当ブログでもなんどか触れ、ホームページの私のプロフィール欄には尊敬する人としてご紹介しているジェーン・グドール博士が、10月1日に91歳で逝去されたとニュースを拝見しました。まずは、深くご冥福をお祈りするとともに、博士の動物に対する愛の深さに感謝いたします。
ジェーン・グドール博士についてあまりご存じない方も、チンパンジーが道具を使うことを初めて野生のフィールドで観察して発表した人だというと覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。もしくは、黄色い枠の雑誌、ナショナルジオグラフィックの表紙で森の中を短パンで歩く、美しく若い女性の姿に覚えのある方がいるかもしれません。
1960年代という時代に、まだ動物の専門家でもない若い女性が単身でアフリカの野生動物の森の中に派遣されるという実話は、信じられないような話でしかありませんでした。
その上、その若き女性はチンパンジーをこよなく愛するばかりでなく、毎日森の中にひとりで出かけていって、人との接触が不可能な野生のチンパンジーと大変長い時間をかけて距離を縮めながら交流を深めていくという物語のような人生です。アフリカの森を全く知らない私もその光景を想像しながら、動物と人の豊かな関係の可能性についてワクワクと心を躍らせました。
ジェーン・グドール博士の繰り返し言う「Hope in action」は、私の中にも根付いています。どんなに素晴らしい考えやアイデア、どんなに美しい動物との関係性も、行動なくして実現することはありません。私の道に大きな力を与えて下さったジェーン・グドール博士に恥じぬよう、どんなに細い道でもどんなにゆっくりとした歩であっても歩き続けていきたいです。
以下のジェーン・グドール博士の活動についての文章は、ジェーン・グドール博士が設立したジェーン・グドール・インスティテュートから送信されたメールの中から抜粋させていただきました。
引用ここから
ジェーン・グドール博士について
1934年4月3日、英国ロンドン生まれ。26歳のときにアフリカの野生動物への情熱を胸にタンザニア・ ゴンベへ渡り、チンパンジーの野生研究を開始。彼らの生活に「 隣人」として入り込むアプローチは画期的でした。1960年の「 チンパンジーによる道具使用」の発見は世界を震撼させ、 人間と動物の関係を根本から見直すきっかけとなりました。
1977年にはジェーン・グドール・インスティテュートを設立し、 博士の研究と理念を世界に広げました。1991年には「ルーツ& シューツ」を創設し、75か国の若者が思いやりある市民・ リーダーとなることを後押ししています。 晩年も博士は年間約300日の講演活動を続け、 野生動物の危機や環境問題、そして希望の理由を語り続けました。
博士は国連平和大使であり、大英帝国勲章デイム司令官を授与されています。 直近では2025年、米国大統領自由勲章を受賞し、 科学と地球への尽力が改めて称えられました。