グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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お山さん、大変お世話になりました。<前篇>

今年は壮絶な幕開けで始まった。
少し前から「ちょっと太ってきたね、調子悪いんじゃない?」と思われるような状態のオポに異変がおきた。

このブログはオポの闘病記録ではないけど
現在もまだ続いているこのオポの道はミラグロの道で
たくさんの学びがあるのでみなさんにもお裾わけしたい。

初日はたびたび起こす胃炎のような症状で始まった。
起きぬけに嘔吐をして、その後朝食をとった。ただ、なんとなく表情がいつもと違う。
何か必要のないものがまだ体の中にはいっている感じがある。
見た目太りすぎということとは別に何か「はいっている」感じがあるのだ。
もう11年もいっしょに暮らしてきたパートナーのことだからそのくらいのことは飼い主の私にもわかるようになってきた。

夕食も食べたがやはり「いつもと違う」。
そして食べたあと大変神妙な面持ちになっている。
何かが起ころうとしている感じは十分にあった。
「お山にいこうか。」の誘いに「待ってました」と動き出す。

途中でまた必要のないものを吐き戻したが、まだすっきりとしていない。
山の中で日暮れを迎え、足元もみえなくなりそうになったため
「そろそろ帰ろうか」と誘うが、快く承諾した感じではない。
私の困った気持ちを受け取ったのか、ゆっくりと山を降りてきた。

その日の一晩は、必要ないものを上からも下からも出そうとする。
庭に伏せたり、出ていこうとしたり、家の門の外に伏せたりして何かと戦っているのだ。
外にいる何かではなく、自分の中にある何かと。

排泄物のお知らせで私もようやく事の重大さに気付いた。
12歳を迎えたばかり、大事にいたらなければいいと願いながら
自分も共に戦おうとするのだが、外は寒くて体は冷えるし
頭は朦朧としてくるし、毅然として共にいることができない。
なんとも情けない飼い主を横目に、静かに戦うオポ。

この夜はただの「序章」に過ぎなかった。(長いので続きはのちほど)


Posted in オポのこと

超えるもの

いのさんの筍堀りのおかげで満腹を忘れることのないオポ。
準備が整っていればちゃんと芽が出てくるんだから本当に不思議。
それを探す術と獲る術を知っている動物たち。

オポたち犬は、本来なら一番上にいたんだろうけど
今のところは一番下で食べていることになる。
「いろんな事情があったのさ。そのうち話すよ。」
とオポがいうので、そのまま月日は過ぎていった。

自然の中で起きていること、自分の知らない世界
たくさん知りたいから、知っている人が描いた作品なども見る。
「先生の家にそっくりの家がでてくるんですよ。」といわれて
ちょっとだけ関心のあった映画を借りることができた。
なるほど「力を込めないと開かない洋風の窓」のことね。

そのシリーズは自然や宇宙について大人と子供にもわかりやすく表現してある。
映画をご覧になっていない方のために、できるだけ簡単に…こんな感じで。

少女は大変好奇心旺盛で、いろんなことに興味を持っていた。
年齢も大人に近づいてくると、その好奇心で次々と行動を起こしていく。
大人の目線から見ると「危ないから止めなさい」といわれるくらい。

結果、好奇心から行動したことで問題を起こしてしまい
それが家族(仲間)にまで危険を及ぼすようなことになった。
少女は大変落ち込む。自分の行動で皆を危険にさらしたのだ。
だが、少女は自分でその問題を解決しようとさらに行動を起こす。

少女と出会った少年は心臓が悪く、文字通り心の病を抱えていた。
少年の両親は仕事に忙しく、少年はいつも一人ぼっちだった。
少年は少女に言った。「君には家族がいるんだね。うらやましいな。」

動物はみな好奇心というものを持っている。
性質によるから、好奇心の強い動物とそうでないものがあるだろう。
ただ、どんなに小さな好奇心であっても、好奇心のない動物はいない。

その好奇心を持ち、動物はいろんなことを経験する。
経験とは「良い事」だけをいうのではない。
それなのに犬に対して楽しい経験だけをさせようとしたり
安全だからと囲いの中に入れてしまおうとしていないだろうか。
安全に作られた遊具でしか遊ぶことが許されていない子供たちのように。

生きていれば辛いことを、だれしもが経験するだろう。
そのきっかけが「自分の好奇心」であったということが、自分を戒める結果にもなる。
未熟な自分によって起きたいろいろな経験は、今の自分を教えてくれるからだ。
そこで落ち込んでしまうのか。
落ち込んでいる犬を見て飼い主も落ち込んでしまうのか。
それは経験の内容によるのではないと思う。

経験は自分を成長させるためにある。
そして動物が自分できちんと選択して行動を起こしたのなら
それを超えていくのも、やはり動物自身なのだ。

成長というボタンを押してくれるもの、それが少女にはあった。
毎日協力しあって生活をし、共に暮らしている家族。
家族の絆といえばあまりに単純なコトバになるが
その見えないつながりこそ、彼女を奮いたたせた。

犬という動物が暮らす環境は本当に難しくなってきた。
家族の絆を知っている犬がどのくらいいるのだろう。
犬に聞かなくてもわかる。それは彼らの行動に現れる。
つながりを知っている彼ら、強いものね。

ブログ用オポ雪の中

Posted in 犬のこと, 自然のこと

変化を起こすもの

暖かくなったり、肌寒くなったり。
鳥の声が響き渡りカエルの合唱が川ではじまった。
毎日あきることのない変化というものを楽しめる季節、春・・・もう終わりそうだね。

先日テントクラスに参加した生徒さんから、こんな話を聞いた。
「テント場の近くに枯れ木があったのでテントの上に倒れないように倒そうと思ったんですけど
途中で別の木にひっかかってしまったんです。
先生とオポさんが歩いているときに倒れなければいいけど・・」

ふむふむ。
倒れ掛かっている木など山の中には何本もあるから、いちいち頭上をみながら歩いてはいないけど
人が倒した木となると、いつ倒れるかわからないものね。

そんなコメントをいただいた日、早速オポと山に入った。
驚いたことに、いつも休憩するスペースの真ん中付近に木が倒れていた。

木が倒れていたから驚いたのではなく、
さっき「倒木」について話をしたばかりだったのに
話に聞いた場所とは全く違う場所で、しかもテントを直撃する形で木が倒れていたからだ。

数日続いた暴風で倒れたのか、倒れるべき時がきて倒れたのか。
事の流れからすると「倒れるものは倒れるよ」と木々が語ったのだろう。

そこは、人や犬が休憩スペースとして利用している場所だ。
その中心に木が倒れていることをイメージしてほしい。
自分たちが下敷きになってもおかしくないような場に、木が倒れている。
みなさんだったら、まずどんな声を発するのだろう。

「まあ、ビックリした。」
「ケガをしなくてよかったわ。」
「危ないわね。」
そんなところだろうか。

では、犬たちだったらどんな反応をすると思う?
「ビックリして近づかない。」
「おそるおそる近づいて確認する。」
「今までなかった木に対して吠える。」
「いやがらせにオシッコをひっかける。」
他には?

こうした環境の変化を動物がどのように感じているのか?
私としては大変興味深いところだ。
さあ、オポはどうだろう。

いつもと何ら変わることがない。
木が倒れているということは、いつもと何ら変わることがないということだと彼は伝えていた。

そればかりではなかった。
オポはその倒木の横に伏せてゆっくりとその木に自分の頭を乗せて休んでいる。
「ちょうどよかった。アゴ乗せが欲しかったんだよね。」というように。

動物は変化を恐れているのではない。
それがどのようにして起こるのかを恐れているのだろう。
犬の最も近くにいて共に生活をしている人という動物は
自分たちの都合で何かと変化させてしまうやっかいな動物だ。

自分たちの都合で変化させられた環境はとても不自然で、そして時には危険なのだ。

起こるべくして起こる「自然」の変化というものを動物たちは受け入れる準備ができているはず。
そうした自然の変化を受け入れられないのなら動物であることを忘れそうになっているからかもしれない。

それに、変化を起こそうなどと大層な驕りではないか。
変化は自然に訪れるのだ。自分がその一部でさえあれば。


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Posted in 犬のこと, 自然のこと, オポのこと

犬語って?

ようやく灯油ストウヴを片付ける決心がつくほど本当に暖かくなってきた。
お客様を迎えるサクラの花も春雨と共にきれいに散っていく。
「散るべきときに散る」っていうのは大切だな。

さて、グッドボーイハートでは4年ほど前から「犬語セミナー」という勉強会を開催している。
グッドボーイハートの会員でなくても参加できるので “ちょっと知ってみたい”方にお勧めするクラスとして作ったものだ。

ところがちょっとどころか、ガッチリとはまる方も多く
一部の「犬語セミナーファン」から「チラシとかないんですか?」
要するに「チラシを作ってください。」といわれたので素直に「はい、わかりました。」と作ってみた。

七山に学校を移転させてからというもの
「急いで伝えるのは止めよう。」「いつかわかってくれるまで待つことにしよう。」
と、のんびり・・・というわけではないが辛抱強く「待つことを楽しむ」姿勢でいたので
クラスのチラシなどというものを熱心に作らなくなっていた。

来た方がその時に必要な何かに気づいて下さればいいのだ、とかまえていたが
ここに来ない方に声をかけて下さる方には「伝えるツール」が必要なのだ。
やっとそういう時期が来たのかな。
グッドボーイハートに来ている方が次の方に伝えていく、そんな時代が。

なんだかそんなことを受け取って、真剣にチラシを作ってみた。

ここでそのチラシの一部をご紹介することにする。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
犬語セミナーの「ご案内」

犬が話していることわかりますか?
「犬語」をご存じですか?

たとえば犬が「ゴハンちょうだい!」とか「散歩に連れて行って!」といっていることがわかるとしても
それでは「犬語」を知っているとはいえません。
正確には「犬の要求」というレベルで理解できることでしょう。

犬と犬が「会話」をしているときに犬は何を話しているのでしょうか?
犬は犬という種として長い歴史の中で使ってきた様々なコミュニケーションのツールを利用しています。
ボディランゲージだったり声だったり臭いだったりします。
犬と犬の会話には飼い主にしているような要求だけではありません。

犬の世界を知っていますか?
実は、犬は犬と共にいるときに本来の犬としての自分を表現しています。
犬たちがいっしょに過ごせば「あの犬のことが好き」なのでしょうか。
吠えあっていれば「あの犬が嫌い」なのでしょうか。

犬の世界は単なる好き嫌いという趣味の世界にとどまりません。
少し視点を変えてみると知らなかった犬の一面を見ることができるかもしれませんよ。

コミュニケーションを受け取れない人間に表現しなくなった様々なシグナルを犬に対して表現していることを知れば
いかに人が犬のコミュニケーションを無視しているのかがわかります。

犬語を飼い主が知ることで役立つこととは?
・犬がどのようなコミュニケーションを使っているのかがわかるようになる。
・犬が何を感じ、何を考えているのがよりわかるようになる。
・共に暮らす犬が、犬としてどのような世界をもっているのかがわかる。
・共に暮らしている動物に理解されると互いに安心して暮らすことができる。

■クラスの内容
犬の行動を撮影したビデオ、主に犬と犬が撮影された映像をスクリーンで見ます。
ビデオを見たあと参加者のみなさんで「何をみたのか」「何をしていると思うか」
「それをなぜしていると思うのか」など、犬の行動と心理について意見を聞きながら
ディスカッションしながら犬のコミュニケーションへの理解を深めましょう。
コミュニケーションの方法「犬語」は「犬の文化」です。
長い間、人の友である犬という動物の文化にふれてみませんか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
不思議な犬語という言葉。

私にとってはただ「犬と会話する」というだけのこと。
このクラスとは別に「スピリチュアルメッセージ」を受け取るというクラスもあるけど私はよく知られる「アニマルコミュニケーター」などでは決してない。

私はただ、犬の良き仲間でありたい。
遠く先住の民がそうしていたように。
私たち人とは異なるコミュニケーションの方法を持ち異なる習慣や感覚や文化を持つ犬というすばらしい異国の友と
良き関係を築きながら、仲間として共に暮らしたいと願っている。

その思いから犬のことを知りたいと努力し
犬の言葉を聞きたいと思って感じ
そして、犬と対話したいと願い
こうやって土と太陽と風と水の中で犬と共に過ごし
犬という動物を肌で感じている、というただそれだけのこと。

だから私にとっては

犬のボディランゲージも、声のシグナルも、魂の対話も、
彼らの良き友であるために知った大切なことなのだ。
むしろ、彼らが私たちの前で今伝えようとしている「犬語」の方がずっと大切なメッセージだと感じている。

犬に何か問題があると「メッセージを受け取ってほしい」といわれることがあるがほとんどのケースでお断りしている。
なぜなら、魂のメッセージを受け取る前に受け取ってほしいメッセージを彼等は今すでに言っているではないか。
「犬語」という方法を用いて、精いっぱい、こんなに伝えてくれている。
だから、まずそれを受け取ろう。
それが、犬という動物の文化や彼らそのものを尊重する姿勢であり、私たちの対等な良き関係へとつながると私は信じている。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬語セミナー

先日このブログでもご紹介した犬語セミナーについて「犬語セミナーファン」より感想文をいただきましたので以下にご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

犬語セミナーで何を学ぶかと言うと、それは「犬を知るということ」につきると思います。

犬とずっと暮らしておきながら、こんなにも彼らが表現していた様々なことをスルーしていたなんて、
なんてもったいない事をしてきたんだろうと悔やまれます。

あの子は何て言っていたんだろう、
あの子は何を伝えていたんだろう、
あの子とあの子はどんなふうに会話を楽しみ、
私のことを何て言っていたのかな・・・。

犬語セミナーに参加して、自分がどれだけ犬のことを知らなかったのか、
知った気になっっていただけなのかということがわかって落ち込むこともありましたが、
それよりもむしろ自分たちに与えられたツールを使って犬たちが一生懸命自己表現しようとしている姿に、
そしてうまく伝わらなかったり、答えられなかったりして思い悩んでいる姿にちょっと嬉しくなったりもしました。
当たり前なんですが、犬なんだなぁと改めて思い知らされる気がしました。

犬語セミナーで、犬たちの豊かなコミュニケーションの世界を知った今となっては、自分のすぐそばにある小宇宙をのぞかないわけにはいきません。
きっと映像では伝わりにくいツールもふんだんに使っているに違いありません。
その世界に触れて初めて、犬を知ることができるのではないかと思います。
先は長いですが、あせらずゆっくりと楽しみながら、
犬語マスターへの道を歩んでいきたいと思います。

「犬語セミナーファン」より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「犬語」のファンがいるなんて犬たちが知ったらきっと喜ぶことでしょう。

「犬のコトバとその世界」を忘れてしまった犬も多くなり『ところでボクタチって一体何者?』と
いつか犬に聞かれるのではないかとドキドキしているところ。

『あなたたち、犬なのよ。』と私が諭す前にきっと自分たちで気づいてくれるでしょう。
そのチャンスさえあれば…。

私たちが人という動物であるということに気づくことはそのチャンスのひとつなのだと感じています。

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Posted in クラスのこと, 受講生のコトバ

思考錯誤

2日前の宅配やさんとの会話

「あれ…なんの音ですか?」
「町内スピーカーです。(こわれたままだけどね)」
「えっ…もしかして雪?」
「そうです、雪です。」
「3月・・・ですよね・・・」
「そうですね。(なごり雪だからね)」

平地とはあまりにも季節含むいろいろとずれているここで「よくがんばりますねー。」といわれながら
移り変わる日々を楽しんでいるわたしたち。

季節が変わるということは環境が変わるということ。
いろいろとしなければならぬことも多い。

そもそも犬を家に招いて暮らし始めたことですでに仕事はたくさんある。

朝晩の給餌の支度
ベッドメイキング
ベッドの日干し
ダニとり
散歩のお供
足裏ふき
ひっぱりっこの相手
追いかけっこの鬼役
小腹がすいたときの野菜出し
夜の子守唄
エトセトラ…。

中でも回数の多いフレキシブルで高度な業務はドアマンかな。

排泄の度に
環境に異変を感じる度に
庭に出る必要があると本犬が感じるすべてのときに。

ドアをただ開けるためにそしてドアを閉めるために赴く。

オポが部屋からドアへ向かい、ドアに辿り着く直前にドアを開け
そしてオポが庭からもどり、あと50センチというところでドアを開ければ完璧なドアマンといえる。

とはいえ面倒なので寒い季節以外は戸口を空けたままにしてもみたが
それはそれでいろいろと問題があった。

トビ虫たちが入ってくる。
ツバメが入ってきた。
カエルが入っていた。
招かざる客にやんたさんは2回も来られた。

ということで網戸をつけて作戦を練る。
これだとオポが出るときは網戸を引いて開ける「ドアマン」がいる。
戻ってくるときは鼻で網戸を勢いよく押し開けて入ってくるけど
網戸に張り付いていた虫達は一斉に部屋へ投入される。

挙句のはてに結局は網戸を閉めにいかなければならない。
「網戸は開けて入ってくるから」などど油断をしようものなら網戸が開いたまま数十分もたってしまい
夜も更けるまで“蚊取り母さん”とならなければいけない。相当の体力を消耗する。

さらに問題はあった。
夜番の最中に数時間おきに屋外へお出かけになる。

排泄を目的としているのか…
確認をしたいのか…
飼い主の熟睡を妨げているのか…
その行動の動機に決断を下すには早すぎるが
とにかく数時間おきに起きてドアマンを務めている私。

それが毎晩続く。

冬時期の夜中にドアの前で主の帰りを待つ時間のながいこと。
寒いし眠いし、なかなか帰って来ないし。
たまには朝まで寝てみたいな~なんて思うようにもなってきた。

そうしたもろもろの事情から何か策を講じなければと本気になった。

せっかくいただいたドアマンという業務を放棄するわけではないが
きっとオポ専用の自動ドアは気にいると思うし…。
室内犬には「ペットドア」というしゃれたものがあるではないか。

ペットドア探しが始まったが現実はやはり現実だった。
ない・・・。サイズがないのだ。大型犬のサイズでもオポの顔しか入らない。
これではクマのぷーさんのイヌのオポさんバージョンになってしまう。

外ドアを取り壊すとなると即決するのは難しいが
とにかく網戸の出入りだけでもなんとかペットドアにならないだろうか。

そう思ってくると「ドアマンから解放された飼い主の楽さ」がちらついていてもたってもいられなくなった。

いろいろいろと考えているよりチャレンジあるのみだ。
網戸なら失敗したらまた張りかえればいいのだし、ということで網戸を切り裂いて簡易ペットドアにトライしてみた。

ところがこのドア、主様には不評であった。網戸が顔にあたって不快?
帰宅するときの経路の変更が分かりづらい。
ドアマンはなぜドアマンを務めないのか。

おっしゃることはどれも的を得ている。
なにより「いってらっしゃい」のあいさつと「おかえりなさい」のあいさつは一体どこへいったのだ。

やはりドアマンは必要なのだろうか。
思考錯誤の日々はつづく。

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Posted in 日々のこと, オポのこと

たいしたことないこと

ずいぶんと暖かくなってきた。
庭で草刈をしていたときのある日の出来事。

私の草刈作業中には番犬をしてくれるオポがいる。
いつも…というわけではないけど、都合が合えば頼まなくてもやってくれる。
無理強いをしてはいないので私もあまり気にしていない。

草刈中にオポの吠える声が聞こえてきた。
番犬のオポはゲートの前で伏せていたのだが、ゲートに近づき4つ脚で立って吠えていた。
オポから私までの距離は20メートルくらい。今私のいる場所は急な斜面で高さもかなりある。

みると、若い男性が家の前の坂道をうちの方に向かってのぼってくる。
その男性は坂道の途中で立ち止まり、手にもっているアタッシュケースを地面に置いた。

この瞬間にオポは吠えるのを止めた。
オポの後ろ姿しか見えないけど姿勢は男性の方を向き、どうやら視線も男性の方を向いているようだ。
注目している感じは後ろからでも確認できる。


男性はアタッシュケースをおいたまま再びこちらに向かって歩き出した。
オポも再び吠え始める。
柵まであと10メートルを切ったところで男性が立ち止まる。
オポも吠えるのを止めた。姿勢と視線はまだ男性の方を向いている。

ここで私は「あなたに気づいていること」を知らせる動作をとる。
それに気づきその男性も立ち止まったまま待っている。
オポは吠えずに両者の接触を伺っている。

日常のなにげないシーンだけど、いろんなことを考えることができる。
自分がいて犬がいてテリトリーに外から人が近づいているのだ。
たいしたことないだけに見過ごしてしまいそうなたくさんのこと。

たとえば、あなたが飼い主であなたの家族の犬が同じ状況にいたったとき、オポと同じような行動をするのだろうか。
もししないのであればどのような行動をするのだろうか。
もし同じでないなら何が違うのだろう。
状況が同じで行動が異なるということは何かが違うのだ。
それは一体なんだろう。

それはずっと変わらないものなのだろうか。
もしくは変わるものだろうか。
変わるとすれば何が変わるのか。
答えは誰にでも出せる。

初心者はわかることから、中級クラスの方はもっとわかるレベルへ。
それぞれの段階でわかることは何かある。
わからないと決めてしまうことよりもっと危険なのは、関心がない、ということかな。

先日、ビデオ説明のために前者の例をあげたらこんな質問がかえってきた。
「その男性は犬のことを知っていたんでしょうか。」
つまりこの男性は、犬のことを知っていた上でそのような行動をとったのかということだ。

考えて行動するようなタイミングではなかったということはいえる。
この男性の行動は自然と行われたものだ。おそらく本能的な脳の支配によって。

こんな普通のことから知ることはたくさんある。
わかったつもりにならないで「知る」余地さえあれば入ってくる。
わたしたちが「知っている」と思いこんだ上で行っている。
犬に対するあまりにも礼儀のない行動よりもずっとわかりやすい。

知るためには情報が必要?でも情報に振り回されていないか。
「プレイボウ=遊びを誘うシグナル」ではないね。
そういうときにもみられるけど、全体を見るセンサーを忘れないで。

センサーといえば・・・冒頭の「庭で草刈をしているときのある日の出来事」の一文で
ピンとくるものがあったら、それも確かなセンサーなのだ。

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Posted in 犬のこと

まやかし

いつも通りの山の散歩道。あれ?こんなところに道があったっけ?

何度も歩いた道のわきに、いつもはないきれいな一本道。
みなれた光景のはずなのにいつもないものがそこにある。

まるで「どうぞいらっしゃいまし」とのれんが開いているかのように。
今まで気づかなかっただけなのか、それとも…。

ちょっと調子が悪いなと思うときは簡単に判断しない。
大丈夫、パートナーはそばにいる。
山の友の反応はどうだろう。

やっぱり、すぐに動こうとはしていない。
動く必要のあるときはオポは率先して前進する。
迷わず前進のときには「先に」何かを確認する行動であることは、他のシグナルからも十分に伝わってくる。
今はそのときではないということか。
といってこのままこの課題を無視して去るのはもったいない。
ここはひとつチャレンジしてみようかな。

好奇心だけで行動すると危険ということは理解している。
抑制をかけながらどう行動しどう感覚を得るのか自分を試してみたい。
自分の脳のはずなのに、ときどき自分を試す脳もいるはず。ちょっと時間があるからできることなのかもね。

さてと。今いる場所に必ず戻ってくるために慎重に一歩ずつ新しい道へと足を踏み出す。
一歩踏み出すたびに後ろを振り返って、元いた場所があることを視覚で確認していく。
あわてて足を踏み出すと振り返ったときにはもうその場はないからね。

オポは私が進んだところよりあまり前に進もうとはしない。
行きたくないでもないし、行こうでもない。
どうやらこの友は私に付き合ってくれている様子。

ならば遠慮なく挑戦あるのみ。もう一歩。もう一歩。

道の先には「わかりやすい目印」のように木が見えている。
あの木まで行けるかな。
もう一歩。そしてまた振り返る。

そろそろ限界かな。到達することを目標にすると今やっていることを忘れてしまう。
よしここまででOK。今来た道を戻って元いた場所に帰る。

ここで起こること。
山で迷子になったことがあるなら知っているだろう
本当に不思議なことが起こる。

今いた場所に確かに戻った。確かにこの地点から歩きだしたはずだけど。
ところが戻ったその地点は最初にいた場ではなくなっている。
右から来たのか前から来たのか、いや左から来たのか。
山の中ではこういう視覚的トリックにたまに陥ることがある。

山の友は迷っている感じではない。
「オポ…どっちだっけ」の問いかけには無反応。
そうだね、君は私のガイドではないしこれは私の課題だった。

再び協力に感謝。
グランディングして右を見て左を見て、そうそうこっちが家に帰る方向だね。
歩きだしてからもしばらくはいつもの道に戻らない。
正しくはいつもこの道を歩いている感覚に戻らない。

まやかしは山からやってきたのか。
まやかしは自分の中にいたものなのか。
山に入るときに「今日の調子」を知るようになったのもちょっとした成長なのかもしれないな。
だといいけどね。

あれ、今度はオポが異変をキャッチしたみたい。
あー。ごめんごめん。
キャッチした異変は写真を撮っている私のことか。
ほんに失礼しました。

私が山の友になれるのはいつの日かな。
成長に年齢は関係なし!
飼い主の成長を見守ってね、オポ。

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Posted in 日々のこと, 自然のこと

節分の前に

明日で2月3日。季節の分かれ目というこの時期にやってきましたね。雪の精たち。

天気予報で雪マークが出てもさっぱり降らない日が続くとつい油断が。
朝からオポのだるい感じに「いつもと違う」を受け取りつつも
朝ご飯の催促がないこのチャンスにと少し布団の中にいる時間が長くなり…
さあ、大変。道が白いではないですか。

積雪量はあまりないけど雪が降ったという感触はたしかに今シーズンはじめてのこと。
いつもと違うコンディションでも犬たちは余念なく。

やっていることはいつもと変わらない。
行動が広くなるか狭くなるかまあそんなところなのかな。

雪が生活の中になかったときにはもう少しテンションが上がったと思うけど
もしかしたらテンションが上がっていたのは私の方なのかも。
彼等はいつもと変わらない。
いつもよりもゆっくりとした感じになるみたい。

人間の生活にはいろいろと支障があり、早速お湯の管が凍結してでなくなってしまった。
なんと自然の前ではもろいもの。謙虚と感謝が生まれる日としましょう。

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Posted in 日々のこと

犬語問題集

「去年は泣きましたからね~」
ほんと、ほんと。去年の1月は泣いたよね。
一緒に泣いてくれている人がいると知って心強くなったひととき。
立ち話しているのは郵便やさん。
昨年の1月に思いをはせ「泣いていた」ことを思い出し、見上げているのは冬の空。

「今日は雨なんですね…」って。
昨年の1月は白以外見ることがなかったからね。
あの厳しい冬を思い出しながら郵便物を受け取った。
泣きながら配達して下さっていたのだと思うと感慨深い。

今年も降らなかったわけではない。
うっすらとだが一応降った。まあほんのおためし程度。

オポもこんな風にね。

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では「お題」です。

この4枚の写真をみて何かがわかるならあなたは犬語中級クラスにはいったかもですね。
わかった方は意を決して告白してください。


犬語勉強中だった保護犬のトワは迎えて下さる家族が見つかりました。
“元気につよくたくましく!”

Posted in クラスのこと, 犬のこと