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<クラス>子供たちと犬の関わりについて:子供の自分と犬を飼い始めた思い出について

夏休みで子供たちの話がつづきましたので三連発で、今日も子供と犬の話題にします。

もちろん、今からお話しすることは大人の飼い主にとっての内容です。


子供と犬がどのように関わるのかということについて考えるとき、自分の子供時代はどうやって犬と関わってきたのかを思い出します。

私が家庭で犬を飼うようになったのは、小学校2年生の秋からでした。

飼うようになったというよりは、自分が東京から福岡に引っ越してきたのがこの時期だったのです。

引っ越してきた自分の家は一時的に親戚の方に貸してあったようで、すでにその家に成犬がいました。

家に犬がいる状態で私達家族が家に入ったことになるのです。つまり犬が先に家にいたという不思議な感じですね。


その成犬ですが、名前はシロというスピッツの混在する中型のミックス犬でした。

亡くなった年齢から逆算すると5才くらいではなかったかなと思います。

昔ながらの飼い方で、いわゆる勝手口の入ったところに係留されて飼われていました。


自分は小学校2年生ですから好奇心の塊です。他の子供たちと同じように動物には関心が高かったのと、東京ではマンションだったので当時犬を飼っているような家庭が近くにありませんでした。

犬とかかわりたくて仕方ないのですが、思い出せば自分の腰よりも高いくらいのサイズの犬なので、少し怖いという気持ちもあったと思います。

母からは、母の居ないときにシロに近付いてきてはいけない、ゴハンを与えているときには絶対に手を出してはいけないというルールを課せられました。

遠巻きにシロをじっと見ていたり、母がシロの散歩に行くときにいっしょについていくことが楽しく、毎日散歩に出かけました。

散歩中もリードを持たせてもらうことはありませんでした。

価値観もあるのでしょうが、私達がシロと暮らすようになるまでシロは全く散歩には連れていってもらっていなかったようです。

母が少しずつシロをなつかせながら、散歩に出られるようになり、散歩の最中も母に対するシロの態度が少しずつ変化してくるのを本当に不思議なことが起きているという気持ちで見守っていました。

今思えば、動物に気安く近付いてはいけないこと、遠くからちゃんと観察していなければいけないこと、抱き上げたり抱きしめたり撫でたりする必要もなく、犬という動物を尊重することを最初に教えてくれのは母でした。

シロはその後、係留(つなぎ飼い)から解放されました。

母が犬走りといわれる勝手口から台所までのスペースをシロに解放したため、シロは裏庭で穴を掘って休んだり、母が呼ぶと走ってやってきたりしていました。

私は一度もシロに飛び付かれたことがありません。

しかし同時に、シロにオヤツをあげたりした記憶もありません。

シロは勝手口側に人がくるとワンワンと知らせましたが、玄関側に人がきたときには吠えることはありませんでした。

シロの残したご飯をいつもスズメが食べていたのを懐かしく思い出しました。


昭和の話ですから、あれからうん十年が過ぎました。

自分が家庭犬インストラクターになると、「犬が子供に抱っこされたがらないんです。」「犬が子供に頭をなでさせないんです。」という質問をよく受けるようになりました。

親の方が、子供たちに対して犬を抱っこさせたいとか、犬を触らせたいとか、リードを持たせたいとか思われるのはなぜでしょうか。

犬との関わり方、犬を尊重する接し方、犬という動物と距離を置いて接する大切さを大人が知らないからではないかと思っています。

犬の幸せは抱っこされたり撫でられたりすることではないと思います。

犬にとっての幸せは、家族と安心してリラックスして毎日の生活を楽しみ、自然と親しみ、犬という動物の習性をきちんと発揮できることだと思うのです。


感受性の高いあの年齢に、母とシロの関係をつくる過程をそばで見ていた経験が、今の自分につながっています。

大人のみなさんの価値観や動物との関わり方が、子供たちの将来の犬との関係に強く影響していることを知っていただければ幸いです。

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