春の曇り予報で余裕でスタートするはずだったグループトレッキングの日。
皆さんが到着したころにぽつぽつと頭上から落ちてくる雨。
新緑が目にまぶしいのが気分をキープしてくれました。
とりあえずスタート。
みんな飼い主さんの足元で準備万端のようです。
今回はみなさん上級者でしたので、雨のトレッキングでも注意点もいりません。
滑るの覚悟、濡れるの覚悟、小雨ですから犬たちはへっちゃらです。
歩き始めるとものすごく長い列になって先頭にいる私からは最後尾の方を見ることはできません。
それでも、長くつながっている列というグループですから、みな一緒です。
この冬はヤギのアール・ゼットが頑張っていましたのでいつもより草は少な目だったはずです。
残念だったのはトレッキング後の対面のクラスが出来なかったことです。
毎月のこの対面クラスがとても楽しみなので来月こそやりたいです。
トレッキングクラス後は犬語セミナーを開催しました。
今回の犬語セミナーの後半は「みなさんといっしょに考える犬の服従性について」でした。
少しもやもやしたものが残ったと思いますので、後日“まとめ”をブログにアップしたいと思っていますので少しだけお待ち下さい。
夕方になってやっと片付けを終えたときドアの前で音がするので戸口を開けると…。
お腹を真ん丸にさせたヤギのゼット。
お腹もいっぱいになったしみんな来てたから遊ぼうかな、という感じでしょうか。
「ゼット、今日はもう遊ばないよ。小屋に帰りなさいね。」といってドアを閉めて電気も消して様子を伺います。
ガタガタと物音がしていましたがしばらくするとシーンとなりました。
電気を照らしてみると、長靴や靴があちこちに、おいていたロープを引きずり出して、マットもぐちゃぐちゃになっています。いわゆるヤギのいたずらというやつなのでしょうが、人がいないときにこのようにしていることはありません。
ゼットなりの抗議行動だったのかもしれませんね。
ゼットもいつか皆さんといっしょにトレッキングに連れていきたいです。
来月のグループトレッキングは第4日曜日10時からです。ご参加をお待ちしています。
Author Archives: miyatake
グループトレッキングクラスを開催しました。予報外れの雨のトレッキングを楽しみました。
<お知らせ>お預かりクラス送迎料金の改正について
お預かりクラス送迎料金の改正について
いつも「お預かりクラス」をご利用いただきありがとうございます。
大変恐縮ながら、以下のとおり預かりクラス利用時の送迎料金(基本料金)を変更させていただきます。
新料金 基本料金 2500円 (現在は2200円)
適用日 令和6年5月10日より
現在ご利用の皆様には時間調整などのご協力をいただき大変感謝しております。
今後もできる限りご要望にお応えできるよう努力いたします。また引き続き安全な送迎を心掛けていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
ヤギのゼットが蛇に噛まれて負傷した。自然の中に生命力を感じたこと。
ある日の夕方、ヤギのゼットがいつも出さない声を出しているのを聞いて、ダンナくんが様子を見にいきました。
ゼットは鼻から出血しており最初は何が起きたのか分からなかったのですが、どうやら蛇に噛まれたようです。
激しく鳴き体をゆする様子からして、ゼットに噛みついた蛇は毒を持っている蛇である可能性も高いです。
アールの方は平常なので伝染病ということはないかと思いましたが念のため家畜保健所に問い合わせて状態を説明しました。
獣医師の先生は、蛇である可能性が高いが心配だったら連れて来られたらどうかとのことでした。
自然界に存在する動物から攻撃に対してヤギたちもある程度の免疫は持っているはずですが、「見ていられない」というダンナくんが軽トラに乗せて家畜保健所に連れていき診療を受けて戻りました。
傷を見てもらったところやはり毒蛇、おそらくマムシであるだろうということになりました。
帰宅したゼットはよろよろと自力で歩きながら小屋の中に入っていきました。
それから次の日も次の日もまた次の日も、ほとんど動くことがありません。
2回ほど小屋から出たところで地面に伏せていて、帰るときには補助をしたり。
小屋に自分から戻った様子だが頭を奥に向けたままで、回転できない状態で倒れているなどでした。
それでも時間がたつとなんとか頭を小屋の表側に向けており、ゼットにできるのはそれだけで、もちろん草など食べることなどできません。

マムシに噛まれて動かないヤギのゼット
細い顔が真ん丸になってしまい、目を開けると瞳孔も開いているので黒目が丸くなっています。
「ゼット、大丈夫…」と頭を触っても動くこともありません。
事件があってから3日間全く動くことがなかったヤギのゼットを見守り続けました。
そして4日目の朝、ゼットが小屋から出て草を食べている風景を見ました。
脚はよろよろ、少し収まったかのように見える顔はまだ腫れています。
草を食べていますが上手く食べられないのか食べこぼしたりむしるのにも時間がかかっていました。

それでも淡々と草を食べ続けているゼットを見てホッとし、また偉いなと関心していました。
誰かにすがったり頼っても解決することのない自分の問題を自分だけで抱え、ひたすら耐えて3日間を過ごし、完全いに回復していないのに自力で草を食べ始める。
動物としては当たり前のことなのでしょうが、騒ぐことに慣れている人間のひとりとしては動物の強さを感じる出来事でした。
何としても生きようとする力がこれだけ発揮されるのは、常に自然の中にあっていろんな生き物と対立したり闘争しながら過ごしているから、生きているのが当たり前ではないからかもしれないと思えました。
人に家畜化された動物であるヤギ、でも私たちが与えているのは小屋と塩だけです。
ちなみに、ゼットといつも一緒にいる姉妹ヤギのアールのこと。
ゼットが瀕死の状態にあることでアールも少しダメージを受けるのではないかと観察を続けましたが、アールの方はいつもと変わりません。
ゼットがずっと小屋から出なくても寄り添うこともないし、ゼットに気遣う様子もありません。
山羊たちの間には共感はきっとあるのでしょうが、人のような感情移入がないようです。
この感情移入こそ人と犬の関係を難しくする人の性質ですから、ある程度にとどめておかなければいけません。
ご心配や応援のメッセージを寄せて下さりありがとうございました。
ゼットの完全回復まであと少しです。

マムシに噛まれた後、回復したヤギのゼット
今日はジェーン・グドール博士の生誕90周年記念でした。90歳おめでとうございます。
今日、パソコンの左下のウインドウズの検索ボックスに、変わった絵が表示されていました。
シルバーカラーの長い髪の毛の女性とチンパンジーの絵。
間違いない、これは絶対にあの方のイラストだと確認してそのボタンを押しました。
リンクしたページは「ジェーングドール生誕90周年」でした。
今日は私の尊敬するチンパンジー研究の第一人者であるジェーン・グドール博士のお誕生日だったのです。
このブログ記事でも「ジェーン・グドール」と検索したら8件くらいの記事にその名前が登場するくらい、動物行動学者として心から尊敬している先生です。
世の中には動物のことが好きだという方がたくさんいらっしゃると思います。
テレビの動物番組を欠かさずに見て、YouTubeで動物の映像を毎日見て癒されている方も多いことでしょう。そして犬を動物として愛して止まない方もたくさんいます。
でも、ジェーン・グドール博士のことをご存じの方はどのくらいいるでしょうか。
博士の功績についてはネットから情報を得ることができますし、いくつかの読みやすい本もあります。
野生のチンパンジーたちの研究を重ねながら彼らの森が失われていくことを知って、私たち人が自ら考える機会やヒントをいくつも下さいました。
犬とチンパンジーは全く違う動物ですし、家畜化された犬と野生で暮らすチンパンジーを安易に比較することはできません。それでも、動物との距離感や動物を愛するとはどのような事なのかをグドール博士から学ぶことができました。
グドール博士はひとりひとりが実践するという希望の種を撒こうと現在でも活動を続けていらっしゃいます。
自分にできることは限られているけれど、動物がそばにいる限り、学び実践することが生きることそのものであると思っています。
いつも一緒に学んで下さるグッドボーイハートの皆様には改めて感謝の気持ちを込めながら、何度も初心に戻って学び続けます。
春の風を感じながら過ごす合宿中の犬たちの様子を一眼レフで撮影。
雨の多い日に春風の吹く日差しのある一日は貴重です。
せっかく山に遊びに来ている合宿中の犬たちが、雨でしょんぼりしている姿はこちらも凹みます。
やっと晴れた日には広場で遊ぶ犬たちの姿を飼い主さんに届けるべく写真をたくさん撮影します。
今日は一眼レフカメラで撮影してみました。
一眼レフカメラはもう20年くらい前にブログに写真を掲載し始めたときに購入したもので、整理整頓の際に棚の奥から出てきたものです。
今の時代はスマホで綺麗な写真が撮れますが、当時はガラ携の時代でした。
なかなかピントが合いません。
見慣れぬ道具に犬たちは注目。
カシャリの音に「それなーに」状態です。
望遠カメラがついていないので少し近づかないと撮影できません。
設定が間違っているのかなかなかうまくいきませんが、撮影している感じは楽しいです。
こうなると誰でも綺麗な写真が撮れるスマホって最強の道具ですね。
明日からまた雨続きです。
雨があるから晴れがありがたいのですから、雨の日をゆっくり過ごすことにします。
グループトレッキング&犬語セミナー開催のお知らせ
やっと春になったのに雨続きで、気分も上がったり下がったりです。
犬も自律神経が天候に左右されますので、雨の日はテンションが低く晴れると気分が良さそうです。
ですがお天気だけは自分の思い通りにはなりませんから、晴れたらラッキー雨なら待つの長い気持ちで毎日を楽しむだけです。
今月は雨のトレッキングクラスもたくさん開催しました。
雨でもレインコートを着て山歩きに来て下さる生徒さんたちといっしょに、ずるずると滑りながらも楽しく歩く山歩き、犬がいればどんなことでも「楽しい」に変わるから不思議です。
来月のグループトレッキングクラス&犬語セミナー開催のお知らせ
●グループトレッキングクラス2024年4月21日 日曜日 10時集合
※今月は第4日曜日がゴールデンウィーク中となり渋滞が予想されるため、第3日曜日に変更いたしました。
●犬語セミナー
同日 12時15分~14時15分まで
参加費 おひとり 2500円 定員有
※今回も皆様からのご質問にお答えする「犬の行動学」を交えたセミナーを開催いたします。ご質問のある方は早目にご連絡下さい。
ご参加の方はお申込みが必要となります。

尾歩山トレッキング 雨でも犬と歩く山は楽しい。
映画やアニメで見る(学ぶ)犬のこと、犬をよく観察する機会に。
先日クラスの時に生徒さんから「ドッグシグナル」というアニメ番組のことを聞きました。
聞くところによると作者の方は獣医師やドッグトレーナーなど様々な人を取材した上で真剣に作られた作品で、今までの犬のアニメーションとは違うというらしいのです。
ひとりの青年がドッグトレーナーを目指して犬のことを学んでいくという内容らしく、犬について学びたい人々の興味関心をそそる素材として注目されているそうです。
じっくりと見られた生徒さんが言うには、「犬のことをよく観察すること」というのがまず最初にあるらしく、その部分だけはグッドボーイハートの指導内容と共通しているということでした。
犬の動物としての習性や行動、コミュニケーションはまだまだ完全に明らかにはされていません。
犬の行動の意味や目的や犬がどのような状態であるのかを知ることについて、常に共通点を見いだせるように議論しあって時間を費やすことは犬を知る上で最も大切な時間です。
当校ではそういう目的で「犬語セミナー」というセミナーを開催しています。
犬を良く観察すること、観察した上で得られる情報を精査すること、この二つが犬語セミナーの目的です。
「ドッグシグナル」という題名からは最低でも「犬にはシグナル=信号」というコミュニケーションがあるのだいうことは伝わってきます。
まずは犬の行動を読み取ることです。
その上で犬とどのような関係を築いていきたいかということは、個人の価値観が反映されるところでもあるためここは自分で考え、他者からも影響を受けるという姿勢でよろしいのかと思います。
さて、犬のアニメや映画をほとんど見ているこの生徒さん「“ベンジー”を見ましたか?」と尋ねてみました。
古い映画なのでもうないと思っていたのですが、生徒さんがスマホで検索するとなんとネットフリックスで配信されていたのです。
映画「ベンジー」はわたしが小学生3年生のころに学校行事で見た映画です。
スクリーンの中の賢いベンジーに犬好きな私が虜になったことは想像していただけると思います。
その後、この仕事を始めるようになって出会ったベンジーのストーリーは過去のブログ記事にアップしています。
犬に寄り添い自然に近づいた人のこと:昭和の犬の映画「ベンジー」のドッグトレーナーとの出会い
人生は本当に不思議なご縁でつながれています。皆さんと犬の出会いもまた特別でかけがえのない出会いであったことを皆さん自身が体感していらっしゃるでしょう。
犬語セミナーは4月に開催を予定しています。

グループトレッキング&犬語セミナーを開催しました。
2月もグループトレッキングを無事に開催できました。
菜種梅雨なので降ったり止んだりは覚悟の上でしたが、お天気に恵まれたトレッキング日和となりホッとしました。
参加回数の多い犬たちばかりだったからか、いつもは緊張しそうな犬ちゃんたちも穏やかに過ごせていました。

グループトレッキングスタート地点でオスワリして待機する犬たち
社会化は決して「馴れ」だけではありませんが、「馴れる」過程は社会化の中で欠かせません。
「馴れる」を通して安心を得られるようになると見えてくる景色や得られる感覚も変わってくるはずです。
犬も飼い主も「馴れる」トレッキングをしていただくために、月1回のグループトレッキングは今年も継続していきます。

トレッキングの風景
同じことの繰り返しは面白くないと感じられるかもしれませんが、小さな違いを見つけることが楽しいのです。
トレッキング中の風景も、毎回同じ写真のように思えるかもしれませんが、犬は年齢を重ねているし自然も年齢を重ねています。
私がこの尾歩山に移転したときにはトレッキングコースは杉山で歩く場所もないほどでした。
トレッキングで歩いている道がちゃんとした道になるのもずいぶん時間がかかりました。
昨年からヤギのアール&ゼットが山の風景として参加したため、尾歩山の風景は少し変わりました。

尾歩山で過ごすヤギのアール&ゼット
動物がいるだけで自然の風景が生き生きとして見えるから不思議です。
●来月のトレッキングクラスのお知らせ
3月のトレッキングクラスは以下の日程で行います。
3月24日㈰ 10時開始~
午後のセミナーは3月はお休みさせていただきます。
ご質問があれば4月のセミナーのテーマとして取り上げますのでお気軽にどうぞ。

最後になりましたが、この日に2月生まれの私の誕生日を祝っていただきありがとうございました。健康でお役に立てるように今年もがんばります。
「犬の服従性行動について」セミナーまとめより
先月の犬語セミナーで取り上げた「犬の服従性行動について」をテーマに、本日は補講と称して2回目を開催しました。
セミナーを受講された方の復習用にまとめとして記載しておきます。
主に5つのテーマに分けて説明を進めました。
- 犬の服従性行動とはどのような目的を持った行動か?
- 犬の服従性行動とはどのような行動のことを言うのか?
- 犬の服従性行動は大きく二つに分けることができる。
- 犬の服従性行動と見間違いやすい行動とは?
- 犬の服従性行動を引き出すために飼い主としてできること。
犬の服従性行動とはどのような目的を持った行動か?
質問の意味は、犬の服従性行動は犬の社会的行動の中でどのような目的を果たしているのかというものです。名前のとおりですが、服従性行動はある犬が特定の犬に対して「服従していることを表現する」行動です。
その目的は、個体間で序列を決めるために表現するものです。
簡単に言えば立ち位置としてどちらが上でどちらが下かということをはっきりとさせておくための行動です。
この服従性行動が表現されることで個体間の位置がはっきりとし、群れの中の序列を整えることができます。
犬の社会的行動は群れ行動で成り立っているという基盤の部分を作るコミュニケーションであるため大変重要なシグナルです。
自分の入るべき列がはっきりとしていることで自分の役割が決まってくる序列の社会は人社会と同じです。
みんな仲良しでみんな一緒の友愛を唱えたい人からすると縦社会という言葉自体が敬遠されるものかもしれません。
しかし実際には社会は縦社会で成り立っており、捕食活動を続けてきたイヌという動物にとって長い間必要とされてきたこの縦社会の部分はまだまだ消えることがありません。
縦社会には、親分~子分的な社会もあれば、親~子の家族的な社会もあり印象も様々です。
どちらにしてもイヌは「あなたが私よりも優位です。」と表現することで社会=群れを成り立たせているのです。
犬の服従性行動とはどのような行動のことを言うのか?
ここでは服従性行動として具体的な行動を上げてもらいました。例として
耳を下げる
尾を下げる
体を低くする
お腹を見せる
目線を避ける
伏せる
後ずさる
舌をぺろぺろ
等があります。
犬の服従性行動は大きく二つに分けることができる。
上記の服従性行動は二つに分けることが出来ます。二つとは1 能動的服従性行動
2 受動的服従性行動
犬の服従性行動と見間違いやすい行動とは?
ここでは動画を見ていただき説明を加えました。子犬が3歳の犬に対して示す行動の動画を見ました。
動画の中で子犬が服従性行動を示しているかどうかを確認しました。
また服従性行動に大変似ているがまったく違う行動が出ていることを確認していただきました。
似ている行動とは「甘え行動」と言われるものですが、子犬を表現する行動です。
はっきりとみられた甘え行動は、まとわりつく動作でした。
これは子犬が人に対して大変多く行われる行動で、多くの飼い主が「犬が自分に服従している」「犬が自分のことを好きだと言っている」と勘違いする行動です。
子犬期のまとわりつき行動には拒絶のシグナルを出す必要があります。もしくは受け取らないように注意する必要があります。とても重要なシグナルです。
犬の服従性行動を引き出すために飼い主としてできること。
犬の服従性行動は自分よりも優位なものに日常的に出されている行動です。犬は優位な犬に対して大変丁寧に服従性行動を示しますが、優位な立場にある人に対しても服従性行動を示します。
ですが、前述したとおり服従性行動ではない行動を誤ってみていることも多いのです。
例えば、「お腹を見せる」という行動をすべて服従性行動であると判断することはできません。
単発の行動は前後の行動を重なり合って文章になっています。
単発の行動を拾い上げるのは重要な作業ですが、その前後の行動と結びつけて判断することがより重要になります。
こうした複雑さから多くの人が犬のコミュニケーションを読み取りし間違えてしまいます。
いい例は「犬が尾を振っているから喜んでいる」です。
犬は攻撃するときも尾を振ることはありますので、これだけの情報では読み間違いしてしまいます。
犬の服従性行動を増やすためにできることは、以下の2点です。
1 犬のシグナルをできるだけ正確に読み取れるようになること。
2 犬が優位だと認められるような飼い主であること。
犬のよき理解者になり犬の良き友達となれるよう、これからも定期的にセミナーを開催する予定です。

群馬県内の公園で犬が12名にかみついた事件について。犬はなぜ人に噛みつくのか?
ネットニュースを見てさすがに私も驚きました。
一般の方よりも圧倒的に聞いたり見たいする回数の多い仕事に携わっていますので「犬が人に噛みついた」くらいでは驚きません。
しかし、公園で12名に次々と噛みついたという記事を見たときには、どんな状況でどのような犬がどのような人に噛みついたのだろうかと、事の詳細を把握したい気持ちでいっぱいでした。
犬の噛みつき事故の事実確認。何が起こったのか。
その後ニュースで見た内容が間違っていなければ、以下のような状況であったということでした。・群馬県内の公園で、小学生4人と40代の男女2人の合わせて6人が犬に噛まれた。
・上記の15分後、公園から300メートル離れたふたつめの公園で小学生5名と60代男性1人の6名が噛まれた。
・ケガの程度はいずれも軽症。
・噛んだ犬は地域の男性が飼う四国犬(体長1メートル30センチ、2歳、オス)
・犬は現場で県の動物愛護センター職員が捕獲。
・飼育時は外の犬舎に入れていたが、犬舎から逃走した。理由は不明。
※以上はヤフーのニュースに掲載されていた内容(2024年2月8日現在)
事実状況から推測する、かみつきの状態はどのようなものだったのか。
上記のニュースの内容や、他の動画ニュースの配信も確認しました。目撃者の証言には、犬は人々に近づいてにおいをとっていたが一人の少女が走り出したのに追いかけるように噛みついていったという内容もありました。
別の証言では、男性が連れていた小型犬の頭に噛みついて振り回していたので飼い主の男性が足で犬を蹴って追い払おうとしていた、というものもありました。
病院の映像では足首を噛まれて怪我を負った男性の映像がありました。
人々の足や転んだ人の他の部分に対して、動くものに反応するように噛みついた状態であったのではないかと推測しています。
小型犬の状態については報道されておらずとても心配ですが、犬に対しては殺傷目的をもって噛みついたあとの振り回しが出たと推測します。
四国犬ってどんな犬?
ニュースの詳細が分かったときに犬が四国犬であったことを聞いて多少納得しました。四国犬を身近に見たことのある方は少ないと思います。
ペット化した柴犬という日本犬がとても人気となり増えている中で、同じ日本犬種でありながら柴犬よりも一回り大きな四国犬が全く流行らないのにはそれなりの理由があります。
四国犬は猟犬として飼育されている場合がほとんどで、ペットショップではあまり見ることがありません。
四国犬はペット化されていないため特定の人にはなつくが他人にはなつきにくく、猟犬として育てれば飼い主の言うことに従う服従性を示すがきちんと飼育管理することでその良さが生きる犬です。
飼い主のコメントでは犬舎からは出られないようにしていたはずなのに…といことでしたが、実際には犬は犬舎から出たのですからどこかに老朽化した部分があったか、締め忘れた戸口があったのか、いずれにしても犬は犬舎から出たという管理ミスが悲劇を生みました。
犬は噛みつく動物なのか?
犬を愛して共に暮らす飼い主さんたちにすれば「犬がそんなにたくさんの人に無差別に噛みつくなど信じられない」と思われるかもしれません。そもそも犬は噛みつく動物なのでしょうか?
答えは「はい」。
犬は噛みつくという行動のできる動物です。
どの動物にも生まれつき備えている行動は機能と結びついています。
犬が噛みつくという行動は、犬にとって何らかの機能を果たすために必要な行動です。
その機能とは、犬は人からエサをもらう以前は捕食性動物であり動物を噛み殺すことで食べものを得る動物でした。その習性は今も変わっていません。
また、犬や群れを外敵から守るために噛みつきを攻撃性の方法として使用します。
では、今回の四国犬の噛みつきはどのような理由の噛みつきだったのでしょうか。
状況から察するところ、動くものに反応するように噛みついたこと、噛みつきの傷は軽傷であったことから追い込むように噛みついたであろうことなどを考えると、捕食性行動を利用した猟犬の噛みつき行動のパターンのようです。
猟犬はあくまでコントロールできるリーダーとしての猟師とグループになってこそその役割が発揮されます。
同時にリーダー不在の状態で刺激だけが与えられると、衝動的に噛みつき制御できない状態に陥る危険性もあります。
全ての猟犬がそうだということではなく、未完成の状態であればあるほど刺激反応は危険なものです。
犬の行動を考えるときにはこのようにその機能性について考えるのですが、残念なことに考える必要のある多くの行動は「人と暮す犬の問題行動」として取り上げられたときの方が多いのです。
この事件を、ただ可哀そう、残念だと片づけるのではなく、犬という動物の行動を考える機会としていただければと思います。
大きな犬に噛まれたり追われたりして辛い思いをされた子供さんや成人の皆様の体と心の一日も早い快復を心よりお祈り申し上げます。