グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 5月 2011

御礼詣り

今週はじめから梅雨の到来を感じるようなたくさんの量の雨が降った。
いつもは心地良くその存在を知らせてくれる近くの川も、轟々とうなり声をあげ、ただひたすら雨音が続いた。
その長い雨が降り始めた日にそれは始まった。

いつもの朝食の後、部屋に戻って一旦伏せたオポがすぐに座りなおした。
座った後ろ姿をみると何かが起こっているのがわかる。
体に不調を感じていることを訴えている。
そのまま部屋から出て横になりじっとしていた。
こうしたとき私は必要であれば手を出すが、そうでなければいつでも声をかけていいよという距離で見守ることにしている。

この日はいつくかの来客の予定があった。
お客様がきたときにはオポの部屋にはいってもらい
戸口を閉めているが、この日はそれができそうにない。
動けないというシグナルと、ここから動きたくはないというシグナル。
状況の中でできることを選択してオポの居場所を確保した。

午後になってお客様が全てお帰りになると
オポの様子は午前中よりも難しくなっていた。
数週間前にぎっくり腰になったのでそのようなものかと思いもしたが、どうやら今度はそうではないようだ。
来客の後すぐにテラスに這うように飛び出たあとは、座ってはいるが背中の痛みは一向に収まる気配がない。症状に名前をつけたくはないけど「ヘルニア」なのだと知る。

痛みが強く排尿に出ることができず、夜中までテラスで過ごしたあと
数センチずつお尻を引きずる様にしながら部屋の戸口の内へ倒れ込んだ。
この夜は私にできること・・できるだけの手当てを行った。
伏せたまま痛みのためか数センチずつ床を這うオポの背中に手を当て続けた。

オポが庭で排尿をしている姿が見える。
「オポ、よかったね。トイレに行けたんだね。」
目を開けるとそこにはオポの背中があった。
夢だった。うっかりうとうとと横になったらしい。
体中から緊張が感じられこちらも苦しくなる。
でも支えでありたい。

明け方になっても雨は一向に止む様子もない。
ところが曇り空の向こうに太陽の昇ってくる力を感じたのか、薄明かりが差してくるとオポがグッと起き上った。

立ちあがるんだ。
タイミングを逃さずすぐに目の前のドアを開けた。
這いずりながら外に出て1日ぶりに排尿を自力で行った。
ところが排便の方は背中の痛みが強く、格好はするけどキューと声をあげて力なく腰を落とした。

帰りは雨に濡れたまま戻ってくることができない。
傘をさしたまま数十分。ようやく部屋に戻ってきた。
その後も動けない状態が続いたが戻ってきたのは食欲である。
昨日は食べることもできなかったがなんとかして食べようとしてる。
緊張はまだ続いている。息は荒く舌は白く唾液がでずに口が乾燥している。
こんな状態で食べることができるのか。

でも慎重にオポをみながらそれがストレスの表現ではないことを確認しながら、食べる物を与え背中に手を当て続けた。
すごく長い時間がたっているように思えたが、2回目の夢のお知らせを受けて夕方には自力で排便ができた。

その夜、やっと自分の部屋に戻ってきた。
外との距離を測っていたのだろうか。
次の日にはいつもの寝場所のソファに乗ってみた。
そして相棒のトリさんをくわえていた。
こうして日常が戻ってきた。

山での学びを得ていなければこうしたことにはきっと弱かった。
何故こんなことになったのか。
どうやればよくなるのか。
よくならなかったらどうしよう。
こんなことをぐるぐると考えめぐらしていたかもしれない。
ところが不思議とこうした思いはない。

背中はオポの古傷である。私が思い込みの知識で行った過剰な運動が背中を痛めた。
やりすぎないようにと気をつけていたはずだけど
他にできることがあったのに選択できなかった。
でもそれは結果ではない。気づいたときはまたそこから始まる。
今度は治癒のすばらしさを私に教えてくれた。

このことで予定をキャンセルさせていただいた。
どなたも快く承諾して下さったことで力をいただいた。
遠隔ヒーリングや祈りを送ってくださった方もいた。
オポがひとりで治癒を実現しているわけはない。
そこにはたくさんの力が集まって彼を支えていることに気づく。
そのつながりは契約ではない。
ながいながい時をかけてつないできたものだろう。

治癒というのは動物の底力だと感じる。
治癒とは病気のことだけではない。
癒しはどんな動物にも起きるチャンスがある。
準備ができて委ねれば始まるのでは・・。

今日、久しぶりに晴れ間をみた。
庭にでて草を食べるオポがいた、が様子が違う。
少し歩いてみようよと逆に誘われる。
ほんのそこまでの足慣らしかと思ったら
軽い足取りで一気に山をのぼりきった。

これが真実か。
土を食べ、いちごを探し、筍を臭って、命の水をいただく。
そして山の頂上でいつものように姿勢を正している。
「御礼詣りだね、オポ」

今のオポは、あの雨の降り始める前のオポとは確かに違う。

キャベツを食べるオポアップ-150x150

Posted in オポのこと, 日々のこと

テントの会つづき

この日の夕方、テントの会に参加する犬と飼い主が到着した。

テントといえばアウトドアスポーツというイメージをされるかもしれないがそうではない。
なんということもない。
ただ「土の上にテントを立てて犬と人が一晩を過ごそうよ」という会。

Good Boy Heartの他のクラスと同様に何を感じ何を受け取るかは自分次第。
それは一刻毎に変化していて、参加するたびに自分の中のミラグロ(奇跡)と出会う。

今日のねぐらを確保するテント張りに、犬と飼い主が山へ出かけていった。
ゴールデンウィーク中はテリトリーの見回りを欠かさないとなりの彼が、見知らぬ犬の到着を嗅ぎつけ、ここの門前を横切った。その彼の後ろから追従する動物たちをオポがみている。
この耳の上がり方をみれば相手の察しはつく。


猫田さん親子、ふたりそろってお手入れ中らしい。
ひたすらみつめるオポの存在に気づきつつも
知らんぷりを通してせっせとお手入れを続けている。
そのうち道に寝転んでゴロゴロしてまったりとしている。
柵越しに観察を続けていたオポだったが、動き出そうとしない猫田さんを迎えるのをあきらめたのかやがて庭の方に自分も草を食べにでかけていった。

庭をウロウロとするうちにたまに落ちている野菜をみつける。
オポのオヤツ用野菜をときどき庭の所定の場所におく。
こうしておくといつでも好きなときに食べている。
冷蔵庫で腐ったりもしないし土の上で乾いたりぬれたりしながら、オポの都合でそのうち全部食べてしまう。
生の野菜を口にしない犬もいるみたいだけど、野菜も発酵を重ねれば犬の負担も少ない。
キャベツを食べるオポの横でそれをみる私の視界にはいってきたものがある。
すかさずシャッターを押した。

庭の奥にいるわたしたちの姿にきづかなかったのか
私にはきづいてもオポにきづかなかったのか
もしくはきづかれないように来校されたつもりだったのか。
朝見たようにやはり白いお母様の方が先にゲートをくぐろうとしている。
私が何かを感知したことをオポが察知した。

こんどは走り出さず焦点を合わせて近づこうとしているが猫田さんはすでに猫毛をたてている。
ほぼ同時に走り出した・・・

こうなってくると対話とは程遠い。
ただのパターン行動になっている。
猫田さんがいなくなると再び野菜を食べつづけるオポ。
なんか、ヤケ食いのようにも見てとれる。

途中で顔をあげて門の方をみている。
何かいいたげな顔。
何かいっている顔。
なんども追いかけられているのになんとかしてグッドボーイハートに参加しようとする猫田さんの熱意に応え何かあたらしいツールを考えておくかな。

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Posted in オポのこと, クラスのこと

テントの会

猫田さんとオポのやり取りの最中、山ではテントが無事に張り終えたらしい。

テントを張ると犬は「今日はココがテリトリーになるんだね。」ということが分かるみたい。
ドキドキする犬もいるだろうし、ワクワクする犬もいるだろう。

家の近くではテラスにクレートなどを置きいつでも犬がそこへ戻ることを選択できるようにしている。
とくに家の周辺はオポがしっかりとガードマーキングをしているので、オポとの関係がうまくつくれないと多少の緊張も伴うもの。

ちょっとの時間だけど関係を作る練習。
関係をつくることの苦手な犬が多い。
原因を探してもきりがない。
原因を探す時は「できない理由」にならないように注意したい。

ケンカをしない、一緒にいても平気、走り回って遊ぶことを、つながりができていると勘違いしないようにしたい。
犬と犬が関係をつくる中で、人と犬が関係をつくる中で
その間を流れているものは目に見ることはできないが実はみることができる。

みえる動物にはそれがみえる。
犬たちはみんなみえている。
でもどうやって創っていくのかを知らないことが多い。

それは自分がだれかとそうした関係になることを重ねて実際に体験しながら知ることだからだ。
だから、いつでもそれを創っていくことができる。
それを知ると動物は強い。
ケンカが強いとか動じないとかそんな強さじゃなくてつながりを知った強い動物になる。

関係ができていないうちはテントの中でもお互いに少しぎこちない。
物音がするたびに吠えたりビクビクしてしまう犬もいる。
自分には関係ないと丸くなって寝てしまう犬もいる。
でも、変化の可能性はある。

人の方がそれを取り戻していけばいい。そうすれば犬ははやい。
私にはみえる。動物と人の間にながれているもの。

そんなテントの翌朝、テントに泊まった飼い主さんが青いビニールを手に苦笑しながら山から下りてきた。
見るとそれは小型犬用のレインコートでテントへ向かう道の途中に落ちていたということだった。

この日の午前中にとなりの家の屋根を猫田さん親子が歩いているのをみんなでみた。
2番手のお嬢さんの方が青いフード付きのコートをきてなんだか不器用に歩いているのがみえた。
「都会のおみやげでもらったんだろうね。」
「なんか歩きにくそうだね。熱くないのかな?」
などとわたしたちも疑問だらけだったけど

当の猫田さんはもっと疑問だらけだったことだろう。
落ちていた青いレインコートは間違いなくその朝猫田さんが身につけていたものだった。
みんなでいろんなことを想像した。

どうやってこのレインコートを脱いだんだろう?
テントの会に参加しようとしたのだろうか?
家から離れすぎているのに保護者の同伴なしにひとりでいったのかな?
こうしてテントの会は終了した。

青いレインコートは持ち主の明らかなシンデレラの靴となった。
落し物なのか、忘れ物なのか。
忘れ物をする人はそこに思いを残すという。
思いがあるとものをおいていく。
ここでは「マーキング」と呼んでいる。
これは猫田さんのマーキングかもしれない。

いらないものを置いていくのは落し物という。
それは必要のないものでどこかでお別れする必要あるもの。
偶然ではなく必然的に落としてしまう。
コートを着て歩く姿を思い出すと、このコートは落し物のようにも思える。

何も起こらないように思える日々の生活の中で、実に愉快で楽しいことがいっぱい起きている。
そんなことを来校された生徒さんに話した。
「都会では自分がアクションを起こさないと何もおきない」らしい。
確かにそうかもしれない。
動物が尋ねてきたり、蜂が顔の周りをブンブン飛んでいたりすることはなかなかないことかもしれない。

さて、この日猫田さんのお相手は私が担当するということをオポと確認した。

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Posted in オポのこと, クラスのこと

ゴールデンウィークのお客様

この季節にしては朝夕はまだ肌寒い日々が続いている。
門をあずかるさくらんぼの実もまだ色づいていない。

世間ではたくさんの休みが連なる日々らしいけど、ここではいつもとなんら変わることはない。
お客様がいらっしゃれば何もない中でおもてなしをする。
いらっしゃらなければオポと私のペースで過ごし、太陽が昇ってやがて太陽が沈んでいく日々。

今日がいつもと少し違うといえばテントに泊まるお客様が2泊されることくらいかな。
そんな普通の日の朝、掃除を開始しようと表のテラスに出た。
と、なんとも早い時間からすでにいらっしゃっていた。
最近はお目にかかっていなかったお客様
しかも今日はおふたり様の親子だった。

お母様がゲートの中、ゲートを挟んで外側に常連のお嬢様がいた。
お名前がわからないので、田んぼの中で仕事をしている姿から
「猫田(にゃんた)さん」とおよびすることになった。

この前日、犬の言葉を学ぶ「犬語セミナー」なるものを催したばかりだったので
猫田さんと親しくなるためビデオにその会話を納めるべく撮影を開始した。
しかし、予想に反してビデオ撮影中もオスワリを続けていてボディランゲージは現れない。
どうやら直感的コミュニケーションがお得意らしい。

「今日はテントで寝る会があるって聞いたから来たんだけどわたしたちもいれていただけるかしら。」
あいにく、テントには犬たちも入るのでご一緒することはできないの・・・。

そんなやり取りの中、部屋の中でこちらに向かってくるオポの足音がした。
静かな会話もオポの耳に筒抜けなのは驚くことではない。

テラスの柵越しにオポが猫田さんをみること数秒、猫田さんはオポに気づいていない様子だった。
今日はうまくいくかと固唾をのんで見守った。オポがテラスで位置をかえその姿を現した。
とゲート内の猫田さんは猫毛を立てて威嚇。あとは想像のとおり、オポが走り出しふたりは消えていった。

今日もうまくいかなかったなあ、とちょっとがっかりしたけど
がっかりしたのは私とオポだけで猫田さんにとってはどうでもいいことなのだろう。
猫田さんはオポとコミュニケーションを取ろうとはしていないけど、オポのテリトリーには入ってきたいと主張しているだけ。
おそらく、オポが部屋の中で多少の不自由さを味わっているときに猫田さんたちはここの庭で好きに遊んでいるのだろう。
田んぼにも追える虫や動物はいるけど、山のふもとに近いこちらの方がもっと楽しいに違いない。

でも、オポと私はあきらめない。
コミュニケーションってお互いを理解するチャンスだからね。
そうした関係が進んだ方が庭で遊んでもらうのだって気持ちがいいし、お互い緊張しながら過ごすよりも何十倍も素敵な時間になるから。

こうして始まった猫田さんとのいろいろが、次の日もまた次の日も続いた。
とても長くなりそうなので、この後はつづく。

あきらめて帰宅のオポトリミング

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