくためのお時間をいただけるのか
ということも含めて、たくさんの時間が必要になるからです。


グッドボーイハートのトレーニングクラスでお世話させていただいているときには、
犬とも生徒さんともクラスを通して関係作りをさせていただいています。

もしものときに犬が安心して過ごせるようにと、若いころからのお預かり経験をお薦めしています。


これは、多くの飼い主さんが勘違いされていることだからです。

つまり、多くの飼い主は自分の犬が今まで経験したこともないことを
簡単にできると思ってしまいます。

飼い主側に余裕があってお預かりをお受けするときは「できるかどうか心配です。」
といいながら、犬のお泊まり体験にチャレンジされます。

しかし、余裕がなくて預けなければいけない状況になると気持ちが変化することがあります。

犬を誰かに預けなければいけない状況に置かれるということは、
犬ができるかどうかを考える余裕を奪われるからかもしれません。


老犬になってからの急はお泊まりは犬に負担をかけることもあります。

これからの犬の生涯を通して、犬に無理を強いなくていいようにしましょう。


犬のお世話をしてくれる知人やペットシッターを見つけておき、相談しておくこと。

知人や友人に犬を預けてみること。

犬の預かり先を見つけて、犬が負担なく過ごせるかどうかを確認しておくこと。

こうしたことは、飼い主側に余裕のあるときにやっておきましょう。

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すでに9才を超える老犬になってしまい、そうした場所や人が見つかっていないなら、
いますぐにこれらの人や場を探しておきましょう。

人の生活はとても不安定なのです。
人はいつも忙しく、移動も多く、時に犬には多大なる負担をかけてしまいます。

ただ人にはネットワークがあります。

犬のことを理解する人が増えることで、犬を預けられる人も増えることになります。

たくさん犬のことを真剣に学べば、いつかあなたが犬を飼っていなくても、
犬を大切にする知人のお手伝いができるようになるかもしれません。

今夜のグッドボーイハートでは老犬のいびきが聞こえてきます。

数ヶ月からお世話させていただいている飼い主さんの大切な犬ちゃんです。

犬ちゃんたちを預かっているときは熟睡できません。

泊まり込みで犬舎のお世話をしていた若き訓練士時代の習慣が抜けないようです。

もちろん、老犬だからといってがんじがらめにはしません。

歩きたければ歩く機会を与え、臭いたければ臭える環境を提供します。

安心プラス素敵な時間を過ごしてもらいお返しするまでの間は、浅い睡眠でがんばります。

とはいえ、体力に限界もあるということで長期お預かりは現在お受けしていませんが、

犬たちの今日という日が良い日であるように、これからもお手伝いさせていただきます。


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Posted in クラスのこと

<クラス>老犬の七山デビュー、山で家族と癒しを深める時間に

福岡では暖かい日が続きますが、山の方は日々北風が厳しくなっています。

それでもやっと昆虫たちが静まったこの季節は、貴重なシーズンです。


老犬くんでクラスを受講中の飼い主さんから、七山訪問したいという希望を受けました。

老犬の移動にはかなりの負担がかかります。
同時に、老犬でもより良い環境に接することを求めている犬がいることも事実です。

老犬にとっても負担なく、飼い主さんと老犬の時間が必要以上に拘束されないように
かなり考えたのですが、やはり最後は直感でした。

このコは七山に来れるような気がする、なぜかそんな気がしたのです。


老犬になってヒーリングやドッグホームセラピスト講座やカウンセリングのクラスをご利用いただいていますが、1才未満のときに家庭訪問トレーニングでお世話させていただいた犬くんです。

小さいころを知っているので、老犬になって行動がほとんどなくなっているのですが、
やはり多くのことを受け取ることができるのは不思議です。

それで、このベストシーズンにはじめての七山訪問になりました。

ご家族全員で、犬との時間のために協力しあって心配しながらもワイワイと
楽しく過ごしていただけました。

草の上に座ったり立ったりしたのは何年ぶりかとのことです。

土のにおいを嗅いだり、空気の臭いを嗅いだりしています。
自然の臭いに脳がちゃんと反応してくれているようです。

普段は部屋の一部でたっては座りの行動になるのですが、
行動もいつもとは違っていました。

本当に不思議ですが少しの支えしかしていないのに、
どんどんと移動していきます。

家族も犬もリフレッシュして無事に帰宅されました。

すべての老犬に同じ体験ができるわけではありませんが、
犬の能力の限界を人が決めすぎないようにしなければいけません。

もちろん、犬に無理をさせないことは何よりも大切です。
そのためには、どんなときにも犬の表情や行動からのメッセージを見逃さないことです。

これからも最大限のサポートをしながら、明るい老犬介護をお手伝いできればと思います。

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Posted in クラスのこと

<受講生>1才のだいずちゃんが成長し11歳の扉を開けた日々のこと

今回の受講生の感想文は、今年で11歳を迎えた、だいずちゃんです。

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最初にだいずのことで相談したいと思ったのは、ドッグランで小学生の手を咬んだのがきっかけでした。

いろいろ勉強してから、今になってあのことを考えると、だいずなりに「こっちに来ないで」という行動をしていたのだと思います。
でもその時は、だいずの行動の意味がよく分かりませんでした。

他にも、、、いろいろと問題と感じることがありました。
犬を迎える前に「犬の飼い方」の本を熟読していたのに、本のとおりにはならなかったのです。

それで、ドッグトレーニングスクールに相談することを決めました。

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自宅から近くて、家庭訪問で教えていただけるところを探していました。
最初は家庭訪問でレッスンを受けていましたが、その後通学で通うようになりました。

グッドボーイハートが博多駅南から七山へ移転になったとき、最初はとても遠いなと思いました。
運転もあまり得意ではなかったのですが、実際に山の学校に行ってみると、とても気持ちがよく、だいずも気に入ってくれたようでした。

それで、苦手な運転も克服してしまい、定期的に通うようになりました。

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以前は散歩中に引っ張ったり吠えたりが多く、散歩に行くのが大変でした。
自転車や走っている人にもリードを引っ張って吠えていました。
勉強と練習を重ねるうちに、リードを引っ張らずにゆっくりと歩けるようになりました。

犬とすれ違うときは、相手の犬が落ち着いているときには、ほとんど気にかけることもなく、チラ見しながらすれ違うことができます。
でも、飼い主さんが犬をだいずに急に近づこうとしたり、犬から吠えられたりすると、無視することができずに吠えてしまうこともあります。
基本的に怖がりなので、他の犬に吠えられないように散歩のコースを工夫したりして歩くようになりました。だいずが安心して歩ける散歩を心がけています。


七山校に通うようになって、土や草の上を歩いているだいずが、草の上に体をこすりつけているだいずが、とても楽しそうに感じられるようになりました。

都会での生活では味わえない楽しさやリラックス感がありました。

次第に、家族と共に自然に足が向くようになり、ついに都心から郊外へと引っ越すことになりました。

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こうしただいずとの時間を通して、自分たちに必要な時間や生活の場所を考えたり選んだりすることができました。

今、だいずはお庭のテラスでひなたぼっこするのが日課になりました。
暖かいところがとてもお気に入りなので、とても気持ち良さそうに寝ているようです。

以前は室内のトイレだったのに、ペットドアを使って自分でお庭に出て排泄するようになりました。

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最初はすぐに改善されて終わりってなるかなと思ってましたが、もう10年も通っています。

最初は問題を解決するのが目的になっていたのですが、次第に他のことに関心が移っていきました。
たとえば、だいずといっしょに経験しながら学んだり考えたり、だいずの変化を楽しんだりすることの方が楽しくなってきたのです。

だいずだけでなく、他の犬の行動にも関心を持つようになりました。
自分の周囲にいる犬たちの行動も少しずつわかるようになり、たくさんの人が思い違いをされていることも感じられるようになりました。

テレビを見ていても、これってどうなのと思うこともあって、自分なりの考え方ができるようになったと思います。

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だいずのいろんな行動が、実は同じ原因で起こっていることに気づくこともあります。
また、問題はだいずではなく自分の方にあることでも、そう気づけないこともありました。

頭では改善するためにすべきことはわかっているはずなのに、実際に完璧にやっていくのは難しいなという壁にぶつかったりもします。

でも、それも含めて全部だいずのことを考えたり理解するきかっけになるので、とても楽しくやっています。

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だいずはかなり落ち着いてきたと思います。
細かくはいえないのですが、変化したところはたくさんあります。
そしてだいずだけでなく、自分もずい分落ち着いたかと思います。

完璧にすることは無理でも、だいずと自分のためにできることはすぐに実践していきたいと思っています。

これからも、もっとだいずの言いたいことがわかるようになるといいなと思っています。

そして、特別な刺激がなくても、だいずと家族がいっしょに穏やかな日々を送っていきたいです。

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11歳になっただいずちゃんが1才くらいだったときのことを懐かしく思い出しています。

だいずちゃんは小型犬によくあるように、怖がりだけど周囲の生活環境が都心部だったため、
社会化が進みにくく逆に怖がりを強めてしまうような状態になっていました。

限られた環境の中だけで学習を促すことが難しいこともあります。
だいずちゃんはまさにそのような性質と環境が組み合わさったようになっていたのです。

家庭内での環境管理が整い始めたところで、博多駅南にあった学校を七山に移転させました。
そのことでだいずちゃんは山に定期的に通うようになり、その社会性を延ばしていったのです。

山の環境はだいずちゃんと飼い主さんの関係を作っていき、お互いの社会性を発達させるのに
適切な環境であったのです。

運転が苦手だった飼い主さんが、七山まで自力で運転して来られたときは、わたしもドキドキしていましたが、同時にその成長や変化がとても頼もしくパワフルに感じられたものです。

当時は元気に七山校を守っていた犬のオポといっしょにトレッキングによく出かけましたね。

ルールがあればちゃんと守ることができて、自由があるけど自分勝手じゃない行動の意味を
少しずつ身につけていく過程を見せてくれました。

だいずちゃんの中に育った心がとても大切なものであることを、飼い主さんが一番よく感じていらっしゃることでしょう。

飼い主さんとだいずちゃんが見つけた新しい生活や時間の使い方は、犬にとっても安心で心地よく、飼い主さんとだいずちゃんが共感できる生活であるようです。

人側から考えるのではなく、犬側から考えて共感性を高めていくと、お互いにとって大切なものを選ぶことができるようになります。それを実践されていることは底力となります。ここは当人たちしか感じることのできない感覚が生まれていることでしょう。

だいずちゃんは女のコなのに、よく男のコと間違えられていました。
どこかボーイッシュなところがあるのでしょうね。
だいずちゃんがこれからも毎日を充実して過ごせるように、飼い主さんといっしょに考えたり悩んだりできる幸せをわたしも頂いています。

だいずちゃんの苦手な寒い冬がやってきますね。
たくさん暖かくして乗り越えてくださいね。

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Posted in 受講生のコトバ

<犬のしつけ方>子犬に使ってはいけないケージをご存知ですか?犬が不安症になるケージとは

はじめて子犬を迎えるときには、いろんなペット用品が必要になります。

子犬の居場所としてケージの購入をすすめられることがあるようです。

飼い主さんのご家庭に訪問トレーニングに伺うと犬の生活環境が一目瞭然です。

犬用のケージを使われていることはよくあります。

この犬用ケージの使い方に、絶対にこれだけはやってほしくないという使い方があります。

いくつかありますが、今日はそのうちの3つだけをご紹介します。


絶対にやって欲しくない犬用ケージの使い方

その1 ケージの下にキャスターをつけて使用すること

その2 ケージの中に床網を設置して使用すること

その3 ケージを積み重ねて使用すること(多頭飼育の場合)


この3つの使用法では、犬の精神が不安定になります。

こうしたケージの使用によって多くの犬が不安症になっていることは危惧すべきことです。


では、なぜいけないのかを考えてみてください。

犬は地面に脚をつけ安定させて生活する動物です。

そのため、犬は地面に脚がつかなくなると四つ足をバタバタとさせます。

これは、犬のナチュラルな反応で自発的に起こる行動です。


むしろ抱き上げて脚の裏がどこかに接触していないのにじっとしている場合の方が状態は不安定です。

大人しいといわれる犬たちですが、地面におろすと不安定行動が多く見られます。


ケージにキャスターをつけたり床網をつけることは、
犬に不安を学習させることになります。

犬は毎日の生活空間で不安を身に付け成長します。

床網では常に脚をバタバタとさせますので、多動になることも多いのです。


キャスターの使用でケイジが微妙に揺れます。

ロックがかかるから大丈夫と思われるかもしれません。

しかし犬にとってはこの微細な揺れは大問題なのです。


ケージを積み上げて使用されているのもよく見かけます。

犬は自分の上部に何か物体がある状態で不安を抱きます。

前者と同じように、毎日の生活で犬は不安を蓄積していくでしょう。


不安は社会的状態であり、犬の社会的行動でもあります。

犬が不安を抱えて生活しているかどうかは、犬の行動観察で明らかになります。


飼い主は不思議に思われるでしょう。

犬にとって不便なものが、なぜ商品として売られているのか?

犬にとって良くないものなら、最初から販売しないでほしいという不満もあるでしょう。


世の中の多くは、まだ犬の利便性よりも人側の利便性に立っているのです。

床網は排泄物の処理のため

キャスターは掃除が楽だから

積み上げは場所がないから

そんなところではないでしょうか。


犬のことを理解し犬のよき協力者になるためには、
犬にとっての安心安全を第一に考えて選択をしてください。

安心できる毎日の居場所は、犬にとっても人にとっても大切なものなのです。

dav

Posted in 犬のこと