グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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<犬のしつけ方>子犬の真の社会化を考える:Detective puppyたちの社会活動記録

犬の預かりクラスで感じたこと、昨日に続きます。

犬の社会化の過程について、もう一度考えてみましょう。

社会化とは、単純にいうと環境に適応する力をつけることです。


環境に適応するといっても、恐怖反応や攻撃反応をゼロにということではありません。

恐怖を抱く必要のあるものにはその反応を示すこと、

防衛すべき相手に対してはちゃんと防衛をする必要があります。


犬が周囲で起きていることをすべて脳から追い出す
回避をすることが社会化ではないのです。


動物は混乱すべき状況に起きていると、
起きていることを全て見えない状況にしようとします。

これは人でも起きていることです。

「見ないようにしよう」

「知らなかったことにしよう」

「わたしはここにいないことにしよう」


こうした回避行動は日常的に行われています。


脳の中では、今目の前にいる刺激を排除するという機能があります。


一度にたくさんの刺激にさらすと、脳はこの排除機能を用います。

刺激に反応することがなくなることが社会化したように誤解させます。

これは、社会化でもなんでもありません。



正常な子犬の社会化とは、子犬が安全なテリトリーの範囲内で、
活動しながら探索を通して学習を重ねていくことをいうのです。

預かっている子犬の着ている洋服には「DETECTIVE PUPPY」と書いてあります。

直訳すると「探偵子犬」ということですね。

dav
子犬はまさに嗅ぎまわる動物です。

安定したテリトリーやリードを持つ人との安定した関係性が、
その探偵=探索をささえる基盤です。

安定した探索行動は、子犬の脳の発達を促します。

それが本来の社会化の発達です。

dav
子犬のときに他の犬や他人に会わせることが社会化だと思われているようです。

これは社会化ではありません。

社会化したように見える反応のなさは、刺激を排除の機能が発達したといえるでしょう。

排除機能が中途半端な場合には、犬や人に恐怖行動を示すようになります。

その行動は1才を過ぎてから表現されるようになります。


子犬のときに、犬に会わせるためにドッグランやデイケアに連れて行くことはお薦めしません。

子犬のときに、たくさんの人に会わせることもお薦めしません。

ここに書いてあることは、どの本にも書いていないかもしれません。

ですが、もう一度自分の頭の中でみなさんが考えてみてください。

dav

Posted in 犬のこと

<クラス>子犬のお預かりクラスで見る犬の体感温度:体温管理は自律神経の発達を促すこと

子犬や老犬の体調管理には注意が必要な季節になりました。

気温の変化に対応するためには、体の自律機能が頼りです。

体温調節は自律神経がつかさどっています。

自律調整機能が不安定な状態だと、気温の低下に体が適応しません。

老犬になると、機能低下が著しくなるため、
温度管理はとても大切になります。

老犬のお部屋は十分に温めてあげてください。


ただ、子犬の場合は、ただ暖かくするだけではダメなのです。

いわゆる過保護状態になりすぎると、子犬の成長を阻害してしまい、
免疫力の弱い虚弱な犬になってしまうからです。


子犬は環境に応じて身体的機能を鍛えて高めていくことができます。

寒いからと冬場に部屋に閉じ込めたりすると、
子犬の自律神経機能は発達せずに、心身共に弱い犬になってしまうのです。


この冬の時期に、子犬たち2頭が七山校にお預かりクラスに来ました。

七山は標高500メートルのところにあります。

都心の犬にとって、自然環境は特別の刺激です。

特に健康な子犬たちにとっては、興奮の素材がたくさんです。

お預かり数回となって、山歩きにもチャレンジできました。

子犬の状態を見ながら、今日はココまでと欲張らずにすすめます。

dav
子犬たちは休憩したり歩いたりをくり返しながらも、
果敢に山歩きにチャレンジしていました。

歩くことで体の機能も発達し、体温調節機能も高まります。

自然の中での安定した活動は、子犬の脳を健康に発達させていきます。

室内での休憩中には、きちんと暖がとれるように準備します。

子犬のお泊まりにはいろいろと気配りが必要ですが、
子犬たちの元気な笑顔や成長が、その苦労を忘れさせてくれますね。

dav

dav



朝一番のお庭での排泄タイム。

庭に出た子犬たちは、ピューと吹く北風に一瞬ビックリします。

だけど、シャッと背筋を伸ばすようにして、
テラスの階段を自分で下りて排泄に行きます。

こうした預かり中の行動を見ているだけでも、
飼い主さんが日常的にどのように接しているのかがわかります。

子犬の自律性を高めるように接しているということが、十分に感じられるのです。

犬の行動はうそをつきません。

家で出てきること自律行動は、預かり中にもちゃんとできるのです。


ところが、家で飼い主さんに依存して生活をしていると、
ブルブルと震えてしまうかもしれませんね。

すべてが、飼い主がそばにいることでしかできなくなっているからです。


犬たちに、日々の自律した生活を促すことが、

気温の変化に適応する体をつくることを知ってください。

うちの犬は寒いのがダメ、うちの犬は寒いと風邪を引きやすい。

そんな犬たちの限界を、少しでも延ばして超えていきましょう。


犬の自律神経の調整力は、犬の生涯を通して犬の健康な毎日を支えます。

犬をただ可愛がるだけでは、犬の能力は発達しません。

犬が生まれ持った自分の能力をできる限り発揮できるように、
飼い主は環境を整えましょう。

dav

Posted in クラスのこと, 犬のこと

<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?後編

犬の音に対する反応についてのコメントです。
昨日のブログからの続編になりますので、読んでいない方はこちらからどうぞ
→<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?前編

日常に溢れる人工的な音に対する犬の反応、観察できましたか?

前編で紹介したように、注意を勧告する警告音は不快な音です。

不快な音であることが、注意を引く音になるからです。


救急車のサイレンや郊外で流れる夕方の時間を知らせる音楽は少し違います。

これらのサイレンの音には、犬は遠吠えという形で反応します。

これは一定の音に対する共鳴という行動です。

行動を誘発する刺激が与えられると行動を起こすというのは、
学習のひとつの原理なのです。

サイレンの音という誘発刺激によって、犬の遠吠えという行動が引き出されます。

ミックスには反応が多く見られますね。

ただ、この反応は前述した不快な警告音に対する反応とは違うのです。


警告音に対する犬の反応に戻ります。

犬がこれらの音に反応するときには、不快感を得てビックリしたような反応をします。

もしくは同じように不快感を表現するような行動をすることもあります。

中には、強い不快が不安を引き出し、そこからパニックを起こすようになることもあります。


警告音に対する強い反応としては、連続してワンワンと吠えてしまうような反応でしょう。

音に反応して吠える犬の声は、少し高めで苛立ちを表現するような声質をしています。

声は澄んでおらず、にごっていて犬の声にも違和感を覚える声です。

これらの犬の声にも、警告音と同じような不快感を覚えるでしょう。

ということは、犬のこれらの反応する声は、犬の不快さを表現する声だということです。

警告音によって不快さを強く感じ、それを表現するまでに高めてしまったということです。


動物によって出す音の種類はそれぞれに若干の違いはあります。

しかし、共通した情報として不快な音は不快なのです。

少なくとも、警告する不快な音は、人にとっても不快であり、犬にとっても不快なのです。


ですが、その不快感はすぐに消え去るものなので、人もすぐに元の情緒、
つまり安定を取り戻そうとします。

犬にも同じように、安定を回復させようとする神経機能が備わっています。

すぐに安定を回復させることができる犬は、
片目を開けることはあっても、すぐに目を閉じて寝続けます。


これらの状態にどのような差があるかというと、
犬の日常的な情緒状態に差があるということです。

不快な警告音に強く反応してしまう犬は、日常的に不安や不快を抱えています。

日常的な環境と、飼い主さんとの関係を三度見直す必要があるでしょう。


逆に、全く反応を示さない犬の中にも、ストレス過多になっている犬もいます。

こうした犬たちはとても気づきにくいのですが、最も気づくべき存在です。

日常の刺激によるストレスが強すぎて、無反応という状態に至った動物です。


ただ寝ているだけなのと、無反応になっている犬との区別をどのようにつけたらいいのか。

日常的な行動をすべて分析していくと、犬の状態は理解できるようになります。

犬の行動の見方は、すべての飼い主さんに理解していただきたいことです。


犬のしつけ方やトレーニングを学ぶのは、行動を教えることを学ぶだけではありません。

犬が何を感じ、何を表現し、何を必要としているのか、

理解して協力できるのは飼い主しかいないこと、飼い主とはやりがいのある仕事です。





ところで、明日から福岡・佐賀県の標高200メートルで10センチの積雪予報が出ています。
七山は標高500メートルですが、福岡で活動するため様子がわかりません。
帰宅したら積雪してるということも十分に考えられます。
七山の雪を恐れて帰れなくなったら、山人としては恥ずかしい限りなので、
意地でも山帰りを続けていきます。

七山にお越しの方には、七山雪情報は事前にお伝えします。
雪に覆われた山は最高に美しいのです。
その中に歩く犬はもっと美しい、そんな風景もいつか見てください。

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Posted in 犬のこと

<犬のしつけ方>犬が嫌がる不快な音:音に吠える犬、吠えない犬で何が違うのか?前編

福岡で過ごしているときには、毎日いろんな音が飛び交っていると感じます。

七山の静かな環境から移動してきたときには、よく感じることです。


夜中サイレンの音がしょっちゅうなります。

暴走族の取り締まりをするパトカーの音。
夜に具合が悪くなった方の搬送のための救急車。
以外に響くのが酔っ払って携帯電話で話しながら歩く人の声。

昼にはヘリコプターの音をよく聞きます。

こうした遠くから聞こえてくる音には、まだましな方です。

もっと動物をビックリさせるのは、身近にある電気製品の音です。


都心部にはいろいろと注意しなければいけないことが多いため、
注意を喚起する音というのがあります。

車のバッグ音

車で安全ベルトをつけないでいるときの音

電話の着信音(スマホの方は出ないようになってますね)

シャッターの音(動画のときは特に大きい音)

キッチンタイマーの音

洗濯機が止まった時の音

電子レンジの音

地震の発生を知らせる音は特に強い音ですね。

こうした身近なアラーム音は増え続けています。


これらの音は、人の注意をひきつけるようにできています。

身近な人の注意をひきつける音というのは、不快な音なのです。


不快な音が、なぜ人の注意をひきつけるのかというと、
不快な音は、危険であることを知らせる音だからです。

そのため不快な音は注意をひきつけると同時に、
不安や苛立ちを感じる音にもなっています。

こうした不快な音質によって感じる情動は、
人も犬もかなり似てるようです。

そのため、犬の中には特定の人工的な警告音に対して、
吠えたり、顔を上げたり、走り出したりするなどの行動をすることがあります。

顔を上げるくらいなら、まだそれほどの影響は受けていませんが、
吠えたり、走り出すとか飛び起きるとなると、犬も不安定です。

みなさんの身近な犬は、警告音に対してどのように反応しているでしょうか。

反応しない場合にも、他の行動もあわせてよく観察してみてください。

明日に続きます。

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<お知らせ>12月13日、七山にお立ち寄りください。

久しぶりに七山の地を踏めました。

やっぱり、空気が違いますね。

冬になるとリンとした感じの空気になって、
身も心も引き締まればいいのですが、特に身の方はですね。

来る12月13日、オポの命日には七山で一日を過ごしています。

グッドボーイハートやオポにご縁のある方をおもてなしします。

グッドボーイハート七山で暖かなお茶と軽食をどうぞ。


犬連れの方はゆっくり山歩きしてきてください。

犬を亡くした方も、おしゃべりで楽しんで行ってください。

なんだかゆっくりと、いろいろと思い出やこれからの希望に浸っていただければと思います。


念のため、いらっしゃるときは事前にご連絡ください。

お昼前から日没まで大丈夫です。

たぶん、私は暖炉のお世話をしています。


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<犬のしつけ方>拡散希望!犬の「抱っこ散歩」って絶対ダメなんです!

あまりに広がりすぎて、間違っているのに訂正できないこと、

実は、犬のしつけ方にもあります。

そのてひとつが、犬を抱っこして散歩することです。


初回のカウンセリングのときに、よくこんな会話になってしまいます。

生徒さん「抱っこして散歩してるんです。」

私「犬の抱っこ散歩は、犬の正常な発達によくありませんよ。」

生徒さん「えーーーー!!!。抱っこして散歩するのダメなんですか?」


中には、「犬が子犬のときには抱っこして散歩していた。」という
過去形の方もいらっしゃいます。

いずれにしても、きちんとお伝えします。

「犬を抱っこして散歩することは、犬の発達を阻害することです。
犬のしつけ方としては、おすすめしません。」ということです。


犬のしつけ方にはいろんな手法があります。

なので、何が正しいのかというのはよく議論をする必要があるでしょう。

「犬を抱っこして散歩すること」があまりにも推奨されている中で、
それが間違っているということは、異論といわれるかもしれません。

異論といわれても構いません。

犬のナチュラルな発達のために、伝えさせていただきます。

犬を抱っこして散歩することは、なぜ発達を阻害してしまうのか。

犬という動物についてよく考えれば、だれでも分かることなのです。


犬は抱っこして成長するというシステムを持っていません。

成犬は子犬を抱っこして環境に順応する機会を与えません。

子犬は自らの脚で移動することを通して、環境学習を進めます。

環境学習とは、社会化の過程で必要な学習です。

社会化という言葉も、若干専門的になってしまいますが、
文字量が多くなりますので、ここでは簡潔に説明するために使います。


犬を抱っこするという行為は、犬を拘束するという行為です。

拘束とは、動物にとって最もストレスを与える行為です。

拘束状態で環境に接触させれば、犬は恐怖を抱きやすい性質になります。


犬は視覚的に環境把握をすることが不得意です。

脳の構造が人とは違うからです。

犬は嗅覚的に環境を把握したり、対象を認知していきます。

犬が拘束されて見たもので、臭いを嗅げなかったものに対しては
理解できないもの、緊張を感じたもの、恐怖を感じたもの
として認識されていきます。

犬の恐怖ボックスにはたくさんの情報が入ってしまい、
犬は恐怖をいだきやすい性質になってしまうのです。

散歩で使用するリードも一定の拘束を与える道具なので、
リードが拘束とならないように使い方は覚えて欲しいものです。


実は、子犬期に抱っこして散歩するといいというのは、
どのような本にも書いてあり、セミナーで習ったこともあります。

自分もはじめはこのことに疑問を抱かずにいましたが、
抱っこされて歩いている犬の状態やその後の発達を見ながら再考しました。

その結果、この「抱っこ散歩」は発達を阻害する作業であるという結論に達したのです。

もちろん、個人的な見解です。
たくさんの実験をしたものではありません。

ただ、考えればわかりそうなことではないでしょうか。


本やネットに出ている情報が、右から左へとコピーされていくことや、

犬に関わる専門家がよく考えずに人にすすめてしまうことが、

犬と飼い主に多大なる負担をかけています。


緊急にお知らせしたく、拡散希望と題に添えました。

もちろんコピーしてただ広めるのは危険です。

犬について考えてよく理解できた方は、身近な方に少しずつ伝えてください。

dav

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<クラス>「もっと早く犬のことを勉強しておけばよかった」人も大丈夫:犬語セミナーを開催しました。

週末の日曜日と昨日の水曜日に犬語セミナーを開催しました。

七山校ではまったりとお茶会しながらゆるやかなセミナーに、
福岡校では初めて参加の方を迎えながらも、活発な意見が続々と。

それぞれに、参加者の個性あふれるセミナーを開催できました。

犬語セミナーは犬の動画を見ながら、
犬のコミュニケーションについて学ぶセミナーです。

ビデオを通して視覚的もしくや聴覚的に確認できる犬の行動を
セミナー参加者といっしょに集めていきます。

はじめて参加された方でも、細かいシグナルを拾っていくことができます。

観察眼というのはもって生まれた能力と、経験によって磨かれた能力です。

どちらにしても、くり返していくと犬の行動をみる観察眼が育っていきます。


今回も、犬と犬の対面のビデオを使用しました。

初対面のものと、そうでないものを準備しました。

参加者の多くがそうなのですが、自分の犬と似ているところが気になります。

「うちの犬もこんな行動をすることがある!」というところにひっかかります。


たくさんの行動をビデオで見ていきます。

すべてを理解しようとすると、疲れ果ててしまいます。


なんでもいいのです。何か気になった行動を深くみていきましょう。

今までとは見方が変わります。


参加された方の多くがこんな風に表現されます。

「犬のことを、今までと全く異なる視点で見ることができるようになった」


こういわれることも多いのです。
「もっと早く犬のことを勉強しておけば良かった。
そうしたら、前の犬のことももっとわかったのではないかと思う。」

犬のことでなくても、そんなことはたくさんあります。

もっと早く知っておけばよかったと思うこと、いっぱいありますね。


でも、犬のこととなると特別です。
犬と人は動物として違いが多く、理解しているように思えても
実際にはなかなかしていないことが多くあるのが現実です。

大切な家族である犬のこと、もっと知って協力したいと、
たくさんの人が思っていることに感謝しています。


もっと早く知っておけばよかったと思っても、決して遅くはありません。

今、こうしていっしょに犬のことを学ぶことができるようになったことが、
何よりも大切なことなのです。

あなたと以前暮らしていた犬が、飼い主さんへのプレゼントとして
出会いの機会を与えてくれたのかもしれません。


来月も七山校では犬語セミナーを開催します!

12月24日(日) 12時~14時

犬への理解を一歩すすめるというクリスマスプレゼントはいかがでしょうか。

dav

Posted in クラスのこと

<本>「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」運動は自然環境がベストなのは人も犬も同じ!

いろいろと本を読むのですが、なかなかおすすめしたいと思う本が見つからない中、
久しぶりにおすすめしたい本がありました。

書名:GO WILD 野生の体を取り戻せ!

著者」ジョンJ・レイティ、リチャード・マニング
NHK出版

dav
著者のジョンJレイティは医学博士、ハーバード大学医学部臨床精神医学准教授という肩書きで紹介されています。

肩書きで本を選んだり本の内容に評価をつける必要はありません。

ただ、本の内容を通して著者に関心を持つことができ、
どんな人なんだろうと思い、プロフィールを見ます。

多くの精神医学を必要とされる患者に直接ふれる医師として、
臨床経験を通して得られた見方がとても興味深いと感じました。

そして、何よりもすばらしいと思えたのは、
この考察の過程を通して、著者自体が暮らし方や生き方を変化させていることです。

本書の中にも、本を書くことで自分が変わらないのであれば意味がない、
という旨の文章がありました。

心を打たれます。

こうしてブログを書いている自分も、ブログを書くことで考えを整理し
整理した考えや見方を新たな行動に移しています。

ただ考えをめぐらせるだけなら、ただ起きていることを述べるだけなら、
ブログなど書く必要はありません。


実際、本の著者は自分の生き方を変化させていくなかで、
様々なものに出会い、体験し、そして習得していく過程を見せてくれます。

さらにこの過程を「トレイル」と呼び、自然の中に出ていったことで
多くのものを知ることができたということも述べられています。

その多くのものがこの本の中に書いてあるのです。


本の中書いてあることが、自分にあっているかどうかはまた別のことです。

帯には「文明に飼い馴らされた生き方は、もうお終いだ。」とあります。


犬のしつけ方の学校でこのような本を薦めることを疑問に思われるかもしれません。

理由はとても単純なのです。

人が人として生きる選択をするほど、犬も犬として生きる道が拓けるから、
ただそれだけのことなのです。

本を通して、自分もたくさん体感したことも書いてあったので、
共感できることがいくつもあったというのも推薦の理由です。


本書にたどりついたのは、同著者の別の本を読んだことからでした。

書名:脳を鍛えるには運動しかない
著者:ジョンJ・レィティ、エリック・ヘイガーマン
NHK出版

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もちろん、こちらもお薦めなのですが前者の「GO WILD」の方が一般向けかなと思います。

ぜひ、この秋の夜に読んでみてください。


他のグッドボーイハートお薦めの書籍はこちらでもご覧いただけます。
→GoodBoyHeartの本棚

Posted in おすすめのアイテム

<受講生>怖がりの保護犬から信頼できる家族に出会ったアルクの九ヶ月

家庭訪問トレーニングクラスを受講しいる1才過ぎのアルクくんの飼い主さんより
クラス受講の感想文をいただきました。

保護施設から家庭に迎えられたアルクくんの成長の過程の写真と共にご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

グッドボーイハートでは、14年前に保護団体から犬を引き取った際に、
家庭訪問のトレーニングをしていただきました。

トレーニングクラスを通して犬への理解が深まり、
充実した犬との生活が送ることができました。

それで新しい犬を迎えた際にも、トレーニングをお願いしようと思っていました。

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ただ、今回出会いがあって家族として引き取った犬は、
先代と同じ保護犬だったのですが、ちょっと手強いな、と思ったのです。

アルクと名づけたその犬を迎えて、
間髪入れずにカウンセリングをお願いしました。

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写真:保護施設にいたころのアルク


家に迎えたばかりののアルクは、恐怖、逃走、依存などによる行動が非常に強くみられました。

たとえば、クレートからなかなか出てこられないこと、
散歩中には、出会う人や看板、車に対してとびのくように反応したり、
尾を巻き込んで走り出したり飛びあがったりします。

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散歩コースに昨日まではなかったゴミのようなものに対しても
ビクビクするような行動で怖がるような状態を表現していました。

かと思えば、自分にべったりと依存してくるような行動も見られました。

当時はこのような状態のアルクを見て、アルクの性格や特徴云々を考える余裕もありませんでした。

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初回のカウンセリングやその後の訪問レッスンでも、
非常に状態には課題が多い事が分かってきました。

本当に、これは大変だな~と思いました。

が、先生の鋭い観察力と課題に対する的確なアドバイスという後ろ盾があったため、
アルクに対する不安は全くありませんでした。

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トレーニングを重ねるうちに、アルクは本来は穏やかで人にも従順な犬なのでは!?
と思えるようになってきたのです。

トレーニングを続けて9か月がたち、1歳3か月(推定)になりました。

この年齢が非常に多感で大切な時期であると理解した上で、
毎日の積み重ねの大切さを痛感しています。

私がリーダーシップを取れるようになる事が重要な課題の一つです。

これが一番難しいのかも知れませんが、アルクが安心して犬らしい生活が出来るよう、
これからも一緒にトレーニングを積んでいきたいと思います。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

実は、飼い主さんとアルクくんの出会いを生んだのは、グッドボーイハートのブログでした。

熊本県の保護施設の犬の譲渡会が福岡で開催される告知を見て、
出かけてくださったそうです。

先代の犬くんが亡くなってから、まだ新しい犬を迎えるかどうかを迷っていたらしいですが、
これはもう運命の出会いというものでしょうか。

原因は様々であることを前提にしながらも、保護されたアルクくんは
大変ストレスの高い状態であったことは認めざるを得ません。

そのアルクくんを心から迎え入れ、理解しようと向き合われたことで
犬の状態の変化は思ったよりも早く訪れました。

アルクくんは学習能力も高く、感性もとても強い犬であることから
幼少期の経験が現在と将来の行動に影響を与え続けることは事実です。

それでも、それを超えられる関係性というのがまだ先にあることが
大きな希望になって見えてきます。

サイズの大きな活動性や運動能力の高い犬は、都心での生活には苦労もあります。

自然の中で過ごす時間を大切にされる飼い主さんだからできること、
きっとアルクくんの成長に役立つ事でしょう。

いろいろと欲深くなってしまいますが、これからもアルクくんの真の成長を
楽しみにしています。

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Posted in 受講生のコトバ

<犬のしつけ方>電気ストーブで暖かさを提供する、犬との生活に配慮と工夫すること

七山では特別寒さが強く、薪ストーブや石油ストーブ、エアコンまで活動して
犬と人が暖をとるための道具たちが活躍中です。

先週から福岡でも冷えが強くなり、小型犬たちの活動にも変化が見え始めました。

最近は、小型犬でも2キロよりも小さい犬たちも出始めているので、
体温を保持させるために、いろいろと工夫も必要です。

もちろん、福岡ではどのお家にもエアコンはついています。
暖房はしっかりと入っているのです。

しかし、小型犬たちの高さは案外寒いのです。

人の方はベッドやソファや椅子で生活するようになり、
高さ60cm以上のところに心臓が来るように据わっています。

それに、大人に比較すると小型犬の方がずっと小さいのですから、
当たり前ですが、寒さが応えるのはいうまでもありません。

暖房器具は乾燥を呼ぶのであまり使いたくはありません。

かといって寒いまま放置してしまうと、犬たちはあちこちへともぐってしまいます。

布団の中、コタツの中、クレートの毛布の中にもぐりこんでいないでしょうか?

狭い場所で暖がとれるもの大切なこと。

クレートの中には湯たんぽなどをいれてあげてほしいのです。

dav

でも、みんなが過ごすリビングにいっしょに過ごせなくなるというのも
犬と人が共有できる場がなくなりさびしいものです。

ということで、ほんの小さな電気ストーブを置いていただきました。

最近の電気ストーブは安全装備も十分です。

遠赤外線のものもたくさんありますので、犬は体の芯から暖まります。

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犬のしつけやトレーニングというと、犬に合図や号令を教えるものと思われていないでしょうか。

犬のしつけ・トレーニングとは、犬を理解し犬の環境を整えることが最も重要なことです。

環境を過保護にしすぎることも問題ではありますが、
犬の行動が適切であるということを基準に考えていただければと思います。

昼間から布団にもぐってしまう犬を「布団にもぐるのが好き」と見過ごしてしまわずに、
どうやったら普通に過ごせるのだろうかと考えていきましょう。
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Posted in 犬のこと