グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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散歩が苦手な犬

散歩が苦手な犬が増えています。

全く歩かないとか、人や犬への吠えが異常だとか、首輪をつけさせない、リードをすごくひっぱって歩けないというような状態のときに、トレーニングのご相談を受ける事があります。
こちらのブログ記事でも散歩行動のチェックについて紹介しました。→ お散歩チェック

最近は福岡、佐賀地域では小さな犬を飼う方が増えているため、リードのひっぱりや吠えはあまり問題にされなくなりました。また、歩かない事も「散歩が嫌いだから散歩に出ない」という解決法になってしまい、問題にされない傾向があります。

散歩は犬の生活の中でも大変重要な時間なのです。犬が唯一外の社会に触れる機会です。犬の散歩中の行動を観察してそこから情報を得ることの大切さは、「犬の社会性」がどれほど育っているのかを知るチャンスだからです。社会性についてはまだ詳しく紹介していませんが、わかりやすい言葉でいうと「環境への適応性」という意味です。よく社会性を「人が好きな犬」「犬が好きな犬」ととらえ違いされることがありますが、これは社会性とはいえません。好き、嫌いという嗜好は社会性の中には入っていないからです。
社会性は環境への適応力がどの程度育っているかという犬の成長の段階をいいます。

犬がテリトリーを離れる行動によって、社会環境への適応性を見ることができます。
都心部では、犬という動物が適応するのに時間のかかるもの、たとえばたくさんの車はバイク、多くの人、音、強いにおい、狭い土地にたくさんの家が建つことで環境把握が難しくなった風の流れ、など、犬が都市環境の適応するには相当の時間が必要です。

また仔犬のころに室内飼育をした経験も社会性を遅らせてしまいます。予防のためのワクチン接種後、屋外に出ることを禁じられるなどの処置で、室内から全く出ていないとか、ショップでの販売期間が長くなったなどさまざまな理由で仔犬のころの室内飼育は、成長後の社会性の発達に影響を与えてしまいます。

飼い主さんが多忙とか、季節的に日中歩けないなどの環境になると、散歩が暗い夜道になってしまうことがあり、社会性の育っていない犬にとっては、ますます社会化を退行させる原因となってしまいます。

子犬期にかわいがる、甘やかした犬は散歩が苦手になります。多くの飼い主さんが「かわいがる」と「甘やかす」の区別がわかりにくいようですが、甘やかしというのは犬という動物にとって、子犬行動を助長させ成長を促さないような接し方をすることです。例としては、ダッコ、口元をなめさせる、ひざのうえに乗せる、とびつくことを許す、さわりすぎ、よくお腹をなでる、などです。自分のテリトリーを離れて行動するというのは、イヌ科動物だと大人の一員になるための準備です。群れの統率を乱すような動物はいっしょに行動できないので、巣穴においていかれるのです。中身が子犬のままだと、外の社会への適応力は育つ準備ができていないということです。

そして、これが大切なのですが、子犬は群れの信頼できる「おとな」といることで安定した行動を引き出せるようになります。上記の甘やかす接し方が多くなると、犬からみて人間は「頼りにならないな。」と思われてしまい、散歩がとても不安定になってしまうのです。「かわいがる行為」が信頼を獲得するというのは、動物のしくみからは外れていますね。自分を律することができ、安定した行動をできる動物が信頼できる動物です。子犬といえども、飼い主さんのことをしっかりと観察しているんですよ。

これらのことを抑えていくと、犬の社会性の発達は希望がいっぱいです。

毎日の散歩が楽しいことは、犬の生きている世界を変えていきます。


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