グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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ラジオ番組「月下虫音」で分離不安の話をしたこと

ラブFMの番組「月下虫音(げっかちゅね)」に出演しました。聴いてくださったみなさんありがとうございます。

いつものように、DJの大田こぞうさんと取り留めもなくワイワイと盛り上がりました。
犬の話しになると、わたしよりも大田さんの方がずっと興奮度が高いんですよ。
打ち合わせしすぎるとそこで話が出つくからということで、テーマを「分離不安」にしようねということだけを決めておいて、今回はほとんど打ち合わせなしで本番にいどみました。

番組の中では、犬のわかりやすい分離不安行動のいくつかをご紹介しました。
簡単に述べると「飼い主が犬から離れると吠えて騒いだり、鼻をならしたり、落ち着きをなくしたりする」という状態では程度の差はあっても分離不安傾向があるということです。落ち着きをなくしている状態が、飼い主と離れている環境、室内飼育のお留守番という状況で起こりやすいため、留守中に吠えたり排泄の失敗をしたり、ものを壊したり家具をかじったりしている行動が分離不安としてよく取り上げられます。

留守中に安定しているかどうかは、留守中の部屋の乱れだけでなく、飼い主と再会したときの行動にあわられます。飼い主が離れると落ち着きをなくす分離不安行動は、飼い主が帰宅したときに興奮するという行動として表現されるのです。飼い主が帰宅したら戸口にまっていて、部屋に入るととびつき口をなめる、部屋を走り回る、興奮して走る、おもちゃをくわえてくるなどのテンションの高い行動をする場合には、飼い主との分離が不安定、つまり飼い主と犬の関係性には不安定ですね、というメッセージです。外出の際には騒ぐことがなくても、帰宅したときにこれらの行動が出るときには分離不安傾向はあると考えてください。

犬の行動はすべてにつながりを持っているため、飼い主と犬の関係性が不安定なことは、犬が他の犬や人と接するときの行動にも現れてしまいます。この不安定行動にはいくつも種類があり全てをあげることができませんが、いくつか例を挙げるとするとこんなものも入ります。
人に対してお腹を見せる。
人に対してとびつく。
人に対してマウンティングをする。
人の口をペロペロとなめる。
人の膝の上にのってきたり、体重をかけてよりかかってくる。
他の犬の声におびえる。
他の犬(相手に攻撃の要素がないのに)に吠えたり追い立てたりする。
散歩中に他の犬に近づいていこうとする。

こうした人や他の犬に対する社会的な行動にまで影響をしているのが、飼い主と犬の関係性です。

行動は全てつながっていきます。分離不安というくくりを設けることや診断を下すことに大きな価値があるとは思いませんが、「分離」という心理学の言葉が人と犬の関係性をよりわかりやすくしてくれるという意味では活用しています。犬のことを赤ちゃんと思っていませんか?という質問には、母経験のある飼い主さんは反応が高いです。子育ての経験のある母親なら一度もしくは数回は通った道なので赤ちゃんとの一体化した関係はすごくわかりやすいからです。赤ちゃんはみんな母と同一化しています。もともといっしょだったのですからね。そこからひとりの人として自律していくために最初に必要なことは母親との分離です。お母さんは自分とは違う存在、そして自分は自分なのです。

他の犬に極端におびえたり、拒否反応を示したり、走り回る興奮行動をしやすい犬の飼い主さんは「自分の犬は、自分のことを人だと思っているから犬を怖がるのだ」ということがあります。ですが冷静にみるとこれは逆ですね。犬だからこそ犬に対しては他の動物とは異なる反応を示してしまうのです。反応のあるときはまだ大丈夫です。犬はまだ自分が犬であることを忘れてしまってはいません。犬でなくなったときには目の輝きもうせてしまい、他の犬への反応もなくなってしまいます。他の犬がそばにいても、見えていないのではないかというほど視界に入っていないかのように振る舞います。犬の扉は固く閉まってしまったように。

犬をみておびえたり拒否反応をしたり興奮する犬は、犬である世界にいる犬たちです。お互いに「人」と「犬」として関係性を作っていくことで見えてくることがたくさんあります。人のことが好き、あの犬のことが好き、そんな小さな世界を一歩飛び出してみてください。好き嫌いは妄想の世界というコトバを聴いたことがあります。犬はファンタジーの世界の動物ではなくアニメのキャラクターでもないのですから、妄想の世界で見ていては変化の可能性のあるものにもフタをしてしまい変わっていくことすら許されなくなってしまいます。「うちの犬は先生のことが好きなんです。」といわれると、「いやいや違いますよ。」と思いますが、「うちの犬は先生といるときはいつもと違うんです。」といわれると、そのとおりだと感じることがあります。これは好き嫌いの世界ではないのです。

世界はひとりひとり自分たちの価値観で作られている。
見える人には見えるし、見えない人には見えない。

犬が犬である瞬間がなによりもすばらしいと感じると思う方、たくさんいると思います。
ぜひそんな時間を犬とともに過ごしてください。


グッドボーイハート七山へ向かうの道沿いにはお正月を迎える立派な門松が飾られています。
この季節、七山にはクリスマス的な色も雰囲気も一切ありません。
街中は明るく楽しくクリスマス一色。それはそれで個人の楽しみとしてはいいのだと思います。
山では受け継いてきたことを大切に守りぬいていく、そんな凛とした姿勢を感じます。
人と犬の関係は新しい文化ではなく、本当はすごく古い文化であると思うのです。

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