グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬のハエ追い行動(フライバイティング)はストレスが原因なのか?

前回のブログ記事で犬の「常同行動」について書きました。

このタイミングで犬が虫を追う行動についてのご質問があったので、あわせてこちらに説明します。

犬が虫を追う行動は、犬のハエ追い行動と同じ部類の行動です。

実際には虫やハエはいないのに、犬が虫を追っているような、ハエを追っているような行動をします。

対象のないものに対する真空行動が繰り返し起きる常同行動です。

飼い主さんから見ると不思議な行動なので見逃されている方も多いのですが、犬の行動観察に関心のある方や、犬の行動に興味を持っている方が気づかれることがあります。

室内でこのような行動をしているのですが…。

と動画を見せていただいたのですが、それは犬の虫追い行動・ハエ追い行動でした。

 

実際にはないものを追うこの行動のパターンは犬の神経症と結びつく可能性もあるため飼い主は、「犬が何かの病気にかかっているのでは」「犬の脳に何か障害があるかもしれない」という不安を抱かれる場合もあります。

しかし、犬の真空行動が出たからといって、必ずしも犬が障害や病気を抱えているわけではありませんので慎重に経過を見る必要があります。

犬の真空行動転移行動転位行動と同じように、犬が葛藤したときに出現する行動でもあります。

犬には葛藤で生じる行動がたくさんあります。

飼い主にとっては犬に葛藤などが生じるということ事態が信じられないかもしれません。

犬でいう葛藤とは犬の欲求が十分に満たされないことで起きる葛藤です。

というと、納得されるのではないでしょうか。

犬が必要とする欲求が十分に満たされていると自信を持って言えるでしょうか。

犬の欲求とは、犬が犬という動物としての習性を発揮することです。

例えば、犬には性的な欲求がありますが、これは不妊手術でその欲求をコントロールすることができます。

しかし、それ以外の犬の本能的は欲求はほとんど満たされていません。

そのために、犬は欲求不満に陥り、葛藤行動を生じるようになります。

その葛藤行動のひとつがハエ追い行動という常同行動なのです。

犬が神経症を抱えていると判断する前にまだできることがあります。

犬の欲求不満を解決するための策を考えてみることです。

ちなみに、山の学校で犬のお預かりクラスをしているときには、普段その犬が家庭内でしている常同行動を見ることはありません。

実際に虫を追っていることはあっても、いない虫を追うことはありません。

犬が病気であるかどうか、犬が障害を抱えているかどうかを決める前にやってほしいことは、犬を自然の環境の中でゆっくりと過ごさせることです。

環境を変えて犬の行動を観察すること。

これも飼い主が犬を知るためにできる大切なことです。

写真はすくすくと成長する犬ちゃん



 

 

 

 

 

Posted in 犬のこと, 自然のこと

そのボール遊び危険ではないですか?犬の常同行動は身近に起きている

昨日、博多の人工的な庭を自然の庭に復活させている試みについて話しました。

人工的な庭を見ていて悲しくなるのは、犬も同じように自然から遠ざけられた存在となったからです。

まず犬の外見は人の好みに整えられてしまい、体形は大きく崩れてきました。

外見だけでなく犬の機能性の損失についてはひどいものです。

もはや自然と会話できるすべを失い始めています。

犬として生まれた後も、人工的な室内にで発育して生活し、人工的なドッグランで走り回るだけの生活では、犬としての感性は芽生えるチャンスがありません。

そうなると、犬の外界とつながる感度は落ちてしまい、その機能は使われることなく封印します。

犬は風を匂ったり感じたり、土のにおいから情報を仕入れたり、草を食べて自分の養分にしたりする時間も場所もないし、その機会を与えられることもなくなりました。

犬はすることがなく室内をうろうろとして犬のおやつをもらい、オテやオカワリなどの芸をして、飼い主の膝に抱かれたり飼い主に触られる刺激を受けて一日を過ごします。

自然との接触を断たれた犬には限られた空気の循環する室内空間しかありません。

犬は現代の人と同じように、頭の中で起きたことをただ繰り返すだけなのです。

頭の中では車の内規循環マークのように、同じことを繰り返す常同行動が続きます。

犬は限られた空間で、ボールをなんども持ってきては飼い主の前に置くでしょう。

犬はボールを持ってくるという行動をなんどもなんども繰り返し、そして疲れて寝てしまいます。

活動するためのホルモンが犬の体の中に作られても、犬はその活動を常同行動に使ってしまいます。

犬は本当にボール遊びが好き?なのでしょうか。

そのボール遊びは常同行動という犬のストレス性行動ではないでしょうか。

健康な犬はなんども同じ行動を繰り返したりはしません。

健康な犬とは、脳の感性が開いている犬のことです。

次々と変化する匂いや温度、湿度、他の動物の気配、そして太陽の動きを感じて生きていることです。

犬の脳の大半はこうした自然とつながるセンスできています。

それが犬の素晴らしく尊敬すべき部分です。

犬から奪いすぎるのはもうやめて、そろそろ犬が持っているものをお返ししたいです。

草の上で休む柴犬くん

Posted in 犬のこと

山で夏休みを避暑地で過ごす犬たち<お預かりクラス>

福岡も唐津市もついに酷暑がやってきました。

暑い夏の間を少しでも心地よく過ごせるようにと、数頭の犬たちが七山にやってきました。

旅行やお仕事の予定がなくても、犬が秘書を兼ねて山で涼しく過ごしてくれたらという飼い主の思いで預かった犬ちゃんもいます。

期待通りに七山のグッドボーイハートはとても涼しいです。

室内ではエアコンいらず、屋外でも木の陰では冷たい風が通り抜けます。

犬たちは朝晩は広場へのお散歩や、日中はそれぞれの木陰の場所に居場所を設けて土や草の上でゆっくりと過ごしています。

夕方になるとテラスの前は夕立の代わりに打ち水をします。

すぐに冷たい風が吹いて打ち水の効果も抜群です。

水を撒くと土が濡れて、犬は土の色になってしまいます。

犬が汚れることを考えると打ち水はなし、でも犬が気持ちよいことを考えると打ち水はありです。

土の上に寝転んだり、草の中に埋もれる犬の姿を見ると、気持ちよさそうだなと思います。

犬がこうして過ごす事を許してくれる飼い主さんに感謝しています。

いつも部屋の中で汚れたらダメ、抱っこするから土の上はダメ、草の上は汚い、といつもきれいにして過ごさなければいけないことは、犬にとってはストレスではないでしょうか?

土の上や草の上で過ごすことは犬にとって自然なばかりでなくメリットもあります。

その最大のメリットとは、犬の体にデトックス効果があることです。

下痢をする犬もいるし、目やにがでる犬もいます。

出始めると犬は活力があがり、動きが多少変わってきます。

体が変化し始めているのを見ている私は感覚的に受け取ることができるくらいです。

こうした変化が犬に起きるには4日ほどが必要です。

短期間の預かりでは実現できないのが残念です。

しかし今回の夏休みのお預かりは少し長めの犬が多くラッキーです。

肉体的にも精神的にも、デトックスは犬にとって良いことばかり。

都会でたまったいらないものはすっきりと絞り出してしまおうね。

まだあと数日、これからも山の匂いを満喫して過ごします。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

暑い!夏場のクレート対策にはサーキュレーターが大活躍する。

例年よりは涼しいとはいえやはり暑い夏となりました。

この季節に心配なのは、クレートの中の温度のことです。

密閉空間となるプラスチック製のハードクレートの中は熱気がこもりやすく環境整備が必要です。

室内エアコンで部屋の温度を一定にさせることはもちろんのことですが、これではなかなか快適なクレート内環境が保てません。

そこで活躍するのがサーキュレーターです。

最近では手ごろなサイズ、価格、風量のサーキュレーターがたくさん出ています。

このサーキュレーターを利用してクレート内にゆるやかな風を起こすようにすると、クレート内の湿度は結構下がります。

ハウストレーニングのある程度進んでいる犬の場合にはカバーを外してクレート中に風が吹き込むように使用します。

まだハウストレーニングが始まったばかりでカバーを適切に使用したい場合には、カバーを大きめにかぶせて風がリサイクル状態で回るようにサーキュレーターを設置します。

心地よく風が入ると犬は落ち着てい眠るようになります。

ぜひお試しください。

Posted in 犬のこと

お預かりクラス中に犬たちの対面をさせつつ犬の社会性をみる。

今回の数日のお預かりクラスでは同犬種を4頭お預かりしました。

みな柴犬たちでした。

ここ数年爆発的に流行っているようで、これまでに柴犬を飼ったことがない人が飼われることも多いようです。

他にも、小さいころに屋外飼育で飼ったことのある柴犬を室内飼いとして迎えた方もいます。

また柴犬のマンションで飼育も今や当たり前になりました。

ほんの数年前までは柴犬といえば庭で飼うものだったはずなのですが、犬の環境は激変しているようです。

その時代の変化の中で変わっていく柴犬たちをお預かりクラスで同時にお預かりすると、いろいろと比較も見えてきます。

今回は同じような月齢の若い犬たちもいたので、一対一の対面の時間を作りながら犬に対する社会性のテストのようなものをやってきました。

数日の時間があったので、サイクルを変えたり環境を変えたり、回数が増すごとにどのような反応になるのかを観察していくのはとても楽しいことです。

長い間犬の仕事をしてきた甲斐があったからか、よく見れるようなったことと、感覚的に得られるものが多くなってきたからです。

ただ、この内容を生徒さんにお返ししようと思うと、なかなか思うようになりません。

一番は対面させているときにはビデオ撮影ができないことです。

両手にリードを持っていることもあるし、対面を制御するために両手を開けていたいという思いもあります。

毎度のことですが、誰かがビデオを撮影してくれないかと毎回思うのです。

携帯で撮影したビデオがありますが、一番大切なシーンは撮影できておらず本当に悔しい限りです。

かすかに得ることができた犬の動画をレッスンのときに見ていただき説明しますがそれでも不十分。

やっぱり犬のコミュニケーションを伝えるには犬語セミナーしかないなと痛感しつつ、こから準備に入ります。


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

【愛玩犬】と【赤ちゃん】犬は全く別物だということをご存じでしょうか。

先日のブログ記事で平岩米吉先生が書籍「犬の生態(築地書籍出版」の中で「犬の用途と種類」について紹介されていることを書きました。

その「犬の用途と種類」の中に【愛玩犬】という種類があることもご紹介しました。

平岩先生の【愛玩犬】について記されたことをここに引用します。

愛玩犬(あいがんけん)

どんな犬でも家族の一員として飼われている以上、愛情の対象にならぬものはありません。しかし、一般には、他に重要な役目もなく、ただいつも飼い主のそばにいて、そのさびしさや退屈をまぎらわらす遊び相手となっているものと、特に愛玩犬と呼んでいます。

したがって、愛玩犬はほとんど小型で、優しいものか滑稽なものに限られ、プードル、ポメラニアン(肩の高さ10センチ)、ペキニーズ、(肩の高さ10センチ)、チワワ(体重一キロ)、狆といったようなものになります。

もっとも、なかには、ボルゾイのような大型のものでも本来の猟犬としての使命を失い、その美しい姿だけをあいされるようになったものもないではありません。

犬の生態 平岩米吉先生著書 より引用

犬が人のそばで役割を持っているとすれば、愛玩犬もまた役割を持っているということであり、その内容なここに書いてあるとおりです。

飼い主のさびしさや退屈をまぎらわすためにいるというのは、実際のところ事実であると思います。

犬がかわいいからそばに置いておきたいという人側の都合は、結果として人の気持ちを救ってくれる存在となっているのは、どなたも認められることですし、それは間違っているとは思いません。

むしろ、人の寂しさをまぎらわすために人のそばにいてくれる動物として犬に感謝すべきだと思います。

ただ、大きく間違っていると感じるのは、愛玩犬と赤ちゃん犬を混同していることです。

平岩先生のいう愛玩犬とは、犬としてきちんと成長した小さな犬や姿の美しい犬のことです。

ところが、今たくさん見られる犬たちは愛玩犬ではなく赤ちゃん犬です。

赤ちゃん犬とは、すぐに吠えたり、トイレを失敗するのでおむつをしていたり、散歩中におもらしをします。

赤ちゃん犬は飼い主がいなくなると騒いだり、留守中に家具をかじったり、布を噛んでひきちぎったりします。

赤ちゃん犬は、すぐにキュンキュンというし、飼い主に飛びついてきます。

赤ちゃん犬は、嫌なことがあるとすぐに唸るし、かみつくこともあります。

赤ちゃん犬は、他の犬たちと上手なコミュニケーションがとれず、走り回ったりするけれど普通に会話ができません。

とりあえず赤ちゃん犬は赤ちゃんなので、人のいうことはききません。

つまりはしつけができるような状態にありません。それが赤ちゃん犬です。

愛玩犬として育てるのであれば、きちんとした犬に育てなければなりません。

赤ちゃん犬として扱われている犬は、成長する機会を与えられることがなく、ひとつの犬格として尊重されていないのです。

飼い主としの責任は犬を愛しかわいがることですが、犬を育てることもまた飼い主としての役割です。

平岩先生が現代の小さな犬たちの行動を観られたら、どのように評価されるのかと思います。

愛玩犬でもいいのです。人を救うすばらしい役割だと思います。

立派な愛玩犬に育てていきましょう。

山岳犬・番犬を務めるきいろちゃん



 

Posted in 本の紹介, 犬のこと

犬が人と暮らす本来の役割って何だろう。

古い書籍を見直すと当たり前すぎることなのに新しい感銘を受けることがあります。

今回は平岩米吉先生の「犬の生態(築地書館発行)」の中に思うことがありました。

犬の訓練士になりたいと思った中学生か高校生の手にした本で、当時の私にとってのバイブルでした。

人はなぜ犬を飼うようになったのか?

犬の歴史について考えると「犬はなぜ人と暮らすようになったのか」という疑問がわきます。

犬側からは答えが難しいなら人側から考えます。

すると「なぜ人は犬を飼うようになったのか」という疑問に変わります。

犬があたかも自分の意志で人のそばにいるように考えがちですが、犬は馬と同じように人に飼われることになったイヌ科の動物なのです。

犬に飼われていない遺伝子学的に一番近い動物は野生のオオカミということになりますね。

人が犬を飼うようになった理由は、犬の習性を人の生活に利用する価値があったこと、そして、犬が人に馴れやすく人の言うことに従う動物であったことです。

では、人は犬の中にどのような価値を見出したのでしょうか。

犬にはどのような仕事があったのか?

犬の利用の価値は犬の従順さと高い適応性によって幅が広がり、犬は実に様々な仕事をして人を助けるようになりました。

人は犬を様々な用途で利用したのです。

犬の用途」とは犬がどのような仕事に割り当てられるのかを言います。

冒頭の書籍「犬の生態」の中には「犬の用途と種類」という章があります。

犬の用途の表には犬種ごとに用途別の名称割り当てで記載されいています。

猟犬

番犬

闘犬

そり犬

愛玩

牧羊犬

軍用犬

競争犬

救助犬

警察犬

水中作業

とこんな風にあります。

例えば柴犬の欄には「猟・番」

ゴールデンリトリバーの欄には「猟」とあるのです。

現代の犬たちはどんな役割を持っているのだろうか?

しかし、ゴールデンリトリバーを猟犬として飼っている方はほとんどいません。

さらに、柴犬を番犬として飼っている人もかなり少なくなりました。

では、現在では犬たちは何かの役割を果たしているでしょうか?

今や身近な犬は猟犬ではない、番犬ではない、この犬たちは家庭犬だと言いたいところです。

しかし平岩先生の「犬の用途の種類」には家庭犬という欄がありません。

一番近いもので「愛玩犬」という種別はあります。

でも家庭犬と愛玩犬は違いますね。

家庭犬とは実に曖昧な言葉ですが、人が飼う犬はすべて家庭犬です。

飼い犬という言葉が否定的にとらえられるようになったため、愛護の観点から飼い犬を家庭犬と言い換えるようになっただけなのです。

では、みなさんの家庭犬は愛玩犬ですか?

私と暮らしていた犬は番犬だった。

私も犬と暮らした経験があります。

小学生からお勝手の横に犬小屋があったシロ。

シロは立派な番犬でした。

中学生のころからいっしょに暮らした柴犬の名前はコニー(洋犬の名前ですみません)

コニーもまた番犬として、そして室内ではネズミを追う猟犬として活躍しました。

訓練士になってから迎えたラブラドルリトリバーのオポ。

オポは番犬として非常に力のある犬でした。

テリトリーの番犬、そして私自身のガードドッグでもあり、七山ではガイドドッグとして活躍していました。

どの犬たちもとても優れた番犬で、役割を果たしてくれたことに感謝しています。

そして同時に、彼らは私の家族の一員でもありました。

当然のことながら愛情を注いでも注ぎきれないほど大切な犬たちでした。

終わりに…犬の用途は犬の能力だと思う

犬をただかわいがるものだと思っている飼い主さんにはなじみのない「犬の用途」という言葉に抵抗を感じられる方もいるとは思います。

しかし、犬が人にとって役立ったという歴史があることが前提で今の犬たちはこうして私たちのそばにいるのです。

そしてその人にとっての用途は、犬にとっての役割であり、そこには働く犬たちの姿がありました。

ところが現在、人と暮らすほとんどの犬の用途は「愛玩」になっています。

ただかわいがるための存在、それが「愛玩」なのです。

能力の高い犬たちに役割がないことは彼らの生きがいにもつながりません。

犬の用途という言葉、私にとっては犬の能力と置き換えることができます。

犬は優れた、素晴らしい動物なのです。

彼らの人生の中で、その役割を発揮させてあげてください。

Posted in 犬のこと

子犬を外に出す時期は子犬の社会化形成に影響する。

先日ブログに受講生の声を寄せて下さった生徒さんと話しているときに重要な話題に触れられました。

その話題とは「感想文には入りきれなかったけれど、一番悩んだのは子犬のはるをいつ外に出すのかということでした…。」ということでした。

子犬をいつ外に出すのかという悩み

多くの方がそうであるように、子犬のワクチン接種が完璧に終了してしまうまで待つと、ワクチンプログラムにもよりますが、長い犬になると生後5ケ月まで屋外には出せないということになります。

ところが、室内で生活している子犬をいつから屋外で活動させるのかは、子犬の脳の発達つまり子犬の社会化に直結しています。

子犬の脳の発達のしくみや社会化のしくみについて考えるとき、子犬の脳を良い状態に整える刺激のない室内では、子犬の適切な社会化が実現しないことは考えればわかることです。

ワクチンが終わるまで外に出せないという考え方は10年前に比べるとずいぶんと弱くなってきました。

なぜなら子犬に対するワクチン接種が始まった当初は、3回のワクチン接種が終了して1週間が終わるまで絶対に外には出してはいけないという指導が起きた結果、犬の社会化形成が遅れてしまい吠えたりかみついたりする犬が増えてしまったからです。

この問題が表に出始めた結果が間違った「抱っこ散歩の推奨」につながってしまったというまた違う問題を発生させました。

しかし、一方でワクチンの回数が2回となった病院もあり、以前よりは少し早めに子犬が外に出るチャンスを得られましたが、それでも子犬の社会の機会としては遅すぎます。

感染症を恐れて子犬を室内に閉じ込めた結果、子犬の脳の発達や精神の発達になんの影響も及ぼさないというなら、好きなだけ室内に閉じ込めても問題ありません。

子犬を出す時期を問題にするのは、子犬の性格形成、脳形成において決定的な影響を与えることだからこそアドバイスする側の私としては引くに引けないところなのです。

ということで、はるちゃんの飼い主さんと「子犬を外に出す時期」について私が早く出すようにといい、飼い主さんが迷うという時期がありました。

結果としてはるちゃんの飼い主さんははるちゃんを自分の計画よりも相当早い時期に適切な場所で過ごさせ始めたのです。

結果として、はるちゃんの社会化形成は進み始めました。

飼い主さんは「この年齢まで屋外に出さなかったとしたらと今考えるとぞっとします。」と言われいました。

私が子犬の屋外活動を開始する時期についてなかなか譲らなかった理由がわかってくださったようです。

いつも子犬を見るたびに「この犬がこうしてこの環境の中で社会化を形成するのか」と考えるときに、やはり同じようにぞっとしてしまい尽くす手はないのかと悩むことしばしばだからです。

子犬のワクチン接種のこと

子犬のワクチン接種は狂犬病予防ワクチンのことではなく、感染性の高い犬の病気の複数をワクチンとした混合ワクチンのことです。

数の少ないものだと3種から多いものだと9種まであります。(数はもっと増えているかもしれません。)

この中で子犬期に感染しやすい病気はジステンパーやパルボウイルスでしょう。

病気を正しく恐れることはとても大切なことなのですが、私たちも今感染症と戦っている最中なので言えると思いますが、正しく恐れることとただ恐れることには大きな違いがあります。

他のワクチン接種と同様に、子犬にワクチン接種をしても感染する可能性はゼロにはなりません。

ストレスにより免疫力が低下すれば子犬は病気にかかりやすくなります。

ではストレスにさらさなければいいのでしょうか?

だとしたらガラスの入れ物の中にいれて子犬を飼育しなければいけませんね。

むしろ、ストレスにたいする耐久力を持たせることで子犬の免疫力を上げることができます。

ワクチン接種をして子犬を室内に閉じ込めて子犬を守ってしまっても、子犬の脳は発達を阻害され、子犬期に発達の機会を失った機能性の低い脳をもつ犬になってしまいます。

今子犬が目の前にいるなら

子犬についての質問を上げます。

子犬は日光に当たっているでしょうか?

子犬は風にふれているでしょうか?

子犬は土の上を歩いているでしょうか?

子犬は草の匂いを嗅いでいるでしょうか?

子犬は虫と遊んでいるでしょうか?

子犬は空から雨が降ってくることを知っているでしょうか?

子犬は刻刻と天気が変わっていくことを知っているでしょうか?

どれも子犬の社会化に必要な素材です。

「犬の社会化ってなに?」

もう一度考えて下さい。

小枝で遊ぶ子犬の小鉄ちゃん



 

Posted in 犬のこと

犬の3歳の扉を開けるとそこに待っているのは…。

お預かりクラスをたびたび利用してくれている犬ちゃんの飼い主さんから「3歳を迎えました。」とご連絡をいただきました。

子犬のころから成長を見守らせていただき、七山では我が家のように過ごしてくれているので、あの子犬だったあのコが3歳になったとなると感慨深いものがあります。

「三歳の扉」が犬にとってとても大切な扉であることは、グッドボーイハートの初期のころからずっと言っています。

犬が3歳の扉を自分でちゃんと開けたかどうか、それが犬の行動に如実に表れるからです。

犬の3歳というと人間では20代後半くらいでしょうか。

ともに社会の中でいっしょになって戦える年齢なのです。

もう一方的に守られる存在ではなく、自律した確固たる自分を持っているということです。

精神的には強くなり、興奮することも少なくなり、幼さよりもたくましさが感じられるようになります。

それが3歳の扉を見事に開けた犬の姿です。

誕生日のすぐあとにお預かりクラスを利用して七山に来てくれました。

子犬のころから成長を見てきたダンナくんも「なんか、今までと違うな。あまり興奮しないし、すごく落ち着いて見える。何か変わった?」

とその犬ちゃんの変化にすぐに気づきました。

「3歳になったんだって。3歳の扉を開けたんだよ。」と説明をしました。

3歳というのは3年です。

石の上にも3年ともいいますね。

そして3年は千日。

子犬のころから3年間、飼い主さんと続いた生活の数でもあるのです。

千日、毎日変わらぬ気持ちで向き合い続けた結果が3年がたち、ここにお互いの関係性が出来上がったと言えますね。

長いようであっという間だったと思います。

今までずっと楽しかったように、これからもずっと飼い主さんとの日々を充実させていくのでしょう。

七山では私たちのお供として、これからもよろしくね。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬の生活環境を整えること:お庭やテラスの目隠しで犬の安心&安全を確保せよ!

犬のトレーニングクラスというと、犬にオスワリやオテを教えることから始まると勘違いされている方がまだまだ多いようです。

犬のトレーニングクラスの始まりは、犬がどのような年齢や状態であろうと変わりません。

犬を迎えたらまずしなければいけないのは、犬が安心して生活していけるように犬の生活環境を整えることです。

例えば子犬の場合には、安心して眠れる場所や排泄場所の確保、犬が安心できる接し方などを身に着けることがトレーニングの始まりです。

犬の環境整備では、犬が安心して活動できるように、ベランダやお庭周辺を整えることも必要です。

今日は、この中で飼い主さんが案外気づいていない犬を不安にさせる環境についてお話します。

それは、お庭やテラスと屋外との境界線の環境です。

庭やテラスから通行人が犬にむかって話しかたり手を出してなでたり、指を突っ込んできたりするようなことはないでしょうか。

通行人が犬に対してこのように接して来られるのは、テラスや庭の低い柵や通気を考えて設置された網の柵が多いようです。

犬がテラスに出ているときに、テラスの向こうから犬を見ていたり話しかけたりする人がいると、犬は大変不安定になります。

もちろん、見たり話しかける人は犬が好きな人なので悪気はないのですが、犬にとってはこの境界線越しに接する行為は、曖昧さにつながり不安を感じさせます。

犬は柵越しに話しかけられると、柵に向かって立ち上がったり、キャンキャンと吠えたり、鼻をならしたり、排泄をしたりするかもしれません。

これらの行動は、犬がその環境で不安を抱えているというシグナルです。

日常的によく来る来客で、室内でも会うことがあり、その人のことを犬が熟知している場合には穏やかな接触ができる場合もあります。

しかし、あまり知らない人や同じマンションの人やいつもそこを通る人で、人側は犬に愛着を持っていても、犬の方が同じであるとは限りません。

実際に、このような曖昧な柵という境界を越して接してくる人に対して、犬が噛みついたという例は少なくありません。

柵を越えて接した人に対する噛みつきの事故は100%人の方がルール違反で犬は悪くないのです。

でも人の方がかみつかれるまでは「今までは喜んで撫でられていた」と主張することで犬が豹変したと思われてしまいます。

犬はずっと同じ主張を繰り返していて結果として噛みつきに発展しただけなのです。

この問題は「境界線があいまいであったこと」。

ただそれだけのことです。

犬にとっての自分の敷地と外部の敷地とでは、直接触れることができない、直接見ることができないことではじめて「境界線がある」と認識されるのです。

中には明らかに外側の人が気づいていないのに、犬の側から外が見えることでわんわんと吠えてしまう場合もあります。

目隠しは境界線をはっきりと作り、犬に対して自分のテリトリーが安心かつ安全であるということを理解させる方法です。

写真は、黒柴ちゃんのご家庭のテラスに作っていただいた目隠しの境界線です。

この境界線があることで、柴犬ちゃんは鼻ならしや立ち上がりや飛びつく行為がなくなりました。

こうした工夫が、本当に犬の立場にたって考えることなのです。

ということは、犬のトレーニングクラスとは「犬の立場にたって考えることを学ぶこと」なのです。

Posted in クラスのこと, 犬のこと