グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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山歩きが犬にもたらす不思議なもの:山歩きのクラスを開催しました

昨日からお預かりクラスを利用して、お泊まりにきてくれている犬くんがいます。

グッドボーイハートのお預かりクラスは、グッドボーイハートでクラスを受講されている生徒さんの犬だけが対象の特別クラスです。

さらに、その中でもクレートトレーニングが完了していること、トイレトレーニングを進行中もしくは完了していることが条件です。

今回、お泊まりに来てくれた犬くんは、熊本地震によって保護された犬くんです。
ご縁があって、グッドボーイハートで学ばれたことある方の家族として迎えられました。

dav
熊本県は保護施設が大変な状態になっており、保護された犬たちにもいろいろと難しい面もあります。
特に子犬期にたくさんの犬がワンワンと吠える施設で育っていますので、社会化にも時間がかかります。

保護されてから半年。

迎えた飼い主さんの熱意と愛によって、保護犬くんは立派に家庭犬として成長していきました。


そして、今日はその預かり犬くんをお山歩きをするグループクラスに合流させて
いっしょに行動する勉強もしました。
もちろん、飼い主さんたちも犬語セミナーなどでよくお話しされていて、事情も知っており
お互いに協力してやっていただけることを了解していただいています。

山歩きがまだ未熟な上に、いろんな刺激にも反応しやすく衝動性も高いので
山の中では十分に注意が必要です。

ですが、コントロールしすぎてがんじがらめにしてしまうと、学びの機会は得られません。
どこまで学ばせて、どこをコントロールしていくのか、さじ加減というものが社会化学習には必要です。

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社会化学習というと、なぜか街中を歩くことや人に会わせることと勘違いされていることがあります。
都市空間で生活する上では、車や道路、工事の音など、適応しなければいけない環境は確かにあります。
しかし、犬の脳形成は人と同じ手順で社会化の過程を行っても、成功しないばかりか社会化が厳しい状況に追い込まれてしまうこともあります。

典型的な例が、抱っこして散歩をするという社会化学習です。

抱っこして社会化できるのはヒト科の動物や、子どもが親に抱きついた状態で移動する動物だけです。
ヒトとか、チンパンジーとか、サルもそうですね。

こうした社会学習を身につけていない犬に、抱っこして散歩すること
抱っこしてベランダから外を見せること、犬用バギーに乗せて風景を見せること、
車に乗せて風景を見せることなど、すべて社会化学習には逆効果です。

社会化とは環境に対する接触を図りながら、脳に学習の機会を与えていくということです。

犬という動物が、外界の環境に対して接触を図る機会とは、嗅覚が一番大切なのだということを
忘れてはいけません。さらに、行動できることが前提で社会化学習が促進されるのだということも
覚えていてほしいことです。

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犬と山を歩くクラスをなぜするのですか?と尋ねられることがあります。

さて、なぜでしょうか?

たくさんの答えがあるのですが、ぜひその理由は自分で体感して知っていただきたいと思います。


犬の社会化期は生後4ヶ月までで第一段階を終えて、生後6ヶ月が次の段階。
そして生後1才までにほぼ9割型の脳形成が終了するようにできています。

といっても慌てて外に出すことも失敗します。
社会化学習が有効になる犬は、室内犬も室外犬も排泄行動が適切に行われるようになってからです。

えー。どうしてとまた思われることでしょう。

犬の行動とテリトリーは切り離して考えられない。

犬のテリトリーと排泄行動は切り離して考えられない。

そして犬の社会化と行動(活動)は切り離して考えられない。

これがその仕組みです。


どこからはじめたらいいのか。

まずは犬の行動を通して犬を理解することから始めてください。
そして犬の習性について学んでください。

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いつもクラス時には写真撮影はしないのですが(クラスに集中するためです)
お預かり犬くんが2頭いたので、参加された生徒さんにお願いして撮影してもらいました。
山歩きの途中で尾歩山の手入れをする私、横にはそれを待つ犬たちの風景です。
号令の「マテ」をかけているわけではありません。
オヤツも使っていません。
ちょっと待っててと声をかけているだけです。


山歩きの不思議について知りたい方は、初回カウンセリングを受講してみてください。

まずは自分の犬について知ること、すべてのスタートはここからです。




Posted in クラスのこと, 犬のこと

オヤツのごほうびがなくても犬は学習する:チンパンジーアイとアユムの動画ご紹介

犬のトレーニングからはなかなか「ごほうびと罰」を切り離すことはできません。
動物の学習には、その多くの場面で「ごほうびと罰」が存在してしまいます。

ただ、多少切り離して考える必要のある側面があります。

たとえば、認めるという行為や気持ちは、行動を強化させるトレーニングでのごほうびとは切り離す必要があります。
さらに、叱るという行為や気持ちは、行動を抑える罰としての使用とは異なると考える必要があります。

認めるとか、叱るという行為や気持ちの実現には、体罰は必要ありません。
叱る行為には相手を脅かす必要はありません。
犬に大きな声を出さなければ受け取れないような状況にあるなら、
その犬はかなり興奮していて、不安定な状態にあるといえるのです。


さて、今日は食べ物のごほうびについて考えを集中してお話しします。

犬に食べ物のごほうびを使わずに生活のルールを教えることはできるか?
答えはできます。

ただ、これにはそれを実現する環境が必要です。
整えるべき環境には次のようなものがあります。

遺伝的に健康であること
犬の発育・発達を促せる環境であること
人が犬に対して、犬という動物として接触できること

これらの環境と発達する環境を整えること、世話をする人という動物との関係性が犬の行動に重要な影響を与えることは、いうまでもありません。

実は、以前盲導犬育成施設に勤務していたさいに、パピーウォーカーの指導の業務を担当してことがあります。
パピーウォーカーとは、盲導犬候補生である子犬を生後2ヶ月から1才までご家庭で飼育してくださるボランティアさんのことをいいます。

このパピーウォーカー制度がないと、盲導犬育成事業はなりたたない上に、パピーウォーカーは毎日犬のお世話をするという大変な仕事です。

パピーウォーカーはただ子犬に食べ物を与えて散歩に連れ出すだけではありません。
犬は生後1才までの飼育環境が、その犬の性質や心身、脳の発達にも重要な時期です。

パピーウォーカーには様々なルールをお願いします。
その中に、子犬に対して生活のルールを教えていくということも入っています。
日常生活で必要なルールを、パピーウォーカーさんには食べ物を使わずに教えていただいていました。

覚えることよりも、食べ物を報酬に使わずに伝える方法や過程が、のちにその犬が盲導犬として働くための訓練を受ける上で重要な基盤になっていきます。

食べ物を報酬に使わずに、犬にルールを伝えていく、犬に協力を要請するからには、それなりの関係を築く必要があるのです。


 さて先日、本の紹介をかねて、京都大学霊長類研究所の松沢哲郎先生の「想像するちから」をご紹介しました。
ブログ記事はこちらから→ヒト科ヒト属ヒトとして:松沢哲郎氏著書「想像するちから」

 松沢哲郎先生は本著の中で、このように述べられていました。
チンパンジーの実験には、チンパンジーができたら食べ物が出てくるという方法をとらえている。しかし、チンパンジーが実験者との信頼関係を築くと、食べ物がなくても実験に協力してくれるというものでした。

チンパンジーのアイとその子どものアユムの研究について、講演で使用したビデオで実験の様子を見ることができます。さらに松沢先生自身が行っているそのチンパンジーのテストを重ねる実験で、チンパンジーたちが食べ物の報酬がないのに、行動をする様子が映し出されています。

その動画はこちらでご覧ください。

米国科学会の講演ビデオ「アイとアユム」を公開しました。

 それにしても、動画に出てくるチンパンジーの記憶能力はすごいものですね。自分が同じことができるようになるために、どのくらいの時間がかかるのか、もしくはできないのではないかとも思います。


 動物の能力やコミュニケーションの欲求を、表面的なものだけで見てしまうことは、もったいないことです。

犬という動物の能力や可能性を考えるとき、できる限り食べ物の報酬を用いずに、関係を築きながら共有する生活空間のルールを教えていただきたいと思います。

何からはじめなければいけないのかと、混乱されるかもしれません。

まずは、よく犬を観察して犬のコミュニケーションを理解しましょう。
このことなくしては、その先はありません。
千里の道も一歩からということです。

dav  

Posted in 音声・動画, 犬のこと

今月のお山の手入れ日決まりました。

10年の歳月をかけて成長してきたグッドボーイハート七山校の後ろに立つ山。

山を利用する人間は、山の環境を整え木々が成長できる環境を整えるのもまた仕事のひとつです。

健康な山がまた、動物たちを育ててくれます。
わたしたちも育てていただく動物のひとり。

そんな、尾歩山(おぽさん)の手入れ日が決まりました。

10月20日金曜日9時30分~13時くらいまでです。

グループクラスにご参加の方や一定の条件を満たすグッドボーイハート生は
犬といっしょにお手入れに参加できます。

その他の方で、お山の手入れだけぜひやってみたいという方もあわせて募集します。

お気軽にご連絡ください。

メール goodboyheart7@gmail.com


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Posted in お知らせ

犬として人として成長するきっかけを得た、ダンスタンくんと飼い主さんの出会いと今

グッドボーイハートで学ぶ生徒さんに、クラス受講の感想文をお願いしています。

今回は今年で11歳になるボーダーコリーのダンスタンくんの飼い主さんからいただきました。
生後10ヶ月にご縁をいただき、必要に応じてグッドボーイハートでの学びを重ねていらっしゃいます。

10年という月日を思い出されるように書いてくださったので、クラス受講の感想文というよりも、ダンスタンという犬への思いの溢れる言葉をいただきました。

なつかしいダンスタンくんの写真と共に紹介させていただきます。

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ダンは生後1か月でうちにやってきました。
本名は「ダンスタン」といいます。ダンが相性になっています。

実は、犬を飼うのは初めての経験です。
ですが、たくさんの人が犬を飼っているのは見たことがあったので、
特に心配することもなく、普通に犬を飼えると思いました。

「なぜ、ボーダーコリーを買ったのですか?」と尋ねられるのですが、
ただ、イギリスの犬だということで選んだのがボーダーコリーでした。

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 小さい頃はおとなしかったダンが急に激しく吠え始めました。
同じころに、散歩中のリードの引っぱりもとても強くなりました。
ダンが6か月過ぎた頃でした。

すれ違う犬に吠え続けるダンを力でとめることができなくなり、苦肉の策でリードを肩に担いで引っ張りや吠えるのをとめようとしたこともあります。
そのとき、ダンは前脚を宙に浮かせたまま、引っ張って歩くような状態になりました。
恥ずかしさと情けなさで、泣きながら早足で家に帰ることもありました。

猫に瞬時に反応してリードを引っ張るダンを、腕の力だけでは止めることもできませんでした。
相撲のしこふみのような格好をしながら体重を落として、リードを私の腰に巻き付けて、自分をリードでぐるぐる巻きにしながら何とか猫からダンを引き離すという散歩の状態が続きました。

家の中でもちょっとした外の物音に過剰に反応するようになりました。
このときは、部屋の中を走り回り周るようになってしまい、たまりかねて外で飼うしかないと思い、庭につないでいましたがこれも上手くいきません。

庭にいるダンは、家の周囲の音や気配をすばやく察知してさらに吠えるようになりました。
これ以上、ご近所にも迷惑をかけるわけにもいきません。
これから先どうしていいか途方にくれていたころが、ダンが生後10か月くらいの時でした。

このときに、近所の方に紹介していただいたのがグッドボーイハートでした。

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 しばらくはスタッフの方が家庭訪問レッスンにきてくださり、途中から宮武先生にバトンタッチされました。
最初に先生がダンと対面して言われた言葉を覚えています。
たしか「あれ?耳を倒したりしないんだね。」でした。

耳を倒すってどいういう意味なんだろう??? というところからスタートしたのです。
そのあともずっと、いろんな???がしばらく続きました。

結局「耳を倒す」の意味は頭では理解できそうなのですが、奥が深くダンの気持ちも含めると十分に分かったといえませんでした。
こうした行動の意味やダンの状態や気持ちも含めて、実際に心にしみて分かりかけてきたのは、それから10年たった最近のことです。

それで今、ダンが耳を倒すことがあるかというと、耳を倒す行動は見かけるようになりました。ただ、本当に耳を倒すような状態が続くかというと、まだ怪しいところがあるなと感じます。

飼い主として何が変わったかというと、私がダンの状態に一喜一憂する事が減ったことです。

以前はダンが犬語セミナーのビデオ教材として取り上げられると、ダンが上手にできていないのではないかと落ち込むこともありました。ときには、犬をあまりにも知らなかった自分たちが犬を飼ったのは間違いだったのではないかと思うこともありました。また、他の犬と比較して他の犬を羨ましく思ったり焦ったりもしました。 

また、セミナーの中で使われる参加者の意見や感想も、人それぞれが持っているその言葉のイメージが微妙に違うために、自分の持つその言葉の定義とどのように折り合いをつけたらいいのかわからず、考えに行き詰ってポカーンとしていることもありました。


 こうして、いろんなクラスに参加しながらダンスタンことを学びましたが、ある時ふとある考えが頭をよぎりました。
それは、ダンは犬という種としてどう行動し、どう過ごしているのかということです。

この考えにいたったのは大きな変化でした。
犬という動物を飼っていたという事実からはじまっているのに、ダンを犬という種に所属する動物としてその行動を見たり考える姿勢に立てたからです。

さらにこのことは「では自分はどれだけ、どのようにヒトという種であることを引き受けているのか」という見方に発展しました。
そう考えると、なんだか自分のことなのに、それも心もとなくなってしまいました。

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 ダンに求めるだけではなく、私もヒトとしての在り方を見つめようと思い、とりあえず朗読を習い始めました。そうすると今度は、50年以上も日本語を使い続けているとも思えない、言葉の解釈の浅さ、読みのリズムの悪さ、体験やイマジネーションの足りなさ、人に伝える表現力の無さに直面するはめになりました。

でも、朗読の学びには収穫といえる事もいくつかありました。
犬の事を擬人化している限り、ヒトの感覚や言葉の範囲でしか犬の事を捉えられないこと、表現方法は未熟であっても、表現するという基本的な自由は犬にも与えられて当然なのではないかということでした。

ダンが吠えたり走り回ったりしていた事の中にも、それが過剰であったり、人から見ると不適切な部分はあったにしても、何かそうせざるを得ないような、犬としては正当で健康な部分も含まれていたかもしれません。

吠える事や走り回る事一切を叱られ、防衛せざるを得ないような状況の中に置かれながら、防衛する行動自体までを人に封じられてしまうのでは、ダンの立つ瀬もなかったところも大いにあったのだろうと思います。

ダンがオス犬で体力もあった事もあって、犬が自ら耳を倒したいと思う飼い主になろうとする前に、自分の都合のいいようにダンを屈服させようという方向に向かっていたのだろうなと申し訳ない気分にもなりました。

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 犬と飼い主は似るといいます。
ダンの犬としてのキャパシティは、飼い主としての私のキャパシティの低さの影響が大いにあるのは認めながらも、今は「まあ、少しずつ、お互いそれぞれの種としてのキャパシティを増やしていこうや、ねぇ、ダンや」という気分で過ごしています。

ダンはお爺さんになり、私もお婆さんに近づきつつあるせいもあるのかもしれません。ダンとの信頼関係も以前はそれを目指して頑張らねばならないように思っていましたが、特に室内犬の場合は日常を共にするのですから、とってつけたように頑張っても私の場合長続きもせず、何気ない日々のやり取りの中で、何だかお互いにもう少し信用してもいいのかなと、毎日の小さい出来事が積み重なっていくといいな、と思っています。

 ちょっとだけ欲をいうと、ダンが人から褒められたりご褒美をもらったりするような人から与えられるごほうびがなくても、ダンが少しでも自分で行動できる事自体を自信にすることができればいいなと思っています。

 欲張って考えると、ダン自身が今よりもっと落ち着いて安心して暮らせることを実現できるとも思うのですが、それも私の願いの範囲に留めておくつもりでいます。


 ダンが、人と暮らすっていうのもそんなに悪くはないなと思ってくれるようであれば、私もちょっと嬉しいです。

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子犬のころのダンスタンの写真を始めて拝見しました。
このころから、ダンスタンの個性というのが現れていますね。

犬と共に長く学びを続けてこられたために、とても深い気づきを得られたのだなということが文章から受け取れます。

犬を飼ったんですよね。
そうです、始めて犬を飼ったんです。

この「犬」という言葉のなかにどの程度のものが含まれているのか、
ほとんど人によって全く違うということに気づかれるでしょうか。

この犬の中には、犬はこうだ、犬はこうあるべきだ、犬はこうすればいいといった
人の個人的な価値観がたくさん入り込んでいます。

こうした個人的なフィルターを通してしまうと、犬の真実を見ることができなくなります。
つまり、犬を犬として理解することはどんどん難しくなるのです。

犬と暮らしている人、犬を好きだといいきる人の方が、このフィルターがしっかりとしすぎていて、犬が本当に伝えたいことを見失ってしまうこともたくさんあります。

ダンスタンくんは吠えたり、走り回ったりするのは、犬がそうせざるを得ないいろんな状況を人がつくって来たからだということに気づくと、最初はすっかり落ち込むかもしれません。

純血種の犬の場合には、その状況は飼い主だけが追っているものではなく、純血種の繁殖という過程を通して歴史的に作られているものもあります。

だから、ダンスタンの行動を責めるのではなく、必要があってやっている行動であり、それを人がどのように受け取り、どのように応えるのかというところに返っていくのです。

自然の中で感性を高める飼い主さんといっしょに、ダンスタンも山と共に成長を重ねてきました。苦手だった山歩きも今では生き生きと、そしてとても落ち着いて頼れる存在として飼い主さんに寄り添って歩いています。それは、結果としてそうなったということかもしれませんが、結果よりも大切なのは過程です。

ひとつひとつの時間、ひとつひとつの場所、ひとつひとつの出会いを大切にする飼い主さんがその過程をつくってこられました。

11歳というのは節目の年齢でもあります。
11はドアの形をしていますね。ひとつのところから次のところへ向かう11歳というドアを通って、これからダンスタンくんと飼い主さんがまた深い関係を築いていかれるのだろうとワクワクしています。

最近では、グッドボーイハートの若い犬たちのお相手にも協力してくれているダンスタン。
わたしもまた、ダンスタンとの関係が合うたびに変化していくことを感じています。
そして、またこれからもお互いに犬として人として、共に成長できることを楽しみにしています。


Posted in 受講生のコトバ

10月の犬語セミナー(七山校)開催のお知らせ

10月の犬語セミナー開催のお知らせです。


GoodBoyHeart グッドボーイハート 犬語セミナー

2017年10月29日(日)

時間 12時~14時 ※終了後にお茶会がありますのでお時間のある方はご参加ください。

場所 グッドボーイハート七山校 佐賀県唐津市七山池原甲2416-4
ホームページ内のアクセスからご覧ください。

参加費 おひとり2500円(税込) ※犬は同伴できません。
    当日お支払いください。

人数 10名まで

申込・問い合わせ メール:goodboyheart7@gmail.com もしくはお問い合わせフォームより
TEL:092-409-0749

セミナーの概要 犬の行動を撮影したビデオを見ながら、犬の行動学に基づきながら犬の状態などを考えていくセミナーです。少人数制でみなさんと話しながらすすめていきます。犬のことをもっと知りたい方なら、どなたでもご参加いただけます。

こちらのホームページ内でもご案内していますのでご覧ください。


七山校は山裾にありますので、最初に来られた方はその環境にビックリされます。

なぜこんなところに学校があるのか?と尋ねられることもありますが、
その辺も来て感じていただければと思います。

都市空間では実現できない環境があります。
その中で考えに行き詰ることもあります。
犬の場合にはすでに行動で行き詰っているということでしょう。

犬って何なの?
犬として生きるってどういうこと?
わたしたちにできることは何か?

おひとりおひとりが気づいて行動されていく機会になればと思います。

dav


Posted in お知らせ

整体士の先生による講座を開催しました:講座からも学べる、犬をワサワサと触らないでほしい理由

 本日は午後からグッドボーイハート七山校で、整体士の先生による出張講座「ホームセラピスト講座 頭蓋骨と姿勢」が行われました。

勉強熱心な生徒さんたちが集まり耳を傾けていました。

実技のときには食い入るように観察して、「へー」を連発しながら、家族にできる手当てのいくつかを学びました。

今回は私も生徒としてみなさんといっしょに受講しましたので、楽しく勉強させていただきました。

 いろんな楽しい学びがあるのですが、ソフトに触った方が力強く触るよりも相手を楽にする手当てにつながるというのは犬にも共通しています。
多くの飼い主さんに知っていただきたいことのひとつです。



 犬は飼い主さんの状態にとても敏感に反応してしまいます。

飼い主さんが緊張すると犬も緊張するし、飼い主さんが力を抜くと犬も力を抜きます。

そうそう、その通りと頭ではわかっているようで、実際には力みの多い光景をよくみかけます。

それが、今回のブログの題名の「犬をワサワサとさわる」という行為です。


 本日の人用の手当ての講座でも、強く触れると相手は力が入ってしまい、逆にバランスを崩してしまう。

やさしく触れると相手は力を抜くことができて、バランスよく支えられるというような実体験もみせていただけました。


 犬を見るとテンションの上がってしまう人が多いというのが事実です。

たとえば、犬を見ると「あーかわいい!」と声を上げたり、駆け寄ったり、思ったりすることも
テンションの上がっている、つまり興奮していることのシグナルです。

その興奮したテンションのまま犬に近付いていって、犬の体をワサワサと触っていないでしょうか。



このようなワサワサと手を動かしながら激しく犬に触ると、当然ですが犬もテンションがあがります。
つまり、犬は興奮してしまいます。

興奮してしまった犬の中には、触った人にとびついたり、体をおしつけたり、
その辺をウロウロと動き回って落ち着きをなくしてしまいます。

こうした犬の行動を見た人は、「犬が喜んでいる。私のことが好きなのね。」と
なぜか自信を持って説明してくれるようです。


 まず、犬が興奮することを「好き」という表現で片付けてしまうのは止めましょう。
好きというのは一時的な感情のことで、実は好きなものは一瞬で嫌いになってしまうものなのです。
自分にあてはめても思い当ることはないでしょうか。

あんなに好きだと思っていたのに、いまや見たくもないと思うものになってしまうことはよくあることです。

 次に、犬が興奮することを「喜んでいる」という前向きに受け取ってしまうことも気をつける必要があります。

確かに、テンションが上がるというのは、下がるよりも良い印象を受けます。

多少の興奮は犬を心地よくさせることがあるのも事実です。

でも、飛びあがったり、多動になったり、声をあげたり、落ち着きなくウロウロするという行動をするようになるというのは、興奮にも度が過ぎるというものです。

これらの、激しく触られた犬たちは明らかにストレス状態に陥っています。


 まず、ある程度落ち着いて接触できる犬なら、触り方を変えてみましょう。

ワサワサと硬い手を忙しく動かしながら「カワイイー」と叫ぶのを止めます。

そして、静かに相手が近づいてくるのをまって、犬がリラックスしていると感じたら(ここ大切!)
やさしく手を添えるように犬のそばにおきます。

犬はとてもエネルギーのある動物で、手を近くに置いているだけで何かに触れたように感じられるほどです。

いや感じられないという方は、やさしく手を当てる程度にして、短く切り上げてください。


 くり返していくと、犬は少しずつ落ち着いていきます。

こんなことをグッドボーイハートクラスのドッグタッチクラスで行っていましたが、
今回、このクラスをリニューアル&バージョンアップさせましたので、またブログでご案内します。

ふれることは手当てであること、そしてとても深いコミュニケーションであることを、
ひとりでも多くの方に体感していただきたいと思います。


今日のセミナーでは、生徒さん同志が触れ合って、ワイワイと楽しく健康に近付いていきました。
多くのことばはいらないよ、最後は黙って触れあうということですね。

今回の講座は、整体士の先生のブログで案内されています。
関心のある方はぜひ以下のページからご覧ください。
ともナチュラル整体院ブログ

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Posted in 犬のこと

ラジオ出演再放送のお知らせ:10月1日です

先日出演させていただいた月下虫音(げっかちゅうね)の再放送が決まりました。

8月末に出演したものです。

パーソナリティの大田こぞうさんから連絡をいただきました。

いつもより1時間早い21時からです。

聴くのを忘れていた方、もう一度聴きたい方も、ぜひどうぞ。


再放送の日程は以下のとおりです。

10月1日 日曜日 21時~1時間

ラブFM 

番組名 月下虫音



今日はグッドボーイハート福岡で犬語セミナーを開催しました。

始めての方も参加して、保護活動をされるボランティアさんも数名いらっしゃったので、
いつもとは多少内容の異なるビデオで、みなでいっしょに勉強しました。

同じビデオをくり返し見るのですが、なんどみても新しい発見があります。

一番知りたいのは、目の前に存在している身近な犬のことです。

少しでも学びたいという気持ちを行動に変えると、
全く分からないから、少しわかったかも、に変化していきます。

来月もいろいろとセミナーがあります。

10月2日には整体セミナー ホームセラピスト講座

そして、10月の犬語セミナーは29日12時~14時に七山校で開催することが決まりました。

福岡での犬語セミナーはまだ未定ですが、3名集まれば犬語セミナーを開催します。
ぜひ受講したいという、学びに積極的なわがままはどんどん申し出られてください。

また、みなさんと学ぶ機会を楽しみにしています。

dav


Posted in お知らせ

ヒト科ヒト属<おすすめの本>ヒトとして:松沢哲郎氏著書「想像するちから」

 京都大学霊長類研究所という研究機関があります。チンパンジーの研究を行っている施設です。
おそらく多くのみなさんが名前を聞いたことのあるチンパンジーの「アイ」がいます。ここでアイと向き合いながらチンパンジーとヒトの研究を行っているのが松沢哲郎氏です。

 最初に松沢哲郎氏とアイの実験を見たのは、テレビのドキュメンタリー番組でした。1980年代のことではなかったかと記憶しています。小さなころから、動物のなかでも特に犬に関心があったものの、他の動物に関心がなかったわけではありません。それでも、正直に言うと動物を使って実験をしたりする研究はあまり好みませんでした。

 しかし、そのドキュメンタリー番組に出てきた松沢氏とアイの様子にしばらく釘付けになるように見ていたのを覚えています。その映像の一場面が今でも脳に焼き付いています。それはアイが順番にボードを押すと果物がでてくるという報酬ベースの実験でした。なぜ、そのふたりの姿が忘れられない映像になったのか特に疑問も抱いていなかったのですが、松沢氏の著書「想像するちから」を読み、改めてその実験の対象になる動物に対する愛着の深さを思い、実際に心揺さぶられるものがありました。

 松沢氏はこの著書の中で、チンパンジーをヒト科の動物として扱っています。その数は1頭、2頭ではなく、ひとり、ふたりと称されます。オス、メスではなく、男性そして女性と称されています。チンパンジーはヒト科ですからヒトと同じように称するという氏の姿勢が表現されています。

 生物には分類学という学問がつきものです。さまざまな形質や行動、そして現在では遺伝的に区別された分類学の中で、人はヒト科ヒト属ヒトに分類されます。動物分類学上では、ヒト科は四属あります。ヒト属のほかに、チンパンジー属、ゴリラ属、オランウータン属です。この4つの属がヒト科であり、学問的にはヒトにもっとも近い種ということです。現在のゲノム解読によると、人間とチンパンジーは遺伝的にきわめて近く、ほとんど同じ生き物であるとも記されています。

 チンパンジーが研究の対象となるのは、ヒトのことを研究する必要があるからです。同じ理由でジェーングドール博士もチンパンジーの研究を行っていました。ジェーングドール博士の場合には、アフリカの森をホームベースとして、松沢氏の場合には霊長類研究所をホームベースとして、チンパンジーの研究を通したヒトの研究が行われているのです。しかし私には、その両者ともにチンパンジーという動物に対する尊敬の気持ちと態度とそれ以上のものを感じてしまいます。

 この本をすべての方に読んでいただきたいけれど、時間のない方のために一文だけ引用してご紹介します。

引用ここから・・・・・・・

 一日の終わりに疲れてテレビをつけてると、チンパンジーが面白おかしいことをしている。それを見て、人があっはっはと笑う。
 それは人間としてよくない。
 チンパンジーを見世物や金儲けの道具にしてはいけない。母親や仲間と離れて暮らすと、チンパンジーの挨拶や性行動ができなくなる。
 覚えておいてほしい。テレビに出てくるチンパンジーの顔は肌色だ。あれは子どもの特徴だ。こともは肌色の顔をしていて、大人になると真っ黒な顔になる。つまり、テレビの番組やコマーシャルに出てくるのはみんな子どもである。本来は母親と一緒にいなければいけない年齢の子どもだ。そうしたチンパンジーを、いろいろな理由をつけて母親から引き離している。
 ビジネスのために、無理やり子どもを母親から引き離す。あるいは獣医さんが「いやぁ、子育て放棄しちゃって」と勝手は判断をくだして引き離す。どんな理由があっても、たとえ死にいたったとしても、チンパンジーの子どもを母親や仲間から引き離してはいけない。彼らには親や仲間と過ごす権利がある。それを踏みにじってよいという権利は人間の側にはない。
 チンパンジーは絶滅危惧種だ。どんどん数が減っている。レッドリストに載っていて、絶滅が危惧される生き物を、ぺっとにしてはいけない。エンターテイメント・ビジネスに使ってはいけない。

引用ここまで・・・・・・・・・・・・「松沢哲郎著書 想像するちから」

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 松沢氏のこの著書の文章はどれもおだやかで冷静なものなのですが、上記に引用した部分だけには特別な強い思いを感じられました。

 動物の行動を面白おかしく笑ってしまう、犬に対してもそんなことが日常的に行われています。ブログでもインスタグラムでもユーチューブでも、人はいつも動物を笑いものにすることで自分たち人間が優位にたとうとします。自然を支配して動物を支配する権利までも得ようとするかのようです。実際ペットたちはそのような立場にあることを認めざるを得ません。しかし、その中でも自分の犬だけはと思うことができます。

 松沢哲郎氏は施設の中のチンパンジーを対象に研究をすすめられています。施設の中では自然の中に暮らすのと同じ幸せを得ることはできません。そのため、施設の構造そのものを工夫してチンパンジーがよりチンパンジーらしく生活していけるようにと改革をすすめられてこられた方です。
ペットとして迎えた犬たちにも同じような思いで、犬として生きることを一歩でも進めていこうという気持ちは間違いではないと勇気づけられます。

 この著書で知ったのですが、松沢氏は山登りが生活の一部で、年に120日間を山に登っていたということです。自然のなかで暮らす、そういう生活をしたいということも記されていました。その気持ちが哲学を目指していた松沢氏が心理学から人を解き明かす学問にふれ、結果、チンパンジーの研究施設にたどりついたというのです。松沢氏とアイの姿を見たときに、その中になんともいえない自然でつながる対話のエネルギーを感知できたのであれば、わたしもまんざらではなかったのかもと自分を認めてあげたい気持ちにもなりました。

 この本の中には、まだまだ犬との関係を深める話題があります。また少しずつ紹介させていただきます。

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グッドボーイハートお薦めのの本はこちらかもご覧いただけます。

グッドボーイハートの本棚

Posted in 本の紹介, 自然のこと

犬にテレビを見せていますか?:犬の認知力の発達は犬の幸せにつながる

 最近、テレビにまつわる説明や話をトレーニングクラスですることがあり、そろそろブログで紹介しなければいけないと思いつつ遅くなりました。
紹介が遅くなった理由は、科学的な情報が集められず推測の範囲内をでていない状態からです。

 その情報とは、犬の認知力の発達とテレビの関連性についてです。
犬の認知力の発達について情報を得たいと思っても、テレビの存在以外にも認知の発達に影響を与えるものもたくさんあるからです。
たとえば、人為的繁殖、子犬期の飼育環境、現在の飼育環境、経験、飼い主の接し方などどです。
 
 これらの条件がすべて同じで、テレビの存在だけが違うという条件にはなかなかなりません。
そのため、現在では十分に情報として提供できるものはありません。
しかし、クラスを受講される生徒さん方にはとても重要な情報としてお伝えしています。

 今日は、みんなで考える機会としていただきたいので、テレビと認知力の発達の関連性について本当に簡単にお伝えします。


 まず、テレビと犬の関連性について考えます。
みなさんも自分の環境と照らし合わせながら考えてみてください。

あなたのご家庭の犬はテレビを見ますか?犬はテレビを見ませんか?

あなたの犬はテレビを見ていることがありますか?
もしくはあなたの犬はテレビには関心を示しませんか?

あなたの犬はテレビの中の犬や動物、人に反応しますか?

あなたの犬はテレビのインターホンに反応しますか?


もし犬が後者の質問のテレビの中の映像やインターホンに吠えたり、注目したりするような行動があるのなら、その犬は認知力が不十分です。

犬がテレビを見たり関心を示すことを、人と同じように知能が発達したからだと考えるのは違います。

人はテレビを擬似的なものとしてみています。

テレビに写っている人の姿や風景を認識したり、音を聞いて情報を得ることはできますが、その情報は今自分の目の前で起きていることではないということを同時に認識することができます。
これが人の認知力による情報判断です。


ところが犬の場合には、テレビの音を現実的なインターホンの音と間違えます。
テレビの中に写っている犬を実際に目の前に犬がいるのだと勘違いします。
それが吠える行動につながるのです。

認知とは現実の環境のあるものを、そのものとして捉える力のことをいいます。
テレビに映っているものは現実に目の前にあるものではありません。
認知力の発達している犬は、テレビの音や映像を無視します。
臭いのないものはそこには存在しないという風に判断するため、その情報を得ようとしません。

正確には臭いだけではありません。もっと高い感知能力を使っていると思われます。
犬の臭いを感知する能力は人には計り知れないものですが、
さすがに犬といえども、数キロも離れたところを歩く人の臭いをひろうことはできません。
ここにはまた別の情報判断、状況判断が犬の脳内で行われています。


はなしをテレビに戻します。

そのテレビの映像や音が実際のものだとして反応を示す犬には、他にも行動の特徴があります。

新しいもの、今までに見たことのないものに対して興奮したり認識できないという反応を示す。
上記のものを大変警戒してなかなか順応できないという順応性の低さも示します。
社会的にも、適切な環境把握に時間がかかるため、吠えたりとびついたり興奮したりすることが多いという特徴も持ちます。

もちろん行動には個体差が大きく出ます。
少し出るということもあれば、非常にはっきりとしている場合もあるでしょう。

これらの犬の飼い主さんに尋ねると、家でもテレビをじっとみていることがあるというのです。

犬が何かをじっとみるのは警戒をしているシグナルであることがあります。
特に、動くものや社会的な対象に対しては、警戒するとじーとみて目を離すことができません。
釘付けという感じになりますね。

ちいさな子供がすれ違うときにじーっとみてくるあの感じです。
犬も地面に何かわからない虫がいて関心を示すとそれをじーと見ながら臭いを嗅いだり観察をします。
しかし観察といっても見ているだけではないのです。
ちょっと手をかけてみたり、周りをうろうろとしてみたり、
近付いて再び臭いをとり、そしてまた遠巻きに視るなどを繰り返します。

やがてそれが自分に害を及ぼさないとわかったり、興味をなくすとみることもなくなります。

子犬は蟻1匹でさえ多くの時間を使えるものですが、数日たつともう蟻にも関心がなくなります。

こうして犬の認知力は形成されていくのです。


テレビをじーっとみているのは警戒して観察行動に移っているのですが、
行動を伴わない観察というのはありません。
見ているだけで、行動をしないのであれば、それは脳が機能停止に陥っているためです。

認知力形成には行動が伴うのです。
特に脚で形成される犬という動物の場合には必ず行動が伴います。

このままテレビを見ることを継続させると、犬の認知力はますます低下してしまいます。


まず、お伝えしたいのは犬にテレビを見せるのを止めましょう。
少なくとも、犬にテレビを見せるのが社会的な発達につながると思っているなら
もう一度よく仕組みについて考えてみてください。

つぎに、テレビをみながら犬を抱っこするのも止めましょう。
これは子犬期に多くの方がやっていて、このことで犬の認知力が発達しにくい状況になっています。

そして最後に、テレビは必要なときだけみるようにしましょう。
これは室内環境が犬にとっても大切な場所であり、お互いの共有のスペースであることから、
犬にも少し気使いを与えてほしいという気持ちからです。

ちなみに、グッドボーイハートでのお付き合いが長い方はご存知ですが、私はテレビを持っていません。
もともとは持っていたのですが、犬と暮らし始めてからテレビを見ているときは自分だけの時間になってしまうことに気づき、またテレビをなかなか消せないのは疲れているときであることもわかったので処分しました。15年くらい前のことになります。

そのときには、テレビと犬の認知形成の影響について考えるとろこまではいたりませんでした。

しかし今ならかなり高い信頼度で、テレビを犬が見ることは犬の脳形成に悪影響しかないことを主張できます。


 偶然ですが、本日ネット配信のニュースで環境科学者の先生がテレビが人の脳に与える影響について説明されているのを視ました。
人間もテレビによって脳の情報が異常になってきているのではないかという懸念を話されていました
以前は人間は直接見たものによって必要な情報を処理していたのに、今はテレビを通して得た視覚的情報に偏って、脳が形成されているからだというのです。
 先日台風の日にレッスンで移動しているときに、台風といってもほとんど風も雨も穏やかな状態でした。ところが状況を確認しようとしてくださった生徒さんがテレビをつけると、テレビの映像は大雨に風が吹いて大変ひ
どい風景が放送されていました。
台風の日でも、大雨のところもあれば風は雨もなく安心して外出できるところもあるという正確な放送をしないで、台風で人が不安を抱えているところにその不安をあおるような映像だけを出して人の心理に働きかけるような放送をされてしまうと、人はテレビを正しい情報提供の場としては受け取れません。
 テレビは文明の利器。しかしそこで情報を出しているのは人であり、人はよく間違えます。
テレビの内容を受け取る人の方に、情報を選択する力を必要とされています。必要でないものは見ないという選択も大切ではないでしょうか。

 ということで、犬にとっても人にとってもテレビのつけっぱなしはお薦めしません。
環境整備のひとつと思い、テレビと上手にお付き合いください。

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犬の衝動的な行動は危険であること:庭先に出現したウリボウを想う

今朝、七山校で窓を開けているときに、動物がまた栗を拾って食べている風景を見ました。

最近、落ちている栗やら柿などの食べ物を、いろんな野生動物たちが食べにきています。

最初は「ああ、また何か動物が来ているのね」と単純に思ったのですが、いつもと違う感じに一瞬注目してしまいました。
アナグマかと思ったその小さな動物の背中に、縞々の模様が入っていたからです。

窓の向こうにいた動物は、よく見るとウリボウでした。
ウリボウはイノシシの子供です。
瓜のような縞模様の柄をしているのでウリボウという愛称で呼ばれています。

ウリボウを見かけたらすぐに次のものを探します。
お母さんイノシシです。

ウリボウの柄がある年齢のときには、母親のイノシシといつもいっしょに行動しています。
ひとりで行動できるようになると、親離れをして単独行動をするイノシシ。
そのころにはこのウリ柄がなくなっています。

母親イノシシは5,6頭のウリボウたちを引き連れて行動しています。
移動の際には母イノシシを先頭しにして、一列に並ぶように歩いているのを見たこともあります。


この窓の向こうにいるウリボウは、母イノシシからはぐれたのでしょう。
この年齢で母イノシシの群れから離れてしまうと、ひとりで生きていくのは困難なことです。
それなのに、まだ母イノシシから離れたことを気づいていないのか、のんきに栗を食べています。


ウリボウがひとりで生きていけない理由は、自律に必要な学習を終えていないこと。
自分の身を守る防衛行動が不足しているために、他の動物に襲われやすいことです。
ウリボウを食べる動物は、タヌキ、イタチ、キツネ、トンビ、カラスと山の中にたくさんいます。

ウリボウが母イノシシから離れてしまった理由は、ただひとつです。

母イノシシが移動するときにそれに気づかなかったのです。
何かに夢中になっていたか、栗を食べるのに夢中になっていたのかもしれません。
もしくは、栗拾いをするうちに母イノシシから自分が離れた可能性もあります。

母イノシシは移動の際に多少はウリボウの集合を待ちますが、
すべてのウリボウを集合させることはできません。
なにしろ、1頭の母イノシシが数頭のウリボウを管理しているのです。

1頭の自分勝手な行動をするウリボウを捜していたら、他のウリボウまで危険にさらしてしまいます。

母イノシシの動きをよくみていなかった衝動的に行動してしまったウリボウは
そのまま置いていくことになるのです。

こうした衝動的なウリボウは、他の動物に食べられたり、餓死してしまいます。

そのためこうしたウリボウが子供を残すことはなく、この遺伝子は受け継がれません。


これが動物の遺伝の仕組みです。

動物はより安全に行動できる動物の遺伝子を、次の世代につないでいきます。
そうすることが種の継続につながるからです。
衝動的な動物は途中で死に絶えてしまうため、自然界では遺伝子を残せません。

厳しいと感じられるかもしれませんが、これが自然界の動物のしくみです。


そこで犬のことを考えます。

犬はとても衝動的に傾いています。

なぜなら、犬の繁殖には人の「好み」が反映されて人為的な繁殖がくり返されているからです。
純血種の犬は、まさにこの好みのために繁殖された犬たちです。

これらの犬は囲われた敷地や室内で飼うことを前提にしています。
衝動的であっても野生の世界のように、淘汰されてしまうことはありません。

人の好む犬の外見は、小さいもの、鼻の短いもの、脚の短いもの、毛質の異常なもの、大きすぎるものが
多くなっています。
これらの形質は犬という動物からはかなりかけ離れているため、遺伝的には非常に危険な濃い血液で作られています。
そのため精神的にも身体的にも、不健康な犬ができてしまいます。

本来の自然な動物であれば危険な衝動性も、淘汰されることなく犬たちの中に残されてしまいます。

犬は急に走り出したり、走り回ったり、とびついたり、ギャンギャンと吠えることが多くなりました。

めったなことで声を出したり急に走り出したりすることのない野生動物のような慎重さはなくなっています。

それだけに犬は自分では安全を確保することが難しくなっています。


犬を飼う人はこう考えるかもしれません。

犬は人に飼うために生まれてきた動物なのだから、囲いの中で安全であればそれでいいのだと。
犬は走り回ったり、とびついたり、ギャンギャンと吠えている方が可愛らしいのだと思うかもしれません。

犬の身になって考えるとどうでしょうか。
環境の変化に驚いたり敏感になったり、ストレスを抱えやすくなっている犬の立場に立ってみます。
衝動的な行動がくり返されて学習行動となり、いつも脳がハイになっている犬の立場に立ってみます。

やはりこれは、とても大変な生き方になってしまうと思うのです。

すでに繁殖されてしまい生まれてしまった犬たちには、
少しでも環境整備を通して、落ち着きを取り戻すための方法を身につけていってください。
それが犬のストレスを軽減させる方法であり、犬が安心を獲得する方法です。

これから犬を飼う方には、興奮しやすく衝動的な犬ではなく、落ち着いて自律する力のある犬を求めて欲しいと思います。

繁殖をする側は、犬を飼う人が求める犬を繁殖させているだけです。

興奮しやすく衝動的な犬は、走り出したり突然攻撃したりします。
よく吠えたり奇声を発したりします。

こうした犬を迎えて悩んでいたとしても、それを繁殖した方のせいにしても何も変わりません。


人為的な繁殖による犬の内的な質の変化について、犬を求める飼い主の方々もいっしょに考えていただければと思います。


dav

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