グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<受講生のコトバ>12歳のバロンちゃんと飼い主さんのすれ違いを解消

グッドボーイハートのクラスを受講していただいた生徒さんからいただいた感想文をご紹介します。

今回は、12歳という高齢で家庭訪問トレーニングを受講した雑種犬のバロンちゃんの飼い主さんからいただきました。

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● グッドボーイハートのクラスを受講したきっかけは?

実はバロンは、これまでに何回も人に咬みついたことがあります。

最近では、吠え立てた上に逃げた人を追いかけて咬みついてしまいました。

大変悩んだのですが、もう自分にはできることがない、一緒に暮らしていくことはできないという思いにいたりました。

それで、かかりつけの動物病院の先生にバロンの安楽死をお願いしに行きました。

そこで、病院の先生にいろいろとお話しを聞いて、グッドボーイハートを紹介していただきました。

もう一度トレーニングをしてみようと思ったのです。


● クラスを受講して気づいたことや感じたことは?

なによりも、私自身が飼い主として反省させられました。

バロンも苦しんでいたのだなぁーとつくづく思ったのです。

バロンが自分の状態を知らせるためにたくさんのサインを出していたのに、全く気づいていませんでした。

怒ったり、ときにはたたいたことも在ります。

今ではその時にしたことを、本当に反省しています。

犬ってこんなに頭が良いのだなぁーと思いました。

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● 犬や自分が変化したことは?

とにかくバロンが落ち着いて過ごせるようになったことです。

わたしが外出するときも、以前は大騒ぎで破壊行動もすごかったのですが、

今では、だまって見送ってくれるようになりました。

留守中の破壊行動やイタズラ行動も全くなくなりました。

帰って来た時も、以前はとびついて興奮して騒いだのですが、今ではとびつくこともなく
落ち着いて迎えてくれる様になりました。

そのため、わたしも安心して外出できるようになったのです。

ほかにも、たくさん変わったことがありますが、トレーニングでこんなふうに変わった事に感謝しています。


● これから犬とどのように暮らしていきたいですか?

トレーニングを始めてから、山や川によく遊びに行くようになりました。

先日は暑い日に川で泳ぎ、とても楽しそうにしていました。


トレーニングを始める前は、バロンとどう暮らしていったらいいのかと悩みの種だったのに、

今では、この子がいつまで長生きしてくれるだろうかと思うようになりました。

全く違う気持ちになったことに、自分でも驚いています。


バロンは今年で13歳です。もう老犬なので、少しでも長く変わらぬいつものように、散歩したり遊んだり

ゴハンをいっしょにたべたりと、これからも良い関係を作りながら暮らしていきたいと思います。


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12歳という年齢で「人への咬みつき行動」という問題でトレーニングを開始されるのは、
ご相談のケースとしては多い方ではありません。

12歳という年齢が行動改善のためのトレーニングに影響をするとすれば、その犬の学習能力が
どの程度機能しているかどうかという具体的な問題です。

実際、バロンちゃんのカウンセリングをさせていただくまでは、トレーニングで行動改善する可能性について
はっきりと言及することはできません。

しかし、カウンセリングを通してバロンちゃんと接したときに、ある程度その可能性を探ることができました。

飼い主さんにバロンちゃんの状態について説明し、よくご理解いただいた上でトレーニングに対して自分が主役として
取り組んでいただけだことが、なによりもトレーニングを成功させる鍵となりました。

犬に学習の要素があり、何をしてあげる必要があるのかがわかっても、飼い主さん自身が自主的に取り組むことができなければ、どのようなトレーニングも無効です。

なぜなら、犬のトレーニングとは、犬と人の関係改善でしかないからです。

さらに、犬のトレーニングは環境改善や環境整備がその基盤となります。

環境を整備しなおして犬の行動に変化が起きるまで早くて数ヶ月以上はかかります。

すぐに結果がでることを期待しすぎて、せっかく改善が起きようとしているのに途中で止めてしまわれると逆効果になってしまいます。

バロンちゃんの飼い主さんは、ステップアップさせたバロンちゃんとのルールを今でもきちんと守っています。

そのことが、現在進行形で犬との関係を作っていく過程となっているのです。


人に対する咬みつき行動をする犬は、しつけのできていない犬として特別視されてしまいます。

確かに、人に対する咬みつき行動は絶対にあってはいけません。

ですが、逆から見ると咬みつき行動が出ていなければ犬が安定しているかというと、そうでもないのです。

今咬みついていない犬も、ギリギリのラインにいる犬たちはたくさんいます。

実際に咬みつきにいたらなくても、精神的に追い込まれている犬はたくさんいるんどえす。


犬の咬みつき行動は犬がひとつのラインを超えてしまった行動です。

知人に聞いた方法、本に書いてあったから、ネットで検索したなどの安易な方法で対処することは危険です。

犬の行動の専門家は現在では地域にたくさんいます。

もちろん有料ですが、話を聞いてみる価値は必ずあります。

年齢がたっていても、ぜひ専門家に相談してみてください。


冒頭の「安楽死」という言葉に、ドキッとされた方もいるかもしれません。

安易に安楽死を考えることはあってはならないことですが、

真剣に悩んだ結果「安楽死」という思いにいたってしまった飼い主さんのお気持ちは追い込まれた結果です。

むしろ、ストレスを抱えて落ち着かない行動をしている犬に理解を示そうとせずに、

飼い主本位で放置してしまう飼い主と比べると、飼い主としての責任をいかに考えられたのかと思うのです。

動物はとても繊細でその精神が壊れてしまうと安楽死という選択も止むを得ないという現実もあるのです。

そうなる前に、そうなるずっと前に、犬のことを理解するために学ぶ機会をぜひ持ち続けてください。