グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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動物たちとの共生と戦い、まずは相手を知ることから

唐津方面から車で戻っているときのことです。中原のバス停を超える付近から左手の山を見上げると一角だけ黄色と橙色がひときわ目立つ綺麗な山があります。あー綺麗だなと思うその山はオポハウスの裏に控える山で、尾歩山(おぽさん)と私が名付けました。

このきれいな山と家の境界線で、先日から野生動物のイノシシとの境界線争いが始まったことを先日のブログでお伝えしました。その後、隠しカメラにその姿を残していたあのイノシシは次第に気配を感じさせなくなりました。

戦いの最中に、もう少しイノシシの行動習性を復習しておこうと自宅にあった本を取り出してみました。その本はこちらです。

野生動物観察辞典(東京堂出版)



野生動物観察辞典「東京堂出版」今泉忠明先生著

今泉忠明先生の本で私がグッドボーイハートの本棚で紹介しているのは「野生イヌの百科」ですが、実はこちらの「野生動物観察辞典」はダンナくんが以前したものです。

ダンナくんがこの本を購入した理由は、猟師の試験を受けるにあたり色々な野生動物の習性を知りたかったからのようですが、本を買って満足したのか本棚に置いたままになっていたのを私が活用しているという次第です。

今泉先生のこの本によるとイノシシの基本情報は以下のとおりです。

分類は偶蹄目イノシシ科、主に夜行性で、本州、四国、九州、淡路島、対馬に分布し、サイズは体長1.3~1.4メートル、尾の長さ約30センチ、肩の高さ約80cm、体重は75キロから190キロ。

体重から想像するとやはり中型犬よりもずいぶんと大きなサイズです。約18ケ月で性成熟に達し寿命や野生では5歳以下とありました。(飼育下では20年)

イノシシが栗林や花壇の近くまで接近していたことを記している蛇行する土を掘り返した後をラッセル痕というそうです。雪の中を滑走するような左右に揺れる独特の痕が土の上に残っています。

また山歩きの最中には牙を樹木や竹に擦り付けた後を見ることができますが、これは牙かけという行動によりつく痕です。他にもヌタ打ちといって体を地面にこすりつける行動をした後にできる沼のような穴を山の奥で発見したこともあります。この行動から起きた言葉が「ぬた打ちまわる」です。

ヌタ打ちは水の流れがわずかにある湿地に見られ、ダニなどの寄生虫を落とすためにすると同時に自分の臭いをつける行動にもなっています。いわゆるマーキング行動ですが、牙かけにもマーキングの意味合いは十分にあるのでしょう。このあたりは犬も同じような行動のパターンを持っているので似ていて面白いです。

牙かけにはもっと重要な意味があるそうで、松の木に牙をひっかけるようにかけて樹液を出すとそれを自分の体にぬりつけてオイルコーティングをするらしいのです。松のねっとりとした樹液をつけたイノシシの皮膚は通常の鉄砲では打ち抜くことができないということで、クマ猟でもおなじようにクマの皮膚は簡単に打ち抜けないというところにつながります。

戦闘情報が満載のダンナくんによると、刺すという攻撃行動にかなうものはないということでした。イヌでいうと牙で咬みつくという行動がこれにあたります。その刺す攻撃である弾も通らないということですから、イノシシの防御機能はとても高いのでしょう。

そんなイノシシの便を犬達は大好きです。イノシシの便は団子状につらなっていて当たり前のことですが独特の臭いを発して、強く発酵したチーズのような臭いです。オポが山の奥からペロペロと舌なめずりをして戻ってきたときに口の臭いを嗅ぐとなんとも言えない臭いがします。こんなときにやっぱり犬は犬だなと思えて、反面はうれしくなります。

犬が好物のイノシシの便の元は、キノコ、タケノコ、どんぐり、卵、木の根、昆虫、山芋、野菜などで場合によっては野生動物の死骸も食べるということです。ジェイの場合はまだそのおとなの味を堪能していないようですが、いつかその日がくるのかなと野生動物たちとの関わりのひとつとして見守っていきます。

「野生動物観察事典」にはその他にも有益な情報がたくさんあります。例えば毒ヘビに咬まれたときの対応などは忘れがちな基本姿勢について触れてあり納得する内容です。

野生動物がご近所さんという生活をすることになったのですから、まずはちゃんと相手を知ることが大切なこと。そうしなければ防御もできないし配慮もできません。日本国内ではオオカミを絶滅させたという記憶がほんのつい最近のことですから、この過ちを繰り返さないように、同時に自分たちの家族や生活をしっかりと守りながら、今後も対策を練ってまいります。

グッドボーイハート生の中には山歩きが日常化されている方もいるでしょう。ぜひ山と山に暮らす動物たちの痕跡に注意を向けながら山に親しんでいただきたいと思います。


 

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野生動物との戦いは里山生活の日常のこと【イノシシ編】

最近のオポハウスの話題は「イノシシ来訪」につきます。

イノシシが来るようになったのは約二週間前からでした。朝起きて広場に出ようとしたときに、広場横の紫陽花の道が破壊されているのを見たのです。

紫陽花の道は、四年前に生徒さんたちが育てて下さった紫陽花を植えた道でトレッキングコースで最初に歩く細い道です。ちょうどオポハウスの前を通るように道が続いています。か弱い斜面だったので紫陽花を植えて斜面の崩れを止めようと思い皆さんに手伝っていただいて作りました。

その大切な皆でつくった紫陽花の道に並べた土嚢袋がみな落とされて紫陽花の上に乗っているのを見て泣きそうになるほど悲しい気持ちになり、またこんなひどいことをする猪に怒りがわいてきました。

あの線状降水帯がきて被災したのが四年前ですが、それ以降はあまりイノシシが家に近づくことはなかったのに、なぜか今年は餌場として降りてくるイノシシが出てきたのです。ヤギを飼い始めたのも同じ時期だったので、ヤギが来てから猪がほとんどくることがなかったと安心していたのですが、ヤギの存在にイノシシの方が慣れてきたということかもしれません。

最初は壊された土嚢袋を積み直したり、その脇を石やレンガで固め簡単な柵を置いてみたりしましたが、同じようなことが一日置きに続いて起こりました。そして次第に少しずつ家に近づいて来ていたのですが、昨日ついに花壇のところまで猪に荒らされてしまいました。しかも、ちょっとだけ黄色のチェーンゲートをくぐって家の方にも入って来ていたのです。


イノシシに荒らされた花壇



花壇は生徒さんたちが少しずつ作って下さっていてとても素敵な花壇になっていたので本当に悔しくてたまりませんでした。イノシシを退治するまでの間だけ、花壇ガードを設置しました。

イノシシ対策で網を設置した花壇



まだやられていないハーブ園の方にもガードを作りました。


さらに、イノシシが降りて来る山側にもガードを付けておきました。こうしたガード作りはこれまでに何回もやってきたことなのでわりと根気強くできるようになりました。小さなことですが里山暮らしで身に着けたことです。都会のようにガードの強い環境ではない里山だからこそ起こりうる動物たちとの戦いのひとつです。

今回はイノシシの来ている場所が家のすぐ横なので、夜布団に入るときには今日もイノシシが来るのではないかと警戒しながら寝るようになりました。昨晩も寝るときに警戒モードで眠りにつきました。なにか、外の自動ライトが点灯した感じがしてダンナくんを起こすベルを2回鳴らしたのですが(このベルについては後ほど説明)ベルは鳴らずにそのまま寝てしまいました。ですが朝起きるとベルは別の場所にありました。夢を見ていたのです。

実は数日前に同じようなことが現実に起こりました。その夜もイノシシのことを考えながら床に着きました。夜中にジェイの気配で目が覚めました。普段なら起きても私の寝ているベッド側に顔を突き出すことすらしないジェイが、珍しくこのときは私の顔面近くまで顔を寄せていたのです。

何時だろうと時計を見ると3時19分、その時、外の点灯ライトが数回点滅したのです。ジェイは小さく鼻を鳴らして部屋の中を動いています。下痢などの時に外に出ることを要求することもあるのですが、このときは違うと思ったのです。ライトの点滅ならイノシシだと。そしてダンナくん緊急呼び出しのベルを3回押したのですがダンナくんが起きる感じはありませんでした。

私も一人で出ていくのには少し躊躇してしまい、ジェイにベッドに戻るように伝えるとジェイはベッドに戻りました。そしてそのまま息をこらして外の様子を伺っていると、やはりジェイがウーと唸っているのです。家に危険が迫っていることを伝えているのだということがわかりました。

朝起きて一部始終をダンナくんに伝えると、はじめはベルは鳴っていないと言い張ったダンナくんでしたが、数回のテストのあと「音を大きくしたから今度は大丈夫」といって呼び鈴に気が付かずに爆睡していたことを認めたようです。

朝確認するとイノシシが荒らしていた場所はちょうど私の部屋に一番近い場所でした。それでジェイも気が付いて侵入者接近を教えてくれたようで、そのことはとても嬉しく思いました。

ですが、ジェイのセンサーもイノシシが通行するくらいでは発揮しないようで、その後はジェイのお知らせもなく、私達も爆睡状態でイノシシの通行を許可し続けている状態です。

ちなみに敵は中型のイノシシ一頭でした。イノシシの通行する場所に暗視カメラを設置してその正体を確認しています。今後は猟師の免許ももち罠も持っているダンナくんがイノシシ猟に取り組む決意を見せていますので期待しています。

クマの問題も大きな問題ですが、野生動物が人を全く恐れなくなるというのはやはり今後もっと違う形の問題に発展しそうです。アフリカなどに旅行に行くと野生動物たちが人を恐れずに行動しているのを和やかにまた気持ちよく感じるということはあると思います。しかし、クマやイノシシが人里に下りてきて土地を荒らすという問題はまた全く別の問題なのです。

もっともっと深く考えていきこの問題を少しでも解決へと向かうために私にできることをと考えた結果、山の手入れに時間を割くことにしました。うっそうとした山に光が入る山となるように毎日少しでも、できることはできる限りという思いで荒れた山の手入れをしています。その山の手入れに犬達が寄り添ってくれると勇気百倍で頑張れます。

山の整備をするさゆちゃんと飼い主さんとジェイ



山の整備をするきいろちゃんと飼い主さん



山の整備は来年の三月まで継続して行っています。やってみたいとか興味があるという方はぜひお手伝い下さい。私にとっては20年近く育てた山なので愛しい山です。我ながら素敵な山になったなと感慨深く山肌に接しています。その山をわが犬と歩く幸せをまた得たのですから、今年は張り切って山を手入れしてまいります。トレッキングしながら皆さんにもその変化を楽しんでいただきたいと思います。

イノシシのその後はまたご報告します。

 

・オマケ

最後に怪しげな「呼び出しベル」についての説明事項。先日、私が室内でダンナくんにヘルプのために名前を呼び続けていたのに隣室にいるダンナくんは全く応答がなく、預かりの小鉄くんが私の声でワンワンと吠え始めました。それでダンナくんが小鉄くんをトイレに出したりして、結局私の呼び声には気が付かなかったという事件がありました。この事件の翌日にダンナくんがアマゾンで購入したのが呼び出し用のベルです。これを鳴らしたら大丈夫だからと私の部屋に設置されました。設置後はじめての非常事態でもベルに反応しなかったためダンナくんのセンサーに対する信頼はだいぶ失われているのですが、ベル音量アップで信頼回復に努めているところです。

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お休みの日に感じたこと、学んだこと。

もう数年前からダンナくんが要望していた「ダンナくんの帰郷」の願いを叶えるために、皆さまにご協力いただいて数日のお休みをいただくことができました。

ところが、休日を直前にしてダンナくんが左手を骨折するという事故が起きてしましました。そこでダンナくんは帰郷計画を断念して治療に専念することになりました。そして、私はそのお休み時間を犬のジェイと満喫することにしました。

 

犬のジェイと車でお出かけ練習

ジェイを連れて外出したことが全くなかったので、車での外出体験も練習をかねてしておこうと初日は佐世保のパールシーリゾートに出かけました。この日は夫婦で外出したこともありクレートを利用せずにバッグスペースにジェイを待機させる状態での移動を試しました。車での移動は訓練期間も含めて慣れているはずのジェイでしたが、左右に大きく揺れる山道には馴染みがないのと、今までなら車では人の足元に居場所を作っていたはずのジェイは足元の方に移動しようとするような行動も見られました。どんな行動にも経験や慣れという習慣性というのが影響されますから、ジェイの行動を見ていてそう感じたのです。

クレートでの移動はできることを確認済みだったので、お休み期間をとおして、車ではバックスペースに待機させる練習を繰り返し、三回それを体験させるとやっと落ち着ていて過ごせるようになりました。大型犬なのですぐにクレートを準備できなくても車に待機することができるようになっている方が安心です。どのような練習も短い期間で繰り返し体験させる方が身に着きます。お休みが数日間続いたからこそできた移動の練習となりました。

パールシーリゾートは犬が歩けるスペースもあり少しだけ水遊びもできました。このすぐ近くにお住まいのグッドボーイハート生の情報では、夏場は犬もいっしょに泳ぐ練習をしていたそうです。“遊泳禁止”と書いてありましたが犬なら泳いでも良いらしいです。整備された公園でしたが水がとてもきれいで、こんなところで水泳教室ができたらすばらしいだろうなと想像しました。他にも散歩中の犬ちゃんがいましたしあくまでも公共の場なのでそこは配慮しながら、ですね。芝生は犬のトイレ禁止の看板もありました。自然公園とは違う空間を気を引き締めながら楽しみました。遊覧船の通過を見学して良い社会勉強となりました。

遊覧船が通過したあとに起きる波と風を感じて踏ん張るジェイ



ちなみにパールシーリゾート内にあるUMIAC(うみあっく)というお店は梅吉くんのご家族のお店です。アミアックにはモンベル、ノーフェイス、ニールズヤードといったお気に入りの製品が置いてありました。モンベルの青い笛を見て新しい企てを思いつきお土産といたしました。

 

くろやぎさんとしろやぎさんたち

お休みのほとんどはジェイと山羊たちと共に山で過ごしました。いつもは係留しているヤギのアールとゼットをできるだけフリー活動させてあげたくて、アールとゼットを12メートルの長さのリードでつなぎ、ある程度はフリーで活動できる状態にして見守りました。

三頭が集まっているのはケンポナシの木の下です。ケンポナシはクロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉樹木です。この季節にケンポナシの実がたくさん落ちているのですが、三頭ともこの実を競って食べています。熟すとナシのような香りと味がして人も食べることできます。ときどき食べてみますがものすごく美味しいというわけではないのですが、甘いので犬が好んで食べるのはわかるような気がします。

しかし、このケンポナシを山羊たちが食べるというのはどういう仕組みなのでしょうか。ヤギは栗の実も食べないし柿の実にもあまり関心を示しません。ヤギはケンポナシを食べるのだろうかとググってみると、なんと私自身が書いたブログやインスタグラムが出てくるだけで他の情報が見当たりません。特にゼットの方はかなり熱心にケンポナシを食べていました。ヤギのゼットと犬のジェイが同じ食べ物を競うように食べている風景を見ていると、普段には見られない同族感を感じました。

ヤギは 犬のジェイとヤギのゼット(中央)、アール(左端)



ケンポナシの効能について調べてみました。

果実は利尿,解毒作用があり,二日酔い,嘔吐,口渇のほか,大小便不利にも用いる.中国では幹の汁をわきがに外用する.樹皮の煎液は消化不良に服用,痔に外用する.葉も二日酔いに煎液を服用する.
太く肉質になった果柄は非常に甘い.(熊本大学薬学部薬用植物円植物データベースより引用)

ケンポナシはまっすぐいに育つ太い幹を持つ樹木なので家屋にも利用されていたようですがケンポナシの柱を使うと酒が水になるといった文章も見つかりました。うちは人も含めてお酒には縁のない暮らしですが解読作用もあるということですから、当面の間は食べて良しとすることにしました。

尾歩山のケンポナシは移転時の山の手入れの際に二本を植えていただいたという記録が残っています。しかし実際に尾歩山にあるケンポナシは5本くらいあります。モミジよりも早く成長して種を高く飛ばした結果、自生しながら増えていったようです。

ケンポナシの実は昨年も落ちていたのですが、山羊たちがこの実を食べていたかどうかをあまり覚えていません。昨年のこの時期はジェイ広場作り(当時は名前なしの広場)に没頭しており、山羊たちとゆっくりと散策する時間を持てていなかったのだろうと反省しました。

中央の木がケンポナシの木



山羊たちにフリータイムをと思ってじっとそばで様子を伺っていたのですが、ケンポナシを食べている時間が相当に長くかかっていたようでほとんど移動していませんでした。長いリードでつながれた二頭のヤギを山に放置したまま、ジェイと少しずつ移動をするとジェイがまた新しい雑草を夢中になって食べています。


画像検索しても植物の名前がわからず、はじめはイノコヅチかなと思ったのですがどうやらこれはイヌタデのようです。すごく巨大なのでイヌタデのように見えないのですが、山にある植物はオオバコであれミツバであれシロツメ草であれ、さらに植えていただいたオクラでさえ巨大化しているためイヌタデではないだろうかと予測を付けています。

イヌタデは人が食用とする山菜で薬効としては以下のようなものがあるそうです。

イヌタデの薬効には、胃炎や健胃作用、回虫駆除、利用作用、解熱作用、そしてマムシに咬まれた際の応急処置などがあります。(AIによる概要から引用)

マムシに咬まれた際の応急処置としては葉を絞って傷に塗るらしいのですが、覚えておきたいと思いました。

こうした薬効成分があることを知らずにイヌタデの葉をむしって食べるジェイを見ながら、人に近づきすぎた犬もまだ動物としてまだ忘れることのない情報や行動を持っているのだなとほっとします。

 

勉強も妄想も、どちらも楽しく

お昼は制作が途中になっているテラスで休憩を取りました。屋根ができあがっていないからこそ見ることのできる秋の絶景を楽しみました。

制作途中のテラスの上で休むジェイ



紅葉の始まる気配を感じられる秋の季節は、いつまでもこのままでいてほしいと思えるほどの有難い時間でした。

ゆっくりとした時間に読書も進みました。今読んでいる本は「風の谷という希望」という本です。みなさんにとてもおすすめしたい本なのですが、最後まで読み切ってからご案内します。もちろんすでに読んでいる方がいらっしゃいましたらぜひお声をかけて下さい。いっしょにワイワイとお話できることもまたグッドボーイハートならではの時間です。

そして最後には小さな喜びであるランチタイムの写真です。ランチとして準備したのは、広島の有名なパン屋さんのパンと、うちのニホンミツバチたちからいただいた蜂蜜の入ったヨーグルトにきなこと黒ゴマをまぜたもの、そして自慢のうちの水でいれたコーヒーです。私のこれからの新たな“夢”が実現するのかどうかがつまった写真です。この夢は本当に小さな夢で、本当に実現するのかみなさんもいっしょに楽しんでいただけたらと思います。オポディまでお待ちくださいね。

テラスでおうちカフェ



そんなこんなでお休みはあっという間に過ぎていきました。

ジェイと水入らずで過ごすゆるやかな時間を通していくつもの気づいたことがあります。解りやすい行動の変化としては、排泄の場所がいつもとは明らかに違ったことです。これは以前から状況に応じて多少の違いを見せていたので、ダンナくんの方も敏感に感じ取っていたようです。

お休みの日々のジェイの排尿と排便場所は大きく広がりました。普段、預かりの犬達がいる時、預かりの犬が落ち着かないとき、何か複数のクラスがあったり人の出入りが多いときは、ジェイが排泄をする場所が家からとても近い場所になります。もちろんテラスの上などではしないのですが、テラスの制作中に道具がテラス前のあちこちに置いていたときにも同じように排泄の場所が家の近くになりました。小さな環境の変化が、ジェイという犬には影響を与えていることがわかります。この変化は今後も続く可能性もあるし、ジェイの暮らしの中で今後は違う形へと変化する可能性もあるし、それも含めてジェイの変化として観察を続けていきたいと思います。

また次の解りやすい変化としては、被毛がとても柔らかくなったことです。普段はあまり大きなことに驚いたりせずに、預かりの犬が到着しても見に行こうとしたりしないし、性質的にはおっとりしているように感じられるジェイですが、実はとても繊細です。ダンナくんは「オレに似て繊細やな…」とよく口にしていますが、神経質ということではないのだけどなと私は黙って思っています。

自分の家に複数の犬が長い期間に渡り泊っているという特別な環境がジェイの暮らすオポハウスの仕事です。そういえば、私の母も父も同じような環境で育っています。母は旅館の娘だったので、自分の暮らす家にお客様が泊りに来るという生活でした。父の方は料亭の息子ですが、やはり自分の住まいにいつもお客様が来ている環境で育っています。そういう意味ではジェイも父は母と同じ旅館のコということになるでしょう。

ですが、ジェイは旅館に泊りに来る犬達と共に成長する機会も得ています。毎日みなと一緒というわけではありませんが、半分くらいの時間を広場に入って過ごしていますし、他の犬と過ごすことをジェイも拒否していません。今後もお預かりしている犬達との時間がジェイにとってもお泊りに来ている犬達にとっても楽しく有意義な時間となるように私達が管理するようにと勤めてまいります。

お休みがあるからこそメリハリもできます。今後もみなさんに思いっきり甘えながらお休みを確保させていただこうと思っています。どうぞ、宜しくお願いいたします。

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犬のジェイとオオスズメバチ【後編】

犬のジェイとオオスズメバチの出会い、オオスズメバチと私の戦いについての記録です。前編はこちらからどうぞ。

犬のジェイとオオスズメバチ【前編】

後編に続きます。

前編では、ジェイと小型犬くんとわたしが三匹のオオスズメバチから退散して広場を出るところまでをお話しました。このままでは広場が使えないため、オオスズメバチを広場から追い出さなければなりません。

いつも大切なときには何故か現場にいないダンナくんは、やはりこの日もオポハウスを不在にしていました。しかし、夕方になるとダンナくんの弟子としてお手伝いに来てくれているとしちゃんが来ることがわかっていました。30代の男性だから頼りになります。

作戦を立てるために、唐津で農家をしている生徒さんに状況を連絡し、何か秘策があれば教えて欲しいという旨を相談しました。生徒さんはすぐに連絡を下さり、良さげなネット情報を教えて下さいました。

その対策とは、木酢を使うというものでした。木酢をクヌギの木につるしたり振りかけたりするとオオスズメバチが近づかなくなるらしいのです。木酢は様々な虫よけとして日常的に使っており、オポハウスには大量に常備してあります。早速、ペットボトルに木酢を入れて樹木に下げる備品を樹木の本数ほど準備しました。

しかし、現在オオスズメバチが集まっている木に近づくことはできません。夜になればきっと山に帰っていくはずだからと待ち続け、21時くらいになって作戦を開始することにしました。私ととしちゃんは養蜂用にもっている簡単な防御服を着て、念のためにライトを軽く照らして、さらには念のためにスズメバチ用の殺虫剤も準備して現場に向かいました。

オオスズメバチさんたちもこんな時間には山に帰っているはずだと思い見に行くと、なんとまだ同じ場所に三匹のオオスズメバチがいたのです。夜になったのに巣に戻らず、クヌギの樹液にみなで集まっています。これはもう直接対決しかありません。

犬の過ごす場所なので殺虫剤を使いたくないのですが、このままではもっとたくさんのオオスズメバチが集まってきて誰かが大怪我をしてしまいます。今回は仕方なく殺虫剤で追い払った後に、木酢を木にスプレーして、木酢ボトルをぶら下げて、わかりやすいように小枝を切って整備をしました。翌日になるとオオスズメバチはいなくなっており、飛んでくるオオスズメバチも木にとまらずUターンしていく姿を見て、広場の安全を取り戻したとほっとしていました。

しかし、そのさらに翌日にはまた二匹のオオスズメバチがクヌギの木に戻ってきました。樹液がたくさんでているようでいつも同じ木なのです。スプレーした木酢の臭いが薄くなってしまったのかもしれません。その後はオオスズメバチを見つけるたびにスプレーを遠慮なく降って追い払っています。大きいのでスプレーが当たっても死ぬことはないのですが、何もしないと占領されてしまうので防衛としてやっています。

預かっている犬達はスプレーをもって立ち上がる私の姿の方に注目していますが、ジェイのようにオオスズメバチにそのものに反応する犬はいませんでした。オオスズメバチは他のハチと同じように黒いものに攻撃するという習性があります。なぜ黒い色なのかについてはいろんな説があるようですが、この習性は間違いありません。

しかし、防衛作戦が効果を上げているようで、広場には安全と安心が戻ってきました。ジェイもその後は大きな反応をすることはありません。

前編にも書きましたが、野生の生物と犬の関わりにはリスクもありますが学びもあります。どこまでを見守り、どこから管理すべきなのかの判断には迷いがでることもあります。もちろん、預かっている犬達であればリスクよりも管理が重要です。しかし、自分の愛犬となると、管理よりも多少はリスクありの方に振れてしまいます。生物との対話で学ぶことという貴重な体験をすべて奪いたいとは思いません。

オオスズメバチはまだ活動期です。今年から来年にかけて、ジェイがオオスズメバチとどのような対話をしていくのかが楽しみです。しかし、黒いから対話なしに攻撃されてしまう可能性もあるのですが、どうだろうねジェイ。


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犬のジェイとオオスズメバチ【前編】

自然という環境の中で犬といっしょに活動することにはたくさんの楽しみがあります。中でも貴重な体験は、犬が野生の生物たちとどのように関わるのかを見ることが出来ることです。

先日出版したグッドボーイハートの本の中にも、犬のオポがヤマカガシというヘビと遭遇したときの様子について書きました。よくいう「もし犬が○○に出会ったら」とか「もし犬が○○と戦ったら」みたいな感じでいろんな想像をするのですが、その想像を超える現実が目の前にあったら本当にドキドキが止まりません。そして今回は、犬のジェイとオオスズメバチについての話です。

黒ラブのジェイは山の学校で暮らし始めてから10ケ月が経ちます。しかしまだ一シーズンも超えていないので、出会う生物も植物もみな彼にとっては新しい対戦相手ということになります。

ジェイは生後一歳九カ月まで訓練施設に入っていました。ジェイの子犬時代について詳しくは聞いていないのですが、ジェイの山に来たばかりの体の使い方を見る限りでは、ジェイは山で過ごした時間はほとんどないのではないかと思っています。都市空間で育ったジェイが山の中で出会う生物にどのような反応を見せるのか、見逃してはなるものかと真剣に見守っています。

先日、オポ広場にジェイと預かりの小型犬の二頭と共に過ごしていました。どちらも草を食べることが多く、この日も地面をくんくんと嗅ぎながらそれぞれにお気に入りの草を探して歩いていました。私は日陰を見つけて腰を下ろし、二頭の様子を伺っていました。

すると、ジェイが数本のクヌギ(どんぐり)の木の下で、突然自分の大腿部あたりに鼻先を向け、次の瞬間には上を見上げました。この反応は、「誰かに攻撃を受けた、しかもそれは上からやってきた」です。そしてくるりと回ってもう一度上を見上げました。

この反応が特に大きな動作だと感じた私は「スズメバチか…」と予測し、「ジェイ、カム」と呼びの合図をかけて私の方に引き寄せました。私とジェイの距離は20メートル位です。何かの虫に集中していたジェイは、一回目の合図には反応しませんでしたが、二回呼ぶとこちらに走ってきました。

犬が虫などの生物に対してやっていることを止めるべきか見守るべきかは、瞬間的な判断が必要です。全てを止めるべきではないが、状況によっては管理も必要です。スズメバチはこちらが攻撃すると反撃に転じることもあります。それが一匹ではなく複数になることも想像されるので反射的は攻撃はデメリットが多すぎると判断した上で、合図での管理をしました。

ジェイが私の元に走ってきたあとに状況を確認しようと立ち上がると、ジェイが再び木の下に走っていきました。そして、木の下で顔を上に向けて回っています。鼻先で危険な何がなんであったのかを確認しようとしています。一旦は私の元に来たもののすぐに戻っていくということは、ジェイは攻撃を受けた何かに執着している状態だったということです。それが何であるかを確認するという作業がまだジェイの中で続いていたということです。

犬が自然環境の中で危険を感じることなどよくあることです。その危険度も低いものから高いものまで様々にあり、危険度の高さは攻撃を受けた度合い、その気配の音や色やにおいなど様々な情報によって決められます。ジェイの頭上で飛ぶ昆虫は樹々の間に隠れて目視することはできません。おそらく音と臭いが気配となって伝わってきたはずです。

これらの対面は、当然のことながら経験の多いものは落ち着いて対応し、経験の浅いものは興奮してしまいます。自然環境での活動が未熟なジェイの動きは、興奮が高い上に執着が強く、これ以上の探索は危険だと私が判断しました。ジェイを再び呼び寄せて、遠くの木に係留しました。

もう一頭の犬はこの全ての状況に全く気付いておらず、草をにおう散策を離れた場所で行っていたので混乱を避けるためにこの犬の方には声をかけずにそっと現場に近づいて状況把握を開始しました。

そして木に近づいてビックリしてしまう風景を見たのです。クヌギの樹木のちょうど私の目線よりと同じくらいの高さに、三匹のオオスズメバチが集まって活動しているのです。オオスズメバチといえば世界最強のスズメバチです。ご親切なことに黄色と黒色のはっきりとしたボティで「危険ですから近づかないで下さい」とメッセージをくれています。

これはまずいです。絶対にピンチの状況です。振動に敏感なオオスズメバチを刺激しないように、すばやくしかも静かにジェイのところへ戻って首輪を持ち、同時に小型犬の名前を呼んで出口の方に移動を始めました。

ところが、いつもはすぐに走って来るこの小型犬くんが草に夢中になっているようで私の合図に気が付きません。オオスズメバチを恐れて大きな声を出せなかったのもありますが、とにかく早く広場を出なければと、念を入れて名前を呼び続けるとはっと気づきこちらに走ってきました。そして二頭とわたしは無事に、広場を出ることができました。

しかし、オポ広場はオオスズメバチに占領されたようなものです。

オポ広場を奪還せよ!

ミッションがスタートしました。後編に続きます。

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動物と対話する人「ジェーン・グドール博士」が逝去

当ブログでもなんどか触れ、ホームページの私のプロフィール欄には尊敬する人としてご紹介しているジェーン・グドール博士が、10月1日に91歳で逝去されたとニュースを拝見しました。まずは、深くご冥福をお祈りするとともに、博士の動物に対する愛の深さに感謝いたします。

ジェーン・グドール博士についてあまりご存じない方も、チンパンジーが道具を使うことを初めて野生のフィールドで観察して発表した人だというと覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。もしくは、黄色い枠の雑誌、ナショナルジオグラフィックの表紙で森の中を短パンで歩く、美しく若い女性の姿に覚えのある方がいるかもしれません。

1960年代という時代に、まだ動物の専門家でもない若い女性が単身でアフリカの野生動物の森の中に派遣されるという実話は、信じられないような話でしかありませんでした。

その上、その若き女性はチンパンジーをこよなく愛するばかりでなく、毎日森の中にひとりで出かけていって、人との接触が不可能な野生のチンパンジーと大変長い時間をかけて距離を縮めながら交流を深めていくという物語のような人生です。アフリカの森を全く知らない私もその光景を想像しながら、動物と人の豊かな関係の可能性についてワクワクと心を躍らせました。

ジェーン・グドール博士の繰り返し言う「Hope in action」は、私の中にも根付いています。どんなに素晴らしい考えやアイデア、どんなに美しい動物との関係性も、行動なくして実現することはありません。私の道に大きな力を与えて下さったジェーン・グドール博士に恥じぬよう、どんなに細い道でもどんなにゆっくりとした歩であっても歩き続けていきたいです。

以下のジェーン・グドール博士の活動についての文章は、ジェーン・グドール博士が設立したジェーン・グドール・インスティテュートから送信されたメールの中から抜粋させていただきました。

引用ここから

ジェーン・グドール博士について

1934年4月3日、英国ロンドン生まれ。26歳のときにアフリカの野生動物への情熱を胸にタンザニア・ゴンベへ渡り、チンパンジーの野生研究を開始。彼らの生活に「隣人」として入り込むアプローチは画期的でした。1960年の「チンパンジーによる道具使用」の発見は世界を震撼させ、人間と動物の関係を根本から見直すきっかけとなりました。

1977年にはジェーン・グドール・インスティテュートを設立し、博士の研究と理念を世界に広げました。1991年には「ルーツ&シューツ」を創設し、75か国の若者が思いやりある市民・リーダーとなることを後押ししています。晩年も博士は年間約300日の講演活動を続け、野生動物の危機や環境問題、そして希望の理由を語り続けました。

博士は国連平和大使であり、大英帝国勲章デイム司令官を授与されています。直近では2025年、米国大統領自由勲章を受賞し、科学と地球への尽力が改めて称えられました。

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雨が降ったり晴れたりを繰り返しても淡々と過ごすとき

福岡県、佐賀県に大雨警報が出ていましたが皆様ご無事でお過ごしでしょうか。

三年前に線状降水帯で災害を受けた七山の学校の記憶もまた新しいためご心配をおかけいたしましたが、こちらは斜面の崩れる気配もなく安全、安心で過ごしています。

明日から晴れに向かうようですが、しぶとくも今日もまた雨と晴れを短時間で繰り返す天候が続いています。


晴れた!と思った次の瞬間にはザーっと雨。雨だな、としょぼんているとファーと晴れて来る。慣れるまでは気持ちが上がったり下がったりしますし、犬達を避難させたり広場に出したりと忙しく立ち回るために犬も興奮してしまいます。

こんな風に晴れたり雨になったりと気分次第で変わるのが天気なのだと諦めてしまうと降っても晴れてもどうでもよくなって、むしろ落ち着いて過ごすことができます。

私達の方が気持ちを決めてしまうと犬達も右往左往することもなくなり、激しい雨が降ると木の下や小屋の周辺に塊るように避難し、小雨になると再び活動を始めるという風に落ち着いて過ごしています。


犬の方は私達という管理者がグループを統率していることをわかっていますから、こちらの気持ち次第で犬の落ち着きは違ってきます。こうした管理者の心の動向は常日頃から犬に影響を与えています。

犬を何度も飼育した経験があるか犬についての基本的な知識がある程度身に着いていれば、犬のちょっとした変化にドキドキすることもありません。しかし、犬を初めて飼う方や犬を何度も飼ったことはあるがどう育てたのか記憶にないという人の場合、犬の小さな変化にドキドキしてしまいそのことが犬を負担にさせることもあります。

なんでも始まりというのがありますから、初めから完璧を目指してということではなく、犬という動物は飼い主の気持ちに敏感なのだということを頭に入れておいて、犬に何か異変があったときにもまずは「大丈夫」と言い聞かせてゆっくりと対応をお願いしたいです。


犬はとても自浄作用も高いためちょっとした環境の変化で下痢や嘔吐をすることもあります。人間なら驚くような血便をしたとしてもそれがすぐに大病に結びつくわけではありません。

逆をいうと、犬の方が朝晩ちゃんと排尿、排便をする健康な動物であって、人の方が圧倒的に下痢、便秘、過食を繰り返す病的な動物です。最近読んだ書籍によると、お腹が空いている状態を長く続けてきた動物であるわたしたち人間が短期間で飽食になったことが人が病気をしやすい理由だと書いてありました。全くその通りだと思うのだけど食欲を抑えることは難しいです。

さて、こうして晴れても雨でもどうにでもなれという気持ちでここ数日を過ごし続けた結果、わたしの気持ちも落ち着いてきました。雨に濡れてしまう犬達が気がかりではありますが、タオルは山ほどあるし拭けばいいのです。毛が退化した小型犬にはドライルームも完備してあるし、犬は体温が高いので毛はすぐに乾いてしまいます。


雨は辛かったですが真夏の暑さの中でひとときの涼をいただきました。暑さこそ犬の敵ですから、とりあえずこれでお盆を迎えれば山の学校には秋がやってきます。

福岡はきっと蒸し暑いのだろうなと想像していますが、山の方は涼しい風が通り抜けていき梅雨時期のような湿気を感じることはありません。私が一年の間でもっとも大好きな季節「秋」、ツクツクボウシが鳴き始めたら秋の到来です。

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ヒグマ事件から考えるヒトと動物の境界線とそれを伝える役割について

北海道でクマが人を襲った事件が起きたことで、いろいろと考えることがありました。

ある程度、考えがまとまってからブログに書こうと思っていたのですが、答えがはっきりとでないまま考えを巡らせてしまい今日に至りました。

事件の経緯としては7月12日に北海道でヒグマが新聞配達中の男性を襲って殺害し、同月18日に現場近くで偶然、ハンターにより射殺されたヒグマとDNAが一致したことで同個体であることがわかったというものでした。

ヒグマは体長が2メートル、体重が218キロだったらしく、動物園以外でクマに接したことのなくても、人を襲うには十分のサイズでありその殺傷能力も高いものであることも十分にわかります。

また、このヒグマが4年前に女性を襲ったクマであることもわかったため、このヒグマは繰り返し人に対して攻撃を繰り返していたことになります。

 

ヒグマは人を恐れないのか?

今回の事件で報道されているヒグマの行動についての解説の中で関心を持ったことは二つです。

一つ目は、ヒグマはどういう目的で人を襲うのかということ。

二つ目は、このヒグマが日中も人の居住区をうろつくなどの行動を繰り返していたこと。

動物が人を襲うには何らかの理由があるはずです。捕食のため(食べるため)、自分のテリトリーの中に外的が侵入したと感じたため、脅威を感じたためなどが主な理由です。

ヒグマが人を食べるために人を襲うという可能性もゼロではないようです。ヒグマは雑食動物で木の実や魚を食べるイメージが強いのですが、立派な牙をもち肉食をする消化機能も持っているからです。

しかし、ここでもっと問題にしなければいけないのは、本来は森林に住むはずのヒグマがなぜ森林から離れた人里まで頻繁に降りて来るようになったのかということです。

このヒグマの行動のパターンについて説明するニュースの中に、OSO18と名付けられたヒグマとの比較についてのコメントがあり、興味深く聞き入りました。

OSO18は最初に被害が確認された2019年から駆除される2023年までの間に、66頭もの家畜牛を襲ったクマの個体名です。

OSO18は、多数のわなにもかからず監視カメラで確認できる回数も少なく、非常に警戒心が高いためすることができずに家畜を襲われ続けたということでした。家畜の被害が大変大きかったことから、行政も民間も総力で取り組まれたにも関わらず4年という長い期間を逃げ続けながらも家畜を襲い続けたヒグマの最後は、偶然見つけたハンターによる駆除でした。

OSO18の行動にみることができるように警戒心が非常に高く人の気配を避けて行動するというのは、ヒグマの行動としては普通であるように思えます。ヒグマと人は長い間に渡って衝突を繰り返してきた歴史があるからこそヒグマは人を恐れ、人に近づかないようにすることで人とヒグマの境界線が保たれていたはずです。

ところが、昨月北海道で人を襲ったヒグマは人を恐れることなくなんども目撃されています。日中、人里をうろついていることもあり、また別のヒグマも住宅街をうろつく映像が撮影されています。

ヒグマが警戒することなく人里に近づくようになり、人を見ても逃げることなく攻撃する、人のゴミに執着したり、人を食べる個体がでるなど、ヒグマの人への執着はこうした行動を繰り返すことでさらに激しくなりそうです。

 

何故ヒグマは人を恐れなくなったのか?

警戒してなかなか人の前に姿を現さないヒグマと、人を恐れず日中も市街地をうろつくヒグマ。どちらも問題ではあるのでしょうが、人にとっての脅威は後者の方です。

ヒグマに限らず野生動物は人を恐れなくなりつつあるというのを山暮らしで感じることがあります。山の学校の近くをうろつくもっとも恐るべき動物は、イノシシです。

イノシシは雑食の上に人肉を食べることはないためヒグマとはまた違いますが、予期せぬ接近で人を襲うことないとは言い切れません。

最近はあまりないのですが、以前は犬と山歩きをしている最中に山の中でイノシシと遭遇することがたまにありました。

しかし、イノシシは私と犬に出会うと必ず逃げる、また夜に庭先に姿を現しても人や犬の気配を察知するとやはり逃げるという印象でした。

ところが、最近のイノシシは庭先で人を見てもすぐに逃げようとしません。イノシシは人を見ているようで人という動物の気配に以前のように敏感でなくなったように思えるのです。

イノシシの農作物被害はまだ大変大きなものなので、山のあちこちにわなが設置されていますし、猟期になるとそれぞれの山で猟師がイノシシ狩をしています。

しかし、そもそも山里に住んでいる人間の数が50年前と比較すれば圧倒的に少なく、このあたりも限界集落と呼ばれる地区ですから、いつも設置してあるわなくらいではイノシシも人から狩られる恐怖を忘れてしまいます。

ヒグマと人の境界線も緩くなってしまった理由は、イノシシと人の間の境界線が緩くなった理由と同じではないでしょうか。

 

囲われて生きているのは野生動物なのかそれとも人なのか?

都市空間で行き交う多くの人の活動の中にいると、パソコンの画面に出てくるヒグマの姿は山に閉じ込められた動物という風に間違った感覚に陥ることがあります。

逆に山の家に暮らして感じるのは、囲われて生きているのは山に住む野生動物ではなく都市空間に住む人間の方です。

山の家の敷地や周囲の畑にもたくさんのイノシシ除けの金網が見られます。イノシシ除けの金網のある風景、それが日本の里山の風景です。

人が守る敷地や人が暮らす市街地にはそれを守る物理的な境界線がいくつも作られており、民家の周りは壁や木々で囲われています。

物理的な境界線を設置し、見えない境界線を動物たちに伝えることで自分たちの生活を守っているのが人間という動物だと思います。

見えない境界線については、その境界線を野生動物たちが越さないように、常に境界線越しに野生動物を追い立てる行動を日々繰り返していなければなりません。この野生動物の追い立て役として最も活躍しているのが犬達なはずです。

ところが犬は家畜化やペット化が進んだ結果、人に寄り添う能力は十分に持っているけれど、野生動物を威嚇して追い立てる程の能力や精神力を持ち合わせることがなくなってきました。

特に相手がヒグマともなると家畜化された家庭犬には難しいことは想像できます。イノシシと遭遇しても怯むことのなかった黒ラブの愛犬オポでも、ヒグマを目の前にして対峙することなどはできるわけもありません。

最近ではサルと追わせるモンキードッグもあるように、クマと人の間に生じる問題を解決するために訓練育成された犬をベアドッグとされているそうです。

今回の様々なニュースではベアドッグを取り上げているものを探すことができなかったのですが、このような取り組みはもっと広く認知されるべきではないかと思います。

ベアドッグは犬ではなく狼犬として繁殖された者の中から、ベアドッグとして適性のあるものを育てているということです。

狼犬であることがペット化された犬とは全く違う遺伝子であり、非常に特殊な感性を持つ人々によって育成されていることが想像できます。

きっとすばらしい能力をもつであろうベアドッグの今後の活躍を多いに期待しています。

私の足元にいる犬達は、とてもクマに対抗できるような犬ではありませんが、どんなに小さな犬にも我が身や我が飼い主に危険が迫ったときには、決して相手を興奮させず、しかし必要に応じて吠えて威嚇する防衛能力を発揮して欲しいと思います。

家畜化したとはいえ狼の末裔であることを犬には忘れて欲しくない、そしてまた自分自身を家畜化した人であっても、私自身も戦う動物であることを忘れたくありません。

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グループトレッキングクラスを開催+花木をたくさん植えました。

4月のグループトレッキングクラスを開催しました。

暑さの続く日でしたが、トレッキングの日は朝から曇り空、そして少しだけ雨も降りました。

天候の変りやすい山の天気なので、小雨は気にせずに山歩きを決行しました。


長い時間をかけて作ってきた関係のある仲間たちとの集団行動は犬を落ち着かせていきます。


山道の途中では、ヤギのアールとゼットが草を食べながらお出迎えします。


犬たちももうヤギには馴れたものです。お互いに距離をとって相手を尊重するのが社会性です。


一列になって歩くと長い列になりますが、みんなで一つの群れです。誰かが声をかけると止まる、先頭が歩き出すとみな進みます。


新緑がまぶしくキラキラした山の風景が広がります。


トレッキングの後は対面のクラスを開催しました。

同じ犬との対面も成長とともに変化していきます。

犬のJも参加させていただきました。

クラスの後にいただいたのは、オポハウスのニホンミツバチたちからいただいた蜂蜜で作ったレモネード、もちろん生徒さんのお手製です。

蜂蜜の甘さに香りもあってものすごく美味しかったです。

おぽみつ使用の自家製レモネード



クラスの終了後、この日の午後の作業はオポハウスに花と木を植える作業です。


J広場には赤マンサク、白マンサク、ヤマボウシ、ミモザを植えました。

オポ広場にはキンモクセイ、広場の外には挿し木で育ててもらった紫陽花たち。


入口のガーデンにもたくさんの花を植えていただきました。

クリスマスローズも追加されました。

樹々の成長も一気にというわけにはいきません。それぞれの樹々や花々の成長に応じた環境と育てる人が必要です。そう考えると犬も全く同じです。そして、その成長を楽しませてもらっているのが私達の方です。

思い出すことがあります。この山に移転した十八年前には、山の杉の木を伐採したあとにモミジ、͡コナラ、サクラ、イチョウ、ケンポナシを植えていただき下刈りしながら育ててきたのですが、慣れない山暮らしにてんやわんやで、一本一本の成長を見届ける余裕がありませんでした。

樹々は大きく育ちひとつの山となり毎日の生活に豊かさを与えてくれ、犬との山歩きのクラスではたくさんの癒しを与えてくれて感謝しています。

本日植えた木の中には日陰を作りたくて植えた木もたくさんありますが、結果を求めずに植えた木や花たちの成育のために環境を整え、成長を見守りそれを楽しませていただくことをこれからはもっと大切にしたいと思います。

出会いがすべてのご縁です。どのご縁も大切にしていきます。


 

 

 

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ヤギのRとZ、お誕生日おめでとう!

今日はヤギのRとZのお誕生日、二頭とも二歳になりました。

二年前の春のことを思い出しています。

ヤギを飼おうかなと知人の紹介でヤギのいるカフェを紹介してもらいました。多久市にあるカフェを訪れると、そちらもヤギをもらって来られたとのことで、ご親切に紹介して下さったのが波佐見で古民家を改装したお宿でした。

早速、古民家のoniwaさんに連絡を取ったのですが、残念ながらオスのヤギは去勢術をしてしまったため仔山羊が産まれる予定はないという話でした。今回はご縁がなかったのだな、私にはまだ早すぎたのだろうなとヤギを飼うのを諦めていたところでした。

ところが、二年前の今日の日、4月17日にoniwaさんから「仔山羊が産まれました」と連絡が入りました。妊娠しているかもしれない気配はあったもののまさかと思っていたら…ということで、どうやら去勢手術をする直前に勝手に交配をしていたらしいのです。産まれた三頭のメスのうちの二頭をこちらにお迎えすることが決まりました。

向かって一番右がZ、一番左がR



初めて対面したときには膝の上に乗れるほどの小さかったRとZが、20キロ近いおとなのヤギへと成長しました。小さな山羊たちでしたが草を食べる勢いはものすごく、生い茂っていた登山口もあっという間に芝刈り、笹刈りをされていきました。いまでは小さなすみれが咲く風景となり、ヤギが来る前の写真と見比べると驚きます。

斜面の草刈の大変さをお手伝いしてほしくて迎えた山羊たち、草刈としては十分な役割を果たしてくれていますが、それ以上にヤギという動物について学ぶ機会となったことをありがたく思います。

ヤギのZの方は、賢く逃走傾向もないため最近までフリーで過ごさせていたのですが、斜面の工事やグラスシートの貼り付けをしたことで係留するようになりました。また、フリーにするもうひとつの欠点は、花を全部食べてしまうことでした。紫陽花やつつじの花には関心がないのですが、最近はシャクナゲや生徒さんたちが素敵な花壇を作って下さっていることもあって、しばらくは係留しながらできるだけあちこちにつなぐようにしています。


RとZでは全く知能のレベルが違うため、同胎の上に同じ環境で生育しているのになぜこれほど違うのかと思うのですが、そういえば私の母も「同じように育てたのにどうしてこんなに違ったのか」と憂いていたのを思い出し、それが動物の面白さなのだと納得しています。

犬のJは圧倒的にZに関心を持っていて、Zにまとわりついては頭突きをされることを繰り返しています。近づくと右往左往するRと違って、ちゃんと対面して頭突きをするZのコミュニケーション力の高さと自立性の強さに、いつも尊敬の念を抱きます。


Rの方は無駄な行動が多いのですが最近は個性として楽しむようにしています。山羊柵に頭を突っ込んで取れなくなるのを何度も繰り返しているので、柵の周りを木枠で囲む作業が終わったところです。

突っ込んだから取れるはずなのですが、しかも突っ込んで取れなくて鳴くなら学習すればいいのになと思うのですが、そうならないのがRです。道をなんども間違えるように「やったことを覚える」という基本学習を繰り返すのでなんども突っ込んでしまうので、見つけたときは“やぎのアールさん”というようになりました。逃走傾向の高いRが落ち着いて草を食べているときはほっとします。

ヤギと暮らすなど考えたこともなかったことが起きてヤギたちは2歳に。ヤギの寿命は犬と同じくらいですが、ヤギは医療の処置を受ける機会がなかなか得られないのです。しかし想定した以上にヤギという動物は強いことがわかりました。

RとZの毎日に安心が生まれるようにこれからもできることにトライしていきます。


多久市のスローカフェさんはこちらから→https://www.instagram.com/slowcafe_taku/?hl=ja

波佐見町のお宿oniwaさんはこちらから→https://oniwa.fun/

 

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