グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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Monthly Archives: 5月 2025

オンラインクラス受講生がトレッキングクラスに初参加。

オンラインクラスの受講について

福岡にもたくさんあるドッグスクールは、どのスクールも「人と犬の豊かな暮らし」を目指していると思うのですが、スクールによって価値観や特色が違います。

グッドボーイハートの特徴あるクラスといえば、自然と関わるクラスです。犬と山歩きをするトレッキングクラスや自然環境の中で活動するお預かりのクラスがあります。

また当校の特徴として、どちらかというと犬の立場にたって考えるという姿勢を大切にしています。犬の習性や本能という機能ができるだけ発揮されることが犬の幸せにつながり、犬と人の関係を深めてくれると考えているからです。

このような特徴に共感して下さり当校でのクラス受講を希望される方からのお問い合わせをいろんな地域からいただくのですが、時には本州や海外といったこともあります。

遠方の方が最初に受講できるのはオンラインクラスです。オンラインクラスでは環境整備や犬の習性などについての座学はお話しできるものの、大切な犬との接し方やリードの使い方などを上手く伝授することができません。

 

本州でオンラインクラスを受講するロクちゃん

実は数ケ月前にも、本州にお住まいの飼い主からオンラインクラスの受講依頼を受けたのですが、上記の理由からカウンセリングは受講できるがトレーニングについては地元のトレーナーを探すことをおすすめし、その上でカウンセリングクラスを受けていただきました。

しかし、カウンセリングクラスを受講後にやはり当校でトレーニングを受講したいというご連絡を受けたため、再度、手技については対面でないと説明が十分にできないことをお伝えした上でオンラインクラスをスタートしました。

そして、クラスは進行してきたのですが、予想したとおりリードの使い方のところでお互いにフラストレーションを抱える時がやってきました。受講生はもともとバンに乗って旅行をしたり山歩きをしたりするのが趣味だとお聞きしていたので、「夏休みにロクちゃん(受講生の犬ちゃんの名前)と一緒にお出かけをされるのならぜひ九州にいらしてくださいね」と軽く口にしたのですが、なんとその後すぐに「九州行きます。」と連絡があったのです。

 

ロクちゃんのお預かりクラスと初めての山歩き

5月の連休終わりにロクちゃんは飼い主さんと一緒にオポハウスに到着しました。今回受講するクラスはお預かりクラスとトレッキングクラス、そしてクラスの途中でリードの使い方について説明することになりました。お預かりクラス中は飼い主さんたちは九州の山へと向かうという計画です。

この期間に数頭の犬達がいましたが、どの犬もオポハウスを定期的に利用している犬だったので対面はスムーズに進みました。

右がロクちゃん、左がジェイ、手前が菜々ちゃん、オポ広場にて



ロクちゃんは兄弟犬と少し関わったことがあるものの、地域では対面できる犬がおらず久しぶりに犬と交わることになりました。生後6ケ月で子犬から成犬に向かっていく変化の多い時期ですが、犬と強く関わりたいという欲求の高いロクちゃんにとっては一日はあっという間に過ぎたのではないかと思います。

手前がロイくんで奥がろくちゃん



お預かり期間が4日目になりやっと落ち着いてきたなというときに、お迎えの飼い主さんが到着しました。

最終日は予定されていた平日のプチグループトレッキングクラスに参加しました。まだリードを上手く使えない状態での参加となりましたが、山歩きに慣れていてバランスの取れる飼い主さんでしたので、なかなかいい具合にロクちゃんとの歩行が進みました。

グループトレッキングに参加したロクちゃんと飼い主さん



お預かり中の犬とのコミュニケーションの最中にフセの練習や止めといったら止めるなどの抑制の練習も自然としていたことも、自制を働かせる練習として効果があったようです。

トレッキング後は一緒に山歩きをしたグッドボーイハート生たちとお話をしたことで、ロクちゃん飼い主さんは「心が軽くなりました」と言われました。共に歩む仲間がいること、共感できる仲間がいることは新しいことを学んでいくなかでとても大切なことです。

今はインスタグラムといったお互いの活動を紹介する場もありますので、自慢しあうのではなく励まう道具としてSNSを活用し、お互いに学びを深めていかれるでしょう。

ヤギのアールとゼットを見つめるロクちゃん(黒い犬)


グッドボーイハートで学べること

今回のようなケースは例としては少ないです。やはり地域のスクールの方が利便性が高まり参加する頻度が高くなります。ドッグスクールは他のいろんな学びの学校と同じように、一度来て終わりというものではなく、長く続けて学ぶほど身に着くものは多くなります。

しかし、こうして遠方からオポハウスに来て下さった飼い主さんは、その行動力とその行動を起こすための原動力を発揮することで、きっと人以上の多くのものを持ち帰られたことと思います。

お預かり期間中に毎晩、こちらから送信した報告と写真や動画を見て、ロクちゃんの今までには見たことのない行動や変化に驚かれていました。預かり期間で犬たちが経験したことは犬にとっての学びにはなります。楽しいことだけでなくむしろ上手くいかないことや我慢を強いられること、犬と犬の関わりは表面的でないので対立は常に起きているからです。でもクラスを通して変化を促していきたいのは犬というよりも飼い主の方なのです。

例えば、お預かり期間中の動画を見て、自分が思っていた犬とは違うということを知ることや、自分が犬についてまだ何も知らないのだということに気づくことが一番大切なことです。その上で、犬に社会的な、特に犬と犬が接するという社会的な活動を与える習慣や環境がなければ、是非定期的に預かりクラスを利用していただきたいと思います。

犬と山を歩くクラスは、飼い主さんが犬と自立して活動をするためのきっかけを作るものです。またその上で、集団で山歩きをする仲間や環境が身近になければ当校のグループクラスでその活動を補っていただければと思います。自然の中での集団活動は犬には刺激ある活動となり、結束すればするほど引き締まるものです。そんな引き締まる経験が犬には良い刺激剤になります。

車もクレートも苦手な状態で本州から来てくれたロクちゃんと飼い主さんたちと貴重な時間を過ごさせていただき感謝いたします。この学びをまた次の学びへとつなげていきます。

追記になりますが、ロクちゃんの飼い主さんはカヌー犬の岳(がく)ちゃんに憧れて、という話を聴きました。わーと私が大きく反応すると「ご存じですか?」と聞き返されてしまいました。

ご存じもなにも、冒険家の野田知佑さんのカヌーに乗っていたミックス犬の岳ちゃんは犬大好き少女だった私にとっては憧れの存在でした。物凄く懐かしく、椎名誠先生の探検隊シリーズでアウトドア体験に憧れた幼少のときの記憶がふんわりと浮かんで消えました。

ロクちゃんの飼い主さんはものすごく若い世代なのに、時代を問わずに影響を与えている岳ちゃんの存在の素晴らしさに感嘆しました。ロクは麓、山麓からついた名前だそうで納得します。ロクちゃんはとても素敵な飼い主さんと巡り合ったのだなと深く思いました。いつの日かの再会を楽しみにしています。

手前がロクちゃんで奥がジェイ



 

Posted in クラスのこと

住み始めて約三ケ月でテリトリー(生活圏)が安定してくる

犬のJは私にとって大人になってから飼う二頭目の犬です。

犬の育て方を教える立場として、犬についてのたくさんの知識や経験が必要となりますが、人生でそう何度も犬を飼うことはできません。

自分が持っている経験は、他者が育てた犬のこと、訓練所で接した犬のことで、知識は実際に起きていることを裏付けするために役立ちます。

ですが他者が育てた犬はどのような環境でどのように接しているのかを知るのに完全ということはありません。完全に掌握できるのはあくまで自分が作った環境と接し方、つまり自分の犬のことです。

今回Jを迎えたことで貴重な実体験をする機会を得たことになります。

ブログには「Jのこと」としてJの成長を記録するためだけでなく、知識として蓄えていたことが本当だったのかを確認して発表していきます。忘れることも多くなりましたので忘れる前に…ということで早速はじめます。

広場で左から小鉄くん、J、バロンくん20250502



今回は「引っ越ししてどのくらいでテリトリーを獲得できるのか」についてです。

Jが自宅に到着したときにダンナくんから「どのくらいの時間でJはこの家が自分の家だってわかるようになるのか」という質問を受けました。

一般人らしい質問ではありますが、馴れるのに時間を必要としているということを理解しているという意味ではまずは理解が進んでいる質問です。

答えとしては「Jは成犬なので、三ケ月位でテリトリーを獲得する」です。

知識として学んだことはありませんが、大きな環境の変化に対する順応する比較的短い単位としては三ケ月ということです。

環境の変化の内容であったり、その犬の経験値、社会性、受け入れ側の準備や対応によってもその長さは変わってきます。

そのため、この三ケ月というのは私達がきちんと準備して環境を整えていくことが前提になります。

Jの受け入れ場であるここは、定期的に預かり犬が宿泊するという家庭犬としては非日常的な空間になります。

そのことでJが生活圏を獲得するのに三ケ月という時間で足りるだろうかという思いもありました。

例え、生活圏の獲得にもっとたくさんの時間を要したとしても悪いことではないのですが、生活圏の獲得は犬のベースになるものなので飼い主の努力によって早く安定させられるのならそうしたいという気持ちがあります。

他の犬達が出入りする不安定な環境で不安を抱かせないようにするためにできることは、日々の生活の中で私という飼い主との関係性を深めるための時間をもち、同時にその質を上げることです。

幸いなことに仕事の合間にすぐにJと豊かに活動できる場がここにはあります。

そんな思いを抱きながら共に暮らしを作ってきましたが、本日5月4日でちょうどJを迎えて三ケ月になりましたが、昨日今までにはない行動がまた見られました。

今まで部屋で吠えることがなかったJが、室内で2回吠えることがありました。(外で吠えたのは2回くらい、これもワンという単発でした)

1回目は朝、お手伝いのトシちゃんが到着したときで、このときは足音が庭先に聞こえてJはリビングにいたときでした。

2回目は、同じくJがリビングにいたときに、軽トラをバッグで上げる音がしたときです。

どちらも警戒吠えで、ウォン、ウォン、という低い声、多少緊張しているのか体は窓側とドア側の両方になんども向けられています。

どちらも私が室内にいたため「フセ」の合図で待機させて、窓から外を確認しました。これで警戒吠えは収まりました。

警戒吠えというのは「テリトリーに異変が起きていますよ。」というのを周囲に知らせる音です。

もっと引くバフバフというささやきのこともあるし、唸り声のこともあり、このようにウォンということもあります。

状態がもっと安定してくれば、いつも来ている人は仲間と見なして吠えることはなくなります。

Jが初めての室内で吠えたことにダンナくんは驚いていましたが、「ちょうど三ケ月たったからね」と私が言うと納得した様子でした。

生活圏を獲得するというのは単なる馴れとは違います。Jがこの家を自分の家として私達と共に守ってくれるポジションを獲得したのですから、とても嬉しいことでした。

Posted in Jのこと, 犬のこと

今年の1回目の分蜂でニホンミツバチが向かった場

この季節のオポハウスのイベントのひとつ、ニホンミツバチの分蜂が始まりました。

分蜂とは、ニホンミツバチたちの群れから新しい群れが誕生して巣箱を出ていくことです。

この分蜂群を上手くとらえて敷地内に納めたいため、分蜂の瞬間を見逃すまいと殺気立つ時期です。

例年なら五月中旬が多いのですが、一号機の蜂が巣箱の底につくくらいの満員状況となっていたため「そろそろかな」と期待が高まっていました。

そんな四月三十日、この日は作業のために生徒さんがお手伝いに来てくださっていました。

作業を終えてワイワイとお昼ご飯を食べていたときです。

ふと目を上げると、窓から見える養蜂箱の向こうの空に蜂がたくさん舞っているのが見えました。

いつもなら音で気づくのですが、この時は会話で盛り上がっていたため音を聞き逃していました。

「分蜂する!」とお昼ご飯をそっちのけで部屋から駆け出したわたしを追って生徒さんたちも走り出します。

巣箱から出た蜂たちはすでに上空を飛びながら少しずつ西の方に移動していくところでした。

「この蜂たちが向かっていく方向を追って!」と叫ぶわたし。

生徒さんたちが走り出し、それを追いました。

電線の高さまであがっていき川を超えていくときにもう追いつけないかなと思ったのですが、生徒さんが走って追いかけてくれて居場所を突き止めました。

川向うの斜面の高い位置に集合しようとしているところでした。

ちょうどダンナくんが帰宅してきて、この日午後からのお手伝いだったトシちゃんも車で上がってきて、なんだか全員が分蜂群を見上げて騒ぐことになりました。

分蜂群は網で強制的に捕ってこちらで準備した巣箱に移動させたかったのですが、結局断念しました。

理由は、高さがあったこと、思ったより早い時間で分蜂群が移動先と決めていた石の間にあるパイプ管の中に入ってしまったことです。

自然からやってきたのだから自然に還るのは当たり前のことですが、こちらはまだまだ強欲ですし、何よりも準備した巣箱が気に入ってもらえなかったことが残念でなりません。

しかし、自分たちの大切にしている場に自然の力が戻っていくうれしさの方が圧倒的に勝っています。だから養蜂をこれからも続けます。

犬と暮らし始めたことが山で暮らすことに繋がり、山で暮らしたことでニホンミツバチという存在が身近になり関心を持つようになりました。

都会に暮らしていたら、ニホンミツバチの存在すら知らず彼らから何かを学ぶことなどあり得ないことだったでしょう。

これも全て犬が導いてくれた教えのひとつとして、楽しみながら学んでいきます。

奥に見えるのが養蜂場



※写真では分蜂がわかりにくいため、インスタグラムに掲載した動画を以下に紹介します。虫が苦手な方はご注意下さい。


 

Posted in 83ハチミツオポ