グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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老犬との暮らし:排泄問題

老犬の生活のお世話相談を受けるために訪問レッスンに出かけました。
子犬のころから知っている犬だけに、老犬になっていく姿を見るのは切なくもあり、よくぞここまでがんばったなあと感慨深いものもあります。

犬が老年期を迎えるのは、7歳くらいからかと思っています。
少し早いと感じられるかもしれません。犬の7歳というと人の50歳くらいです。日本は世界でも長寿の国で健康状態もとても良いので50歳といえばまだまだ働きざかりではありますが、少しずつ「老化」を感じる年齢でもあります。犬も7歳といえばまだまだ元気いっぱいに走ることもできるし、よく食べよく寝て元気に過ごしていますが、体の中は少しずつ年をとっています。

小型犬と大型犬では生きている時間が多少違います。一般的には小さな犬の方が長く、大きな犬の方が短いようです。純血種になってサイズの幅が広がりすぎたのですが、実際には心臓のポンプ力はあまり差がないため、犬のサイズが大きくなりすぎると血液を末端までいきわたらせることが難しくなります。そのため亡くなる年齢も大型犬では7歳くらいでも十分に生きたと感じるし、小さな犬になると20歳近くまで生きることもあるので、長生きを期待しすぎることもあります。

13歳を過ぎるころから老齢に伴う生活の変化に準備を備える必要があります。先に述べたように18キロを超える大型犬の13歳というのはかなり体には負担がきています。血液のめぐりが悪くなることによる様々問題をかかえますが、特に排泄に関する問題は深刻です。
今まで散歩や庭で排泄ができていた犬が、歩行の不安定になると排泄の場所は次第にテリトリーの近くになります。庭まで出ていければいいのですが段差が困難になると庭に下りることも難しくなります。庭への段差をどのように作れば犬が負担なく外にいけるようになるのか、リフォームに近い改善の必要性が生じることもあります。マンション飼育の場合には、散歩でしかしなかった排泄をベランダでさせる必要が出てくることもあるでしょう。それもうまくいけば、室内に近い場所で排泄をしてくれるということで問題はありません。

問題は歩行がさらに困難になり立ち上がってトイレ場所まで歩くのが困難になることです。大型犬の歩行補助道具はいろいろと出ていますが、15キロくらいまでの中型犬では少しのサポートでうまくいく歩行の補助も大型犬となるとなかなか難しいものです。無理に持ち上げるというよりは犬が立ち上がろうとするのを補助するという形になるので、タイミングも必要とされるため立ち上がりの瞬間にすぐに駆け寄ったりと補助する方も気が抜けないものです。それでもタイミングを掴んでくると上手に立ち上がったり歩行補助を受け入れてくれるようになります。できることは自分でしたい自律した犬の場合には手を出しすぎないように慎重にサポートしたいものです。

排便も室内でしてしまうようになるケースがあります。便の出る指令を脳が上手に受け取れなくなったり、ちょっとした動きが刺激になって肛門が開いてしまうため、歩いていても、寝ていても便が出てしまうことがあります。犬は排泄後は大変いやな表情をしますが、静かに片付けてあげる必要があるでしょう。

老犬になって外での排泄が大変だったからという理由で、室内での排泄を犬に強いたり、子犬のころに室内でのトイレトレーニングを始めたときに、ずっと室内で排泄をさせ続けることは反対です。小型犬の場合には室内排泄が一般的になっているため、庭やベランダでの排泄を教えることのほうが難しいですが、排泄をどこでするのかは犬のテリトリーの作り方と密接に関わっており、自律して一定の安定したテリトリーを持っている犬は室内での排泄はしません。犬が屋外で排泄することはぜひ尊重するべきことです。老犬になってからの排泄問題は、老犬になってから犬が自力で外へ行くことができなくなるために起きることで、犬にとっても辛いことでしょう。できる限り外に出たいという気持ちを実現させてあげられるようにサポートすることを考え、いよいよ立ち上がりも難しくなったら汚れないようにすぐに清潔にしてあげることを心がけてあげてください。

室内での排泄失敗のためにオムツというケースもありますが、これもできるだけつけない方向で介護をしてあげられればそれがベストだと思います。長時間留守番になるため、排泄で汚れてしまうのがかわいそうという理由で着用される方が多いようです。体の不自由になった老犬の長時間留守番は犬にとっては負担になることです。子犬と老犬には留守番はさせたくありませんね。犬にかかわる仕事のいろいろな形で老犬介護のお世話のお仕事をされる方がいます。グッドボーイハートでも自宅訪問の老犬介護をさせていただきます。毎日となるとお金の負担も大きくなってしまいますので、プロの方とお友達や家族などに協力をあおぐ形で、不自由の少ない老犬生活を送ってほしいものです。

老犬になって屋外での生活であれば寒さに耐え切れず寿命もそう長くはないでしょうが、室内にいれて生活をしてきたのですから、それにあわせて寿命が長くなっているのは本来ならうれしいことのはずです。老犬の行動は子犬に戻っていきますが、自尊心のありようは長い間生きてきた動物のものです。老犬たちが安らかに旅立つまでにできることを、飼い主さんといっしょに考えていきたいと思います。

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