グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬は違いを見分けるのが上手。“わたし”に特別待遇をしてくれるたくさんの犬たちについて。

犬の行動について説明をするときは、実証されていることの積み重ねで行っていきます。

たとえば、犬が吠える行動をしたときには、いつ、どこで、誰に対して、どのような声で、吠えるのかという情報をできるだけ詳しく把握します。

その中で、「吠える行動」にどのような意味や目的があるのかを推測することで、犬の行動から情報を得ていきます。

ところが、それがたまに特定の人に対してだけ他の対象とは違う「反応」を示すことになります。

今回の話は、犬が他の人にはしないのにわたしに対してだけする行動がとても多いというなぞについてです。

「わたし」に対してだけ違う反応をする犬の例

家庭訪問レッスンの回数が進んでくると、犬はわたしが訪問したときには特別の態度で迎えてくれるようになることは今までにもお話しました。

それは、わたしが特に犬に対してすごく訓練をしているわけではないのにです。

家庭訪問レッスンの目的は「飼い主に対する指導や説明」ですから、簡単なリードの持ち方や多少のやり方をアドバイスする程度で、基本的にはあまり犬に直接的に接しないようにしています。

それでも、家庭訪問レッスンに行ったときのわたしに対する犬の反応は、他の一般的な来客に対する反応とは違う場合がかなりあります。

回数が進むたびに飼い主がいう「いつもはこんなじゃないんです。」のセリフ。

レッスンを受講されている生徒さんたちはこの行動の変化を見ることになります。

はじめての「わたし」との対面でも他者とは違う行動をする犬たちのこと

その違いもいろいろありますが、「こんにちは。」と部屋に足を踏み入れたときにいつもの来客とは違う行動をする犬もいます。

いつもは飛びついていく犬が後ずさるとか、

いつもはそんなに吠えないの、吠え続けるとか、

逆にいつもは近づかないのに近づいてくる犬などいろいろです。

はじめてでも直接対面のときにはわたしの服についている他の犬の匂いや、バッグについている古い犬たちの匂いなどがありますから、「普通ではない」と犬が違いをかぎ取ることがあるでしょう。

しかし、匂いを嗅ぐ相当前から反応をする犬もいるのです。

インターホンを鳴らしたときに「わたし」に対して特別の行動をする犬たちのこと

玄関を入ってもいないのに、まだ一度もあったこともないのに他者とは違う行動をした犬たちもいます。

一頭ではなく数頭、こうした犬がいました。

はじめての訪問カウンセリングのときに、玄関のインターホンを鳴らすと部屋の中から「ワンワンワン」と声が聞こえてきます。

よくあるインターホンに対する吠える行動なのだろうと思い戸口を開けると、犬はかみつきそうな勢いで戸口の前まできています。

「すみませーん。リードをつけていただけますか?」というわたしの声に、びっくりしたようにリードを準備する飼い主さん。

ようやく部屋に入ることができたのですがワンワンと吠え続ける犬にリードをつけて持っている飼い主さんと大声で会話をした結果わかったことは「今まで他人に吠えたことはないんです…。」ということだったのです。

そのときにもこのような例はよくある行動だったので、わたしの方は「そうなんですね、よくあることですから。」と受け流しました。

この犬のように特別な反応をする犬が他にもいます。

わたしのインターホンにだけ吠えてくれる犬について

上記で紹介した犬に似ているのですが、別の犬ちゃんはわたしがインターホンを鳴らしたときだけ吠えてくれます。

宅配のときも友達のときも来客のときも、マンション下のインターホンにもドア前のインターホンにも一切吠えないのに、なぜか「わたしのインターホン」にだけ反応してくれます。

吠えるという行動なので「警戒」であることは間違いありませんが、わたしにだけ反応してくれるわけです。

こちらは過去にもこうした例があったので、何かが違うのだろうなと思うのですが、わたしが見えてもいない状態で「わたしのインターホン」だけに反応するわが犬が何を察しているのかを一番知りたいのは飼い主さんの方でしょう。

もちろんわたしも知りたいです。

わたしが他の人と違うのは何なのか?

いつかそんなこともわかるようになりたいです。


 

 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

犬の多頭飼いで2頭目に子犬を迎えるならいつ頃がベストなのか。

「先生、子犬を飼いたいんですけどいいですか?」

推定7歳になる犬とトレッキングクラスに通っている生徒さんからの突然の質問でした。

今まで、7ケ月くらいの犬や3歳くらいの成犬を保護犬として迎えて育てて来たけれど、一度も子犬を育てたことがないので一度は子犬を迎えたいということでした。

先住犬と4年ほど暮らしているので、おそらく推定ですが7歳くらいか。

そうなると子犬を迎える時期は、このコが旅立ったあとに迎えるか、もしくは今迎えるかのどちらかになります。

先住犬が10歳にもなってしまうと活動力が落ち、子犬に対応する体力も気力もなくなります。

先住犬は社会活動を縮小しようとするのに対し、子犬は成長と共に社会活動を広げることになり、共に活動することが難しくなります。

これは、犬との活動場所のほとんどが室内だという飼い主にはどうでもよいことです。

でも、先住犬と毎日山歩きをしているような彼女には重要なことです。

「子犬を迎えるなら今…ですね。」

多頭飼いを始めるために必要な環境とは

多頭飼いとなると他にも考えなければいけないことがあります。

・生活上のスペース

犬と人が生活をしているスペースが十分にあるのかという問題です。

室内でそれぞれの犬ともちろん人も休める広さがあるのか。

庭に2頭の犬がお互いにリラックスできる広さがあるのか。

2頭の犬を別々に散歩に連れていくこともあれば、場合によっては2頭をふたりで、もしくは2頭をひとりで散歩にいくことになるかもしれません。

車に乗せるなら、2頭の犬をのせて移動ができるのかどうか。

・物質的な問題

2頭の犬を飼育するための資金が確保できるのか。

2頭目を迎えることで先住犬の生活の質が落ちるようなことはないか。

動物病院に連れていく資金があるのか。

子犬のトレーニングクラスのための資金があるのか。(※重要!)

・時間の問題

留守番を数時間程度にとどめられるほどの時間的余裕があるのか。

・家族の問題

小さな子供やお世話の必要な家族などにかかわる時間や労力を減らすことなく子犬を飼えるのか。

・社会性の問題

先住犬は子犬を迎えられるほどに精神的に成長しているかどうか。

先住犬は子犬の社会性の発達を阻害しないような安定した性質であるかどうか。

先住犬は子犬が成長して多頭飼いとなった場合、今よりも豊かな社会生活が送れるのかどうか。

そのような柔軟性のある子犬の確保ができるかどうか。

 

考えなければいけない問題がたくさんあります。

先住犬のいる環境に子犬を迎えて多頭飼いを始めたいとなると、最初の条件をクリアした上で迎えて下さい。

「子犬を迎えるなら今…」と思い悩んでいたような生徒さんですが、翌日になると「子犬を見てきました!」とラインで報告がありました。

思い悩んでいたように見えたのですが、すでに子犬を迎えることは決まっていたようですね。

子犬は先住犬と共にスクスクと成長しています。

新しい子犬が来たことで、先住犬も成長する、飼い主も成長する、飼い主の家族も成長する。

家族が豊かになりその成長が周りの人々へも影響を与えていく。

これが多頭飼いの目指すところではないでしょうか。

子犬くんはそろそろトレッキングデビューしそうです。


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

山のお預かりクラスで犬の社会化が進むのは安心できる場所、管理と時間があるから。

お預かりクラスを繰り返しご利用いただくたびに、犬の行動に変化が訪れてくるのを見るのが毎回楽しみです。

七つの山に囲まれたこの空間の中に、飼い主から離れて過ごしている犬。

最初は不安を抱えている犬も、繰り返しお泊りに来てくれるようになることでここでの過ごし方に馴れていくようです。

特に「おひとり様お預かりクラス」の場合には優雅にテラスを独り占めしています。


写真の中に犬ちゃんの姿は見つかりましたか?

ひさしの向こう側の下あたりにチワワちゃんが休憩しています。

テラスの上で、周囲見張っていたり休んでいたりしながら一日をゆっくりと過ごしています。

寝ているようですが、たくさんのものを感じています。

空気の流れ、その流れにのってやってくる匂い、太陽や雲の動きで変わる気温、湿気と風、鳥たちの声、川の流れる音、草のふれあう音など。

この中心的テリトリーから出るときは、私と共に広場や散歩やトレッキングに行くときです。

戻ってくると、ここが自分の居場所とばかりにすぐにお庭に入り、テラスの上や草の中にある所定の位置にむかいます。

寝場所はドアの内側にあるクレートの中。


クレートカバーの隙間から撮影したけれど起きてしまいました、ごめんなさいね。

クレートの中は犬にとっては巣穴なのでここには外敵は入ってきません。

ゆっくりと丸まって頭を休めて、そしてまた外で見張り番をしています。

この小さなチワワちゃんを空からみたらどんな風景なのか。


グーグルマップの航空写真でみたらこんな感じです。

ブルーの丸印がチワワちゃんが休憩しているテラスですね。

周りは緑に囲まれた山です。

都会のマンションの中と比べるとやっぱり環境が大きく違います。

犬にとっての楽しみや幸せは、オヤツを食べることやドッグランで走り回ることでは全く物足りないと考えています。

犬にとっての充実した時間は、犬としての時間を持つこと。

それがこの風景の中に自分の居場所を持って役割を果たし、心地よく一日を終えることなのです。

犬たちがこうして過ごしてくれるから、テラスの片づけも頑張らなければ!


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

犬の脳を発達させるために「庭」の活用は必須です。

先日のオンラインクラスの際にご質問を受けたのは「犬の脳の発達について」でした。

「犬の脳の発達」というと仰々しく聞こえるかもしれませんが、動物が幸せに生きていく上で脳の発達について考えるのは当然のことです。

犬の心身の機能は脳の機能にゆだねられているのは人と同じことです。

「犬の脳」などというと「犬にも脳みそがあるのですか?」と冗談抜きで言われたこともあります。(本当に冗談抜きで!)

つまりは、単純に「犬を飼う」ことだけの簡単なことなのに、なんでそんなに面倒なことを考えなければいけないのかという疑問なのだと思います。

しかし、犬の行動があまりにも不安定で、不健康なものになっていくこの時代に、あえて「犬の脳の発達」というそろそろ考えなければいけないことを飼い主さんに考えていただいても良い時期ではないかなと思っています。

そうはいっても、飼い主として「犬の脳の発達」のためににやらなければいけないことはそれほど難しいことではありません。

犬の脳を発達させるために一番身近にあって活用するべきなのは「家の庭」です。

庭とは自然を家の空間にきりとって持ち込んだものです。

日本でなく海外の都市空間の家には必ず「庭」があります。

国は違えども人は自然空間と切り離されて生きていくことはできません。

それを身をもって知っているからこそ、家の敷地の中に「小さな自然=庭」は必ずありました。

その小さな自然として切り取られた「庭」で犬を活動させることが、犬の脳の発達のためにすぐにできることであり、また最も効果的な方法です。

博多の小さな庭にできるだけ柔らかい土が戻ってくるように雑草を育てているのも、少しでも犬たちが「庭」で過ごす時間ができるようにと考えたからです。

もちろん、私自身も都会で息がつまりそうになることを回避する空間にしたいという思いもありました。

以前からブログ記事に書いていることですが、マンションで庭がない方も、ご近所や友人、知人、親戚、実家などなど、あらゆる手を使って自分の犬が庭とつながりを持っていられるように努力すべきです。

犬ができるだけ幼少期から始めた方がよいことをお伝えしておきます。


 

Posted in 犬のこと

うちの犬って太ってる?と思うなら犬の頭をよくみよう。

うちの犬って太ってますか?それとも痩せてますか?

とよく尋ねられることがあります。

太っているとか痩せているとか、犬は全く気にしないことを気にする人間も不思議なのですが理由はこうでしょう。

とにかくほとんどの犬は食べ物を与えたら与えただけ食べてしまいます。

犬がごはんを食べる速度もすごく早いし、食べたあとも何か物足りなさそうにしています。

それを見ると「ごはん、足りてるのかな?」と心配になることでしょう。

犬がいらないと思うほど与えたら肥満になることは間違いありません。

だから人間が食事の制限をするのですが、この量でいいのかな?痩せてないかな、それとも太ってないかな?となるのでしょう。

 

犬の体形を正しくみるなら頭部に注目すること

犬の体形判断するのなら、一番見なければいけないサイズはウエストではありません。

犬の頭部の大きさをまず見るようにしましょう。

動物の体の中で一番重たいものは「頭部」です。

その頭部を支えるために体がバランスをとっています。

同じ原理は人にも当てはまります。

私はかなり頭のサイズが大きいです。

小学校一年生のころに登場した「シャンプーハット」をお風呂でかぶろうとして頭が大きすぎて破壊した経験を持ちます。

その頭を支えるための体はがっちりとしていなければいけません。

小顔の方がうらやましいのですが、小顔の方は細身の体形をされています。

犬も同じように、頭のサイズが小さいなら体は細身でバランスがとれる。

頭のサイズの大きいものは胸回りの骨格も大きくなります。

これで体のバランスをとっています。

むかしなら「犬のごはんの量は頭のサイズ」と言われたこともありますが、これもまた全く意味のないことではなさそうです。

しかし今は人も犬も過食による肥満の時代です。

太っている方がかわいいという気持ちになりがちですが、肥満は病気ですから気を付けたいものです。

Posted in 犬のこと

いつの間にか犬の罠(=トラップ)にはまっていませんか?

最近、七山の家のテラスに設置した暗視カメラに、夜中にイノシシが庭をうろつく姿を確認しました。

今年こそは境界線を越してくるイノシシに対して、罠をしかけようと息巻くうちの罠師が、構想だけは組み立てが進んでいるようです。

野生動物との戦の中で必須の「罠(わな)」という戦略ですが、実は犬もよく罠を使います。

犬が他の動物をとらえるときにも罠を使うことがありますが、この罠は犬と人の間でも使われることがあります。

犬が飼い主に対して罠を仕掛けるとき

罠(トラップ)とは、罠を仕掛けられる方が何等かの形で相手の思惑にはまる、ということです。

野生動物の場合には、罠を仕掛ける方が「捕獲」を目的としているので罠にかかったということは「捕獲」に成功したということです。

罠はもっと別の目的でも使われます。

犬が飼い主に対して罠を使う一番多い例はおもちゃ遊びで見られます。

犬が飼い主の前におもちゃを持ってきます。

「あそびたいのね。」と飼い主はそのおもちゃを投げてあげます。

犬は素直にそのおもちゃを飼い主のもとに持ってきます。

そしておもちゃを飼い主の目の前に置きます。

飼い主はそのおもちゃを手で拾おうとします。

そのときに犬は飼い主の手に歯を当てます。

これは犬の罠にはまった飼い主の例です。

こうしたことがあると「偶然、歯が当たった」とか「たまたま」と言われることがありますが、この行動は一度でなくなんども繰り返されるはずです。

似たようなケースでは、飼い主の目の前におもちゃを置いたあと、飼い主がそれを拾おうとするときに、犬はさきにおもちゃを口にします。

ひとつのものをお互いの間において、相手がそれを獲ろうとするときに自分が先に取る。

犬が自分の優位性を示す行動としてはとてもわかりやすいのですが、飼い主が犬の思惑にはまってしまうために、結果として犬の罠にかかったということです。

なぜ犬は罠を使うのか?

犬はそもそも動物を捕獲して食べる捕食性という行動を身に着けています。

それが犬の生得的行動であり、つまりは犬の習性です。

家庭犬になれば、動物を殺して食べるという習性を発揮する機会はありませんが、バッタや蝉などの昆虫を食べる犬たちはまだたくさんいます。

犬がそこまで考えるわけないという見方もあるかもしれません。

しかし、生きるために哺乳動物を捕獲しなければいけない捕食性動物にとって、相手の行動を先読みして行動する能力があることは当然のことです。

そもそも犬が捕食する動物であることすら忘れてしまってはいないでしょうか。

実は、こうした先読み行動は日常的にたくさん行われています。

飼い主は、犬との暮らしで案外たくさんの犬のトラップにはまり続けている可能性もあります。

日々の暮らしの中で自分の能力を高めていく、それが動物なのです。

犬もまた「罠」という戦略を使うことで自分を高めているとしたら喜ばしいことではあります。

でも罠にはめられているが飼い主となると笑いこととはいえません。

ここは気を引き締めて挽回してください。

Posted in 犬のこと

雨が降り止むのを辛抱強く待ち続ける犬

梅雨のような豪雨で携帯電話の非常音が今日はなんどもなりました。

七山に来ていますが異変はなく、毎年の梅雨のような風景になっています。

お盆なのでお預かりの犬ちゃんたちといっしょに七山にいます。

 

しかし今日は朝からずっと豪雨でした。

とりあえず2頭の犬は表のテラスに待機させて、雨が降りやむのを待つことにしました。

2頭の犬ちゃんたちは別々の飼い主さんと暮らしていますが、散歩コースが重なるらしくトレッキングクラスでもよくご一緒されていたので犬同士はお互いを覚えているようでした。

お互いの社会性の段階もありますので仲良く遊ぶというわけではありませんが、年齢も性別も同じ、お互いが気になる存在で関わりをどのように持っていいのか葛藤中というところです。

その2頭の犬ちゃんたちが見上げているのは雨の降る空。

とくにシュナウザーのきいろちゃんは、いつも雨のときにはそうなのですが雨雲をにらむように見つめてテラスの端に仁王立ちします。

それも数十分ではなく1時間以上そうしていることもあるほどです。

空から降ってくるこの雨という物体がいなくなるのをじっと待っているような感じです。

疲れると横になって休み、また起き上がって仁王立ちして空の方を見ています。

少し降りやんできたから出ようかなと準備をすると、また降り始めるの繰り返し。

同じ待つのだったらハウスの中の方が落ち着けるだろうとハウスに入れても、やっぱり外に出るといって空を見ています。

自分の力ではどうしようもないこの天気が変わっていくのを待つ、ただそれだけのことなのですがその辛抱強さに、動物はやっぱり強いなと思いました。

家の部屋の中にいて雨が止むのを待つのもハウスの中で雨が止むのを待つのも同じではないかと思ってしまうのですが、大切なのは状況の変化を受け取るということなのでしょう。

こうしたたわいのないこともまた犬の楽しみであると感じて尊重する時間としました。

一度だけ空を見ていたはずのきいろちゃんがオポのお墓の方に向かって吠え始めました。

お盆のこの時期、オポが帰ってきてくれたらうれしいなと思っていたので、きいろちゃんの短い警戒吠えも笑いに変えてしまいました。

豪雨の続く七山ですが、預かりの犬ちゃんたちはオポが守ってくれるから大丈夫。

そう信じることでこの不機嫌な天気を乗り越えていきます。

Posted in クラスのこと, 犬のこと

雨の日は犬の散歩に行った方がいいですか?にお答えします。

犬の飼い方の価値観がずいぶんと変化してきたようで、以前は聞かれることのなかったようなことを聞かれるようになりました。

雨の日にも散歩に行った方がいいですか?

この質問も最近になって尋ねられるようになった質問のひとつです。

それで今日は私なりにお答えします。

まず散歩には毎日連れていくことが基本であるということを前提に始めます。

雨の降っている日に散歩に行くと決める条件

・人が雨具を着て歩くことが容易である小雨の場合

雨の日に傘をさして散歩をすることもあるかもしれませんが、中型犬以上のサイズの犬には傘をさしての散歩はおすすめしません。

犬はみなさんの予測を超える行動をすることがあります。

その犬の安全を守りたいという気持ちがあるなら、両手が使える状態で散歩に行くようにしてください。

小型犬は体重が軽いので片手でも持てるでしょうが、それでも傘をさしての散歩はあまりおすすめしたくはありません。

 

雨の降っている日に散歩に行かないと決める条件

・暴風のあるとき

雨はあまり振っていなくても、傘が飛ぶような暴風雨のときには散歩にはいきません。

風で何かが飛んでくる可能性があり雨よりもずっと危険です。

台風のときにも同じです。

・雨具で歩くには支障があるほどの大雨の場合

特に雨の強い時間で夜間は車も視野がきかなくなっているために散歩はおすすめしません。

必要があってでるなら反射シートなどのついた雨具を着用したり犬のリードやハーネスにも装着するようにしてください。

・雷のあるとき

当然のことながら雷が近いと判断するときには動物は行動しません。

 

雨の日にはどうやって排泄をさせたらいいのですか?

一番良いのは自宅の庭にトイレ場所があることです。

それが庭などの屋外であって、多少犬が濡れてしまうことがあっても小雨や暴風をさければ犬は排泄に行きます。

しかし、天候が非常に悪いときには犬たちも警戒しているので排泄をがまんしていることがあります。

動物としての本能的な行動なのでここは尊重してあげましょう。

ベランダを排泄場所として使用しているときにも庭と同じです。

雨には濡れないでしょうが暴風時はトイレ場所をまどの近くに移動するなどの配慮をしれあげてください。

排泄場所が自宅の庭やベランダになく散歩でしか排泄をしない犬の場合には、上記の天候基準をもとに、小雨や降りやんだときに一番近いトイレ場所まで連れて行ってください。

犬によっては一日に2回排泄に出るのに、天候のために1回しか出たがらないこともあります。

これも動物としての本能的なものです。

暴風などで危険な状態のときには動物は巣穴などのテリトリーからあまり離れようとしません。

排泄をがまんしているのではないかと心配されるかもしれませんが、排泄行動に抑制がかかる状態が普通なのです。

危機的な状態を察知すると人間も排泄にいく回数は減ってしまうと思います。

犬がこうした天候の変化に敏感になりすぎることは管理する側の人間にとっては不都合なこともあります。

でも、犬が「天気」という自然とつながっている動物だからこそ人間は犬から教えてもらえることがたくさんあったのだと思います。

むしろ今は犬が自然と切り離されてしまったがために少雨でも雨の中を歩けない犬が増えています。

犬の立場にたって考えなければならないことがたくさんあるということですね。

雨の中であそぶプティくん



 

 

Posted in 犬のこと

犬の行動の多さよりも表情の豊かさの方が社会性の発達に影響している。

犬のコミュニケーションを学ぶ「犬語セミナー」オンライン講座、まだ準備中。

少しでもコミュニケーションについてお伝えしたいので今日はそんな話題にします。

あまりにも当たり前のことなのに、あまり理解されていないこと。

それは、犬のコミュニケーションの発達は、犬の社会性の発達に直結しているということです。

そして、犬の社会性の発達は犬の豊かな社会生活を作ります。

さらに、犬が豊かな社会生活を送ることは、犬の幸せの値にも相当します。

だからこそ飼い主は犬と自分がわかりあえるようにと努力をするのでしょう。

でもその努力は本当に的を得ているものなのかどうか、犬は確かにコミュニケーション能力を発達させてるのかと疑問を感じる飼い主の行動がたくさんあります。

そこで質問します。

犬のコミュニケーションが発達しているかどうかを判断する「基準」としているのは何でしょうか?

多くの飼い主の誤解が実はここにあります。

犬のコミュニケーションを発達させるつもりで、オスワリ、オテ、オカワリを教えていないでしょうか?

オスワリなどの号令や合図は犬の社会生活に欠かせないものですが、合図をしたら行動をすることは、犬のコミュニケーションの発達することとは少し異なります。

もしくは、犬がじゃれついてきたり、とびついてきたり、鼻をならしたり、吠えたり、前脚をかけてくることを、犬のコミュニケーションだと勘違いしていないでしょうか?

実は人に対する犬の行動の中で、コミュニケーション行動だと思われている行動の多くが犬のストレス性行動や攻撃性行動なのです。

それは犬と犬のコミュニケーションに置き換えてみるとすごく単純にわかることです。

犬の本来のコミュニケーションの発達とは、そうした大きな動作や行動よりむしろ細かな表情やシグナルの発達にあります。

私たち人間にはほとんどわからない程度の小さな表情の動き、それは顔面の筋肉であることもあるし、尻尾の動きであることもあるし、背中の毛の動きであることもあります。

こうした表情筋の動きや細かなシグナルを読み取ることのできない人間は、犬からのコミュニケーションを要求行動と置き換えてしまいます。

かまってほしいと言っている、ごはんがほしいといっている、ボールをなげてほしいといっている、抱っこしてほしいといっている、これすべて要求行動です。

逆に犬と犬のコミュニケーションをみてみましょう。

コミュニケーション力が発達している犬は、表情筋がとても豊かであることがわかります。

そしてコミュニケーション力が発達しにくい犬は表情がとても乏しいのです。

同じ表情が続くというか、筋肉に変化が起こりにくいのです。

生まれたばかりの子犬のころどの犬もコミュニケーション力がまだ未発達のため行動は大きいのですが表情筋肉はまだ十分に発達していません。

しかし生後2ケ月になると明らかに表情が出てくるようになります。

表情筋が豊かに発達している犬はコミュニケーション力が高まる可能性を秘めています。

犬の小さなシグナルを受け取れるようになると、人に対してもよく会話をするようになります。

犬種によってはわかりにくい形のものもありますが、読み取り手がいることでなりたつコミュニケーションなので変化をみていくこともまた楽しいものです。

ただし注意してください。

犬を観察したいという思いが強くなり、犬をじーっと見るのはやめましょう。

犬は特別なことがない限り他者に注目することはありません。

マスク生活でも表情は大切。

私たちも同じことかもしれませんね。

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犬のハエ追い行動(フライバイティング)はストレスが原因なのか?

前回のブログ記事で犬の「常同行動」について書きました。

このタイミングで犬が虫を追う行動についてのご質問があったので、あわせてこちらに説明します。

犬が虫を追う行動は、犬のハエ追い行動と同じ部類の行動です。

実際には虫やハエはいないのに、犬が虫を追っているような、ハエを追っているような行動をします。

対象のないものに対する真空行動が繰り返し起きる常同行動です。

飼い主さんから見ると不思議な行動なので見逃されている方も多いのですが、犬の行動観察に関心のある方や、犬の行動に興味を持っている方が気づかれることがあります。

室内でこのような行動をしているのですが…。

と動画を見せていただいたのですが、それは犬の虫追い行動・ハエ追い行動でした。

 

実際にはないものを追うこの行動のパターンは犬の神経症と結びつく可能性もあるため飼い主は、「犬が何かの病気にかかっているのでは」「犬の脳に何か障害があるかもしれない」という不安を抱かれる場合もあります。

しかし、犬の真空行動が出たからといって、必ずしも犬が障害や病気を抱えているわけではありませんので慎重に経過を見る必要があります。

犬の真空行動転移行動転位行動と同じように、犬が葛藤したときに出現する行動でもあります。

犬には葛藤で生じる行動がたくさんあります。

飼い主にとっては犬に葛藤などが生じるということ事態が信じられないかもしれません。

犬でいう葛藤とは犬の欲求が十分に満たされないことで起きる葛藤です。

というと、納得されるのではないでしょうか。

犬が必要とする欲求が十分に満たされていると自信を持って言えるでしょうか。

犬の欲求とは、犬が犬という動物としての習性を発揮することです。

例えば、犬には性的な欲求がありますが、これは不妊手術でその欲求をコントロールすることができます。

しかし、それ以外の犬の本能的は欲求はほとんど満たされていません。

そのために、犬は欲求不満に陥り、葛藤行動を生じるようになります。

その葛藤行動のひとつがハエ追い行動という常同行動なのです。

犬が神経症を抱えていると判断する前にまだできることがあります。

犬の欲求不満を解決するための策を考えてみることです。

ちなみに、山の学校で犬のお預かりクラスをしているときには、普段その犬が家庭内でしている常同行動を見ることはありません。

実際に虫を追っていることはあっても、いない虫を追うことはありません。

犬が病気であるかどうか、犬が障害を抱えているかどうかを決める前にやってほしいことは、犬を自然の環境の中でゆっくりと過ごさせることです。

環境を変えて犬の行動を観察すること。

これも飼い主が犬を知るためにできる大切なことです。

写真はすくすくと成長する犬ちゃん



 

 

 

 

 

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