グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>散歩中に他の犬に吠える行動は、他の犬の社会を脅かす

福岡、佐賀近郊の家庭訪問トレーニングに出かけています。

散歩の練習もクラスの内容に組み込まれるため、色々な地域を犬と歩く機会があります。

最近特に感じられるのは、地域の中での犬の数が増え、さらに空間が狭くなっていることです。

空間の狭さを感じるのは、高さのあるビルや家が立ち並ぶことや、公園や空き地、畑がなくなっているからです。

家の数が増えると、車の数が増えて道路の整備が進むと同時に車通りが広がっていきます。


こうした、空間の難しさも影響するのでしょうが、他の犬に出会ったときに興奮したり吠える犬もよく見かけるようになりました。


結論から言うと、家族の犬が散歩中に他の犬に吠えられることがないようにしましょう。

今すぐにできることは、そのような犬に遭遇しないような散歩コースを設定することです。

地域に散歩している犬はある程度時間帯も決まっています。

他の犬に対して吠えたり興奮する犬がいるなら、その犬には会わない時間やコースを考えます。

同じく家の敷地の前を通るときに敷地内から執拗に吠えられる場合には、その家の前は歩かないようにしましょう。

とはいっても、自宅を出たらどうしてもそうした家の前を通過しなければいけないという過酷な状況もあります。

小型犬の場合には、一時的に移動用のバッグに入れて回避するなどの方法も有効です。

中型犬や大型犬の場合にはそうもいきません。

ご近所さんなら話し合ってというところでしょうが、今はなかなか難しいご時勢のようですね。


他の犬に吠えられる状態をくり返すと、吠えられた犬は怯えが強くなり他の犬に対する緊張は不安を抱きやすくなります。

特に子犬期と青年期にあたる1才半くらいまでは、散歩中に他の犬から吠えられるという経験はしてほしくないものです。

直接対面させることがなくても、50メートル先から吠えられる経験をくり返しただけでも、吠えられた犬の方の社会性に与える影響はとても大きいので、注意が必要です。


一方で、吠えている犬はどうかということですが、こちらはあまり影響を受けていません。

むしろ、吠えることで他の犬が近付くことを回避しているのは確かなことなのです。

そのため、自分の攻撃的行動によって自分の安全を確保するという報酬がついてきますので、この行動はますます固定化されていきます。

吠えられている犬と吠えている犬。

吠えている犬の方が不安定に見えてしまうのは不思議ですが、行動がある方がない方よりも目だってしまうからでしょう。

他の犬に吠える犬に対しては、「犬が怖いのね、可哀想に」などといった感情を持つことは不要です。

相手の犬が自分に何もしていないにも関わらず他の犬に吠えてしまうのはその犬の弱さです。

もちろん犬だけの責任ではありません。

その犬の性質の弱さだけでなく、拘束の多い飼育環境や、飼い主の接し方によって生み出される不安定さが、犬の社会的行動を決めているからです。

理由はともかく、自分を攻撃していない犬で、自分のテリトリーを犯していない犬に対して吠える行為は許されないのです。

他の犬に吠えてしまう飼い主の方は、様々な方法での抑止が必要です。

こちらもすぐにできる方法として、他の犬との距離を取って歩くという物理的な方法が有効です。


他の犬に吠える行動について、寛大になりすぎることはおすすめしません。

犬のサイズは関係ありません。

だいぶ吠えなくなったという犬の変化と成長については、きちんと認める必要があります。

ただ、この曖昧な状態で安心して欲しくないのです。


都市空間での犬との生活、難しいことがたくさんあります。

たまには郊外でゆっくりと山歩きでもしてみてください。

自然の中でゆっくりと過ごす時間は、日常の生活にも変化をもたらしてくれるはずです。

正月犬9