グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラス>犬の預かりクラスでできること:犬を一面で判断しないこと

秋の飼い主さんたちの行事で連続したお預かりクラスが、ひとまず終わりそうです。

グッドボーイハートのお預かりクラスは一般的な預かりトレーニングではありません。

犬を預けてトレーニングしてもらい返すという預かりトレーニングは行っていません。

なぜなら、犬の行動を作っているのはベースである基本的な性質を元にした環境要因であるからです。

犬の行動にどのような環境が影響を与えているのかを、飼い主が理解して変化させていかなければ、犬を飼うことはできません。

環境がほとんど変化しない動物を飼う環境とは、水槽のように一定した環境を維持するような方法によってのみです。

動物園の飼育場所も同じように環境が変化しないため、人と暮らすために必要な社会的な性質を育てる必要がありません。

犬をケージやサークルだけで飼い続けることは環境を一定させることにはなりますが、それでは犬を人が飼っているとか人が犬と暮らしているとは到底いえません。

ふつうに犬と暮らすという当たり前のことの中にこそ、犬の行動に影響を与えている環境がたくさんあるのです。

お預かりクラスでは、いつもと異なる環境で犬を預かります。

いつもと異なるといっても、家庭で犬が生活している中で最低ベースで必要な環境は預かりクラス中にも継続させます。

たとえば、お預かりクラスはクレーとトレーニングができることがお預かりの条件となっています。

いつも飼い主の膝の上に抱っこされているような状態では、お預かりはできないということです。

クレートや食器やマットがいつもと同じ、食べているものもいつもと同じ、排泄する場所はいつもと違う、お世話をする人も違います。

こうした預かり時の環境の変化で、家庭にいるとのは違う行動をするようになるのは犬としては当たり前のことです。


預かり時の犬の行動ですが、預かりの日数が増えてくると日に日に変化が見られます。

変化する犬の行動、その変化の過程を見ていると、犬の現在の行動がどのようにして現れるようになったのかが少し見えてくるのです。

家庭訪問トレーニングでは日常的な犬の行動をできるだけ直接見たいのですが、警戒心の高い犬ほどいつもと同じ行動をしません。

警戒していますから、どちらかというと大人しくなってしまいます。

来客に対して防衛が高くなるため、いつも以上に興奮していたり攻撃的になってしまい、やはり普段の行動をみせてくれません。

慣れてきて日常的な行動をとるようになったとしても、今度は飼い主さんの方がいつもと同じように接しないため、犬の行動に影響を与えている細部がわかりにくくなります。

預かり時に変化する犬の行動は、普段の家庭での生活に近い行動に戻っていくという過程から始まるので、犬がいつもどのような環境にいるのか、飼い主さんがどのように接する癖があるのかを知ることができます。

犬の預かり時のビデオを飼い主に見せると驚かれることがあります。

普段見ている自分の犬とは違うように見えるからです。

ビデオを通して客観的に見ることができるからいつもと違うように見れるというのもあるでしょう。

また、飼い主は普段は犬の一面しか見ていないともいえるのです。

飼い主の見ている犬の一面とは、犬にこうして欲しいと願っている部分でもあるのです。

ところが、犬の望んだその行動が犬にとって負担の大きなものであると、犬にはストレスがかかりますので、飼い主の全く望まない行動をするようになります。

お利口さんでいて欲しいと育てた子供が最初はお利口に振る舞うのですが、本来の自分が確立されないために、反発に転じ全く手に負えなくなるという状態だといえばいいでしょうか。

どれが正解ということでもありませんが、犬もひとつの命として誕生し人と摩擦を繰り返しながら生きている上に、犬に常に不自由なのです。

犬という動物として、少しの時間でも犬らしく、犬という動物として人と関わる時間を持ってほしいのです。

お預かりクラスにかかる体力、気力と時間は大変なもので、さらにそのことを消化する時間はその数十倍必要です。

ですが、犬のことを知りたいという単純な欲求が勝つため、効率を無視して活動してしまいます。

それでも、何かを見つけたときの喜びは計り知れないものです。

犬が自分の探究心の火をともし続けてくれる存在であり、生徒さんたちが共に成長していただける存在であってありがたいことばかりです。

アルクと彼岸花