グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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グッドボーイハート畑部☆部員募集☆

犬と共に自然を肌で感じながら生活するという時間をいただいたとき、最初に思いついたのが「畑をつくる」ということでした。

ところが、最初につくったこの畑はすぐに終了してしまいました。
理由はいくつかあります。
他にもすることがたくさんあったため後回しになった。
おいしくて安い野菜が近くの産直店で手に入った。
失敗が続いた。
根気がなかった。
など、結局は努力不足ということです。

初期の小さな畑はオポを釘付けにしていました。
簡単にできるのだと思ったトマト、キュウリ、カボチャ、オクラ、ナスの苗を植えていたのですが、そのうちトマトとキュウリはオポの大好物だったからです。

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柵をつくったけど届いてしまうミラクル


普段は食器の中に入っているトマトや人の手をつかってしか食べられないキュウリが、目の前にぶら下がっているのです。
「え、それまだ早いでしょ。」という出来具合のものを片っ端から食べてしまうため、結局、畑に柵を作ることになりました。

このことで、わたしは入れてもオポの入れない空間ができてしまい、そのことがわたしを畑から遠ざけてしまう理由にもなってしまったと思います。

その後、畑部は一度復活しました。
若い生徒さんたちが「先生!畑を作りましょうよ。」といって開墾を始めたのです。
七山校のクラスに参加するたびに手入れをしてくれたのですが、日々の手入れは必要です。
畑の面倒をよくみず、雑草の中に野菜たちが埋もれていくようになりました。
これで畑部は解散となりました。

そのグッドボーイハート畑部が、このたびついに復活します。
今回は新しい畑部長Kさんが畑の開墾をはじめてくれました。
灰を混ぜ込む2回目の耕し作業を終えられたところです。

畑20160804開墾
部員のわたしも積極的に参加せねばと奮い立ち、畑横の竹やぶ払いを行いました。
助っ人にお手伝いいただき、畑に風がとおるようになりました。

食べるものを育てるという基本的なこと。
頭ではわかっていてもなかなかできません。
自然の生活に近づくことも、大切なこととわかっていても同じことです。
そういうときは、誰かがやるのを最初は見守ったり手伝ったりすることでもいいでしょう。

グッドボーイハート畑部の畑でとれた野菜を、人と犬がいっしょに食べられるようになるまで
がんばります!


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回想「オポのこと:人との関わり」

犬のパートナーだったオポが亡くなって、今日で7ヶ月たちました。
今でもお参りに来てくださる方います。そんなオポを知る方々を思い出話しをするたびに、オポがいろんな人や犬と関わりを持ちながら生きてきたことや、その中でオポから教えられたことも同時に思い出していきます。

グッドボーイハートの一員として、家庭訪問のトレーニングに付き添って手伝いをしてくれたり、デイケアクラスの先生をしたり、お散歩会のリーダーをしたり、みんなでキャンプにいったときのお世話など、その仕事は大変なもので、オポに頼りすぎてしまったことを今でも飼い主として深く反省しています。

オポのことを本当に心に留めてくださった人は、イベントような人や犬がたくさん集まる会の中のオポよりも、オポと一対一でお付き合いしてくださった方々なのだという事を実感しています。グッドボーイハートでは全体のリーダーとしてはたらくため、オポを表面的に見られた場合には「厳しい、こわい、迫力がある」といわれることもありました。ところが実際のオポは、お茶目でゆるやかで寛大なゆったりした犬です。(飼い主の惚れた欲目もありますね。)

特徴的であったことは、人であれ犬であれ、一対一できちんと向き合うことのできる犬であったことです。それは人からオヤツをもらえることとは異なる関係の作り方です。生徒さんとして迎えた人と犬には積極的にあいさつをし、要求はせず、よく観察し、相手が自分にコミュニケーションを求めたときは必要であれば応じるという態度でした。ですが、相手が自分を試すようなことをしたり、からかうようなことや上の空でいるような態度のときには、コミュニケーションに応じないという行動をみせることもありました。特に七山に移ってオポに行動の自由が獲得されてからは、その選択はハッキリしたものでした。

とはいえ、クラス終了後にして私が忙しくしているときに、話しかけられそうな生徒さんに自らコンタクトをとって誘導し、指定の場所に連れていくということもやっていました。「先生、オポさんがきゅうりのストックのところへ案内するんですけど…」と困惑されて飼い主の私が呼ばれることなどは、七山校では日常の風景だったように思えます。

オポにはグッドボーイハートのモデル犬にはなってほしくありませんでした。オポをアイドルにしたいとも思わなかった。オポがグッドボーイハートの活動の中で行うことに対しては、飼い主の私のしている仕事を知りできることをしているのだと感じ、パートナーとしてリスペクトし、有難く受け取っていたものです。その中でオポ自身は一頭の犬としてひとりひとりと関係を作っていたのだと知り、それはオポが選択したことであり、彼の生きる道の中での必然の出会いだったのだと思っています。

一方で犬たちは、オポの墓参りをしたりオポを思い出すこともありません。それでもオポがグッドボーイハートで出会ったどの犬とも、やはり一対一で向き合うことこそ大切なことなのだとういことを教えてくれました。そのことが互いに心がふれあうという体験であって、その体験は思い出すことがなくてもそれぞれの命の中にエネルギーを与えてくれたものだと信じています。

たくさんの心に足跡を残したオポ。

その力強い生き方に敬意を表し、後に続きたいと思います。

オポのお墓20160710

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本当に怖い動物とは「後編」

本当に怖い動物とは「前編」では、山の動物のイノシシ、キツネ、タヌキ、イタチ、テン、アナグマ、トンビ、カラスについてお話しました。

サルはいませんか?と生徒さんに尋ねられます。
サルはいます。七山校の敷地内にある電信柱に登っているのをみかけたり、裏の栗の木に登って栗を食べているのを部屋の中からみたこともあります。一番敷地で危険だったのは、テラスの屋根にいたサルが下りてきて庭の裏側を走って柵を飛び越えるのを見たときです。このときはオポが室内から吠えて追い立ててました。山の中で遭遇することはありません。サルも警戒心が高く、犬猿の仲とは本当のことでイヌを嫌いますので、犬と歩いているときには姿を現さないようです。七山地区ではときどき放送で「サルに遭遇しても手出しをしないでください」という内容の指導があります。サルによる農作物の被害は大変なものですが、サルは駆除の対象にはなっていないようです。

爬虫類で最も恐るべきはやはりマムシでしょうか。マムシの毒性が高いこととマムシの反射的にかみつく習性により、イヌがマムシに咬まれる事故は珍しいことではありません。これについては過去ブログ記事「もしもマムシに咬まれたら」をご覧ください。
他のヘビもその動きや風貌から「気持ち悪い」と恐れられていますが、私はあまり怖くありません。幼少期に母から教えられたことが記憶に残っているからです。ヘビをみて泣いていた幼い私に「へびは怖くないよ。ヘビは話しがわかるからはなしかけてみてごらん。」というような母でした。近くで顔を見るとゴジラのような感じですが、威嚇のシグナルがはっきりとしているので、オポが立ち止まるところにヘビありという程度でした。そういえば、昨日も一昨日もヘビをみかけましたが大丈夫です。ヘビは山神様といわれるくらいなので大切にしてほしい存在です。

昆虫の中で出会いたくないものがあります。ススメバチです。
キイロスズメバチも恐ろしいですが、なんといってもオオスズメバチが目の前を通過する際には、ヘリコプターのような音がして微動だにできなくなります。オオスズメバチの観察経路の高さは、ちょうど人の目線の高さくらいで、犬たちの目線には入りませんが、ホバリング音への反応は高いです。オオスズメバチは数があれば大きな動物への攻撃もするため、音への反応を身に付けているのかもしれません。

先生が一番怖いものは何ですか?と尋ねられ即刻応えたのがムカデです。私のムカデ嫌いは有名です。
屋外ではあまり怖くない気もするのですが、一度草刈のあとに首元がむずむずするので洗面所で首にまいていたタオルをとったらそのタオルにすっごく大きなムカデがついていて言葉を失いました。室内に入ってきたムカデはオポがいた当時はムカデセンサーだったオポがすばやく見つけたのですが、一度なかなか見つけられずについに…という事件がおきてしまい、それで夏場の睡眠の深さはかなり浅くなりました。オポ亡き後はホモサピエンスの私はムカデを見つけることができなくなり、ますますムカデにおびえる日々ですが、医療機関にお勤めの生徒さんからは「ムカデなんか昔はムヒつけてたんだからそれで十分。」とさらりと言われてしまいました。

犬の多くはムカデにそれぞれの反応を示します。鼻を近づけていく犬もいますが、ムカデに咬まれた犬を見たことがありません。少なくとも咬まれる現場を見たことはありません。咬まれたとしても対して腫れはないと予測します。そう説明すると、
山歩き中はあくまで移動中のテリトリーなので危険を回避すれば済むことですが、本拠地を侵害して攻撃を仕掛けてくる生き物となるとさすがに寛大ではいられません。今までに侵害してきてトラブルになったムカデ、アリ、アブ、ブユなどの昆虫たちと武勇伝はいつか少しずつ紹介していきます。

このブログを書いている現在も、一番小さなアリ、おそらくヒメアリと戦っています。なぜかこの時期、甘いものがあるわけではないのに温度の高いパソコンに住み着き、手から足からあがってきてかみます。チクリとして大変痛いのですが、オポがヒメアリを避けている様子を見たことがありませんでした。イヌはアリなど食べてしまいますから、イヌには近づかないのかもしれません。イヌがアリを怖がるなら靴もはかずに土の上は歩けません。

それにしてもやっぱりイヌはすごい、動物力は私たちより数段上です。

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本当に怖い動物とは「前編」

先日トレッキングクラスに参加した飼い主さんと、山の中で出会ったら怖い動物話で盛り上がりました。

山の中で出会ったら怖い動物といえば、みなさんにとっては何でしょうか。
怖い動物というと体のサイズの大きな動物を思い浮かべるため、福岡佐賀近郊ではイノシシが比較的大きな動物になります。イノシシにあったら怖いと思うのは当然のことでしょう。
私はオポと散歩中になんどもイノシシに遭遇したことがあります。オポが山で落ち着いた行動をするようになり安定していたため、最初のころに緊張していたのは私の方でした。悲鳴や奇声をあげたりするタイプではないのですが、行動力と思考力が確実に低下していました。それでも私にはオポという先生がいましたので、オポの行動をよくみて同じように安定を取り戻すことが可能でした。練習の甲斐あってイノシシを発見してもうまく対応できるように成長していきました。

イノシシ以外のこの近辺の山で遭遇する可能性のある動物には、次のようなものがいます。
四つ脚の動物はタヌキ、イタチ、テン、アナグマ、キツネです。
このうち、イタチ、テン、アナグマはイタチ科ですが、イタチ、テンがすばやく逃げるのに対し、アナグマは反応が鈍く出会う可能性も高いです。七山校の裏庭ではよく穴をほって昆虫を食べているのを1メートルくらいの近距離で見ることができますが、相手は気づいていないようでした。気づけば急いで逃げますので犬が追いさえしなければ怖くはありません。

キツネとタヌキは昔話にもよく出てくる、人と交流の深い動物です。
キツネはイヌ科キツネ属です。九州にキツネがいると聞いて驚かれることもありますが、キツネは昔話のとおり非常に警戒心が強く、簡単に人の前に姿を現しません。犬を連れていればなおさらのことです。車にひかれることもないので遺体を見る機会も少ないでしょう。

この中で犬にとって一番やっかいなのはタヌキかもしれません。タヌキもイヌ科です。
タヌキはよく車にひかれます。山に見るときには動きが遅い感じはしないのですが、キツネと比較すると警戒心が低いのかもしれません。そのため人との遭遇も多く、餌付けされてしまうことも多いため注意が必要です。
餌付けされた野生動物は人への執着が高く、必要以上に人に接近するためイヌとのトラブルmも多くなります。タヌキはこの良い例かもしれません。まず餌付けを行わないこと、イヌのタヌキに対する反応は、他の動物とは少し異なるのではないかというのが、私の現在の見方です。イヌと歩いているときにタヌキに遭遇した経験のある方は、そのときのイヌの反応をぜひ教えてください。

次に鳥がいます。大きなサイズの雑食の鳥といえば、トンビとカラスです。
オポと山歩き中にトンビに狙われた経験がありました。私が白い帽子をかぶっていたので、獲物とまちがえられたようで、私の膝元でV字を描きまっすぐに空へと帰っていきました。
このときもオポと私がほぼ横列だったはずですが、オポは全く歩速をおとすことなくゆっくりと前進をつづけました。立ち止まって停止した思考の快復をまったのは私の方です。以後白い帽子をかぶるのを止めました。

後編へ続く

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犬の車酔い

今日七山校にはじめてきた犬が車酔いをしてしまい、テンションの低い状態で到着しました。山道での蛇行が車酔いを強めてしまうようです。

車酔いについては私も関心があります。物心ついたころから高校生くらいまでは乗り物酔いがひどかったからです。結局自分のときには、バスのときは一番前の席に座るという対応程度となり、つらい思いをしました。

犬の車酔い対応は犬によって多少違いがありますが、基本的に小型から中型の犬についてはクレートやケージに入れた状態で車に乗せることをお願いしています。ただクレートトレーニングが車以外の場所でうまくいっていないときは、いきなり車でクレートにいれることは負担がかかります。

小型の犬の中には飼い主がダッコしていると酔わずに寝てしまうということもあるようです。室内でのクレートが活用されておらず、飼い主さんにダッコされていることが多い犬の場合には、ストレスの回避も飼い主依存型になってしまいます。

まずはクレートで安心できるスペースが確保されているかどうかをチェックしてみてください。
クレートについてもう1点は、クレートが大きすぎると中で犬が揺れてしまいます。移動用のクレートはひとつサイズの小さなものを選ぶか、移動中はクレートの中にクッションなどをいれて、サイズが小さくなるように調整してあげる方法もあります。

他に車酔いを回避できたおもしろい事例があります。オポを連れてプライベートクラスを行っていたときに、非常に臆病だったけど成犬のオポに対して服従する行動を示した青年期の犬がいました。車酔いは永久歯に生え変わったころから1歳半くらいまでにかけて多いため、ちょうどその年齢にあたっていたということもあります。その車酔いをする犬が乗っている車に、私とオポもいっしょに乗車しました。犬の社会的な安定度を利用して車酔いに対応できるかどうかのテストでした。結果は見事に、安定度大です。その犬は車酔いをせずに車に乗ることができました。
社会的な安定が見られるようになれば、克服できるというよい例です。ただ犬の社会から遠ざけられている現代の環境では、安定を築き上げていくのに少しの努力が必要です。七山校に来てからは、オポの力を別の練習方法で築いていくことができるようになったため、犬たちの車酔いも少しずつ減ってきました。

冒頭のワンちゃんですが、帰りは車酔いなしで帰宅したとのことでした。
いろんな不思議がつながっていきます。だから犬はおもしろいなと思います。

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犬と刺す飛び虫<ヌカカ編>

先日の犬語セミナーのときに虫博士の大田こぞうさんが参加されたとき、聞こうと思って待ち構えていたことがありました。昨年から悩まされていた、大量の室内に入ってくる極小の虫のことです。

大田さん「うわあ!見えません。」
私「小さいよね。たくさん入ってくる、しかも刺すし…。」
正体さえわかれば、という気持ちだったのですが、さすがに虫博士「ヌカカじゃないですかね。」ということで、うーん、やっぱりかという感じでした。

早速数日後のラジオ月下虫音の中の“ロクヨンコーナー”(6と4、虫のことですね)で、ヌカカを取り上げてもらいました。ブユよりも小さな刺す虫で、あまりにも小さく洋服の中にも入ってくるため、いつの間にか刺されてしますそうです。確かに腕や足の洋服から10センチくらいのところにいくつかの刺され跡を見つけることがあります。それが“やつら”の仕業だったことがついに確定しました。

七山の土地の人にブユについて尋ねたとき「シノブという名の網戸を通ってくる小さなブユのような虫がいる」ということを聞きました。シノブはヌカカの地方名称だったようです。

刺したり噛んだりする昆虫に対して、犬は個体事に反応したりしなかったりします。七山校でいっしょに過ごしていた大型犬のオポは、このセンサーの精度がかなり高い方で、さらにわかりやすく伝えてくれていました。

オポの昆虫に対する反応を3つのレベルで分けるとこんな感じです。

大変危険=レッドシグナル
注意が必要=イエローシグナル
安全=ブルーシグナル

たとえば、ムカデはレッドシグナル、ブユやヌカカはイエローシグナル、ゲジゲジやアリはブルーシグナル、という感じです。

イエローシグナルのヌカカに対する反応は、数が少ないと刺されることがあっても反応はないのですが、数が増えてくると場所を移動したり、室内にいるときは息遣いがハアハアと上がってきて、その危険性を知らせていました。

こんなこともありました。ある夜、オポの息遣いが急に上がってきます。その様子から、何か環境に変化が起きているにちがいないと部屋のあたりを見渡すのですが何も見つからず、それでもオポの状態が変わらないため、いつもは薄暗くしている部屋の電気をつけて入念にチェックしました。そうすると部屋の四隅の天井が真っ黒になるくらいヌカカで埋め尽くされているのです。

このとき天井にいたヌカカ軍団のうちのいくつかが、私たちを刺していたのだと思います。オポもすごく刺されているという風ではありません。
羽音もなく天井を見ているわけでもないのに、ヌカカがたくさんいる!ということを、オポが知っているということが、とても不思議でした。
さらに、オポはこのときすでに15歳を過ぎていて、十分なおじいちゃん犬であったにもかかわらず、そのセンサーだけは十分に機能していたということにも驚かされました。

科学的に調べたわけではありませんが、こうした犬の行動は日頃から行われることなので、虫情報を得ているのだと確信することはできます。虫が与える危険性や、虫数により危険度が増すということを受け取るしくみについては、推測の範囲内になります。犬にとって可能性の高い情報は、虫のフェロモンです。フェロモンとは臭いの物質です。昆虫も臭いを出すことはよく知られています。その臭いの質が、危険性のある虫が群れて活発になったり、刺す直前になると独特のにおいを出すなのだと思います。推測の域をでないのは、感知できる犬と感知できない犬にわかれてしまうためです。すべての犬の鼻は人よりずっと優れていますが、センサーの精密度は犬によってかなり違いがあります。

感じられる気配もあります。こちらも冷静に受け取れる犬と、日常の不安定さや恐れや興奮が強く、反応が大きく出すぎてしまう犬など様々です。

犬の昆虫センサーがしっかりと機能している場合には、それを家族の人間に伝えようとしている場合があります。特に室内犬の場合で室内環境を変化させられるのは人であることを理解している場合には、オポのように伝えるシグナルもはっきりとしてきますので、こちらも対応しやすいです。

昆虫センサーがまだ未発達の場合には、飼い主さんの管理力や環境を整える予防的努力が必要になります。センサー力は、個体差だけでなく日常の生活や心身の発達の影響も受けますので、伸びる可能性も十分あります。

昆虫センサーに調整が必要な場合。反応が強すぎて防衛行動が多かったり、逃走行動が出たりします。この犬たちには毎日の安定した環境が必要です。生活全般を見直してみて、足りないことを足し、過剰なことを減らす、環境整備が有効です。

ところで私のセンサーはまだまだ未発達です。とりあえず、予防管理を優先する必要があるため、網戸の仕様から変えなければ…。まずは、ホームセンターですね。

臭いを取るオポ

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理解されるということ

今日はオポが少年期にお世話になった山暮らしをしている知人の家を訪ねました。

オポは7歳まで博多のマンションの一室で飼い主の私と暮らしていました。
オポが1歳を過ぎたころに、犬の雑誌の編集の仕事をされていたその方と出会いました。

都会暮らしでありあまった元気なオポを見て「うちに連れておいでよ。」といっていただきました。
その方の家にも2頭の大型のオス犬がいて、自然の澄んだ空気の中で山を歩くのが散歩になる生活は、
私のあこがれそのものでした。

オポはこの家の近くの川で遊んだり、年上のお兄ちゃん犬とコミュニケーションをとったり
山道を散歩したりして、都会のストレスを発散させていました。オポにとってのオアシスでした。
連れてくると必ず「帰りたくない」シグナルを連発するので、私もへこんだものです。

この出会いがあり、私とオポはある転機に七山という奥山に引っ越すことを決めました。
それからオポが七山を離れることはなく、再会をしたのはオポが亡くなる2年前でした。
オポが体調を崩していたこともあり、元気な姿を見せることができなかった事は気がかりでしたが
そんなオポでも立派に年をとり真剣に生きていることを受け取ってもらえるのでは、という思いもありました。

オポと私が博多の街中で暮らしていたときに、
「オポがいなくなったときの宮武は見たくない。」といわれたことがあります。
思い切って「オポがいなくなってからの私はそんなにひどいですか?」と尋ねてみました。
すると「最後にオポとあなたを見たとき、すでにそれは感じなかった。」といわれました。
私がオポに起きることを受け入れる準備ができている、そういう関係だったと感じられたということでした。

七山という場所で暮らしたオポと私の間に起きた関係の変化を読み取ってくださったことが、
とてもうれしく感じられました。
すべての人に理解してもらうことは不可能だと思うことは、
理解されなくても仕方ないという諦めの気持ちにもなってしまいます。
そういう深い部分を説明しないのに感じ取り理解されているということは、心からの安心感につながります。

これは犬と人の関係にもつながることではないでしょうか。

犬と人は種の異なる動物であり、基本的な行動もコミュニケーションや習性も異なります。
だからこそ、犬が飼い主さんに理解されたときに感じる安心感は特別なものだと思います。

お互いを理解するというのは、最高のコミュニケーションと関係作りです。

「うちで鍋以外のゴハンを出すのは“最大の歓迎”ってことだからね。」といわれ、
しっかりと味の付いたお手製スープを食べさせていただきました。
分かりやすいシグナル、コミュニケーション。全て犬がお手本ですね。

テント場のオポ2
 

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地図「オポの行動から学ぶメンタルマップの構築について」

新しい地図を購入しました。
しばらく使っていた地図がわかりにくかったためのバージョンアップです。

それにしても、マップ本は10年前よりもずい分薄くなってしまいました。
カーナビとスマートフォンの普及したため、
地図を利用する人が少なくなったからでしょう。

時代に逆行するようで申し訳ないのですが、
私はカーナビもスマートフォンも持っていません。

最初にご自宅への道順を伺うときにも、昔ながらの尋ね方で
「近くに目立った建物はありませんか?」
「一番近い交差点はなんという名前ですか?」
などと尋ねるので、不思議がられるものです。

カーナビを使わない理由ははっきりとしています。
カーナビだと全体を把握する学習が進まないからです。
ある地点から次の短い地点までは案内してくれますが
これだと全体が把握することに時間がかかります。

何度も地図を見ながら移動を重ねていると、A地点B地点C地点が
面の中でひとつになって、全体の中で自分がどこにいるかという
「メンタルマップ=頭の中の地図」というのが出来上がってきます。
これができると自分が今どこにいるのかという位置がより安定してきます。

実はこれと同じことを犬がやっているのを知りました。
オポが七山で過ごし始めたとき、山に入り始めたときのことです。
オポはどんどんと先に進もうとします。
自分ひとりでは進まず、私を先に進むように誘うのです。

私は良く知らない山道を進むことに躊躇しました。
野生動物に会うかもしれないとか、罠が仕掛けてあるかもしれないとか
不安の要素がたくさんありなかなか前進できません。

それでもオポは「もう少し先に行こう」と誘います。
また、わき道の方にも「こっちにも行ってみよう」と誘うのです。
交渉をくり返しながら、私もオポに支えられて行動の範囲を広げました。

ところがこれを一定期間くり返すと、その後はある拠点での滞在が長くなりました。
その拠点を中心に先に進むときも一定の経路を好むようになりました。
また経路によっては歩く速度が変化し、立ち止まって長い地点もでき始めます。

こうしたオポの行動を通して、私も一緒に行動することで知ったのです。
最初の行動は単なる好奇心ではなく、周辺を把握するための行動だったのだと。
その結果、「拠点」での行動に安定が出て落ち着いていられるようになったのだと。

犬の能力についてまだ十分に知りえていなかったため、とても驚きました。
野生動物だったら当たり前にしていること、
普段の自分たちの生活の中でも十分に大切なこと、
考えれば犬も動物なのだからできるのは当たり前なのですが、
それをオポが自分でやろうとしていたことにビックリしました。

オポとの行動を通して得られたメンタルマップから、私は山の地図を作りました。
その地図を生徒さんにも「保存版」としてお渡ししました。

どうすれば安定がはかれるのか。
オポの行動のベースでした。

カーナビには当分お世話になりそうにありません。
場所をお尋ねするときはご迷惑をおかけしますが、
メンタルマップ作成のため、これからもよろしくお願いします。

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暖炉

寒のもどりなのか体の芯まで冷える日が続きます。
今年はもう暖炉は使わないかな~と思っていたけど、あともう少しのこの冬を乗り切るために今日思い切って暖炉に火をいれました。

火をおこすときはパチパチといった拍手のような感じで始まります。
よしうまく起こせてきたなと思ったら
とたんに、ゴーッとという底からわきあがるような音にかわります。
このときは火が思いっきり上にあがるために最初はとても怖かったです。
そのあとはその炎が落ちついてくるのを待ちます。
少し落ち着いてくると、パチパチ・・・・パチパチ・・・・という感じ。
炎も音も心地よくずっと見ていたい気持ちになりますね。

暖炉の前にいると、オポがこの前で暖をとっていた姿が目に浮かびます。
暖炉の前の犬用のマットにオポが伏せて、私もお尻をマットの上に乗せて。
コトバもないけどただゆっくりと時間が流れて、冬のひとときに楽しみ。

オポが旅立ってからもうすぐ2ヶ月になります。
会えないことは本当にさびしい。
でもいっしょに過ごしたときの積み重ね、記憶っていうものは時に大きな力になるのだなと思います。

暖炉の火がいとおしい。
そう感じるのはありがたいことです。

オポ14歳と暖炉

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心地よいとき

今年も満開になったコデマリの花がドライフラワーとなって美しく枯れていく姿を見せ、
雨降る日をまちのぞんでいた紫陽花が季節の移り変わりを教えてくれる頃となった。

オポの様子についてお心遣いのコトバをいただいた。
そのオポはただ毎日を力いっぱい生きながら今までと変わらず、
出会いある人々や犬たちに必要なメッセージを届けながら過ごしている。

オポの日々の体調変化には敏感な私も、それを点としてとらえず、流れの中のひとつとして
受け取ることができるようになってきたようだ。

そんな中で、毎日の生活を共にするパートナーとして
「心地良いと感じるとき」と「違和感を感じるとき」を
彼がわかりやすく伝えてくれることには感謝している。

たくさんのメッセージの中から見つかった物の中に
私が「あることをしている時間は心地良いときが流れる」ことを知った。
「あること」というのは「手針仕事」のことである。

きっかけは、着れなくなった服をバッグに作り変えたことだった。
一度つくってみると結構楽しくて、いくつも出来上がってしまい
数が増えたのでチャリティバザーに出したりしていた。

電動ミシンのようにスピードのある道具にはついていけない。
古い手回しのミシンを助っ人におきながら、ほとんど手でチクチクと布を縫いながら夜がふけていく。

この時間はオポの安眠を妨げることもない。
どこかゆるやかな時間が流れていくのを感じている。

なによりも私が落ち着いた気持ちでいるからなのか。もちろん、作品作りにこだわりはない。
いつでも途中で止められるし、失敗しても平気である。
目標を達成しようなどとは思っていない。ただ、ひと針ひと針を通すだけ。

「以前からこんなことが好きだったですか?」と聞かれるが、とんでもない。
お裁縫道具は小学生時代で時を止めていた。
何時間もただ縫うだけの作業をできるようになるとは、忙しい自分には思いもよらぬことだった。

オポがひなたぼっこをするその横で部屋で風にあたっているときにもその傍で。
こうした時間を共に心地良いと感じることができるのも自分の中で起きてきた変化のひとつではあるが、
その変化すらも、自分だけで実現されたわけではない。


本当に知りたいと思う。
何を知りたいのかもきちんと知りながら自分をみつめて学びを続ける日々。
そんな中で教えてもらったことのひとつ。だからこそ大切な「心地良いとき」なのだ。

とりさんとお昼寝縮小


Posted in 日々のこと, オポのこと