グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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リードを付けた犬と「人犬一体」となれるトレッキングを目指そう

今年も11月に入りました。

いろいろあってあっという間に年末に突入した感じです。

七山にも秋が到来して気持ちよくトレッキングクラスを開催できました。

今週はプライベートクラスのトレッキングクラスで山歩きを犬と飼い主さんといっしょにしました。

まだ数回の犬ちゃんは、だんだんと落ち着いた歩行になってきました。

はじめはリードを前に引っ張るばかりだったのに、ほとんどリードをたるませた状態で歩けるようになっていました。

犬が上手になったのはもちろんですが、飼い主さんの犬をサポートする力がかなり上がってこられているなと思いました。

犬のリードは犬が引っ張るのを引き留める道具ではありません。

犬のリードは馬の手綱と同じ役割を果たしています。

要するに「乗り手次第で動物は変わる」ということです。

馬だともっとわかりやすいのだと思います。

気難しい馬を上手に制御できる人は尊敬を集めたものです。

馬が人に協力をしまさに「人馬一体」となった姿には美しさを感じます。

同じように「人犬一体」となったリード使いではやはり美しいと感じることができます。

リードにたるみがあってお互いにバランスをとりながら歩くトレッキングは、お互いの気持ちを確認できるとても良いコミュニケーションです。

トレッキングクラスで学べることやトレッキングクラスで犬が受ける良い影響はひとつではなく、あげるときりがないほどです。

このすばらしい犬との山歩きを体験していただきたいという気持ちだけでこの七山の尾歩山を育ててきました。

今年で13年で紅葉もまだまだですが、そこそこといった感じです。

季節もあとわずか、犬には10回しか来ない秋だと思うとその1回1回がとても貴重な季節です。ぜひお出かけ下さい。

そのトレッキングクラス中にも何名かに「山で警察犬が逃げた事件なんですけど、先生はどう思われますか…」という質問を受けました。

そろそろブログに私の意見を書きますのでお楽しみに。

Posted in 日々のこと, クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

犬はよく下痢や嘔吐をする、そしてそんな時は草をモリモリ食べます。

今週お預かりクラスに来てくれている犬ちゃんですが、お預かり前に長らくお腹の調子が悪い…ということで飼い主さんと打ち合わせもしました。

しかし通院の結果重篤な病気に感染しているのではないということで診断を得られました。

元気もあるしお預かりして犬ちゃんの様子を見守りました。

以前にもなんどか下痢の症状のある犬ちゃんを単独のときのみお預かりしたことがあります。

犬は日ごろは人よりもずっと快便です。

毎日規則的な時間に形の整った便をします。

その分は下痢や嘔吐を簡単にします。

体を整える反応が人よりも高く動物的で、調子を整えるために下痢や嘔吐するのです。

出すとすっきりして元気になることが多いものです。

そして何よりもいつも思うのですが、下痢や嘔吐をしている犬は草をとても食べます。

今回お預かりした犬ちゃんも、到着してからバクバクと広場の草を食べていました。

その姿をみながら「これなら大丈夫だなと見守り続けました。」

そして翌日には草の絡まった完璧な便をして、動きも活発になってきました。

都会には自分の体調を整えるためのあのツンとしたイネ科の雑草があまりないようです。

そのため薬で解決しようとしますが、薬はあくまで対処法です。

下痢を止めようとする薬に、出し切ろうとする体が反発してさらにぐったりしてしまうこともあります。

緊急時には薬をちゃんと使い、日常のケアは食べるものや活動で維持するのがベストだと思うのですが、犬と暮らしなれていない飼い主さんには見極めが難しいところですね。

犬が自分で何かをしようとしているときにそれを見守ることができるかどうかにかかっていきます。

そしてそれが犬にとってメリットの高いものであれば見守るけれど、デメリットのもの(ストレス、衝動、自己破壊)であれば止める必要もあります。

そんなことわかるわけないと思われるかもしれませんが、それを学ぶための学校がグッドボーイハートです。

犬ができることのひとつに、自分で自分の体調をある程度は整えるということがあります。

それも自律機能のひとつです。

ひとつひとつを奪ってしまうと犬は何もできないただぼーっとしている動物になるか、狂ったように動き回る壊れた機械のよう生き物になってしまいます。

お預かりの犬ちゃん、いっしょに山歩きしてお手伝いしてくれました。

元気になって良かった。

草を持って帰っていいよ。


 

Posted in 日々のこと, クラスのこと

日本の野良犬から家庭犬へと変化した遺伝子は稀少である

先日お散歩代行のお仕事をさせていただきました。

意外と知られていないグッドボーイハートのサービスのひとつです。

飼い主さん不在時のお手伝いは、ブログでもご紹介している犬のお預かりクラスが一番のおすすめです。

しかし、犬によっては移動が苦手で自分の住まいとその周辺が最も落ち着いて住める、かつ安定した環境の屋外飼育なで飼い主さんの不在にある程度の時間は耐えられる場合には、飼い主さんのご希望でお世話代行に伺っています。

今回お世話させていただいた犬ちゃんは、知人の紹介で定期的にお世話させていただいていて、社会性の高い犬ちゃんは私を認識してくれるのも早いのでお仕事を受けました。

導入が長くなりましたが本筋の話はこここからです。

犬種は日本のザ・ミックス犬です。

日本にいるミックス犬の中ではかなり大きな体格ではあります。

そして特筆すべきなのはその犬ちゃんの性質です。

日本の犬はそもそも山犬だったものが、人の里にいつくような里山犬となり、野犬と野良犬に分かれていきます。

野良犬とは文字とおり野犬の中でも「優良」の犬の方です。

人に害を与えず特別役に立つわけではないが、人も他の動物との関わりと楽しむ相手として余裕があれば歓迎して迎えたのでしょう。

人のものを無駄に捕ったり荒したりせずに少し下がって関わりをもつことのできる野良犬。

人のモノを常に奪うことを狙っている野犬とはかなり性質が違います。

人になつき、様子をよく観察し、出しゃばらず、隠れることが上手です。

良い意味で日和見的なその性質が時間をかけて人とより近く暮らす、つまりテリトリー(縄張り)を共有する家庭犬としてより洗練されたものだと私は考えています。

こうした雑種犬は今やほとんどいなくなっており、本当に貴重な存在です。

お世話させていただいた犬ちゃんにそんな日本の野良犬の遺伝子の臭いをなんとなく感じてうれしくなります。

なによりもコミュニケーションがとてもよくとれるのですが、もちろん小さいころから元の性質をより大切に育てて来られた飼い主様の環境や接し方があってのことであることは間違いありません。

今の日本の犬事情の中では、こうした社会性の高い性質の犬が増える環境がありません。

ペットショップで販売されている純犬種たちの全てではありませんが、その多くが人との暮らしに必要な遺伝子をあまり受け継がれていないと感じます。

彼らの親犬やまたその親犬は、人とどのような暮らしをしてきたのだろうかと想像するとしたらどうでしょうか。

日本の野良犬には特別な仕事はなく、家庭犬になってはじめて人のテリトリーを適当に守るという番犬としての役割が多少与えられた程度です。

さらに純犬種の場合には、アナグマを刈っていたとか、猟犬だったとか、闘犬だったとか、牧羊犬だったとかいろんな使役として遺伝的に求められたものがあったのです。

それらを一日中なにもしなくてもいい家庭犬として納めていくことの難しさを考えずに、ただ「見かけがかわいい」という気持ちだけで飼われる犬の方にストレスがかかるのは仕方のないことだと思います。

さらに野良犬の方は、餌付けという方法をもって捕獲されてしまいます。

人に時間をかけて自然に近づいてきた野良犬から家庭犬になったものと、餌付けを通して人に近付いてきた犬では大きく違うことをまず理解してあげる必要があります。

もちろんどの犬にも人と暮らす権利があります。

むしろ国内では人に飼われていない犬が生きることは認められていません。狂犬病予防接種法という法律があるからです。

かといって、うじうじと不安や不満を抱えていても仕方ありません。

だから今目の前にいる犬にできることを考えたときに、純犬種もミックスも超えてそのもっとずっと奥にあることは「ただあなたは犬なのだ」ということを思い出してもらうことしかないという考えにいたりました。

あなたはボーダーコリーである前に犬なのだ。

あなたはトイプードルである前に犬なのだ。

そんな時間をすべての犬に大切にすることが、犬が持っている根底の力を引き出すことだと信じています。

犬から引き出すべき素材は、犬本来の習性と自然とのつながりの力です。

日和見主義といえば英語ではOpportunism(オポチュニズム)と言われます。

お天気によって行動が変わるのは犬の本質なので、オポもやっぱり日和見犬でした。


 

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長いお預かりクラスで学んだことをお返しします。施されたら施し返す!

今週は久しぶりに長い期間のお預かりクラスでした。

慣れている犬ちゃん、始めての犬ちゃん、そして途中でクラスメンバー交代といろいろと目まぐるしいお預かりクラスでした。

お預かりクラスの目的はいつもお話しているとおり、安全に犬たちをお預かりすることです。

さらに場合によっては、今の犬の状態をより詳しく把握して次のステップを決めること、環境をリセットすることでどのような変化が犬に起こるのかを見極めていくこと、という上級クラスのお預かりもあります。

今回は前者と後者がダブルになってお預かりクラスでした。

インスタグラムをご覧になった生徒さんから「喧嘩しないのですか?」と聞かれましたが、もちろん喧嘩をするような犬と犬を同じスペースに出すことはできません。

同時にどの程度の行動制限を与えるのかも、犬の状態に応じて日ごと、いや時間ごとにステップアップしていきます。

昨晩まで起きたことから、今日起きるかもしれないことを予測して、今日のスケジュールを決めるが実際には今日起きるかもしれないことが起きなかったり、予測しないことが起きたりします。

都度犬に対する管理の方法や接し方、やるべきことややることを変化させていくので、自分ながらこれは職人芸だなと思っています。

同じことを人にできるように教えてくれと言われても、決して伝えることができません。

そんな今回のお預かりクラスで学んだたくさんのことの中のひとつは「よく見極めること」でした。

職人気質の私も見ているようで見ていない部分があったり、聞いているようで聞こえていない音があります。

そうさせてしまうのは自分の中にある思い込みの世界です。

犬の飼い主のほとんどがこの思い込みの世界によって、本当の自分の犬を理解することができません。

犬が喜んでいる。犬が好きだから。という言葉がでるときに、本当にそうなのだろうかと考える必要があります。

犬の中にある「良し」「悪し」という単純な選別だけでは犬を知ることはできません。

犬にはもっと複雑な感情があるはずですが、ほとんどの犬がその感情を得る機会を持てていません。

なぜなら、いつもいっしょにいる飼い主が「良し」「悪し」という判断を下すだけだからです。

自分の犬は天使で汚れなくいつも笑っている、そうでなくてはならないと犬に課すことを止めて、犬だってずるもする、文句もいう、反発もする、イライラもするということを認めていきましょう。

それも含めて犬なのですから。

お預かりクラスをご利用いただきたくさん学ばせていただいてありがとうございました。

これからまた他のクラスでお返しさせていただきます。

施されたら施し返す。の精神いただきます。


 

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結果にコミットするグッドボーイハートのトレーニングは生徒さんとの約束の繰り返し

また預かりクラスのために七山に戻ってきました。

今回の犬ちゃんたちもよりとりどりなので、考えていたらテンションが高まってしまい昨日も本日も眠気が来ずに困っています。

よくみなさんに「好きな仕事をされているから幸せですね。」と言われます。

幸せであることは否定しませんが、好きだからこそ限りなくつぎ込んでしまうこともあるし、思うようにいかず悩むことなど山のようにあります。

どのようなトレーニングを飼い主さんに提案すれば良いのか、レッスンの対象は犬ではなくあくまで飼い主という人なのです。

犬は全く問題がなくても、人はなかなか難しいものです。

そんなことを考えているときに、あの有名なCMがYouTubeで流れていました。

結果にコミットするあのダイエットのCMです。

ライザップのメソッド

1 データに基づいた科学的トレーニング

2 トレーナーが寄り添ったトレーニング

3 日課を与える

これを見たときにそのままではないかと思ったのです。

ライザップさんから勝手にお借りして申し訳ありませんが、当校に当てはめるならこんな感じです。

グッドボーイハートのメソッド

1 犬の習性に基づいた科学的なトレーニング

2 ドッグトレーナーが寄り添ったドッグトレーニング

3 飼い主に日課を与える

そのまんまのぱくりではないかというご指摘甘んじて受けましょう。

しかしこれぞグッドボーイハートの結果にコミットするメソッドです。

しかし上手く考える人は上手く考えるものですね。

こうしたより分かりやすい広告が人に理解を促すのですね。

その点ではわたしは言葉足らずでまだまだ勉強が必要のようですが、今持っているものをまずは全部出し切ることの方が先かもしれません。

しかしライザップさん「結果にコミットする」という言葉もとても深い言葉です。

結果にコミットするとは、お互いに約束を交わすという意味です。

お金を払ったから絶対に痩せますよ、と言ってはいません。

お互いに約束を守ることでいっしょに結果を出しましょうね、というのが結果にコミットするの本当の意味ですね。

グッドボーイハートのトレーニングにも、犬の管理方法や接し方や練習など日々の積み重ねをしていただくことがインストラクターである私と生徒さんである飼い主さんの約束事です。

しかし犬に対する管理や接し方は、犬に対する気持ちがそのまま出てしまうものです。

なかなか私の前で練習したように接することができないというのが実際のところだと思います。

犬を可愛がりたいという気持ちは私も同じです。

ところが可愛がりが甘やかしになる境界線を見つけることは難しいようです。

人の子供に対してですら難しいことを、犬などの社会に飛び出す必要すらない動物に飼い主として責任感を持って向き合える人は本当に一握りしかいないとは思います。

インストラクターの指導内容と、実際の飼い主さんの行動にズレが生じるとなかなか結果にコミットできません。

ズレを修正するには多少の時間が必要ですが、急いで解決したいという気持ちもわかります。

だから多少厳しくはっきりと発言させていただいていますがその点はご了承下さい。

これでも昔よりはずっと丸くなったと生徒さんたちから言われます。

どんなに厳しかったのだろうと申し訳なく思いますが、こうして目の前に犬がいると考えが止まらなくなってしまうような犬バカさからくると思って大目に見ていただければと思います。

生徒さんたちに私から課した犬のしつけ方の日課が約束事なら

私の側のお約束は、犬のことを真剣に考えて知り得たことを飼い主さんに分かりやすくお伝えすることです。

確かだれかとても偉い方(名前が出てきません…)が、自分が理解するのに一年かかったらそれを他人に説明するのにまた一年以上が必要になるというようなことを言っていました。

もっと長い年数だったかもしれません。

本当にその通りなので、犬のことを私から知りたい方はどうぞ気長にお付き合いください。

自分で言うものなんですが、私は日々進化しています。

昨年の自分だったら思いつかないような考えに今年はいたっています。

そして同時に老化もしているのですが、これもまた動物としての成り行きです。


 

 

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犬と見つめあっていたい?それとも犬の見ている風景をいっしょに見たいと思いますか?

週末はお預かりやトレッキングクラスで七山でゆっくり…とはいきませんでしたが、体をよく使いました。

最近インスタグラムを始めたからか写真を撮らなければいけないと思ってしまって多少反省しています。

自分が写真撮影をすることで犬の時間を邪魔したくないというのが私のポリシーです。

だから写真を撮るときには犬にこっちを向いてと言わないようにしています。

そのせいか撮影した写真はとてもインスタグラムに投稿できるようなものではありませんがブログと同じように日々の日記だと思って気軽に続けています。

そういえばオポの写真はほとんど後ろ姿でした。

今スマホに残されているわずか数枚の写真もほぼ後ろ姿です。

犬を真正面から見つめてかわいいなと思うのは、犬がよく休んでしまってからです。

犬が屋外で活動をしているときは、犬が見ている風景を自分も見たいという気持ちが先に立っています。

犬が何を見ているのか?

犬が何に興味があるのか?

犬が何を感じているのか?

そんなことを知りたいと願っているため、犬の見ている風景を見る。

自然と犬と同じ方向を向いています。

犬たちを見ていてなんとなく感じるのですが、顔をそむける癖があったり、顔をしたに向ける癖があったりする犬は、いつも人の方を向くように要求されてきたのではないでしょうか。

飼い主がリーダーだから自分を見るように教えるという方法もありますが、(実は私もやってみたことがありますが)それは実際の注目とは違うものだと今は思っています。

犬が見ている方向を私が見るように、本当に大切なときには私が感じていることを犬も感じる事ができるようになることの方がずっと大切だと学びました。

それもこれも、犬との山歩きの趣味が犬との山暮らしへと移り変わった犬との生活の中で得た貴重な学びです。

トレッキングクラスで犬たちは何を見ているのでしょうか。

山ではもう人の臭いを嗅ぎ続けなくていいのです。

山ではもっと大切な臭いを嗅いでそして自分を、つまりは犬を取り戻してください。

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お預かり期間のヒントを養老孟司氏の話から得たこと

グッドボーイハートのトレーニングクラスの特徴のひとつが、犬を自然の一部としてとらえるということです。

犬に限らず私たち人間も自然のひとつであることは間違いありませんが、犬も同じなのです。

犬と自然をできるだけ近付けて、犬を犬として過ごす時間を尊重する。

それがグッドボーイハートのお預かりクラスの奥にある目的です。

お預かりクラスを利用される飼い主さんたちは、旅行、出張、冠婚葬祭などのペットホテル替わりとしてのご利用と、飼い主さん側に特別な事情がなくてもお預かりクラスを利用されます。

グッドボーイハート七山校が自然の風が流れる空間にあること

多くの時間を屋外活動で過ごすこと

私たちインストラクターが犬を犬として扱うこと

これらの環境整備によって預かりクラスは構成されていきます。

そこで預かりクラスを利用される際には、

「どのくらい預けたら犬にとって良い方向になるでしょうか?」

というご質問を受けます。

単なるペットホテル代わりであれば、日帰りでも一泊でもお預かりします。

ですが当校で学ぶ飼い主さんたちは、犬のより深い成長に関心を持たれます。

そのため「期間が延びることで犬に良い影響があるならそうしたい。」と希望されることがよくあります。

その期間を説明するのに良いヒントを、先日拝見した養老孟司氏のインタビューの中に見つけました。

その期間は3泊4日を超える。

この数字はいつも私が生徒さんにご説明するのに、できれば3泊4日~が変わるとご説明しているのと同じ数字です。

この数字について養老先生のインタビューではこんな内容の話でした。

養老先生は都会と自然を行き来する生活をしていることはご存知の方も多いでしょう。

自然環境に行って体を整えることが人にとって大切なことだと日頃から力説されています。

仕事の多くを都会でされるのでしょうが、自分の体の声に応じながら自然の中に出かけていらっしゃるのかと推測しました。

養老先生が自然の拠点に移動された際には、3泊を超える4日目から自分の体に変化が訪れるということでした。

「ここにきて4日目から変わり始めるんだよ。」

3泊4日目からです!

先生はお茶目にも「そこで4日目には飯はどうするっていうことになるんだ」と続けられました。

どうやらご婦人不在で田舎生活を続けておられる様子。

自然に移動して4日目の夕飯には行き詰ることになり頭を悩ませるということです。

人と犬とでは寿命も違い流れている時間の速度も違います。

しかし環境が変化してから新しい環境に自分の体が適応し始めるこの4日目という数字は人も犬も同じことのようです。

2泊3日と3泊4日。

一日しか変わらないのに大きく違うのは、預かっている犬だけでなく飼い主の方にも訪れます。

2泊3日だったら犬なしでも生活をなんとかできる飼い主も、3泊4日となると耐えられなくなる可能性が大です。

飼い主さんが長期の出張や旅行のときには別として、今まで犬のいた生活空間の中に4日間、犬が不在で人間だけとなると人はとたんに落ち着きをなくしてしまいます。

このミラクル数字ですが、本当に変化が起きるかどうかは、犬の行動の変化によって現れます。

3泊4日を超えた時に起きる奇跡の瞬間。

一度起きてしまえば次の預かりの時にはもっと早いステップとなります。

今月はゴートゥーということでお預かり犬ちゃんたちが大変多いため、奇跡の瞬間を見守ります。


 

 

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手作りの犬小屋が犬の隠れ家になって豆柴の子犬くんも安心アップ

家庭訪問トレーニングに伺っている子犬ちゃんのお庭に、手作りの小屋が完成していました。

以前飼っていた犬が使っていた犬小屋らしいのですが、とても頑丈につくってあり、まだまだ使えるということで設置していただきました。

子犬ちゃんは将来はお庭で完全に生活していくために、環境を整えているところです。

屋外飼育の犬も子犬の時期は感染症のことなどを考えて、室内飼育から始められるご家庭が増えています。

子犬を引き取った生後2ケ月齢のころは完全室内飼育から始まりますが、できるだけ早い時期に本来の屋外環境に飼育場所を整えて移行を図る必要があります。

こうした環境を整える手順と時期ですが、

何にとって大切かというとなにより子犬の発達のために大切なことです。

最近、間違った飼育方法でトラブルを発生していることが多いなと感じることがあります。

そのひとつに、屋外飼育予定の犬を生後数ヶ月になるまで、室内のサークルと室内で飼い続けることです。

結局、室内ではトイレのしつけも、コミュニケーションのしつけも、ほとんどままならないまま屋外に出される生後5ケ月の犬がどれほどのストレスを抱えているか想像できるでしょうか。

適切な環境を整えれば、室内で尾を執拗に追い回したり、自分の体を噛んだり、ケージを噛んだり、走り回ったりはしません。

子犬にとって適切な環境とは何かについて学ぶことが、飼い主の子犬のトレーニングなのです。

この環境について知ることが、犬がどのような動物であるかを知る最初の貴重な時間になります。

パピートレーニングを子犬が若い時期に始められた飼い主さんには、本当に感謝しています。

子犬に問題が起きる前に、子犬にとって必要なことを伝える時間をいただけるのですからこんなにありがたいことはありません。

子犬は成長と共にまた新しい問題を抱えます。

それは人の成長期と同じことです。

子犬の問題、青年期の問題、成熟期の問題。

発達に応じて超えていかなければいけない課題というのはあるのです。

パピートレーニングでは、今起きていること。

そして将来起こりうることについてもお話してします。

とりあえず小屋が出来て良かった。

おめでとう!

自分の小屋の前で休憩する豆柴犬のミルクちゃん

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預かり中の犬ちゃんの行動の変化がとてもうれしいこと

お預かりクラスを繰り返し利用していただくことで犬の行動の変化を見せていただくことは、お預かり中の一番の楽しみです。

今回、お預かりクラスを利用してくれた犬ちゃんも年に数回と定期的にお預かりクラスに来てくれています。

それでも今回で数回目のお預かりになるのですが、それでも大きな変化を見ることができました。

どのような変化を見ることができたのか、少しだけご紹介させていただきます。

 

お預かりクラスにきた犬ちゃんの行動の変化とは

 

今回、お預かりクラスに来た犬ちゃん。

前回までは、移動後に落ち着くまでにある程度の時間を必要としました。

最初は一日以上。その後も一日程度はテンションが上がったり下がったりと気分の不安定さを感じる行動がありました。

今回は到着したときから安定のテンションでした。

散策して場所を確かめる。

適切な場所に排泄。

マテの合図に従える。

鼻をならしたり、吠えたり、ウロウロする時間がなく、

自分の落ち着ける場所を見つける。

私への飛びつき行動がなく、よく観察を続けている。

これが到着当初の行動です。

最初のテリトリーで安定が見られると、私がある程度行動を始めてもその行動は安定しています。

例えば室内で掃除を始める。

室内と庭を行ったり来たりする。

作業のために庭から広場へと行ったり来たりする。

よく観察していますが犬ちゃんが騒いだり興奮する様子はありません。

 

犬の行動を管理する基準が上がる

 

犬の行動が不安定なときは管理を厳しく

犬の行動が安定しているときは管理を緩める

これが犬の行動管理の基本です。

 

基本通り、預かり犬ちゃんの行動の管理を緩めていきました。

庭から出して行動させるときの緩めかたもステップアップで自由度が上がります。

安定した行動は次の安定した行動を作り出していきます。

規則性のある波が広がるような感じです。

明らかに今までの様子とは違うと手応えを感じるとこちらもうれしくなります。

預かり期間中にできるだけステップアップさせたいと意欲もわくのです

 

家庭内のしつけこそ犬の基盤を作る

 

お預かりクラス中の犬の行動に預かりのたびに変化がみられるのは、預かり回数だけの問題ではありません。

犬の行動の基盤は飼い主の整備する家庭環境で育てられているのです。

まさに家庭は犬のしつけの土台になります。

さらに犬ちゃんの年齢は1歳過ぎです。

この一年間に飼い主さんが真剣に犬と向き合ってこられたことが変化を生み出す基盤になりました。

また、若い年齢からお預かりクラスを利用していただいたことも安定した行動を引き出させた理由です。

結果としてどのようにも説明はできるのですが、大切なのは犬の安定した行動を見ることができたということは、犬は安心安全の気持ちで過ごすことができたということです。

せっかくお預かりするのですから、この自然環境の中でできることの最大をやりたいというのが私の気持ちです。

ですがそれを望まない飼い主さんもいらっしゃると思います。

冒険なんかいらない、成長なんかいらない。

私のそばから離れない犬であってくれた方が良いと思われるなら、それもまたひとつの選択です。

できるだけ飼い主さんの要望に応じてお預かりをしますが、その飼い主さんの姿勢を知るための訪問レッスンも大切にしています。

今月はお預かりクラスがとても多くて、これからまた学びが重なります。

預かりクラス中の犬ちゃん



 

 

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グループトレッキングクラスを開催しました!

まだコロナの余波がなくならない日常生活で、少しずつ取り戻したい行動や気持ち。

いろんな思いでトレッキングクラスにご参加いただきありがとうございます。

ここグッドボーイハート七山の池原の谷だったら、どんなに強毒化したウイルスも吹き飛ばしてくれそうな気がします。

あまり多数では歩けないトレッキングクラス。

今回もギリギリの頭数でしたが、みなさんのご協力でなんとか最後尾の方まで確認できました。

楽しみが中心のトレッキングでも安心安全第一であることが重要です。

自分の前の人と犬。自分の後ろの人と犬。

そしてなにより自分と自分の犬のことをちゃんとわかって歩くこと。

その玉の数珠がつながるように歩いているのがトレッキングです。

一番先頭を歩いている私に伝わる気配と伝わらない気配。

なかなかあの犬のオポのようにはいかないことはご容赦ください。

一緒に山を歩いた犬のこと。

何より記憶に残っているから不思議です。

先に別の世界に行ったオポやこの山を一緒にあるいた犬たちから、いつも見られていると思うと気持ちも引き締まります。

グループトレッキングクラスは2頭から開催しています。

頭数が多い方が楽しそうですが、慣れていない方はプライベートクラスがおすすめです。

今月はたくさん開催しますのでぜひお越しください。

七山の尾歩山でグループトレッキングクラス



 

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