グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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道の先をいく人

ある生徒さんからこんな質問を受けた。

「犬とつながりのある人って●●さんみたいな人のことをいうんですか?」
その●●さんとは少し前の動物のテレビ番組で有名な人のことだった。

直接会って話をしたことがないのだから、どんな方なのかは私も知らないけれど
その方と動物の間につながりについて関心はなかった。

「私の中で動物とのつながりがあるのはジェーン・グドールですね。」
その名前に生徒さんは首をかしげていた。
この後みんなにも「ジェーン・グドールって知ってるよね。」と
問いかけをして回ったけどほとんどの人が彼女の名前を知らなかった。

初めてジェーン・グドールを知ったのはテレビの特集番組だった。
ブラウン管を通して出会ったその人にくぎ付けになった。
チンパンジーのことを話しているグドール。
チンパンジーと接しているグドール。
それ以来、 私にとっては憧れの人になった。
同時に、遠くにいて近づくことができない人でもあった。

だから興味を持ったら本を読みあさるこの私が
グドール博士の本を一度も読んだことはなかったのだ。

動物とのかかわりについて教師であるその人が
あまりにも遠いことを知ってしまうのが怖かったのかもしれない。
この出会いが私がまだ幼いころであったなら、弟子になりたいとアフリカまで押しかけたかもしれない。
テレビを通してその存在を知ったのは動物と関わる仕事を経験した後、
社会経験を積んでいる頃であったと記憶している。

今回ジェーン・グドールの名前を口にして
今ならグドール博士の言葉を受け取れる気がして、グドール博士の自伝ともいえる本を取り寄せた。

本を読み胸に込み上がるものがあった。
良かった。同じ道だった。

ジェーン・グドールはすごく遠くにいるし、そしてどんどん先に歩いていくんだけど
でも同じ道を自分が歩いていることとを知ったのだ。
同時に、ガイドとしてみんなを案内してきたことに安堵した。

自分で選択して歩いてきた道だから不安になることはなかった。
でも、その道の先にグドール博士がいることを知ったのだ。
正直にうれしいというしかない。
勇気がわき、もっと近づきたいと思うようになった。

ジェーン・グドールがどんなにすばらしい人であっても、「私と彼女は違うから」などと思ったことはない。
私はあの方のように育てられていない。
私はあの方のような経験をしてはいない。
私はあの方のように感じることはできない。

そんなことは「わたしたち」を区別する理由にはならない。
少なくとも「わたしたち」は同じ人間という種である。
そして動物とのかかわりをもつものである。

幼少期にチンパンジーのぬいぐるみとグドール博士が出会ったように、私も6歳のときにスヌーピーのぬいぐるみと出会ったのだ。

「あの人と私は違う」と区別してしまえば、やらなくていい理由をつくることになる。
犬という動物とのつながりについてやらなくていい理由をつくることなどできない。

なによりも彼らの誠実さに答えるべく「動物との真のつながり」という道を
歩みたいと願っているのは自分なのだから。


テント場のオポ2