グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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“ごぼうびか罰か”のトレーニングでは犬に安心を教えることはできないのです。

犬の学習やトレーニング、犬のしつけを学ばれている方にとって、罰を用いたトレーニングよりもごほうびを用いたトレーニングの方が圧倒的に人気があるのは分かります。

犬が「罰=痛みや嫌悪刺激」を避けるために何かを学ぶ罰を回避させるトレーニングは犬にとっても飼い主にとっても辛いものです。

オヤツを見せたらすぐにオスワリをするなら、オヤツを使ったごほうびトレーニングの方がずっと犬に優しいと思うでしょう。

でも、よく考えてみましょう。

「ごほうび」と「罰」はコインの裏表のようなものです。

楽しそうな「ごほうびトレーニング」にも実は落とし穴がたくさんあります。

ごほうびトレーニングと罰を伴うトレーニングが同じものだとはいいませんが、同じ種類の道具で犬を操作しようとしていることに変わりはありません。

そして何より(ここが一番大切なところ)ごほうびか罰トレーニングでは犬に教えられないことがあります。

それは「犬が安心&安全を得ること」です。

犬にオヤツを用いたトレーニングをしても、犬は安心&安全を得ることはできません。

犬はオヤツを見ると集中するし、オヤツを見せればすぐにオスワリをするし、オヤツをみせればすぐにハウスに入ります。

本当にすぐにできるようになるので食べ物をドッグトレーニングに使うことが流行りました。(すでに過去形ですみません。)

でもこのトレーニングは何かの特技を教えるときには有効な場合もありますが、他の場合ではほとんど無効です。

ほんの動機付けにはなっても、すぐに引き上げることをおすすめします。

さて、犬が安心して生活をすることを「ごほうびか罰か」のトレーニングでは教えることはできないと言いました。

では、犬はどのようなトレーニングで「安心&安全」を得ることができるのでしょうか。

グッドボーイハートで真剣に学ばれている生徒さんなら即答していただけると思います。

そうです。

不安を抱えている犬には、犬が安心して生活できる環境を整える=「環境整備」が必要です。

犬に必要な安全な寝床、安心できる休める場所、信頼できる飼い主。

この「環境整備」ですが、飼い主さんが準備できる環境がすべて異なるのと、犬の性質や経験や遺伝が全部違うので、一言でこの形とお伝えすることはできません。

室内飼育されている犬の飼い主なら、うちの犬は室内にいるから安心だと思っているはずと思い込んではいないでしょうか。

もし犬が室内で吠えたり騒いだりするなら、もし飼い主が留守番のときに犬が吠えるなら、もし来客のときにインターホンで犬がワンワンと吠えるなら、その犬は自分の住処をまだ安心だと感じていないのです。

犬は物理的な環境整備と、飼い主との関係性という精神的な環境整備のふたつによって安心と安全を獲得していきます。

犬は不安やストレスを感じると、吠えたり、騒いだり、飛びついたり、噛みついたりするのです。

犬にごほうびや罰を与えることよりも、もっと基本を整える環境整備トレーニングからおすすめします。


 

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お預かりクラスを終えて「帰宅してからすごく変わったことがあったんです!」

先日、はじめての体験お泊りかつ長期のお預かりクラスに来ていた犬ちゃんのご自宅に家庭訪問に伺いました。

お預かりクラスの後はご自宅でいろいろな変化が起きる可能性があり、ワクワクドキドキの家庭訪問クラスとなりました。

変化の中には、飼い主さんのいう「良くなった」というのもあるし、反動として「難しくなった」というものもあります。

どちらも成長過程の一つでアップダウンしているだけですが、飼い主さんの方は長い見通しがたたないため、上がれば嬉しいし下がれば残念と思うのも仕方ありません。

今回の犬ちゃんはどうだったのかな?

「帰宅されたから何か変化がありましたか?」とお尋ねする前に、生徒さんの方から「お預かりから帰ってすごく変わったんです!!」とご報告がありました。

ご報告の感じからすると「いいこと」のようですね。

その犬ちゃんに起きた変化とは身体的変化でした。

「すごく動きが俊敏になったんです!左右に体を振って動くようになったんです!」ということでした。

なるほど、それなら納得できます。

体は大きいのに、むしろ大きすぎる自分の体をどのように動かしていいのかわららない若者のような犬ちゃんは結構あちこちにぶつかったり、階段が登れないとか、左右に転げそうとかいろいろとありました。

お預かりクラス中はかなり急坂に立ち止まっていたり、待たせられたりしていましたので、体のバランスをとる力が身に付いたのだと思います。

それで俊敏な動きになったのであることは間違いありません。

「人のものをとったときも動きが早くて捕まらないんです…」

というのは良い行動とはいえませんが、以前よりも早く動けるようになったことで犬は自信をつけたことでしょう。

さらに「フェイントをかけて投げるふりをしたボールを以前はないのに追いかけたのですが、今はフェイントだと見破ります。」

これもお預かりクラスで環境をよく観察するという学習をした成果ですね。

そして最後にもうひとつありました。

レッスン中にテーブルでお話する際に「足元に伏せてマテをさせてください」とお願いしたのですが、なんとちゃんと伏せて待っています。

いままでは立ち上がろうとしたり飼い主さんにまとわりついたりとごねていた「ゴンタくん」だったのですが、ちゃんと伏せて待っているではありませんか。

「なんだかすごく落ち着いていますね。」と私も驚きました。

お預かりクラスはトレーニングのためのクラスではありません。

犬のしつけはあくまで飼い主さんがというのがグッドボーイハートのポリシーだからです。

ただ、お預かりクラスではわたしが飼い主さんの立場となって犬と向き合います。

普段のご家庭ではできないような体験学習を通して犬の脳に刺激を与えていきます。

脳が若く柔らかいほど吸収が早く変化も訪れることは否定しません。

この犬ちゃんの脳の中にもなんらかの経験が学習として入りそれが根付きそうにあるのかと思うと心からワクワクします。

お預かりクラスで起きた変化を飼い主さんが大切にしてくださることで家庭訪問レッスンがまた生かされていきます。

次回の訪問レッスンもまた楽しみです。


 

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犬のしつけ方ポイント「大技を習う前に基本を叩き込むこと」

学生時代にテニス部に入部してからというもの華やかなサービスエースやスマッシュや見事なロブにあこがれていたのに、部活のほとんどの時間はランニングと素振りでした。

素振りはテニスの基礎の基礎。

素振りだけで終わり玉を一度も打つことがなかった日もありました。

華やかなプレーをやってみたいけれどその前には基礎作りというのがあり、犬のしつけ方にもその基礎があります。

ところが習い事と同じように何か目立つようなことから取り組んでしまう失敗が犬のしつけ方の中でもありがちです。

 

「犬に何か教えていることがありますか?」といいう飼い主に対する質問に対して案外多い答えが次の答えです。

「オスワリ、あとオテを教えました。」

と誇らしげに飼い主が言います。

なぜかゴハンを与えるときにオスワリというのはものすごくメジャーな犬に対するかけことばのようでほとんどの犬がオスワリをしてゴハンをもらっています。

次の「オテ」ですが、これは実際には犬のしつけ方という分野とは無関係です。

「オテ」は犬のしつけというよりも“犬の芸”の方です。

芸とは犬が普通に人に対してあまりしないことを、合図を使ってさせるというものです。

それが「オテ」です。

他者に手をかけるこの「オテ」行動は、犬と犬のコミュニケーションなら友愛とは別の意味を示す、つまり強い主張行動になります。

大人しい犬なら人にしそうにない行動ですが、オヤツひとつですぐにできるようになります。

でもどんなに「オテ」ができる犬でも一番難しい合図はすぐにはできません。

 

一番難しい合図、犬のしつけの大技といえば「オイデ」です。

室内でオヤツひとつあれば教えられる「オイデ」も、もし屋外でリードが外れてしまったら、犬が走り出したらあなたの犬は「オイデ」に反応して戻ってくるでしょうか。

これもありがちなしつけの失敗ですが、まだ十分にコミュニケーションがとれていな犬のリードを屋外で外してオイデの練習をさせてはいないでしょうか。

あなた犬が生後数ヶ月ならきっと飼い主のオイデに単純に反応します。

しかしその犬は生後8ケ月になるとオイデといっても戻って来ない犬になります。

幼くて飼い主から離れられなかった子犬は、成長と共に飼い主から離れていくようになる。

オイデが出来ていたのではなく、離れることができなかっただけなのです。

犬に「オイデ」というしつけの大技を教える前に、もっと大切な基本を教えておく必要があります。

 

犬のしつけの基礎の基礎。それは「マテ」です。

いついかなるときでも、ある程度の時間のマテができるようになること。

これが犬のしつけ方の基本の基本です。

ゴハンやオヤツのお預けのマテができる犬も飼い主が離れて戻るまでのマテはなかなかできません。

このマテ(待機)こそ犬が犬として一番やらなければいけない行動です。

ひとりでもできる役割で忍耐も必要です。

マテは犬がじっとしている行動なので動きがなく動画映えもインスタ映えもしません。

それでもマテができる犬は本当に強いのです。

マテがどのくらい(距離や時間だけではなく状況別に)できるでしょうか?

インターホンが鳴っても「ベッドでマテ」ができるでしょうか?

オヤツがなくてもできるでしょうか?

犬のしつけの基礎の基礎からもう一度見直してみましょう。

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紅葉の尾歩山でトレッキングクラス開催しました。

好天に恵まれた週末、犬といっしょにお出かけされた方も多かったでしょう。

グッドボーイハート七山でも手入れ中の尾歩山で紅葉を楽しみながら程よい頭数でのトレッキング開催できました。

トレッキングに慣れている方が多かったので、いつもとは違うコースも通りました。

普段通っていない山道は地面が地ならしされておらず凸凹。

歩きにくいのがひとつの鍛錬になります。

山歩きになれていない人の方は、最初は怖い、すべる…。

バランスがとれず犬のリードに負担がかかります。

上手に歩けるようになると、犬のリードもたるみが出るようになります。

飼い主さん口々に「山ではお利口!」と言われていましたが、山には山の礼儀というものがあります。

成敗するのは飼い主ではなくもっと大きな自然の力であることを犬の遺伝子は知っているのかもしれません。

尾歩山の縦走で数日前の山の手入れ中に紛失した愛用のノコギリも回収できました。

庭も大きく手入れして、預かりの犬ちゃんが帰宅。

そして新米のまた預かりの犬ちゃんが到着しました。

しばらく楽しく犬の行動を楽しみつつ、山での時間で自己成長を促します。


 

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可愛らしい女子犬ちゃんたちの戦いがあまりにも犬すぎて逆に微笑ましい

先日、可愛らしいメスの犬ちゃんを2頭お預かりしました。

それぞれ別の家庭で暮らしている犬ちゃんたち。

犬種は同じだけど、年齢は多少違います。

どちらもあまり他の犬とのコミュニケーションや関係作りが上手ということでもありません。

その日は福岡でのお預かりになり、あまり慣れていない2頭は今回は対面させずにお返ししようと思いました。

むしろ、対面させない状態でお互いの庭やクレートでの過ごし方がどのくらい変わるのかを観察したいと思いました。

どちらの犬ちゃんも普段は大人しいものの飼い主さんへの自己アピールはある程度強い感じです。

家庭で抱っこされながら育った犬ちゃんは、私が一番!私が女王様!と思っています。

トレーニングでクレートで休むこともちゃんとできるのですが、ちょっとしたときにクレートの中から気配を醸し出し「あのねー。用事があるんですけど!!!!」と主張することがあります。

実際に2頭の犬ちゃんたち、単独でのお預かりでは状況によってクレートの中で小さなアピール音を出すことがありました。

しかし今回、ふたつのクレートが同じ部屋の端と端においてある状態で、お互いに全く気配を消していました。

その気配の消し方はもはや忍法としか思えないほどのすばらしさです。

泥棒が入ってきたとしても、絶対にそのクレートの中に犬がいるということに気づかないでしょう。

見事な気配を消す2頭の犬ちゃんに関心すると同時に、庭での攻防が気になりました。

 

お庭を交互に使って遊ばせてみました。

庭に出たときには、それぞれがまず周囲を探索して、自分がここと思う場所で排尿や排便をします。

ここと思う場所で休んだり、遊んだりすることもあります。

この可愛らしい2頭の女子犬ちゃんたちはどちらもが「わたしが女王様」だと思っているのに、庭に別の犬が排尿をしていることを知ります。

そこでお互いに排尿と排便によるマーキング合戦が始まりました。

普段よりも排泄回数が増えて、排尿の場所ややり方、排便の回数まで変わってしまいます。

 

犬と犬の対決といってもオス犬とメス犬では多少関わり合いが違います。

動物には相違がありますが、この性別による違いは人と似ているところもあります。

オス同士の戦いは分かりやすく正面衝突、つまり「やれんのか(猪木節)!」的にメンチをきる喧嘩だったり、もしくは目をそらして戦いを避けたりすることもあります。

ところがメス犬とメス犬の戦いの場合には、あくまでけん制攻撃的なモードで張り合います。

まずはマーキング合戦です。

排尿と排便を使ったマーキング合戦ですが、当然のことですがオス犬もすることがあります。

ただオス犬の場合にはそのことが直接対決を引き出すきっかけになることもあり、目の前に相手がいるときには慎重な犬もいて経験数も行動に影響しているようです。

さて、女子犬ちゃんのマーキング対決に戻りますが、その犬ちゃんたちの排尿や排便の様子を見ながら、見かけは可愛らしいけれどやっぱり犬だな~と当たり前のことを思いました。

排泄物で臭いをつけて自己主張をするという行為があまりにも犬でほほえましくさえ思えました。

今回は同じ場所に2頭を出すことがなかったため、けん制的な行動で終わりました。

しかし排泄物をお互いに嗅ぎあったことで、お互いの性別、年齢、経験、そして性質に関わる情報までも相手に提供したことにもなりました。

もし今度2頭が対面したときには「あのときのあんたね。」となるわけです。

飼い主さんがいれば吠えるか逃げるかして対決を避けるでしょうが、飼い主さん不在の対面ではどうなるでしょうか。

犬と犬はいつでも仲良し、うちの犬は誰でも大好き、誰とでも仲良くなれるなんてそんなうそっぽいことを思いこむことはもうやめましょう。

自分が一番だと思っている犬はたくさんいるし、実際におうちでは本当に一番の女子犬ちゃんなのです。

そんな犬ちゃんたちの対決ですら、犬と人の難しい関係性よりはずっとシンプルなものです。

次回の直接対決が今から楽しみです。

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リードを付けた犬と「人犬一体」となれるトレッキングを目指そう

今年も11月に入りました。

いろいろあってあっという間に年末に突入した感じです。

七山にも秋が到来して気持ちよくトレッキングクラスを開催できました。

今週はプライベートクラスのトレッキングクラスで山歩きを犬と飼い主さんといっしょにしました。

まだ数回の犬ちゃんは、だんだんと落ち着いた歩行になってきました。

はじめはリードを前に引っ張るばかりだったのに、ほとんどリードをたるませた状態で歩けるようになっていました。

犬が上手になったのはもちろんですが、飼い主さんの犬をサポートする力がかなり上がってこられているなと思いました。

犬のリードは犬が引っ張るのを引き留める道具ではありません。

犬のリードは馬の手綱と同じ役割を果たしています。

要するに「乗り手次第で動物は変わる」ということです。

馬だともっとわかりやすいのだと思います。

気難しい馬を上手に制御できる人は尊敬を集めたものです。

馬が人に協力をしまさに「人馬一体」となった姿には美しさを感じます。

同じように「人犬一体」となったリード使いではやはり美しいと感じることができます。

リードにたるみがあってお互いにバランスをとりながら歩くトレッキングは、お互いの気持ちを確認できるとても良いコミュニケーションです。

トレッキングクラスで学べることやトレッキングクラスで犬が受ける良い影響はひとつではなく、あげるときりがないほどです。

このすばらしい犬との山歩きを体験していただきたいという気持ちだけでこの七山の尾歩山を育ててきました。

今年で13年で紅葉もまだまだですが、そこそこといった感じです。

季節もあとわずか、犬には10回しか来ない秋だと思うとその1回1回がとても貴重な季節です。ぜひお出かけ下さい。

そのトレッキングクラス中にも何名かに「山で警察犬が逃げた事件なんですけど、先生はどう思われますか…」という質問を受けました。

そろそろブログに私の意見を書きますのでお楽しみに。

Posted in 日々のこと, クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

犬はよく下痢や嘔吐をする、そしてそんな時は草をモリモリ食べます。

今週お預かりクラスに来てくれている犬ちゃんですが、お預かり前に長らくお腹の調子が悪い…ということで飼い主さんと打ち合わせもしました。

しかし通院の結果重篤な病気に感染しているのではないということで診断を得られました。

元気もあるしお預かりして犬ちゃんの様子を見守りました。

以前にもなんどか下痢の症状のある犬ちゃんを単独のときのみお預かりしたことがあります。

犬は日ごろは人よりもずっと快便です。

毎日規則的な時間に形の整った便をします。

その分は下痢や嘔吐を簡単にします。

体を整える反応が人よりも高く動物的で、調子を整えるために下痢や嘔吐するのです。

出すとすっきりして元気になることが多いものです。

そして何よりもいつも思うのですが、下痢や嘔吐をしている犬は草をとても食べます。

今回お預かりした犬ちゃんも、到着してからバクバクと広場の草を食べていました。

その姿をみながら「これなら大丈夫だなと見守り続けました。」

そして翌日には草の絡まった完璧な便をして、動きも活発になってきました。

都会には自分の体調を整えるためのあのツンとしたイネ科の雑草があまりないようです。

そのため薬で解決しようとしますが、薬はあくまで対処法です。

下痢を止めようとする薬に、出し切ろうとする体が反発してさらにぐったりしてしまうこともあります。

緊急時には薬をちゃんと使い、日常のケアは食べるものや活動で維持するのがベストだと思うのですが、犬と暮らしなれていない飼い主さんには見極めが難しいところですね。

犬が自分で何かをしようとしているときにそれを見守ることができるかどうかにかかっていきます。

そしてそれが犬にとってメリットの高いものであれば見守るけれど、デメリットのもの(ストレス、衝動、自己破壊)であれば止める必要もあります。

そんなことわかるわけないと思われるかもしれませんが、それを学ぶための学校がグッドボーイハートです。

犬ができることのひとつに、自分で自分の体調をある程度は整えるということがあります。

それも自律機能のひとつです。

ひとつひとつを奪ってしまうと犬は何もできないただぼーっとしている動物になるか、狂ったように動き回る壊れた機械のよう生き物になってしまいます。

お預かりの犬ちゃん、いっしょに山歩きしてお手伝いしてくれました。

元気になって良かった。

草を持って帰っていいよ。


 

Posted in 日々のこと, クラスのこと

日本の野良犬から家庭犬へと変化した遺伝子は稀少である

先日お散歩代行のお仕事をさせていただきました。

意外と知られていないグッドボーイハートのサービスのひとつです。

飼い主さん不在時のお手伝いは、ブログでもご紹介している犬のお預かりクラスが一番のおすすめです。

しかし、犬によっては移動が苦手で自分の住まいとその周辺が最も落ち着いて住める、かつ安定した環境の屋外飼育なで飼い主さんの不在にある程度の時間は耐えられる場合には、飼い主さんのご希望でお世話代行に伺っています。

今回お世話させていただいた犬ちゃんは、知人の紹介で定期的にお世話させていただいていて、社会性の高い犬ちゃんは私を認識してくれるのも早いのでお仕事を受けました。

導入が長くなりましたが本筋の話はこここからです。

犬種は日本のザ・ミックス犬です。

日本にいるミックス犬の中ではかなり大きな体格ではあります。

そして特筆すべきなのはその犬ちゃんの性質です。

日本の犬はそもそも山犬だったものが、人の里にいつくような里山犬となり、野犬と野良犬に分かれていきます。

野良犬とは文字とおり野犬の中でも「優良」の犬の方です。

人に害を与えず特別役に立つわけではないが、人も他の動物との関わりと楽しむ相手として余裕があれば歓迎して迎えたのでしょう。

人のものを無駄に捕ったり荒したりせずに少し下がって関わりをもつことのできる野良犬。

人のモノを常に奪うことを狙っている野犬とはかなり性質が違います。

人になつき、様子をよく観察し、出しゃばらず、隠れることが上手です。

良い意味で日和見的なその性質が時間をかけて人とより近く暮らす、つまりテリトリー(縄張り)を共有する家庭犬としてより洗練されたものだと私は考えています。

こうした雑種犬は今やほとんどいなくなっており、本当に貴重な存在です。

お世話させていただいた犬ちゃんにそんな日本の野良犬の遺伝子の臭いをなんとなく感じてうれしくなります。

なによりもコミュニケーションがとてもよくとれるのですが、もちろん小さいころから元の性質をより大切に育てて来られた飼い主様の環境や接し方があってのことであることは間違いありません。

今の日本の犬事情の中では、こうした社会性の高い性質の犬が増える環境がありません。

ペットショップで販売されている純犬種たちの全てではありませんが、その多くが人との暮らしに必要な遺伝子をあまり受け継がれていないと感じます。

彼らの親犬やまたその親犬は、人とどのような暮らしをしてきたのだろうかと想像するとしたらどうでしょうか。

日本の野良犬には特別な仕事はなく、家庭犬になってはじめて人のテリトリーを適当に守るという番犬としての役割が多少与えられた程度です。

さらに純犬種の場合には、アナグマを刈っていたとか、猟犬だったとか、闘犬だったとか、牧羊犬だったとかいろんな使役として遺伝的に求められたものがあったのです。

それらを一日中なにもしなくてもいい家庭犬として納めていくことの難しさを考えずに、ただ「見かけがかわいい」という気持ちだけで飼われる犬の方にストレスがかかるのは仕方のないことだと思います。

さらに野良犬の方は、餌付けという方法をもって捕獲されてしまいます。

人に時間をかけて自然に近づいてきた野良犬から家庭犬になったものと、餌付けを通して人に近付いてきた犬では大きく違うことをまず理解してあげる必要があります。

もちろんどの犬にも人と暮らす権利があります。

むしろ国内では人に飼われていない犬が生きることは認められていません。狂犬病予防接種法という法律があるからです。

かといって、うじうじと不安や不満を抱えていても仕方ありません。

だから今目の前にいる犬にできることを考えたときに、純犬種もミックスも超えてそのもっとずっと奥にあることは「ただあなたは犬なのだ」ということを思い出してもらうことしかないという考えにいたりました。

あなたはボーダーコリーである前に犬なのだ。

あなたはトイプードルである前に犬なのだ。

そんな時間をすべての犬に大切にすることが、犬が持っている根底の力を引き出すことだと信じています。

犬から引き出すべき素材は、犬本来の習性と自然とのつながりの力です。

日和見主義といえば英語ではOpportunism(オポチュニズム)と言われます。

お天気によって行動が変わるのは犬の本質なので、オポもやっぱり日和見犬でした。


 

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長いお預かりクラスで学んだことをお返しします。施されたら施し返す!

今週は久しぶりに長い期間のお預かりクラスでした。

慣れている犬ちゃん、始めての犬ちゃん、そして途中でクラスメンバー交代といろいろと目まぐるしいお預かりクラスでした。

お預かりクラスの目的はいつもお話しているとおり、安全に犬たちをお預かりすることです。

さらに場合によっては、今の犬の状態をより詳しく把握して次のステップを決めること、環境をリセットすることでどのような変化が犬に起こるのかを見極めていくこと、という上級クラスのお預かりもあります。

今回は前者と後者がダブルになってお預かりクラスでした。

インスタグラムをご覧になった生徒さんから「喧嘩しないのですか?」と聞かれましたが、もちろん喧嘩をするような犬と犬を同じスペースに出すことはできません。

同時にどの程度の行動制限を与えるのかも、犬の状態に応じて日ごと、いや時間ごとにステップアップしていきます。

昨晩まで起きたことから、今日起きるかもしれないことを予測して、今日のスケジュールを決めるが実際には今日起きるかもしれないことが起きなかったり、予測しないことが起きたりします。

都度犬に対する管理の方法や接し方、やるべきことややることを変化させていくので、自分ながらこれは職人芸だなと思っています。

同じことを人にできるように教えてくれと言われても、決して伝えることができません。

そんな今回のお預かりクラスで学んだたくさんのことの中のひとつは「よく見極めること」でした。

職人気質の私も見ているようで見ていない部分があったり、聞いているようで聞こえていない音があります。

そうさせてしまうのは自分の中にある思い込みの世界です。

犬の飼い主のほとんどがこの思い込みの世界によって、本当の自分の犬を理解することができません。

犬が喜んでいる。犬が好きだから。という言葉がでるときに、本当にそうなのだろうかと考える必要があります。

犬の中にある「良し」「悪し」という単純な選別だけでは犬を知ることはできません。

犬にはもっと複雑な感情があるはずですが、ほとんどの犬がその感情を得る機会を持てていません。

なぜなら、いつもいっしょにいる飼い主が「良し」「悪し」という判断を下すだけだからです。

自分の犬は天使で汚れなくいつも笑っている、そうでなくてはならないと犬に課すことを止めて、犬だってずるもする、文句もいう、反発もする、イライラもするということを認めていきましょう。

それも含めて犬なのですから。

お預かりクラスをご利用いただきたくさん学ばせていただいてありがとうございました。

これからまた他のクラスでお返しさせていただきます。

施されたら施し返す。の精神いただきます。


 

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結果にコミットするグッドボーイハートのトレーニングは生徒さんとの約束の繰り返し

また預かりクラスのために七山に戻ってきました。

今回の犬ちゃんたちもよりとりどりなので、考えていたらテンションが高まってしまい昨日も本日も眠気が来ずに困っています。

よくみなさんに「好きな仕事をされているから幸せですね。」と言われます。

幸せであることは否定しませんが、好きだからこそ限りなくつぎ込んでしまうこともあるし、思うようにいかず悩むことなど山のようにあります。

どのようなトレーニングを飼い主さんに提案すれば良いのか、レッスンの対象は犬ではなくあくまで飼い主という人なのです。

犬は全く問題がなくても、人はなかなか難しいものです。

そんなことを考えているときに、あの有名なCMがYouTubeで流れていました。

結果にコミットするあのダイエットのCMです。

ライザップのメソッド

1 データに基づいた科学的トレーニング

2 トレーナーが寄り添ったトレーニング

3 日課を与える

これを見たときにそのままではないかと思ったのです。

ライザップさんから勝手にお借りして申し訳ありませんが、当校に当てはめるならこんな感じです。

グッドボーイハートのメソッド

1 犬の習性に基づいた科学的なトレーニング

2 ドッグトレーナーが寄り添ったドッグトレーニング

3 飼い主に日課を与える

そのまんまのぱくりではないかというご指摘甘んじて受けましょう。

しかしこれぞグッドボーイハートの結果にコミットするメソッドです。

しかし上手く考える人は上手く考えるものですね。

こうしたより分かりやすい広告が人に理解を促すのですね。

その点ではわたしは言葉足らずでまだまだ勉強が必要のようですが、今持っているものをまずは全部出し切ることの方が先かもしれません。

しかしライザップさん「結果にコミットする」という言葉もとても深い言葉です。

結果にコミットするとは、お互いに約束を交わすという意味です。

お金を払ったから絶対に痩せますよ、と言ってはいません。

お互いに約束を守ることでいっしょに結果を出しましょうね、というのが結果にコミットするの本当の意味ですね。

グッドボーイハートのトレーニングにも、犬の管理方法や接し方や練習など日々の積み重ねをしていただくことがインストラクターである私と生徒さんである飼い主さんの約束事です。

しかし犬に対する管理や接し方は、犬に対する気持ちがそのまま出てしまうものです。

なかなか私の前で練習したように接することができないというのが実際のところだと思います。

犬を可愛がりたいという気持ちは私も同じです。

ところが可愛がりが甘やかしになる境界線を見つけることは難しいようです。

人の子供に対してですら難しいことを、犬などの社会に飛び出す必要すらない動物に飼い主として責任感を持って向き合える人は本当に一握りしかいないとは思います。

インストラクターの指導内容と、実際の飼い主さんの行動にズレが生じるとなかなか結果にコミットできません。

ズレを修正するには多少の時間が必要ですが、急いで解決したいという気持ちもわかります。

だから多少厳しくはっきりと発言させていただいていますがその点はご了承下さい。

これでも昔よりはずっと丸くなったと生徒さんたちから言われます。

どんなに厳しかったのだろうと申し訳なく思いますが、こうして目の前に犬がいると考えが止まらなくなってしまうような犬バカさからくると思って大目に見ていただければと思います。

生徒さんたちに私から課した犬のしつけ方の日課が約束事なら

私の側のお約束は、犬のことを真剣に考えて知り得たことを飼い主さんに分かりやすくお伝えすることです。

確かだれかとても偉い方(名前が出てきません…)が、自分が理解するのに一年かかったらそれを他人に説明するのにまた一年以上が必要になるというようなことを言っていました。

もっと長い年数だったかもしれません。

本当にその通りなので、犬のことを私から知りたい方はどうぞ気長にお付き合いください。

自分で言うものなんですが、私は日々進化しています。

昨年の自分だったら思いつかないような考えに今年はいたっています。

そして同時に老化もしているのですが、これもまた動物としての成り行きです。


 

 

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