グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のこと>数合わせでは動物は幸せになれない

先日、仕事つながりで親しくなり共感を得られることでお付き合いが長くなった友人と会う機会がありました。

お互いに会ったときには、犬のことばかりでなく、日常を取り巻く動物に関わる問題について話がつきません。

一気に「これってどう思う?」と意見を交わしながらあっという間に時間が過ぎてしまいます。

今回の話題は、奄美大島に生育する日本の天然記念動物に指定されている「アマミノクロウサギ」の絶滅に関すること、北海道のアイヌ館のヒグマの引き取り先がイギリスのワイルドパークになったいきさつや内容、昨今の犬の異常な行動などでした。

この話の流れで友人と「人に飼われる動物は弱者であるかどうか」「処分される動物は可哀想なのか」などと、普段はお互いに誰にも問いかけられないようなことを問いかけあって話を深めていきました。

自分としては、人に飼われる動物が弱者であると思うことはありません。

動物のことを、動物の立場に立ってなどというのは身の程知らずではないかというのが私の姿勢です。

人と動物はあくまで対等な立場であると考えています。

人に飼われる動物やペットが、人にえさをもらわないと生きていくことができない存在であったとしても、やはり動物は人と対等であるべきだと思うのです。

なぜかというと、人が飼う動物や展示動物、そして犬や猫などのペットは、人が必要とするからそのように存在させられている動物だからです。

人の必要性に応じて繁殖されたり、育てられたりしている犬は、必要とされている段階ですでに人と対等であると思い、そしてまた、犬という動物が人と対等であると考えるからこそ、一定のルールは必要だとも思っています。

犬をどのように繁殖するのか、どのように販売するのか、どのように訓練するのか、また大きくはどのように飼われるのかといったことの最低のルールがなければ、この対等性を姿勢として示したことにはなりません。

これまでにたくさんの家庭犬のお世話をさせていただいたこと、たった一頭の犬が幸せになることがどんなに大変なことなのか本当に身に沁みています。

ところが、動物の幸せというのはなぜか数で図られてしまうこともあります。

野生動物は数が少なくなったら処分してはいけない。

ペットは一匹でも少なく処分すべきなのだ。

国内にはこんなにたくさんのペットが飼育されているから、日本はペット大国だ、とかそのような次元の低い話はもうそろそろ終わりにしたいのです。

むしろ、もう少し本質に目を向けるなら、あなたのもっとも身近にいる犬は幸せなのでしょうか。

あなたの身近にみる犬にストレス信号を出している犬はいないでしょうか。

そうしたことにもっと注意を払ってあげてほしいのです。

動物、特に犬のストレス行動は行動学的にある程度明らかになっており、だれでも観察によって図ることができます。

そのストレス信号を図ることこそが、動物の幸せのレベルを知るきっかけになるのです。

友人との話は、犬たちの行動を見て一般の人々が理解できるようになることはあるのだろうかという話にまでつながっていきました。

期待はしない、だけど希望は持ちます。

マザーテレサの有名な逸話がですが、ある方がマザーテレサのお手伝いをして貧しい人々を助けたいと申し出ら得たところ、帰って家族のお世話をしなさいといわれたとのことです。

本当の話かどうはわかりませんが、最も身近な動物の異変について目を向けることができること、ここからスタートしては身近な動物に目を向けることが重要なのだと痛感します。

自分は犬の行動と訓練の専門家ですが、他の動物の行動にももちろん興味があります。

特に身近に接する動物には関心を持っています。

動物行動学の本を読むのは今でも大好きです。

興味と関心という好奇心は、規律の中では暴走しません。

今年もあと少しになりましたが、限られた時間でまだみなさんといっしょに、やっぱり犬のこと動物のこと、まだまだ学んでまいります。

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Posted in 日々のこと, 犬のこと

<オポのこと>懐かしく思い出す愛犬オポの姿

オポというのは、私が3年前まで共に暮らしていた犬です。

今日はそのオポの3回目の命日になります

昨年まで「オポの会」などと称して、グッドボーイハートやオポとご縁のある方と集まる会をしていましたが、今年は密やかにグッドボーイハート前スタッフとその血筋の子供たちと共に七山でおしゃべり大会をしました。

オポのことを語るときは私も一飼い主になってしまいます。
オポのことをのろけて話すことも多いですし、オポが生前には多くの期待をしてしまい負担をかけたこともありました。

同時に犬の変化に応じて飼い主としてしなければいけないことを真剣に考える機会を得られたことも、またオポの存在があってこそです。

自分の住まいやグッドボーイハートというドッグスクールを七山に移転させる転機となったのも、オポの変化に応じてのものでした。

7歳になってオポの表情や行動に生きる希望の限界を感じ始めたとき、山で過ごす時間を持たせる必要性を選択せざるを得なかったからです。

当初は、文字通り「オポが山で過ごす時間」と捉えてしまったのですが、この受け取り方もまだまだ飼い主として不十分でした。

オポが望んだことは、私という飼い主と共に山で過ごす時間を持つことだったからです。

オポの声なきコトバを受け取るように、山への移転を決めて現在のグッドボーイハートが出来上がりました。

オポという犬の飼い主として私が成せるべき最大のこと、今ではそう決断して行動できたことに悔いはありません。

グッドボーイハートの移転によって起きた様々な不安や支えてくださった方々との別れは当時は辛いものでしたが、今となってはそれぞれに真剣に生きてことを分かち合える時間となっています。

当時、グッドボーイハートで働いてくれていた若かった子たちは二人とも立派な親となり、たくましく成長しています。

立派に生きたオポという犬に恥じないようにと、逃げず、驕らず、自分の人生に向き合いまだまだ成長していかなければという日々の中ではつい忘れてしまいがちな思いを、この時期になると思い出して反省するばかりです。

今年はオポの会は開きませんが、七山にご縁のある方はお気軽にお立ち寄りの際にはご連絡ください。

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<クラス>雪が降ったら犬が変わる、今年最後のテントクラス開催しました

寒い週末になりましたが、七山では雪は降っていません。

毎月テントクラスを楽しみにしている老犬たちと、テントクラスを開催しました。

雪が降ると交通が不便になり困るのですが、雪が降るのを期待している気持ちもあってなんだか複雑です。

雪が降るというのはなぜかテンションが上がることなのです。

犬も雪が降ってくるといつもと違う表情や行動を見せてくれます。

積雪するととてもはしゃぐ若い犬のいるけれど、年を取ってくると派手さはないけど深みのある感覚に変わっていくのでしょうか。

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そんな雪の中の犬の姿を見たいという気持ちもあって、雪を期待してしまいました。

今回ははずれでしたが、七山では年に数回積雪しますのでぜひ七山トレッキングクラスに起こしいただきたいです。

人の力だけで犬をなんとかしようと思っても限界があります。

動物が本当に変化していけるのは人がつくったルールだけではなく、それを取り巻くもっと大きな環境だと思うのです。

その大きな環境とは、自然という人の力では支配できない力であって、自然が持つルールの中に人も犬も入っているのだということを知らしめてくれるもののひとつとして雪の中で謙虚になれるのが動物というものではないでしょうか。

テントクラス中、部屋で暖がとれるようにと暖炉をいれていました。

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生徒さんのおひとりが「この暖炉と毛布があったらずっとここで過ごせるというきもちになれる、無敵ですね。」とおっしゃいました。

結局、火を扱えるようになったことで人は幸せにもなったけれど、やりすぎてしまって不幸にもなったのかもしれません。

自然の中で思いを巡らせるいろんなこと、犬との暮らしに役立てていただければと思います。

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Posted in 日々のこと, クラスのこと, 自然のこと

<クラス>連休中は熟練たちのテントクラス開催しました。

11月の連休は最高のお出かけ日和でした。

みなさんも犬たちといっしょに山歩き、海歩きへと出かけられたことでしょう。

グッドボーイハート七山の尾歩山では、10年以上テントクラスにご参加いただいている熟練メンバーでのクラス開催となりました。

テントクラスというとどのようなスタイルで寝ているのかと想像できない方も多いようですが、とても単純でテントを張って犬といっしょに寝泊りするというクラスです。

最初はなかなか落ち着かずにいる犬たちも、くり返しの経験で自信をつけていき頼もしくなっていきます。

アウトドアが好きな飼い主さんも、アウトドアとは縁のなかった飼い主さんも、どちらも犬との新しい体験を楽しみながら関係をつくっていただいています。

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犬との限られた時間をどこでどのように過ごすのか、みなさんそれぞれでしょう。

人の楽しみばかりに重点を置いてしまうと、人の外出やイベントに犬を付き合わせることになって結果として犬に負担を強いてしまいます。

何もない山で過ごしてテントという単純な道具で寝ることは、人にとっては少し物足りない上に原始的で快適さとは無縁の時間にもなります。

ただ、その何もない中に犬との関係に気付いたり変化したりするものがあるのかなと思います。

実際に、テントクラスに参加してくださっている生徒さんと犬くんたちはそれぞれに悩んだり苦しんだりしながら、成長や変化を楽しみつつ静かに老いをすすめていく犬の姿を見守っていらしゃいます。

これからいくど山で夜を過ごしていただけるかわかりませんが、そのひとときがかけがえのない時間になれば、そしてそれが犬にとってもそうであればと願うところです。

若い犬たちは山に出現した見慣れぬテントという物体に、警戒したり驚いたりしていました。

いつか君達もテントに人といっしょに寝ることがあるんだろうか、そうなると楽しいねとささやいていました。

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Posted in 日々のこと, クラスのこと

<クラス>犬とのトレッキングクラスで新しい生物発見!

プライベートトレッキングクラスのときに預かりクラスの犬くんを同行させてもらいいっしょに山歩きしました。

預かりの犬をトレッキングクラスに同行させていただけるのはとてもうれしいことです。

プライベートクラス参加の犬くんにとっても心地良く勉強できる時間になってくれるでしょう。

どちらもオスの犬くんでどちらも消極的で多少の緊張感を感じます。

その緊張感ですが、山歩きを始めると次第に解けていくのがわかります。

犬のことよりももっと広い環境を受け取ることにセンサーが向っていき、緊張していた相手も今や共に行動する仲間として認識されていきます。

歩きながら落ち着きを取り戻してずい分山の奥へと進んだところ、小さな生き物を見かけました。

数秒じっとしていたのでしっかりと見たのですが、はじめはネズミだと思い込みました。

こんな山の中にネズミがいるなんて珍しいね、と話ながら登ったのですが、どうも合点がいかずに調べてみました。

たくさんの画像をみたところどうやらそのネズミだと勘違いした生き物は「ジネズミ」だったようです。

ジネズミは九州の山手にも生育するモグラの一種とのことでした。

もうこの山に登って12年になろうとするのに、12年目にしてはじめて見た生物です。

めったに姿を現すことがないということで、偶然とはいえある意味深いメッセージです。

メッセージとしては「知ったと思い込むな、まだまだ知らない事がたくさんあるよ」というところでしょうか。

ワクワクするような気もするし、まだ宿題が残っているのかとため息をつく気持ちにもなるし、結構複雑です。

ジネズミを見たあと犬たちに「臭いしないの?」と問いかけたのですが、犬の反応は低かったです。

危険でもないし食べるものでもない、犬にとってジネズミはそんな存在なのでしょう。

ちなみにジネズミは準絶滅危惧動物とのことでした。

人も犬も数限りない種類の中のひとつでしかないのに、こうして縁あって近付けたのはこれも偶然とは言えない気がしています。

だからこそ学ぶ、犬から人のことも学びます。

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<クラス>お預かりのクラスで犬と犬のコミュニケーションを学びながら探る

お預かりクラスで3頭の犬ちゃんたちが集まりました。

気候も天候も良くていっしょに過ごすには抜群の日となりました。

お預かりの理由はご旅行やお仕事と様々ですが、中には他の犬とのコミュニケーションを少し進展させたいという理由で預かりを受けることもあります。

いっしょに過ごすことで犬たちに負担がかからないようにと、どちらの犬にとっても学びになるようにセッティングするのですが、コミュニケーション力の促進はそう簡単ではありません。

子犬期の生後6ヶ月くらいまでは成長と発達に柔軟性があります。

今回お預かりした犬ちゃんの中にも、最初の預かりのときには尾を巻いて逃げたり怯えたりしていた犬ちゃんもいます。

その犬ちゃんも現時点ではずい分と積極的かつリラックスして犬と共に過ごせるようになりました。

犬の中でコミュニケーションの誘導力を持つ犬はなかなか現れません。

ほとんどの犬が「待ち」の状態で、状況が変化するのを任せる姿勢に変わっていきます。

そしてその多くが、何事も起こらねばそれで良しという浅いコミュニケーションでおさまることになります。

この状態では、犬と犬が同じスペースに共に過ごしていても、喧嘩もなく会話もほとんどなく、みたところ落ち着いているのですがつながりはあまり感じられません。

何か事が起これば散々と別の方向へ逃げさってしまうような関係です。

もちろんそれが悪いというのではありません。

人と人の関係もすでにそのようなものになりつつあります。

となりに住んでいる人が誰だかわからない、話をすることもほとんどないというのも普通のことです。

別に、人生の中に喧嘩したり仲直りしたりしながら関係を進めていける相手がいるということもあります。

犬と犬は単に仲良しさんではありません。

犬のお友達が欲しいということをよく飼い主さんから相談されますが、お友達というのは小競り合いがあったり仲良くなったりをくり返している関係のことをいうのではないでしょうか。

犬でいう表面的に社交的な関係とは、関わりを持たないということなのです。

預かり中の3頭の犬ちゃんたちと共に庭で過ごしながら、犬同志の関係に必要以上に関与しないけれど、必要なときには関与する姿勢で見守り続け、私自身もまだまだ学んでおります。

自分でも不思議ですが、犬についてこれだけ学んでいてもまだ学びたい知りたい探りたいという気持ちがなくならないのです。

ある程度犬の行動や感覚を理解し始めていても、それを飼い主さんに伝えるためのツールがまだ不足しているため、そのツール探しのためにも学び続けています。

わかったと思った瞬間から人に伝えられるようになるまで数年かかっているような気がします。

今日私が知りえたことをみなさんにお伝えできるのが数年先になるということなので気の遠い話ですね。

そのうちに犬は成長してしまいますから、数年を待たずにぜひ今いっしょに学んでください。

犬の行動に問題を抱えている飼い主さんも、問題を抱えていない飼い主さんも大歓迎です。

サク空もも1

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<クラス>お散歩代行サービスで考えるいろいろ

お散歩代行のクラスをご利用いただいたので、唐津の海辺を生徒犬ちゃんと散歩する機会を得られました。

休日のお昼だというのに広い海辺に誰もいません。

日差しが素肌に心地良く波打つ音には心が安らぎます。

どちらかというと山派ですが、たまには海に下りてきてこうして地平線を拝ませてもらえるのもありがたいことです。


散歩中に小学生の子供さんに声をかけられました。

「さわってもいいですか?」と礼儀正しく声をかけてくるしっかりした子供。

礼儀正しい子供に丁寧に断りをいれて、承諾してもらいました。

本当は子供たちに犬は触るべきものではないことを伝えてあげたいのだけど、時間も許さずつい逃げ言葉になってしまいます。

動物を触れてみたいという子供の気持ちも大切にしてあげたいですが、時間をかけて触れ合えるようになるのが人と動物だという本質について子供たちい知って欲しいという気持ちの方が強いのです。


海岸線をどこまでも歩いても歩けるほど唐津の海辺は続きます。

視界に入る部分を歩いていけば半日以上かかるかもしれません。

こんなに空間があるのに、どうして犬たちは窮屈になってしまうのだろうと思います。

人は屋外で過ごすことがあまり得意でなくなってしまったので、犬を室内に呼び込みいっしょにテレビを見ることを強いているのかもしれません。

犬は活動することが不得意となり、活動しない犬ほど大人しくて飼いやすいといわれるようになるのです。

犬は人といっしょに活動してくれる最高にすばらしい友達だったのだけど、今やカウチポテトの友になりつつあります。

屋外にでるのが億劫にならないこの時期に、犬といっしょに風や太陽や草の香りや昆虫たちと遊ぶのも悪くありません。



家庭訪問でのトレーニングクラスやトレッキングクラスや預かりクラスが続く毎日ですが、お散歩代行をするシッティングクラスの依頼を受けます。シッティングサービスはグッドボーイハートのトレーニングクラスを受講されている生徒さんのみが対象です。

グッドボーイハートやトレーニングスクールなので、迅速に対応できるペットシッティングサービスを提供できる状態ではありません。

比較的早めにシッティング依頼が必要になりますので、ご予定が事前にわかっている場合にのみご利用いただいています。

お散歩代行をさせていただくときもグッドボーイハートならではのクラスです。

飼い主さん不在のときに犬のお世話をさせていただくことで気付く犬のことはすべて飼い主さんにお伝えしていきます。

グッドボーイハートは常に学ぶ場所。

楽しくときに厳しくまじめに、でもやっぱり楽しく学んでいきます。

コナちゃんシッティング

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<日々のこと>一度は参拝したかった大神神社へ

奈良県にある日本最古の神社である大神神社(おおみわじんじゃ)に参拝の機会を得られました。

ほとんど福岡から離れることがないのですが、今回大阪方面に出向く機会があり以前から訪れたかった大神神社を参拝しました。

なぜ、以前から参拝したかったからというと、その文字のとおり大神神社の大神は、普段通りに読めば「おおかみ」の音です。

全国にある「おおかみ」といえばあの「狼」を連想してしまいます。

大神神社のご祭神様は大物主大神(おおものぬしのおおかみ)で、大神様自体がお山に鎮まっていらっしゃいます。

お山が神様という日本本来の神社の姿らしく、大神様と狼様の響きが同じことは奇遇とも思われません。

日本では古代から狼を山の使者や神として崇める風習もあったと聞きます。

山の神様の使い手であった狼が人に近付き犬というように名前を改めてきたのです。

ところが、人に近付き過ぎたためお里の山に帰ることができなくなってしまい、山の風景を思い出すこともできなくなり、人にいつも鼻を鳴らすような動物になっていきました。

そんな犬ですが山に来て山の臭いを嗅げば、どんな犬でも必ず山のことを思い出します。

遺伝子の中の記憶のとっても深いどこかに、これだけは絶対に忘れないようにと犬たちが伝えつむいできた原始の臭い、それが山の香りではないかと思っています。

参拝させていただいた大神神社ですが、いうまでもなく神社に一歩入ったとたんに空気が一気に変わっていきました。

その辺にあるものはすべて浄化されると思われる気合にこちらも圧倒され、ただ自分が小さすぎる存在であることを思い知らされるばかりです。

飛行機の上から見た日本の風景は、ほとんどが山でした。

この山の中にどのくらいの動物たちが生きているのだろうと想像しました。

そしてその中に、イヌと呼ばれる動物たちが少しでも自らの力で生きていて欲しいとも思うのです。

犬が人に近付いてきて私達とこうして会話を交わすようになってくれて、生きることの学びや楽しみや毎日の喜びを与えてくれることに感謝しています。

同時に、彼らが理解されずにただそこにいるだけでいいという何もしないという可愛がり方で成長の機会も与えられず苦しんでいることを受け入れる必要もあります。

犬は山が育んだすばらしい動物なのだから、いつも真剣勝負でお互いに成長する時間としたいものです。

大神神社様、次はいつお参りできるかわかりませんが、すべてのお山とつながっているとするなら、七山でもお参りは可能かと思います。

自分が生意気になりそうになったら、山に入って頭を垂れて思い出します。

明日も犬たちと山登りできる日。貴重な時間を大切にします。

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<日々のこと>今年も薪ストーブに火が入りました

福岡ではまだエアコンをかけて車を走らせるというのに、福岡市内から1時間程度で移動する七山の朝晩の冷え込みは中途半場ではありません。

つい先日まで暑さが耐えられないと思っていたのに、今度は寒さが耐えられないと思ってしまうとは、自分もずい分弱くなったものだなと年齢のせいにして終わっているところです。

私はいいんだけど預かりの犬たちが寒いからという理由で、七山では人工の様々な力を使って室内を暖めていきます。

エアコン、灯油ストーブ、電気ストーブ、遠赤外線ストーブなど、なんでもありです。

そんな人工的な道具の中でも、最もパワフルで心も体も温めてくれるのは、最も古い道具である薪ストーブです。

本来七山の家についていた暖炉を昨年、薪ストーブにリフォームしてからは、暖かさもパワーアップしています。

お客様が室内でゆっくりされる機会が得られれば、グッドボーイハートの山の家に立ち寄ってくださる人にも、薪ストーブの火に当たっていただきたいと願うばかりです。

薪ストーブの炎を見ているだけで、なんとなくですが気持ちがリラックスしてくるからなのです。

オポという犬と暮らしていたときはまだ暖炉の状態でしたが、それでも暖炉の前に寝そべる犬のそばで本を読んだりうたた寝したりするのは、本当に極上の時間でした。

もちろん、そんな時間があるのは日中たくさん体を動かして働き、いっしょに山を歩いたり草刈したり、薪を作ったりして、体を使って十分に活動をしているからこそ得られる至福の休息です。

煙のでる薪ストーブは環境汚染の道具として、敬遠されることもあります。

薪ストーブはずい分進化しており、2次燃焼で煙のでにくい構造に変化してきました。

そうはいっても煙はあがりますので、薪ストーブは都心では使えない暖房器具になってしまいました。

薪を作ったり置く場所など都会では使うことのできない薪ストーブですが、田舎暮らしならではの贅沢な道具です。

そんな薪ストーブの炎に癒されつつ、犬たちの癒しの時間ってどんな時間なのだろうと考えてしまう一日でした。

暖炉

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<犬のしつけ方>犬を迎えるならメンテパックも予算に入れよう!

グッドボーイハートでお預かりしている犬ちゃんのクレートカバーがこの季節の七山では心もとなかったので、簡単なものを作ることにしました。

手元にある布とミジンコを取り出し、完成したクレートのイメージに向かって創作を開始しました。
ところが、完成したものは始めに妄想のなかで見たものとはかなり違うのです。

もっと素敵で可愛いものが出来たはずなのに、皆さんきれいに作ってあるのに何故うまくいかなかったのだろう。

選んだ布に問題があったのか、もしくは、ミシンが安すぎたのだろうかと、思うのもほんの数秒のこと、

イメージ通りにいかなかったののは、自分の力不足、技量不足、経験不足、ただそれだけなのです。


犬を家族として迎えた方のほとんどは、これから迎える犬と家族の楽しい暮らしを思い描いていたはずです。

ところが、実際に犬を迎えてみると思い描いていたイメージとは違って、いろいろと問題が起きてしまうこともあります。

犬との暮らしに問題を抱えている飼い主さんの多くが、「なぜ、うちの犬だけがこんなになったのでしょうか?」とお尋ねになります。

私が道具が問題ではないかと疑ったように、犬の個体そのものが問題ではないのかと疑いをかけられてしまいます。

ドッグスクールへの犬のしつけ方の相談には、吠える、咬みつく、散歩ができない、留守番できないなど、犬の困った問題があります。

問題とされる犬たちはみんな、はじめから問題があったということはありません。

飼育の過程や繁殖の過程によって問題となる行動を取らざるを得なくなってしまった犬たちの言葉を飼い主にお伝えしするのが家庭犬インストラクターとしての仕事です。

現在の犬の環境や育て方、しつけ方、接し方をより良い方向へ変えていくことで、犬が健全に成長することができるよう飼い主さんにサポートをお願いしていきます。

そのための、犬への理解、共感と飼い主としての自覚なのです。

みんな何も知らなくて犬を飼っているのに問題があるのはうちだけではないかという不満をお持ちかもしれませんが、問題があったからこそ犬のことを理解するチャンスができたと思っていただければと思うのです。

犬を高い金額で購入してしまい、トレーニングや犬のしつけ方を習うための資金を準備されていないことが、この大切な機会を逃してしまうこともあるでしょう。

せっかくお気に入りの車を買ったのに、その車を大切に維持していくためのプロの力を必要とするメンテナンス料金を準備できなかったら、車はボロボロで使い古しとなり結局は車の良さを発揮することもなく、愛されなくなってしまいます。

犬を迎える予算のうちから、まず犬のしつけ方や犬について学ぶ料金を差し引いた金額で考えていただきたいですし、すでに犬を迎えてしまったご家庭なら、予算には入っていなかったけどこれはどうしても大切な犬との関係作りのための準備として、犬の学校で学ぶ資金作りをお願いします。

ネットで検索すれば無料の情報はたくさんあるかもしれませんが、自分のように専門家としてお金をいただきながら犬について飼い主さんに指導する立場にある人間は、そのことに対する努力と体力、気力を注いで自らも学び続けています。

十分に学んだつもりでも、まだ力不足であることを感じることもあるのですが、みなさんの学びも自分の学びのひとつとして真剣にこれからも学んでいきます。

犬は育てるものです。大切に育てていきましょう。

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