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トレッキングクラスのオプション“川遊びクラス”が大人気

山ではお盆とともに暑さも通り過ぎていきました。

この夏も厳しい季節にも関わらず、トレッキングクラスやお預かりクラスをご利用いただきましたが、無事に夏を超えることができてホッとしています。

 

夏山トレッキングは虫との闘い

特に、トレッキングクラスの方は虫よけグッズや洋服の装備が大変でした。

夏の山は吸血する虫たちとの闘いです。蚊、ブヨ、アブが私の中での三大吸血昆虫です。

山だからどこにでもこの虫たちがいるわけではありません。オポハウス周辺やオポ広場には、これらの虫はあまりいません。

その理由は、様々な種類のたくさんのトンボたちが低空飛行をしているからです。私の苦手な吸血昆虫たちをなんとトンボが捕食します。トンボたちが虫を探して右往左往と飛行しているのを見ると、ガンバレ!とエールを送ります。

虫の来ないオポ広場でくつろぐ犬達と写真撮影をするダンナくん



トンボが飛び交える開けた場所には、蚊もブヨもアブも簡単には近づけないのです。全くいないわけではないのですが、上空を自分を食べるトンボが飛んでいるわけですから、数はほんとに少ないのです。

ところが山歩きのコースに入ると、樹々に覆われた山の斜面には隠れ家がいっぱいです。障害物が多すぎてトンボは山の中を飛ぶことができません。吸血昆虫たちにとっては、素敵な隠れ家です。昆虫たちの主食は血液ではなく樹液や花の蜜の方ですから、あちこちに吸血昆虫が暮らしています。

私達の血液を奪いにくるのは繁殖前のメスたちです。彼らの繁殖ためにわたしの血液が役に立つなら、という尊い気持ちになれば良いのですが、痒みと痛みが伴う献血はやっぱりお断りです。

夏山トレッキングコースは短じかくなり、早目に山から下りてきてオポ広場で遊んだり休憩したりしていたのですが、今年からの取り組みとして「川遊び」を始めました。

 

川遊びクラスの準備段階で起きた出来事

愛犬のオポがいた時代には「オポ先生の水泳教室」というクラスをやっていました。

きっかけは家庭訪問クラスで「どうやったら犬が泳げるようになるのか」という相談を受けたことです。

相談者はすでに基本のトレーニングが終了している黒ラブちゃんだったので、黒ラブならオポと一緒に行けば泳げるようになるよ、ということでオポとその黒ラブちゃんと飼い主さんといっしょに海でレッスンをしたのが最初のオポ先生の水泳教室でした。

その後もプライベートクラスで「海や川で遊ばせたい」という要望を受けて、オポを連れて海レッスン、川レッスンをしていたのですが、最後にはグループクラスとして海で開催する海トレクラスとなりました。

泳ぎが大の得意だったオポも亡き今、注目されてしまうのは同じ黒ラブのジェイです。

まさか泳げないことないよね~と気楽にジェイを川に連れていったのですが、なんとビックリ、ジェイはまさかのカナヅチくんでした。川岸でジェイの垂れ目はさらに垂れていき、しょんぼりジェイはなかなか川に入ることができません。

オポの時のようにオモチャを投げて持ってこさせるようなこともしていませんし、川ではオモチャはすぐに流されてしまいます。それにジェイは投げるものに執着はさほどありません。

この段階でできることはひとつだけ、私が川に入ることです。たいした装備もしていなかったのに、つっかけのまま川の中にぐんぐんと歩いて入りました。腰のあたりまで水が来たころには諦めもついて、川を渡って川向うでジェイを待ちます。

少しだけぐずっていたジェイでしたが、ドボンと飛び込み川を渡ってきました。ジェイがうちに来た時には2歳前なのでジェイの子犬時代を知りませんが、おそらく川は初めてだったのでしょう。

それから他の生徒さんたちと川に行ったりと、4回ほど川に通ったときにはゆっくりと川を歩くように入り、少し体が浮き上がりそうになると浮力を使って足を前に運ぶようになりました。

ジェイ先生とはとても言えませんが、ジェイから少し目を離して他の犬達のお世話をすることができるようになってほっとしました。

川で過ごす犬のジェイ


犬との川遊びクラスってどんなことしているの?

このジェイの行動変化が、この質問の答えになります。

川遊びクラスの目的は、犬が泳げるように何かをすることではありません。

トレッキングクラスにも共通しますが、どこでどうやって過ごすのかということだけを決めて、あとは犬がどのような行動をするのか、犬が何を感じているのか、犬がどのように変化していくのかを見守るのがクラスの目的です。

とはいえ、飼い主は犬が泳ぐ姿を一目見たいという気持ちが高まりますから、一所懸命に名前を呼んだり、樹々を投げたり葉っぱを投げてみたりしてしまいます。飼い主さんの気持ちもわかるのでそれはそれで楽しんでいただければと思います。

ですが、犬に何をやってほしいかとはっきりと伝えられないまま求め続けると犬はフラストレーションを感じます。泳げなくてもいいやという気持ちでゆっくりと見守っていれば、そのうちに水に入ってくる犬もいるし、ずっと川岸にいる犬もいます。

一緒に過ごすことで慣れていきますので焦らず繰り返し川遊びを続けていただきたいと思います。


川遊びに使っている場所は、お世話になっているご近所の方に相談して許可を得ることができた場所です。川遊びをするために事前に整備もしたのですが、梅雨や先日のお盆前の豪雨などでまたたくさんの枝やいろんなものが流れてきていました。

環境整備は完璧とはいいがたいですが、安全第一で夏の終わりのひとときを楽しんでいただきたいと思います。


人の夏休みは100回あるかもしれないけれど、犬の夏休みは10回から20回。

まだ終わっていない夏の時間を、自然の中で満喫しましょう。

 

 

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<おすすめのアイテム>アンダーコートの悩みを解決してくれるブラシ「ZOORO」ゾロ

柴犬を代表とするアンダーコートをしっかり持つ犬の換毛期に、ブラシをかけてもかけても驚くほど抜けてくる毛には本当に関心します。

最近は室内飼育の犬が増えたので、アンダーコートもだいぶ退化したのではないかと思うのですが、それでもまだまだ湧き出るアンダーコートに悩む飼い主も多いはずです。

そんな悩みを解決してくれるブラシが見つかりました。

福岡のトリミングサロン「アンドパイン」の店長兼トリマーさんが「柴犬のアンダーコートにはこれがおすすめ」と言ってみせてくれたのが、この商品「ZOORO ゾロ」です。

トレッキングに来ていた柴犬ちゃんでプロの腕前を見せてくれましたが、プロでなくても使えるブラシなのでみなさんにおすすめできます。

実際に使っている柴犬のはるちゃんは、こんな感じで使っています。



体のどこをかけてもはるちゃんは気持ちよさそうにしているとのことでした。


本当によくとれていますね。

櫛の金属部分はファーミネーターとよく似ているように思いましたが、トリマーの先生曰く「ファーミネーターよりも毛が切れない」ということでした。

はるちゃんのケースでは、ZOOROでアンダーコートを取り去ったあとに、レデッカーのブラシをかけるとつやつやのはるちゃんが出来上がるそうです。

犬用のブラシは犬の毛質にあわせて使うのがベストで、このブラシはアンダーコートがしっかりとある犬用です。

またブラシはかけ方のコツはありますので、無理せず優しくゆっくりと、犬が気持ちよさを感じられるように使いましょう。

はるちゃんはとても気持ちよさそうです。


商品はネット上のショップ、楽天ショップやアマゾンでも購入できます。

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<本の紹介>“動物たちは何をしゃべっているのか”が本当に知りたい

毎日多くの犬達と関わっているのに、未だに会話を全て読み取ることができません。

わかることもあるし、わからないこともある、こうではないかなという推測にいたることもたくさんあります。

動物の専門家たちはどのように動物の会話を読み取っているのだろうと常に関心があるため、犬以外の専門家の方々の本に触れることは犬を学ぶ楽しみにつながります。

今回読み終わったのはこの本です。

 

著者は、山極寿一先生と鈴木俊貴先生のおふたりの共著で、ゴリラの専門家の山極先生と鳥の専門家の鈴木先生の対談で進む内容になっています。

全く異なる動物の専門家である先生方が、動物って何を話しているのだろうという視点で語られているため、犬ならという見方もできるポイントもたくさんあり、楽しく拝読させていただきました。

印象に残った言葉は「暗黙知」。

暗黙知とは「言葉やマニュアルで完全に説明できないけれど、経験や感覚として身についている知識や技術」です。

動物のコミュニケーションの方式は動物の脳の中に入ってはいるものの、それを引き出すためには経験が必要です。

社会的な経験を通してコミュニケーションの感覚も身に着いて来て、それがやがて知識や技術として積み重なっていのでしょう。

本気で伝えたい情報やお遊び的に交わし合う会話、そうしたものが動物の中でも行われていることがあるという雰囲気は犬の会話の中にも見て取ることができます。

犬と犬の対話、コミュニケーションといったものも単純に音の高さや長さだけでは計算できないこともあります。同じ音をつかったとしても、そのときの表情や動きで違う意味を持っていることもあります。

書籍の一文にもありましたが、動物たちは人とは全く別の世界を持っていることを忘れてはいけないと思います。

そうなると完全に解り切るということはあり得ないのですが、それでもひとつでも知ることや触れることが楽しくて、こうして犬と暮らしています。

鳥の鈴木先生によるとウグイスのホーホケキョは、「ホー・ホ・ケ・キョ」と単語が連なったものであるそうです。春になったら毎日のように聞こえてくるホーホケキョは文章だったのですね。

山極先生も鈴木先生も共通していらっしゃることは、どちらもフィールドワークで学ばれるタイプの専門家だということです。実際にフィールドに出て体感することが動物を知る上で一番楽しく有益な活動であることを伝えて下さっています。

私も小さなフィールドではありますが、自然の中での犬の活動体験をこれからも大切にし、犬のコミュニケーションのますます深まる謎にはまり込んでいきたいです。

動物の専門的知識がなくともさらりと読め、かつ深い書籍でした。みなさんにおすすめします。

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雨が降ったり晴れたりを繰り返しても淡々と過ごすとき

福岡県、佐賀県に大雨警報が出ていましたが皆様ご無事でお過ごしでしょうか。

三年前に線状降水帯で災害を受けた七山の学校の記憶もまた新しいためご心配をおかけいたしましたが、こちらは斜面の崩れる気配もなく安全、安心で過ごしています。

明日から晴れに向かうようですが、しぶとくも今日もまた雨と晴れを短時間で繰り返す天候が続いています。


晴れた!と思った次の瞬間にはザーっと雨。雨だな、としょぼんているとファーと晴れて来る。慣れるまでは気持ちが上がったり下がったりしますし、犬達を避難させたり広場に出したりと忙しく立ち回るために犬も興奮してしまいます。

こんな風に晴れたり雨になったりと気分次第で変わるのが天気なのだと諦めてしまうと降っても晴れてもどうでもよくなって、むしろ落ち着いて過ごすことができます。

私達の方が気持ちを決めてしまうと犬達も右往左往することもなくなり、激しい雨が降ると木の下や小屋の周辺に塊るように避難し、小雨になると再び活動を始めるという風に落ち着いて過ごしています。


犬の方は私達という管理者がグループを統率していることをわかっていますから、こちらの気持ち次第で犬の落ち着きは違ってきます。こうした管理者の心の動向は常日頃から犬に影響を与えています。

犬を何度も飼育した経験があるか犬についての基本的な知識がある程度身に着いていれば、犬のちょっとした変化にドキドキすることもありません。しかし、犬を初めて飼う方や犬を何度も飼ったことはあるがどう育てたのか記憶にないという人の場合、犬の小さな変化にドキドキしてしまいそのことが犬を負担にさせることもあります。

なんでも始まりというのがありますから、初めから完璧を目指してということではなく、犬という動物は飼い主の気持ちに敏感なのだということを頭に入れておいて、犬に何か異変があったときにもまずは「大丈夫」と言い聞かせてゆっくりと対応をお願いしたいです。


犬はとても自浄作用も高いためちょっとした環境の変化で下痢や嘔吐をすることもあります。人間なら驚くような血便をしたとしてもそれがすぐに大病に結びつくわけではありません。

逆をいうと、犬の方が朝晩ちゃんと排尿、排便をする健康な動物であって、人の方が圧倒的に下痢、便秘、過食を繰り返す病的な動物です。最近読んだ書籍によると、お腹が空いている状態を長く続けてきた動物であるわたしたち人間が短期間で飽食になったことが人が病気をしやすい理由だと書いてありました。全くその通りだと思うのだけど食欲を抑えることは難しいです。

さて、こうして晴れても雨でもどうにでもなれという気持ちでここ数日を過ごし続けた結果、わたしの気持ちも落ち着いてきました。雨に濡れてしまう犬達が気がかりではありますが、タオルは山ほどあるし拭けばいいのです。毛が退化した小型犬にはドライルームも完備してあるし、犬は体温が高いので毛はすぐに乾いてしまいます。


雨は辛かったですが真夏の暑さの中でひとときの涼をいただきました。暑さこそ犬の敵ですから、とりあえずこれでお盆を迎えれば山の学校には秋がやってきます。

福岡はきっと蒸し暑いのだろうなと想像していますが、山の方は涼しい風が通り抜けていき梅雨時期のような湿気を感じることはありません。私が一年の間でもっとも大好きな季節「秋」、ツクツクボウシが鳴き始めたら秋の到来です。

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ヒグマ事件から考えるヒトと動物の境界線とそれを伝える役割について

北海道でクマが人を襲った事件が起きたことで、いろいろと考えることがありました。

ある程度、考えがまとまってからブログに書こうと思っていたのですが、答えがはっきりとでないまま考えを巡らせてしまい今日に至りました。

事件の経緯としては7月12日に北海道でヒグマが新聞配達中の男性を襲って殺害し、同月18日に現場近くで偶然、ハンターにより射殺されたヒグマとDNAが一致したことで同個体であることがわかったというものでした。

ヒグマは体長が2メートル、体重が218キロだったらしく、動物園以外でクマに接したことのなくても、人を襲うには十分のサイズでありその殺傷能力も高いものであることも十分にわかります。

また、このヒグマが4年前に女性を襲ったクマであることもわかったため、このヒグマは繰り返し人に対して攻撃を繰り返していたことになります。

 

ヒグマは人を恐れないのか?

今回の事件で報道されているヒグマの行動についての解説の中で関心を持ったことは二つです。

一つ目は、ヒグマはどういう目的で人を襲うのかということ。

二つ目は、このヒグマが日中も人の居住区をうろつくなどの行動を繰り返していたこと。

動物が人を襲うには何らかの理由があるはずです。捕食のため(食べるため)、自分のテリトリーの中に外的が侵入したと感じたため、脅威を感じたためなどが主な理由です。

ヒグマが人を食べるために人を襲うという可能性もゼロではないようです。ヒグマは雑食動物で木の実や魚を食べるイメージが強いのですが、立派な牙をもち肉食をする消化機能も持っているからです。

しかし、ここでもっと問題にしなければいけないのは、本来は森林に住むはずのヒグマがなぜ森林から離れた人里まで頻繁に降りて来るようになったのかということです。

このヒグマの行動のパターンについて説明するニュースの中に、OSO18と名付けられたヒグマとの比較についてのコメントがあり、興味深く聞き入りました。

OSO18は最初に被害が確認された2019年から駆除される2023年までの間に、66頭もの家畜牛を襲ったクマの個体名です。

OSO18は、多数のわなにもかからず監視カメラで確認できる回数も少なく、非常に警戒心が高いためすることができずに家畜を襲われ続けたということでした。家畜の被害が大変大きかったことから、行政も民間も総力で取り組まれたにも関わらず4年という長い期間を逃げ続けながらも家畜を襲い続けたヒグマの最後は、偶然見つけたハンターによる駆除でした。

OSO18の行動にみることができるように警戒心が非常に高く人の気配を避けて行動するというのは、ヒグマの行動としては普通であるように思えます。ヒグマと人は長い間に渡って衝突を繰り返してきた歴史があるからこそヒグマは人を恐れ、人に近づかないようにすることで人とヒグマの境界線が保たれていたはずです。

ところが、昨月北海道で人を襲ったヒグマは人を恐れることなくなんども目撃されています。日中、人里をうろついていることもあり、また別のヒグマも住宅街をうろつく映像が撮影されています。

ヒグマが警戒することなく人里に近づくようになり、人を見ても逃げることなく攻撃する、人のゴミに執着したり、人を食べる個体がでるなど、ヒグマの人への執着はこうした行動を繰り返すことでさらに激しくなりそうです。

 

何故ヒグマは人を恐れなくなったのか?

警戒してなかなか人の前に姿を現さないヒグマと、人を恐れず日中も市街地をうろつくヒグマ。どちらも問題ではあるのでしょうが、人にとっての脅威は後者の方です。

ヒグマに限らず野生動物は人を恐れなくなりつつあるというのを山暮らしで感じることがあります。山の学校の近くをうろつくもっとも恐るべき動物は、イノシシです。

イノシシは雑食の上に人肉を食べることはないためヒグマとはまた違いますが、予期せぬ接近で人を襲うことないとは言い切れません。

最近はあまりないのですが、以前は犬と山歩きをしている最中に山の中でイノシシと遭遇することがたまにありました。

しかし、イノシシは私と犬に出会うと必ず逃げる、また夜に庭先に姿を現しても人や犬の気配を察知するとやはり逃げるという印象でした。

ところが、最近のイノシシは庭先で人を見てもすぐに逃げようとしません。イノシシは人を見ているようで人という動物の気配に以前のように敏感でなくなったように思えるのです。

イノシシの農作物被害はまだ大変大きなものなので、山のあちこちにわなが設置されていますし、猟期になるとそれぞれの山で猟師がイノシシ狩をしています。

しかし、そもそも山里に住んでいる人間の数が50年前と比較すれば圧倒的に少なく、このあたりも限界集落と呼ばれる地区ですから、いつも設置してあるわなくらいではイノシシも人から狩られる恐怖を忘れてしまいます。

ヒグマと人の境界線も緩くなってしまった理由は、イノシシと人の間の境界線が緩くなった理由と同じではないでしょうか。

 

囲われて生きているのは野生動物なのかそれとも人なのか?

都市空間で行き交う多くの人の活動の中にいると、パソコンの画面に出てくるヒグマの姿は山に閉じ込められた動物という風に間違った感覚に陥ることがあります。

逆に山の家に暮らして感じるのは、囲われて生きているのは山に住む野生動物ではなく都市空間に住む人間の方です。

山の家の敷地や周囲の畑にもたくさんのイノシシ除けの金網が見られます。イノシシ除けの金網のある風景、それが日本の里山の風景です。

人が守る敷地や人が暮らす市街地にはそれを守る物理的な境界線がいくつも作られており、民家の周りは壁や木々で囲われています。

物理的な境界線を設置し、見えない境界線を動物たちに伝えることで自分たちの生活を守っているのが人間という動物だと思います。

見えない境界線については、その境界線を野生動物たちが越さないように、常に境界線越しに野生動物を追い立てる行動を日々繰り返していなければなりません。この野生動物の追い立て役として最も活躍しているのが犬達なはずです。

ところが犬は家畜化やペット化が進んだ結果、人に寄り添う能力は十分に持っているけれど、野生動物を威嚇して追い立てる程の能力や精神力を持ち合わせることがなくなってきました。

特に相手がヒグマともなると家畜化された家庭犬には難しいことは想像できます。イノシシと遭遇しても怯むことのなかった黒ラブの愛犬オポでも、ヒグマを目の前にして対峙することなどはできるわけもありません。

最近ではサルと追わせるモンキードッグもあるように、クマと人の間に生じる問題を解決するために訓練育成された犬をベアドッグとされているそうです。

今回の様々なニュースではベアドッグを取り上げているものを探すことができなかったのですが、このような取り組みはもっと広く認知されるべきではないかと思います。

ベアドッグは犬ではなく狼犬として繁殖された者の中から、ベアドッグとして適性のあるものを育てているということです。

狼犬であることがペット化された犬とは全く違う遺伝子であり、非常に特殊な感性を持つ人々によって育成されていることが想像できます。

きっとすばらしい能力をもつであろうベアドッグの今後の活躍を多いに期待しています。

私の足元にいる犬達は、とてもクマに対抗できるような犬ではありませんが、どんなに小さな犬にも我が身や我が飼い主に危険が迫ったときには、決して相手を興奮させず、しかし必要に応じて吠えて威嚇する防衛能力を発揮して欲しいと思います。

家畜化したとはいえ狼の末裔であることを犬には忘れて欲しくない、そしてまた自分自身を家畜化した人であっても、私自身も戦う動物であることを忘れたくありません。

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8月のグループトレッキングクラスの日程

8月のグループトレッキングクラスは以下の日程で開催します。

8月24日 日曜日

9時30分開始

ご参加希望の方はご連絡下さい。

お盆を過ぎると山はもう秋の気配です。

季節の移り変わりを犬と共に感じましょう。

共感こそ最大のコミュニケーションです。

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都会は酷暑でも自然は健やかな暑さの中、グループトレッキングクラスを開催しました。

福岡の都会は酷暑が続いているようです。

私も隔週で家庭訪問レッスンのために福岡に向かいますので、熱中症ではないかと感じることがありました。私達人間ですらこんなに暑いのに、犬達はどんなに辛いだろうと都会の犬達を案じています。

この酷暑の7月にグループトレッキングクラスを開催しました。

トレッキングクラスの集合風景。日陰に集まる犬と人。



こんな暑い中を歩けるのか、可哀そうではないかと思われるかもしれませんが、山の中は福岡と比較すると10度くらいは気温が低いのです。

一番辛い暑さは梅雨の間の晴れ間であって、梅雨を超えてしまうとからっとした空気となり、冷たい風が山の中を抜けていきます。

室内は一日を通してエアコンを使わなくてよいくらいの気温で、屋外でも日陰では不快感を感じることなく過ごせます。

トレッキング出発前の整列風景。日差しは柔らかいです。



山の中はさらに日陰が増えていき、汗ばむこともほとんどなく歩くことができます。

大型犬もいましたが、みな元気に歩いていました。


歩くコースはとても短いのですが、止まったり歩いたりを繰り返しながらゆっくりペースで進みます。

トレッキングクラスは行って帰ってくることが目的ではありません。グループで行う社会活動であり、一歩、一歩とみなと強調して歩き共感性を高めていくことが目的です。

街中ではリードを引っ張る犬たちも山の中ではゆっくりと歩くことができます。小さな柴犬くんも初参加でしたが、普段の散歩とは全く違ってリラックスして行動していました。

生後5カ月の柴犬くん。



犬が山の中で何を感じ何を思っているのかを私達が全て知ることはできません。私たちが受け取ることができるのは、犬が満足しているのか、リラックスできているか、ワクワクとしているかどうかということだけです。

もし、犬に何かワクワクする雰囲気を感じ取ることができるなら、きっと犬は山の中で何かを感じているのです。その何かを明らかにすることができなくても、犬と山で過ごす価値は絶対にあります。

犬がワクワクしているように、私達人間も山の中で何かを受け取り感じているはずです。時折吹く冷たい風に「ああ、気持ちいいな」と感じることができるだけで、移り変わる山の景色を肌で感じるだけで、山にいる時間は十分に満たされています。

グループトレッキング風景。



トレッキング後は休憩時間をとった後に、生徒さんたちの有志が花壇の整備、ハーブ園の整備、紫陽花周りの手入れなどを行って下さいました。

毎日の犬のお世話でなかなか行き届かない環境整備をこうしてお手伝いして下さる上に、野菜はハーブを植えていただき、私の夢のひとつ「畑」を叶えていただき本当にありがたいことです。

みなで作業を終えた後に、犬達といっしょに川に行きました。貸して下さっている敷地があり、そこで川遊びができるのです。皆で入れるようにと事前に整備も進めていました。

生徒さんたちと川遊び。一番左がジェイ、その横が私です。



川遊びの理由はまた別に書きたいと思いますが、三度目の川でジェイも次第に余裕のある行動ができるようになりました。


自然の中には学びがたくさんあります。

学びというと何かを覚えることだけと勘違いしがちですが、学びというのは答えを出すことだけではないと思うのです。

犬と共に私達も学べる場が自然の中にはいっぱいあって、この活動の場がいつまでも残っていますようにと願うばかりです。

来月のグループトレッキングクラスはお盆が過ぎてからの8月末になります。お盆が過ぎると山はもう秋の気配ですから、あのにっくきブヨはもういなくなっているかな。最近はブヨに変わってアブが出てくるようになり、しばらくは飛び交う敵と戦う毎日です。

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家庭訪問トレーニングクラスの受付についてのご案内

日頃より当校のブログをご覧いただきありがとうございます。

“家庭訪問トレーニングクラス”の受付についてお知らせいたします。

日頃より当校のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

このたび、「家庭訪問トレーニングクラス」の新規受付についてお知らせいたします。

現在、お問い合わせが大変多く、十分な対応が難しい状況となっているため、新規の家庭訪問トレーニングクラスの受付を当面の間、中止させていただきます。

ただし、以下のいずれかに該当する方は対象外となります。


  1. 過去に当校のクラスをご利用いただいたことのある方

  2. アフタークラスの受講をご希望の方

  3. ご紹介者のある方(動物病院・ペットショップ等を含む)

再開の際には、当ブログにてご案内いたしますので、ご希望の方は恐れ入りますが随時ご確認ください。

現在、多くの皆さまにクラスをご利用いただいておりますこと、心より感謝申し上げます。

今後も、犬と飼い主さまとのより良い関係づくりと、豊かな暮らしのお手伝いができるよう努めてまいります。

GoodBoyHeart

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7月のグループクラス開催のお知らせ

梅雨明けしたようです。いつもよりずっと早い梅雨明け、活動するには助かりますが雨不足は多少気になります。

長い夏がやってきますが、犬にとっては短い夏です。

犬にとっては十数回のうちの1回の夏を一緒に楽しみましょう。

来月のグループトレッキングクラスは以下の日程で開催します。

7月27日 日曜日 9時30分開始

雨天もしくは気温によっては中止することもございます。

前日までに決定します。

※日程を間違えて記入しましたので訂正いたします。


 

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梅雨の合間にグループトレッキングクラスを開催しました。

梅雨。雨の続く毎日は犬にとっては休息の日々です。

今月のグループトレッキングクラスも雨予報となり、雨天中止としようかなと考えていたのですが、「雨でも参加します!」といつも通り上級者の生徒さんからの連絡を受けてグッドボーイハートらしく雨天決行となりました。

グループトレッキング 皆が気にしているのは入口に作っていただいたオポガーデン



都会から山へとやってくる犬と飼い主の気持ちが届いのか、なんとトレッキングの時間だけ雨が上がりました。

みんな雨を覚悟してレインコート持参で来ていたため、ほっと一安心。それどころか、風がとても冷たくイオンシャワーがあふれる癒しの空間の山の環境でした。

梅雨明けに襲ってくる蚊もまだ出てきていないし、地面も濡れていないし、ほんとにラッキーな山歩きでした。

グループトレッキング



集合場所の地面にはオオバコが花をつけて立ち上がっています。オオバコのある環境は土が肥えているらしいのですが、少しずつ広がったオオバコのあるオポ広場は年々変化しているようです。

久しぶりに参加したので緊張気味の犬ちゃんもいましたが、犬達も慣れてきたようで寛容に対応していました。


ちょっとした環境の変化に敏感な犬は、飼い主の日々の仕事が忙しくなるだけでストレスを抱えることもあります。犬はとてもゆっくりとした動物で、たくさんの時間と空間を必要としている動物ですが、その時間と空間すらも群れがいないと成り立ちません。


山歩きはいつもゆっくりペース。すれ違う樹々の成長を見ながら話しかけながら、手入れをしながら、山の中に入るのは山の中に馴染むということだから、ゆっくりゆっくりと。


写真は休憩場所で水を飲むアルクくんです。飲み水は必要な犬もいるし要らない犬もいます。それぞれの犬の性質や体調を考えて行動するのも飼い主の役割です。


最年長は10歳のクールくんでした。暑さが苦手のゴールデンリトリバーですが、この日は歩きもスムーズでした。


Jも先頭で参加しました。山では大好物の杉の実拾いが始まり、皆に「何食べてるの?」と不思議がられていました。私も杉の実をこんなに食べる犬を初めて見ました。これもまた個性というものなのかもしれません。

グループトレッキング



他の犬との空間共有があまり得意でない犬も、一列に並んで歩く集団の移動はスムーズに受け入れていきます。

他の生物がたくさんいる山という空間だからこそ、何が安心&安全なのかを知っているようです。

これから夏にかけて山歩きはベストシーズンとは言えませんが、厳しい季節があるのは山も同じです。山だから自然だからといっていつも快適を与えてくれるわけではありません。

梅雨が明けたら夏が来る、辛抱の季節をJも初めて迎えます。


ガーデニング部の皆様、素敵な花壇をありがとうございます!

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