グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>リモートカメラが大活躍の様子

当ブログで留守番中にリモートカメラを活用してほしいという内容の記事を書きました。

ブログ記事 <おすすめのアイテム>犬の留守番中のカメラ観察:連休明けには必須アイテム

留守番中の練習の他、クレートトレーニングの進行状況を確認するためにも、リモートカメラは結構活躍してくれます。

さらに、そのリモートカメラが安くても結構使える商品であることがわかってきたので、ブログに紹介しました。

数名の生徒さんにリモートカメラをお薦めしていたのですが、紹介記事に納得されたのかリモートカメラの導入率がかなり上がりました。

リモートカメラは静止画や動画の保存のできるものもあるため、留守中の様子を詳しく把握した生徒さんたちからその様子を説明してもらいます。

心配していた留守番の練習が、ステップアップしながら進んでいる様子がカメラを通して確認できます。

下の写真は、クレート留守番から、部屋留守番に変更した犬ちゃんの留守番中のひとコマです。

寝る場所はいろいろと変化しているようですが、安心して休んでくれている姿を確認できるとホッとします。

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ですが、中には部屋留守番にして落ち着かなくなったケースもありました。

こちらもすぐにリモートカメラで確認できたので、不安定行動を放置せずに対応することができました。


中には、留守中に以外な行動をしている犬ちゃんもいて、飼い主さんと「えーーーー!!!!」
となったこともありました。

犬にプライバシーがないのは申し訳ないとは思いますが、行動が安定するまでの確認作業なので、
その点は犬たちには受け入れてもらうしかありません。

それにしても人の世界でも犬の世界でも、録画や録音は動かぬ証拠です。

留守中のあんな行動やこんな行動が飼い主にバレているということを、犬たちは知っているのでしょうか。

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Posted in 犬のこと

<お知らせ>5月27日犬語セミナー定員わずか他

●犬語セミナー開催についてののお知らせです。

5月の犬語セミナーは残席1名で締め切りとなりますので、ご希望の方は早めにご連絡ください。
<5月22日追記>下記のセミナーは定員に達しましたので受付を終了します。

・開催要項
セミナー名 犬語セミナー

開催場所 グッドボーイハート七山

開催日時 5月27日(日)12時~14時

参加費2500円(当日払)

予約必須


●犬語セミナー開催会場についてのお知らせ

現在まで、犬語セミナーはグッドボーイハート七山校と、グッドボーイハート福岡事務局の2ヶ所で開催してまいりましたが、今月から会場をグッドボーイハート七山校のみとさせていただきますのでご了承ください。

犬語セミナーは犬という動物の行動学を学ぶという、真に犬のことを学びたい方のためのセミナーです。

このセミナーを希望される方には、ぜひ自然環境に触れる機会を増やしていただきたいという願いを込めて、
このような決定をさせていただきました。

人が自然と離れた分、犬も自然から離れてしまいました。

自然は苦手、山は得意でないという人が多いことは十分承知しています。

みなさんが少しずつ自然と距離を縮められるようにサポートするのもグッドボーイハートの役割です。

犬を自然に近付ける前に、まず七山校に足を運んでください。


七山校での犬語セミナーは、基本的に第4日曜日の12時~14時に開催を予定しています。

開催日時が決定次第、当ブログでご案内しますので、ご確認ください。


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Posted in お知らせ

<犬のしつけ方>犬の攻撃性の基盤が依存によるときには早急に対応したい

犬のしつけ方やトレーニングを進めるためには、いろいろな視点から犬を理解する必要があります。

犬の習性と本能、犬の行動学、犬の生理学についてはもちろんのことです。

しかし、この分野だけではまだ十分とはいえません。


犬の心理学というと擬人化しているように思われるかもしれませんが、犬の精神構造やその状態を科学的に理解しておくというのは、どのような対応がどのような時期に必要なのかを知る上で重要なことです。

さらに、人に飼われる犬の行動は、人の接し方の影響を強く受けて行動を習慣化したり変化させたりしています。

人の接し方とは、接する人の知識という部分もあります。

たとえば、本に書いてあったからやってみたというものもあるでしょう。

ただ、こうした本に書いてあったからやってみた接し方は、接し方の時間としては短いものです。

犬に最も影響を与えているのは、飼い主がどのような心理状態で犬に接しているのかということの方です。

犬のしつけ方やトレーニングを考えるためには、犬という種を知ることはもちろんのこと、

ヒトという動物について知る必要があるという部分も忘れないでいただきたいです。


さて、ブログの記事を初心者の方にもわかりやすいように書くように努めています。

それでも、言葉が見つからずに専門用語になったり、意味がわかりにくいといったことがあることについては、今後も配慮していきます。

ですが、今日のブログ記事のテーマはあえてわかりにくいと思われる題目にしてみました。


「犬の攻撃性の基盤が依存によるときには早急に対応したい」

この題目に沿って、説明していきます。

まず、犬の攻撃性というのはどのような行動かを明らかにしましょう。

わかりやすいのは「咬みつき」行動です。

しかし、犬の攻撃性に含まれる行動にはもっといろいろな行動があります。

以下にあげる行動は、どのような状況でどのように表現されたかによって、それが犬の攻撃性の表現になるかどうかが決まります。

それをひとつひとつ検証することがここではできないので、あえて単発行動として記しますが、単純に攻撃行動と判断する前に、精細に観察してください。

攻撃性行動の表現として使用される行動にはこのようなものがあります。

吠える、唸る、とびつく、牙を見せる、牙を当てる、咬みつく など。

子犬期に見られる甘噛みは、咬みつきに発展する可能性があります。

まず、今自分の犬に攻撃性行動がどのようなときにどのような表現で出されているのかを観察していきます。


次に、攻撃性行動を毎日表現するような犬の場合には、その行動がどのような環境で作られていったのかを分析していきます。

攻撃性行動がほぼ毎日のように、飼い主や近隣の他人に対して出ている場合には、この犬の攻撃性を育ててしまったのは、飼い主の接し方を含む飼い主のつくった環境にあります。

環境改善や関係改善をしなければ、犬の攻撃性行動を改善していくことはできません。

環境を把握し、適切に整備することは、犬の攻撃性と衝動性を抑えるためにどうしても必要です。

この犬の攻撃性を育ててしまった環境のことを「犬の攻撃性の基盤」としました。

環境というベースを変えなければいけませんよ、ということです。


さらに、この基盤の中に犬が飼い主に甘え行動をとる、つまり依存関係を結んでしまった場合には、即刻対応をしてほしいのです。

この飼い主との依存関係のチェックですが、いくつかあります。

ほとんどのケースで犬が甘え行動として行うのは、以下の行動です。

とびつく、甘噛み、鼻をならす

この三大甘え行動を持ちながら、攻撃性行動もしているのではあれば、大変危険だと思ってください。


この状態の犬が、2才未満で犬の性質に甘えの部分が強く残っているようであれば、時間を稼がずにわかりやすい方法でしっかりと衝動性を抑えておくことも大切です。

わかりやすい方法とは、十分に理解してもらうために飼い主に直接説明させていただきます。

2才未満と区切ったのは、咬みつく行動が頻発となり発作的に咬みつきをするようになるのが2才前後だからです。

人間にたとえると、切れるように咬みつく行動が起きるようになった場合には、短期間で衝動性を求める対応はできなくなります。


犬が2才未満で、攻撃性行動と甘え行動が強く出ていて、しかし突発的な攻撃性が出現していない場合には、なんとか間にあうかもしれないと、早急対応をすることがあります。

人でいうなら、中学生か高校生ころの年齢で、明らかに大人に対して攻撃性の高い行動をとったときに、力のあるものが毅然とした態度で向き合い殴ったとしても、それは虐待には当たらず、生涯その人が攻撃性という衝動をコントロールすることができるようになる貴重な機会なのです。

親や教師が教育として行うことがすべて虐待と受け取られてしまい、人の攻撃性や衝動性が抑制を覚えないままに大人になり、ビックリするような残忍な事件を引き起こしてしまうことは、人として恐るべきことです。

犬も同じように、その年齢や状態でないとできないことというのがあります。

そのことがその犬が生涯を通して、攻撃性を適切に使いながら人と共に社会で自由に生きていくために必要だと感じるときには、自分も毅然とそのように対応します。


しかし、その前に飼い主にお願いしたいことがあります。

犬がどんなに幼くても、その攻撃性行動を見逃さないことと、犬が飼い主に対して甘えと依存を続けるような不安定な状態にさせないでいただきたいのです。

本当はこの部分が一番難しいのだと思います。

人が飼い犬を甘やかしたいという心理を解明すること、これからも続きます。

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Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>刺激のない生活でストレス満載:犬の環境エンリッチメントを考える

最近、国内の動物園を改革しようという取り組みを紹介しているテレビ番組を見る機会がありました。

番組のテーマには「環境エンリッチメント」の文字があり、興味を惹かれました。


環境エンリッチメントという言葉やその意味をはじめて聞いたのは、20年以上前に出席したセミナー会場であったと記憶しています。

記憶をたどると、当時は多数の犬を収容する施設に勤務していたころでした。

犬を収容して管理する施設では、まず犬の安全を、次に犬のストレスレベルについて、常に配慮しながら動物を管理する必要があります。

訓練所に勤め始めたのは、今から30年以上前のことになりますが、その頃にはまだなかった動物福祉という言葉を聞くようになったのが、20年くらい前からでした。

その動物福祉を実現させる具体的な取り組みのひとつが、環境エンリッチメントです。

環境エンリッチメントとは、飼育管理される動物が刺激の少なさによって受けるストレスを軽減させるために、
動物が本来持つべき欲求と行動を、上手に発揮できる機会を提供しようという環境整備の工夫です。

その機会提供を動物を飼育管理している中で行うというものなのです。

番組の中では、若い飼育員たちがそれぞれの種の動物たちが本来野生で行っている行動を実現できるような環境整備に取り組む様子が紹介されていました。

たとえば、キリンは舌を使って食べ物を取り出す行動をするということで、食べ物が舌を使わなければとれないような入れ物にいれることでキリンの行動欲求を引き出しそれを満足させようという取り組みなどです。

動物園の話となると、そもそも動物園が必要なのかという議論に発展してしまうことがあります。

しかし、現実には人が動物を利用するという行為が存在し、そのひとつに動物園という施設が現存し、
さらに、動物園という施設に現に動物がいるという事実があります。

この現実にいる動物たちにとって、少しでも動物が欲求を行動とすることができて落ち着きを得られる環境を提供することは、前向きな考え方であると思います。


実はこの環境エンリッチメントは家庭犬にも必要です。

すべての家庭犬が、動物園の動物や施設収容されている犬と全く同じとはいいませんが、
ペットもまた人が自らの生活を豊かにするために必要としている動物であると思います。

そのペットである犬たちは、刺激を求める人を満足させるために人に飼われることもあります。

しかし、人の方はよりたくさんの刺激を求めますので、仕事も忙しく飲み会も多く、
趣味や買い物や旅行やテレビを見たり音楽を聴いたりと、何かと一日中忙しくしているものです。

そのため、犬は本当にヒマになってしまいます。

長時間、犬をひとりで留守番させることについて環境が適切であるとは思えませんが、それが現実です。


多くの犬がひとりで、もしくは関係が上手く作れていない同居犬と共に長時間の留守番をしています。

犬は暇であるだけでなく、部屋環境に順応しない状態では、物音や気配に過敏に反応するようになり、ストレスを溜め込み不安症になっていきます。

こうした乏しい犬の環境に工夫を与え、環境エンリッチメントをするとなるとこんなこともそのひとつになるでしょう。


留守中にコングやトリートボールなど探索行動のできるようなものを与える

留守中にシッティングや知人に犬の遊び相手をお願いする

留守の前と後には十分に時間をとって散歩を行い、コミュニケーションに満足を与える

犬専用のベッドやハウスなど柔らかい素材や多少高さのあるベッドなどに登れるような工夫をする


こんな工夫は、ほんの些細なことで犬の高い社会性からみると紙切れ1枚ほどの環境エンリッチメントです。

それでもしないよりはした方が良いのかと思います。

しかし、これらの環境エンリッチメントはとても表面的なものでしかありません。


犬という動物に関わるのなら、もっと本質的な環境エンリッチメントに取り組んでほしいのです。

犬が飼い主である自分とのコミュニケーションを深める学習を促進できるようにする、

そのためには犬の様々な行動への理解と犬の行動習性を学ぶ必要があります。

犬が環境認知能力を高め、安心して生活できるように導く、

そのためには、最も大きな環境要因である人とどのように関わったかが重要です。

犬が本来の能力を発揮できるような自然環境とのコンタクトを取り持つ、

犬の動物としての脳の正常な発達は、犬の環境を外側から変えることよりもより高い環境エンリッチメントになります。


こんなことに本当に取組もうと思ったら、相当の時間とエネルギーが必要です。

飼い主は少し生活のパターンを変える必要も出てくるでしょう。

犬は自分を満足させるためにやってきたのではない、私こそ犬を満足させるのだと本気の方は、
恐れず挑んで欲しいものです。

そんな本気の飼い主さんに出会う機会があるのも、この仕事をしているごほうびです。

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Posted in 犬のこと

<受講生のコトバ>12歳のバロンちゃんと飼い主さんのすれ違いを解消

グッドボーイハートのクラスを受講していただいた生徒さんからいただいた感想文をご紹介します。

今回は、12歳という高齢で家庭訪問トレーニングを受講した雑種犬のバロンちゃんの飼い主さんからいただきました。

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● グッドボーイハートのクラスを受講したきっかけは?

実はバロンは、これまでに何回も人に咬みついたことがあります。

最近では、吠え立てた上に逃げた人を追いかけて咬みついてしまいました。

大変悩んだのですが、もう自分にはできることがない、一緒に暮らしていくことはできないという思いにいたりました。

それで、かかりつけの動物病院の先生にバロンの安楽死をお願いしに行きました。

そこで、病院の先生にいろいろとお話しを聞いて、グッドボーイハートを紹介していただきました。

もう一度トレーニングをしてみようと思ったのです。


● クラスを受講して気づいたことや感じたことは?

なによりも、私自身が飼い主として反省させられました。

バロンも苦しんでいたのだなぁーとつくづく思ったのです。

バロンが自分の状態を知らせるためにたくさんのサインを出していたのに、全く気づいていませんでした。

怒ったり、ときにはたたいたことも在ります。

今ではその時にしたことを、本当に反省しています。

犬ってこんなに頭が良いのだなぁーと思いました。

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● 犬や自分が変化したことは?

とにかくバロンが落ち着いて過ごせるようになったことです。

わたしが外出するときも、以前は大騒ぎで破壊行動もすごかったのですが、

今では、だまって見送ってくれるようになりました。

留守中の破壊行動やイタズラ行動も全くなくなりました。

帰って来た時も、以前はとびついて興奮して騒いだのですが、今ではとびつくこともなく
落ち着いて迎えてくれる様になりました。

そのため、わたしも安心して外出できるようになったのです。

ほかにも、たくさん変わったことがありますが、トレーニングでこんなふうに変わった事に感謝しています。


● これから犬とどのように暮らしていきたいですか?

トレーニングを始めてから、山や川によく遊びに行くようになりました。

先日は暑い日に川で泳ぎ、とても楽しそうにしていました。


トレーニングを始める前は、バロンとどう暮らしていったらいいのかと悩みの種だったのに、

今では、この子がいつまで長生きしてくれるだろうかと思うようになりました。

全く違う気持ちになったことに、自分でも驚いています。


バロンは今年で13歳です。もう老犬なので、少しでも長く変わらぬいつものように、散歩したり遊んだり

ゴハンをいっしょにたべたりと、これからも良い関係を作りながら暮らしていきたいと思います。


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12歳という年齢で「人への咬みつき行動」という問題でトレーニングを開始されるのは、
ご相談のケースとしては多い方ではありません。

12歳という年齢が行動改善のためのトレーニングに影響をするとすれば、その犬の学習能力が
どの程度機能しているかどうかという具体的な問題です。

実際、バロンちゃんのカウンセリングをさせていただくまでは、トレーニングで行動改善する可能性について
はっきりと言及することはできません。

しかし、カウンセリングを通してバロンちゃんと接したときに、ある程度その可能性を探ることができました。

飼い主さんにバロンちゃんの状態について説明し、よくご理解いただいた上でトレーニングに対して自分が主役として
取り組んでいただけだことが、なによりもトレーニングを成功させる鍵となりました。

犬に学習の要素があり、何をしてあげる必要があるのかがわかっても、飼い主さん自身が自主的に取り組むことができなければ、どのようなトレーニングも無効です。

なぜなら、犬のトレーニングとは、犬と人の関係改善でしかないからです。

さらに、犬のトレーニングは環境改善や環境整備がその基盤となります。

環境を整備しなおして犬の行動に変化が起きるまで早くて数ヶ月以上はかかります。

すぐに結果がでることを期待しすぎて、せっかく改善が起きようとしているのに途中で止めてしまわれると逆効果になってしまいます。

バロンちゃんの飼い主さんは、ステップアップさせたバロンちゃんとのルールを今でもきちんと守っています。

そのことが、現在進行形で犬との関係を作っていく過程となっているのです。


人に対する咬みつき行動をする犬は、しつけのできていない犬として特別視されてしまいます。

確かに、人に対する咬みつき行動は絶対にあってはいけません。

ですが、逆から見ると咬みつき行動が出ていなければ犬が安定しているかというと、そうでもないのです。

今咬みついていない犬も、ギリギリのラインにいる犬たちはたくさんいます。

実際に咬みつきにいたらなくても、精神的に追い込まれている犬はたくさんいるんどえす。


犬の咬みつき行動は犬がひとつのラインを超えてしまった行動です。

知人に聞いた方法、本に書いてあったから、ネットで検索したなどの安易な方法で対処することは危険です。

犬の行動の専門家は現在では地域にたくさんいます。

もちろん有料ですが、話を聞いてみる価値は必ずあります。

年齢がたっていても、ぜひ専門家に相談してみてください。


冒頭の「安楽死」という言葉に、ドキッとされた方もいるかもしれません。

安易に安楽死を考えることはあってはならないことですが、

真剣に悩んだ結果「安楽死」という思いにいたってしまった飼い主さんのお気持ちは追い込まれた結果です。

むしろ、ストレスを抱えて落ち着かない行動をしている犬に理解を示そうとせずに、

飼い主本位で放置してしまう飼い主と比べると、飼い主としての責任をいかに考えられたのかと思うのです。

動物はとても繊細でその精神が壊れてしまうと安楽死という選択も止むを得ないという現実もあるのです。

そうなる前に、そうなるずっと前に、犬のことを理解するために学ぶ機会をぜひ持ち続けてください。

Posted in 受講生のコトバ

<犬のこと>犬をデザインする現代:犬の幸せは置き去りになるのか?

先日ネット配信ニュースで、科学者の武田邦彦先生が「東大生」について話されている内容に釘付けになりました。

武田先生は他者とは異なる独自の視点で考えたり発言されるので、個人的にとても好感を持っています。

みんな同じ意見を持つ必要はない。
誰かが正しいというわけでもない。
意見をぶつけあうことで生まれる価値のあるものもある。

とわたしも考えるからです。


その武田先生の東大生について話していた内容から発展したコメントは、このようなものでした。

「デザインは人を惹きつける。だから本当に人にとって有益なものでなければならない」そんな内容であったと記憶しています。

デザインといえば、ファッションや美術工芸品的なものが頭に浮かびやすいですが、
実際には、日常で使用しているものや環境のすべてがデザインによって成り立っています。

パソコン、ボールペン、鍋、車、椅子、テレビ、スマートフォンなど、
どんなものも、人工的に作られたものにはすべてデザインがあります。

中には実際に見る機会のないものもあります。
人工心臓、人工血管、飛行機の部品なども、デザイン設計されたものです。

大きなものでは、家、ショッピング街、住宅地、公園もデザインされています。

デザインは機能性が高く、そしておそらく機能性の高いものは美しいのではないかと推測もします。

どのような技術であれ、物を作ったり環境を作るためにデザインが必要なのです。

そして、そのデザインが人を惹きつけてしまうということも納得がいきます。

東大生など、優秀な人材ほど新しいものを人為的に作り出していく、
だからこそ、そのデザインは人にとって本当に役立つすばらしいものでなければならない、ということでしょう。

悪意を持ったものや、人を陥れてしまうもの、人をダメにしてしまうようなものを作ってはいけないという倫理観の大切さを、優れた教師は教えられているのでしょう。


このデザインですが、実は犬にも起きています。

様々な形質を持った純血種の犬たちがわたしたちの周りにいます。

変わった顔をした犬、サイズの小さな犬、もしくは毛が長いとか色が変わっているとか、大きすぎるなど、様々に求めたデザインの方向に人為的に繁殖をくり返している、それが純血種です。

繁殖ではどうにもならないこともあります。

プードルやミニチュアピンシャーの尾は、生まれてすぐに切り落とされます。

人為的な繁殖では限界のあった尾を短くするという行為を、切断という方法で実現してデザインを思ったとおりに完成させるためです。

このデザインされた犬は、やはり人を惹きつけてしまいます。

そのため、多くの人が純血種を欲しがり実際に手にいれて育てています。


人が人為的繁殖によって生み出された純血種犬を欲しがることが間違っているとは思いません。

人はどのようなものでも、手に入れたいと思うものは作り出していく強い欲求があります。

そのことが、人の文化を発展させて生活がよりよい方向に、つまり便利で快適に変化してきたことも事実だからです。

ですが、たまには基本に帰って考える必要もあると思います。

「その犬のデザインは、本当に犬を幸せにするのか?犬はそれを求めているのか?」ということです。


人のデザインセンスによって繁殖された犬たちに不具合はないのでしょうか?

短すぎるストップ(鼻先)は犬の呼吸を苦しめていないでしょうか?

尾のない形は歩くことを不安定にさせてはいないのか?

伸び続ける飾り毛は犬の皮膚を守る役割を果たすのだろうか?

抜けない毛は犬を健康にしてくれるのか?


デザインによって変化した犬の不具合を考えるとき、どうせデザインするならもっと内面的に格好良く変化させていってはどうかと考えます。


自然界が環境に応じて作り出した動物は機能性が高いのです。

完璧ではないですが、野生動物はやはり機能性が高く美しいのです。


犬をデザインするなら、機能的で美しいものを求めてほしい。

優れた能力をもつ人間なら、きっとできるのでないかとそんなことを考えていました。

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<犬のしつけ方>ネットワークカメラの使用で注意したいこと

先日のブログでネットワークカメラについてご紹介しました。

ブログ記事 <おすすめのアイテム>犬の留守番中のカメラ観察:連休明けには必須アイテム

ネットワークカメラとか、リモートカメラという名称のこのカメラは、
飼い主の不在時に犬の行動を確認するのには、大変有効な道具です。


外出中にスマートフォンで犬の状態を確認できるだけでなく、室内で動くものがあったり犬が吠えることがあると、カメラの方からスマートフォンに連絡をしてくれて確認できるものもあります。

防犯用に作られていますので、そのようなシステムが備わっているようです。

また、これらのリモートカメラは双方向のコミュニケーション機能を備える優秀なものもあります。

スマートフォンの方からカメラを通して、カメラの前にいる犬に話しかけることができるというものもあるのです。

便利に思えるこの話しかけ機能ですが、絶対に使わないで欲しいのです。

理由は単純です。犬を混乱させてしまうからです。


たとえば、家族から電話がかかってきたときに電話から声を聞かせようとされたことがあるでしょうか?

電話とはいえ、家族の声に似ている音がすれば、犬はその声の主を探そうとしたり、
混乱を生じて落ち着かなくなってしまうことがあります。

リモートカメラでの話しかけも同じような状況を作ります。


犬は、人がカメラという媒体を通して話しかけているというところまでは理解できません。

飼い主が近くにいると思って探すか、状況がわからず混乱するか、
もしくは、状況を無視すべきということで回避行動をとるかもしれません。

いずれにしても、話しかけ機能は犬にストレスを与えるため使用しないで欲しいのです。


さらに、使って欲しくない機能として「フードが飛び出す機能」です。

不定期にカメラからフードが飛び出して留守番を演出するという機能らしいのですが、
これも犬を混乱させます。

犬はカメラからいつフードがでてくるのかと執着を始めるようになり、カメラの前にじっとすることになるかもしれません。

この機能によって犬は心安らかに留守番することができなくなり、日常的な留守番の行動を知ることもできません。

さらに、どんな状態であっても執着行動は動物を不幸にしてしまいます。

この二つの機能がついているカメラはとても高額です。

使用して欲しくないので、機能のないものを選んでいただくようにしています。

どんな道具も、人目線になってしまうと犬に負担を与えます。

話しかけたいという欲求は人側の問題です。

留守番中に食べ物を与えたいという欲求も人側の問題です。

そうなら、1分でも早く帰宅して犬を安心させてあげてください。

一人暮らしで犬を飼うなら、夜の出ごとは最小限にしなければいけません。

共働きの方も、交代で早く帰宅して犬の留守番時間を短くしてあげてください。

大変なんですけど、それが「犬を飼う=犬と暮らす」ということだからです。


犬と暮らすなら、犬といっしょに過ごす時間を作りましょう。

時間と空間を共有して、共通のルールで安心して楽しく過ごす時間をしっかりと持つ。

そうすれば、短い留守番を犬は安心して過ごしてくれます。


リモートカメラが犬にとって快適に使用されるように、工夫をお願いします。




Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと

<受講生のコトバ>テントクラスデビューのコロ助のこと

犬とテントで宿泊する「テントクラス」に2回目のチャレンジをしてくれた生徒さんから、感想文をいただきましたのでご紹介します。

参加したのは白柴犬のコロ助くん9才とその飼い主さんです。


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先日のゴールデンウィークに、テントクラスに2泊参加しました。

コロ助と一緒に、グッドボーイハート七山校に通ってもうすぐ6年になります。

その間プライベートトレッキングクラス、グループクラス、わんげる・ミーティングと色々なクラスに一緒に参加してきました。

その中で、いつかチャレンジしてみたいと思っていたのがテントクラスでした。


実は2年ほど前、テントクラスに1度チャレンジしたことがあります。

その時は初めての参加ということもあり、テントクラスのお仲間さんと一緒に山には上がらずに、七山校のお庭にテントを設置してもらいコロ助と2人で寝ました。

コロ助はテントの中に置いたクレートの中で、私はその横の寝袋で寝るという形でした。

当時コロ助のクレートトレーニングはあまりできておらず、
テントの中に初めて入り興奮気味のコロ助をクレートに入れるのに苦労しました。

しかもクレートに入る前に寝袋に噛みつき、「先生に借りたおニューの寝袋が破れる!」と慌てたのを覚えています。

その後もコロ助は、夜中に何度かクレートの扉を前脚でカリカリし、
クレートが回転するんじゃ?というほどに中で動き、その度に「しない!」と声をかけて一晩過ごしました。

結果的には無事に一晩過ごせたのですが、「まだ早かったのかな?」
「山に上がって、クレートなしでテントで一晩過ごせるのかな?」とその時は色々考えました。

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そして今回、再びチャレンジすることになりました。いろいろ不安はありました。

「夜暗い中、いつもと違う環境で山を上がっていくの大丈夫かな?」

「慣れないテントの中で一晩過ごせるのかな?」

「前は寝袋に噛みついたし、テントを破壊して逃走したらどうしよう」

「夜中に外に出る!と騒いで、夜の山で行方不明になるかもしれない」
等々。


でも前回チャレンジした時よりコロ助はだいぶ落ち着いて山を歩けるようになっていました。

トレッキングクラスに参加していて、逃走するかもしれないという不安はあまり感じなくなっていました。

また、トレッキング後に私たちが犬語セミナーを受けたりしている間、クレートの中で数時間待つこともできるようになっていたので、今ならテント泊ができるかもしれないという思いが私の中にはありました。

そしてテント当日、七山校に到着。

明るいうちに山の上にテントを設置するのですが、遅れて到着した私のテントもお仲間さんが先に上がって設置してくださっているとのこと。
ありがたや。

早速コロ助と共にみんなの後を追います。

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上がり始めて気が付いたのですが、コロ助と2人きりで尾歩山を上がるのはこの時が初めてだったのです。

今までは先生やみんなの後をついて上がっていっているという感じでしたが、
2人で道を間違えないように上がっていかなければいけません。

きょろきょろと道を確認しながら進む私に対しコロ助は、迷うことなくゆっくりと道を進んでいきます。

前に通ったみんなのにおいがあるからなのか、何度も歩いたルート自体を覚えているのか、

いつのまにかそんなことができるようになっていたんだね、となんだか嬉しく思いました。


寝袋をテント内に設置していったん下山し、七山校で夕食をいただいた後、
いよいよ寝るためにテントへ移動です。

山は暗く、ヘッドライトの明かりを頼りに進んでいきます。

途中後ろを振り返ると、いつもトレッキングクラスの時に見えた木も道路も家も、
何も見えない真っ暗闇でした。

なんだかいつもと違う冒険感があり、ワクワクしました。

足元のコロ助は少し慎重な感じでしたが、昼間とあまり変わらず
地面のにおいをとりながら進んでいました。


テントに到着し、いよいよテントに入ります。

私の中で、ここが正念場でした。

テントの中にうまく入れて、興奮させないようにしなくては!と思っていました。

私が先に入るか、コロ助を先に入れるか・・・入らない!と抵抗された時のために、
コロ助から入れることにします。

入り口を開けて入るように促すと、ズボ!すんなり入りました。

そして私も入ります。前回は入ったものの、ハアハアと興奮し、
テント内をクルクルとせわしなく歩き回っていました。

今回は・・・立ったまま鼻をヒクヒクさせて、フンフンと空気のにおいをかいでいます。


お隣のテントにいるお仲間さんに
「人間がゴソゴソしていると、犬も落ち着かないから早く寝袋に入ったほうが良いよ」
とテント越しにアドバイスをいただき、早速寝袋に入ります。

「今日はここで寝るんだよ」と隣で立ちつくすコロ助に声をかけ、とりあえず目を閉じました。


ヘッドライトを消すと、うっすらと月明かりはありますが、ほとんど見えません。

コロ助は毛が白いので、白い物体がぼんやりとテントのどのあたりにいるのかはわかりますが、
どこを見て、どんな体勢で、どんな表情をしているのかはわかりません。

夕食時に先生が「テントは一撃で破れるから気を付けてね」と言っていたのを思い出します。

テントに手をかける気配があったら止めなければと、音をたよりにコロ助の動向を探りました。

どうやら立ったまま、時々テント内をウロウロし、フンフンとにおいをとっているようでした。

・・・カス!

前脚がテントをかする音がしたので、「しないで」と声を掛けます。

興奮しているわけではなかったので、すぐにやめました。

それからもウロウロ、フンフンの音が聞こえ、20分くらいたったでしょうか、

ドスン!という音がしました。

座ったのか、フセをしたのか・・・?と考えていたら、

・・・ズー!ズー!ズー!といびきのような寝息が。

・・・寝たな。

コロ助は外飼いで、大人になって一緒に寝たことはほとんどなく、意外に寝息すごいのねと新たな発見でした。

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無事に寝てくれたことに一安心し、私も寝ようとしました。

しかし、目をつぶっていても頭のどこかが起きていて、ちょっとした音で目が覚めます。

テントの外でカサカサ、パキパキ・・・何かが歩いているような音。

ポス!テントの上に木の葉や枝が落ちてきた音。

コロ助も5~6回立ち上がってはウロウロし、寝る場所を変えていました。

荷物を鼻先でクイクイしたり、テントの内側に飛び出しているボタンのようなものをくわえてみたり、
何度か「しないで」と声かけをしたと思います。


寝たような、寝てないような状態で気がつくとテント内は明るくなり、鳥が鳴いていました。

コロ助は私の横ですでに起きており、フセをしていました。

無事に一晩過ごせたね、良かったね。

周りのテントのお仲間さんが起床する音を聞いて、私とコロ助も外に出ます。

「コロ助、大丈夫だったね」とみなさんが気にしてくれていたことに感謝。

朝のひんやりした空気が心地よかったです。


2泊目の晩は、前日あまりよく寝ていないせいか、テントに少し慣れたのか、私は割とよく眠れました。

コロ助もテントの明かりを消して間もなく、ズーズーと寝息を立てていました。

テント内でウロウロし、場所を変える回数も少なかったと思います。


今回のテントクラスで、いろいろな発見がありました。

参加前は不安もありましたが、もう2人ともいい年ですが、2人で大人の階段を1つあがった気分です。

今後、お仲間さんと同じテントで寝れる日は来るのでしょうか?

その時コロ助はどんな感じなのかな?

どうなるのかドキドキですが、ワクワクもします。チャレンジを楽しみたいと思います。

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何才になっても新しい挑戦は飼い主と犬にとって良い関係作りをすすめてくれますね。

前向きになれるときは一歩でも前進あるのみです。

コロ助くんとの貴重な体験を公開していただき、ありがとうございました。

Posted in 受講生のコトバ

<おすすめのアイテム>犬の留守番中のカメラ観察:連休明けには必須アイテム

長いお休みも今日で終わりです。

この長い連休明けに、犬の行動が不安定になってしまうことがあります。

いつもとは違う時間の過ごし方は犬に影響を与えることがあるからです。


犬はいつも同じで環境がゆっくりとしか変化しないという、動物的感覚をもちます。

今週はゴールデンウィークだったから、という理解はありません。

普段は仕事で不在な時間に飼い主が自宅にいるとか、いっしょに外出の楽しい休みを過ごしたとしても、犬にとっては大きな環境の変化です。

休み明けの長時間の留守番時には、犬の行動を細かに観察してほしいものです。


以前なら録音で駆使していた留守中の行動観察が、今では文明の利器で簡単にできるようになりました。技術の進化とは凄いです。

子供さんの留守番時の安全や防犯のためなどに開発されたネットワークカメラが役に立ちます。

商品名はネットワークカメラとか、リモートカメラなどで検索するとたくさんの商品が販売されています。

犬の状態に応じてレッスンのときに導入をおすすめしています。

ですが具体的に「このカメラがいい」というご紹介ができずにいます。

商品数が多すぎて自分でチェックできないことと、商品自体がまだ発展中のため、これからもっと利便性が高く安価なものも出てくると思います。

高価なものは3万円位から安いものは5千円位と、種類も様々です。


先日生徒さん宅で実際に利用されているカメラを見せていただきました。

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5千円程度で購入したものらしいのですが、動画は鮮明で問題なく使用できるものでした。価格が低くても性能に問題のないカメラはいくつもあるようです。

逆に高価だけど余分な機能がついているカメラもあります。

ネットワークカメラで絶対にやって欲しくないことが、実はこうした高価なカメラに含まれています。この内容については続編のブログで説明します。

多忙にしていないと落ち着かない特殊な動物、ヒトと寄り添って生きることは犬にとっては負担も大きいものです。

ちょっとした犬の行動の変化には、飼い主の影響が大きいということを自負した上で安定した生活を共有していきたいものです。

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<犬のしつけ方>案外多い?から脱走する犬:なぜ自分の家から逃げる必要があるのか。

マンション飼育の方にはあまり経験ないことかもしれませんが、
家庭犬が「脱走した」という話を聞いたことがあるでしょうか。

戸建てでは、門扉がたまたま開いていたために、
飼い主の知らぬ間に、門扉や玄関の隙間から犬が「脱走する」ことがあります。

この「脱走」という言葉、いつ頃から使われるようになったのか微妙ですが、
犬の家からの逃走行動を多くの人が「脱走した」といいます。

犬が脱走しなければいけない時点で、すでに犬は自宅敷地内に囚われの身だということです。

室内に幽閉されているのか、庭に係留されて拘束されているのか、
いずれにしても犬たちはそこから脱走したわけです。

脱走経験のある犬のほとんどは、家庭犬として食べ物と住まいを与えられてた上で、
何不自由なくさらに家族として愛されて育てられている犬なのです。

これらの犬が、自宅を脱走しなければいけない理由はなんなのでしょうか?


この自宅からの脱走という逃走行動ですが、案外多いのです。

この行動によって迷子犬が増えてしまうため、犬の首輪には名札や鑑札をつけることが条例によって義務付けられています。

もし、あなたが戸建てに住んでいたとして、玄関の門扉が開いていてあなたがそれに気づかずにいたとしたらどうでしょう?

あなたの犬は自宅から脱走するのでしょうか?


もし、自分の犬はその門扉の隙間から逃走する可能性があると思うのなら、
犬の日常の行動について観察してその理由を探していただきたいのです。

過去になんども自宅の庭や玄関から逃走した経験を持つ犬を飼っているなら、
今すぐその犬がなぜ逃走するのかを考えてください。

犬はただふらりと遊びに行きたくて逃走しているのではありません。

犬の逃走行動には理由があるのです。

家庭犬として愛情を持って可愛がっているのだから、うちの犬が逃走するなんて考えられないという飼い主もいることでしょう。

希望と現実は別です。

犬たちが抱えている問題は、すぐ目の前にあってさまざまな行動によって示されています。

それは、飼い主が犬に対して解決しなければいけない問題が今目の前にありますよという、わかりやすくてありがたい犬からのメッセージなのです。

犬の安定性は人の愛情だけでは達成できません。

こんなに愛しているのに何故?といって泣き崩れても仕方ありません。

愛しているなら理解するしかないのです。

それが真の関係作っていく方法になります。

種が違うのですから、本当のところはその犬に成り代わってみないとわかりません。

でもそれは人と人も同じことです。

本当の気持ちは、その人になってみないとわかりません。

だから100%を分かりきるということはできないのです。

それでも、理解しようと努めることは相手に伝わると信じています。

犬も同じだというと「動物なのに?」と違和感を感じれるでしょうか。

それなら試しに真剣にやってみてください。


あなたの犬は脱走すると思いますか?

そうだとしたらそれはなぜでしょうか?

日常にあるちょっとした行動を、犬だからと済ませないこと。

犬のしつけ方はただそれだけのことです。

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Posted in 犬のこと