当校では家庭訪問型の犬のトレーニングクラスを提供しています。
家庭訪問クラスを開始したのはグッドボーイハートを立ち上げた西暦1999年ですから、24年間このクラスを継続していることになります。
当時は、家庭訪問レッスン型のドッグスクールがほとんどなかったことから、すぐにたくさんの訪問以来を受けるようなった結果、訪問件数が多く回り切れないという状態になってしまいました。
そこで通学するスクールを博多駅近くに開設して、一時は通学型レッスンに変更したこともあります。この時代はスタッフが家庭訪問に回り、私が通学レッスンを担当しながらデイケアスクールも併設していました。しかし、再び家庭訪問レッスンを再開することになりました。
一軒一軒ご家庭を訪問して行う家庭訪問トレーニングクラスは、移動の労力が負担が大きく疲労は連日のことです。提供する側としては通学レッスンの方が圧倒的に楽ができるし時間の都合もつき、さらに多くの件数を受けることができます。にもかかわらず、通学レッスンから再び家庭訪問レッスンに変更したのはそれなりの理由があります。
その理由はとても単純で、トレーニングの成果が圧倒的に家庭訪問レッスンの方が進むからです。実際に二つのクラスをどちらも運営してきた結果なので、家庭訪問の方が効果があるのは間違いありません。
なぜ家庭訪問レッスンの方が効果が高いのか、それはグッドボーイハートのトレーニングの基本姿勢が「犬を変えるのではなく、犬が変わる環境を整える。」だからです。
在校生や卒業生のみなさんなら、なるほどと納得していただけると思います。
犬を変えるのではなく犬が自然と変わる環境を整えるために、一番必要なのは育てている飼い主側の変化です。
●家庭訪問レッスンを受講された生徒さんの記録から
先日家庭訪問レッスンの10回コースを終えられた生徒さんが、チェックシートを提出して下さいました。
「本日が10回目なので」ということで、こちらが要求したのではなく、自ら提出されたものです。
シートは次のように整理されていました。
一番左側から「課題」「ビフォー(レッスン前)」「アフター(レッスン後)」
と整理して記入されています。
この写真が実際のシートになります。
家庭訪問レッスンの記録(飼い主作成)
これはまとめのシートとして提出して下さったのですが、このシートにいたるまで毎回に渡って記録された生活管理表も毎回見せて下さいました。
生活管理表は排泄などの生活管理を飼い主ができるようになるために作成してもらうものです。
この生活管理表の中にはトレーニングの回数も記録されています。
ハウスを何度させたか、スワレのトレーニングを何度やったかなどきっちりと練習を重ねてられたことがわかります。
レッスン時には必ず宿題がでますので、それをどのくらい練習されたかで結果は変わります。
大体一日に1回とか2回の方もいる中で、こうして毎日繰り返し練習を重ねられる飼い主さんは尊敬します。
飼い主側が犬に臨む気持ちが行動となって現れるときはじめて犬は変化し始めます。
スワレやフセの練習だけなら通学レッスンでもできることですが、この現場(家庭)
で取り組む姿勢というのは通学レッスンで一緒に時間や空間を共有しなければ実現できません。
上段のまとめシートの「続けること」の欄があることに感動しました。
家庭訪問レッスンは10回で終わり、これでやっと犬のしつけから解放されるという気持ちではなく、ここまで犬と一緒に頑張ってきたことを継続させていこうという姿勢を見せて下さり、こちらも身の引き締まる思いでレッスンを終了しました。
実はこの生徒さんはプロスポーツの熱烈なファンでいらっしゃいました。その推しの選手たちを尊敬するあまりこうした姿勢を身につけられたのかもしれないなと勝手に想像した次第です。
家庭訪問レッスンはこうしたご褒美があるからなかなか止めることができないのですが、質を下げないために件数は増えすぎないように自制しています。
すべてのグッドボーイハート生の皆様が、楽しく学び豊かに犬と暮すためにできることを日々実践します。