グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

納めの日

古い資料の整理をした。
11年前に作ったプリントが出てきた。

11年前…。専門学校の講師の仕事を受けたときだ。
オポとはまだ出会っていないころ。随分昔のことのよう。

学校の授業の内容の組み立てとして作ったそのプリントは
「何のためにトレーニングをするのか」という題目で始まっていた。
その中にこんな言葉が走り書きされていた。

共感、信頼関係、安心感、理解、自立、社会性、協調性、自信

いろんなことをやってきたように感じていたけど
目指していたものは何も変わっていなかった。
出会ったものは、道で得た喜びや気づきに過ぎなかった。
これを目指して来たから今があるのだと
与えていただいた全てのものに対し改めて感謝の気持ちが生まれる。

オポとここに移ってきたときに植えていただいた柿の木。
今年やっと私の背丈を追い抜いてくれた。
そして、はじめてかわいい花のようなものをつけた。

遠回りをした私につきあってオポがここにたどり着いたとき
随分と年老いて疲れきっていた。
植えたばかりの小さな柿の木をみながら
この柿の実が落ちるころにオポがそれを食べることを信じようと誓った。

木は育ち、オポの命は輝きを増した。
そして、私は探していた犬との関わりを通して気づきをいただいている。

生きて輝いていることだけがすばらしいのだから
生きがいというほどのものはいらないのかもしれない。
このことは私にとって生きがいというより日々の喜びでしかない。
ほんの一瞬の喜びを共に感じる仲間たちと過ごした今年の納めの日。
それにふさわしい静かな山。

今年をきちんと納めて、
オポのいう「現実と現実を超えたものを結んでいるものについての学び」を
変わらずみなさんとご一緒いたしましょう。

P8046035-150x150

Posted in 日々のこと, オポのこと

毎日の散歩

朝、窓の外を見ると…
これは非日常ではない。これは現実だ。

玄関の前に、一晩かけて屋根から落ちてつもった雪。
家の周囲がこの雪の小山に囲まれている。
室内の気温は1度。
脚まで埋もれる雪にオポの足取りもいつもと違う。

そんな今日も、いつもと変わらず山へと歩く。
私はセーター、防水ジャケット、帽子、手袋、厚手のソックスと…防寒準備を怠らない。

オポはいつもと変わらない。
生涯をかけて1着の極上マイ毛皮とカギのついたゴム靴がある。
アンダーコートの薄い毛質なので防寒力はそれほどないと思える。
見に付けているのは山と暮らして得たもの。
「ないものは補えばいい」は、オポが教えてくれた。

雪の日は一面が白く道が見えない。
オポの足あとに自分の足を重ねて歩く。
犬は迷わない。天下一品の鼻があるからね。
尾根の脇の若木たちはその葉に雪をのせて頭を深く垂れている。

同じように私も頭を深く垂れたまま前進。
昨晩の雪は長く降り続いたみたい。
動物たちの歩いた跡も見つからない。

山の中でオポの耳をさわってみた。
あたたかい。

木をかじっている。この季節にしか得られないハーブ。
いろんな命が君と共にいるんだね。

雪解けの水を吸って、木々たちは一層輝いている。
この雪を迎えるための毎日の厳しい寒さが
動物の体に準備を促してくれる。

私も家につくころには汗びっしょり。
もう、そんなに防寒しなくてもよくなったのかな。
皮下脂肪っていうのが増えたってことね。
見かけより機能だよね、オポ。

PC275482-150x150

Posted in 日々のこと, オポのこと

さがしもの

ブログの更新が進まずすみません。
みなさんとできるだけ会ってお話しするようになると
あれもこれも…もうお話したよなと、ついついさぼってしまいました。

秋のつめたくて心地よい風。
忍耐の夏を越し私たちもようやく山へと復活しました。
昨日はたくさんのお手伝いのみなさんが集まり今年最後の「草刈大会」
副題は「妄想から瞑想へ!」

そうなんです。
草刈は実は瞑想タイムに変身するんです。
好評なので定例化してしまい毎月開催されている草刈大会ですが
最初のお誘いのときにはたいていみなさん 「えーと…私はいいです。」
と、警戒信号を出されるのですが、いざ鎌を持たせると突如変身。
結構たのしいでしょう?

草刈大会の後はもちよりのお昼ご飯をいただきました。
秋のごちそう
自前のしいたけは大きくなりすぎちゃいましたね。
この季節のオポの好物といえば「むかご」
自分で探してとって食べています。
トレッキングコースにはたくさんあっていつもオポをそこまで連れていっていました。


実は、思わぬところにあることを知りました。
メッセージを届けてくれたのはすずめたち。
ここ数日、早朝に1時間ほど雀たちがうちに立ちよるようになり
朝の集会の様子をよく観察すると ン?何かを食べている?灯台もと暗しでした。

探しているものって結構身近にあるんです。
遠くまでいかなくてもいいのかも。
必要なものは全て与えられているから。

さあ、山へ。今日も素敵な時間が訪れます。

臭いを取るオポ2-150x150

Posted in 日々のこと, 自然のこと, オポのこと

オポのひとり言

オポに変わって私がオポのことちょっとだけお話します。
部屋の中にあるものをおいたままにしておりました。

来校された生徒さんがびっくり
「わあ、本物かと思いました。」
これが1回目のびっくり。

「えっ!これってオポくんのおもちゃ…ですよね。」
そうです。これはオポの大のお気に入りのおもちゃです。
2回目のびっくりは、相当のびっくりマークでした。

「えーっ!!壊れてないんですか?」
はい。
「オポくんはおもちゃ“瞬殺”のイメージがあるんですけど…」
つまり、オポはおもちゃとみればもらった端からくいちぎって殺してしまうという意味なんです。
そうなんです。今まではそううだったんですけどなんだか違ってきたんです。

このおもちゃは今年になってオポに与えたものなのに、
1年近くになる今でもまだ、手術(縫って修理)も一度もしていないのです。

そういうことなんですよ、とにんまりする私。
オポにとってはおもちゃを破壊することは遊びではなかったということです。

さらにおもちゃを与えていてもそれで遊んでいるわけでもありません。
おもちゃはオポにとって遊び道具ではなくなっています。
コミュニケーションのツールといったところでしょうか。
いろんな形でこれをツールとして使っているようです。

人間と動物を区別しようとする考え方がありました。
「人間だけが道具を使う」という定義が提案されました。
でもある女史はチンパンジーが道具を使うことを発見したのです。
次に「人間だけが道具を作る」と定義されました。
でもその女史はチンパンジーが道具を作ることを発見されたのです。
人間と動物を区別しようと考えることも
少し古くなりつつあるのかな。

犬も道具を使うのかもしれない。
もしかしたら道具を作ることもあるのかもしれませんね。
でも、そんなことにこだわらなくても、犬はすばらしい能力を秘めています。

オポはおもちゃを破壊するものだと思い込んでいたこと。
びっくりするのは「それが好きなんだ」と勘違いしていたこと。
その環境を作っていたのは飼い主の私だったんですね。
私もみなさんといっしょ。いち飼い主としてまだまだ成長中なんですよ。

七山グッドボーイハートとなって1年がすぎ、長い時間をかけて少しずついろんなことがわかってきました。
これからもまたあたらしい気づきを得られることドキドキ、そしてワクワクです。

PA214295-150x150

Posted in オポのこと

トレッキングクラス

ひさしぶりに参加したメンバーたちとまずは肩ならしか。

飼い主さんの足元でおしあいへしあいする姉妹たち
トレッキングがだんだんと楽しくなってきたね。

山道で
みんなで頭をさげて草をたべたり土をたべたり
2日目のトレッキング

センタリング&グランディング練習
この瞬間、形じゃなくて感じるものがあります。

ボクもまねして練習!
ボクもお母さんといっしょに練習!!
とりあえず、やってみること。

あちこちと探索行動が広がる年齢
行動を起こすことが学びのきっかけになるね。
危険なことから身を守るのも自分で覚えること。
バックアップがあると安心して行動できる。

シンクロ・スイミング?
オポにそこまでついていかなくってもいいんじゃない?
でも、きっと何かあるんだよね。

3日目のトレッキングクラス
お母さんの足元にぴったり
社会性を身につけたら行動範囲は自然にひろがるんだよ。

別のわんこもお母さんの足にぴったり
今日は大変な勉強の日になったね。

もう1頭のクラスメイトは…遠くにお尻だけ。
いつも離れていたみたい

食事中のオポ。
昨年私がむかごをあげたら「!」がついたらしい。
昨年は自分でとれなかったのに今年は自分でとっている。わんこ山でも勝手に食べてます。こういうことにかけては天才的としかいえません。

ついでに山ゴボウの実も食してしまいます。
紫の強い実の臭いがするとどこへでもいってしまう。
根は猛毒ってしっているんだろうか。
教えてないのに犬が自主的に食べるときにはある程度まかせています。
街中に落ちているものを食べることはしないから、きっと、何かがあるのでしょう。
その何かが知りたいんだけどね。

そして最後に。
ただ泳いでいるだけなんですけど
苦節9年、はじめてみたオポの姿
泳いでいるだけじゃないの?
そうなんです。泳いでいるだけなんです。
でも…飼い主の私にとっては感動の時間でした。

犬たちは変化しているんです。
こういう風になってほしい
こういう風にしてほしいを捨てたら
そのままですばらしい動物です。

何かが「できるようになる」ことを楽しむだけではもったいない。
呼んでも帰ってくるようになった
一緒に歩けるようになった
トレッキングクラスのはじめに練習することですが
本当に学びたいことはここからスタートします。

犬の背中をみながら私も一歩ずつ。
置いて行かれるようなあせりもあるけど
がんばるからね。

img_3255-150x150

Posted in クラスのこと, オポのこと

オポのひとり言

さて、ひさしぶりの休日
ちょっと、しし山散策にでもでかけるか。

「オポ先生、今日は補講ですから。」

補講?
デイケアクラスの生徒?
ボク指名なの?
パンの差し入れがあるって?
…そんなことなら、仕方がないなあ。

「補講の生徒はグッドボーイハートの前スタッフ2名
オポにとっては家族のような存在だね」

じゃあ、まずはわんこ山登山から。
あれ、足腰よわったんじゃない?
ボクが老犬になったと思ってたの?
姉ちゃんたちより若返ってると思うけど。どう?

さて、つぎはテントの組み立て
早くしないと、お腹すいたよ。
ボクの七山話は飼い主から聞いてね。っていっても、遅くまで話し過ぎじゃない?
七山では9時就寝ってきまってるんだよ。

都会で学んだことが人生にどういかせるかは
自然とのつながりの深さによってきまる。
テントの中で眠れないなんてまだまだ鍛え方が足りないね。

写真とってないでしっかり勉強してくれよ。
地に足をつけてる感覚、ちゃんと覚えたかな。
風のささやきを聞くこと、もうちょっと練習しようね。
曇りなき眼で見れるようになるまで判断を下さないことだよ。

勇気をもって一歩を踏み出せば
新しい世界はだれにでも開けてくる。
それぞれにとって必要な道。
どの道もかわらない。どの道も比べようがない。
みんな自分の道で学ぶ。
学びの途中で、必要な時にまたいっしょに学べばいいさ。
じゃあ、宿題をしっかりとやること。
神様はいつも君たちをみているよ。

オポのひとりごと1

Posted in オポのこと

オポ先生の水泳教室

今年はじめての海での水泳教室となりました。
前日は雷雨に豪雨と心配したお天気も
翌日にはすっかりと変わってよい水泳日よりです。

さて、さっそく始まりました。
事前練習を重ねた成果ひとりで海に入っていけるようになりましたね。
自発的な行動は犬の自信につながるかも。

泳げるようになったわんこは後脚をうまくつかうのだ。
アスファルトの生活じゃほとんど機能してないから

はじめての海?とは思えないほど
積極的に泳ぐ小型わんこもいます。
おもちゃを加えようとたち泳ぎになってるけど
きっと練習してうまくなりそうだね。

どのこも泳げるんだけど
苦手なわんこもいるでしょう。
土の上でも自然に行動できることにつながっているんですよ。

スイムスーツをきていたわんこも
飼い主さんのやさしさかな。

はじめての犬には飼い主さんがしっかりサポートする
犬の体が泳ぐには十分でないほど不安定にしたのは私たちですからね。

水泳教室って何がなんでも泳がせる教室ではないんです…
飼い主さんが海に入ったり他の犬たちが海に入ったりすることに
泳げない犬たちが緊張感をといて何か行動を起こすきっかけとしてほしいのです。

だから、泳げなくてもいいんですよ。
濡れるのを拒む犬は、雨のトレッキングクラスにご参加ください。
濡れることに自然となれていきます。
他の犬や他人との距離が遠い犬は、それぞれに課題をかかえているでしょう。

一体何が課題なの?がみなさんの疑問でしょうが
それに気づくのは自分しかないのです。
求めれば必要な学びは与えられます。

gro_8_02

Posted in クラスのこと, オポのこと

オポのひとり言

グッドボーイハートの先生でもあるオポ。
飼い主はこの私です。
このコーナーはオポのコトバを私が通訳してお伝えします。

いままで「オポのつぶやき」とか「オポズセンス」という題名で紹介してきましたが
このブログでは「オポのひとりごと」と題名いたしました。

犬ですが、人並に「ひとり」というコトバをあえて使わせていただきます。
では、どうぞ。

*********************

ここ七山にボクが移り住んだのは2年前の梅雨の時期だった
ここに来てはじめて会った犬が「テン」という名前の犬だった
うわさにきくところによるとかなり離れたところにある店の飼い犬らしい

ボクよりも少し小さな体のそいつは、堂々とボクのテリトリーである庭に入ってきた。
ボクが毛を逆立てて近づいて挨拶を求めるけど
そいつは知らんぷりをしてこちらを見ようともしない。
警笛を鳴らして注意を促しても、ボクを完全に無視していた。

「オポもういいよ。私と変わって」とボクの飼い主がいった。
「テン!ちょっと出て行ったら。あなたのテリトリーじゃないのよ。」
と飼い主が交渉を始めた。
そいつは全く顔をあげようとしない。
およそ、聞く耳はもっていないという感じだ。

注意をひこうとものを近くに投げても、
全く反応を示さず、においをとってマーキングをしている。
どうやら、ボクがこの家に来る前までここは彼のテリトリーだったらしい。
彼からしてみたら、ボクたちの方が侵入者にあたるのだ。

テンのテリトリーは広かった。かなり遠くからやってきていた。
来るときも帰るときも走る様子はない。
人間がちょっと脅しをかけるとすごい速さで入口のシャッターをくぐってみせた。
シャッターをくぐるには高さ15センチくらいまでにならないといけないのに・・・。テンはそんなに小さな犬ではなかった。でもその柔軟な体には驚いた。

今まで都会で飼い主によりそう犬や、わんわんと吠える犬しか知らなかったボクが
きっとはじめてあった犬らしい犬であった。

そのテンは初対面から半年後、七山の雪の中にうもれ、空に昇ったらしい。
テンがいなくなってからこの辺の秩序が乱れはじめた。
彼には彼なりの哲学があったんだ。
テンともう一戦交えてみたかった。
男同志の話もできたかもしれない。

注目中-150x150

Posted in オポのこと