グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬のトレーニングって何?

昨日、福岡のFM放送「LoveFM76.1」の月下虫音(げっかちゅうね)という番組で、パーソナリティの大田こぞうさんがグッドボーイハートのブログを朗読してくれました。大田さんはグッドボーイハートの行動学を学ぶ講座を受講されました。大変刺激を受けた生徒さんのひとりです。

自分で書いたブログの朗読を聞いていて、自分でも反省するところがたくさんありました。
犬のトレーニングに縁のない方にも、犬について理解していただくために、今日は、そもそも犬のトレーニングって何?ということにお答えします。
どんな分野にもそのものの価値観が入るように、グッドボーイハートにもまた価値観があります。なので、あくまでグッドボーイハートが考える犬のトレーニングという視点でお話したいと思います。

まず最初に明らかにしておきたいのは、犬のしつけ・トレーニングを学ぶのは「飼い主自身」であり、その飼い主さんの目的に応じて、大きくふたつにわけることができます。
その1 犬の成長過程に応じて必要な環境や成長のチャンスを提供し、犬を理解するためのトレーニング
その2 犬に問題となる行動や状態が生じたとき、それを解決するためのトレーニング

その1の犬の成長過程に応じてというと、わかりやすいのは子犬のトレーニングです。飼育に必要なものを準備し生活環境を整え、犬がはじめて体験する首輪やリードといったものを犬にわかりやすく受け入れさせたり、適応力を育てる社会化の学習など、生後4ヶ月くらいまでに行われます。その後も犬の成長に応じて必要な理解やコミュニケーションを飼い主さんに知っていただくことで、成長過程に応じたトレーニングは継続されます。犬は7歳ころになると安定した気質をみせはじめますが、またこのさき9歳くらいから体の変化がみられるようになり、年齢に応じた生活環境の整え方やケアの仕方、過ごし方など、老犬になっても「成長過程に応じた」トレーニングを受けることができます。

その2は犬の問題となる行動や状態が生じたとき、これは飼い主さんが犬を飼うことに苦痛を感じられるようなことがあった場合にご相談を受けるケースです。トイレの失敗、いたずら、リードのひっぱり、吠え、かみつき、他の犬と遊べない、来客にほえる、逃走、雷をこわがる、ごはんをたべない…などその問題は多岐にわたります。子犬のころからトレーニングを受けられていても、忙しい飼い主さんの練習が進まないとか、環境によりストレスがかかってしまうなどの理由で、生後6ヶ月を過ぎるころから問題となる行動が生じることもあります。

成長過程に応じたトレーニングは、まだ問題がおきる前に成長を支えるトレーニングであるのに対し、問題が生じてから対応するトレーニングは問題を解決することが目的となります。

後者の犬の行動の問題を解決するトレーニングはへの対応は「対処法」と「行動療法」が行われます。「対処法」とは、とりあえず問題が悪化しないように、一時的に処置を施すものです。一方「行動療法」とは行動の要因をつきとめ、根本治療にあたっていくことをいいます。行動療法を行う際も、対処法は一時的には必要のため平衡して行われます。
と、このように書くと、家庭犬インストラクターの私が犬に直接的に行動改善を行うように受け取られるかもしれませんが、問題行動を解決する「行動療法」も飼い主さんによって行われるもので、その手順をインストラクターが説明するという形です。

犬の困った行動に対する対処法はネットや本に出回り、今や情報があふれています。そのため対処法がトレーニングなのだと思われてしまうこともありますが、それは違います。問題の根っこのところから改善を目指していかないと、犬が本来かかえていた問題が解決したとはいえません。対処法はあくまで「人が困らなくなるための一時しのぎの対応」だととらえてください。犬に罰を与えるなどの対処法はのちのち犬の性格を不安定にさせる原因となり、決してお勧めできません。

さて、トレーニングの目的は異なっているとしても、どちらを学ばれてもやっていることは同じことのように感じらえるでしょう。犬という動物を犬として理解すること。動物と暮らすためにはこれに勝る勉強はないと思うのです。犬のしつけ方教室に通った事がない、トレーニングを受けたことがない方でも、犬と暮らしているかたなら先生は目の前の犬です。犬のことを理解できるようになると、犬との暮らしはとても豊かなものになります。

昨日の大田こぞうさんのコメントでは「先生は決して答えを教えてくれないんですけど…。」といわれていました。
これは本当、その通りです。私が飼い主さんに出すのはヒントだけ、なぜなら答えは飼い主さんが知っているからです。理解できたときの感動を味わってもらいたいと思いつつ、いつもワクワクしながら楽しんでいます。






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オスワリとフセはできるのに…。

トレーニングのご相談やカウンセリングの際に飼い主さんによく言われることがあります。「うちの犬はオスワリとかフセはちゃんとできるんですけど」。オスワリやフセはちゃんとできるのに、やってほしいことができないとか、他に困ったことをしてしまうということです。特に室内犬にこの傾向があるように思えます。

子犬を飼い始めたときは、飼い主さんも気合や楽しみがいっぱいです。犬が家に来たら、早速オスワリやフセを教え始めるでしょう。大好きな食べものやオモチャを犬に見せれば、犬はこちらをみます。それを使ってオスワリやフセを教えるのはそれほど難しいことではありません。早ければ数回で覚えてしまうかもしれません。犬が幼少期であればあるほどその覚えは早く「うちの犬は頭がいい!完璧!」だと感動されることでしょう。そして、これで犬のしつけは十分にできていると思い、目の前で起きている少し気になることも、犬が年をとって落ち着いてくればそのうちに止めてくれるだろうという、淡い期待を持ってしまいます。もしくは、成長と共に生じてくる「吠える」「興奮する」という行動も、「オスワリもフセもちゃんとできる。しつけはきちんと教えてあるから大丈夫。」と思って見逃してしまうかもしれません。

ところが、犬の少し気になる行動はなくならないばかりか、新しく生じた問題となる行動や困った行動などが出てきてしまいます。

「オスワリもフセもちゃんとできるんです。子犬のころにパピー教室に通ってちゃんとしつけをしたんです。」飼い主さんにとっては何でもものをおぼえるお利口さんの犬が、どうして困ったことをするのだろうという状態になり、飼い主さんも混乱してしまうようです。

こうしたケースで犬が困った行動を起こしてしまうシチュエーションは、飼い主さんが犬の相手をしていないときです。たとえば、犬がそばにいるのに家族と話している、散歩中に人とお話する、他の犬の相手をする、電話をかける、パソコンをする…などですね。飼い主さんが犬をしっかり見ていて、「オスワリ、おりこうさんね~。」とか「フセ、イイコだね~。」といっているときは、ちゃんと言う事を聞いてくれます。犬は「わたしを見て!」「ボクに声をかけて!」という状態ですから、相手をしなくなると、ものを破壊する、吠える、マーキング、テーブルの上にのる、などと、飼い主が止めに入らなければいけない状態をつくっていきます。飼い主の気を引く行動をしてしまうのです。

では、どうしてこんな問題が起きるのでしょうか。

犬のしつけとトレーニングについて誤解されていることがあります。それは、犬のしつけやトレーニングは犬のしつけ方教室に通って犬にオスワリやフセを教えることだと思われていることです。同様に犬に合図を言って行動をさせる芸やトリックのトレーニングは、一定の目的を果たしてくれることがありますが、やりすぎると本来の目的を見失ってしまいます。
なぜかというと、たとえば「オスワリといって犬が座るように教える」というトレーニングは人から犬に話しかけ相手が聞くというコミュニケーションではありますが、一方通行のコミュニケーションなのです。犬が人に話しを聞いてもらえる対等性のあるコミュニケーションではありません。
そのため犬はいつまでたっても感情が満たされず、犬の方から飼い主に関心をむけさせるようなコミュニケーションをとろうとします。そしてそのやり方は激しく非常にイライラとしたもので、飼い主さんをも苛立たせるものになっています。他の犬にも同じように働きかけますので、他の犬をイライラさせたり遠ざけたりするような結果になってしまい、犬はますます孤独になってしまいます。
それが一時的なものであれば、こちらの接し方を変えるだけで自分を取り戻し正常なコミュニケーションが復活します。ところですが、成長過程で一方通行のコミュニケーションを受け取り続けると、成長期にきちんとしたコミュニケーション力が育っていない、つまり社会性が未熟な状態となり、問題は多少複雑になっています。

ここまで、理解していただけたでしょうか。

で、どうすればいいの?というのが一番知りたいところでしょう。
まず、合図を出して反応させるトレーニングを終了してみてください。そして、犬の行動について勉強してください。犬の行動はすべてがコミュニケーションや表現方法であり意味のないものはありません。どんな行動も関心をもって見守りその意味を知ってください。行動の意味がすぐにわからないこともあります。そのときは一旦「わからない行動ファイル」にいれておいて、引き続き観察を続けます。そうすると他の行動と結びうつきその行動の意味がわかるようになります。ネットや本の情報に頼りすぎないでください。犬という動物として本来はでにくい行動を、人との生活の中で身に付けています。その環境の中で生じたコミュニケーションは個性の高いものになっています。飼い主さんの影響をたくさん受けているのです。

問題があっても、すぐに解決しなくても大丈夫です。自分の犬を知りたいと思う気持ちがあれば、きっとそういう人たちとの出会いが増えていき、犬への理解につながる輪ができあがっていくと思います。

期待はするなかれ、でも希望は大きく持ちたいものです。

わんこ山いちご0531


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犬と犬の対面、落ち着かせの道具とは

プライベートクラスを受講している犬を他の犬と会わせるクラスを開催しました。

犬と犬の対面のためにはいくつかの条件があります。そのひとつが飼い主さん同志の関係です。

体面する犬たちの飼い主さんは、グッドボーイハートに長く通われいてる生徒さん同士なので、クラスの学びの中で犬の行動や習性、理解についても同じようなものを持っていらっしゃいます。またお互いの距離感もしっかりしているため、対面のクラスを安心して行うことができます。

次に、あわせるときに犬が興奮をどのくらい下げられるかということです。どの犬も、特に他の犬と関係性をつくったことのない経験値の低い犬であれば、犬に対し緊張、恐怖、興奮が生じてきます。それを軽減させるためには広いスペースや、犬の排尿の臭いのしないような場所を選ばなければなりません。

さらに、犬の興奮をさげるための道具があります。何だと思いますか?
食べものだと思った方、残念ですが違います。オモチャですか?それも違います。首にショックをいれる首輪?いいえこれも違います。

答えは、リードです。

リードをつけているときに興奮している犬を見かけたことがあるでしょう。リードを引っ張る、飛び上がる、吠える、などですね。リードを外してしまうとこれらの行動がなくなるため、リードは犬を興奮させると思っているかもしれませんが、原因はリードではないのです。リードは犬と人を直接的につなぎます。そのため犬と人の関係性を見事に表現してしてまうのです。犬と人が信頼関係をつくるとリードは魔法の道具になります。

さらにリードには奥義があります。リードをコミュニケーションの道具として使えるようになると、犬に「落ち着く」ことを伝えていくことができます。合図や命令でもなく、オヤツも使いません。リードを急にひくショックを与えることもないし、声は全く使用しません。これはなかなか難しいのです。というのは技術ではないからです。上述した犬と人が信頼関係をつくるという姿勢をもっていれば、リードはこのような使い方になっていきます。

今回の対面の前には、他の犬との経験が未熟な犬の方がリードをつけて歩いているときに、興奮がますます強くなってしまい、対面相手の犬にもストレスを与えてしまいました。そこで、その犬のリードを私が持ってサポートさせていただきました。犬は落ち着きを取り戻し、無事に他の犬との対面を果たしました。飼い主さんに実際のリードを持っているや、落ち着いていく犬の姿をみていただくこともトレーニングのひとつです。ですが、なんどもいいますが、技術を身に付けようとしないでください。リードをつけていないときの犬への接し方、犬との過ごしかた、犬と生活、それらが全てリードをつけているときに現れているのだと思い、少しずつ見直して改善していきましょう。それが犬のトレーニングです。

今回の犬と犬の対面もそれぞれの犬について知る機会となりました。
今週日曜日は犬語セミナーです。もう今からワクワクしています。

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変わる生態系と猟

知人のお友達が猟師という仕事に転職されたということで
会ってお話を伺う機会を得られました。

猟師やイノシシ猟などに対する以前の私の姿勢は、多少嫌悪的な部分を含んでいました。
福岡や佐賀の山では、毎年3月の猟期になると次のシーズンには使われない猟犬たちがたくさん山に放置され、捕獲されているという現状を目の当たりにしてきたからです。
「猟のために犬を使い、いらなくなったら捨てる」
そんなことが行われている「猟」という作業に、違和感を抱かずにはいられませんでした。

ところが、犬のことを考え、自然とのつながりについて考え、そして生態系という環境について知る中、猟師という存在についても前とは違う関心を持つようになっていました。ですから、今回、直接現場のお話を聞けたのはとてもラッキーでした。

狩猟の対象になっているのは、農作物に被害を及ぼしその頭数が年々増えているため捕獲すると報奨金の出る「イノシシ」と「シカ」だということでした。
州のある地区のイノシシとシカの捕獲数は1シーズンで1100~1300にものぼっているそうです。
捕獲しなければいけない頭数が決められているのかと思ったら「いくらでも」ということでした。
ところが、これだけの数を捕獲しても頭数はまだ増え続けていて、このままいくと報奨金もおいつかなくなるのではないかというほどの数になっているそうです。
そうなると、捕獲した「イノシシ」と「シカ」はその後どうなるのか、ということころが気になるところです。実はこれが本当に大変なことらしく、解体の技術的な問題、解体に必要な設備、解体後の処理の仕方と猟師さんによりマチマチで、できることもやりたいこともそれぞれに違っているようでした。

解体に時間と手間をかければかけるほど、安く販売しすぎれば赤字になってしまいます。
でも捕獲した獲物は大量にあるので、どのように流通で販売していくかということを考えていかなければいけないそうです。報奨金だけが目当てなら猟の後にその獲物は山中に放置されることになります。猟師としてこれはできないということですが、命をいただくなら大切に食するというのは、私たちが小さなころから教えられた礼儀のようなものです。そこで消費対象者を絞るとターゲットの入り口は犬になります。
ペットショップでもシカ肉のジャーキーが販売されているのを見られたこともあるでしょう。シカ肉やイノシシ肉の生肉をネットショップで販売しているのをご覧になったり、すでに犬に与えている方もいるかもしれません。犬たちは事情を知る由もないため「最近シカジャーキーがやたらと多いよね。」とお気楽に喜んでくれそうです。


しかしなぜ、こんなに農作物の被害が多くなったのでしょうか。理由はひとつではありません。
たくさんある理由の中のひとつには、日本の山からオオカミを消し去ってしまったことがあると思います。
戦後西洋から新しい価値観が入ってきて、みんなが洋服を着てハイカラさんになっていくとき、オオカミに対するひとつの価値観が入ってきました。「赤ずきんちゃん」です。オオカミは怖いて恐ろしい動物で、絶滅させなければいけないという価値観に変わり、オオカミの駆除のためにやはり報奨金が出されていたのです。オオカミの頭蓋骨の数で報奨金が決まるので、猟師さんたちはたくさんのオオカミを駆除したことでしょう。そして日本の山からオオカミはいなくなりました。オオカミはイノシシとシカを捕食する動物だったので、捕食者がいなくなったことでイノシシとシカの数は増えていきます。

時代は変わり、今は「イノシシ」と「シカ」に報奨金が出ます。人の力は小さいもののように思えるのですが、それでも人の動物に対する価値観が生態系の形に影響を及ぼして来たことは、まぎれもない事実です。日本のオオカミは一説では絶滅した、一説ではまだ生きていると意見もさまざまです。真実は山しか知りません。
私たちが知ることができるのは、私たちが何を大切にしたのかということ。行き当たりバッタリの対応は、日本オオカミのくり返しになってしまいます。山の動物のこと、猟師さんだけの問題ではなくて私たちの問題として、そして、私たちと犬の問題として考えていきます。


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雨の日の散歩が嫌いですか?

沖縄に梅雨前線が上がってきました。福岡の梅雨入りも秒読み態勢にはいりましたね。

ある飼い主さんから、雨の日の散歩についてこんなご不満をうかがいました。
「雨の日は散歩に行きたがらないんですよ。排泄もなかなかしてくれなくてガマンしているみたいだし…。」

「雨の日に犬が散歩に行くのを嫌がる。」
これにはいくつかの理由が考えられます。

ひとつは、そもそも動物は雨の日には活動量が落ちるという理由です。
雨の日は地面の臭いは、いつもとは異なるものになります。
晴天の日に臭いをとりながら家の周囲のなわばりについて確認するための散歩も、
雨の日となると臭いの変化が起き普段とは異なる環境になります。
また、雨の日は神経がリラックスモードの方に切り替わりやすい状態になっています。
そのため動物の活動性が抑えられます。
雨の日は屋内でゆったりした作業をしたくなるとか、ですね。
それでも小雨程度なら平気です。普段と変わらず散歩を楽しみます。

たいした雨でもないのに散歩に行きたがらない場合に考えられること。
ご自宅のワンちゃんはどうでしょうか。

このケースの中には、犬の被毛の状態によることが結構あります。
被毛がいわゆる「人工的な毛質」である犬たちです。
たとえば、クリクリのぬいぐるみのような毛、シルキーなやわらかい毛、長毛であること、
毛がほとんど生えていない、毛が非常に短い、などの犬たちです。

これらの毛質では、犬のレインコート代わりのはずの被毛は、水をはじきません。
水を吸い込むタオルのようにビショビショになってしまい、その姿は濡れぞうきんのようです。
表現として可愛そうですが、スミマセン。
ですがこれは本当のことで、服を着たまま雨にぬれた私たちと同じ、いやそれ以上に過酷な状態なのです。

特殊な毛質になったのは、人為的な繁殖によって本来の毛質を失ってしまい、
イヌ科動物としては本来のものではない毛質を残されてきたことによります。

「えっ!なんで?」と思われるでしょうか。
答えは簡単です。そもそもその繁殖の目的は「人為的」であり、
繁殖で残される形質は「人の為」であるからです。

こうなると犬にレインコートも必要だということになってきます。
被毛がコートの役割を果たさないのだから、代わりのものを着せるしかありません。

人工的な被毛はすべての犬が100%水をはじかないわけではありません。
それぞれの被毛の質は個体による差異もあり、中には若干その役割を果たしているものもあります。
また、毛質を少し鍛えることで、ぬれにくい状態をつくっていくことが可能な場合もあります。

犬の被毛の状態を良く見ながら、必要な対応をしてあげてください。

天気により極端に行動が不自由になることなど、動物にとっては大変なことです。
レインコートや傘をさして歩く私たちと同じようにはとらえられない問題です。


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理解されるということ

今日はオポが少年期にお世話になった山暮らしをしている知人の家を訪ねました。

オポは7歳まで博多のマンションの一室で飼い主の私と暮らしていました。
オポが1歳を過ぎたころに、犬の雑誌の編集の仕事をされていたその方と出会いました。

都会暮らしでありあまった元気なオポを見て「うちに連れておいでよ。」といっていただきました。
その方の家にも2頭の大型のオス犬がいて、自然の澄んだ空気の中で山を歩くのが散歩になる生活は、
私のあこがれそのものでした。

オポはこの家の近くの川で遊んだり、年上のお兄ちゃん犬とコミュニケーションをとったり
山道を散歩したりして、都会のストレスを発散させていました。オポにとってのオアシスでした。
連れてくると必ず「帰りたくない」シグナルを連発するので、私もへこんだものです。

この出会いがあり、私とオポはある転機に七山という奥山に引っ越すことを決めました。
それからオポが七山を離れることはなく、再会をしたのはオポが亡くなる2年前でした。
オポが体調を崩していたこともあり、元気な姿を見せることができなかった事は気がかりでしたが
そんなオポでも立派に年をとり真剣に生きていることを受け取ってもらえるのでは、という思いもありました。

オポと私が博多の街中で暮らしていたときに、
「オポがいなくなったときの宮武は見たくない。」といわれたことがあります。
思い切って「オポがいなくなってからの私はそんなにひどいですか?」と尋ねてみました。
すると「最後にオポとあなたを見たとき、すでにそれは感じなかった。」といわれました。
私がオポに起きることを受け入れる準備ができている、そういう関係だったと感じられたということでした。

七山という場所で暮らしたオポと私の間に起きた関係の変化を読み取ってくださったことが、
とてもうれしく感じられました。
すべての人に理解してもらうことは不可能だと思うことは、
理解されなくても仕方ないという諦めの気持ちにもなってしまいます。
そういう深い部分を説明しないのに感じ取り理解されているということは、心からの安心感につながります。

これは犬と人の関係にもつながることではないでしょうか。

犬と人は種の異なる動物であり、基本的な行動もコミュニケーションや習性も異なります。
だからこそ、犬が飼い主さんに理解されたときに感じる安心感は特別なものだと思います。

お互いを理解するというのは、最高のコミュニケーションと関係作りです。

「うちで鍋以外のゴハンを出すのは“最大の歓迎”ってことだからね。」といわれ、
しっかりと味の付いたお手製スープを食べさせていただきました。
分かりやすいシグナル、コミュニケーション。全て犬がお手本ですね。


テント場のオポ2


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動くものを追う行動は本能なのか?

昨日のブログに、山歩き中に野うさぎと出くわしたことを書きました。
「犬の反応はマチマチです。」という文章を読んだときに
「うちの犬だったら追いかけただろうな。」と思われたでしょうか。
「うちの犬だったらどうしたんだろう、予想がつかないかも。」という方もいるでしょう。

猫を追いかけたり、走る子供を追いかけたりする、動くものを追う行動を
「犬の本能」だといわれることがあります。
他にも動くものとして、枯葉とか、ハエ、トカゲ、ヤモリなどもありますね。
本当に「動くものを追うことは犬の本能」なのでしょうか?

動くものを追うことが本能だといわれる所以は、犬が捕食動物だからです。
獲物を食べるために捕らえる行動をするため、その獲物を追いかけるという行動をします。
それが「動くものを追う」という行動と同じことになります。

ですが、動くものならなんでも追うというわけではありません。
ボール遊びが好きな犬が、転がっていくボールを追いかけていくのは
そのボールを食べるためではありません。

トカゲやミミズなどの動くものを追って殺してしまうこともありますが
それを食べるわけではありません。

犬が捕食行動に入る際には、いくつかの条件が整っていること、また
捕食行動が始まる際の行動のパターンというものがあって、そこから捕食行動が始まっていきます。

いくつかの条件のひとつには、捕食を必要とするほど空腹であるということです。
野生動物が無駄に食べ過ぎていないことはみなさんもご存知ですね。
捕食しすぎたらえさがなくなってしまうなどと、生態系の維持を考えているわけではありません。
捕食行動にはエネルギーを必要とするため、無駄な捕食はしないという機能が備わっているためです。
ペットの犬たちはいつもお腹いっぱい食べています。空腹知らずといってもいいでしょう。
犬がいつもお腹をすかせているように感じるのは、3日分くらいは一度に食べて消化する機能、
つまり「食べためる」機能も持ち合わせているからです。
空腹知らずとはいえ、人の味わう満腹感を知っているのは、
留守中にドッグフードの袋に頭をつっこんで食べたことのある犬くらいです。

捕食行動の始まりのパターンは、目の前を通り過ぎた動物をいきなり追いかけるという
行動からは始まりません。
特にテリトリーから離れて、グループで移動の最中には、自分だけがそのグループを離れる行動は
できないのです。
グループを衝動的に離れるということは、群れを離れるということ、社会性の高い犬にとって
最も危機的な行動になります。

動物はいつも自分の身を守る必要があります。
捕食に関する行動は自分と群れの安全が守られていることが前提で、計画的に行われています。

移動中に目の前を野うさぎが横切ったら、一旦停止し環境を確認し異変がなければ前進、という行動が群れ全体を安全に導く行動です。
衝動的に走り出そうとする犬がいれば、制止の声を出して止めるのが管理者の役割です。

野うさぎに気づきもしなかった犬は環境の変化に対する理解力が低い状態です。
このタイプの犬はのんびり屋さんではないのです。環境を把握する能力が低いのは
能力の違いのひとつですが、併せて経験不足と遺伝的な情報不足によるものがあります。
ビックリすると走り出す可能性もありますので、細心の注意を必要とする常態です。

犬が「動くものを追うのが本能」ではあるのですが、細かくみるとそうばかりでもないということです。
自由な環境を与えられないため、衝動性が強い犬が増えています。
環境制限をしていれば衝動が強くても事故にはつながらないからです。
ハエやトカゲ、道路に舞う葉を追っている犬たちは、本能に従っているのではない、ということなのです。


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わんげる・ミーティング開催しました

今日はわんこ山でのデイキャンプ「わんげる・ミーティング」を開催しました。
少し蒸し暑くなってきたけど、まだ風の冷たいこの季節に山で過ごせるのは最高です。

春から夏にかけて、また山の風景は少しずつ変化していきます。
春が始まるころは、色とりどりに咲く花や、小鳥達のさえずりに心ときめくものですが、
梅雨入りを意識する頃になると、苦手な虫の出現に悩まされるものです。

今日は特に蒸し暑く、蚊の数が今までよりグンと増えたと感じました。
ところが、この人も犬も苦手な蚊の姿も、山の奥に進むほど数が減ってきます。

何が違うのかというと、山の樹木の種類が違います。
人里に近い山にみられる樹木は、ほとんどが杉や孟宗竹です。
これらの樹木は手入れが不十分な山では、日当たりが悪く暗く湿気も多いのです。
蚊はこういう環境を好みます。杉林では蚊柱を見たこともあります。

人里から離れていくと原生林がひろがってきます。
100歳を迎えているであろう樹木とその子供の木々が立ち並びます。
森の中はやさしい日差しが差し、心地よい風が吹いてきます。
この景色の中には蚊が見当たりません。

人里近くに蚊を寄せ付けてしまったのは、人が作った環境だということです。

わんこ山は当初手入れをされていない杉林だったものを、広葉樹に植え替えて今年で10年を迎えます。
木々は育ち日陰もずい分できるようになりました。

下山の途中に、私たちの列の間を野うさぎが走って横切っていきました。
後を追おうとする犬、うさぎに気づかなかった犬、対応はマチマチですが、
こうした出会いも珍しいものです。

暗い杉林が広葉樹の小さな森になりつつあり、木陰ができて草が生えて
そして、野うさぎが戻ってくる。

わんこ山はますます活気づいてきそうです。

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犬の無償施設を考える

移動の際に時間調整の余裕があるときは、車の中で本を読んでいることが多いです。
あまり立ち寄らない場所のときには、周辺を歩いたりもします。

ブラブラしていても気になるのは、いつも犬にまつわることです。

初めて立ち寄ったホームセンターの一角に「ドッグラン」の看板がありました。
戸建ての庭くらいの小さなタテ長いスペースで、囲いが施されていました。
施設併設タイプの簡易的なドッグランのようでした。

しばらく見ていると、そのドッグランの中にいる小型犬が
囲いの中に入ってこようと入り口に近づいた別の小型犬に吠え立てていました。
吠え立てる飼い主さんは犬の名前を呼び続けます。犬はおかまいなしに吠え続ける。
囲いに入ろうとした飼い主さんは、躊躇なく囲いを開けようとしています。

簡易施設のためか、ドアは2重ドアにはなっていません。
ドッグランは開閉時の犬の逃走を防ぐために2重ドアにするのが一般的です。
出入り口は1箇所しかありませんので、出入りの際のトラブルにつながります。
他の犬が入ってくるときにすぐに外に出られるようにするためには、出入り口が対面方向に2箇所必要です。

こうした簡易のドッグランと名づけられる施設が増えているように思えます。
外でリードを外す機会のない、特に集合住宅で飼育される飼い主さんは
犬のリードを外して自由行動をさせる場所として気軽に利用されるのかもしれません。
ですが、飼い主さんのせっかくの好意も、犬にとっては負担になることがあります。

狭いドッグランは犬の排泄場所に使われていることがあります。
犬の大量のマーキングによる排泄の臭いは、犬にストレスを感じさせます。
それぞれが「ここはボクのなわばりだよ。」と主張しているわけですから
たくさんの落書きであふれ、互いの闘争的臭いが撒き散らされています。

ドッグランの中に入れられている犬が、柵の周囲から観衆によって見られていることもあります。
離れてみると動物園の檻の中にいれられている動物のようです。
ストレスを感じる犬は、とたんにストレス行動を表現します。
その行動を理解してもらいドッグランから救出されれば良いのですが、そうもならないようです。
犬が動けば「かわいい」と声がかかります。
犬の真剣なメッセージが伝わらないことがよくあります。

犬のための無償提供の施設を利用される前に、ぜひ考えていただきたいことがあります。

何のために利用するのか。
その施設はその目的を達成できるものなのか。
自分の犬はそこを利用することに満足しているか。
満足していると感じるなら、どの行動を見てそう感じるのか。

ということです。

日本では個人の住居や庭のスペースは、特に都心では限られたものです。
そのため、あらゆる施設が小さくなってしまうのは止むを得ないことかもしれません。
ですがこのことは混乱せずに、分けて考えていただきたいのです。

犬にとって自宅の庭が狭くなってしまうのは受け入れるべき事実です。
小さな庭でもその犬にとっては「自分だけのなわばり」ですからそこで争うものはありません。
ただ、犬たちが共有で使うスペースとなると「狭くてもいいよね」ということでは済まされないのです。

答えは全て「犬の行動」にあります。

犬がどこでどのように過ごすのか、機会提供をしているのは飼い主さんです。
いつも犬と会話して、いっしょに良く過ごせる場所を見つけてほしいです。

明日は七山校でわんげる・ミーティングというディキャンプがあるため七山に帰ってきました。
薄暗かったのですが、近くの猫ちゃんがウロウロとしていました。
声をかけるとよってきて、体をすりつけながらミャーミャーいいます。
自分なりに返信をすると、さらに目を大きくあけてしっかりと見つめながら、大きく口をあけてミャーとさらに鳴きます。
猫語レッスンもなかなか難しいものです。
「今日はこのくらいにしようね。」というと暗闇に消えていきました。
理解したいという気持ちが、理解できたときの感動につながります。
猫の先生は気まぐれのようで、次回のレッスンはいつになることでしょうか。

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犬の要求吠え

犬のしつけやトレーニングで相談の多いものの中に「要求吠え」があります。

要求吠えが激しくなってしまった要因のひとつは、飼い主さんの対応です。

犬→ワンワンと吠える
飼い主→お腹がすいているのだろうと思って食べ物を与える

犬→キュンキュン吠える
飼い主→寂しいのだろうと思ってそばにってなでる

要求吠えの対応の一番は「要求に応じない」ということです。
要求する→要求したものを引き出す
という単純な構造なので、単なる犬の要求吠えはすぐに収まると思われます。

ところが、収まりがつかない場合があります。
収まりのついていない状態としては、要求に応じなかったら吠えるのを止めた、
だけど数日たっても同じ状況になると吠え始めるというものや
要求に応じなかったら吠えるのを止めた、でも別の状況では吠えるようになった、などはその一例です。

犬が要求しているものを誤解しているとか、
実は吠えているのは要求吠えではなかった、というものです。

人にも様々な欲求があるように、人ほどは複雑でないとしても犬にもいろんな欲求があります。
人よりもずっとシンプルで、動物として生きていくためにこれらが満たされればその欲求はすぐに収まります。
要求しているものが「食べ物」だと勘違いしてしまっても、最初は食べ物を与えると一旦吠えが止まります。
そのため、飼い主さんは犬の要求吠えが食べ物なのだと思い込んでしまうのです。
ですが、すぐにまた要求吠えが始まります。
犬としては、本当に必要だったものは「別のもの」だったのだけど、
食べ物を出されたから、それはそれで食べた、というだけの話しなのです。
「いや、それじゃなくってさ」と言えないところが犬なのですが、
実際には私たちもそのときは出されたものを受け取ることに精一杯ということはありますよね。

犬が過剰な要求をしてくると受け取られるかもしれませんが、犬の要求は動物として正常の範囲内である場合がほとんどです。
異常値をきたしているのは人工的な繁殖によって犬の機能性の一部が壊されている結果です。
もしくは、飼育環境のストレスからおきる過剰な要求があります。

犬の要求に応じない→犬が吠えないトレーニングが成功した場合は、
一旦トレーニングは成功したように思えるのですが、犬の欲求が本当に満たされているかどうかを全体を把握して理解してあげてほしいのです。

飼い主さんに受け入れられたい、愛されたい犬ほど飼い主さんの反応に敏感です。
本当に必要なものを得られていないのに、諦めてしまうことがあります。
「うちの犬はすぐに諦めるから…」という場合には注意を払ってあげましょう。

諦めるの本来の意味、つまり「明らかになって理解するから行動を変える」という良い反応であるときは、犬は成長のひとつを学んだことになります。

また、犬の要求吠えだと思われていた行動が、過剰な要求の場合には
その犬のストレスが生じている問題について考える必要があります。
過剰な要求はコミュニケーションとはいえません。
またそれをしなければいけない犬の方は、とてもきつい状態にあります。

人との暮らしの中で犬は必要なものを十分に得られたようにも見えますが
失ったものもあります。

ともかく、要求吠えは犬のサインのひとつです。
そのサインの出すメッセージの意味を読み解いていきましょう。


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