グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<クラス>質問「どうやって止めさせたらいいんですか?」に答えはありません。

毎日のクラスを通して、飼い主さんからたくさんの質問を受けます。

質問があるのはすばらしことなのです。

わたし自身、セミナーに出席したときも終了後は必ず質問をします。

質問はあるのが当たり前ですし、良い質問はセミナーの質を上げると確信しています。

同じようにクラスを受講される飼い主側に質問があるのは当たり前のことですし、良い質問はクラスの質を上げます。


このたくさんの質問の中でも最も多い質問が、「犬の○○をどうやって止めさせたらいいんですか?」という質問です。

特にトレーニングクラスに入られて間もない生徒さんたちからこの質問が出ます。

結論から言うとこの質問に答えはありません。

例えるなら「うちの子供がゲームばかりをするのだけどどうやって止めさせたらいいんですか?」とか「うちの嫁がいらないものばかり買ってくるのだけどどうやって止めさせたらいいのか?」と尋ねているのと同じことです。

犬の場合のこのケースではこんな質問になるでしょう。

犬がとびついてくるのだけど、どうやって止めさせたらいいですか?

犬が家具をかじるのですが、どうやって止めさせたらいいですか?

犬が来客のときに吠えるのですが、どうやって止めさせたらいいですか?

犬が食糞をするのですが、どうやって止めさせたらいいですか?・

犬がリードを引っ張るのですが、どうやって止めさせたらいいですか?

犬がかみつくのだけど、どうやって止めさせたらいいですか?

・・・・・・・・・・・・・・・・

エンドレスですね。


継続して起きる動物の行動を止めさせる手段はないのです。

継続して起きる動物の行動の大半はストレス性行動というものです。

ストレス性行動はつまりストレス行動、動物にストレスがかかることで起きている行動です。

ストレス性行動は叱ったりほめたりしても全くなくなりません。

悪いと思っているのにやっているとか、私を困らせようと思ってやっているという考え方もいったん横に置いてください。

犬が日常的に落ち着かない状態にあるのですから、犬の生活環境を整える、接し方を変える、犬の欲求をきちんと満たすための機会や環境を与える、犬の習性に見合った環境を提供するなどの根本的な対応が必要です。

そしてこれらの対応は対処法とは違い整備にも時間がかかりますし、飼い主さんの理解と行動の修正にもかなりの時間を要します。

こうした変化を促すことが犬のしつけ方やトレーニングになるのですが、結果を早く求めたい飼い主はどうしても「止めさせる」という思考回路から抜け出せずにフラストレーションを抱えます。

じっくりと犬のしつけに取り組んでいただいても犬の行動に変化が起きるのに数週間とか数ケ月かかることがあります。

犬をよく観察したり理解できる人から見ると変化していくことが事前にわかるのですが、表面的にしか見ることのできない段階では飼い主目線でこの変化に気づくことができなくてつい焦りも出てしまいます。

トレーニングを受けても全く変わらないと感じるのか、少し変わったように思えるになるまでに時間もかかるのです。

焦ってしまい叱ったりほめたりすることに頼って犬の行動を変化させようとすると、犬はとても不安定な状態になっていきます。

叱ることとほめることがしつけだと思っておられるなら、この落とし穴から脱出しましょう。

落とし穴が浅ければ自力で脱出して穴の中から見えているものとは違うものを見てください。

落とし穴が深すぎて自力で脱出できなくなった飼い主さんには、私が脱出のためのはしごを提供しますので自分で上がって来てください。

叱ったりほめたりしようとしてなんとかしようとしているのは、世界が犬と自分だけになってしまっているからです。

私たちを取り巻く世界はもっと広いのです。その世界に気づいていただく機会をつくるためにトレッキングクラスをしています。

とても広く可能性もたくさんあるのに、小さな枠にとらわれているのは飼い主さん、そしてその囚われの中に入っているのが犬です。



どうやって止めさせたらいいんですか?の質問は、トレーニングクラスを重ねるうちに飼い主さんの口からきくことがなくなっていきます。

飼い主さんが変化されたのだなと感じるときであり、インストラクターとしてはとても喜びを感じるときです。

そしてここからステップアップが始まります。

焦らずじっくりと楽しみながら、犬のしつけは結果ではなく過程が人と犬の関係をつくっていくことを大切にしていただきたいです。

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<犬のこと>犬が季節を感じる環境が毎日どこかにありますか?

人の暮らしに寄り添うことが生きることになっている現代の犬たちにとって、毎日の幸せって何でしょう。

おいしいゴハンを食べたり、おやつをもらうことだったり、人になでてもらうことでしょうか。

食べたり安心して寝たりすることは犬が生きていく上で一番欠かせないことですから、食事と睡眠と休める場所を持っていることは幸せのベースであることは間違いありません。

でも動物として生きる幸せを考えるとき、これだけで幸せというにはあまりにもさびしいものです。


犬の表情や行動をずっと観察していると、犬たちがちょっときりッと緊張したり、ふんわりして力を抜いたり、目を輝かせているときは、やっぱり自然を感じているときだと思います。

太陽や風や緑や土のにおいをかぎながら、犬の生きる環境の中で少しずつ変化していく小さなことに気持ちが向いてしまうのは人だって同じことです。

例えば犬との散歩中に梅の花が咲いていのを見つけたり、どんぐりが落ちていることに気づいた位r、良い花の香りが漂ってくるときに、世界がちょっと豊かになった気持ちになります。

変化するこの季節の中に生きているということが時間の流れを感じさせるときでもあるし、そのひとときを味われるときでもあります。

そしてこうしたひとときこそ、犬とともに環境を共有し季節の移り変わりを何かの変化を感じることで知覚し、何か特別な気持ちを共感するそんな小さな幸せのときです。

この小さな幸せを全く失ってしまうことを恐れるからこそ、人は都市空間に公園を残し遊歩道を作って木を植えたり花を育てたりしているのでしょう。

さびれた都市空間を犬と散歩をしても、わずかに残された自然にふれることは、散歩のごほうびです。


散歩と同じように自宅の庭の空間で季節の移り変わりに触れることは、自然にふれること。

生徒さんがご自宅で春の芽吹きを見つけた犬ちゃんの写真を送ってくださいました。

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木から芽吹く緑のにおいに引き寄せられてにおいとりをする梨江ちゃんの姿です。

実は梨江ちゃんは生まれながらに抱えている病気があり、散歩に出ることができません。

幸いにも梨江ちゃんのご自宅には十分に整えられたお庭があり、梨江ちゃんは毎日多くの時間を庭で過ごしています。

毎日においをとってパトロールをして、庭に変化があるとこうしていち早く見つけます。

散歩に出かけられる犬たちと比較すると梨江ちゃんの世界は小さなものですが、その犬の中にある世界は決して小さなものではありません。

世界は脳が作っているのですが、犬は人のように余計な妄想を膨らませて世界を作ることはありません。

ですが、犬がストレスを抱えすぎると犬の脳は特定の場所にかたまるようになり自虐行動や執着行動、不安行動と特定の何かに執着する萎縮した世界を構築してしまいます。


犬の世界を変えてくれるのは、結局は自然の世界です。

ほんの小さな自然でも構いません。どこか自宅の近くに自然の力を感じられる空間があれば、まずはそこから感性を育てましょう。

小さな梨江ちゃんもまだこれから世界を広げていく可能性も十分に持っています。

実は梨江ちゃんですが、お庭への階段をひとりで降りて自力でお外に行けるようになるのに、数ケ月かかりました。

最初は庭に連れていっても、すぐに部屋に戻ってしまうような状態だったのです。

その段階でお外が苦手と決めつけて梨江ちゃんを室内に閉じ込めてしまっていたら、梨江ちゃんには今の世界はなかったことになります。

何がかわいそうなのか、本当の愛を持って考えていただけると犬にとっての困難もいっしょに乗り越えていくことができます。

犬は最初から自然万歳ではないのです。

犬は慣れ親しんだものから離れるのが怖いのです。

だからこそ飼い主さんがいっしょに歩いてあげましょう。


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Posted in 犬のこと, 自然のこと

<本の紹介>犬の見ている世界をもっと突き詰めたいから読んだ「妻を帽子とまちがえた男」

年齢とともに文字が読みにくくなり困難になってくる読書だけど、やっぱり読むと心が落ち着きます。

本を読むということは、すばらしい出会いであり迷路から脱却するための脇道を見せてくれる方法になります。

のめりこんで読む本がそれほど多いわけではないけど、この本は久しぶりに何度もページを行ったり来たりしながら繰り返し読みました。

著者はオリバー・サックス先生で、神経学の臨床医です。

映画「レナードの朝」の原本となる「めざめ」という本を書いた方というと、覚えのある方もいらっしゃるでしょう。


この「妻を帽子とまちがえた男」で紹介されているのは、さまざまな脳の病気を持つ人々です。

脳の病気によって作られるそれぞれの人の生き方や世界を紹介し、皆さんひとりひとりが、人としてのアイデンティティを損なわずに生きていることが記られています。

病気によって正常に機能していない脳を否定するのではなく、どのような環境でどのように生きることで本人が安らぎや満足を得ているのか、逆に苦悩や困難を抱えているのかという様子を本によって知ることができます。

オリバーサックス先生がそういう視点で患者を見て接していることが感じられるのです。

その中で医師としてできること、またやりすぎたこともやらなかったことにも触れてあり、本を通してかかわるものの立場についても教えられることが多くあります。


この脳に病気を抱えた人についての本について関心を持つのは、やはり犬について知りたいという気持ちからです。

人も様々な環境や事故や病気などにより脳に異変を起こすことがあります。

その脳の異変により人とは違う行動をしたり、把握する環境が人とは違うものになったりします。

そして、それらは人の性格ではないのですが、続くとやがて人格の一部となるものもあります。


犬は人以上に脳にストレスを抱えやすい環境で過ごしています。

犬に対する極端な人為的繁殖、出産時に抱えるトラウマ、幼少期に過ごした環境、成長期に与えられる環境など、これらが犬という動物にとってはあまりにも自然から遠く過酷なものです。

犬も人と同じように脳を持つ哺乳動物です。

その中身の機能性や使い方は人とは違いがありますが、犬も同じように脳の機能を正常に働かせることで行動や情緒の安定をはかっているのです。

犬の脳にどのような変化が起きているのかを飼い主としては行動を通して知ることしかできませんが、オリバー先生も同じように行動を通してその人の生き方を模索していくのです。

自分たちが犬とかかわるやり方と、同じだと思うのです。

人という動物について知り、そして犬という動物についても知ることのできるこうした本が私は好きです。


すべての犬が脳の病気を抱えているとはいいません。

ただ行動の不安定さや、過剰なストレス行動を繰り返すと脳はやはりそのストレスを抱えきれず一部が損傷してしまうこともあります。

だからこそ、早く気づいて環境を整え、もし脳が傷ついても早めにその傷をいやして犬という動物として尊厳をもって生きていってほしいと思います。

そのためにできることを探し、見つかったらやってみる、それしかやることはありません。

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犬のことを毎日考えたり学んだりしながらする過程の中で、考えることについてヒントをくれるのは犬について書かれた本ではないのです。

Posted in 本の紹介, 犬のこと

<おすすめのアイテム>犬用ハーブについての追加の意見

先日、ブログで紹介した犬用のハーブについての追加の情報と意見です。

最初のご紹介ページは以下からご覧いただけます。

<おすすめのアイテム>サプリメントも使いかた次第:犬用のハーブは犬の健康のためにおすすめします


犬用のハーブと上手につきあっていくためには、自然療法というものとどうやって折り合いをつけたらいいのかということだと思います。

このことについて、自分が飼い主としてこうやって選んだり考えたりしてきたということをお話します。


たくさんある犬用のハーブを選ぶにあたり、どの商品を選んだらいいのかで迷われることでしょう。

まずはコストパフォーマンス、値段が安い方が良いに越したことはありません。

かといって安かろう悪かろうでは結局お金を無駄に使うようなものです。


ハーブは一度に使う量は少量と限られています。

100グラムのハーブを購入したとしても、小型犬なら1回に与える量は小さじの半分とか4分の1くらいの量です。

ほんの少量なので、100グラムのハーブで半年くらいは継続して使用できます。

ハーブは保管状態が良ければ悪くなることはありませんので、安いものを買うというよりも良いものを継続して使うことを考えて大きめのサイズを購入されることをお勧めします。


価格よりも先行して選択の理由としたいのは、むしろどのハーブが使われているかということでしょう。

ハーブは目的に応じて選ぶものですから、その目的にあったハーブを使いたいからです。

目的の例としては、デトックスとか、消化器系のサポート、関節のサポート、皮膚用など様々です。

目的にあったハーブを使いたいために、ハーブのどんな種類が入っているのか調べてみたり関心を持たれることはとても大切な勉強になります。

以外に身近なハーブが使われています。

たとえば、ショウガやアザミといったハーブも使われていて、人と同じ用途になっているので学ぶことも多いです。


ですがここで一番大切なことを忘れてはいけません。

個々のハーブにはそれぞれに効能的なものがあり、こうした作用がありますよといった分類に分けることができます。

ただハーブの力が本来発揮されるところは、これらの個々のハーブたちの「調合」にあります。

この「調合」がうまくいっていないと、ハーブたちは結束して力を発揮することができず、ただ競うあうだけの存在になってしまいます。


ハーブたちがうまく協力しあって作用してくれるように「調合」する専門家、それがハーバリストなのです。

調合に関しては漢方薬と同じと考えていただけます。

以前、漢方薬局で薬剤師の方に食事について質問されてたときに、雑穀を白米に混ぜて食べる十六穀米かなにかを食べていると自信ありげに話したのですが、それは調合の問題なのでたくさん食べればいいということではないと即答されたときには驚きました。

つまりはハーブも同じように、効果があるからとたくさんとりすぎても意味がなく、経験のあるハーバリストが調合したものこそエネルギーを発揮するということです。

成分的な作用はもちろんあるのですが、ハーブはそれ以上にエネルギーを用いた自然療法のひとつであることを否定できません。

私はハーバリストではありませんし、ハーブの専門家でもありません。

ただ自分が思う犬にハーブを与えるというのは、犬に自然エネルギーをいただくという意味を持っているということです。


ということは、他の癒しと同じように短い間で結果を出そうと取り組むと失敗に終わることが多いのです。

どんな癒しによる変化も、いつの間にかそうなっていたというように取り戻すように変化していくものであって、急激に良くなったと感じられるようなものではありません。

もちろん、こうしたハーブを自然の雑草の中からとるのは大賛成です。

犬たちはそれぞれに自らのハーバリストですから、自分の体調に応じて必要な雑草があればそれを体に取り込もうとするのは自然の力のなす技であり、ぜひその力を使ってほしいからです。

ところが、都会にはなかなか豊かな雑草の生える空間がありません。

豊かな雑草という言い方自体が間違っているといわれそうなくらい、雑草たちは都会では生えることも許されていません。


犬の中には自然とのつながりが遠くなってしまい、雑草を食べることもできなくなってしまった犬もいます。

こうした犬たちの中にはハーブを食事にいれるとごはんを食べない場合もあります。

これらの犬たちも山歩きを重ねていくと行動が変化してきて、雑草を食べるようになることがあります。

この風景は今までなんども見てきました。

雑草を食べなかった犬が、はじめて草を食べているを見たときの喜びはなんとも言い難いものです。


たかがハーブですが、ゆっくりと犬の体に浸透していきます。

結果もうれしいものですが、その過程をぜひ楽しんでください。

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Posted in おすすめのアイテム, クラスのこと, 犬のこと, 自然のこと

<クラス>お預かりクラスが楽しい季節になりました

ブログの更新が遅くなりすみません。

1週間のお預かりクラスとトレッキングクラスの連続で、七山で羽を伸ばしすぎてしまいました。

お預かりクラスの犬ちゃんたち、どちらも数回目とあってこちらも気持ちが落ち着きます。

犬たちがどのくらいの速度で環境になじんでいくのか、またその過程がどのような行動をとっていくのか、犬によって違いがあるので犬の個体ごとに把握していきます。

もちろん、預かり経験があまり間があかずに続くと、環境になじむ「社会化」の速度は早まります。

社会化が進めば進むほど、新しい体験を与えやすく、犬との関係も変化していくので毎回楽しみにしています。

一方で、若い犬になるとそれだけではすみません。

特に生後2歳までは社会化の退行といった個体の中での変化もあるため、生後3ケ月くらいのときには安定していた環境が、生後6ケ月を過ぎることには警戒行動や防衛行動によって不安定になったように変化していきます。

これらの変化を見届けながら飼い主さんにご報告することもお預かりクラスの中でできることです。

毎度申し上げているのですが、グッドボーイハートのお預かりクラスはあくまで犬の飼い主のサポートであってそれ以上のものではありません。

ですが、自分が犬とかかわる限り、しかもレッスンではなく日常的に飼い主さんの代わりとして関わる限りは、犬のことをひとつでも理解したいとい欲求を抑えることができず、ついついやりすぎてしまいます。

今回のお預かりクラスの犬ちゃんたちともお預かり中、毎日連続でトレッキングに行きました。

トレッキングクラスに参加される生徒さんたちといっしょにいったり、山の手入れをしながら同伴させたりして過ごしました。

日常の活動スタイルを逸脱してしまいますが、自然の中で山を歩くという行為ほど犬をやる気にさせるものはありません。

行くときは張り切って出かけますし、庭に帰ってくると戻るのはいやだといって後ずさりすることもよくあります。

犬は山の動物なのだ、本当にそうなんだとこの七山にいると毎日のように確信できるので、また今週から都会の犬の飼い主さんたちに山歩きを推奨する活動に熱が入りそうです。

2月というのに3月かと思われるほど気持ちがいいのです。

今この季節に山歩きしなくて、一体いつするのでしょう。

3月初めにもう一度、竹切りをしようと思っています。

体力に自信のある方、ぜひご連絡ください。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<おすすめのアイテム>サプリメントも使いかた次第:犬用のハーブは犬の健康のためにおすすめします

犬の健康維持のためのサプリメントが増えました。

健康のためにはまずごはん、そして足りない栄養はサプリメントからというのは自然な考えではあります。

かといってサプリメント漬けにしてしまうのも、なんとなくがんじがらめな感じがもするしきりもありません。

どうやって良いサプリメントを選べばいいのか、犬の飼い主としては悩みの多いところでしょう。


グッドボーイハートでは限られたサプリメントをご紹介しています。

普段は家庭訪問クラスなどのときに個別にご紹介しているのですが、ブログに紹介してほしいというご意見があったので簡単にご紹介します。

おすすめするサプリメントはイギリスのハーブ「ヒルトンハーブ」というブランドのハーブのサプリメントです。

数も少なく用途や目的もはっきりしていて普段使いとして使いやすいハーブです。


特にどなたにでもおすすめしているのは薬やワクチン接種をしなければいけない犬たちのために、デトックスを促してくれるハーブです。

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なじみのあるハーブもはいっています。

ハーブは自然療法の中でもとても歴史が古く、日本の野菜の中にもハーブとして使用されているし自分たちも自然ととっていますね。

たとえば、しょうが、ゴボウ、たんぽぽの根、これからの季節の山菜もハーブのひとつです。

犬のハーブにもこんなハーブたちが入っています。


本来ならその辺の雑草を食べておけばハーブを与える必要などありません。

ところが、最近は犬が食べる雑草すらなくなっているのです。

食べる雑草がない上に強い薬を与えているのですから、何かで調整するしかありません。


フィラリアの予防薬や定期的なワクチン接種をされている犬たちには、デトックスハーブは超おすすめです。

ハーブは毎日与えるので結構やっかいではありますが、与える量は少なくゆっくりと浸透していきます。

お値段は高いように思えても、使用期間を考えるとたいしたことはありません。

多少痛手を受けるのは、大型犬の飼い主さんだけです。大型犬はやっぱりいろいろと大変です。


ヒルトンハーブには他にも用途に応じて使えるハーブがあります。

私は獣医師ではありませんので、薬としては紹介できませんが、私が飼い主だったら使うと思うときには飼い主さんにご提案させていただきます。


さて、このヒルトンハーブをおすすめしているのは、ただハーブだからという理由ではありません。

ハーブの商品がたくさんある中でも、ヒルトンハーブをおすすめするのは特別な理由があります。


ヒルトンハーブを最初に知ったのはもう20年くらい前に福岡でのハーブ紹介セミナーに参加したことでした。

その方は馬がきっかけでハーブをいれるようになり、それから犬用にもハーブを紹介されているというお話を聞いたのですが、知識の量の多さもさることながらなぜかとても魅力のある方だなという印象を持ったのです。

そしてその何年もあとに、グッドボーイハートが博多の学校から七山の学校に移転したときに、一番最初に連絡をしてくれて「おめでとう」と声をかけてくださったのが彼女でした。

そこで何するの?フィールドワークとかするの?と楽しそうに、そしてうれしそうに声をかけてくださったのです。

自分もハーブを販売しているけれど、本当にやりたいことはその奥にあるそれが私と同じ方向だと言ってとても喜んで下さいました。

実は彼女は八ヶ岳に拠点をもち、そこに馬と犬とともに暮らしながら東京でハーブを販売するお仕事をしていたからです。

グッドボーイハートの七山への移転は、必ずしも皆さんに歓迎されたわけではありませんでしたし、何をやりたいのかわからないと思われたことも多く、数少ない理解者の存在に大変救われたものです。

ただ1回しか会って話したことがない方でしたが電話でお話するたびに、特別なエネルギーをいただいく気持ちになっていました。

そしてその彼女が突然の病気で亡くなってしまったときは、悲しみと驚きで愕然としましたが、同時にだからこそすばらしく生きていらしたのだと納得もしたものです。

そんな知人が残してくれた自然とつながる素材のハーブを、私は大切に思っています。


今はその知人のご家族がヒルトンハーブの販売を継続してくださっています。

ヒルトンハーブは以下のホームページで購入できます。

グッドボーイハートの生徒さんたちには、もちろんグッドボーイハート価格で販売していますのでお気軽にご相談ください。

ヒルトンハーブのホームページ

https://hiltonherbs.shop-pro.jp/AZ

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Posted in おすすめのアイテム, 犬のこと

<犬のこと・動画>犬との大切な遊び「ひっぱりっこ遊び」をちゃんとできてますか?

犬といっしょに暮しているといっても、犬と何をしたらいいのかわからなくなってしまうことはないでしょうか?

もしあるとしたらそれはとても正直な意見ですし、犬とのかかわりやコミュニケーションを真剣に考えている証拠です。

犬とかかわるということが、犬をただなでたり抱っこしたりすることで終わっている場合もあります。

ただ犬が家のソファの上で寝そべっていたり、犬用のベッドで寝ている姿を見て、ただ癒されているだけのこともあるかもしれません。


室内飼いであれ外飼いであれ、現在の犬たちは毎日暇ですることがありません。

室内拘束されているか外で係留されているかのどちらかなのですから、することがないのも当然のことです。

そんな暇な犬たちと狭い空間でもぜひやっていただきたい遊び、それが「ひっぱりっこ遊び」です。


ひっぱりっこ遊びにはかなり誤解のある意見を聞くことがあります。

極端な誤解の例では、ひっぱりっこ遊びは犬が狂暴になるからやってはいけないというものです。

もし犬とひっぱりっこ遊びをするとしても、絶対に負けてはいけないという変わった意見も聞いたことがあります。


実はこのいづれも問題にする必要もないことです。

なぜなら、ひっぱりっこ遊びはものを奪い合う遊びではなく、奪い合って力を競う遊びでもはたまた喧嘩でもありません。


ひっぱりっこ遊びは共同作業のひとつです。

ひっぱりっこ遊びは子犬のころから犬と犬が行う対等性の高い遊びなのです。


この犬とのひっぱりっこ遊びですが、案外ちゃんとできていません。

ひっぱりっこ遊びを見せていただくと、ひっぱりっこではなく犬がおもちゃにぶら下がる状態になっていることがよくあります。

犬は飼い主が持つおもちゃの一部を口でくわえてひっぱるような状態になっているように見えるのですが、飼い主がおもちゃをひっぱるとそれについて歩いたり、おもちゃにぶら下がった布のようになったりします。

そして、犬は途中でひっぱりっこをやめて口にくわえたおもちゃを飼い主の目の前に置いて後ろに走り出し、飼い主におもちゃを投げることを要求しながら、ボールを拾う遊びの方に変えてしまうことがあります。


これは、ひっぱりっこ遊びが不得意な犬の行動のパターンとしてよくあるものですが、こうした犬にこそひっぱりっこができるようになってほしいものです。

レッスンの時にもよくひっぱりっこ遊びを見せていただきます。

ほとんどのケースでひっぱりっこ遊びは成立していません。


今回はお預かりのリンちゃんとお庭でひっぱりっこ遊び練習をしたときの動画をご紹介します。



※写真をクリックすると動画が再生します
リンちゃんとのひっぱりっこ遊びの様子です。

まだ1歳になっていないシュナウザーのリンちゃんとひっぱりっこ遊びの練習をしている様子です。

動画でご覧になるとわかるように、人が後ろにおもちゃを引くとリンちゃんが少しついてきてしまいます。

このまま人のペースでおもちゃを動かしつづけると、リンちゃんはずっとおもちゃに引きずられるようにしてついてきてしまいます。

そこで、リンちゃんがうまくひっぱりっこができるように誘導していきます。

ひっぱりっこ遊びの基本姿勢は、お互いが体重を後ろにかけるようにして引き合う形です。

ひっぱりっこのどちらか一方が体重を乗せすぎると、片方に引きずられてしまいます。

同じ理由で、どちらかがきちんと体重を後ろに乗せていないと、やはり引きずられてしまいます。

お互いに同じ力で後ろに引き合うことでひっぱりっこがなりたっているのです。


では、どのように誘導したらいいのかというと、犬がひっぱりっこの状態を維持できるような「ポジション」をとれるようにおもちゃの位置を誘導していきます。

微妙な引き加減で調整することで、犬はその位置を確認し相手が求めていることを受け取っていきます。

ひっぱりっこ遊びが継続するように体重を維持し続ける必要がありますから、座ったままの状態ではなかなかうまくいきません。

うまく教えていくためには、小さな犬を相手にするときにも体重移動が楽にできるようなポジションをとってみてください。


家庭訪問クラスのときにこのひっぱりっこの説明をしていると、案外男性の飼い主さんの方が飲み込みが早くとても上手に誘導されます。

スポーツ経験などの体を使った経験が、犬との遊びに影響をしているようです。

人とひっぱりっこができるようになると、今度は相手が犬でもひっぱりっこができるようになります。

ひっぱりっこ遊びは、犬の遊びとしては必須で、犬の精神的な成長にも大切な役割を果たします。

犬が何歳になっていても楽しめる作業遊びなので、ひっぱりっこ遊びを楽しんでください。

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Posted in 音声・動画, 犬のこと

<犬のこと>いつの間にか不自由さを強いられている犬たちの行動の異変に気づいてあげたい

家庭訪問クラスで様々なご家庭の環境における犬の行動を見る機会を得ています。

家庭訪問スタイルのトレーニングクラスを通して、様々な環境と犬の行動を観察できる機会を得ることは、犬のしつけやトレーニングを行う際に最も大事なことです。

犬のしつけやトレーニングは、犬の行動の原因がどこから起きているのかということを考える必要があるからです。


こうした作業を毎日やっているわけですから、犬の行動の何がナチュラルで何が不自然であるのか、またその不自然な犬の行動がどのような環境によって影響を受けているのかを知ることができるようになりました。


この犬の不自然な行動の中に、不自由さを強いられている犬の行動もたくさん含まれています。

「犬の不自由な行動」とは、犬が不安定な状態で行動をしているという状態です。


たとえば、床を歩く際に通常の歩行ではなく、4つ脚の動きを不規則にしながら背中を曲げながら歩いている犬。

床にオスワリをする際に、数歩下がって体をねじらせるようにして座る犬。

上記のふたつの不自由な行動は、つるつるを滑るフローリングの床の上で犬が不自由さを強いられて行動をしている状態です。

室内にカーペットなどの滑らない場所があると、その上に乗ったときの犬の行動がフローリングの上で行動するときの犬の行動を明らかに違っているので、それが床面の影響によって起きていることがわかります。


オスワリやフセをしようとしても滑る床面では不安定になるため、壁際やなにかの家具のそばで座ったり伏せたりしている犬たちもいます。

壁際での行動は滑る床面以外にも原因が考えられますが、床面が理由になっていることもあります。


飼い主さんについて歩く、飼い主さんにとびつきながら歩くことが日常化している犬たちは、飼い主さんを見上げたりとびつきながら移動をくり返すために、こちらもとても不自然な歩行=移動をしています。

飛びあがるうさぎのように移動する犬たちを見ていると、普通に歩くということが全く身に付いていないのだと感じます。


行動というのは恐ろしいもので、日常的に習慣化してしまうとそれはひとつの癖になってしまうからです。

人でいうところの姿勢と同じようなもので、歩く際にも自分の癖が出てしまうものです。


犬の不自由な行動は、不安定なリードの持ち方でも起きることがあります。

国内で犬の散歩を見ていると、非常に多くの人が片手を前に突き出して歩いています。

この姿勢でリードを持たれている犬は、行動に不自由さを感じ、リードから逃れようとますます引っ張りが強くなっていきます。


不自由な行動は、数頭の犬たちが生活するいわゆる多頭飼育環境でも起こりがちです。

特定の犬がテリトリーを主張しつづけ他の犬との関係性が成熟していなければ、犬の行動はとても不自然なものになっていきます。


こうして、飼い主の思わぬところで犬が行動の不自由さを与えられているということに、飼い主当人はあまり気づかないものです。

毎日同じ犬の行動を見ているわけですし、それが普通で正常だと思っているため疑う余地はないからです。


不自由さを言葉にして伝えることができない犬たちのために、客観的に誰か犬の専門家に行動評価をお願いするというのは環境改善のためにとても良い試みだと思えます。

以外と気づかれていない犬の不自由な行動を身近な犬で見つけたら、やんわりと少しずつ知る機会を得ていただけるような、そんな飼い主さんの学びの環境がSNSを通して広がるのも良いですね。

私はなかなか不器用でそこまでのツールを作成するに至りませんが、器用な方はぜひトライしていただきたいものです。

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Posted in 犬のこと

<犬のこと>お預かり中の犬ちゃんと山のお手入れする楽しみ:安定した犬だからこその行動のパターンとは

犬ちゃんのお預かりクラスのときに私が楽しみにしているのは、その犬ちゃんといつもはできない時間を過ごすことです。

犬ちゃんが普段はあまりできないけれどすることといえば、ドロ遊び、庭遊び、山歩きです。

庭が山になっているグッドボーイハート七山の学校ですから、山のにおいを嗅ぎながら山歩きもせずに返してしまうことはあまりにも酷です。

といっても初回のお預かりではなかなか安全に山を歩くほと落ち着きを得ることができないので、数回の預かりを通してやっと山歩きへとたどりつくといった感じです。

お預かりした犬ちゃんの状態によっては、もっとテリトリーに対して積極的になれるような山の活動をいれていきます。

それが犬をお供にしての作業「山の手入れ」です。

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山の手入れとは、山が健全に育つようにこの冬の時期、3月くらいまでの時期に無駄に生えている木々を刈り込んだり、倒木が藪を生まないように処理をしたりするものです。

足場は道もなく段差もはげしくロッククライミングのようにつかみかかって登るような場所もありかなりアクロバティックです。

そのような場で作業をするのですから、とても犬のことをしっかりと見ていることはできません。

むしろ犬の方が人の動きをよく把握して自分の身を守りつつも周囲のテリトリーを守ろうとする行動が引き出されてこなければ大変危険です。

なので、この山の手入れに連れて行ける犬は本当に限られています。

作業中に邪魔をされることは犬にとっても危険ですが、作業をする私にとってもとても危険なことです。

ではなぜそんな場所に犬を連れて行くのかということ、犬がこのことを通して引き出される行動には特別の意味があるからです。

特別な役割を任されているそんな力が犬の中に湧き上がってきます。

オヤツをもらうためでもない、人から命令されたわけでもないのに、なぜかその仕事をやろうとする犬。

これが最高に犬として楽しい時間のようで、その表情、行動も活き活きとしています。

りん山の手入れ4
犬が小さい場合には段差や足場の厳しいところでは、抱き上げたり手を出してサポートすることもあります。

それでも必死でその困難を乗り越えて人と共に活動している犬の姿は本当に美しいものです。

自分自身も体力が落ちてきており、自分の年齢を感じる作業になってもいますが、私もこの山の手入れが大すきです。

夏場の草刈は太陽と汗と虫との闘いなので過酷すぎますが、この季節の山の手入れは気持ちがよく、体が温まり、終わると暖炉にあたってコーヒーを飲めるというごほうびもあります。

こんな山の手入れにつきあってくれる犬ちゃんがもっと増えればいいなと、勝手に期待を膨らませています。

りん山の手入れ2
山の手入れのお供までいかなくても、山歩き、庭でのテリトリーの番、テラスの番犬など、それぞれにグッドボーイハートには犬の仕事がたくさんあります。

グッドボーイハートのお預かりのときには、泥まみれ、草がいっぱいついた状態でお返しすることは了解していただいていますので、犬ちゃんには楽しんでもらったらと思っています。

お預かりの犬ちゃんはトレーニングのために預かっているわけではありませんが、犬の性質や行動の特徴を観察して新しい発見をすることは、個人的にどうしても止められなくて突っ込んでしまいます。

お預かりクラスのときには睡眠不足で辛いですが、この楽しみがある限り続けていきたいです。

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Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のしつけ方>すべての動物の持つルール「境界線のルール」を犬はどのように活用しているのか?

犬との関係や接し方を説明しようと思うと「境界線」という言葉をどうしても使う必要があります。

境界線を英語で言い換えるとborderという単語になりますが、日本人には聞きなれず分かりにくいですね。

ボーダーコリーのボーダーですが、まさにボーダーコリーの特徴的な行動を示しています。

ボーダーコリーでいうボーダーとは、羊に接近して追い込みを図る際、羊を追い込むのだけれど羊に対して攻撃性を出さないようにするぎりぎりのボーダーを維持し続けるという行動をいいます。

そのボーダー(一線)を越えてしまうと、ボーダーコリーという犬は羊に飛びかかって殺してしまうからです。

ボーダーというのはこちらから接近してはいけない領域という風にとれますが、ここで伝えたい境界線とは自分のまもるべき境界線という意味です。


むしろ、人間という単語の中にある「間」という字の方がわかりやすいかもしれません。

人と人の間にある空間、時間を大切にすることで、人と人はより良い関係を作っていくことができる、それが間という境界線です。

すべての動物は自分自信を防衛する機能や情緒を持っていますので、どのようなときにもその境界線が侵されないようにしています。

ただ自分の境界線を自分で守ることができない幼い動物たちだけが、大人の境界線の中に常に入っておりその中で守られています。

スーパーで買い物をしているときに、突然小さな男の子にしがみつかれたことがありました。

しばらくするとその子供のお母さんが「すみませーん、間違えたのね」といって走り寄ってきて来られました。

お母さんを見ると、その子は私から離れ本当のお母さんに抱きつきました。

買い物に夢中になっているお母さんとつないでいた手が外れてしまい、誰かのテリトリーの中に入る必要があったのでしょう。

直感的に母親に似ている人を探すので性別、年齢、臭いが似ている私がターゲットになったということです。


犬も同じように子犬のころには自分で自分の身を守ることができません。

そのため子犬が何か危険を察知するつまりいつもと違う環境になれば、すぐに成犬の近くに戻るかもしくは巣穴に戻るという行動をとって自分の身を守るのです。

自分の身を守ることができない子犬という年齢は乳歯の生えている頃、生後6ヶ月くらいまでです。

生後6ヶ月になると永久歯が生え変わり同時に防衛を意味する吠え「警戒吠え」をするようになることで、防御の力を身につけていきます。

ところが犬の場合でも大変異質な行動になってしまうのは、庭のないマンションなどで飼育されている犬たちです。

庭のある戸建ての家に暮らしている犬であっても、庭へのアクセスが犬の思い通りにならないとか、人もほとんど庭をつかっていないただ眺めるだけの庭になっている家では、条件は上記のマンション犬と同じです。

マンション暮らしの犬はほとんどが巣穴で生活しているような感覚になってしまうため、なかなか自分のスペースを獲得して境界線をつくっていくことができません。

境界線はあくまで外があることが前提の境界線なので、ずっと室内で生活をしている動物にとってはその意味を理解することも難しいのです。

しかも、その巣穴の中には常に自分を管理する人という動物がいます。人の臭いの強い室内からほとんど出たことがなければ境界線を作ることができないのも当たり前といえます。

人の臭いから出ることを恐れ、いつも人の臭いのあるところに執着します。

ソファの上、人の膝の上、人の洋服の上、人のすぐ近くにいる犬たち。

こうした犬たちは、飼い主という人の臭いに執着をもった動物です。

同時に、自分という個体の境界線を持つことができず、いつも不安と恐怖に怯えています。

このことが複雑な犬の分離不安行動につながっていき、生涯を渡って犬を苦しめることすらあります。


私自身は生涯を通して最も観察できる機会のある家庭犬、つまり自分と共に暮らした犬は3頭だけです。

最初の1頭目は完全な外飼い、2頭目の犬は家をメインとして庭をテリトリーとしても使っていた犬。

どちらも昭和の和やかな時代の犬たちです。

玄関戸口の鍵は常に開いており、こんにちは~といって人が上がりこんでくることができるようなそんなゆるい境界線の時代でした。

物理的にはゆるいのですが、玄関の鍵を開けたままにできるのは人の心の中に「お互いの境界線」というものがしっかりとあるおかげなのです。一線を越えてはいけない、そんな境界線です。


3頭目のオポは、生後7才までをマンション暮らした後に引越ししました。

オポの新しいテリトリーは家と庭+山を自由に行き来できる環境です。

環境が変化したあとのオポの行動の激変ぶりについては、いうまでもありません。


犬はそもそも自由がほとんどありません。

犬を自由にさせたくてドッグランでリードを外すことは意味がないばかりか犬にとっても過酷な行為です。

ドッグランはもともとドッグパークというアメリカに取り入れられている犬のリードを外してもいい公園を日本風にアレンジしたものです。

アメリカと日本では、ドッグパークの広さや仕様そのものが明らかに違いますが、そもそも大きく違いがあるのはそのドッグパークに来ている犬たちの家はとても広くて庭もあって室内トイレなどをしていないということです。

日本の都市環境の狭く限られた空間の中で、はたして犬たちがうまくそれぞれの境界線を守ることができることができるよう成長していけるのかどうかを考えると少し気落ちしてしまいます。

犬の持っている機能や能力、そして安定した情緒をできる限り引き出したいというのがグッドボーイハートの願いでもあるからです。

諦めるなでも焦るなを念頭に、今日もできることをひとつでも考えていきます。

飼い主であるみなさんも、自分が犬に対してできることをひとつ考えてそして提案してください。

それは、犬を無力化させるためのものではなく、あくまで犬が解放され自由に向うものであることを願います。


20190126リン1

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