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動物愛護の意見交換会

昨日、佐賀県の動物愛護の意見交換会に出席させていただきました。
当初メンバーではなかったのですが、佐賀県庁の職員よりお声がけいただいた事がきっかけで参加させていただくことを決めました。

佐賀県の動物愛護をとりまく民間のボランティアと行政の関わりについて、佐賀県行政の考えやボランティアや動物愛護推進員への意見を求めるという形で行われました。
内容については、行政の役割、動物愛護推進員の役割が整理整頓されていてとてもわかりやすいセミナーで大変勉強になりました。

動物愛護推進員という言葉やその役割について、みなさんはご存じないかもしれません。
実はこれは法律の中に定められたもので、一般のみなさんにとってなじみがなくても、法律なので力のあるお約束事ですので、ここで紹介させていただきます。

「動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)における「動物愛護推進員」という項目の中に示されます。法律なのでそのまま記述します。

第三十八条 都道府県知事等は、地域における犬、猫等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる。
2 動物愛護推進員は、次に掲げる活動を行う。
一、犬、猫等の動物の愛護と適正な飼養の重要性について住民の理解を深めること。
二 住民に対し、その求めに応じて、犬、猫等の動物がみだりに繁殖することを防止するための生殖を不能にする手術その他の措置に関する必要な助言をすること。
三 犬、猫等の動物の所有者等に対し、その求めに応じて、これらの動物に適正な飼養を受ける機会を与えるために譲渡のあっせんその他の必要な支援をすること。
四 犬、猫等の動物の愛護と適正な飼養の推進のために国又は都道府県等が行う施策に必要な協力をすること。
五 災害時において、国または都道府県等が行う犬、猫等の動物の避難、保護等に関する施策に必要な協力をすること。

ここまでででその一部です。
法律の言葉ではとてもわかりにくいですね。
誤解を招かない程度で、少し分かりやすく説明します。

まず最初ですが、都道府県がそれぞれに動物愛護推進員をある方に委嘱することができますよ。ということです。委嘱、つまり愛護推進員としての仕事を無償でお任せする人と協関係を結ぶことが可能ですよ、ということで、必ず愛護推進員をおかなければいけないというものではありません。
しかし、県単位ではほとんどの行政がこの制度を取り入れていると思います。

一のところ、愛護と適正な飼養についての理解を求める、つまり動物の愛護と適正な飼養について啓発してくださいね、という意味ですね。ではなにか愛護で適正な飼養かというのは、この法律の中にやんわりと書かれています、その法律の範囲内で啓発してくださいね、ということであって「私はこうやって飼ったらうまくいったからそうするといいですよ。」というようなアドバイスをしてくださいということではありません。

二のところ、動物たちがどんどん子犬子猫を産んでしまいその動物を殺処分することがないように、不妊去勢手術について啓発しましょうということです。不妊手術以外にも繁殖を防止する方法があるのでこのような言い方になったのかもしれません。

三のところ、これは犬猫が適正に飼育できなくなったら、別の適正に飼育できる方を飼い主が捜すためのアドバイスや支援をしてあげてくださいね、ということです。

四では、国が定めた動物愛護と適正な飼養のために行う催事を含めるもろもろの事に対して協力してください、ですね。

五では、同じく災害時にも決まりごとがありますので、避難保護について国が定める事を啓発し、協力してくださいねということです。

で、結局何がいいたいのかというと、動物愛護推進員は、国が動物の愛護及び管理について決めたことを国民のみなさんにわかりやすく伝える啓発活動を行うための活動員です。

法律や県ごとに定められる条例というものは、大変わかりにくく伝わりにくいものです。
災害が起きたときには犬と猫を同伴して非難してくださいという同伴避難ですら、知っている方はわずかでしょう。それよりも前に「もちろん置いていけませんから連れていきます。」という気持ちはみなさん持っているとは思いますが、国からのメッセージというのは伝わりにくいという現状があります。
「市政だよりに掲載されていますよ。」というと、そこは見てませんといわれるのでなるほどなと思いました。私も市政だよりの気になるところだけを見るだけですし、福岡県や佐賀県からのメッセージとなると、自分から必要を感じないとえられないものです。

ドッグインストラクターであるわたしも、動物取扱業者として国の定めることを啓発する義務を負っています。動物取扱業を営むものは様々な形で、国が定めていることを飼い主さんに伝えるのがその仕事の責務になっているのです。
ですから動物愛護推進員になる必要はありません。
むしろ、動物愛護推進員とは、わたし達のような動物に関わる仕事をしていない一般の方々から選出し
啓発の幅を広げていくために必要な仕事ではないかと認識しています。

現在では、動物取扱業者が愛護推進員をかねるかたちが多くなってしまい、これでは裾野が広がっていかず、本来の推進員の目的が果たせないのではないかと思うのです。

でも、これからですね。
動物愛護推進員は名前だけはあるものの、その育成に関して各県によって力の入れ方が様々だと思うのです。こうした役割は行政との窓口や協力関係をつくるミーティングの場があることによってつくりあげられるものです。動物愛護推進員の仕事は啓発と決まっています。でしたらその啓発活動を県と協力してどのように行っていくのか、この部分がかけていたからこそ、つい専門家に声をかけてしまい推進員を任せる結果になったのではないでしょうか。
国の法律にのっとって、その啓発について自主的に考え積極的に行動できる方はたくさんいらっしゃるでしょう。この仕事は飼い主に指導やアドバイスを与えるものではありません。専門家である必要はなく、むしろ専門家でない方がこの役割について活躍されることを願っています。



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