グッドボーイハートは人と犬が共に成長して調和することを目指すドッグトレーニング・ヒーリングスクールです。

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こんな時代でも犬と楽めることを続けてきて良かった

紅葉の終わるこの時期、山では一番活動ができる季節です。

気温良し、スズメバチいない、葉が落ちて山全体がよく見渡せる、体が動く。

山の手入れを急がなければいけないと気持ちだけが焦る中、助っ人参上で助かりました。

グッドボーイハートで学ばれ生徒さんが手入れのお手伝いに来てくださいました。

すでに犬ちゃんは他界。

今は自然と関わる様々な楽しみを生活の中に取り入れていらっしゃるようで時々お逢いしてお話を聞くのも楽しい時間です。

グッドボーイハートの尾歩山をいっしょに育てて下さったので、私がしっかりやっているかどうかチェックも含めてのお手伝いかと心から感謝いたします。

昨年の今ころは、まさか世界中の人間がマスクを着けて歩く姿など想像できなかった時代がやってきてしまいました。

旅行もイベントも自粛…。

こんな時代だけれど山で犬と過ごすことは以前と少しも変わりません。

昨年のこの時期も「早く山の手入れをしなくちゃ…」と預かり犬ちゃんを連れて山に入っていました。

やっていることは全く変わっていないし、これが一番楽しいし、これが一番学びになると昨年よりもずっと強く思っています。

今日あたりは北風の吹く風がときどき強まり「冬が来るよ~」となんどもお知らせが入っています。

昨日午後は福岡でのトレーニングクラスを開催し、こうして今は七山に来て犬といっしょに山歩きをしている。

人からよく「先生もお忙しいですね。」と言われるのですが、今はこの二つをつなぐことば役割なのだからさせていただくことはありがたいことです。

日本の山や田舎はヨーロッパのように管理されておらず暗い雰囲気が漂って人があまり寄り付きません。

でもそれは、近代になって小さな日本という国土の中で田舎から都会に向かってたくさんの人々が流れ出てしまったせいです。

こんな時代だからどこでも仕事ができると、今は郊外や田舎に家を探している人も増えていません。

芸能人のキャンプや山暮らしもYouTubeにアップされるようになり、これからは都会から田舎に向けて人が流れていく時代が来てくれると田舎はもっと洗練されて居心地よくなるでしょう。

そしたらきっとその自然あふれる里山に犬たちの健康な姿を見ることもできると想像します。

妄想とイマジネーションの違いがあるとしたら実現の可能性のある想像の方は、今できることをどれだけやっているかどうかなのではないかと。

犬の生涯は人の十分の一です。

だから毎日を大切に実現に向けて世界を作っていきたいのです。

福岡と七山を結ぶ「ドラえもんのどこでもドア」ができたらいいなと次世代につなぎます。

Posted in 日々のこと, 犬のこと, 自然のこと

“ごぼうびか罰か”のトレーニングでは犬に安心を教えることはできないのです。

犬の学習やトレーニング、犬のしつけを学ばれている方にとって、罰を用いたトレーニングよりもごほうびを用いたトレーニングの方が圧倒的に人気があるのは分かります。

犬が「罰=痛みや嫌悪刺激」を避けるために何かを学ぶ罰を回避させるトレーニングは犬にとっても飼い主にとっても辛いものです。

オヤツを見せたらすぐにオスワリをするなら、オヤツを使ったごほうびトレーニングの方がずっと犬に優しいと思うでしょう。

でも、よく考えてみましょう。

「ごほうび」と「罰」はコインの裏表のようなものです。

楽しそうな「ごほうびトレーニング」にも実は落とし穴がたくさんあります。

ごほうびトレーニングと罰を伴うトレーニングが同じものだとはいいませんが、同じ種類の道具で犬を操作しようとしていることに変わりはありません。

そして何より(ここが一番大切なところ)ごほうびか罰トレーニングでは犬に教えられないことがあります。

それは「犬が安心&安全を得ること」です。

犬にオヤツを用いたトレーニングをしても、犬は安心&安全を得ることはできません。

犬はオヤツを見ると集中するし、オヤツを見せればすぐにオスワリをするし、オヤツをみせればすぐにハウスに入ります。

本当にすぐにできるようになるので食べ物をドッグトレーニングに使うことが流行りました。(すでに過去形ですみません。)

でもこのトレーニングは何かの特技を教えるときには有効な場合もありますが、他の場合ではほとんど無効です。

ほんの動機付けにはなっても、すぐに引き上げることをおすすめします。

さて、犬が安心して生活をすることを「ごほうびか罰か」のトレーニングでは教えることはできないと言いました。

では、犬はどのようなトレーニングで「安心&安全」を得ることができるのでしょうか。

グッドボーイハートで真剣に学ばれている生徒さんなら即答していただけると思います。

そうです。

不安を抱えている犬には、犬が安心して生活できる環境を整える=「環境整備」が必要です。

犬に必要な安全な寝床、安心できる休める場所、信頼できる飼い主。

この「環境整備」ですが、飼い主さんが準備できる環境がすべて異なるのと、犬の性質や経験や遺伝が全部違うので、一言でこの形とお伝えすることはできません。

室内飼育されている犬の飼い主なら、うちの犬は室内にいるから安心だと思っているはずと思い込んではいないでしょうか。

もし犬が室内で吠えたり騒いだりするなら、もし飼い主が留守番のときに犬が吠えるなら、もし来客のときにインターホンで犬がワンワンと吠えるなら、その犬は自分の住処をまだ安心だと感じていないのです。

犬は物理的な環境整備と、飼い主との関係性という精神的な環境整備のふたつによって安心と安全を獲得していきます。

犬は不安やストレスを感じると、吠えたり、騒いだり、飛びついたり、噛みついたりするのです。

犬にごほうびや罰を与えることよりも、もっと基本を整える環境整備トレーニングからおすすめします。


 

Posted in クラスのこと, 犬のこと

<お知らせ>お預かりクラス時送迎料金変更のお知らせ※令和元年12月~

いつもお預かりクラスをご利用いただきありがとうございます。

お預かり料金の送迎費を令和元年12月1日より変更させていただきますのでご案内します。

従来「有料道路・都市高速代金別」としていましたが、

新しい送迎費では「有料道路・都市高速代金込み」として以下の通りとさせていただきます。

12月1日よりのお預かりクラス送迎費(福岡市、春日市、大野城市、粕屋町、粕屋郡、大野城市、那珂川市、筑紫野市、伊万里市、糸島市、鳥栖市)

その他の地域はお問合せ下さい。

送迎各1回につき 2,000円(税別) 有料道路・都市高速代金含む

お預かり時の送迎は往復の移動となりますのでご了承下さい。

飼い主さんに直接連れてきていただくお預かりも可能ですので詳しくはご相談下さい。

 

また送迎費は訪問レッスンの出張費とは料金が違います。

出張費についても別途お問合せ下さい。(福岡市、唐津市は出張費不要です。)


 

 

Posted in お知らせ

犬も自発的に行動すると脳が活性化するけど、それ自分勝手に行動…と区別すること。

ブログに書きたいことが満載なのですが、内容を頭の中で整理するのに時間がかかってしまいます。

しかもグッドボーイハートのこのブログはどんどん深みを増しており、グッドボーイハートで学ばれていない方には理解しにくいような内容になっています。

それでも、このブログはグッドボーイハートでご縁のあった飼い主さんたちがより犬への理解を深めていただくための参考書として今後も利用していただきたいと思います。

なので記事内容のレベルを落とす気はありません。

ということで今日も少し難解です。

「自発的に行動すると脳が活性化する。」という内容の話を車で移動中のラジオで聴きました。

脳科学の先生が脳についてお話をされていたのです。

「自発的に行動する」とはどういうことなのか?

人間社会では「人から言われたことだけをするのではなく、自分で考えて行動するという」意味で使われることが多いようです。

いわゆる「指示待ち人間」ではなく「自分で考えて行動するようになれ」ということです。

 

犬の行動にも「自発的行動」と「能動的行動」というのがあります。

人から言われてオスワリをするなら能動的行動?

犬が自分からオスワリをするなら自発的行動?

どうですか。そう思われるでしょうか。

ところがそうでもありません。

行動というのは単純なようでそんなに単純ではないのが行動学を学ぶ楽しさです。

先の犬の行動の振り分けですがこんな風になったらどうでしょうか?

オヤツを見せられた犬が自分からオスワリしたら自発的行動なのか。

オスワリと人から言われてオスワリした犬が能動的行動なのか。

どうでしょうか。

 

自発的行動というのは自分勝手に行動することではないということはすぐに理解できると思います。

もし自発的行動が自分勝手行動と同じなら、衝動的に行動すれば脳は活性化するということになってしまいます。

私の考える自発的行動とは、自分の所属する社会的グループ、犬なら群れのために利益のでる行動をするために自分の行動を決めることです。

人なら会社や家族がより繁栄するために自分ができることを考えて行動することが自発的行動ではないでしょうか?

その行動の選択の中には、いろんなチョイスがあってどれにしようかと考え整理し、そして葛藤の上に行動が決まります。

自分勝手行動は自分の利益のためだけに行動をすることで自発的行動ではないのです。

オヤツのためにオスワリするならそれは自発的行動ではなく自分中心行動になってしまいます。

 

では、オスワリと言われたらオスワリするのは能動的行動でしょうか。

人から言われたことをするから確かに能動的ではあります。

でも犬も最初から自分の役割を知っているわけではありません。

今何をしなければわからない年齢の犬や、未熟な動物はまず言われたことをきちんとできるようになることから行動はスタートします。

自分の行動によって何かを獲得しているのであれば、それは今能動的行動であっても明日は服従性行動というランクの高い行動に変化する可能性があります。

犬は動物ですが決して衝動的で自分勝手な動物ではありません。

本来の犬は社会性が高く、強い群れに所属したいという服従欲求というのを持っています。

どのくらいの飼い主さんが犬のこの高い社会性を満足させられることができているのかと思いつつラジオを聴いていました。

ちなみに人間は80歳を超えてもまだ脳を書き換えている、一年でずいぶん書き換えられるそうです。

だから老いを受け入れず新しいことにチャレンジしていくのは脳にとっては喜ばしいことのようです。

頭だけでなく体を動かすことは脳を良い状態にするとのことでした。

これを励みに山の手入れをがんばることにします。

トレッキングクラスで落ち葉の道を歩く犬ちゃん



 

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お預かりクラスを終えて「帰宅してからすごく変わったことがあったんです!」

先日、はじめての体験お泊りかつ長期のお預かりクラスに来ていた犬ちゃんのご自宅に家庭訪問に伺いました。

お預かりクラスの後はご自宅でいろいろな変化が起きる可能性があり、ワクワクドキドキの家庭訪問クラスとなりました。

変化の中には、飼い主さんのいう「良くなった」というのもあるし、反動として「難しくなった」というものもあります。

どちらも成長過程の一つでアップダウンしているだけですが、飼い主さんの方は長い見通しがたたないため、上がれば嬉しいし下がれば残念と思うのも仕方ありません。

今回の犬ちゃんはどうだったのかな?

「帰宅されたから何か変化がありましたか?」とお尋ねする前に、生徒さんの方から「お預かりから帰ってすごく変わったんです!!」とご報告がありました。

ご報告の感じからすると「いいこと」のようですね。

その犬ちゃんに起きた変化とは身体的変化でした。

「すごく動きが俊敏になったんです!左右に体を振って動くようになったんです!」ということでした。

なるほど、それなら納得できます。

体は大きいのに、むしろ大きすぎる自分の体をどのように動かしていいのかわららない若者のような犬ちゃんは結構あちこちにぶつかったり、階段が登れないとか、左右に転げそうとかいろいろとありました。

お預かりクラス中はかなり急坂に立ち止まっていたり、待たせられたりしていましたので、体のバランスをとる力が身に付いたのだと思います。

それで俊敏な動きになったのであることは間違いありません。

「人のものをとったときも動きが早くて捕まらないんです…」

というのは良い行動とはいえませんが、以前よりも早く動けるようになったことで犬は自信をつけたことでしょう。

さらに「フェイントをかけて投げるふりをしたボールを以前はないのに追いかけたのですが、今はフェイントだと見破ります。」

これもお預かりクラスで環境をよく観察するという学習をした成果ですね。

そして最後にもうひとつありました。

レッスン中にテーブルでお話する際に「足元に伏せてマテをさせてください」とお願いしたのですが、なんとちゃんと伏せて待っています。

いままでは立ち上がろうとしたり飼い主さんにまとわりついたりとごねていた「ゴンタくん」だったのですが、ちゃんと伏せて待っているではありませんか。

「なんだかすごく落ち着いていますね。」と私も驚きました。

お預かりクラスはトレーニングのためのクラスではありません。

犬のしつけはあくまで飼い主さんがというのがグッドボーイハートのポリシーだからです。

ただ、お預かりクラスではわたしが飼い主さんの立場となって犬と向き合います。

普段のご家庭ではできないような体験学習を通して犬の脳に刺激を与えていきます。

脳が若く柔らかいほど吸収が早く変化も訪れることは否定しません。

この犬ちゃんの脳の中にもなんらかの経験が学習として入りそれが根付きそうにあるのかと思うと心からワクワクします。

お預かりクラスで起きた変化を飼い主さんが大切にしてくださることで家庭訪問レッスンがまた生かされていきます。

次回の訪問レッスンもまた楽しみです。


 

Posted in クラスのこと

お知らせ「年末年始のお預かりクラスのご予約お急ぎください。」

寒さが増してきましたね。

七山はもっと冷え込んでおります。

そんな越冬準備のために薪ストーブ用の木を生徒さんからいただくことができました。

すごく助かりました!ありがとうございます。

他にも庭木処分する予定だとか、公園に木が置いてあるよといったお声かけ大歓迎です。

ゴミで燃すくらいなら私たちの暖のために薪をいただければ嬉しいです。

 

さて、年末年始のお預かりクラスについてグッドボーイハートからのお知らせです。

年末年始のお預かりクラスのお問合せが増えています。

みなさんの犬ちゃんたちを安心安全かつ楽しくお預かりするためのスケジュールを立てる予定です。

もし年末年始にお預かりをご希望の場合には早めにご予約いただきますようお願いいたします。

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畜産のアニマルウェルフェアに学ぶ動物のストレス管理とチェックについて

先日のブログ記事で動物福祉についての話題を取り上げました。

以下の講義をEラーニングで受講させていただき、その中から犬との暮らしに役立ててただけそうなことがありました。

公益社団法人日本動物福祉協会主催「第8回動物福祉市民講座」

講義題目「乳牛のアニマルウェルフェアを分かりやすく」

講師 瀬尾 哲也 先生【帯広畜産大学 畜産学部 准教授 / (一社)アニマルウェルフェア畜産協会 代表理事】

瀬尾先生の講義の中では、畜産の現場でアニマルウェルフェア(動物福祉)を実現させるための指針としていくつかの具体的なチェック項目について紹介されました。

動物の健全な身体の維持に関わるチェック、そして動物の健全な精神の維持に関わるチェックがあります。

身体のチェックは分かりやすいものが多い中、健全な精神については知るにはどうしたらいいのかと思われるかもしれません。

そのチェック項目はグッドボーイハートの生徒さんならみなさんが持っているストレス性行動のチェック項目と同じようなものでした。

たとえば、牛の場合には次のような異常行動をする牛がいないことが基準をクリアしていると紹介されました。

その異常行動とは、

・犬座姿勢(オスワリの形で座る)

・舌遊び

・異物舐め(牛舎の柵などを長く舐める)

などが紹介されました。

しかも基準をクリアするためには、こうした異常行動をする牛が一頭もいないという数字だったのです。

異常行動のチェックは動物を管理する上では必須の項目だという認識はありましたが、その数が「一頭もいない」という厳しい数字であることを始めてしりました。

犬であれば、

・長い時間手をなめる

・サークルやケージの柵をなめたりかじったりする

・2本脚立ちをする

といった行動が上記の牛の行動と同等のストレスシグナルです。

多くの家庭犬たちがこの異常行動をしていますので、飼い主としては冷や汗の出るところです。

理由については後述します。

 

他のストレス値として、人に対する逃走反応スコアについても紹介されました。

人に対してどの程度の恐れを抱いているのかという反応のスコアです。

牛の場合には、後ろに身を引く距離で測るそうです。

犬の場合にも同じように後ろに身を引く行動でも測りますが、逆に人に飛びつく(攻撃のパターン)行動でも測ることになります。

 

また管理に関する基準の中には、尾を切る「断尾」が一頭もないことが基準とのことでした。

多くの犬たちがいまだ尾を切り落とされている家庭犬が本当に動物として尊重されているのかを真剣に考える必要がありそうです。

 

では先の犬の手舐め行動(ストレス性行動の中の自虐行動)は牛舎で飼われている犬よりも多い理由について説明します。

犬は他の家畜化された動物たちとは一線を画す動物であることを動物行動学者のコンラート・ローレンツ博士がその著書に書いています。

牛や豚のように長い歴史をかけて管理される家畜として人為的な繁殖してきた動物と犬では異なるのです。

犬はその多くが(純血種の多くもまた)本来の犬としての機能性を人が役立たせてきた動物です。

家庭の中に長い時間にわたり閉じ込めたり犬としての活動をする機会を失うとストレス性行動が多発します。

そのため牛では一頭も見逃されない舌遊び的なストレス性行動が、家庭の犬では多発することになります。

他にも不十分な計画による人為的な繁殖や、繁殖の過程も犬たちの将来の行動に影響をしていることでしょう。

牛の方が明らかに犬よりもきつく管理された動物であるにも関わらず、犬の方がストレス行動が多いという事実には驚きと反省が必要です。

 

その他、瀬尾先生のお話の中には犬の行動について理解を深めるためのいくつものヒントや、これまでそうではないかと予測していたことに対する革新的な後押しをいただきました。

今後また記事として記録していきます。

今回は貴重なセミナーを無料で提供して下さった瀬尾先生と日本動物福祉協会、そしてセミナーの開催をご連絡してくださったGBH生の皆様に感謝いたします。

Posted in 人イヌにあう, 犬のこと

犬との生活、犬のしつけ方も動物福祉の視点で考える時代になった

先日ドラマ大草原小さな家に出てくる動物たちが犬も含めて人に利用される家畜として大切にされている歴史についてお話しました。

いまや犬は家族の一員ですから家畜という言葉はもう時代にはあいません。

それでも犬は人が生活のために必要であるという理由で繁殖したり売買や譲渡することのできる動物であるという現実をまず受け入れておく必要があります。

その基盤の中で考えなければいけないのは、人と暮らす動物が幸せであるかどうかということです。

 

グッドタイミングで、公益社団法人日本動物福祉協会主催のEラーニング「第8回動物福祉市民講座」を受講しました。

内容が面白すぎて繰り返しみているためまだ第一部の瀬尾先生の講義を伺ったところです。

講義題目「乳牛のアニマルウェルフェアを分かりやすく」

講師 瀬尾 哲也 先生【帯広畜産大学 畜産学部 准教授 / (一社)アニマルウェルフェア畜産協会 代表理事】

瀬尾先生の講義の題目の中にある「アニマルウェルフェア」とはまさに「動物福祉」を英訳した言葉です。

瀬尾先生の講義の一部にはこのような説明がありました。

動物の飼育には動物福祉という考え方がイギリスを中心に広まっている。

動物福祉とは福祉という言葉から人の弱者を支援するサービスと誤解されているがそうではない。

“Animal Welfare”は「動物福祉」や「家畜福祉」と訳される。

“Welfare”には「幸福」や「良く生きること」という意味もある

畜産技術協会では「快適性に配慮した家畜の飼養管理」とし、アニマルウェルフェアとカタカナ表記している。

※引用ここまで

動物福祉という考え方は動物を管理飼育するすべてのものが考える必要のある知識であることは間違いありません。

畜産などでたくさんの動物を管理する場合には必須の規則です。

ここで瀬尾先生は動物愛護とアニマルウェルフェアの違いについても触れられました。

とても参考になる内容なので引用させていただきます。

愛護とアニマルウェルフェアの違い

愛護:かわいがり保護すること。

主語は人間。

動物を愛する情動。

アニマルウェルフェア:

客観的に動物の快適性の配慮を目指す。

動物の立場でとらえる。

※引用ここまで

瀬尾先生の講義のプリントのとおり、動物愛護とは動物をかわいがる人の情動のことであって、動物にとってはどうでも良いことなのです。

そもそもは子供たちに動物をかわいがる精神を教育しようというのが動物愛護です。

犬を飼うために必要なのは動物愛護ではなく動物福祉の方です。

もう十年以上前からこの議論はあったはずですがまだまだ一般の方々にはこのことが伝わらない、浸透していきません。

畜産の場合には多頭での飼育になるため「動物の日々の快適性にたいする配慮」がとても重要になります。

しかし犬も同じように「動物の快適性の配慮」が最も大切なのです。

犬は室内飼育が多いし、エアコンもあるし、毛布もあるし、清潔だし、快適性は十分に確保されていると思いますか?

犬が適切な場所、テリトリーの外で排泄ができる環境や、犬が土や草に触れられる時間、犬が日向ぼっこする場所や時間はありますか?

犬は臭いに敏感な動物なのに、部屋はいつも閉め切ったまま、食べ物や清掃品や洗剤の臭いに囲まれて過ごしてはいないでしょうか?

犬の立場になってとらえるためには、犬を科学的に動物として理解する必要があるのです。

そのために、犬の歴史、習性、行動、機能性、遺伝について学ぶためにドッグスクールが存在しています。

いろいろなドッグスクールがある中でグッドボーイハートは犬について学ぶための学校であると宣言します。

飼い主が犬のことを理解すること、それが犬の行動の改善につながり、犬と人の幸せにつながる、その中で犬の動物福祉を実現させること、それがグッドボーイハートの目指すところです。

瀬尾先生のアニマルウェルフェア基準にもとづく畜産の話の中でまだ興味深い内容がありますので次回もそのことに触れます。

Posted in 犬のこと

開拓のドラマ「大草原の小さな家」に見る犬の姿

お預かりクラスの合間に七山の尾歩山の刈込みに疲れてきて、何か励ましになるような物語を見ようと思いついたのが「大草原の小さな家」でした。

テレビ放送されたアメリカドラマですが、あまりにも古すぎてそれなりの年齢の人しか知らないとは思います。

アメリカ大陸を開拓する移民のお話なので、先住民族との複雑な歴史など正確に描かれているとは思えませんが、大地を開拓する過程にはリアル感を感じます。

その大草原の小さな家の最初の最初。シーズン1のエピソード1を見たのですが、なかなか感慨深いものがありました。

① 犬の話から始まったこと

② 馬・犬・牛などの動物が人の生活を支えていたこと

この二つです。

 

① 犬の話から始まったこと

 

大草原の小さな家の1回目の前半は犬の話でした。

新しい土地を求めて移動する父、母、娘3人。そして同伴するのは中型犬(日本では大型にはいる)毛足の長いテリア種の犬でした。

テリア種はネズミなどの害獣を取るのが役割の犬です。

おそらく大陸に渡る船に乗せられてきた犬の末裔なのでしょう。

そのテリアのジャックという犬は開拓のために移民する家族の一員として暮らしています。

新しい土地を求めて移動する家族を乗せた馬車に寄り添いながら走り続けます。

実際に馬車に同伴できる犬もいたのでしょう。

犬はかなり長く走ることができる動物でしたがテリア種になると脚も短くオオカミのようにはいかなかったはずですが。

さらにジャックは毛むくじゃらなのにかなり汚れているしとてもシャンプーされている様子はありません。

ジャックは屋外と室内を出入り自由で、日ごろは家族と家畜を守るための番犬として大切にされています。

一度だけ家畜の場所につながれるシーンがあります。

ジャックをつなぐ父親に「今まで一度もつないだことがないのに、かわいそう」と同情する娘。

犬をつないだ綱を外そうとした娘が強く怒られます。

犬をどのように扱うのか厳しいルールがあったことがうかがえます。

そして何よりも、ジャックはよく人のいうことをききます。

子供たちの言うことももちろん聞きます。

子供の外出について来ようとする犬に「ジャック。ゴーホーム。」といって家に戻ることを教えます。

犬はそれに従い家畜場に戻ります。

「家にもどりなさい」の合図。

「オイデ」よりももっと難しい合図です。

犬と人の関係を考える上でとても考えさせるドラマです。

 

② 馬・犬・牛などの動物が人の生活を支えていたこと

 

大草原の小さな家の第一話にはたくさんの人と暮らす動物が登場します。

移動の際には馬車が活躍、馬の扱いを知っていなければ大陸を移動することもできません。

畑を作るには牛が必要です。

牛の扱いと管理は絶対でした。

そして鳥を育てて卵を食べること。

そして何より犬の存在の大きさが心に響きます。

動物を利用しているといえばそのとおりです。

動物の持っている能力を利用して人の生活を豊かにしようとする。

可哀そうだと思うかもしれませんが、みなさんのそばにいるお人形のような風貌の犬たちも同じ目的で販売されているのです。

考えなければいけないのは、彼らが動物として幸せに生きていくということはどういうことかということです。

動物福祉という言葉についてそろそろ考えてみる時代です。


 

 

Posted in 日々のこと, 犬のこと

犬のしつけ方ポイント「大技を習う前に基本を叩き込むこと」

学生時代にテニス部に入部してからというもの華やかなサービスエースやスマッシュや見事なロブにあこがれていたのに、部活のほとんどの時間はランニングと素振りでした。

素振りはテニスの基礎の基礎。

素振りだけで終わり玉を一度も打つことがなかった日もありました。

華やかなプレーをやってみたいけれどその前には基礎作りというのがあり、犬のしつけ方にもその基礎があります。

ところが習い事と同じように何か目立つようなことから取り組んでしまう失敗が犬のしつけ方の中でもありがちです。

 

「犬に何か教えていることがありますか?」といいう飼い主に対する質問に対して案外多い答えが次の答えです。

「オスワリ、あとオテを教えました。」

と誇らしげに飼い主が言います。

なぜかゴハンを与えるときにオスワリというのはものすごくメジャーな犬に対するかけことばのようでほとんどの犬がオスワリをしてゴハンをもらっています。

次の「オテ」ですが、これは実際には犬のしつけ方という分野とは無関係です。

「オテ」は犬のしつけというよりも“犬の芸”の方です。

芸とは犬が普通に人に対してあまりしないことを、合図を使ってさせるというものです。

それが「オテ」です。

他者に手をかけるこの「オテ」行動は、犬と犬のコミュニケーションなら友愛とは別の意味を示す、つまり強い主張行動になります。

大人しい犬なら人にしそうにない行動ですが、オヤツひとつですぐにできるようになります。

でもどんなに「オテ」ができる犬でも一番難しい合図はすぐにはできません。

 

一番難しい合図、犬のしつけの大技といえば「オイデ」です。

室内でオヤツひとつあれば教えられる「オイデ」も、もし屋外でリードが外れてしまったら、犬が走り出したらあなたの犬は「オイデ」に反応して戻ってくるでしょうか。

これもありがちなしつけの失敗ですが、まだ十分にコミュニケーションがとれていな犬のリードを屋外で外してオイデの練習をさせてはいないでしょうか。

あなた犬が生後数ヶ月ならきっと飼い主のオイデに単純に反応します。

しかしその犬は生後8ケ月になるとオイデといっても戻って来ない犬になります。

幼くて飼い主から離れられなかった子犬は、成長と共に飼い主から離れていくようになる。

オイデが出来ていたのではなく、離れることができなかっただけなのです。

犬に「オイデ」というしつけの大技を教える前に、もっと大切な基本を教えておく必要があります。

 

犬のしつけの基礎の基礎。それは「マテ」です。

いついかなるときでも、ある程度の時間のマテができるようになること。

これが犬のしつけ方の基本の基本です。

ゴハンやオヤツのお預けのマテができる犬も飼い主が離れて戻るまでのマテはなかなかできません。

このマテ(待機)こそ犬が犬として一番やらなければいけない行動です。

ひとりでもできる役割で忍耐も必要です。

マテは犬がじっとしている行動なので動きがなく動画映えもインスタ映えもしません。

それでもマテができる犬は本当に強いのです。

マテがどのくらい(距離や時間だけではなく状況別に)できるでしょうか?

インターホンが鳴っても「ベッドでマテ」ができるでしょうか?

オヤツがなくてもできるでしょうか?

犬のしつけの基礎の基礎からもう一度見直してみましょう。

Posted in クラスのこと, 犬のこと