Author Archives: miyatake

モンベルで犬のトレーニング備品のお買い物

トレーニングに使う道具を買いに行きました。

アウトドアショップのモンベルです。

購入したものはこちらです。

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コードなんですが、多少加工を施していろんな用途で使っています。


犬の生活や管理の中では、この紐の形状のものはたくさん使われます。

係留するための道具として

散歩中の道具として

呼び戻しのトレーニングの道具として

その他、もろもろいろんな道具を生活上で、管理上で、
そしてトレーニングの道具として使用することになります。


どのような道具にも共通した基準があります。
安全に、効果的に、犬にストレスが少なく使用できるものです。

先日、知人が犬用のリードを開発中ということで、いろいろと要望を述べさせてもらいました。

安全で効果的な道具を使用するのは、
一時的に利用する道具の場合は、早くその道具を取り去るためです。
そして犬にもっと自由を与えるためです。

ずっと必要な道具は、ストレスのないものを使いたいものです。

モンベルのコードは、15年以上使っています。
犬たちの自律と自由を達成するために。

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<おすすめの本>動物の治癒に学ぼうとするヒト:「人間と動物の病気を一緒にみる」

最近では、検索する項目にあわせてネットの方がユーザーの好みにあわせて
いろんな情報を提供してくれるので、出会いの確立も高まるのかもしれません。

以前読んだ本の中で興味深いと思った本の著者の講演の動画を見ました。

その本は「人間と動物の病気を一緒にみる~医療を変える汎動物学の発想」という題目で、

著者は、バーバラ・N・ホロウィッツ、キャスリン・バウアーズです。


著作の中心となったバーバラ医師は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校医療センターの心臓専門医で医学部の心臓病学教授。また、ロサンゼルス動物園の心臓コンサルタントでもある。

バーバラ医師は自分の経験を通して、ヒトもホモサピエンスという動物のひとつであることを
実感していることが本書を通して伝わってきます。


人の管理する動物はもとより、野生動物ですらヒトと同じ病気にかかることがある。

しかし、動物の医療と人の医療に違いがあるということは認めざるを得ません。

なぜなら、身体的しくみに同じところもあれば違うところもあります。
一番の違いは、動物の回復力の高さにあります。

不妊手術で腹部を数十センチも縫合されている犬が、翌日になると普通に動き回っている姿は
人の医師からすれば、驚き以外のなにものでもないでしょう。
人間なら一週間から10日は安静にベッドに横に寝ていなければいけない状態になるからです。

その動物の治癒力をサポートするのが動物医療です。


しかし、人間もヒトというホモサピエンスであることを認めることから始まります。

ヒトと動物に関わる医療の間に、もっとお互いの学びの場があっても良いのではないかという
バーバラ医師の素直な発言は、これまでは思う人はあっても声に上げる人がいなかったのでしょう。

人は動物とは違う、その垣根を越えたくないという人中心主義の壁が壊され始めていると感じます。


人は動物から学ぶこと、これは東洋的な考えでは当たり前のことです。

動物が食べているものから学ぶ、動物の動きを真似して体操をすること、

東洋では当たり前のことが、西洋では驚きをもって迎えられるのです。


なので、日本人にとっては、この考え方は当たり前すぎるとは思います。
しかし、西洋的な考えの方はこうした見方に行き当たる過程や新たな視点を学ぶ機会にはなります。



みなさんはどうやって情報の信憑性を確認するのでしょうか。

自分の場合は、その情報を出している人を信頼するかどうかで決まります。

本であれば、文章を読むうちに「この人にはとても惹かれる」という感覚で入ってきます。

セミナーであれば、「この人のことをもっと知りたい」という人の魅力にひかれます。

動画であればより直接的に、その人について直感的に信頼できるかどうかを判断します。

自分なりのセンサーによる判別ですが、比較的信用の置けるものだと思っています。


動画でみたバーバラ医師の講演は、ほんの10分程度の短いものでした。
そこには、バーバラの真剣さと純粋さ、そして惹かれるものを感じました。


よければ動画もこちらからご覧いただけます。

本を読む時間のない方は以下の動画でご覧ください。
動画:バ-バラ・ナッタ-ソン・ホロウィッツ: 獣医が知っていて医師が知らないこと


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福岡で犬語セミナー開催しました。

福岡で平日クラスの犬語セミナーを開催しました。

いつもは参加者の多くが純血種犬と暮らす飼い主さんですが、
今日は、参加者の全員が雑種犬、いわゆるミックス犬たちと暮らす飼い主さんたちでした。

さらに、その犬たちの年齢も17歳、14歳、13歳と高齢犬たちもたくさんいました。
3頭とも若いときから知っている犬たちなので、感慨深いものがあります。

犬たちと飼い主さんが重ねてきた日々の重さがとても深いものであることと、
犬が高齢になっても、まだまだ犬のことを学ぼうとするその姿勢に頭が下がります。

犬が高齢になると、知りたいのは犬の病気のことばかりになってしまいがちです。
犬のことを知りたいというよりも、病気を探して病名を見つけて、
そしてその病気を解決するための方法ばかりに偏ってしまうことがあります。

高齢になれば、どんな犬もそれぞれにどこかに不具合は出てくるものです。
体に不具合がでなくても、脳の問題や行動の問題などいろいろと不具合は出てきます。

高齢になっても病気に焦点を当てすぎずに、
犬といっしょに過ごすお互いの時間を大切にしたいなら、
犬に対する理解について、思いを向けていかれるといいでしょう。

犬が高齢になっても、こうしたセミナーに参加される方々を見ていると
犬たちは深く愛されているのだろうと感じることができます。

動物を愛するということはどういうことか、
愛することは「理解すること」であると思うからです。

ビデオの教材になるのは、グッドボーイハートで撮影したものが中心になります。
しかし、実際には一般的な家庭の犬の日常の行動は、とても良い教材になります。
ビデオ撮影に協力してくださる方がいたら、ぜひお願いします。

月ちゃん

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<犬の習性>犬の食性と人の食の選択、どちらが正しいのか?

秋深まり七山に戻ると思いっきり空気を吸ってリフレッシュしています。

野外活動をしていた生き物たちは息をひそめています。

とても静かで誰もいない感じが漂っています。

動物のヒトであるわたしの方は、様々な文明の利器を使って暖をとっています。
冬でも活動できるようにした人間の欲求とは、本当にすごいものだなと感動します。


プライベートトレッキングクラスに参加してくれている犬ちゃんが、
この季節に一番おいしい雑草といわれるハーブを食べていました。

その雑草はオポもよく口にしていたもので、なつかしく思い出しました。


「この草ってとっても苦いんですよ。」とわたし。

「食べたことあるんですか??」と驚く生徒さん。

オポがよく食べていたので、食べたことがあることを説明し、
そしてその場でも口にいれてむしゃむしゃと食べました。

その光景にビックリされたのか、生徒さんから質問を受けました。

「犬に食べさせる前に、全部を試食してみるタイプですか?」


一瞬その質問にとまどい、またとても可笑しくなり笑ってしまいました。

そうですね。そういう方もいらっしゃいますよね。
犬に与えるドッグフードもオヤツも全部自分が食べてから与えるという対応ですね。

この場合は全く逆の発想です。

犬が必要で食べている草だから、きっと体にいいものなんだろうと思うのです。
だから自分もその草を食べてみるのです。

犬の食性という知恵から学び、その知恵を分けてもらっているのです。

結果、その草はとても苦くてそんなには食べられないと知ることもできるし、
また、その大変苦い草を食べている犬が、単に味覚重視とも思えないのです。

よほど、自分というヒトの方が、美味しいものは口にするけど、
苦いものは避けたいという食の選択になってしまいます。

さらに、もうお腹いっぱいなはずなのに、つい食べ過ぎてしまうというのも日常ですね。


良薬は口に苦しといいますので、その苦いハーブは大変良い薬なのでしょう。
そうしたものを誰から教えられなくても選別できる犬という動物の力は恐るべきものです。

ところが、都市部ではこの選択ができません。
生き生きと生えるこれらの雑草が存在していないからです。

選択する力を発揮することができなければ、その遺伝子は死に絶えていきます。


ヒトは自分が失ってしまったものを、また犬からも奪おうとしていると感じます。

だからこそ、雑草を美味しそうに食べる犬ちゃんを見て、なんだかホッとしてしまいます。


雑草が食べられるのは11月中旬くらいまでです。

限られた季節に、どうぞ山歩きにお出かけください。


dav

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マンションのペット委員会主催セミナー行いました。

ここ15年くらいで、マンションでペットと暮らすことは一般的になりました。

ところが、マンション内でのペットにまつわるトラブルは以外に多いのです。

マンションは共有部分もあるだけでなく、一番近いご近所さんです。

トラブルを未然に回避し、お互いに快適に暮らすために
分譲マンションの多くは、ペット飼育者で構成されるペット委員会をつくっています。

今回は、ペット委員会が毎年主催するあるマンションのセミナーに講師として伺いました。


昨年に引き続いてのセミナーでしたが、昨年と同じテーマを取り上げて欲しいというご希望がありました。
セミナーのテーマは「被災時に備えるペットのケア」です。

普段は犬のしつけ方やトレーニングの指導を中心としていますが、
マンションのセミナーでは、猫の飼い主さんも半分以上です。

犬や猫と暮らすにあたり、被災に備えてやっておきたいいろいろについてお話ししました。
参加者の方々は熱心に耳を傾けられていて、具体的な質問もいただきました。


こうして、マンション内のペット飼育者がいっしょになって勉強する機会も
大変貴重なものです。

ペット可マンションでのペットのための勉強会の開催が一般的になれば、
ペットに関するトラブルも減ることでしょう。

ペットに関するトラブルは、犬や猫のストレス表現でもあります。
トラブルを起こしているのは、犬や猫ではありません。

犬や猫と暮らす価値観は人それぞれだと思いますが、
みなが楽しく安全に暮らすための共通ルールの確認だけは、おすすめします。

クール寝顔

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<山と犬>秋のお手入れ無事に進んでいます。

わずかに紅葉し始めている静かな尾歩山。

秋の深まりをみせながら、夏に騒いでいたいろんな生物たちはほとんど姿を消しています。

大きな女郎蜘蛛と蜂が最後の活動をしているくらいです。


やっと、落ち着いて山の手入れができるようになりました。

とりきれていなかった蔓を払いながら、木々が育つ環境整備の応援です。


山の手入れのときにも、犬がそばにいてくれるとなぜか安心します。

手入れに夢中になっていますから、周囲の危険を教えてくれる役割を担ってくれるからです。

そうした自分の役割に気づく犬たちは、飼い主の方をじっとみたりそばによってきたりはしません。

鎌や鋏をもって活動していますので、人のそばでは危険もあります。

犬たちは人の作業を邪魔しないように、少し離れたところで周囲の気配をとりながら、ときには山の斜面に落ちているイノシシやウサギの落し物を食べたりしながら、ゆるやかに過ごしています。


私達ヒトの方もしっかりと山の恵を拾って降りました。

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オポが食べていたので気づいた椎の実。
ほんのり甘くて生でもおいしくいただけます。

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皮も食べられるらしいあけび。
私はあまり得意ではありませんが、生徒さんがペロリと食べました。

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山の甘柿。
柿はたいてい渋柿で、甘柿は1本だけです。
すでに熟したものは、お手伝いしてくれた犬くんがしっかりいただきました。

熟した柿が落ちてくるのを待つのは、オポのお得意芸でした。

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山が育つと動物が暮らす場ができるのが、ただうれしいのです。

山が育つと犬たちが生き生きとなるようで、ますますうれしいのです。

七山から離れた福岡の土地にも、活力ある山の空気が届くと思えるからです。


夜に七山から福岡まで移動するときに、動物たちとの遭遇が増えました。

ウサギ、アナグマ、タヌキ、イタチなど。

秋から冬にかけて活動が活発になる野生動物たちです。

わたしたちヒトも、そしてイヌも活動期の季節といえるでしょう。


また来月も山のお手入れ行います。

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<犬のしつけ方>犬のハウス、クレートにはカバーをつけよう!

室内で暮らす犬たちの安全確保のために、ハウストレーニングは必須科目です。

そのハウスに利用するクレートには主にハードクレートとそふとクレートがあります。

こちらがハードクレート
クレート
そしてこちらがソフトクレートです。
ネットケイジ
クレートの種類の選び方と導入の方法やその目的については
プライベートトレーニングクラスで詳しく説明しています。

犬によっては、このクレートトレーニングで大変苦戦しますので、
その手順やステップアップも犬の状態にあわせて進行します。

どのクレートにも、カバーを準備していただくようにお願いしています。

「売ってないんですか?」とよく尋ねられます。

メーカーによっては売っているものもありますが、ナイロンの案外味気ないものです。

手作りで作られるとこんなにかわいいものもできます。

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こんな風に、犬のためのクレートカバーを準備するだけで、結構夢が膨らみます。

犬のために、冬はキルティングで、夏はリネン生地やガーゼ生地でと…。
自分は裁縫は得意ではありませんので、誰かに「作って!」と頼むことでしょう。

最近では、通販でオーダーで作ってくださるようです。
作家さんが手作り品を販売するようなネットショップでは、
案外気軽にオーダーができるようですよ。

オリジナルで作るとかわいいものや、インテリアのイメージにあわせたものもできますね。

向かって左側の犬ちゃんが、ハードクレートに入っています。

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右側の犬ちゃんが、ソフトクレートに入っています。
クレートの中に休んでいるのですが、外からはほとんど見えませんね。

dav
カバーの生地はぜひ天然素材のものを使ってください。

犬は案外「違い」がわかります。





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<犬のしつけ方>「効果」ではなく「関係」を求めよう。

犬のしつけ方について、「効果」を問われたことがありますか?

たとえば、こんな疑問が浮かぶことがあるかもしれません。


犬に不妊手術をすることが、何か効果があるのか?

犬にマテを教えることが、何か効果があるのか?


この「効果」という言葉については、犬のしつけ方について使うことには違和感を覚えます。


「効果」という言葉の中には、望ましい結果や変化、効き目のようなものがあるのかという
飼い主さん側の期待がこめられているように感じるからです。

こういう捉え方になると、実際の犬の変化は起こりにくくなってしまいます。
なぜなら、見方が人の立場に寄り過ぎることと、結果が重要となってしまうからです。


犬のしつけ方を学ぶということは、犬を理解することを学ぶこと、犬の必要性について学ぶこと、
犬と暮らすとはどのようななのかを学ぶこと、そして犬とのより良い関係を作り上げていくこと、です。

犬のしつけ方を学んだたくさんの飼い主さんと犬たち。
結果としてより良い関係や絆を手にした方も多いことでしょう。


犬に落ち着きの変化が見られ、犬とより良い関係を築いてこられた飼い主さんには、
ある特徴があります。

結果を求めず、過程を大切にするということです。

犬の行動が変化する結果を求めずに、犬と関わるという過程、つまり時間を大切にできる飼い主さんです。


時間も労力もかけずに犬だけが落ち着いて自分に注目してくれるという結果だけを求めてしまうと
犬との大切な絆を失ってしまうかもしれません。

どの飼い主も目の前の犬のことを大切に思っているでしょう。

でも関係作りは面倒くさいと思ってはいないでしょうか。

犬は素直で純粋であるため、飼い主のそうした気持ちもすべて読み取ってしまいます。

そうした犬特有の読心術は本当にすごいなと思います。


犬と向き合うのにも時間がかかります。
そしてそれこそがとても楽しくすばらしい時間です。

大変だったことも、後で思い出せば楽しく笑える思い出ばかりになるでしょう。


犬のしつけは家庭の中で作られます。
家と庭、その周辺で過ごす犬との日常の一瞬一瞬が
犬と人の関係をつくっていきます。

それが犬のしつけ方です。


dav

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対面のクラスとプライベートトレッキングクラス

週末もたくさんのクラスを開催しました。

小雨の降る中、グッドボーイハートのお山“尾歩山”にプライベートトレッキングに来てくれた小さな犬くんもいます。

プライベートトレッキングクラスにはたくさんの学習事項が入っています。

それは自然に行われる学習がほとんどで、犬に何かを教える必要はありません。

合図を教えたり、号令に従わせたりすることはありません。


山歩きの要素の中には、犬と人ができるだけ対等な関係を身につけたいということもあります。

自宅で留守番の多い犬たち、いつも室内や係留、もしくはリードで拘束され続けて生活をしている犬たち。

どちらにしても、人に完全依存の精神状態が続き、引きこもりがちになったり、
怯えが強くなったり、興奮しやすくなったりしてしまいます。

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そんな犬とより良い関係を気づく環境の一つとして、山歩きを提案しています。

合図や号令はいりません。ただ一定のルールと関係性が必要です。

これがないと、お互いに危険な状況にさらされてしまいます。


小雨降る中小さな犬くんが飼い主さんご家族の間を一列になって上手に歩いていました。

速度もいっしょ、先頭の私が止まるとみんな止まります。

途中で犬くんが何かの臭いを見つけてクンクンと探索を始めました。

興奮しなければ、しばらくそれを待っています。

犬だけの世界、私達には臭わない、そして知ることのできない情報です。


その情報がとても緊急のものであれば、人に伝えられるようになってくれるといいのだけど、
今はまだそこまではいきません。
自分の動きを調整するのが精一杯のようです。
それでも、興奮しすぎず、緊張しすぎず、程よい速度で上手に歩いていました。

普段は雨のときには排泄に出るのも億劫そうだという小さな犬くん。
小雨の中の山の風景はいつもと違って、探索欲求を高めたのでしょうか、
尾をゆっくりと降りながら、バランスをとりながら、斜面もなんのそのといった様子でした。


ちょうど、お預かり犬くんがいたので、対面のクラスも行いました。
犬と犬の対面のクラスは、お友達をつくるためのクラスではありません。

犬と犬の対面の様子を観察して、それぞれの犬の社会性や性質について理解を深めるための時間です。

犬を理解し始めると、ちょっと胸が痛くなることもあります。

犬はとてもすばらしく優秀で、そしていつも我慢強い動物だからです。


人はとても忙しく、犬と自然で過ごす時間を作ることも難しいかもしれません。
でも、犬の一生はあっという間で、本当にビックリするくらい短いのです。

犬が元気で若いうちから、どうぞ山と親しんでください。

犬がもう若くなくても、まだ歩けるなら大丈夫。

犬がもう歩けないなら、お山のエネルギーだけでも届けましょう。


すべての犬が山とつながりますように。

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ブランとマーゴの引っ張りっこ遊び:犬の引っ張りっこ遊びは勝たないとダメ?と思っていませんか?

犬の大好きな引っ張りっこ遊びについてです。

引っ張りっこ遊びとはオモチャやタオルをひっぱりっこする遊びのことをいいます。

実はこの引っ張りっこ遊び、犬の発達に影響するとても大切な遊びです。


引っ張りっこ遊びができますか?という質問を必ずクラスではしています。

実際に飼い主さんにやってもらうと、引っ張りっこ遊びになっていないことの方が多いのです。


引っ張りっこ遊びが重要なのは、犬と犬が実際に行う遊びだからです。
そして人も犬と対等にできる可能性のある遊びです。

対して、ボール遊びは犬と人が行うものです。
人がボールを持ってくることを要求して犬がそれに応える。
逆になっていることもありますね。犬がボールを投げるように要求して人が応えるというように。
このボール遊びは犬と犬ではできません。

引っ張りっこ遊びの大切は、継続性と対等性です。
この二つを実現しないと、引っ張りっこ遊びはすぐに終わってしまいます。

もちろん、遊びはひとつのことだけで簡潔はしていません。
遊び行動はとても複雑で、その中には発達の要素のほかにも、葛藤あり、関係性あり、社会性あり、
ストレス行動の表現になることもあります。

では、生後6ヶ月のブランとマーゴがする引っ張りっこ遊びを見てみましょう。

ブランとマーゴの引っ張りっこ遊び動画

引っ張りっこがうまくいっているなというときと、
引っ張りっこが終了しそうだな、という場面があります。

生後6ヶ月ともなると、お互いの関係性に強く影響してくる引張りっこ遊びですから、
引っ張りっこ遊びを継続すること以外のやりとりも見られる動画です。

犬語セミナーに使えそうな動画ですね。

こうして犬の遊びひとつをとっても、いろんな要素が見えてきます。


引っ張りっこ遊びは取り合い遊びではないのです。
本来の引っ張りっこは、お互いに引っ張ることによって実現する共同作業です。
この状態では左右に引っ張っていますが、成長すると同じ方向に引っ張る作業もできるようになります。

引っ張りっこ遊びのときに、飼い主であるあなたが「なんとしても勝たなければ」と
必死になってオモチャを自分のものにしようとする行動を向きになってすることは、
犬から見ると、とても未熟で自信のない存在に感じられるかもしれません。

引っ張りっこ遊びのときには、合図があったら一旦引っ張りっこ休憩というルールは導入しますが
それは、「ちょっと作業中止」的なものであって、「これ私のだからあげないよ」というものではありません。

引っ張りっこは関係性が対等にならない場合にはなかなか難しいのです。
依存性の高い性質をもっていたり、依存の状態にある犬、
甘えが強かったり、甘やかしが日常化されている場合、
権勢的な性質をもっていたり、ストレスの強い犬、
これらの犬たちは引っ張りっこが苦手です。

上手な引っ張りっこ遊びを飼い主が主導となって伝え、
犬の成長と発達をサポートしてあげてください。

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