グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬の稟性(ひんせい)

昔の同僚が仕事で福岡に来たからと立ち寄ってくれました。
20代のころからお互いを知っているため、会って話すだけでも若返ってしまうのは不思議です。

お互いに違う立場ではあるのですが、犬に関わる仕事をしているためか、
再会しても、やはり犬のはなしになってしまいます。


今回も、いろんな「犬にまつわるはなし」をしました。
特に盛り上がったのは「犬の稟性」についての会話でした。

稟性については、聞きなれない言葉だと思います。
砕いていうと性質ということです。

このブログでは、できるだけ専門用語を使用しないようにと心がけているため
性質についても、わかりやすく性格と表現することもあります。

動物の性質が、人の性格の部分だというと理解しやすいですね。

稟性とはその性質のうちの、生まれもって備えた性質を示します。


稟性について追求したいのは、使役犬を繁殖する場合です。

使役犬とは、人が目的をもって犬を作業に使うために用いている犬のことをいいます。
災害救助犬、牧羊犬、盲導犬、麻薬探知犬、などなど、いろいろとありますね。

こうした使役犬のなかでも、障害者が犬を伴うことになる、盲導犬、介助犬については
稟性の安定が追求されます。
犬を扱う人が障害者となり、活動の範囲が自宅のテリトリーを出ることがあるので
行動の安定さが重要になるからです。


さて、家庭犬の飼い主のみなさんはここから、関心をもって読んでください。

犬にはすべて性質があります。
性質は生まれたときに備えている稟性の部分と、生まれたあとに接触した環境が育てた性質によって構成されています。
いわゆる「氏か育ちか」ということです。

純血種を購入される方の中には、できるだけ性質のいい犬を迎えたいと思っている人が
いるのかもしれません。
だとしたら、その稟性の部分をどの程度理解されているでしょうか。


稟性というのは、良い、悪いという評価の仕方にはならないのです。


たとえば、感受性が比較的高い稟性を持っているとすれば、
扱う人によってはとても良いコミュニケーション力を引き出すことができるし
犬の習性や理解度の低い人が育てると、大変に難しい行動を示すようになることがあります。

よく、大人しい犬を飼いたいといわれることがあります。

稟性が「大人しい犬」というのはいないのです。

大人しいという行動には、いろんな表現としてあわられます。
たとえば、緊張して動けなくなる性質をもつ犬は、行動が少ないため大人しく感じます。
服従度が高くいつも尾を下げているような犬は、テリトリーが小さいので大人しく感じます。
好奇心が低く消極的な犬は、活動範囲が狭まるため大人しく感じます。

小さいころに、「大人しい」行動を示す犬は、不適切な環境で育てば
成長後にストレス行動が活発にみられるようになります。
臆病で好奇心が低く、行動できない環境におかれていて、攻撃性が出る月齢になっていなかったので
「大人しく」みえただけなのです。

行動の読み取り方が違うと、これだけ評価が違ってくるということです。


使役犬は、稟性を明らかにし繁殖に生かしながら、訓練の方向性を決めるためにテストを利用しています。
テストを有効にしているのは、テストを受けるまでの犬たちの環境が一定に整えられていることです。
それぞれの犬は一定のルールの中で育てられますが、各家庭で育ってくるため、ルールはいっしょでも
接する人(育てる人)は別になります。

いつも不思議に思うのですが、同じルールで接しても、接する人が違うと犬は少しずつ変わってしまいます。
その中で、できるだけ稟性を絞り込むためにテストを改善しているということでした。
私たちがいっしょに働いていたのは、もう30年も前の話しです。
それよりもずっと前からこうしたことは課題にあがっていました。
犬の専門家であっても少しずつ前進しているという段階です。そしてまだまだ改善を目指しているというのです。


犬と暮らしているみなさんは、性質をわける必要はありません。
ただ、生まれ持ったものと、育てられたものを知りたいと思うかもしれません。
それはぜひ知っていただきたいことです。

どんなにすばらしい稟性を備えていたとしても、
育てる人によって犬は変わります。

逆に難しい稟性をかかえていたとしても、
育った環境によって、それを補う力を身に付けることもできます。

犬は成長が早いですが、何才になっても成長していくことは不思議なことです。

たとえば7歳とか8歳になっても、まだ変化し続けているということ。

自分も中年だからといって、人として成長することを止めてしまっては
生きることを止めてしまようなものだと思っています。

犬の成長とは、何かを教えることではありません。

もって生まれたもの稟性を、ぜひ大切に育ててください。

みんなすばらしいものをもって生まれて来ています。


今日小さな犬の訪問クラスへうかがったときに出た行動をみて、おもわず
「やっぱり、犬だったね。」とわたしがいうと
飼い主さんが
「犬でよかった。」
といわれて、大笑いになりました。

犬が犬らしく、凛々しく行動をしているのを見ると、なぜかうれしくなってしまうのです。

すべての犬の稟性は光るもの。
私はそう思っています。

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