グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のこと>犬をデザインする現代:犬の幸せは置き去りになるのか?

先日ネット配信ニュースで、科学者の武田邦彦先生が「東大生」について話されている内容に釘付けになりました。

武田先生は他者とは異なる独自の視点で考えたり発言されるので、個人的にとても好感を持っています。

みんな同じ意見を持つ必要はない。
誰かが正しいというわけでもない。
意見をぶつけあうことで生まれる価値のあるものもある。

とわたしも考えるからです。


その武田先生の東大生について話していた内容から発展したコメントは、このようなものでした。

「デザインは人を惹きつける。だから本当に人にとって有益なものでなければならない」そんな内容であったと記憶しています。

デザインといえば、ファッションや美術工芸品的なものが頭に浮かびやすいですが、
実際には、日常で使用しているものや環境のすべてがデザインによって成り立っています。

パソコン、ボールペン、鍋、車、椅子、テレビ、スマートフォンなど、
どんなものも、人工的に作られたものにはすべてデザインがあります。

中には実際に見る機会のないものもあります。
人工心臓、人工血管、飛行機の部品なども、デザイン設計されたものです。

大きなものでは、家、ショッピング街、住宅地、公園もデザインされています。

デザインは機能性が高く、そしておそらく機能性の高いものは美しいのではないかと推測もします。

どのような技術であれ、物を作ったり環境を作るためにデザインが必要なのです。

そして、そのデザインが人を惹きつけてしまうということも納得がいきます。

東大生など、優秀な人材ほど新しいものを人為的に作り出していく、
だからこそ、そのデザインは人にとって本当に役立つすばらしいものでなければならない、ということでしょう。

悪意を持ったものや、人を陥れてしまうもの、人をダメにしてしまうようなものを作ってはいけないという倫理観の大切さを、優れた教師は教えられているのでしょう。


このデザインですが、実は犬にも起きています。

様々な形質を持った純血種の犬たちがわたしたちの周りにいます。

変わった顔をした犬、サイズの小さな犬、もしくは毛が長いとか色が変わっているとか、大きすぎるなど、様々に求めたデザインの方向に人為的に繁殖をくり返している、それが純血種です。

繁殖ではどうにもならないこともあります。

プードルやミニチュアピンシャーの尾は、生まれてすぐに切り落とされます。

人為的な繁殖では限界のあった尾を短くするという行為を、切断という方法で実現してデザインを思ったとおりに完成させるためです。

このデザインされた犬は、やはり人を惹きつけてしまいます。

そのため、多くの人が純血種を欲しがり実際に手にいれて育てています。


人が人為的繁殖によって生み出された純血種犬を欲しがることが間違っているとは思いません。

人はどのようなものでも、手に入れたいと思うものは作り出していく強い欲求があります。

そのことが、人の文化を発展させて生活がよりよい方向に、つまり便利で快適に変化してきたことも事実だからです。

ですが、たまには基本に帰って考える必要もあると思います。

「その犬のデザインは、本当に犬を幸せにするのか?犬はそれを求めているのか?」ということです。


人のデザインセンスによって繁殖された犬たちに不具合はないのでしょうか?

短すぎるストップ(鼻先)は犬の呼吸を苦しめていないでしょうか?

尾のない形は歩くことを不安定にさせてはいないのか?

伸び続ける飾り毛は犬の皮膚を守る役割を果たすのだろうか?

抜けない毛は犬を健康にしてくれるのか?


デザインによって変化した犬の不具合を考えるとき、どうせデザインするならもっと内面的に格好良く変化させていってはどうかと考えます。


自然界が環境に応じて作り出した動物は機能性が高いのです。

完璧ではないですが、野生動物はやはり機能性が高く美しいのです。


犬をデザインするなら、機能的で美しいものを求めてほしい。

優れた能力をもつ人間なら、きっとできるのでないかとそんなことを考えていました。

dav


Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>ネットワークカメラの使用で注意したいこと

先日のブログでネットワークカメラについてご紹介しました。

ブログ記事 <おすすめのアイテム>犬の留守番中のカメラ観察:連休明けには必須アイテム

ネットワークカメラとか、リモートカメラという名称のこのカメラは、
飼い主の不在時に犬の行動を確認するのには、大変有効な道具です。


外出中にスマートフォンで犬の状態を確認できるだけでなく、室内で動くものがあったり犬が吠えることがあると、カメラの方からスマートフォンに連絡をしてくれて確認できるものもあります。

防犯用に作られていますので、そのようなシステムが備わっているようです。

また、これらのリモートカメラは双方向のコミュニケーション機能を備える優秀なものもあります。

スマートフォンの方からカメラを通して、カメラの前にいる犬に話しかけることができるというものもあるのです。

便利に思えるこの話しかけ機能ですが、絶対に使わないで欲しいのです。

理由は単純です。犬を混乱させてしまうからです。


たとえば、家族から電話がかかってきたときに電話から声を聞かせようとされたことがあるでしょうか?

電話とはいえ、家族の声に似ている音がすれば、犬はその声の主を探そうとしたり、
混乱を生じて落ち着かなくなってしまうことがあります。

リモートカメラでの話しかけも同じような状況を作ります。


犬は、人がカメラという媒体を通して話しかけているというところまでは理解できません。

飼い主が近くにいると思って探すか、状況がわからず混乱するか、
もしくは、状況を無視すべきということで回避行動をとるかもしれません。

いずれにしても、話しかけ機能は犬にストレスを与えるため使用しないで欲しいのです。


さらに、使って欲しくない機能として「フードが飛び出す機能」です。

不定期にカメラからフードが飛び出して留守番を演出するという機能らしいのですが、
これも犬を混乱させます。

犬はカメラからいつフードがでてくるのかと執着を始めるようになり、カメラの前にじっとすることになるかもしれません。

この機能によって犬は心安らかに留守番することができなくなり、日常的な留守番の行動を知ることもできません。

さらに、どんな状態であっても執着行動は動物を不幸にしてしまいます。

この二つの機能がついているカメラはとても高額です。

使用して欲しくないので、機能のないものを選んでいただくようにしています。

どんな道具も、人目線になってしまうと犬に負担を与えます。

話しかけたいという欲求は人側の問題です。

留守番中に食べ物を与えたいという欲求も人側の問題です。

そうなら、1分でも早く帰宅して犬を安心させてあげてください。

一人暮らしで犬を飼うなら、夜の出ごとは最小限にしなければいけません。

共働きの方も、交代で早く帰宅して犬の留守番時間を短くしてあげてください。

大変なんですけど、それが「犬を飼う=犬と暮らす」ということだからです。


犬と暮らすなら、犬といっしょに過ごす時間を作りましょう。

時間と空間を共有して、共通のルールで安心して楽しく過ごす時間をしっかりと持つ。

そうすれば、短い留守番を犬は安心して過ごしてくれます。


リモートカメラが犬にとって快適に使用されるように、工夫をお願いします。




Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと

<受講生のコトバ>テントクラスデビューのコロ助のこと

犬とテントで宿泊する「テントクラス」に2回目のチャレンジをしてくれた生徒さんから、感想文をいただきましたのでご紹介します。

参加したのは白柴犬のコロ助くん9才とその飼い主さんです。


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先日のゴールデンウィークに、テントクラスに2泊参加しました。

コロ助と一緒に、グッドボーイハート七山校に通ってもうすぐ6年になります。

その間プライベートトレッキングクラス、グループクラス、わんげる・ミーティングと色々なクラスに一緒に参加してきました。

その中で、いつかチャレンジしてみたいと思っていたのがテントクラスでした。


実は2年ほど前、テントクラスに1度チャレンジしたことがあります。

その時は初めての参加ということもあり、テントクラスのお仲間さんと一緒に山には上がらずに、七山校のお庭にテントを設置してもらいコロ助と2人で寝ました。

コロ助はテントの中に置いたクレートの中で、私はその横の寝袋で寝るという形でした。

当時コロ助のクレートトレーニングはあまりできておらず、
テントの中に初めて入り興奮気味のコロ助をクレートに入れるのに苦労しました。

しかもクレートに入る前に寝袋に噛みつき、「先生に借りたおニューの寝袋が破れる!」と慌てたのを覚えています。

その後もコロ助は、夜中に何度かクレートの扉を前脚でカリカリし、
クレートが回転するんじゃ?というほどに中で動き、その度に「しない!」と声をかけて一晩過ごしました。

結果的には無事に一晩過ごせたのですが、「まだ早かったのかな?」
「山に上がって、クレートなしでテントで一晩過ごせるのかな?」とその時は色々考えました。

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そして今回、再びチャレンジすることになりました。いろいろ不安はありました。

「夜暗い中、いつもと違う環境で山を上がっていくの大丈夫かな?」

「慣れないテントの中で一晩過ごせるのかな?」

「前は寝袋に噛みついたし、テントを破壊して逃走したらどうしよう」

「夜中に外に出る!と騒いで、夜の山で行方不明になるかもしれない」
等々。


でも前回チャレンジした時よりコロ助はだいぶ落ち着いて山を歩けるようになっていました。

トレッキングクラスに参加していて、逃走するかもしれないという不安はあまり感じなくなっていました。

また、トレッキング後に私たちが犬語セミナーを受けたりしている間、クレートの中で数時間待つこともできるようになっていたので、今ならテント泊ができるかもしれないという思いが私の中にはありました。

そしてテント当日、七山校に到着。

明るいうちに山の上にテントを設置するのですが、遅れて到着した私のテントもお仲間さんが先に上がって設置してくださっているとのこと。
ありがたや。

早速コロ助と共にみんなの後を追います。

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上がり始めて気が付いたのですが、コロ助と2人きりで尾歩山を上がるのはこの時が初めてだったのです。

今までは先生やみんなの後をついて上がっていっているという感じでしたが、
2人で道を間違えないように上がっていかなければいけません。

きょろきょろと道を確認しながら進む私に対しコロ助は、迷うことなくゆっくりと道を進んでいきます。

前に通ったみんなのにおいがあるからなのか、何度も歩いたルート自体を覚えているのか、

いつのまにかそんなことができるようになっていたんだね、となんだか嬉しく思いました。


寝袋をテント内に設置していったん下山し、七山校で夕食をいただいた後、
いよいよ寝るためにテントへ移動です。

山は暗く、ヘッドライトの明かりを頼りに進んでいきます。

途中後ろを振り返ると、いつもトレッキングクラスの時に見えた木も道路も家も、
何も見えない真っ暗闇でした。

なんだかいつもと違う冒険感があり、ワクワクしました。

足元のコロ助は少し慎重な感じでしたが、昼間とあまり変わらず
地面のにおいをとりながら進んでいました。


テントに到着し、いよいよテントに入ります。

私の中で、ここが正念場でした。

テントの中にうまく入れて、興奮させないようにしなくては!と思っていました。

私が先に入るか、コロ助を先に入れるか・・・入らない!と抵抗された時のために、
コロ助から入れることにします。

入り口を開けて入るように促すと、ズボ!すんなり入りました。

そして私も入ります。前回は入ったものの、ハアハアと興奮し、
テント内をクルクルとせわしなく歩き回っていました。

今回は・・・立ったまま鼻をヒクヒクさせて、フンフンと空気のにおいをかいでいます。


お隣のテントにいるお仲間さんに
「人間がゴソゴソしていると、犬も落ち着かないから早く寝袋に入ったほうが良いよ」
とテント越しにアドバイスをいただき、早速寝袋に入ります。

「今日はここで寝るんだよ」と隣で立ちつくすコロ助に声をかけ、とりあえず目を閉じました。


ヘッドライトを消すと、うっすらと月明かりはありますが、ほとんど見えません。

コロ助は毛が白いので、白い物体がぼんやりとテントのどのあたりにいるのかはわかりますが、
どこを見て、どんな体勢で、どんな表情をしているのかはわかりません。

夕食時に先生が「テントは一撃で破れるから気を付けてね」と言っていたのを思い出します。

テントに手をかける気配があったら止めなければと、音をたよりにコロ助の動向を探りました。

どうやら立ったまま、時々テント内をウロウロし、フンフンとにおいをとっているようでした。

・・・カス!

前脚がテントをかする音がしたので、「しないで」と声を掛けます。

興奮しているわけではなかったので、すぐにやめました。

それからもウロウロ、フンフンの音が聞こえ、20分くらいたったでしょうか、

ドスン!という音がしました。

座ったのか、フセをしたのか・・・?と考えていたら、

・・・ズー!ズー!ズー!といびきのような寝息が。

・・・寝たな。

コロ助は外飼いで、大人になって一緒に寝たことはほとんどなく、意外に寝息すごいのねと新たな発見でした。

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無事に寝てくれたことに一安心し、私も寝ようとしました。

しかし、目をつぶっていても頭のどこかが起きていて、ちょっとした音で目が覚めます。

テントの外でカサカサ、パキパキ・・・何かが歩いているような音。

ポス!テントの上に木の葉や枝が落ちてきた音。

コロ助も5~6回立ち上がってはウロウロし、寝る場所を変えていました。

荷物を鼻先でクイクイしたり、テントの内側に飛び出しているボタンのようなものをくわえてみたり、
何度か「しないで」と声かけをしたと思います。


寝たような、寝てないような状態で気がつくとテント内は明るくなり、鳥が鳴いていました。

コロ助は私の横ですでに起きており、フセをしていました。

無事に一晩過ごせたね、良かったね。

周りのテントのお仲間さんが起床する音を聞いて、私とコロ助も外に出ます。

「コロ助、大丈夫だったね」とみなさんが気にしてくれていたことに感謝。

朝のひんやりした空気が心地よかったです。


2泊目の晩は、前日あまりよく寝ていないせいか、テントに少し慣れたのか、私は割とよく眠れました。

コロ助もテントの明かりを消して間もなく、ズーズーと寝息を立てていました。

テント内でウロウロし、場所を変える回数も少なかったと思います。


今回のテントクラスで、いろいろな発見がありました。

参加前は不安もありましたが、もう2人ともいい年ですが、2人で大人の階段を1つあがった気分です。

今後、お仲間さんと同じテントで寝れる日は来るのでしょうか?

その時コロ助はどんな感じなのかな?

どうなるのかドキドキですが、ワクワクもします。チャレンジを楽しみたいと思います。

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何才になっても新しい挑戦は飼い主と犬にとって良い関係作りをすすめてくれますね。

前向きになれるときは一歩でも前進あるのみです。

コロ助くんとの貴重な体験を公開していただき、ありがとうございました。

Posted in 受講生のコトバ

<おすすめのアイテム>犬の留守番中のカメラ観察:連休明けには必須アイテム

長いお休みも今日で終わりです。

この長い連休明けに、犬の行動が不安定になってしまうことがあります。

いつもとは違う時間の過ごし方は犬に影響を与えることがあるからです。


犬はいつも同じで環境がゆっくりとしか変化しないという、動物的感覚をもちます。

今週はゴールデンウィークだったから、という理解はありません。

普段は仕事で不在な時間に飼い主が自宅にいるとか、いっしょに外出の楽しい休みを過ごしたとしても、犬にとっては大きな環境の変化です。

休み明けの長時間の留守番時には、犬の行動を細かに観察してほしいものです。


以前なら録音で駆使していた留守中の行動観察が、今では文明の利器で簡単にできるようになりました。技術の進化とは凄いです。

子供さんの留守番時の安全や防犯のためなどに開発されたネットワークカメラが役に立ちます。

商品名はネットワークカメラとか、リモートカメラなどで検索するとたくさんの商品が販売されています。

犬の状態に応じてレッスンのときに導入をおすすめしています。

ですが具体的に「このカメラがいい」というご紹介ができずにいます。

商品数が多すぎて自分でチェックできないことと、商品自体がまだ発展中のため、これからもっと利便性が高く安価なものも出てくると思います。

高価なものは3万円位から安いものは5千円位と、種類も様々です。


先日生徒さん宅で実際に利用されているカメラを見せていただきました。

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5千円程度で購入したものらしいのですが、動画は鮮明で問題なく使用できるものでした。価格が低くても性能に問題のないカメラはいくつもあるようです。

逆に高価だけど余分な機能がついているカメラもあります。

ネットワークカメラで絶対にやって欲しくないことが、実はこうした高価なカメラに含まれています。この内容については続編のブログで説明します。

多忙にしていないと落ち着かない特殊な動物、ヒトと寄り添って生きることは犬にとっては負担も大きいものです。

ちょっとした犬の行動の変化には、飼い主の影響が大きいということを自負した上で安定した生活を共有していきたいものです。

Posted in おすすめのアイテム

<犬のしつけ方>案外多い?から脱走する犬:なぜ自分の家から逃げる必要があるのか。

マンション飼育の方にはあまり経験ないことかもしれませんが、
家庭犬が「脱走した」という話を聞いたことがあるでしょうか。

戸建てでは、門扉がたまたま開いていたために、
飼い主の知らぬ間に、門扉や玄関の隙間から犬が「脱走する」ことがあります。

この「脱走」という言葉、いつ頃から使われるようになったのか微妙ですが、
犬の家からの逃走行動を多くの人が「脱走した」といいます。

犬が脱走しなければいけない時点で、すでに犬は自宅敷地内に囚われの身だということです。

室内に幽閉されているのか、庭に係留されて拘束されているのか、
いずれにしても犬たちはそこから脱走したわけです。

脱走経験のある犬のほとんどは、家庭犬として食べ物と住まいを与えられてた上で、
何不自由なくさらに家族として愛されて育てられている犬なのです。

これらの犬が、自宅を脱走しなければいけない理由はなんなのでしょうか?


この自宅からの脱走という逃走行動ですが、案外多いのです。

この行動によって迷子犬が増えてしまうため、犬の首輪には名札や鑑札をつけることが条例によって義務付けられています。

もし、あなたが戸建てに住んでいたとして、玄関の門扉が開いていてあなたがそれに気づかずにいたとしたらどうでしょう?

あなたの犬は自宅から脱走するのでしょうか?


もし、自分の犬はその門扉の隙間から逃走する可能性があると思うのなら、
犬の日常の行動について観察してその理由を探していただきたいのです。

過去になんども自宅の庭や玄関から逃走した経験を持つ犬を飼っているなら、
今すぐその犬がなぜ逃走するのかを考えてください。

犬はただふらりと遊びに行きたくて逃走しているのではありません。

犬の逃走行動には理由があるのです。

家庭犬として愛情を持って可愛がっているのだから、うちの犬が逃走するなんて考えられないという飼い主もいることでしょう。

希望と現実は別です。

犬たちが抱えている問題は、すぐ目の前にあってさまざまな行動によって示されています。

それは、飼い主が犬に対して解決しなければいけない問題が今目の前にありますよという、わかりやすくてありがたい犬からのメッセージなのです。

犬の安定性は人の愛情だけでは達成できません。

こんなに愛しているのに何故?といって泣き崩れても仕方ありません。

愛しているなら理解するしかないのです。

それが真の関係作っていく方法になります。

種が違うのですから、本当のところはその犬に成り代わってみないとわかりません。

でもそれは人と人も同じことです。

本当の気持ちは、その人になってみないとわかりません。

だから100%を分かりきるということはできないのです。

それでも、理解しようと努めることは相手に伝わると信じています。

犬も同じだというと「動物なのに?」と違和感を感じれるでしょうか。

それなら試しに真剣にやってみてください。


あなたの犬は脱走すると思いますか?

そうだとしたらそれはなぜでしょうか?

日常にあるちょっとした行動を、犬だからと済ませないこと。

犬のしつけ方はただそれだけのことです。

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Posted in 犬のこと

<お知らせ>5月の犬語セミナー(七山校)

5月の犬語セミナーは以下の日程で開催します。

日時 平成30年5月27日(日)
   12時~14時

場所 グッドボーイハート七山校

内容 動画を見ながら犬の行動学について学ぶ少人数制のゼミ

参加費 おひとり2500円 当日払い

申込み はじめての方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

少人数制のため定員になり次第締め切りさせていただきますのでご了承ください。

※ 福岡での犬語セミナーは開催日調整中です。
しばらくお待ちください。

dav

Posted in お知らせ

<クラス>ゴールデンウィークに犬と山歩きいかがですか?

ゴールデンウィークの前半は好天に恵まれました。

七山校の尾歩山も連泊のテントクラス、プライベートトレッキングクラス、お預かりクラスが重なり、たくさんの犬と人を迎えました。

初めてトレッキングに来られた生徒さんに、テントで犬と寝るクラスについて説明すると「どうやって寝るんですか?」と興味津々です。

ただ、同じテントの中に寝るだけですが、周囲は深い山なので快適さは得られません。寝心地は硬いし、心細いし、とても熟睡はできません。

犬も人も半分寝ているような半分起きているような、そんな睡眠が続きます。

確かに少し睡眠不足な状態ですが、なぜか脳が活性化したような感じになります。直感的に冴えてくるといったらいいのでしょうか?

普段はあまり必要としなくなった原始的な脳が活動を始めるからかもしれません。

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テントクラスに参加する前に、山という自然の中でカモフラージュして歩けるようになることがはじめのステップです。

馴れない山道、不安定な坂、広い空間と獣たちの臭いなど、
本来は山の動物である犬も、都会生活が長引くとなかなか山に同化しきれません。

走ったり、興奮したり、立ち止まりが多くなったりと、興奮しやすくテンションも上がりがちです。

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練習を重ねていくと、どの犬も落ち着いて山歩きができるようになります。
同時に飼い主さんの方も、足や体の動かし方に余分な動きがなくなるため、
呼吸もゆっくりとなり無駄な体力を使うこともありません。

みなさんがビックリするほど、犬たちはゆっくりと山を歩いていきます。
山のリズムがとてもゆっくりなので、その動きは山と一体化しているように感じられます。

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七山校の近くにある公園のため池で、水遊びを楽しんできた犬もいます。

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自然とのかかわりは様々ですが、自然を楽しむという感覚は自然の中で騒ぐことでは得られない特別なものです。

持ち込む道具はできるだけ最小限にしながらも、必要な防具はちゃんと身につけて、安全かつ楽な過ごし方を身につけると、犬との山歩きは回を重ねることに洗練されていきます。

テントに初参加の犬。
飼い主さんとどんな夜を過ごしたのでしょう。

ゴールデンウィークはまだ続きます。
大切な日を大切な人とゆっくりお過ごしください。

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<犬のこと>あなたの犬のクローンドッグが必要ですか?

美容室に行くと自分では購入する機会のないセレブな雑誌が置いてあります。

ご縁のないものとはいえ、好奇心の強さからか、もしくは知らないもの見たさなのか、つい目を通してしまいます。

それで見つけたのが「クローンわんこ」という記事でした。

国内の美術造型を行っている会社が、自分の犬にそっくりの犬を作ってくれるというのです。

いわゆる遺伝子学的なクローンではなく、クローンとおもわしきほど本物に近い人為的に製作された人形というです。

体型や毛質など、飼い主と細かく打ち合わせして作られるそのクローンわんこの代金に驚きました。

小型犬で300万円、大型犬になると450万円もするのだとか。

どのような飼い主がこうした人形を必要としているのかわかりませんが、ペットビジネスということで必要な人には必要ということなのでしょう。

趣味の世界として楽しまれている飼い主もたくさんいるのだなと、知らない世界を垣間見た感じです。


クローンといえば、少し前ですがNHKのBSドキュメンタリーでイギリスのBBCテレビが製作した番組で「クローンドッグ」を取り上げたものを見ました。こっちは本当の犬のクローンです。

韓国のク韓国企業「Sooam Biotech」社のクローン研究チームが、イギリスの愛犬家をターゲットにし、コンテストに入賞した犬のクローンドッグを無償で提供するというものでした。

コンテストとは、わが犬のクローンを希望する愛犬家たちが「なぜ、この犬のクローンが必要なのか」ということを、研究者たちに打ち明けて犬を体面させていくものでした。

同研究チームはすでに500頭以上のクローンドッグを作り出しています。その技術がどのような用途で必要とされているかはわかりませんが、犬を食用とする韓国であれば良い食材の提供としてクローンドッグを活用されるもかもしれません。

イギリスの愛犬家たちはもちろん全く別の視点です。

韓国で犬が食用にされることに嫌悪感を抱く発言を出しながらも、その技術を用いて自分の愛する犬のクローンドッグが欲しいという願望がむき出しにされます。

クローンドッグについては、倫理的にいかがなものかという反論も当然出てきます。

番組内でも「絶対に反対だ」という意見も少数でしたが紹介されていました。


クローンドッグは本当に必要なのでしょうか?

この犬のクローンが欲しいということと、この犬の血を残したいから繁殖させたいという気持ちとどのくらい違うのでしょうか?

この問題は、犬と暮らす飼い主のひとりひとりが真剣に考えるべき問題だと思います。

技術はまだまだこれから進化し続けるのです。

クローンドッグが当たり前の世界はすぐそこに来ています。

ほんの数千円とか数万円でクローンドッグが作れるとしたら、あなたはどうしますか?

犬という動物の未来は人に委ねられています。

犬を愛するとはどういうことなのか、真剣に自分自身に問うこともときには必要なことです。

dav

Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>犬の執着行動:囚われた犬たちを解放するためにできることは?

物や人などの生き物に執着する行動を見られたことはあるでしょうか?

犬にはこの執着行動が多く見られ、そのほとんどが「遊び」や「好き」として片付けられています。

執着行動にはいろいろなパターンがありますが、比較的多いものをあげてみましょう。


まず、飼い主に対する執着行動というのがあります。

多くは分離不安行動として表現されています。
飼い主が犬から離れると鼻をならしたり奇声を発する、部屋の中をついて歩く、ひとりになると破壊行動や排尿、排便などの生理的反応を起こす、いわゆる「留守番ができない」状態になるなどもこの中に入ります。

他には、ボールなどの特定のオモチャに対する執着行動があります。
一人遊びのようにオモチャをずっと追い回す場合もありますし、人にオモチャを投げてもらい倒れるまでボールを拾いにいくような犬もいます。

ガムに対する執着行動もありますね。
一旦ガムを口にくわえるとなかなか放すことができず、唸ったり攻撃したりすることもあります。

食べ物に対する執着行動では、食べ物を常に探すような行動をします。

性的な執着行動では、特定のクッションなどのマウンティング行動が常習化してしまうことや、飼い主に対してマウンティングすることが頻繁に起きることもそのひとつです。

執着行動という言葉の意味合いをよく理解するために、類似語を調べてみました。

良い意味合いではくじけないとか、あきらめないという表現もありましたが、
犬の執着行動の場合は、ストレスが上昇している状態としていますので、その意味合いに該当しそうな言葉を上げてみます。

しつこい
頭がいっぱい
陰にこもる
溜め込む
深くうらむ
頑固な
偏執

不安がる
固執する
こだわる

どれも切羽詰った感じになります。

犬の執着行動もよく観察すると、楽しそうに遊んでいる行動には見えません。

犬は執着行動によって心身共に疲れてしまいます。

いつも活発すぎる犬がグッタリと寝ていると、疲れて寝てくれてよかったと思うかもしれません。

でも、動物は人と違って本来は疲れることなど必要ないのでは?という見方もあります。

執着する行動が、楽しみではなくストレスから生じていると判断するのは、
犬の表情が厳しく、体の使い方は硬くなっているからです。

犬がこれらの執着行動から解放されるために、何をしたらいいのでしょう。

ストレス行動は叱るなどの行為で一瞬とめることはできても、またすぐに始まってしまいます。

ストレス行動は根本治療が必要な行動なのです。


犬が固着した状態から抜け出し解放されるためにできることといえば、自然環境の中で過ごすことしかありません。

臭いや広さ、空気の透明感は、犬だけでなく人という動物にも開放感を与えてくれます。

実際、執着しているのは犬ではなく人の方ではないかと思うことも多々あります。

自然環境で過ごすことで本当に解放される必要があるのは、まず人かもしれないのです。

わたしたちヒトという動物と共にいることで起きるたくさんの犬のストレス行動を見ながら、人社会のストレス度の高さを考えてしまいます。

とはいえ、とりとめもなく考えても仕方のないこともあります。

犬のために何か行動を起こしてくださる飼い主さんであれば「いっしょに山歩きしましょう」とお誘いしています。

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<犬のしつけ方>犬と休日の過ごし方:お庭時間を満喫しよう!

今年も大型連休が近付いてきています。

犬といっしょに旅行の計画を立てていらっしゃるご家庭も多いかもしれません。

ところが、飼い主さんたちにお尋ねしてみると「連休中は人が多いので遠出はしません。」
という方が増えてきているようです。

最近では、食事も「家食」などといわれる、外食ではなく家でご飯をいただく傾向が高まっているようです。

同じ傾向で、休みのときには渋滞で疲れてたくさんの時間を消費してしまうのを止めようということでしょう。

渋滞を避けて近場に出かけたり、自宅のお庭でゆっくりと過ごすことについては、犬も大賛成ははずです。


なぜかというと、犬にとっては移動はやはり負担になります。

自分の脚で移動するよりもずっと速く移動するわけですから、室内でじっとしているとはいえ、動物の体に一定の付加がかかるのです。

それでも犬は外出したがります。

何よりも飼い主と共にいたいという気持ちが高いことと、外出によって普段過ごしているよりもより良い環境に過ごすことができる経験をしたことがあるからでしょう。

例えば、都心に住む犬なら自然環境に連れていかれることは移動のストレスを超えてでも、やはり心地よいことなのです。

山や海には上手に出かけていただきたいと思います。

そして、それとは全く違う日常的な空間として、身近な「庭」という自然環境を活用してはどうかと思うのです。


一時期、庭よりも室内を広くとってデザインされた間取りの家が多かったようですが、最近は庭のスペースを十分にとって日常的に活用するデザインに変化していることを感じています。

ご家庭に家庭訪問でトレーニングに伺うため、ご家庭の間取りをできるだけ活用する方法も提案しています。

この訪問トレーニングの中で、家の間取りや庭の取り方などがご家庭によって違うのだなと知ることになりました。

昭和初期くらいまでは、庭は家の中の自然と位置づけられていたようで、庭には山にある様々な木々が植えられていました。

この博多区でも、自分が育った古い家の庭は木々と豊かな土でおおわれ、虫や小鳥もたくさんいたのです。


この都市空間の庭は、そのうち硬い土となり、木々は勢いをなくし、人がゆっくりとは過ごしにくい家から見るだけの空間に
変わってしまったようです。

家庭訪問トレーニングで思うことは、庭には犬を出していないとか、庭はほとんど使っていないというご家庭がとても多いことです。

整備したり手を入れればとても豊かな庭になることが予想されるような空間なのに、あーもったいないなと思ってしまいます。

お庭を整備して、人も犬も心地よく過ごせるようになると、犬たちは庭に駆け出していきます。

庭でひなたぼっこでうっとりしていたり、探索行動する犬の姿を見ると、やはり犬は自然が近い生き物なのだなとうれしくなります。

ゴールデンウィークの間に、活用されていないお庭を犬といっしょに過ごせる空間へ生き返らせてみてはいかがでしょうか?

お庭のないマンション暮らしの方は、知人が使っていない庭の整備をしながら、犬もお邪魔させていただくというのも一案です。

お休みは楽しいものです。犬との限られた時間を充実させたいですね。


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