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動物保護施設

昨日ブログに書いたように、動物保護施設、正式な名前は、動物愛護管理センター、動物愛護センター、動物管理センターという名称の施設が、各県や地域によっては市でも運営されています。

熊本では熊本県と熊本市、福岡では福岡県と福岡市、佐賀県では佐賀県のみですが、佐賀県は三瀬と武雄の2ケ所に施設があります。施設の運営は所轄の県行政や市行政によって行われますが、施設は企業への委託業務になることもあります。いずれにしても、施設の予算や運営方針が各行政による指導のもとに行われているということではどこも同じです。

これらの施設には迷子猫や犬と他のペットたちや飼い主が放棄したり、飼い主不明のペットたちが収容されています。迷子犬猫も一定期間が過ぎると飼い主はいないという扱いになります。

飼い主が不明もしくは不在となった犬猫には、新しい飼い主を見つけるための様々なチャンスが与えられます。施設の主催による「犬猫の譲渡会」や一般への直接譲渡、保護ボランティアへ引き取り一時預かりを経て譲渡されるなどがその主な方法になります。行政の積極的な公報活動やボランティアのみなさんの活動によりここ10年で譲渡活動は活発化しており、その結果犬猫の安楽死(行政のよっては殺処分)の数は年々減少しています。自分達の意識の持ち方や協力体制によりこれだけ変化を促せるものなのかと、その変化には驚きを感じています。

これらの譲渡はという各行政ごとに定められた「適正譲渡」に沿うように行われています。たとえば、新しく飼い主となった人が再び犬猫を放棄することがないように、適切な飼い主に渡すということです。犬猫には種としての特性のほかに個体による行動の特徴がありますので、性質に適した環境に引き取られるようにする適性譲渡する必要があります。

これらの適正譲渡をすすめるためには、譲渡するだけでなく施設に収容される動物の数そのものを減らしていく必要があり、そのためには飼い主の教育も大切です。

収容数を減らす必要があるのは、処分される動物を直接的に減らすことはもとより、収容されている動物の福祉に関わる問題なのです。

これらの収容動物が収容されている状態を直接ご覧になったことがあるでしょうか。地域によっては見学が可能なこともありますので、そのような機会はぜひ大切にしていただきたいと思います。

これらの収容施設は建設時は行政が「動物を管理するための施設」として作ったものです。動物を一時管理し数日後に殺処分することを目的に建てられた施設で、動物を一時預かりして譲渡することを目的として作られたわけではありません。そのため、動物愛護施設へと変化するなか、もともとある建物を決められた予算の範囲内で工夫して使うとか、少しずつ改築していくという形でそれに応じたものに変化させていく必要がありますが譲渡活動事体が軌道に乗りはじめたばかりのため、施設の改築までにいたっていないのが現状です。

犬を収容する施設は個別の犬舎が必要です。一頭一頭が異なる部屋を与えられているとイメージしてください。室内犬舎と屋外犬舎がつながっていて、それが運動場へとつながっていくというのが、動物を収容するために作られている施設です。盲導犬育成施設の多くはこのような構造になっています。犬1頭に対する広さは畳2畳分くらいでしょうか。コミュニケーションの時間のために、相性の良い犬が2頭いっしょにいれられることもまれにはあります。

動物愛護施設では、個別犬舎を備えている施設は少なく、個別犬舎があっても屋外用がないため、日中は外につないでおくという対応になります。日に当てるためだけでなく、犬舎は毎日清掃して乾燥させる必要があるからです。
収容頭数が増えるとケイジに収容したり、大きな犬舎の中につないでおくという措置をとられることもあります。もしくは数頭を同じ犬舎の中にいれるということにもなるでしょう。

猫も同様です。猫の場合には高さのあるケイジが必要になりますが、場所がなければ小さなケイジにいれられることにもなるでしょう。

これらの問題は、動物の収容数を減らすということだけでは解決しません。飼い主を待つ犬猫を含め動物を一定期間を収容するのであれば、収容時に動物に負担をかけず動物が安心して滞在できる施設を準備する必要があります。

施設の準備ができない間は、保護ボランティアのみなさんが一時預かりという形で家庭で預かってくださる環境が必要です。一時預かりはすでに動物と暮らしている場合には難しいこともあります。一時預かり先ボランティアへの行政の支援が継続されるようなつながりを持てるようになることを望んでいます。

犬や猫と暮らしその動物を理解しようとつとめ、かわいいという存在をこえて動物を尊重することができる方が増えることが、今起きている問題を解決していくエネルギーになることを信じています。


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熊本被災ペット支援ネットワーク
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