グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬語セミナーに学ぶ犬の世界:犬語の深読みを学ぼう

 週末はグッドボーイハート七山校で犬語セミナーを開催しました。今回は上級者編として開催しました。内容もいつもよりも深いものとなり学びの多い時間でした。


● なぜ、犬語を学ぶ必要があるのか

 七山校では毎月、福岡校では不定期に開催している「犬語セミナー」。犬のさまざまなコミュニケーションを読みとる学習をし、犬への理解を深める座学の講座です。そもそも、犬との暮らしの中で飼い主さんたちが最も興味があるのは「犬は何を考えているのだろう」「犬はどういう気持ちでいるんだろう」ということです。

 犬が考えていることに対する理解がなかなか進まず行き違いが生じるのは、お互いにこちらはヒトであり、向こうはイヌであることから、“種”のことなる動物だという違いがあるからです。そのため、犬の持つコミュニケーションの表現の中から人側がそのシグナルを読み取り受け取る練習をするのは、犬を飼う上で最優先させるべき学習項目です。はっきりといえば、それは犬にオテやオスワリを教えることよりも、ずっと大切なことです。

 ところが、これらのコミュニケーションはなかなか習得することが難しいのも事実です。たとえば、本にも犬の会話を知ろうというものがありますが、図や写真で紹介されるものと、実際のコミュニケーションには差が出てしまいます。比較的わかりやすいシグナルに落ち着かせ行動(カーミングシグナルとも呼ばれる)があります。これらのシグナルは単発で短いシグナルであるために、拾いやすくわかりやすいシグナルです。

 しかし、ほとんどのコミュニケーションは動きや音などといっしょに表現されるため、単純に受け取ることもできません。その犬のコミュニケーションをできるだけ正確に受け取る練習をするためのセミナーがこの「犬語セミナー」です。

 犬語セミナーを通して犬語を学ぶ目的は、犬がどのような状態にあるのかをまず把握するためなのです。この犬の状態を理解せずに、人の言う事を聞くようにさせるというのは一方的で相互コミュニケーションの機会を失うことになります。

 犬は関係性を蓄積させるようにつくっていきます。人と同じですね。相手が自分のコミュニケーションを理解しないと受け取ると、人とのコミュニケーションに不快感を覚え積極的なコミュニケーションをとろうとしなくなります。孤独になり落ち着かない行動をするようになってしまいます。


● 犬語の深読みとはどんなこと

 犬のコミュニケーションを受け取るには、受け取り側が人ですから視覚的に理解できる範囲内で、また聴覚的に受け取れる範囲内でということになります。ビデオなのでスローモーションにもなりますから、視覚的なシグナルの分析はかなり細かくできます。ただ、残念なのが臭いのコミュニケーションを受け取ることができないということです。犬たちは様々な臭いを発してお互いのメッセージを交換していますが、その世界に人は入ることができません。しかし、そうした見えないシグナルも、行動を通してある程度は理解することが可能です。

 今回は上級者編として犬の行動の読み取りのあとにさらに深読みを行いました。
犬語の深読みとは、犬のコミュニケーションに影響を与えている環境は背景について予測するということです。実際にはビデオを提供してくださった飼い主さんに、環境に関する背景をカウンセリングさせていただければ、細かく環境の影響について説明することができます。しかし、ここは犬語セミナーですから、知らない犬の行動を見て、犬の環境を推測するという逆バージョンでやってみます。

 この深読みをする目的は、犬たちの抱えている社会環境についてみなで考える機会を持つためです。自分の犬だけが幸せになればいいと思っている飼い主はほんの一部だと思います。犬と暮らしている人、犬と暮らしたことのある人の多くが、犬という動物から多くの恩恵を受けることから、すべての犬に幸せになって欲しいという願いを持っています。家庭で人と暮らす犬たちはみな、家庭で大切に飼育されています。栄養のある食べ物をたべ、温度管理をされた室内にいれられたり、屋外の安全な場所に居場所を提供され、清潔にしてきれいにして過ごしています。そんな現代でも、犬を取り巻く社会的な問題はたくさん存在しています。


● 現在の犬たちが抱えている複雑な問題について

 犬たちの抱えている現代の問題とは、行き過ぎた管理という飼育です。この言葉にはすでに矛盾があります。飼育という「飼い方」がすでに管理環境の中で行われます。犬を飼う上で「管理」という言葉は外せません。これは法律で定められた項目でもあります。昭和48年に議員立法で制定された「動物の愛護及び管理に関する法律」は改正を重ねながらも、犬と暮らすすべての人が守るべき法律として存在しています。

 もっとも管理すべきものとして、犬は必ずリードをつけて散歩をすることや、犬を飼育する環境は囲いのある私有地であること、囲いのない場合には係留をするという管理は、犬の飼養管理として義務付けられています。これは現在守るべき法律であることは、疑いもないことです。

 しかし、これ以上の犬を管理する方法が国内に普及しています。これらは西洋的な動物を利用することが前提での完全管理の方法です。少なくとも犬の飼育方法については、圧倒的にドイツをはじめとする西洋的なやり方が指示されています。しかし、どうでしょうか。私はこのことにはいつも疑問をかかえています。日本の土着の犬たちにこうした西洋的な飼い方や人との関係を持ち込むことを歓迎しないのです。その理由については、深いものがありとてもブログでお伝えすることはできませんが、グッドボーイハートでご縁のある方々とはこうした問題についても機会のあることにいっしょに考える機会をもっています。

 さて、次回の犬語セミナーは9月24日(日)12時~14時 グッドボーイハート七山校で開催します。

犬のことを深く学びたい方はぜひご参加ください。

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