グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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わからん犬語も読み方次第

生徒さんの犬語自己解説を聞いていると、「ん?」となる瞬間があります。
先日もこんな「ん?」がありました。

生徒さん「よく会う家族の犬が来ると鼻をペロッてなめるんです。だからちゃんと服従しているんですよ。」といわれるのです。
私「なぜ、服従しているって思うんですか?」
生徒さん「えっ?だって、なめるのって服従ですよね?えっ?違う?」
私「服従する行動の中に確かに“なめる”という行動はあるけど、だからといって“なめる”行動がすべて服従する行動というわけではないですよ。それだったら尾をふっているのが全部喜んでいるのだと思ってしまうのと同じ誤解になってしまうでしょう。」
生徒さん「そうですよね。意地悪するときだって“なめる”ようなことしますよね。」
私「そうそう。そいういうことです。」

なめる行動=服従行動ではないことをなんとか納得してもらいました。
そうすると「ではなぜ、なめているのか?」という疑問がひとつ増えてしまいます。

生徒さん「じゃあ…なぜなめているんですか?」となります。
私「なぜだと思いますか?その2頭はどんな関係だと思いますか?」
生徒さん「ストレス?実は仲が悪い?えー、わかんないです。」

こうなった場合には、2頭の犬と犬の間で起きていることですから、この2頭の間に起きている様々なシチュエーションの行動を再検証して、その関係性を考えなおしてみるといいのです。付き合いの長い犬なら、過去のデータからいくつもの行動チェックができます。これをピンチを思うと辛いけど、チャンスと思えば希望の光が見えてきます。

犬のコミュニケーション、つまり犬語はある程度体系化しています。コミュニケーションですから、ある犬が出すシグナルに、相手の犬が応じるシグナルという風に、刺激があれば反応し、そしてその反応に次の刺激が出る、という風にシンプルなものなのです。

だから本当はわかりやすいものなんですよ、といいたいところですが、最近では犬も犬語が下手になってきています。犬語をきちんと話すことができなくなってきているようです。「うちの犬は犬といっしょに育ったから大丈夫。」ですか?子犬だけが複数で育つと、コミュニケーションが荒くなってしまうこともあります。興奮した行動を止める大人がいないからです。先住犬が子犬を受け入れられないケースもあります。意地悪なのではなくて、「自分にはお世話は無理だよ。」という姿勢を示しているだけなのですが、子犬にとってはきついものですね。

コミュニケーションは「発達」して身に付くという過程を経ていきます。種同士のコミュニケーションは身に付けるべき年齢があり、その後に発達していくのです。コミュニケーションの発達は反復練習ではなく、犬の成長と共に変わっていくコトバの変化のことをさします。私たちの言語の身に付け方と同じように、少しずつ洗練されていくもの、それがコミュニケーションです。

その発達と成長のためのベストの環境が、犬にはなかなか準備できません。そのため、最近の犬たちの言葉は「読み取りにくい」ことがあります。つまり、話題になった「なめる行動」も複雑になっていることがあります。いくつかの「こういうときになめる行動をする。」中に当てはまらないこともあります。

だから、ひとつずつ丁寧に犬の行動を見て、感じて、知ってあげましょう。読み取りにくいというだけで、わけのわからないことを言っているわけではありません。細かく読んでいくと、どの犬もきちんと何かを伝えたがっていることを感じます。

そして、ここが恐ろしくまたすばらしいところなのですが、犬の言葉を感じて知って共感していることをどうやらわかっているらしいのです。この部分については、身近な犬の反応しか例に出すことができず、「それって先生の思い込みやろ。」といわれるかもしれません。それでも、私はこの思い込みを少しだけ維持しようと思っています。「それ私も知りたい!」という方、大歓迎です。




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犬語セミナー

今日は犬語セミナーの日でした。プライベートクラスで撮影した犬と犬の対面のビデオを2本見ながら、みなで犬語の勉強をしました。犬語セミナーに始めて参加する方もいたので、最初に犬語セミナーとはどういうクラスなのかを紹介して開始しました。関心のある方はこちらでご覧になってください。
犬語セミナー紹介

今日のビデオは、1頭の犬が異なる2頭の犬とそれぞれに対面したビデオでした。初対面のビデオは、その犬の他の犬に対する行動が分かりやすく表現されているため、犬を知るための貴重な映像になります。さらに、できるだけ条件をそろえた上で、異なる犬を合わせたときにどのような行動の違いが生じるのかを見比べると、より理解も深まります。

犬語を理解するためには、時系列で進む犬の行動をノートに書き出してみることから初めてください。行動を書き出すときは、犬の行動をそのまま書きます。
たとえば、背中の毛が逆立っている、口を大きくあけている、舌をペロッと出す、地面のにおいをとる、といった行動です。時系列で書き出していくと、その犬の行動がどのように変化していくのかを見ることができます。ビデオ撮影したものは、くり返し何回も見ることができます。最初は拾えなかった行動も、くり返し見ていくと拾い上げられるようになり、これをくり返すと、よくたくさんの行動を拾えるようになります。

初参加の方に感想を聞くと「犬の動きが早くて見逃してしまった行動がいくつもあった。」といわれていました。これは見方の練習なので、くり返し参加しているとたくさんの行動を見ることができるのです。とにかく回数です。

今度は拾い上げた行動の種類をまとめていきます。ストレスの表現行動として出たものはどの行動なのかとか、この行動は何を目的としたものなのか、この行動は何に反応したものなのか、ということです。

地道な作業が続くためひとりだと断念しそうですけど、パズルをみんなで探して埋めていくような作業です。犬語セミナーとのきにはだれかが自分の気づかないことを見つけてくれるので、どんどんパズルが出来上がっていきます。

今日のまとめとしては、題材になった犬はどのような性格なのだろうということでした。完全な答えはでませんが、いくつかのヒントは掴めたようです。犬の性格とは、犬がどのような経験を積んできたのかということと、犬が本質的にもっている性質がミックスされたものです。犬という動物を習性的に理解するだけではなく、犬という個体を個性として理解することは同じくらい大切なことだと思います。

どのような環境が犬に落ち着きや安心の効果をもたらすのか、逆にどのような刺激が犬を興奮させたり緊張させたりしてしまうのかをご存知でしょうか。もしかしたら犬にとって良かれと思ってやっていたことが、実は自分が求めていたことの押し付けになってしまうこともあります。こんなことは人と人でもよくあることです。気づいたときに修正をして、より良い関係になれるよう努力すればいいということです。だから、気づくことを恐れずに、犬語セミナーは笑顔で受けていただきたいのです。

犬語にふれる機会はどの飼い主さんにも、犬を飼っていない方にも訪れます。犬語セミナーを通して、犬のことを知りたい方に犬のことをわかりやすく伝えるツールにしていけないかなと考えています。


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引越し後の環境整備

生徒さんが郊外の戸建てに引っ越したため、環境整備のトレーニングのためにご自宅に伺いました。

犬は9歳の小型犬で、子犬のころからご家族といっしょに、高層マンションに暮らしていました。飼い主さんはマンション暮らしを始めてから犬を迎えることになり、マンションの規定にある「共有部分は犬を抱くかクレートにいれること。」というルールをクリアするために、小型犬を選んだとのことでした。

犬と一緒に暮らしながら、犬の行動についての勉強を重ねる中で、犬の生活にいろいろとストレスもかかっていることを受け止められるようになりました。グッドボーイハート七山校では、犬といっしょに山歩きをするような機会も増えてくると、犬の表情や行動の変化に気づくことも多くなり、お庭のある家でいっしょに暮らしたいと思いが高まってきます。そしてついに戸建てに引っ越すことを決められました。

念願の庭付き戸建て家での生活ですが、最初から思い描いたとおりというわけにはいきません。動物は環境の変化に敏感だからです。それがどんなに良い環境のほうに移ったとしても、今までとは異なる環境に変化したことにストレスを感じてしまうのです。今回は、移転直後にお話を伺ったときにいくつかのアドバイスができる点に気づき、よりスムーズに新しい環境に適応できるようにするための指導のためご自宅に伺いました。

新しい家には庭というスペースがあります。犬が生まれてはじめて経験することは、屋外のなわばりの境界線です。庭の前には道があり、人や犬が歩いているのが見えています。「すぐ外に他者がいて、自分のなわばりが内側にある。」この境界線はどんな動物にとっても緊張感を伴うものなので、できるだけ互いに刺激しあわないようにするのが大切です。
柵があったとしても犬には柵の意味がすぐには理解できません。そこから家族やまた他者が出入りする場所ではない、境界線は守られていると犬が理解するようにする必要があります。たとえば、見えないように工夫をするなどです。犬は臭いで相手との距離をはかっていますが、見えない、つまり自分の姿が見られていないという状況では落ち着いていることができます。逆に見えている、つまり自分が見られているという状況では防衛的行動が高まっていきます。

排泄をどこでさせるかという問題もあります。マンションでは散歩に出て排泄をする以外は、室内のトイレシーツで行っていました。今は、庭に出て排泄をすることができます。ペットドアをつけてあるので、戸口が開いていればいつでも自分で排泄に出ることができます。このような空間があるのに、室内で排泄をしなければいけないのは、庭がなわばりになっていない、もしくは室内マーキングをしているということです。
庭での排泄の仕方をよく見ていると、室内のトイレトレーを撤去できる状況かどうかがわかります。トイレトレーの撤去は、犬に習慣化した不要なマーキング行動をさせないことで、ストレスを軽減させるためです。家族との関係性にも影響します。排泄については天候による排泄行動の変化など、順番を経ながら行う必要があります。

室内のスペースも整えていきます。今まではマンションの高層階だったため、窓の外をみても何も見えません。ところが今度は、窓の外に庭や庭の前の道が見えます。犬の視点に立って、どのスペースが犬が落ち着いて過ごせるのかを考え、犬の臭いのついたベッドやクレートなどをいくつか配置していきます。留守番のときはどうしているかも確認しました。

庭で過ごす時間が増えていたので、散歩に出る時間が少なくなっていたようです。庭があっても散歩はとても大切な時間です。犬が老齢の場合には別ですが、元気な犬にとっては、散歩行動は健全な関係と生活のために必須です。
都市環境での生活では、散歩コースは車の多い大通りでした。自転車は走っているし、騒音もすごいし、犬は散歩を楽しめていないようでした。新しい環境では、家のすぐ後ろが森になっていて、家を出るとすぐに山道へ入ることができ、自然とふれあう散歩ができます。
森が近い環境を選ばれたのも、犬の生活を思っての飼い主さんの思いでした。引越し後も散歩に出るようになり、犬の行動もさらに落ち着いてきたようです。

マンション住まいの方が庭付きの住居を敬遠される理由のひとつが「虫がいますよね…」ということです。虫はいるものと諦めるしかありません。害を及ぼす虫については自分たちの方法で駆除するしかないというはなしです。
七山に来られた当初は虫を見ただけ「キャー」と反応の高い飼い主さんでしたが「昨日、ムカデがいたんです。すごい大きい奴が。」と比較的落ち着いて話されました。「凍結するスプレーでやっつけました。」とのこと。飼い主も強くなりますね。
他にも「目覚まし時計がなくても自然に目が覚めるようになりました。」といううれしい変化もあったようです。新しい生活環境に慣れていない部分もありますが、犬の表情や行動は明らかに以前と違います。

心地よい風が吹きホトトギスの声が聞こえるこの庭と家で、飼い主さんと犬がどのような時間を過ごしどのような関係を結ばれていくのでしょうか。心地よい環境をじっくりとあじわうには時間が必要です。環境を整えていくこの変化のときも含めて、ぜひ楽しんでいただきたいです。


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犬と犬の対面、落ち着かせの道具とは

プライベートクラスを受講している犬を他の犬と会わせるクラスを開催しました。

犬と犬の対面のためにはいくつかの条件があります。そのひとつが飼い主さん同志の関係です。

体面する犬たちの飼い主さんは、グッドボーイハートに長く通われいてる生徒さん同士なので、クラスの学びの中で犬の行動や習性、理解についても同じようなものを持っていらっしゃいます。またお互いの距離感もしっかりしているため、対面のクラスを安心して行うことができます。

次に、あわせるときに犬が興奮をどのくらい下げられるかということです。どの犬も、特に他の犬と関係性をつくったことのない経験値の低い犬であれば、犬に対し緊張、恐怖、興奮が生じてきます。それを軽減させるためには広いスペースや、犬の排尿の臭いのしないような場所を選ばなければなりません。

さらに、犬の興奮をさげるための道具があります。何だと思いますか?
食べものだと思った方、残念ですが違います。オモチャですか?それも違います。首にショックをいれる首輪?いいえこれも違います。

答えは、リードです。

リードをつけているときに興奮している犬を見かけたことがあるでしょう。リードを引っ張る、飛び上がる、吠える、などですね。リードを外してしまうとこれらの行動がなくなるため、リードは犬を興奮させると思っているかもしれませんが、原因はリードではないのです。リードは犬と人を直接的につなぎます。そのため犬と人の関係性を見事に表現してしてまうのです。犬と人が信頼関係をつくるとリードは魔法の道具になります。

さらにリードには奥義があります。リードをコミュニケーションの道具として使えるようになると、犬に「落ち着く」ことを伝えていくことができます。合図や命令でもなく、オヤツも使いません。リードを急にひくショックを与えることもないし、声は全く使用しません。これはなかなか難しいのです。というのは技術ではないからです。上述した犬と人が信頼関係をつくるという姿勢をもっていれば、リードはこのような使い方になっていきます。

今回の対面の前には、他の犬との経験が未熟な犬の方がリードをつけて歩いているときに、興奮がますます強くなってしまい、対面相手の犬にもストレスを与えてしまいました。そこで、その犬のリードを私が持ってサポートさせていただきました。犬は落ち着きを取り戻し、無事に他の犬との対面を果たしました。飼い主さんに実際のリードを持っているや、落ち着いていく犬の姿をみていただくこともトレーニングのひとつです。ですが、なんどもいいますが、技術を身に付けようとしないでください。リードをつけていないときの犬への接し方、犬との過ごしかた、犬と生活、それらが全てリードをつけているときに現れているのだと思い、少しずつ見直して改善していきましょう。それが犬のトレーニングです。

今回の犬と犬の対面もそれぞれの犬について知る機会となりました。
今週日曜日は犬語セミナーです。もう今からワクワクしています。

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わんげる・ミーティング開催しました

今日はわんこ山でのデイキャンプ「わんげる・ミーティング」を開催しました。
少し蒸し暑くなってきたけど、まだ風の冷たいこの季節に山で過ごせるのは最高です。

春から夏にかけて、また山の風景は少しずつ変化していきます。
春が始まるころは、色とりどりに咲く花や、小鳥達のさえずりに心ときめくものですが、
梅雨入りを意識する頃になると、苦手な虫の出現に悩まされるものです。

今日は特に蒸し暑く、蚊の数が今までよりグンと増えたと感じました。
ところが、この人も犬も苦手な蚊の姿も、山の奥に進むほど数が減ってきます。

何が違うのかというと、山の樹木の種類が違います。
人里に近い山にみられる樹木は、ほとんどが杉や孟宗竹です。
これらの樹木は手入れが不十分な山では、日当たりが悪く暗く湿気も多いのです。
蚊はこういう環境を好みます。杉林では蚊柱を見たこともあります。

人里から離れていくと原生林がひろがってきます。
100歳を迎えているであろう樹木とその子供の木々が立ち並びます。
森の中はやさしい日差しが差し、心地よい風が吹いてきます。
この景色の中には蚊が見当たりません。

人里近くに蚊を寄せ付けてしまったのは、人が作った環境だということです。

わんこ山は当初手入れをされていない杉林だったものを、広葉樹に植え替えて今年で10年を迎えます。
木々は育ち日陰もずい分できるようになりました。

下山の途中に、私たちの列の間を野うさぎが走って横切っていきました。
後を追おうとする犬、うさぎに気づかなかった犬、対応はマチマチですが、
こうした出会いも珍しいものです。

暗い杉林が広葉樹の小さな森になりつつあり、木陰ができて草が生えて
そして、野うさぎが戻ってくる。

わんこ山はますます活気づいてきそうです。

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写真掲載が少ない訳

先日、生徒さんのスマートフォンでFacebookを見せてもらいました。
ほとんどの記事が文字だけでなく、写真を中心に載せられています。
ブログも同じように、写真を中心に数多く掲載されているものもあるようです。

グッドボーイハートのブログは、写真掲載が少ない方だと思います。
場合によっては文章だけのこともあります。
掲載されている写真も文章とは無関係のことが多いです。

なぜ写真掲載が少ないかというと、写真を撮るのがあまり好きではないからです。
さらになぜかというと、写真を撮ることに気持ちがいってしまい
目の前で起きている大切なことを見逃したくないからです。

特にクラス中には、写真撮影をしようと思っているだけで
どの場面を映そうかという気持ちで見ているために、見逃しが多くなります。
その一場面、今起きていることを見た瞬間に感じることが大切なのです。
特に犬のことを見ているときは、見た瞬間に自分が何を感じたかに焦点があります。
直感的に得た情報というのは重要なもので、それは一瞬ではいってきます。
そのため、写真は限られた時間にしか撮影しません。

もうひとつ大切なことがあります。
犬が撮影されていることを意識し始めると、行動が変わってしまうことがあります。
写真を撮るときは、「こっちみて」とかポーズを決めさせたりしないで
犬が気づいていない状態で撮影して欲しいのです。

クラスに参加される生徒さんにも同じことを約束していただいています。
写真撮影を目的にしないこと
写真撮影に熱中しないこと
写真を撮ることで犬の行動を妨げないこと

思い出の写真は心温まり安らぐものです。
だから写真撮影を否定したりはしません。
良い表情があったら時には写真を撮っていただいて構わないのです。
ただ、それが目的とならないようにお願いしたいということです。

犬のオポも写真撮影は嫌いでした。
ブログに掲載するためにたまにカメラを持っていき撮影しましたが、
自分の目で見た感動は、とても写真に表現されているようなものではありませんでした。

ということで、このブログにはあまり写真は掲載されません。
ですが、写真では伝えられないようなことを文章にして伝えていきます。
そのためにも、写真撮影よりも肉眼で見ることにこれからも集中します。

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マーキング行動

対面のトレーニングクラスを行いました。
グループクラスを希望するわんちゃんの犬同志のコミュニケーション力を見たり、
飼い主さんとの関係性や日頃のストレスの度合いなどもいっしょに知ることができます。

いろいろな行動を見ることができましたが、比較的数が多かったのがマーキングです。
マーキングはイヌ科動物が行う匂いつけ行動です。
様々なマーキングの方法がありますが、どの犬でも行うのが排尿によるマーキングです。

オスの場合には脚上げ排尿で行われますが、実はメス犬も脚上げ排尿を行います。
また脚を上げない場合にもマーキングは行われています。
メスの場合には若干排尿の仕方が通常とは異なる形で行われています。

イヌ科動物といっても犬の場合には、マーキング行動は特殊なものです。
人に飼われることによってテリトリーや自己主張の度合いが本来の力量とは見合わないものになっています。

イヌ科動物にとってのマーキング行動はテリトリー=なわばりを死守すべき重要な社会的行動です。
社会集団の中で力のある個体によって行われています。
個体で行動する場合でテリトリーを離れる場合には適切な場所に目印的なマーキングを行います。
これも社会集団の中で力のあるものによって行われます。

こうした社会的行動が人との暮らしの中で不安定になっているのが犬です。
特に人が強く関与して飼われている場合にはこの傾向が強くあります。
このことが犬と犬の関係性を難しくしてしまいます。

さて、マーキング行動の種類に話しを戻します。
排尿マーキングの中に、排尿後や排便後に後ろ脚で地面を蹴る行動をすることがあります。
時には四つ脚で地面を蹴る行動をすることもあります。
この「脚で地面を蹴る行動」もマーキングのひとつです。

猫が排泄物の上に砂をかける行動を間違われることがありますが、これはそうした行動ではありません。
排便を撒き散らすために行うものでもないので、少し横側で行っていることが多いでしょう。
前述の通り、オスでもメスでも行います。

自分の確固たるテリトリーの中ではこの行動は見られません。
たとえば、安定した庭などのテリトリーがある場合にはその中では行われない行動です。
テリトリーが不安定であるのに、自分のテリトリーを主張する行動として見られます。
室内の排尿のあとに行われる場合もあります。
同じく、テリトリーの管理者が誰であるかわからないために、テリトリーを主張しようとするが
自分ではテリトリーができていない状態として現れます。

日常的、頻繁にみられる場合には犬がストレスをかかえているというシグナルですので
飼い主と人の関係性を見直したり、散歩コースの選択など何らかの対応が必要な状態です。

今日の対面トレーニングで確認できたことは、犬同志の距離感やシグナルの受け取り方の状態に応じて
この脚蹴り行動が出たり出なかったりすることでした。

撮影したビデオは5月の犬語セミナーで使用させていただくことになりました。
犬語セミナーはどなたでもご参加いただけるセミナーです。

犬の行動を読み解くことが「犬を理解する」ことにつながっていきます。
もっともわかりやすく科学的で直接的な方法です。
たかがマーキングですが奥が深い、でも読み解いていくとわかりやすいメッセージです。

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犬が初老を迎えるとき

犬も10歳を過ぎると初老になります。
体型が若いころと変わってきたり、
体の動かし方に少しずつ変化がみられたり
消化機能に変化があって体調を崩したりすることもあるでしょう。

家庭、特に室内で飼育されている犬の場合には
食べものや温度変化が管理されているため、犬は長生きになったなと思います。

四つ足の動物で10歳といえば相当の年齢です。
イヌ科動物のタヌキでも野生下での寿命は6歳~8歳くらいです。
人の飼育によって犬が長生きしているとはいえ
かなりの年齢になっていることは、他の動物を比較するとわかります。

でも、犬の場合には、特に純血種の犬においては、
人が可愛いと思うような容姿を備えているため、初老になっても幼い顔立ちをしています。
頭が丸くって、目が大きく、耳が垂れている、とかですね。
それに顔周辺に白い毛色が多いと、白髪もほとんど目立ちません。

だから老犬になっているという事が飼い主さんには伝わりにくいのかもしれません。
犬の寿命が15歳とか18歳とかいわれていることも、
11歳や12歳はまだ若いと思ってしまう要因なのかもしれません。

でもですね。
老いは突然やって来るのではなく、じわじわとやってくるのです。
老いを感じ始めている年齢、人だと50歳以上にもなれば
若いときのようにはいかないなと思うことが出てくると思います。

犬も同じです。
若いときのようにはいかないな、と思うことが出てきているのです。
それが初老です。
だからといって年寄りというわけでもない以降期の年齢です。
老年期というのは早すぎるし、壮年期から老年期の以降期という頃です。

「散歩のときに自分より後ろを歩くようになってしまって…
これって散歩に出た方がいいのか、歩かせない方がいいのか、どっちなのでしょうか?」
というご質問をいただきました。

質問の答えは、どのような場所でどのように過ごすか、ということです。
犬が好むやわらかくて、きれいな土の匂いのする空間はなかなかみつかりません。
たくさんを歩きたいわけではなく、少しウロウロしたり休んだりできればいいのでしょうが、そんな場所は近くにはないのかもしれませんね。

他の犬とのテリトリーにも問題が生じます。
とくにテリトリーを主張するタイプの犬になると、他の犬が集まる場所や
公園やドッグランなどには行きたがりません。
自分の力の及ばないことはわかっていますから、今度は自分が排除されるだけになります。
次第に散歩で歩く範囲も狭くなってきたり、逆にテリトリーを離れてしまった方が落ち着いてくることもあります。

都心暮らしの方には初老の過ごし方が難しくなってくるかもしれません。
犬と飼い主さんだけでゆっくり過ごせる、田舎の休憩所が必要なのかもしれません。

ともかく、初老になっていろいろな変化が見られてもビックリしないでください。
長生きをすることを心の中では望んでいても、
長生きをさせることを目的としないで、今日どのように過ごせるのかを大切にしてあげてください。
犬は単純な生き物ですし、それも犬の魅力のひとつです。
3年先のことよりも、今日を、今をどう過ごすのかが犬にとって大切なのです。

余震が続き不安も続いていきます。
地面にたまったエネルギーが少しずつ放出され始めています。
そんな時代だからこそ、いらないものを手放して
自分が大切にしているものを、もっと大切にしていきたいですね。

犬との時間には、たくさんのヒントが隠されています。
初老になっても犬は楽しむことをいっぱい知っています。

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プライベートトレッキングクラス

いつもは家庭訪問クラスを受講されているワンちゃんが
プライベートトレッキングクラスに来てくれました。

トレッキングクラス=グループクラスではありません。
目的に応じて、プライベートトレッキングとグループトレッキングに分かれます。

プライベートトレッキングクラスは飼い主さんと犬と
インストラクターの私だけが一緒に歩くクラスなので
物足りないと感じられるかもしれませんが、
トレーニングクラスとしては重要な位置づけなのです。

なぜかというと、普段の生活ではわかりにくい犬のある面が分かるからです。

実は私も当初、オポと山でトレッキングをしていたときは
都会でがんじがらめ、ストレスいっぱいのオポを解放させたいという気持ちだけでした。
ストレスを解放させる方法として、ボール遊びや海や川での遊びもあります。
ですが、なぜだか、それらの興奮遊びとはことなり、
このトレッキングの最中のオポの行動は特別のものに思えていました。

それで七山校を開設する前から、山でのトレッキングクラスを開講しました。
グループクラスのトレッキングは気持ちがいい、楽しいという感想をいただき
トレッキングクラスはグループで定着していきました。

ところが複数の犬や人が歩くときと、一頭の犬と飼い主さんと歩くときでは
大きく違いがあることがわかってきました。

プライベートトレッキングのときに、犬の行動をよく観察すると
グループクラスのときにはわからなかった犬個体の性質や状態が
よくわかるようになってきたのです。
ご家庭の中でもたくさんのことがわかりますが、それに後押しする行動や
もしくはご家庭の中の行動を読み解く鍵も見えてくることがわかりました。

オポと私の関係も、この毎日の散歩代わりのふたりだけのトレッキングで
大きく変わりました。
都会生活では実現できなかった関係をつくることができたという感覚があります。
もちろんオポの山での行動は日一日と変化していきました。
私の中では、犬という動物に対する知識や概念が大きく変化したのです。

生徒さんの犬たちにもプライベートトレッキングクラスをお勧めするようになり
その行動の変化と人と犬の関係性について、クラスの中で学んでいます。

ちょっとした犬の動きも全てがシグナル。
犬が何を感じ何を考えているのか、飼い主という人をどのように位置づけているのか。
犬と人です。多少の距離があったとしても、どのように変化する可能性があるのか。
トレッキングクラスは、日常生活がどのように行われているのかの判定のような
気がしています。

ただ山を歩いただけでは、犬と人の関係は作れません。
ですがそこに一定のルールと秩序があれば、今までとは異なる
犬との関係を築き上げていかれることでしょう。

トレッキングクラスは困っていても困っていなくても
若くても、年老いていても、体験していただきたいクラスです。

今日はビデオ撮影も行いました。
肉眼でもたくさんの行動をチェックできましたが、
他にももっと犬の隠された何かを見つけることができるでしょう。

犬の本来の能力は飛んだり跳ねたりすることではありません。
ただ従うというということでもありません。
彼らのひとつひとつのその能力がきちんと開花して
犬らしい時間を充実したものとできるように
飼い主さんといっしょに取り組んでいきます。

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ドギー・テントクラス

昨晩はずい分と冷え込みましたね。
5月が近いとは思えない気温だったので装備が不十分で
テントの中でも寒さがこたえました。

こういうときは体温の高い犬に暖めてもらおうなどと思うのですが
なぜか昨晩に限って犬たちが少し離れたところに寝ていて
思惑通りにはいかないものです。

テント泊の部屋割りを今までと異なるパターンにしてみました。
犬たちがどのように行動するのかを観察しながら一晩が過ぎました。
今朝の朝ごはんの時間は、誰ちゃんがどうしていたとか、こういうときは
どうすればよかったなのかなど、忘れないうちに反省会です。

お昼は庭の山菜、オオバコ、ユキノシタ、ウドの天ぷらうどんを
いただきました。オオバコやユキノシタの天ぷらを初めて食べました。

お昼は再びお山へ。今日は作業が多かったですね。
でも、不思議と人間が働いているときは、犬たちはそばで
それぞれに落ち着いて行動したり待ったりしてくれます。

今日もまた部屋割りを変えてみます。
どんなテントで過ごす時間になるのか楽しみです。

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