グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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犬はソファ禁止のルールを導入した例:ソファを死守して犬と戦う飼い主たち

昨日のブログ「犬をソファに上げてもいい?それとも上げない?:犬とソファの関係で悩む飼い主たち」で、犬をソファに上げてもいいのかどうかの議論についてお話ししました。

ルールを決めていないのに、ときどき犬がソファに寝ているときやソファの上から飼い主を見ているときに叱っていたという“曖昧さ”に気づいたら、すぐにルールを決めて実行しましょう。


●犬はソファ禁止のルールにした理由
家族で話し合った結果「うちでは犬はソファには上がらせないという風にしました」という家庭でのその理由には以下のようなものがあります。

・ソファはお客様も使うから

・ソファが汚れるのは嫌だ

・毛がつくから掃除が大変

・汚れたら拭けばいいけど、うちは大型犬だからソファが破れそう

飼い主がソファに上がってもいいかどうかを決めるときは、犬のサイズが影響するようです。
小さな犬であれば破損は少なくてすみますが、大型犬がツメでひっかけたりすれば、ソファは簡単に傷がついたり穴があいたりしてしまいます。

でも、小型犬の使用でもかなり劣化はします。特にソファに体をこすり付けるような動作をすれば、布のソファは毛羽立ちが目立ちレザーのソファは色落ちが目だってきます。
室内で特に何もすることもなく一日を過ごしている犬のくり返し行われる行動ですから、人とは比べものにならない使用頻度なのです。

一旦はソファの利用を了解したご家庭でも、やっぱり犬がソファに上がるのは禁止にしようといことで撤回されてしまうこともよくあることです。


●新しいソファに買い換えのときはルールを変更のチャンス

犬のソファの利用についてルールを決めかねているご家庭でも、新しいソファに買い換えようとするときに「犬はソファ禁止」のルールを導入しやすいのです。

まず、犬の立場から考えると、今まで使っていた居場所であるソファをある日急に「ここに上がってはダメ」といわれても混乱してしまいます。ところが、あたらしいソファはまず臭いが違います。自分の臭いも飼い主の臭いもついていないものを、犬は今までとはことなるものとして理解することができるのです。そうなるとルールの導入も比較的簡単です。

ルールの変更による犬の混乱を防ぐためには、現在のソファを利用禁止にする際にも最初はシーツやソファカバーをかけて新しいソファ風にすることを提案しています。できればこの布は、自宅にはないもので新品のものであればベストです。他にも人にもらってくるという方法もあります。ここは臭いの違う新しい空間になったと犬が認識することで、この場所には上がってはいけないという新しいルールも受け入れやすくなります。


●「犬はソファ禁止」のルールを導入するとき

犬に居場所を提案するクレートトレーニングや犬用ベッドの導入、心地よい寝場所の提供など、環境を整えることがある程度進んできたら、新品のソファに買い換えたときに「犬はソファ禁止」のルールを導入することはそれほど難しくありません。

犬にかじられたソファを長い間見つめながら、いつか新しいソファに買い替えたいと思い続ける飼い主さんの気持ちはよくわかります。逆に、よくここまでソファがボロボロになるのを見続けることができたなと感じてしまうこともあるくらいです。犬の破壊力というのは、本当にすごいものなのです。

そしてある日飼い主さんから連絡が入ります。
「ソファを買い換えようと思うんですけど大丈夫でしょうか。」

この「大丈夫でしょうか」の中に、犬はソファをもうかじらないだろうかという不安と、多分もう大丈夫ですよねという期待が入っていることを感じます。

さらに飼い主さんが続けていわれました。
「本革のソファを見つけたんです。買い換えるならあのソファにしようと決めました。」

本革のソファ・・・。穴が空いてしまえば張替えに何万円もかかってしまうようなソファです。
「うーん、微妙ですね。」という答えになってしまいます。

「犬はソファ禁止」のルールを施行するために犬を管理するのは飼い主さんの仕事です。
当然のことながら、一日のうちに飼い主さんが見ていないときに犬がソファのそばにいる時間も
ある程度はあるわけです。

実は、ある程度の環境管理ができる状態になっていれば、飼い主の本気の度合いでその結果が決まってしまいます。ちゃんと管理していないと新品のソファの行く末もわかりませんよとしておく方が飼い主さんもなぜかヤル気になるようです。


●新品のソファを死守する飼い主の本気を受け取る犬

新品のソファが到着しています。
犬は全くソファに関心を示していません。
ソファの下部分に犬用のベッドも置いてあります。
犬はその犬用ベッドにくつろいでいます。
ソファに飼い主が座っても上がってはきません。

どうやらルールは伝わったようです。

新品のソファが到着したときに犬はそのソファに関心を示したり、実際に上がろうとする動作をしようとします。新しいものが来たのですから、今までとおりソファを居場所にしようとするのは当然のことです。自分の臭いがついていないのですから、早速自分の臭いをつけようとするのです。

そのときの飼い主のひと声でほぼこのルールは確定します。
新品のソファに犬を上げたくないという飼い主の本気度は犬には伝わります。

よくソファに上げさせない方法について質問されます。
「どのような方法を使えば、犬はソファに上がらなくなるんですか?」という質問です。

これは方法論ではありません。
犬がソファに上がろうとしたときに、そこはイケナイよというだけで十分です。
それほど大きな声を出す必要はありません。
本気で伝えていけば、必ず伝わるものです。
犬は飼い主をよく観察しています。飼い主がどのような状態であるのかも良く知っています。
そして、真剣なときといい加減なときもよく知っています。

ソファはイケナイと伝えると同時に、犬用のベッドなどをさして「こっちにおいで」と伝えてあげてください。そのためにも犬用のベッドや犬用のマットは、特別お気に入りになるようなものを準備してあげてほしいのです。

グッドボーイハートおススメのベッドはこちらでご覧ください。



犬はルールがはっきりとしていることが安心できるということ

曖昧なルールでくり返し「ダメ」を言われることが大きなストレスになること

ぜひ知ってください。



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犬をソファに上げてもいい?それとも上げない?:犬とソファの関係で悩む飼い主たち

洋風のインテリアが増えています。床は畳よりもフローリングが多く、リビングで人がくつろぐ場所はソファが中心になってきました。


●犬をソファに上げてもいいのか?それともいけないのか?

犬を室内で飼うときに、そのソファの使い方が悩みの種になることがあります。
つまり「犬をソファに上げてもいいのか?犬はソファに上げてはいけないのか?」という問題です。上げる上げないという表現だと人の方にその意志があることが前提になりますが、結局のところ犬が自由にソファを使うのを許してもいいのか、いや犬がソファを使うのは許さないのかということです。

それで飼い主さんからはこんな質問を受けます。
「犬をソファに上がらせない方がいいんですか?」

確かに犬をソファに上がらせない方がいいと思う少数のケースはありますが、原則として犬がソファを使うのは構いません。


●犬がソファを使うとこうなることもある。

ところが、予期せぬことが起きることも知っておく必要があります。犬がソファを使うときには、人と同じようには使いません。人のようにソファを汚さない配慮をしたりソファを傷つけないように使ったりはしないのです。

犬はソファで顔を拭きます。
犬はソファによだれをつけます。
犬は伸びた爪でソファを傷つけることがあります。
犬はソファを掘ることがあります。
犬の毛はソファにたくさんつきます。
犬の体の汚れもソファにつきます。

犬は犬用のベッドでやることを人のソファでもします。
こうした犬の行いを犬の方から考えると「このソファ使ってもいいってことだよね。」ということで、自由に活用しているだけのように見えます。

犬が普通にソファを使ったとしても、中型犬以上のサイズの犬になるとソファはそのうち人用なのか犬用なのかわからないほど劣化していくでしょう。このことを許すことさえできれば、人用のソファを犬が使うことを生活のルールとして取り入れても構わないのです。

犬がソファを自由に使っていてさらにテーブルの上にも上がってしまうという問題を抱えているなら、それは、ソファの使用を許可したことが問題ではありません。この問題は別のところにあります。
ソファを使ってもいいといってしまうと、高いところに登る癖がついてテーブルの上にも上がるようになってしまうということはありませんから、そこは安心してください。


●犬にソファを使わせた方がいいのか?

とはいえ、犬がソファを使うことを推薦しているわけではありません。
犬がソファに使うことを禁止するルールにするしても構わないのです。
ソファを使ってはダメということが犬との関係や犬の行動に悪影響を及ぼすことはありません。

犬にとって一番ストレスになるのは、ソファに上がってもいいのかどうかがはっきりしていないということ、つまり生活のルールが曖昧であることです。

たとえば、こんなソファの使い方は曖昧なので犬にはわかりにくいでしょう。

普段は飼い主がソファに座っているときに犬もソファにきて抱っこしたり撫でたりしているのに、飼い主がキッチンで作業をしているときにソファに上がっていることをダメだといって叱られること

普段は犬がソファで寝ているのを何も言わないのに、お客さんが来たらソファから下りるように言われること

普段は犬がソファに伏せているのを何も言わないのに、ソファに犬が口を擦り付けていたらイケナイと叱られること

犬がソファに寝た後に飼い主が「もうー。毛がたくさんついている!」と言ってプンプンと怒りながらソファの掃除をしていること

これでは、犬はソファをスペースとして使うことが許可されているかどうか分からないという風になり、ルールの曖昧さに混乱してしまいます。

ルールが曖昧で飼い主が喜んだり怒ったりしていることは、犬を混乱させます。


●とりえあえず、家族で話し合いルールを決めること!

飼い主さんは、どちらでもいいから犬がソファを使ってもいい、使ってはいけないのどちらかに決めてくださいとお願いしています。このときお父さん側とお母さん側で少し意見が分かれるのですが、お母さんが「ソファはダメ!」とひと事いえば、まずこれでルールは決定されます。


●犬はソファ禁止のルールは犬に教えられるのか?

犬はソファ禁止のルールを教えるのは、それほど難しいことではありません。
犬は境界線によって作られた居場所がだれのものであるのかというテリトリーのルールにはとても敏感です。

伝え方がうまくいっていないということもあるのですが、もっと違うところにも上手くいかない理由があります。

明日は「ソファ禁止のルール導入が成功した例」についてお話しします。


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グッドボーイハートおすすめの本:チンパンジーの研究者ジェーング・ドール博士の「森の旅人」

今日ご紹介する本は、チンパンジーの研究者として活躍したジェーン・グドール博士の「森の旅人」です。


ジェーングドール森の生活
ジェーン・グドール博士は、イギリスから人類の起源を調査する私が尊敬する行動学者のひとりです。博士の書いたどの本もその精神がちりばめられているように感じますが、特にこの「森の旅人」には心を打たれるものがありました。

本書にはグドールが旅人と表現するチンパンジーたちとの距離感を縮めていく過程が具体的に記されています。その過程の中に、ジェーングドール博士の動物に対する尊厳の気持ちを感じることができ、その気持ちは博士の動物を観察して得られた内容のすべてにみてとることができるものです。

ジェーングドール博士はチンパンジーの住む深い森の中で長い間生活をしながらチンパンジーの観察による研究を進めました。その未開の地は都会で育った人間が快適に住めるような場ではなかったことが想像できます。その幻想的で深い森の中に自分も共に連れて行かれているような感覚を得られました。

本書に書かれたチンパンジーの行動は、ジェーングドール博士が専門的に論文として選別したものでなく、日常的なシーンで直接的な言葉から出されるものであるだけにワクワクする内容です。論文としてはそれほど価値のないものであっても、動物を理解することが愛であり、動物との距離を保つことがまた愛であることを、博士の姿勢を持って受け取ることができます。

また本書は翻訳者が上野圭一先生と松沢哲郎先生という逸脱された先生方です。上野圭一先生は代替医療の専門家でもあり、見えない自然の力についての様々な専門的な本を国内に紹介してくださっている先生です。松沢哲郎先生は国内のチンパンジー研究者であり、ジェーングドール博士のようなフィールドワークオンリーの行動観察者ではありませんがやはりその松沢先生の研究の中にも深い愛を感じることができます。

「森の旅人」は現在は新書(朝日選書)で販売されているようです。自分は犬好きと思われる方、犬と共に暮らしている方、犬などの動物と関わる仕事をしている方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。




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他のおススメの本はこちらからご覧ください。

以下をクリックしていただくとブクログのgoodboyheartの本棚をご覧いただけます。
goodboyheartの本棚

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トレッキングクラスで学ぶこと:犬と共に山を感じる感覚を養う

犬といっしょに山歩きをするトレッキングクラスは、ただの山遊びクラスだと思われがちですが、実はとても奥の深いクラスです。

このクラスは七山校で始まったと思われている方もいらっしゃるのですが、実はとてもグッドボーイハートではとても古くからあるクラスです。グッドボーイハートが開校翌年くらいからは開催していました。

最初は私が愛犬のオポと山に遊びに行くだけだったのですが、飼い主さんの中で山行きに関心を持たれそうな方を連れて、一緒に山を歩く練習をしていました。

当時はわたしと犬のオポにとっては、博多の都会暮らしが日常で山の中は非日常の世界でした。
山歩きが必要かどうかなどと行動学的に考えることもなく、ただ山に入るとオポがいつもとは全くことなる表情をするため、犬であるオポにとっては必要な時間なのだと軽く思っていた程度です。そして、その時間は自分にとっては都会でたまった疲れのガス抜きくらいの気持ちでした。

ところが、生徒さんの犬といっしょに山に行くようになり、いろんな角度から見て知ることができるようになりました。
一飼い主としてオポという犬の変化を楽しんでいたときから、家庭犬インストラクターとして生徒の犬や飼い主さんが山で歩く姿を観察するようになる体験に変わったことで、ますますトレッキングをグッドボーイハートのクラスとして開催したいと思い、その後は定期的に開催するようになったのです。


それでも、都会暮らしの自分にとって山は不思議な非日常の世界。
きちんと見えているようで見えていないものがあることを知ったのは、オポと山裾に暮らすようになってからです。

見えていなかったものが見えるようになる、聞こえなかったものが聞こえるようになる、臭わなかったようなものが臭う、考えなかったようなことを考えるようになる。
そして、味わえなかったような感覚を味わうようになるのに、少し時間がかかりました。

都会で育ったわたしが、山の中をただ歩くという単純な時間の中でこれらの様々な知覚の変化を得られるようになったのは、オポという自然に近い動物がその機能性をわたしよりもずっと早く開花させて山の一部になってしまったように思えます。


飼い主さんとのトレッキングを通して、犬の感覚が少しずつ開いていく姿を見ることは感慨深いものです。やっぱり犬だなと感じられることが、なによりもうれしいのです。



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犬語セミナー開催しました:人に対する行動を科学的に分析することで見えてくる犬の社会性

グッドボーイハート七山校で毎月1回開催している犬語セミナーが行われました。

犬の行動のビデオを見ながら観察した結果をリストアップしていきその行動を細かく分析します。最後にその犬の性質や必要としていることについて考えるためのセミナーです。

ビデオの素材にはみなさんからの提供されたものもありますが、主にはレッスンのときに撮影したものが中心となっています。犬語セミナー参加者の中に飼い主さんがいることも珍しくありません。むしろ、自分の犬の行動を飼い主さんに他の方々と一緒に見ていただくことで、客観的に犬の行動について考え理解を深めるための機会としてこのクラスを利用していただきたいと思っています。

今回素材として利用したビデオの中にもレッスン中に撮影したものが含まれていました。
ビデオ素材の中から人に対する社会的行動の観察と分析に焦点をあてながら、犬の社会性についてみなで考えました。

犬が犬に対してする行動と、人に対してする行動では行動の種類がかなり違います。
犬にとっては犬も人も同じように社会的対象になるのはずですが、犬と人では種が異なるという明らかな違いがあります。でも違いはそれだけではありません。

人と距離を保って生活をする野生動物であれば、種の異なる動物とは距離を置いてお互いを刺激しあわないように生活しています。その関係が捕食関係=食べるものと食べられるものという関係になるとまた別の距離感を持って生活をします。
いずれにしても動物を飼うという関係性をもつ人は、動物と動物の境界を大きく越えた関係を持ちます。家畜化というのは人の他の特定の動物に対する独特の行為であり人の文化なのです。

犬が人の家畜となった歴史は人と犬の関わりを変えるひとつのきっかけになりました。家畜という言葉にはあまりいいイメージがないかもしれません。しかし、冷静に考えても一定の敷地など決めれた範囲内にいれられて食べ物を与えられ飼育される動物は家畜化された動物です。
犬の場合には人の家族同等の権利を与えられてることもあるため、動物の中でも伴侶動物やコンパニオンドッグという名前で呼ばれ、人と変わらないように大切にされて飼われているという事実もまた間違いではありません。

ただ、犬と人の距離感が大変近くなってしまったという事実と、そのことが犬の人に対する行動を変化させているのもひとつの事実です。犬は人との距離感が近まっても犬が他の犬に対して行う行動を人には行わないように思えます。ですが、これらの対犬、対人に対する行動はそれぞれに全く異なる行動の種類であるのに、犬の状態としてはかなり同じ内容であると感じられるものがたくさんあります。

そのため、ある犬の人に対する社会的行動をきちんと読み取れるようになれば、その犬が他の犬に対してどうような社会性を持っているのかを比較的近いところまで知ることができます。

本来なら犬は他の犬に対する行動の方がシンプルです。受け取っている他の犬の反応がシンプルで間違いのないものだからです。犬に2本脚をかけられて飛びつかれた犬が、「わたしのことが好きなのね」といって喜ぶことはないのです。飛びつかれた方の犬は威嚇の声「ガウ」を出して相手を遠ざけるか、軽く咬みつくか、逃げるなどの拒否的な行動をします。

ですから他の犬に対するビデオをみればその犬の社会性の多くは見ることができます。かといって、普段から他の犬と接触する経験のない犬を簡単に他の犬に対面させることもできません。そういう場合でも、その犬の人に対する行動を細かに観察して分析できるようになれば、犬の社会性に関する多くの情報を得ることができるようになるということです。

犬語=犬のコミュニケーションを読み取るときのヒントは、感情の話は横においておくこと、好き嫌いのことは横においておくこと、そして何よりも大切なの先入観を捨てる勇気をちょっとだけもつことです。

その動画から今まで思っても見なかった犬のことについて知ることになったとしても、深く理解することが犬にとっての最大の愛であるという事実は変わることはありません。
飼い主さんたちの貴重な時間をこうしたセミナーに費やしているのは、少しずつでも犬を理解する眼を養っていくことが犬が一番望んでいることだからです。
そして、そのことがひとりの人間がある犬に対する接し方を変える機会になります。
その変化は犬の行動の変化に直結していることをぜひ体験してみてください。


5月の犬語セミナーは以下の日程で開催予定です。

28日日曜日12時~14時 七山校で開催

福岡校での開催をご希望の方は曜日の希望を添えてお申し出ください。
2名以上でいつでも開催いたします。



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グッドボーイハートおすすめのアイテム:犬用のデトックスハーブ<ペパフィト>

犬の健康管理と薬の使用について、飼い主さんのお悩みの言葉をよく耳にします。

動物医療の発達と共に薬の内容が年々変化する一方で、ネットなどの情報ツールを通して薬の副作用について知る機会も増えています。

日本という国柄でどうしても必要な予防措置は、フィラリア予防薬です。
フィラリアは40年前くらいはまだ一般的ではなく、予防薬を飼い犬に与えている家庭もほとんどなかったと記憶しています。
フィラリアに感染して病気や死亡にいたる犬が増え始め、フィラリア予防薬は犬にとっては必須の薬となりました。

蚊が媒介となって感染するフィラリアを予防するには、北九州地区では4月~5月から投薬を開始し12月くらいまで継続します。毎年のことですから、薬による犬の体への影響も気になりますが、国内ではまだまだフィラリア感染を避けることはできません。

それなら、必要な予防薬を与えたうえで、不要なものが早く体内から出ていってくれるようにサポートしようではないかというのが、このデトックスハーブの考え方です。

グッドボーイハートでは、イギリスのハーブ会社、ヒルトンハーブのデトックスハーブ<ペパフィト>をお勧めしています。

ペパフィト
デトックスハーブ<ペパフィト>の内容は以下のとおりです。

ハーブの目的→身体、環境、食餌を含む様々な要因がもたらす不調を解消するためのサポートを行うサプリメント。駆虫剤、インスタント食品、環境毒素、老化などの影響でバランスを崩した健康状態を、肝臓、腎臓、リンパ系、消化器系、泌尿器系、排泄機能の働きを強化するハーブミックスで正常な状態に回復させ、維持します。

使われているハーブ→ミルクシスル、クリバーズ、ゴールデンロッド、リコリス根、ダンデライオン根、ネトル、バードック

ハーブは成分だけでなく、自然のエネルギーを利用したバランスをとる作用を持っています。一定の目的のために調合されたハーブは、そのバランスがとても大切なのです。

漢方薬にたとえて考えるとわかりやすいでしょうか。
漢方薬は個人の体質や状態にあわせた「調合」が特徴ですね。
西洋のハーブも全く同じです。

ヒルトンハーブの良さはその調合の良さにあります。
デトックスハーブは時間がかかり、効果があるのかどうかわかりにくいですが、そのエネルギーバランスはすばらしいと感じています。

ハーブの独特のにおいですが、食事に混ぜて与えてもほとんどの犬は拒否反応を示さずよく食べてくれます。

犬は必要なものはその味にかかわらず受け付けてくれるので、それが答えなのだろうと思っています。


実はグッドボーイハートがヒルトンハーブをお勧めしているのは、ヒルトンハーブの前の代表とハーブを通してお付き合いさせていただいていたからです。
八ヶ岳に犬や馬と生活していた前代表の彼女は、とてもエネルギッシュな方で、グッドボーイハートを博多から七山に移転させたその日に「おめでとう!何する?うちも看板はハーブやだけど伝えたいことは別にあるからね!!」と電話をしてくれました。一度しかあったことのない人なのに、なぜか心が通じ信頼できる存在だったその方は、数年前に若くして先に旅立っていきました。とてもさばけていて、この世でも早速お役目を終えていかれました。相談できる同志を亡くしとても心細い気持ちですが、ヒルトンハーブの製品は今でもゆるぎなく、必要なときに犬たちをサポートしてくれています。

グッドボーイハートで購入される方はグッドボーイハート特別価格(安すぎてブログには価格をかけませんので)で受付しています。お早めにお申込ください。
60グラム入り、125グラムを指定してください。

直接お求めになる方は、以下のヒルトンハーブのホームページより購入できます。

ヒルトンハーブ通販ショップ ペパフィト






☆ブログのカテゴリーに「おすすめのアイテム」を追加しました。
すでに皆さんにお薦めしているアイテムを含め、グッドボーイハートで愛用している品まで、楽しく紹介していきますのでお楽しみに!

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犬の咬傷(かみつき)事故の危険性を回避するために:唸る、吠えるの行動なく咬みつく行動への対処

「犬の咬傷(かみつき)事故の危険性を回避するために」の続きで4回目です。

昨日のブログ「犬の咬傷(かみつき)事故の危険性を回避するために:犬の攻撃性行動の表現について」では、犬の攻撃性行動の種類について説明しました。攻撃性行動はいろいろな行動の組合せですが、今回は理解を進めるために行動の種類は単純なものにし、いくつかのわかりやすい攻撃性行動に限定して説明していきます。

犬が咬みつき行動に至る前に起こるわかりやすい行動は“唸る”と“吠える”です。
犬の行動や表情を読み取ることが苦手な方でも、唸る声と吠える声の音は独特なので、ほとんどの人はこの警告を受け取ると後ずさりや静止をして攻撃を回避する反応をするでしょう。

ところが、咬みつき行動の前の“唸る”と“吠える”をしない犬がいるのです。

犬にはそれぞれに性質、人でいうところの性格というものがあります。
この性質把握は、キャラクターとしてとらえすぎると、見誤ってしまうこともあります。
しかし、慎重に審査して犬の性質を行動のパターンとして正しく把握できるようになると、犬が咬みつきなどの危険な行動を事前に把握することができやすくなります。

その特徴的な行動パターンの中に、唸ったり吠えたりせずにいきなり咬みつき行動をする犬というのがいるのです。これは特別な犬ではありません。割合まではわかりませんが、よく犬に接する人であれば、おそらく1頭くらいはこの行動パターンをもつ犬に接したことがあるのではないかと思います。

犬に距離をとって接するように心がければ、犬のテリトリー(領域)を侵したときにでる咬みつきは出ません。このことが、犬の行動パターンを見抜けず、間違った対応をして大きな事故につながる危険性を含んでいるのです。

“唸る”と“吠える”をしない犬は、「あまり吠えたり唸ったりしないおとなしい犬」と思われていることがあります。小さな子供達が簡単に手を出して頭を撫でていたり、顔を触ったり、オヤツを与えたりしているのを見かけるとゾッとすることがあります。

咬みつきの危険性がある場合と、本当に大人しい犬をどうすれば見分けられるのかですが、これは実際には専門家でないと難しいことがあります。
攻撃的な性質についてテストをする方法もありますが、ある程度の行動の傾向がわかるという程度で100%咬みつきはないと保証することはできません。

まずは、知らない犬には急激に近づかないということと、自分は犬のことを知っていると思い込まないことです。その上で、一番大切なことは、それぞれの飼い主が自分の飼い犬についてだけは、行動のパターンとその性質についてできるだけ理解する必要gああります。

例えば、これらの表現の少ない犬が行う他の行動パターンは、じっと立っていて動かないでいるという特徴があります。犬は逃げる体勢に入るときに後ろに下がったり、飛びのいたり、もしくは相手を遠ざけるために前進したり、前傾になろうとします。しかし攻撃態勢の準備のないこれらの犬たちは、ほとんどまっすぐに脚を伸ばしたまま立ち尽くしています。その場を動かないことが、これらの犬たちのテリトリーの主張でもあります。

犬によってはテリトリーを主張するために動きを伴うことがあります。しかし、これらのわかりにくい犬たちは、立ち尽くしているかもしくはくるりと回る、もしくは8の字を描くように回ります。口元は閉じていて口にも動きがありません。

どちらかというと雑種よりも純血種の大型犬、特に防衛犬として使用されていたような犬たちの中にこれらの行動パターンをもつ犬がいます。純血種は使役の目的や、外見の好みを人の希望にあわせて人為的に繁殖を続けられている犬たちです。これらの人の目的が達成されれば、人に対して咬みつき事故を防止しにくい行動のパターンであっても、これらの犬は人為的繁殖によってつくられてしまいます。管理の行き届いた専門家によって飼育を受けているときには問題のない行動も、犬を飼ったこともない人を含めた一般の方が家庭犬として飼うとき、不安定な環境によって、お互いを傷つける咬みつきの事故にいたるケースもあるのです。

雑種犬も同じように、人のそばで暮らすことによって、繁殖については人のゆるい淘汰を受けてきています。好ましくない行動パターンをもつ犬は、長い時間をかけて人によって淘汰されてききたという歴史があります。例えば、人にいきなり咬みついてしまうような犬は、人里を追われて生きる術を失ってしまいます。人のそばでえさをもらいながら子を産むことができなくなります。唸ったり吠えたりする警告なしに咬みつくという行動は、人にとっては不利益なため、人と暮らす犬たちの性質の中からは自然と淘汰される方向に向かっていったのです。

最近は少し様子が異なるようです。これらの雑種と純血種の交配によって生まれた犬の中には、純血種としての行動パターンを残してしまうこともあります。純血種の繁殖はまだ始まってから100年くらいですが、強められた行動というのは簡単には消えない根強いものなのです。


犬が人に咬みつく事故を防止するために、テリトリーに関する咬みつき事故を回避する方法は三つだけです。

一つ、犬のテリトリー(領域)を侵さないように行動する習慣を身につけてください。

二つ、“唸る”と“吠える”をしない犬には不用意に近づかないでください。

この二つは飼い主以外の人も実践して欲しいことです。

飼い主に対してはもうひとつあります。

飼い主は犬のテリトリー(領域)に最も近づかなければいけない人です。
どんな状況下であっても、飼い主が犬のテリトリーに近づくことをある程度寛容に受け入れ安心できる状態でなければ、犬に対する医療行為にも支障が生じます。最後はやはり犬と人の関係性について知り考える必要があるでしょう。

過去に攻撃的行動をしたことがあり、飼い主自身がその犬に怖くて近づくことがでいないなら、他の人に飼ってもらうこともできません。犬を他人に譲るときには、攻撃性行動について把握できないような状態では不可能です。知識が十分にあり犬への理解が深い方が見つかればそれは本当にラッキーなことですが、逆に今までに何ども犬を飼ったことがあるという方でも、その犬にあった安定した環境を作ることができなければ、犬のストレス値は上がり、犬の攻撃性を引き出してしまいます。これは犬にとって最も苦しいことです。

もし、あなたの犬がまだ若い犬でとびつきや甘噛みのある段階であれば、まだ十分に対応が可能です。犬の安心できる環境と関係をつくっていってください。

一番危険なことは、犬のことをかわいいと思ってはいるから犬を手放すことはできないけど、犬の問題に対応することもせずに、いつかきっと良くなるという問題を先延ばしする姿勢で、犬の気になる行動を放置しておくことです。


どの犬にも人に愛され心から信頼できる関係をつくる機会を提供したいものです。

咬みつきは犬のもつ社会的行動のひとつです。
ただそれを乱暴に使うことなく犬が安心して生きていくことのできる環境を、わたしたちで作っていきましょう。



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Posted in 犬のこと

犬の咬傷(かみつき)事故の危険性を回避するために:犬の攻撃性行動の表現について

一昨日のブログ→昨日のブログ
からの続き文です。

昨日のブログで犬の攻撃性行動はどのように使われるのかを考えることから始めました。
わかりやすくするため二つにわけで考えていきます。

1 どのような時(状況)に使うのか

2 どのような方法(表現)を用いるのか

(1)のどのような時に使うのかについては、昨日のブログで説明しました。
今日は(2)のどのような方法を用いるのかについて説明します。

犬は人のように様々な道具を用いて攻撃することはありません。犬はもっと単純に攻撃行動をまさに行動として表現するだけです。
(2)を言い換えれば、犬は攻撃性行動をどのように表現するのかということです。

攻撃性行動にはいろいろな表現があります。
咬みつくことだけが犬の攻撃ではありません。
たとえば、こんな行動も攻撃性を表現する行動です。

唸る → 声を伴う

吠える → 声を伴う

飛びつき

甘噛み(軽くくわえる)

牙を見せる

牙を当てる

咬みつく

これらが代表的な攻撃性行動です。

飛びつきや体当たりについては、興奮したときに出る攻撃性行動としてあげることもできます。ここでは咬みつきが起こりやすい攻撃性行動に焦点をあてていますが、飛びつき、体当たり、甘噛み(軽くくわえる)はその予備軍です。

甘噛み(軽くくわえる)、飛びつき、体当たりなどは攻撃性行動としては見落とされやすい行動です。攻撃性行動が出現しにくい未熟な年齢で起きます。未熟というのは実際の年齢ではなく、成長していない依存性の高い行動が見られる状態を指します。興奮すると、飛びつく、体当たり、甘噛みといわれる口で軽くくわえるという行動が出始めます。この行動は遊び行動として見過ごさずに、この時期に犬の状態に気づき対応する必要があります。それが咬みつきに変化するのは成長段階の、ほんの一瞬なのです。吠えない大人しい犬だと思われていた犬が、突然咬みついたように思われていることもあります。


これらの攻撃性行動のうちの上の二つ“唸る”と“吠える”は声を伴う行動です。

攻撃性行動はできるだけ戦わないために必要な行動ですから、わかりやすい声(音)という表現により戦いを避けるために“唸る”と“吠える”が使われます。攻撃性行動の中で表現されるときにはどちらも低い音です。人の言葉に置き換えるなら、こっちへ来るなとか、それ以上近づくな、下がれ、手を出すなという感じで、いずれも領域を守るために使われます。いわゆる「警告音」です。

唸る、吠えるという警告が通用しないと、飛びついて牙を当てるとか、咬みつくという行動に転じます。自分の領域から逃げ出したり離れることができない状況であるとき、もしくはなんらかの理由で領域をどうしても死守する必要があり、相手が下がらないのであればいたし方ありません。
それでも、牙を当てるという行動は致命傷を負わせるのが目的ではありません。少し刃を相手に向けて、相手が退散することを目的とした行動です。牙をあてて相手がひるんだすきに逃げ出す犬もいます。

そして、最後に本当に咬みつくという行動にいたります。最後の最後に選択すべき行動です。こちらが相手を傷つけてしまえば、結果相手の攻撃性を引き出すことになってしまい、自分が攻撃によってやられてしまうかもしれないからです。それでも、戦うしかないという状況下では、咬みつかれる前に咬みつけというのもひとつの選択でしょう。

それは、どうしても守るべきもの、つまり逃げることのできない子を抱えているときや、動きがとれずに逃げられないとき、そしてつながれたり拘束されていて逃げることができないという状況が、この戦うという選択を引き出してしまいます。

犬と接するときに、唸ったり吠えたりしてくれるときは分かりやすいので助かるなと感じます。唸る、吠えるといった声を発する攻撃性行動を人は受け取ります。
動物に唸られると人は後ずさります。それは人の動物としての本能的な反応のようです。犬の行動学を勉強していない人でさえ、むしろ、していない人の方が素直にこの警告音に反応するでしょう。

逆に、非常に攻撃態勢に入っていると推測されるのに、その表現のない犬たちがいます。全く声を発することもなく、体を攻撃態勢にすることもなく、立ったままで表情も変わりません。犬の表情が変わるのは、唸るときにシワをよせたり、牙を見せるときに唇を上げるような表情でもわかるのですが、その表情もありません。

そうです。犬の中には唸ったり吠えたりする警告なしに、いきなり咬みつく行動にでるタイプの犬がいます。そして、これらの行動パターンをもつ犬は、相手に警告を与えることなく咬みつきの事故が起きてしまいます。

このような警告せずに咬みつきにいたる犬について、事前に何か知っておくことができるのかについて考えていきましょう。
次回に続きます。



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犬の咬傷(咬みつき)事故の危険性を回避するために:犬が咬みつくなどの攻撃性を発する状況とは

昨日のブログ記事に引き続き犬の重篤な咬傷事故を防ぐために考えます。

犬の咬傷(咬みつき)事故の危険性を回避するために:犬の殺傷事故を科学的に考える昨日のブログにも記述したとおり、危険犬種を特定させることだけが犬の重篤な咬傷事故を回避する方法ではありません。しかし、特定の犬種に対する理解を深めることは、この問題の本質を捉えるために必要なことです。

まず、犬の咬みつきという行動を行動学的な側面から説明します。

咬みつきという行動は、犬の攻撃性行動の中に入ります。
咬みつくという行動は、犬の攻撃性を表現する行動のひとつなのです。

攻撃性行動は社会的なすべての動物に見られる行動です。犬にも人にも攻撃性はあります。
秋田犬にもチワワにも雑種犬にも攻撃性はあります。わたしにもあなたにも攻撃性はあるのです。
こういう風に書いてしまうと「私には攻撃性はありません!」と激怒される方もいらっしゃるかもしれませんが、それは攻撃性という言葉の理解の行き違いがあるからです。

攻撃性行動は社会的行動であり、動物が安心して生きていくために必要な機能性の高い行動です。たとえば、部屋の中に入ってきたハエをハエたたきで殺したことがあるのなら、それは攻撃性行動のひとつです。攻撃性行動とはまず自分の身を守るために身につけた安全を確保するためになくてはならない行動なのです。

誰かが刃物をもって襲ってきたときにまず逃げるという手段をとることができれば幸いですが、逃げることができなければ、自分も対応する道具を持って戦うしかありません。もしくは、相手が攻撃に転じる可能性があると判断をすれば、そっちがやるならこっちもやるわよと挑発を受けてたつ姿勢を見せておいた方が衝突を避ける手段にもなります。

攻撃性は動物が内に持っていること自体は正常なことです。
大切なのはそれをどのように使うのかということです。
どのように使うのかということを以下の2点に分けます。

1 どのような時(状況)において使うのか

2 どのような方法(表現)を用いるのか


ひとつずつ分析していきましょう。

1 攻撃性をどのような時(状況)において使うのか
攻撃性を必要とされる状況は、シンプルに考えると次のような状況です。
・自分が攻撃されると判断したとき
・自分のテリトリー(領域)を侵されたと判断したとき

細かく考えていくともっとたくさんありますが、少し単純に想定していきます。
ここでは、わかりやすく「判断」と書きますが、犬の判断は瞬時に行われるもので、考えた結果ということではありません。
まず、状況を整理してみましょう。

自分が攻撃されると判断したときとは、自分が傷つけられるかもしれない状況に至って逃げられなければ防御もしくは攻撃をする必要があります。この状況は、自分が生活の場から離れているときのも発揮されます。
たとえば、ただ道を歩いていたときに前方から傘を振り上げた人を見つければ、自分も何かをもって応戦するしかありません。
犬の場合にも、リードをつけられ逃げられない状態で散歩をしているときに、リードを放された犬が自分の方に突撃してくればそれは自分に対する攻撃として受け取り咬みつくしかないでしょう。
余裕があれば事前に吠えて、自分の領域に近づくなという警告を促せる可能性もありますが、犬が至近距離に入っていれば攻撃態勢になるのに時間が必要なため、攻撃を受けこちらからも攻撃を返す姿勢になる選択をすることになります。

この攻撃を受けるという防衛的攻撃は、逃げることのできないつなぎ犬のテリトリー内でも発生します。どのような長さでつながれていたとしても、つながれていることは逃げることができないという状況下であることを犬は知っています。
そのため、ある程度の長さでつながれている犬でも、自分を犯されると判断した場合には瞬時に攻撃性を発生してしまいます。
犬に対して相手が攻撃的な行動を先に示せば、その状況の説明はわかりやすいものです。犬に対して人が棒を振り上げる、何かを投げ付ける、蹴る、手を上げるなどの行動は、犬からは攻撃的行動と受け取られる行動です。他にも他の犬が飛びついてくる、体当たりしてくる、体重を自分に乗せようとする行動は同じように攻撃的行動として受け取ります。

状況の説明が理解しにくいのは、犬に対して攻撃性行動をしていない人に対して攻撃をしてくることです。
自分が攻撃をしていないのに相手が攻撃をしてくるとすれば、病気でなければ自分が相手のテリトリー(領域)を侵した場合でしょう。人の場合には心理的領域というのがあるため複雑ですが、犬の場合には物理的領域としてみることができ、状況把握はあまり難しくありません。

人から見て理解しがたい犬の攻撃が起こるのは、ふたつめの「自分のテリトリー(領域)を侵されたと判断したとき」です。
この問題は犬の咬みつき行動の原因なる可能性が非常に高いのですが、テリトリーに関する人の理解はなかなかすすみません。それは犬という動物のテリトリーのルールが存在していることを人が理解しにくいというだけではなく、人が犬を飼うという関係性の中で人の方が曖昧に処理してしまっている部分があるからです。

また極端な例を出すなら、野生動物にもテリトリーがありその領域を侵されたと判断され逃げる選択ができない場合には野生動物も攻撃性行動を行うでしょう。動物園の動物には幾重にもなる柵や溝によって見学者との距離がとれるように安全整備をしています。
ところが人が飼う犬は、飼い主の家や庭などの領域の中に入って生活をしています。その人と犬の間には領域争いなどないのだという価値観の方もいるでしょう。だとしたらこれだけ多くの犬たちが毎日吠えているという事実も存在しないのではないでしょうか。

そもそも犬が飼い主に領域を侵されると感じられるような関係を持ってしまったことは、犬の飼育者としては不十分です。お互いの領域を守りながら、共有のルールを適応できる場、犬を尊重すべきこと、お互いの領域が重なることを受け入れる関係性、そして逆にお互いの領域を侵さないという配慮。
これらの領域に関する犬と飼い主のルールは、犬と暮らす上で絶対に守ってほしいことなのです。

それは犬の方が咬みついてもたいした傷をおさせる危険性のない小型犬であっても、人と犬がより良い関係性を目指すのであれば、ぜひ実現してほしいことです。

明日は、犬の攻撃性行動について「どのような方法(表現)を用いるのか」に続きます。

dav

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犬の咬傷(咬みつき)事故の危険性を回避するために:犬の殺傷事故を科学的に考える

犬が人に咬みつき死亡や重傷を負わせるという不幸な事故が、また起こってしまいました。
その周辺で辛く悲しい思いをしている方々のお気持ちを思い心苦しくなります。
一方で、犬という動物を愛し犬が人と共に暮らす幸せを実感するものとしては、別の気持ちや考えを持つことも事実です。

今日はこの現状をできるだけ科学的かつ行動学的にお伝えしていきます。

まず、環境省の犬による咬傷事故状況(全国統計)資料による国内で発生した犬の咬傷事故のうち、被害者が死亡にいたったものの件数について最近のものを調べました。

以下の数字が犬の咬傷事故の発生年数と死亡者数です。
平成27年 2名
平成26年 3名
平成25年 0名
平成24年 1名
平成23年 1名 
平成22年 1名
平成21年 2名(飼い主)
平成20年 1名(飼い主)
平成19年 5名
平成18年 1名
平成17年 11名
平成16年 7名
平成15年 1名
※()書きのないものはすべて飼い主以外の一般人が被害者

この数字を多いと見るか少ないと見るかは、その見方によって変わるでしょう。
統計の前後からいうと平成17年と平成19年に死亡事故件数が上昇した以外は、ここ10年では1~3名という数字です。

国内では犬による死亡事故が発生した場合に大きなニュースとして報道されることから、比較的数の少ない事故であると同時に、動物による殺人はあってはならない事故だという一般的な認識を強く感じられます。


少ないように見える死亡事故統計の数字ですが、大切なことがあります。
それは「ゼロ0」という数字がほとんどないということです。

ということは、犬が人を咬み殺してしまうかもしれない事実は十分にあり得る現実的な問題であることを認識する必要があるでしょう。ここでは、死亡件数しかあげていませんが、死亡にいたらなくとも重篤な状態にいたったり皮膚に傷を抱えたまま生涯を送っている人の数は、数千件に上ります。

犬などの捕食動物と馬や猪などの大型の草食動物には、人を殺傷する能力があります。
まず、動物のもつ能力のひとつとしてきちんと受け取る必要があります。
それは、動物が怖いという気持ちを植えつけるのではありません。
ヒトという動物にも人を殺す能力はあります。
上記の統計の横に人が人を殺した死亡件数をあげれば、圧倒的に人が人を殺した数の方が多いのです。


野生動物であるイノシシと山中で遭遇することを恐れているのは、イノシシに殺傷能力があり自分がそれによって殺されることはなくとも大ケガをする危険性があるからです。その緊張感は、同じ場所でウサギを見たときのものとは全く違います。

家畜である馬は牛も後ろ脚の蹴り上げる力は強力なので、近づくときには警戒しながら接近をはかるでしょう。

ところが犬は、家畜動物といっても馬や牛などとは管理の仕方が違います。
馬や牛が動物を管理することを学んだ専門家やもしくはそれに近い人が飼育しているのに反し、犬はだれでも飼うことができます。

そして、犬は人の住む庭先や家の立ち並ぶ敷地の隅につながれていることもあるし、今や家の中で飼われることは特別なことではなくなりました。敷地の間にブロック塀などの敷地を区切る壁が設置されているため、犬の姿をあまり見ないように思えても、都心ではあちこちから犬が吠える声が聞こえてきます。
出先の公園で散歩している犬の姿を見ることは日常のことですし、車でドライブをしている犬の姿も珍しくありません。国民の中の多くの人がイヌという動物を犬として飼っているのです。

人の生活に最も身近で数の多い動物は犬と猫であるという事実を受け止めます。
身近というのは好き嫌いという意味ではなく、実際的に数がいるという意味です。

その犬と猫の両方に殺傷能力があります。

犬の場合には猫と異なりサイズの幅が大変大きいことが特徴です。
小さな犬は数百グラム(1キロ未満)から、大きな犬は80キロを超えます。

犬の殺傷能力については、やはりサイズが大きくなるほどその能力が高くなります。
1キロ未満のチワワでも生肉を咬みきって食べる能力を持つこともありますので、ヒトが咬まれたときに皮膚など体の一部を食いちぎってしまう能力があることは否定できません。
ただ、死亡に至らせる可能性は低いです。

犬の殺傷事故のうち人が死亡にいたったのは、犬のサイズが大型犬以上のものがほとんどです。
ニュースでもすべてが純血種というわけではありませんが、純血種が多くを占めるというのもこの事故の事実です。秋田犬、土佐犬、ピットブル、マスチフ、シェパードそして先日はゴールデンリトリバーといった大型の純血種が実際に死亡にいたる咬みつき事故を起こしているという事実があります。

自治体によっては犬種の中で危険犬種として指定されているることがあります。自治体によっては事前に飼育の管理方法についてのチェックを受けることもあるし、危険犬種として自治体の管理が行き届くように条例が作られている場合もあります。ただしこれは自治体ごとの対応です。
環境省では危険な特定動物としてオオカミとイヌを交配させたハイブリッドを指定していますが、現在のところ特定の犬種を危険犬種としてはいません。

個人的な意見としては、危険犬種を特定させることだけが殺傷事故を解決するとは思いませんが、純血種の大型犬の行動の特殊性についての理解を深め、純血種のブリーディングやその犬を飼う飼い主の意識を変革させることは必要だと思います。

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