グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

トップページ
お電話でのお問い合わせ
お問い合わせフォーム

<犬のこと>吠える犬を横目に歩くキツネを見たこと

本当に不思議な光景を見ました。

その夜、お預かりの大型犬ちゃんがサイズのわりになかなか排泄をしてくれないので、庭に長めに係留して排泄するのを待っていました。

人が近くにいると興奮してしまう犬ちゃんの排泄チャンスために、室内に入って窓から様子をうかがっていました。

鼻を鳴らしていた犬ちゃんが山の方をみて「ウー、ワンワン」と吠えています。

ああイノシシたちが庭の境界の向こうにあるささやぶの中を通過する時間だなとライトを照らして警戒しておりました。

吠えていた犬ちゃん、急に向きを変えて前傾姿勢をとっています。

何かの動物が犬ちゃんを横目にみながら歩いています。

ちょうど私と犬ちゃんの間を、犬ちゃんをみながら歩くような状態になりました。

私は室内にいて人の気配に動物は気づいていません。

そしてよく見ると、本当にびっくり、それはキツネではありませんか。

キツネは走り去るわけでもなく、本当にゆっくりと犬をみながら家の横を歩いて坂の方に消えていきました。

ところが、しばらくするとまたテラスのライトが自動点灯しました。

みるとまたそのライトの下にキツネがいます。

さっき歩いたのとは反対方向にいるのです。

さっきのキツネがぐるりと回ってきたのか、それとも新しいキツネが近づいてきたのか、犬ちゃんもじっとみて少しうなっていますが、キツネの方は緊張した感じもなくまた消えていきました。

犬とキツネはどちらもイヌ属イヌ科の動物でとても近い関係です。

あくまでも人間が定義づけた関係なので、彼らにとってはどうでもいいことですが、食べ物や行動のパターンや体の発達や使い方がかなり似ているのです。

警戒心が高くタヌキやアナグマのように簡単に姿を現したりはしません。

七山のこの庭でもキツネをみたのは指で数えるくらいです。

イノシシよりも圧倒的に少ないのです。

キツネの犬に対する堂々とした態度をみて、彼らキツネにとってイヌとはどのような位置にあるのだろうと考えてしまいました。

野生動物と飼育される動物、同じイヌ科の動物。

食べ物を自分たちでとっている動物と、人に与えられる動物。

ゆっくりと行動するキツネと、興奮して騒ぎやすいイヌ。

生きている時間がどのように違うのだろうかと深く深く考えました。

犬も本来ならもっとゆっくりとした穏やかな動物です。

キツネのように美しく優雅な動物なのではないかといつも思っています。

キツネが教えてくれること、ちゃんと受け取っていきたい。

野生動物たちがとても身近にいる七山でお預かり犬ちゃんたちとの年末が始まりました。

DSC_0823

Posted in 犬のこと, 自然のこと

<犬のこと>なでるのとは違う「触れ合う」とは温かみを感じることではないか

犬ちゃんたちのお預かりのために寒い七山の夜は暖炉の前にいる時間が長くなります。

普段は事務所でしている事務作業も、暖炉前から離れることはできません。

夜も朝方もうとうとと暖炉の前にぼーっとしていて思ったことがあります。

炎のゆらぎを見ることがどうしてこんなに癒されるのかなということ。

そして肌に当たる温かさがなんでこんなに心地よいのだろうということ。

暖炉のあたたかさが肌に触る感じは、温かいものに触れられているもしくは触れているような感覚なのです。

この温かさは少しだけ心地よい日光浴の感じに似ていますが、それよりももっと優しい感じです。

暖炉の近くにいることで何か生きているものがそばにいてくれるような感覚を得られるのです。

人が犬をずっと抱っこしてなでているのはそうしていなければ落ち着けない理由があるからでしょう。

犬のぬくもりは、温かいものに触れていたいという人の基本的な欲求を満足させてくれるはずです。

でも抱かれている犬の方はいろいろと不具合が出てきます。

抱っこ依存症になっている犬たちの落ち着かない行動は、抱っこ依存症になってしまった犬を飼っている飼い主さんなら見る機会があるはずです。

接触がないと不安になる分離不安状態の犬たちがいかに落ち着かない精神状態になっているのか。

不具合の中には具体的に説明できる根拠というものもありますが、実は本当に怖いのは説明できない根拠のないものなのです。

それは自分を落ち着かせるために犬をなでる人の不安定な感情やエネルギーを犬たちがすべて受け取ってしまうからです。

犬たちに言わせると科学的に証明できるものなのかもしれません。

というのは、不安定な感情やエネルギーは臭いとなってその人から発しているからです。

臭いは犬の脳を刺激し共感性の高い犬は同じ領域へと引き込まれます。

犬を抱っこしている時間の長さやなでている回数は本人が意識していないほど長く多いものです。

暖炉がどの家庭にもひとつあればなあと思いました。

暖炉の前では犬と人は対等に同じ炎に向かって温かさを得てお互いに心地よいと共感できる時間を持つことができるからです。

ほんの100年ほど前の日本だったら、どの家庭にも囲炉裏のようなものがあって、外では焚火ができて、いっしょに温かさを共感できた暮らしだったのに、失ったものは大きいのだなとそんなことを思った七山の夜でした。



Posted in 日々のこと, 犬のこと, 自然のこと

<犬のこと>映画「ミラクル・ニール」のテリア犬がズバリ言ってくれた

「ミラクル・ニール」という映画を見ました。

犬が登場する楽しめるファンタジー映画です。

ハリウッドやヨーロッパの犬が登場する映画はできるだけ見るようにしています。

理由は二つ

ひとつ目の理由は、西洋の映画犬はとてもよくトレーニングされているからです。

アメリカではフィルムドッグとも言われていますが、日本国内のドラマやCMに出てくる犬たちとは質が違います。

犬に使役を教える訓練については、日本人はヨーロッパやアメリカにはほど遠いなと感じます。

二つ目の理由は、映画を通して外国の犬の価値観がわかるからです。
犬といってもいろんな犬がいますが、描写はわりとはっきりとしています。
この映画に出てくるデニスという犬は、うだつのあがらない飼い主に飼われているほんの少しだけおバカな犬という設定でした。

楽しめる映画なのでまだ見ていない方のために少しだけ書きます。

この映画に登場する犬のデニスですが、おバカな犬といってしまった理由をいくつかあげておきます。

まず冒頭からですが排泄、しかも大の方を飼い主の留守中にがまんできずに室内のじゅうたんの上でしてしまいます。

しかもよくあることのようで、便をとるスコップが壁に掛けられています。

さすがに海外ですから日本のように室内にペットシーツやトイレトレーを設置したりしていません。そこだけでもセーフです。

飼い主の帰宅では思いっきりジャンプして飛びついていきます。

ワンワンと無駄吠えをしてマンションの隣人からクレームをもらいます。

飼い主のある理由によるパワーで人の言葉をしゃべることができるようになったデニス。

ワンワンとうるさく吠える意味が知りたくて飼い主がデニスをしゃべらせるとそのワンワンは「ビスケット」ただそれだけでした。

「ビスケット、ビスケット、ビスケット」
「ビスケットがあるの知ってる」
こんな感じです。

すべての犬がそうだということではありませんが、中にはこんな犬は本当にいそうです。

その犬のデニスと飼い主があることをきっかけに始めた会話、脚本家は犬のことをそれなりに見てくれているようでうれしい会話でした。

飼い主:お前はただ元のさえない犬のふりをしてみていろ。

犬:ぼくがさえない犬?

飼い主:そうだよ、演技くらいできるだろ?
相手に調子をあわせてさ。

犬:なでなでされているときみたいに?

飼い主:…そりゃ、ほんとに好きだろ?

犬:ぜーんぜん。

飼い主:ええ?

犬:犬はあんなのほんとは好きじゃない。

飼い主:なんだって?

犬:そもそもなんで犬をなでるの?

飼い主:なでると犬が喜ぶからさ。

犬:違う。
人間が喜ぶからこっちが喜ぶふりをしてあげてんの。

飼い主:はぁー。まあとにかくお前は普通の犬のふりをしてろ。

というこんな会話が続きました。

吹き替え版で見たので、そのやりとりは本当にリアルでした。

それにしても、デニス。

よくぞ言ってくれました。

度肝をぬかれた飼い主の「はぁー」という驚きとため息の入り混じった反応が、多くの飼い主の反応かと思います。

犬からしてみると「全く人は犬のことなんて全くわかっちゃいないんだから。」といったところでしょう。

すごくお気楽な映画ですが、犬のポジションはかなり考えられています。

ぜひご覧になってください。

ミラクルニール

Posted in 日々のこと, 犬のこと

<クラス>お預かりクラスでお世話してみてわかる犬のこと

グッドボーイハートのお預かりクラスは一般的なドッグホテルとは少し違います。

いや実際にいっしょに時間を過ごしていただくとわかるのですが、たぶん大きく違います。

このお預かりクラスの期間中に犬をどのように管理するのか、どのように接するのかは犬によって違います。

訪問クラスで生徒さんにお願いしている接し方と同じようにとプリントには記載しています。

行動が安定して落ち着いている犬ちゃんたちは、接し方はみなさんにお勉強していただいたのと同じように、管理の仕方は家庭とは違いますので少しきちんとします。

管理方法の違いとしては普段は部屋の中でフリーで寝ている犬ちゃんも、お預かり中はみなクレートなどの個別のハウスで休ませるようになります。

お預かり中の一番の目的は「犬を安全にお預かりすること」です。

いつもと違う環境では犬が不安定になりますから、より厳しく管理することで安全にお預かりすることになります。

ただグッドボーイハートの犬たちをお預かりする次の目的は、犬のことをより知るためです。

家庭訪問トレーニングのときには、インストラクターである私が不在の状態の犬の様子を知ることができません。

飼い主さんの犬に対する接し方も、私がいるのといないのでは全く違うとはいかなくても多少は違いがあるはずです。

先生がいるときといないときでは差が出るのが当たり前のことなので、そのことは織り込み済ということで犬の行動を見ていきます。

そうなると、普段の犬の行動は飼い主側の報告に頼るしかありません。

こういうときはどうしてますか?の質問に対して飼い主が「犬はこうしています」とこたえます。

そんな質問の繰り返しで犬の普段の行動から犬の状態や気質、そして一番大切な飼い主との関係性を見ていきます。

この関係性の部分を曇らせてしまうのが、飼い主の犬の行動の読み間違いです。

怖がっているように見えるんです。

パニックを起こしています。

といったお答えをいただいたときも、そのレベルがどの程度の恐怖なのかどの程度のパニックなのかがあまり見えてきません。

実際にお預かり中に犬が落ち着かない状態になったときに、どの程度の騒ぎ方なのかをチェックしたり、それに対して対応の仕方を試してみて犬の行動の変化を引き出したりしてみます。

3日間ほど犬をお預かりしていると普段から飼い主がどのように接しているのか、飼い主とどのような関係なのか、環境がどの程度犬に影響を与えているのかがわかってきます。

たとえば、庭につなぐと狂ったように吠えるという犬も、実際にお預かりして庭に係留するとほとんど騒ぐことがないということもよくあります。

数日では環境に慣れていないという理由でもあるので数日試してみるのですがほとんど騒ぐことなく行動はどんどん安定してくることがあります。

周囲の環境が騒がしいとか静かとかそういった影響はかなりあります。

グッドボーイハートでの預かりの場合は、七山の環境と福岡の環境では多少の違いがでることがあります。

それでも、生徒さんがいうような落ち着かないという状態にはいたらないことも多いのです。

これは庭の環境だけでなく、普段から室内にいっしょにいるときの接し方や飼い主との関係性が部屋と庭に分かれたときの行動に影響を与えてしまうからです。

お預かり中の犬への接し方はグッドボーイハートルールで徹底していますので、3日間ほどの預かりでも預かり中の行動はびっくりするほど変化していきます。

もちろん犬の行動が変化する可能性があるかどうかを試しているわけですから、結果が出るのは当たり前のことでもあります。

でもこれは「犬のしつけの可能性があるのか」という質問への答えですから、変化があれば可能性がある、変化がほとんどなければ可能性は低いという答えにもなってしまいます。

犬の行動には当然のことながら脳の働きが作用しています。

脳の働きが壊れていると、残念ながら環境を変えても行動の変化は見られず「犬のしつけ」は通用しないということになります。

薬剤などで脳の機能性を抑え活発なホルモンなどが出ないようにして、寝ていることが多くなるようにするなどの対応をとる必要性が出てくるかもしれません。

ただ、わたしはこれはあまりお勧めしていません。

明らかに脳が損傷する脳梗塞などの状態に陥ると身体的な機能性にはっきりとした変化が見られます。

犬が日常生活を普通に送っていてその日常は人のものほど複雑ではないと考えると、もう少し違ったアプローチがあろうかと思います。

脳の活性化しすぎた活動を抑える一番の方法は、山歩きなどを行ったり、田舎環境で暮らすことです。

ところが都会に暮らす方はなかなかそれが実現できません。

生徒さんたちの中には週末毎に山通いしたり、田舎に連れていき、犬のパニック症を克服された方が何名もいらっしゃいます。

そうした実例があるからこそお勧めはするのですが、時間がない、車がない、などご家庭の事情も様々です。

できることが見えていてもそれができるかどうかはその飼い主の環境次第ですから、そこまで口出しもできません。

犬のためと思うとなかなかうまくいかないことなので、日ごろから人が自然に親しんで遊べる習慣があるようにと思っているわけです。

今年の冬も七山でたくさん遊びたいと思います。

犬たちがお泊りに来てくれています。

いっぱいの時間を空間を使って、犬としての時間を取り戻してほしいです。

DSC_0164

Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のこと>ガンを1分で発見する人間、犬はもっと前に飼い主の病気に気づいている

先日のテレビニュースでガンが1滴の血液でわかるようになる機械を東芝が開発したというものを見ました。

ガンといえば人が最もおそれる病気です。

その早期発見のために莫大な頭脳、資産が投入されている中でなんと「1分」は脅威です。

そのニュースを見ながら考えたのはやはり犬のこと。

犬も1分で飼い主がガンになっているかどうかをわかるはずなのにな~と思ったのです。

ネットなどで「ガンを発見する犬」について知ったことのある方もいるかもしれませんが、これは本当です。

仕組みとしてはいたって簡単なのです。

人が癌になると人の体内の細胞が変化していきます。

そのときにガン細胞独特の臭いを発するようになるので犬がその臭いに反応するというものです。

特別に訓練された犬はガン細胞の臭いに反応して合図を出すようにトレーニングされています。

ところがみなさんの身近にいる犬も飼い主の臭いの変化には気づいているのです。

それを伝える必要があるとして反応を示す犬とそうでない犬がいるというだけのことです。

自分も過去の自分の飼い犬の中で特別の反応をしたのを見たことがあります。

まだ母が生存していたときに、座っている母の後ろで当時いっしょに暮らしていた柴犬が独特の声を出していました。

オスワリをして「わわーん、ワオワオ、わんわん」といった強く吠えるわんわんではなく、話しかけているような音でずっと語り掛けてくるのです。

母の背中にむけてオスワリした状態で話している犬の姿が独特でした。

「コニーは何を言っているのかな」と母に問いかけました。

母は「最近はいつもこうやって何か言ってくるのだけど何をいっているのかわからないの」と答えていたのです。

その数ヶ月後に母は倒れそのまま病院へ、末期のガンでした。

あとで思えば柴犬のコニーは母の異変を嗅ぎとってなんらかの方法でそれを伝えようとしてたのでしょうが、当時はそんなことを思いつきもしなかったのでその行動の意味をくみ取ることさえできませんでした。

あのときに柴犬が教えてくれていたことをすぐには受け取れなかったものの、母と柴犬のコニーは特別な関係であったことを知るエピソードになりました。

人は最新の科学で自らの道を歩いていきますが、犬は最古の力をもってあくまで原始的に人のお役に立とうとします。

どちらがいいのかということでもなく、どちらも大切なことなのでしょう。

それにしても人の身近な自然の動物や植物などの自然のメッセージを受け取る力と距離感だけは絶対に失いたくないと思います。

DSC_0658

Posted in 日々のこと, 犬のこと

<人イヌに会う>動物と人との区別を知るために

アップさせたつもりだったブログ記事が更新されておらず遅くなりすみません。

コンラート・ローレンツ氏の「人イヌにあう」の本からイヌのことを学ぶカテゴリーの1回目です。

本を購入するかどうかを決めるときにわたしが見るところは、著者のまえがき、あとがき、そして訳者のあとがきです。

この三つの部分に目を通すと本の概略が把握できるからです。

今日は「人イヌにあう」訳者である小原先生のあとがきからその一部をご紹介してイヌのことを考えてみます。


引用ココから

著者は動物の行動をみつめ、動物をこれほどまで愛しながら、動物と人間との区別を明確に指摘する。

動物を知ることがどれほど人間を知ることに意味があるかが、はっきりと書かれている。

動物を深く知り、それと比較するとき、むしろ人間自身を明確に浮かび上がらせるというのは、やはり私の年来の主張でもあった。

~一部省く

家畜化されたためにイヌのほうが人間にたいする理解において類人猿より優れているという点や、イヌが人間の発音を聞き分ける能力をもっていると書いてある点など、きわめて興味深い。

他の専門的な学術論文からは得られない動物行動学や動物心理学上の示唆が、いたるところにみうけられる。


引用ココまで

上記の2行の引用文からこの本を読む価値のあることは十分に明らかなのです。

犬とのより良い暮らしに最も大切なことがここに書いてあります。

それは「まず動物を愛しながら動物と人を区別すること」なのです。

犬を愛するあまり、犬と人の境界がわからなくなっていることが犬にとっても人にとっても一番問題なのです。

犬に対し人のように接すると犬は必ずストレスをかかえるようになり問題となる行動を起こします。

犬を人と同じように愛することと、人と同属化してしまうことは別のことだという自覚が飼い主には必要です。


二つ目の読む価値は人間自身を知ることができるというところです。

犬という動物をより深く知ることが、人間を知ることになる。

もう少しはっきりというと、自分と暮らしている犬という動物を深く知ることが自分自身を知ることになるということです。

犬が興奮したり騒いだり落ち着きなく振舞っているのを見て、自分が同じような状態とはとても思えないため否定したくなる飼い主の気持ちはよくわかります。

それは同じような行動に至るということではなく、同じような状況にいたっているという意味で飼い主を知ることができるという意味なのです。

これについては受け入れるまでにかなり時間がかかりますから、今すぐに自分を納得させる必要はありません。

まずは犬と人の境界をはっきりさせて、相手を理解するという愛し方を推奨されているというと受け止めてください。

「人イヌにあう」があまり受け入れないときには、犬のことを人のように見たいという気持ちが優先しているからかもしれません。

いわゆる擬人化というものですが、犬の擬人化は犬のすばらしさを発見することを妨げるものでしかありません。

犬は犬としてすばらしいのです。

「人イヌにあう」をおすすめします。

DSC_0538


Posted in 人イヌにあう, 犬のこと

<犬のこと>野生動物と犬、どちらが社会化してますか?

先日お預かり犬ちゃんをお庭で過ごさせながら草刈りをしていたときのことです。

草刈りを手伝ってくれていたダンナくんがバイクのメンテナンスを始めました。

テラスでバイクのエンジンテストのために結構強く吹かす音が聞こえてきます。

お庭の犬ちゃんが気になってそーっと様子を見にいきましたが、日向ぼっこを止める感じもなく、ウロウロもなく、いつもと変わらぬ感じです。

そういえばそのバイク作業の近くに小鳥の声がちゅんちゅんとしているのですが、その小鳥たちもバイクの音に反応して逃げ出す感じはありません。

いつもと変わらぬ感じでその場にとどまっています。

こうした大きな音、バイクの音は特に振動が強いので周囲の環境に与える影響は大きいと感じてしまいます。

でも小鳥たちなどの野生動物が全く反応をしないのですから、警戒する必要のないものと認識されています。

特定のモノや音に驚いてしまう過敏な反応は、野生動物よりもむしろ家庭犬の方が強いと思います。

その理由は日常的に過ごしている環境の違いにあるのでしょう。

そもそも社会化というのは周囲の環境の変化の中に安心を獲得していく学習のことをいいます。

普段と変わらないから大丈夫、これは危険でないから大丈夫を脳が繰り返し学習していくわけです。

バイクの音といった特殊な音でも、これは大丈夫と野生動物が判断できるということですから、単に音として認識されているわけではないのでしょう。

自分たちの身が脅かされるようなものではないと動物が判断するときにそれが大丈夫の箱の入れられていきます。

ところが家庭犬の場合には、危険と反応する箱の中に入れられることが多いのです。

ひとつ危険の箱の中にはいるとそれに類似するものはすべて危険の箱の中に入ってしまいます。

だから世の中は危険であふれているということになります。

過剰におびえたり逃げたりパニックを起こしたりするようになります。

そもそもこの反応の多くは人との生活の中で作られていきます。

原因のひとつとなるのは軟禁されていることです。

行動の自由をなくすと動物は不安を抱えます。

庭などで自由行動ができない環境に成長する犬の多くは不安を抱えやすい状態になります。

二つ目の原因となるのは、人の気持ちの不安定さです。

人が不安を抱えていることの解消として犬を求め始めると犬は不安を抱えやすい状態になります。

共感性の高い動物なので、気持ちの弱い動物の下では弱い動物となってしまうのです。

時代と共に人間という動物、特に日本では人が年々弱くなっていますので、そうした意味でも犬は不安を抱えやすい状態になっているといえます。

野生動物の方が家庭犬よりも社会化しているというと、野生動物よりも家庭犬の方が人に近付いてくるではないかと反論されるかもしれません。

でも野生動物が人にとびついたり噛みついたりする確率よりも、家庭犬が人にとびついたり噛みついたりする確率の方が圧倒的に高いとなるとどうでしょうか?

人は本当に犬と仲良く暮らしていると言えるでしょうか。

逆からいうと犬は本当に人と安心して暮らしているのでしょうか?

犬は本当に複雑か環境に置かれた動物です。

ひとつでもひとりでも犬を理解していただくために、ローレンツの本おすすめします。

DSC_0364

Posted in 犬のこと, 自然のこと

<クラス>お預かり犬ちゃんが日向ぼっこする姿で考えた自然の力のこと

緊急のお預かりが入りました。

福岡でのお預かりでお約束したのですが、一泊の時間ができたので急いで七山に向かいました。

なんどもお預かりクラスに来てくれているので七山での過ごし方にも順応性が高まっています。

移動の直後にはキュンキュンと鼻をならしていた犬ちゃんも少し時間がたつとマイペースに自分のために空間と時間を使い始めました。

草の臭いを嗅いだり、テラスで横になって寝ていたり。

作業のために庭に出入りしても、少し目線を送って見送るだけで興奮することもありません。

太陽の光というのはものすごいエネルギーをもっているのだと感じるときです。

そういえば、こんなことがありました。

最近福岡で紅茶をいれるときに電気ポットのお湯を使いました。

ダンナくんが「いつもと違うよね」といいます。

私はコーヒーを飲んだのですが確かにいつもと違います。

香りが少ない、そして固い。

水を火で沸かすのと電気で沸かすのでは、水の質が違うのです。

火で沸かすとお湯がまろやかになり、電気で沸かすとお湯が痛いのです。

ダンナくんの子供のころには実家で薪を焚いてお風呂に入っていたこともあるらしく、薪で炊いたお湯はとろみがでるほどに柔らかいと話していたのを思い出しました。

動物の体もほとんどが水でできています。

その水を温めるのにエアコンがいいのか、日向ぼっこがいいのか結論ははっきりとしていますね。

犬たちはどの季節にも日向ぼっこをします。

太陽があるだけではだめで、安心して過ごせる場所が必要です。

お預かり犬ちゃんの日向ぼっこ姿に短い時間だったけど七山に連れてきてよかったとうれしくなりました。

DSC_0127

Posted in クラスのこと, 犬のこと

<日々のこと>急に冷えた七山で暖炉の炎のあたたかさを感じるとき

毎年季節が巡ってくる不思議だけは変わりません。

今年もやっぱり寒波がやってきました。

お預かり犬ちゃんを連れて一泊だけだったけど急いで立ち寄った七山では、気温が数度と下がりました。

この寒い季節の楽しみをいえば薪ストーブです。

同じ暖をとる方法でも、電気ストーブ、石油ストーブ、石油ファンヒーターと文明の利器はいろいろとあります。

便利なのはもちろん文明の利器の勝利ですが、あたたかさの中でもっとも癒されるのは薪ストーブです。

薪ストーブの炎はずーっと見ていたくなるのです。

薪のぱちぱちという柔らかにはぜる音も耳に心地の良いものです。

長い時間を七山で過ごしていただけるときには生徒さんたちもいっしょに薪ストーブで暖をとっていただきます。

ずっと見ていたくなりますねとみなさんが言われます。

本当にそのとおりです。

これはきっと人間の原始的な記憶に働きかけるのではないかと思います。

ヒトという動物がこれほど文明を発達させてきた起源は「火を扱えるようになったこと」ではないかと思います。

すべてのエネルギーはここから始まっているのではないかと。

そしてヒトといっしょに火で体を温めていたのは犬ではないでしょうか。

だから、暖炉の前に犬といっしょに体を温める時間はすごく昔のことを思い出させてくれるのです。

七山にある薪ストーブですが、当初は暖炉だったものをよりあたたかく安全に使えるようにと薪ストーブに作り変えました。

リフォームしたのはオポが他界した後でした。

薪ストーブへのリフォームには費用も時間も気力も相当にかかりました。

でもなぜか山での暮らしをオポがいなくなったと同時に止めてしまっては、自分がどうなのかなと思ったのです。

ここでの暮らしをもっと続けていく、そんな決心で暖炉を薪ストーブにリフォームしました。

今日は動画に収めたものをアップさせていただきます。

途中で空気の量を絞って炎の動きが変わっていくのを見ていただこうと思いましたが、その際わたしのズボンのすれる音が入ってしまい生活感満載ですみません。

年と共に七山までが遠くなったシニア犬ちゃんたちにも七山の癒しが届きますようにと願いをこめてこちらに動画を掲載します。

もちろん七山にいらしたときにはぜひ暖炉で体を温めてください。

[youtube]https://youtu.be/22lGMTAtSg0[/youtube]



Posted in 日々のこと, 犬のこと, 自然のこと

<テレフォンわんわん人生相談>帰宅すると興奮して抱き着く飼い主と葛藤の日々

犬生には様々な喜びがあり、同時に悩みや苦しみもあります。
ひとに言えない、誰にも相談できない悩み、苦しみ。
そんな時少しでもお役に立てばというのがこのブログ<テレフォンわんわん人生相談>です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

相談犬:もしもし、はじめまして。

ナレーター:もしもし、はじめまして。今日はどんなご相談ですか?

相談犬:実は飼い主のことなんですが、毎日のことで少し困っていることがありまして。
飼い主が帰宅したときにすごく抱きしめられるんです。

ナレーター:飼い主さんの帰宅のときにあなたを抱きしめるということでお悩みなんですね。
あなた今おいくつですか?
今の飼い主と一緒に暮らしてどのくらいになりますか?

相談犬:わたしは1歳です。
子犬のころから今の飼い主と暮らしています。
一年近くかと思います

ナレーター:ご家族は何名いますか?
飼い主の年齢はどのくらいですか?女性ですか、男性ですか?

相談犬:飼い主はひとりです。女性で30代です。

ナレーター:あなたの性別は?どのくらいのサイズですか?抱きしめられても平気なくらい?

相談犬:わたしはオスです。体重は5キロくらい、抱きしめられるというよりは抱き上げられる感じでさらに…少し言いづらいのですが。すごくキスされます。

ナレーター:なるほどですね。
飼い主がそうなるのはいつも帰宅のときですか?

相談犬:はい。飼い主は毎日仕事に出かけます。朝出かけていって夕方戻ってくるのですが、毎日夕方もしくは夜にもどってくるとすごく大きな声で私の名前を呼び抱き上げてキスします。かなり長い時間かと思います。

ナレーター:それであなたはそのことを困っているので相談したいということですね。

相談犬:はい。あまりにも拘束がきついのと、飼い主が興奮しているので私もつい興奮してしまいジャンプしてしまうようになり、そうするとますます飼い主はもっとわたしをきつく抱きしめるようになってしまって…。
悪循環なのですがどうやって解決したらいいのか、もうわからないのです。

ナレーター:わかりました。そのあたりを詳しく先生に聞いてみましょう。

先生:こんにちは。
飼い主さんはいつころからそんな風になったのですか?

相談犬:よろしくお願いします。
わたしも覚えていないのですが、気づいたらこんなことになっていました。
抱き上げられるときにも急な感じで、なぜそんなに興奮して抱きついてくるのかもはじめはわからなかったのですが、女性だからこんなものかなとはじめは思っていました。

先生:ところが最近になって耐えがたくなったということですか?

相談犬:そうですね。なんだか落ち着かないのだけど、伝え方がまずかったのかどんどん興奮が増しているような感じがして、最近では飼い主の外出のときから落ち着かない感じになってきたんです。

先生:飼い主の感情を受け取ってしまうのがあなた方犬の良いところでもあり難しいところでもありますからね。
飼い主の感情を受け取って受け流すというところまで、まだお若いから難しいでしょうね。

相談犬:飼い主の感情を受け取って受け流すですか?
今まで全くそんな風に対応できたことはありません。
飼い主の感情を倍にして返すのが精いっぱいです。
わたしは何か間違っているでしょうか?

先生:いえ、あなたは犬としてちゃんとやっていますよ。
あなたの言うとおり、飼い主の状態を映し出してちゃんと返してあげるのが犬のお役目だということは間違っていません。
あなたは誠実にやっているのにそれが飼い主側に伝わっていないということですね。

相談犬:はい「私のことが好きなのね」と言ってますますキスされます。
少し気持ちが落ち着かなくなっていくのがわかってきて、このままではまずいなと…。

先生:飼い主と同じように反応しても理解を得られないことの方が最近は多いみたいですね。
あなたは結局、飼い主にどうしてほしいのですか?

相談犬:落ち着いて欲しいんです。
わたしも元気に遊んだり、社会的に過ごしたりするのにまだ余裕もないので、飼い主にいろいろと教えてほしいことがあるのですが、飼い主から甘えられると自分が落ち着かなくなってしまうので。

先生:ここでははっきりと言っても大丈夫ですよ。
要するにあなたは落ち着きのある自信をもって接してくれるような安定した飼い主になってほしいと願っているということですね。

相談犬:はい、そうなんです。
でも自分にはまだそのことを伝えることもできず、何か良い方法があれば教えてください。

先生:落ち着かせ行動を繰り返しやってみるというのは試しましたか?

相談犬:それ、友達に聞いてやってみたのですが、先日耳をかいていたら動物病院に連れていかれてしまって、全く通じませんでした。

先生:犬の言葉は通用しない飼い主というパターンですね。難しいですね。
あなた少し念力はありますか?

相談犬:念力?使ったことはありませんが公園で犬の先輩がいるので教えてもらえるかもです。

先生:念力が使えるなら、テレビのスイッチをつけて「自分を落ち着かせる」番組や音楽を選んでみるといいですよ。
あまり効果があるとも言えませんが、何もしないよりもいいでしょう。

ああそうだ、それからあなたの公園友達の飼い主にわりとわかるかたいます?

相談犬:あまり見たことはありません。
落ち着いた飼い主たちはわたしたちとは違う道を歩いているみたいです。

先生:飼い主さん同士も似たものがよってきますからね。
でもあなたまだ飼い主のこと生理的には大丈夫ですよね。

相談犬:はい、悪気がないのはわかっていますし飼い主も成長すると思うのです。

先生:あなたえらいですね。その気持ちがあるならきっと転機が訪れますよ。
もしかしたらこの番組を聞いてくれているかもしれないし。
自分のことかなと気が付いてくれるといいですね。

相談犬:そうですね。ありがとうございます。

ナレーター:大変そうでお気の毒ですが、時間をかけて改善を試みてくださいね。

相談犬:ありがとうございます。
今日話せたので少しですが気が楽になりました。
あきらめずに取り組みます。

ナレーター:応援していますよ。
がんばってください。

DSC_2511

Posted in テレフォンわんわん人生相談, 犬のこと